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企画もの【バトル・ロワイアル】新・総合検討会議2

874夕陽が、罪を、照らす。(4/27) ◆29ZH4ztR.E:2012/08/08(水) 01:23:50
  
己を抑える術として、ユリーシャは妄想に耽っていた。
豚め豚め雌豚めと罵倒しながら死に掛けの知佳を踏み躙ったり、
実は知佳にも男性器がついていることが発覚してランスが知佳を切り殺したり、
紗霧の報われぬ恋心を利用して知佳を殺させたり、
果し合いで恭也が果て、絶望した知佳が後を追ったり、
ありとあらゆる手法とシチュエーションで知佳を殺しつくすことで、
心の天秤を保っていたのである。

「ふと気付けば、持っていたはずのタオルが手許に無く……」

それゆえ、看護がおろそかになっていた。
桶にタオルを浸し、搾り、額に乗せる。
その工程の途中で妄想殺人劇の一つがクライマックスに差し掛かり、
ユリーシャはその愉しい妄想に没入してしまい。

「タオルは仁村さんの顔を覆うように広がっていて……」

薬物による深い眠りについていた知佳に、それを払う術は無く―――
静かに、ひっそりと、死は訪れた。
おそらく、知佳は、自らが死んだことに気付かぬまま死んだのであろう。
この島における数多の死の中で、
もっとも安楽な死因であったといえよう。

「急いでタオルを取り除いたときには、もう呼吸をしていませんでした」

ユリーシャにとっても心外な死であった。
全く予期せぬ事故であった。
故に動揺を隠せず。
故に取り繕う余裕もなく。
目の前の死が受け入れられず、呆然と立ち尽くすことしか出来ずにいた。
この動転が、ユリーシャに素直な事実を語らせた。


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