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企画もの【バトル・ロワイアル】新・総合検討会議2

1 ◆VnfocaQoW2:2010/04/04(日) 00:20:17

雑談、キャラクターの情報交換、
今後の展開などについての総合検討を主目的とします。
今後、物語の筋に関係のない質問等はこちらでお願いします。

278話以降、3ルートに分岐することとなりました。
ルートAは従来通りのリレー形式に、
ルートB、Cは其々の書き手個人による独自ルートになります。

規約はこちら
>>2

566SPI-01:『世色癌』〜優しい俺様〜(10/12) ◆VnfocaQoW2:2011/03/05(土) 23:42:09
 
(だったら、話し合いで済ませよう)

知佳は思い出す。
ランスとの初邂逅時に自分が取った行動を。
力の反動で心身共に衰弱窮まり、自力歩行すらままならなかった知佳が、
唯一残った読心を駆使して、ランスの情婦たるアリスメンディを誑かし、
まんまと恭也との戦場離脱を成功させた前例を。
やるべきは、それと同じ。
ランスの心を読みつつ、会話を有利な方向に誘導する。

「私、わかってるよ。そんな意地悪を言ってるけど、
 本当はランスさん、優しい人なんだって」

媚びた笑みで以って、知佳は頬に添えられていたランスの手を握った―――


   =-=-=-=-= ・ =-=-=-=-= ・ =-=-=-=-= ・ =-=-=-=-=   


【……どうしてこうなった?】

しきりに頭を捻りながら、ランスは二粒の世色癌を知佳に手渡した。
知佳はにっこりと微笑んでそれをピルケースに収納した。

「恭也が寝てる小屋は、西の森の浅いとこにあるから。
 空飛んでりゃすぐに見つかると思うぞ」

結局、取引は不成立であった。
ランスにとって誠に不本意ながら、性交渉の確約を取り付けることなく、
知佳に世色癌を譲渡することとなってしまった。

567SPI-01:『世色癌』〜優しい俺様〜(11/12) ◆VnfocaQoW2:2011/03/05(土) 23:44:45
 
「ありがとう、ランスさん」

相手が悪過ぎた。
読心能力者に、恭也を助けようという思いを見透かされた以上、
ランスに勝ち目は万に一つもなかったのである。

「でも、二粒だけ?」
「まあ、今の怪我を乗り切るにはそれで十分だろ。
 今後の戦いのことを考えるとな、無駄遣いはできんのだ」
【透子ちゃんとの戦いで、何粒かは絶対に必要になるからな】

ランスの言葉と思いが一致していた。
口調と眼差しもまたシリアスであった。

「うん、そうだね」

既に、知佳は自分が恭也らと離別してからこちらの小屋組に発生した
おおよその情報を、ランスから巧みに引き出していた。
果し合いのことも、その後の透子の警告のことも、読んでいた。
故に、知佳は食い下がらず同意した。

「ありがとう、ランスさん。あなたが優しい人で、よかったよ」
「俺様の優しさにぐらっと来たか? いつでも乗り換えていいんだぞ?」
【ま、いっか。俺様を優しいとか勘違いしてるみたいだし。
 じっくり時間をかければそのうち和姦もいけるだろ!】
「んと、あはは……」

知佳は笑って誤魔化した。心は既にここに無い。
西の森の外れにある小屋へと、そこに眠る恭也へと飛んでいた。
早く会って、早く世色癌を飲ませたい。
想いの全てはその一色に染まっていた。

568SPI-01:『世色癌』〜優しい俺様〜(12/12) ◆VnfocaQoW2:2011/03/05(土) 23:46:55
 
「紗霧ちゃんに伝えといてくれ。
 斧も鉈も、どうもしっくり来ないから、
 ケイブリスの爪を毟ってくるってな」
「うん、わかったよ」

知佳は軽く頷くと、ランスに背を向け、背中の羽根を羽ばたかせた。
砂埃を巻き上げて、浮揚。
旋回、飛翔。
燕の勢いで西の森へと飛び去る知佳の背へと、ランスが言葉を贈った。

「知佳ちゃん、ナイスパンツ!」
「……」

知佳無言のツッコミは軽微な念動波であった。
ランスはそれに膝裏を叩かれて、かっくんと転倒した。


            ↓

.

