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116名無しさん:2005/09/30(金) 15:07:12
どうか、優しく配列されますように―――
彼はいつも独りだった
わずかな時さえ惜しみ、施設を抜け出しては空を見上げた。
世界から忘れ去られようとする、今この時に。

殺風景で命あるものの息吹を感じられないこの空間で
永久とも思える孤独を強制される毎日に
絶望すら忘れた。

過去の栄華に思いを馳せたところで・・・・
彼の胸を、打つものは無い。

その他の者たちは、しかし異なった所感を抱く。

忘却されぬよう築き上げた世界で、狭き領土を巡り争う。
老いたものを、若者が受け継ぐ。

世界が連綿と繰り返してきた摂理をなぞり
若者たちは敵を得た。

安息の場所などいらぬと、ただひたすらに刃を研ぎ。
誰かの《聖域》を破壊してもなお、振るい続けた。

・・・世界は偽りと裏切りで満ちている。

人と人は傷つけ合う。
どんなに親密でも衝突は避けられない。

だからこそ。
人は争いを捨てられぬのだと。
相手を傷つけることしか出来ぬのだと。

誰あろう 優しさを求めぬいた彼こそが
涙と共に知るのだと・・・

千々に引き裂かれた心のピース。
どうか、優しく配列されますように―――


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