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念を使わせてみよう小説スレッド

1041:2004/11/26(金) 18:01

「…何故、切り落とした筈の拙者の腕が動いたか」
 ギコ侍が、倒れたしぇりーに話しかけた。
「簡単な事。 離れた腕を操作したまで」
 そんな馬鹿な。
 しぇりーは驚愕した。
 さっき切り落とされたばかりの腕をあそこまで精密に操作するなんて、操作系でも難しい。
 ましてやギコ侍の先天能力は強化系。
 単なる思い付きで、可能なレベルではない。
 長い間の鍛錬が無ければ、とてもあんな芸当など出来る訳が無いのだ。
「一つ勘違いをしているようだな。
 誰が、この腕が拙者自信のものだと言った?」
 侍が切り離された左腕を手に取り、その切断面をしぇりーに見せた。
 …!
 あれは―――
「そう、義手だ。
 拙者は常日頃から義手を操作し、本物の腕のように見せかけていたのだ。
 血糊を中に仕込んでおけば、斬られた時にそれが噴き出し、本物の腕と錯覚する。
 お前のようにな」
 聞いてみれば単純極まりないトリックだった。
 しかし、まだ半分の謎が解き明かされていない。
 強化系が、何故そこまでの精度で相性の悪い操作系の能力を行使出来る?
「拙者は、この能力の為に自分の手足を自分で切り落とした。
 それが、この能力『傀儡の糸(マッドネスマリオネット)』の誓約だ」
 自分で自分の手足を切り落とす!?
 何て覚悟だ。
 いいや、覚悟なんてものじゃない。
 狂っている。
 そして、狂っているからこそ、相性の悪い操作系の能力をここまで引き出せたのか。
「…今拙者の能力を貴公に教えたのは、貴公の強さへの敬意だ。
 ここまで血沸き肉躍る死合いは、久し振りだった。
 尊敬しよう、貴公は強い。
 そして、能力を教えた以上、ここで死んで頂く」
 ギコ侍が刃をしぇりーに向けて振りかぶる。
 しぇりーは、死を覚悟した。
 ごめん、狐さん。
 私、どうやらここまでみたいです―――



「!!!!!!!」



 銃声が鳴り響き、それとほぼ同時にギコ侍が刀で何かを弾き飛ばした。
 それにより、しぇりーへの止めの一撃は中断される。

 銃声?
 銃声だって!?
 しぇりーはその音がした方向に急いで顔を向けた。
「貴様は…!」
 ギコ侍が驚いた様子でそこに立っている男を睨む。
 そこにいたのは、間一髪でしぇりーを助けたのは…
「ごめん、しぇりーちゃん。 遅くなった」
 タカラギコだった。
 両手で拳銃を構え、その銃口をギコ侍狙って定めている。
「お、お兄さん!?
 どうして――――――!」
 馬鹿だとしか言いようが無い。
 あのまま逃げれば、確実に助かった筈なのに。
 それなのに、どうしてこの人はここに戻って来た!?
「主人公が逃げっぱなしじゃ、格好つかないだろ?
 汎用人型決戦兵器の初号機パイロットだって、逃げちゃ駄目だって言ってたじゃないか」
 苦笑いを浮かべながら、タカラギコは飄々とそう答えた。
「…仲間を見捨てて逃げなかった度胸は認めるが、
 些か短慮であると言わざるを得んな。
 勇気と蛮勇は、似て非なるものぞ?」
 刀をタカラギコに向け、ギコ侍が告げる。
「…蛮勇なんかじゃないよ。
 僕ならお前に勝てる、そう思ったからここまで来た」
「何?」
 ギコ侍が聞き返す。
「聞こえなかったのか?
 ならもう一度言ってやる」
 タカラギコが、ギコ侍を睨み返し言い放つ。
「狐さんが戦うまでも無い。
 お前なんか、僕一人で十分だ…!」


                 〜続く〜


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