569SPI-01:『世色癌』〜優しい俺様〜(情報 1/1) ◆VnfocaQoW2:2011/03/05(土) 23:50:16
 
(ルートC)

【現在位置:E−7 舗装道路・交差点 → E−5 耕作地帯】

【ランス(元№02)】
【スタンス:女の子優先でグループに協力、プランナーの事は隠し通す
      男の運営者は殺す、運営者からアリス・秋穂殺しの犯人を訊き出す
      ①ケイブリスの死体を漁り、爪(武器になるんじゃねーか?)を回収する】
【所持品:斧、鍵、カスタムジンジャー、世色癌×7(New)】
【能力:剣がないのでランスアタック使用不可】
【備考:鎧破損】

 ※世色癌を一粒飲んで、怪我は完治しました。


【現在位置:E−7 舗装道路・交差点 → D−6 西の森・小屋3】

【仁村知佳(№40)】
【スタンス:①小屋組に合流し、恭也に世色癌を飲ませる
      ②手持ちの情報を小屋組に伝える
      ③手帳の内容をいくつか写しながら、独自に推理を進める】
【所持品:テレポストーン×2、まりなの手帳、筆記用具とメモ数枚
     世色癌×2(←ランス)】
【能力:超能力、飛行、光合成、読心】
【状態:疲労(小)、脇腹銃創(小)、右胸部裂傷(中)】
【備考:手帳の内容はまだ半分程度しか確認していません】

570 ◆VnfocaQoW2:2011/03/06(日) 19:04:15
ただいまより、
  「譲れぬ想い 挫けぬ心」
  「χ−1」
の二編を、本投下致します。

571 ◆VnfocaQoW2:2011/03/06(日) 21:34:33
本投下終了です。
支援ありがとうございました。

今晩の仮投下はありません。

572284 ◆ZXoe83g/Kw:2011/03/07(月) 18:55:49
最新307話までのまとめをUPしました。
パスはnegiです。


新作&仮投下お疲れさまでした。
感想は後日に。
また今週中に連絡まとめのアップをします。


ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org1404420.zip.html

573 ◆VnfocaQoW2:2011/03/07(月) 21:20:25
 
以下9レス、「SPI-02:『地下シェルター』〜終身願望保険(掛け捨て)〜」を
仮投下致します。

次回予定は「SPI-03:『木星のブルマー』〜初めにブルマーありき〜」。
まひる、紗霧、野武彦、ユリーシャです。

また、「秘密の部屋と四つの鍵」の本投下時には、
3人同時のアイテム捜索出発ではなく、
野武彦の出発は、まひるかランスの帰投後を待ってのものと
変更いたしたく思います。

574〜終身願望保険(掛け捨て)〜(1/8) ◆VnfocaQoW2:2011/03/07(月) 21:22:30
 
【タイトル:SPI-02:『地下シェルター』〜終身願望保険(掛け捨て)〜】
 
(ルートC:3日目 PM02:00 J−5地点 地下シェルター)


シークレットポイント、№02。
スペシャルアイテム、№02。
あらゆる天変地異から内部を守る地下シェルター。
智機はそこに、独りであった。
心理的な意味合いのみならず、
空間的な意味合いにおいても。

ザドゥとカモミール芹沢は新鮮な空気と日光を求め、シェルターの外に出ていた。
カオスは芹沢に担がれていった。
御陵透子は、情報収集と監視と警告に赴いていた。
故に、シェルターの中にいるのは彼女のみである。

この状態になって、既に一時間余。
椎名智機はずっと検討している。
【自己保存】の欲求を満たしつつ、願望を成就させるための方法を。

(……ザドゥ殿だ。何を於いても、ザドゥ殿だ。
 果し合いの勝利は大前提として。
 その結果に於いて、彼だけには生存していて貰わねば、
 私の願いは叶えられないのだから)
 
