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企画もの【バトル・ロワイアル】新・総合検討会議2

725■ & □(2/9) ◆29ZH4ztR.E:2011/08/08(月) 21:59:35
 
(これは良くない。己の体に当てては成らぬ。直ちに排出せねば!)

直感に従い、ザドゥは得体の知れぬ気が駆け上る左腕を、
治療の為に押し当てていた右腿から外し、地面へと押し付けた。
親指の付け根には、地面ならぬ野草の柔らかく、瑞々しき感触。
その生命を感じさせる感触が気の放出と共に、失われた。
かさりと乾いた感触に、取って変わられた。
腕を上げたザドゥがそこに見たものは、枯れ、萎れた野草であった。

(なんだ…… この顕れは?)

知らぬ気の、知らぬ効能に、ザドゥの脳髄は揺さぶられる。
揺さぶられつつも、当代一流のグラップラーの嗅覚は反応した。
この変質の、効能が意味するところの本質を嗅ぎ分けた。

(草を枯らし、血の巡りを止める気……
 この気こそ、【死の気】の名に相応しい有り様ではないのか?)

死光掌、狂昇拳を始めとする、【死の気】を込めた攻撃。
それらの顕れは、単純に表現するならば、爆発である。
放出を強烈な衝撃と変ずるのである。
相手に破壊を、突き詰めれば死を与えるエネルギー。
故にザドゥは、その師匠は、数多の拳法家は、それを【死の気】と断じた。

仮に、この気を雑草に放出したならば。
葉が千切れ飛び、吹き飛ぶという顕れとなる。
決して、草を枯らすことは無い。
 
気を用いた格闘術で闇世界の頂点に立った程の男である。
それほどの男ですら、知らぬ事象であった。
彼の知る【気】の常識ではありえぬ状況であった。


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