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企画もの【バトル・ロワイアル】新・総合検討会議2

754See you 〜小さな永遠〜(9/20) ◆29ZH4ztR.E:2011/08/13(土) 23:55:08
 
ぴしりぱしりと、静電気が走るかの如き音がしていた。

思考することに特化し。
それゆえに機転や直感が退化している紗霧である。
その紗霧に、痛いほどの直感が降りている。
それは偏に、紗霧が思考よりも感性を尖らせていたからに他ならない。

(たぶん―――)

さくりがさりと、砂を蹴散らすかの如き音がしていた。

紗霧は恭也を追いかける。
届かぬ背に手を伸ばして追いかける。
決して見失わぬよう追いかける。

(きっと―――)

藪を抜けた先で、恭也が不意に立ち止まった。
藪を抜ける手前で、紗霧が恭也に追いついた。
永遠に届かぬと思われた恭也の背に、紗霧の手は届いた。物理的には。
しかし触れた指先から伝わる感触は、冷たく、硬かった。感覚的には。

(ああ……)

紗霧は知る。滅多に働かぬ筈の己の直感が、完璧に正しかったことを。
紗霧は悟る。やはりこの手は、恭也に届く筈が無かったのだと。
 
藪を抜けた先にある、太い楢の木。
見知った少女が、その背を預け、座り込んでいた故に。

「仁村さん!」


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