優勝によるゲームクリア時にての生存主催者のうち、
一名の願いを『叶えない』というχ−1のペナルティ。
願望成就の放棄を宣言しているザドゥがその時点で残存していなければ、
残りの生存者との間で貧乏籤の押し付け合いになるは必定。
その局面が訪れた場合、智機は自ら進んで願望を放棄することとなる。

575〜終身願望保険(掛け捨て)〜(2/8) ◆VnfocaQoW2:2011/03/07(月) 21:23:46
 
なぜならば、彼女の最優先事項は【自己保存】。
自らを害しようという相手との戦いは、不可能である。
人間になる―――
智機が抱えるその願望を叶える為には、
前述の彼女の思案どおり、ザドゥを生き残らせることが必須となる。

(But、私の演算では、ザドゥ殿生存の可能性は五割弱。
 果報を寝て待つには極めて分が悪いと言わざるを得ないね。
 手を拱いて見ている訳にはいかないな)

無論、智機は何も手を打たずにいる心算は無い。
果し合いを止めることはもう不可能であるにしろ、
小屋組への事前準備や離間工作、或いは果し合い時の後方支援等、
ザドゥ生存確率を高める為の策略は十指に余る。

しかし、ここでもまた。

(【自己保存】。全く忌々しきは設計思想の愚かさよ!
 この本能を封じねば、自分には何も出来ないのだから!)

結局は、そこなのである。
同僚の悉くに自らの主張が封殺されている今、
事態に介入する為には、己の体にて出張る必要があるのだが、
トランキライザと機械の本能を沈黙させぬ限り、
それすら不可能なのである。
膝を抱えて震えているしかないのである。

【こころ】の封印を解く。
何にも先んじて智機が為さねばならぬのは、それであった。
そしてそれは、彼女単独では為し得ぬことでもあった。

576〜終身願望保険(掛け捨て)〜(3/8) ◆VnfocaQoW2:2011/03/07(月) 21:24:47
 
(透子様と交渉するしかあるまい)

それは恐ろしい相手である。
決して逆らえぬ相手である。
しかし裏を返せば、それほど頼りになる相手でもあった。
また、感情に支配されているザドゥや芹沢と違い、
今の透子は機械の思考ルーチンを持っている。
であれば、理で以って説得は可能。
その判断で智機は、彼女なりの覚悟を決めて、透子へとIMを投じた。

================================================================================
T−00:透子様、お願いがある。今後の戦局を左右するとても重大な頼み事だ。
================================================================================

数秒と待たずに、レシーブは来た。

================================================================================
N−21:ほわっと?
================================================================================

少なくとも交渉に乗る気はありそうだと智機は判断し、
冗長を嫌う透子の機嫌を損なわぬよう配慮しながら、
智機は用件を短く纏め、打電する。

================================================================================
T−00:小屋組が入手した、分機解放スイッチを掠め取ってきて頂けないだろうか?
T−00:透子様の瞬間移動があれば、造作も無いことだろう?
N−21:のー。その行動は果し合いのルール3に抵触する。
================================================================================

(ここからが勝負だ……)

577〜終身願望保険(掛け捨て)〜(4/8) ◆VnfocaQoW2:2011/03/07(月) 21:25:56
 
ここまでは、只の前振りである。
ここからが、交渉の開始である。

智機は理を述べねばならぬ。以って透子の考えを否定せねばならぬ。
その結果、直接、生命の危機に至ることはないと演算はされているが、
そこに生じるであろう透子の自分に対する評価の減算は疑い様が無い。

智機のトランキライザが恐怖感を丸めるべくうなりを上げる。
冷媒が体中を駆け巡り、クロック周波数が引き下げられる。
無意識に、深呼吸。一度、二度。
腹を据えた智機が、仮想キーボードのエンターキーを打鍵した。

================================================================================
T−00:ルールとは小屋組に課されたものだろう?
================================================================================

またしても、返答は簡潔にして即座であった。

================================================================================
N−21:のー。相互に課されたもの。私も従う義務がある。
T−00:流石は透子様だ。その義理堅さと高潔さには感心せざるを得ない!
T−00:そしてまた私も、自身の陰謀気質を大いに恥じ、反省しよう!
================================================================================

透子の再反論を受けた智機は即座に己の意見を取り下げた。
取り下げて謝罪し、おべんちゃらを使い、反省して見せた。
結果、透子のIMは止んだ。
不快や遺憾の意は打電されてこない。

(Yes、山場は乗り切った!)

