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念を使わせてみよう小説スレッド
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1
:2004/11/26(金) 18:00
〜十六話〜
「……!!」
下に降りるエレベーターの中で、僕は狼狽していた。
何で、何でこんな時に限って電話が通じないんだ。
狐さんもアヒャさんもフーンさんも、誰も電話に出てくれない。
誰も助けに来てくれない。
いや、これでも構わないか。
いずれ僕からの着信に気がついて、向こうから電話を掛けなおしてくれる筈。
それまで、僕は逃げ回っていればいいだけだ。
このホテルの中ならともかく、人ごみの中に紛れれば、
いくらあの侍でも僕を見つける事など不可能だ。
逃げるだけなら、僕にも十分アドバンテージがある。
だけど、それじゃしぇりーちゃんはどうなる?
いや、考えるな。
しぇりーちゃんはあれが仕事なんだ。
それに、僕が今更戻った所で何が出来る?
偽物の僕に何が出来るというんだ?
そうだ、僕は偽物だ。
だから…
@ @ @
人吊詩絵莉(ひとつり しえり)にとって、外法狐は初めての友達であった。
『人吊』の一員として育てられていた頃には、
友情だの愛情だのといったものは何一つ教えられなかったし、
また自分もそれでいいと思っていた。
それに、疑問すら覚えていなかった。
ただ生けとし生きるものの命を刈り取る為の刃と化す。
それだけが人吊詩絵莉の全てだった。
それは、二年前仕事を任されるようになってからも変わらなかった。
殺し殺され死に死なす為に生きて死ぬ。
そんな生き方に納得していたのだ。
諦めていたのだ。
しかし、それが僅かながらに変わった。
外法狐に出会ってから、変わったのだ。
殺しの宿命に囚われながらも、
なお気高く生きようとするその生き様を見せつけられた。
その時から既に、自分は外法狐という人間から逃げられなくなっていた。
あの人は、自分の事を友達にしてくれた。
その気になれば、花の茎を手折るかの如く殺せるであろう自分を、
それでも対等の存在として、友達として見てくれた。
今日出かける前に、あの人は言った。
『タカラギコを守ってやってくれ』、と。
それは、まさかこんなに早く居所が見つかるとは思わなかった故の、
簡単なお願いのつもりだったのだろう。
まさか『禍つ名』の四位である『獣死』が出張ってくるとまでは予想していなかったのだろう。
だが、現実にはここに獣死三羅腑(じゅうじ さぶらふ)が来ている。
思ったより、敵の情報網は広かったらしい。
だけど、逃げる訳にはいかない。
あの人は自分に『任せる』と言った。
自分を『任せる』と言えるだけの存在として認めてくれたから、『任せる』と言ったのだ。
だから、自分はその信頼を裏切る訳にはいかない。
任された以上、やりとげなければならない。
死ぬのは恐くない。
でもあの人に、外法狐に嫌われるのだけは嫌だ。
それが、それだけが、人吊詩絵莉を突き動かしていた。
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