578〜終身願望保険(掛け捨て)〜(5/8) ◆VnfocaQoW2:2011/03/07(月) 21:26:43
 
そこまではシミュレートできていた。
これが拒否されることは高確率で予測が立っていた。
そして、ここからが。
智機の真の頼みごとであった。

================================================================================
T−00:では、私のトランキライザの常駐を解除して頂けないだろうか?
T−00:それならば、ルールへの抵触はないだろう?
================================================================================

智機は把握していた。
御陵透子の共生する機体N−21から、トランキライザが常駐解除されていることを。
レプリカの最優先事項、【ゲーム進行の円滑化】が、今は無効化していることを。
透子は推測していた。
それらは、透子の本性、思惟生命体の働きによって選択的に為されたことであろうと。
思惟生命体は、自分にもそれを為すことが可能であると。

分機解放スイッチに拠らずとも、【こころ】を取り戻すことは出来るのである。
智機は、そこに、気付いたのである。

================================================================================
N−21:のー。
================================================================================

透子は素気無く無下に否定した。
理由すら語ることなく却下した。

579〜終身願望保険(掛け捨て)〜(6/8) ◆VnfocaQoW2:2011/03/07(月) 21:27:57
 
================================================================================
T−00:Why? よければその理由をご説明いただけないだろうか?
N−21:怯える智機はいい智機。頑張る智機はダメ智機。
N−21:だって、あなたは保険だから。ザドゥが死んだら必要だから。
================================================================================

ザドゥ死後に必要な保険。
それは、シェルター利用のペナルティ、χ−1に由来する。
願望成就の権利者を、ゲーム終了時の残存主催者のうち一人から取り上げる。
その、取り上げられる対象を智機にする為にお前を生かすのだと、
透子は説明したのである。

================================================================================
N−21:あなたは私に逆らえない。それを私は知っている。
N−21:あなたは誰とも争えない。それも私は知っている。
N−21:それは貴女の【自己保存】の欲求に拠るもの。
N−21:だから【自己保存】の枷を外すことは、私にとってマイナス評価。
================================================================================

自分に逆らう可能性をゼロにする為に。
独自に行動する可能性を封殺する為に。
透子は、決して。
智機に【こころ】を取り戻させないのだと、明確に宣言したのである。

透子は、智機の予想より遥かに冷静で冷徹で容赦無かった。
智機は透子の理と決意を目の当たりにして交渉を断念した。
そしてまた。
智機が断念したのは、交渉のみでは無かった。

(私は、もう…… 人には、なれないのだね……)

580〜終身願望保険(掛け捨て)〜(7/8) ◆VnfocaQoW2:2011/03/07(月) 21:28:40
 
願望の成就すら、諦めざるを得なかった。

こうなっては、もう、智機はシェルターから出ることは出来ぬ。
安全な地下室に土竜の如く引きこもり、
ただただ命を心配し、怯え続けることしかできない。
ザドゥが生還することを神に祈りつつ、
壁に向かって恨み言を呟き続けることしかできない。

(恨めしい…… この機械の本能が。
 意のままに行動できぬは愚か、意すら意のままに発せぬとは)

それでも、そこまで追い詰めても。
まだ、追い詰め足りぬと言うのか。

「出して」

透子はシェルターに転移してきた。
項垂れる智機に手を伸ばしてきた。

「Dパーツ」

Dパーツ――― それは、智機に神が下賜した前報酬。
あらゆる機構と智機とを融合させることのできる、魔法科学の奇跡の結晶。
非力な女学生レベルの運動能力しか持たぬ智機を、
戦場の魔王レベルにすら引き上げることのできる、大逆転の至宝。

「このままじゃ」
「宝の持ち腐れ」

581〜終身願望保険(掛け捨て)〜(8/8) ◆VnfocaQoW2:2011/03/07(月) 21:29:55
 
但し、オリジナル智機にそれは使用できぬ。
【自己保存】の本能で生き死にのかかった戦いに参加できぬ彼女には。
メインメモリに分機への指揮領域が固定確保されている彼女には。
【こころ】なき智機には。
決して、換装できぬのである。

故に、透子の発言と行動は。
全く正しい判断なのだと、智機の論理演算回路は解を返さざるを得なかった。

「……果し合いの役に立ててくれ給え」

その解に従って、透子に逆らわぬという本能に従って、智機は。
抵抗することなく。
嫌な顔すら作れぬままに。
己に残された最後の可能性・Dパーツを、透子に引き渡した。

「大事な体」
「労わって」

赤い魔法金属を両手で抱えて消えてゆく透子が、
無表情の智機に声をかけた。
それは思いやりとねぎらいの言葉であった。
言葉面だけを捉えるならば。

シークレットポイント、№02。
スペシャルアイテム、№02。
あらゆる天変地異から内部を守る地下シェルター。
智機はそこに、独りであった。


               ↓

582〜終身願望保険(掛け捨て)〜(情報 1/1) ◆VnfocaQoW2:2011/03/07(月) 21:30:49
 
(ルートC)

【現在位置:J−5地点 地下シェルター】

【グループ:ザドゥ・芹沢・透子】
【スタンス:待機潜伏、回復専念
      ①プレイヤーとの果たし合いに臨む】

【刺客:御陵透子(N−21)】
【スタンス: 願望成就の為、ルドラサウムを楽しませる
       ①果たし合いの円満開催の為、参加者にルールを守らせる】
【所持品:契約のロケット(破損)、スタンナックル、カスタムジンジャー、
     グロック17(残弾17)、Dパーツ(←智機)】
【能力:記録/記憶を読む、
    世界の読み替え:自身の転移、自身を【透子】だと認識させる(弱)】



【刺客:椎名智機】
【所持品:スタンナックル、改造セグウェイ、グロック17(残弾17)×2】
【スタンス:①【自己保存】】

583 ◆VnfocaQoW2:2011/03/07(月) 23:01:34

もう一本あがりましたので。

以下11レス「SPI-03:『木星のブルマー』〜初めにブルマーありき〜」を、
仮投下いたします。

次回予定は、「SPI-04:『神語の書』〜あなたの知らない世界〜」。
野武彦単独です。

584〜初めにブルマーありき〜(1/9) ◆VnfocaQoW2:2011/03/07(月) 23:02:26
 
【タイトルSPI-03:『木星のブルマー』〜初めにブルマーありき〜】
 
(ルートC:3日目 PM02:30 D−6 西の森外れ・小屋3)


この世に、有り得ないは有り得ない。

   ―――初めにブルマーありき

神がブルマーを元に天地創造した。
そんなけったいな世界が、確かにあった。
亡き常葉愛の出身世界の話である。

   ―――ブルマーは神と共にありき
   ―――ブルマーは神であった

月夜御名紗霧がUSBから発掘したアイテム管理ファイル。
その「木星のブルマー」の項は、天地創造の壮大な一節から始まっていた。
紗霧は目をこすり、再び読みかえす。

   ―――初めにブルマーありき
   ―――ブルマーは神と共にありき
   ―――ブルマーは神であった

「ええ、と……」

何度読み返しても、文面に変化は無かった。

「ユリーシャさん。 ちょっとここの文章、音読していただけます?」
「初めにブルマー……」
「了解です。おっけーです。飲み込みましょう」

585〜初めにブルマーありき〜(2/9) ◆VnfocaQoW2:2011/03/07(月) 23:03:34
 
そこまでして、紗霧はようやく己の目に狂いが無かったことを認めた。

   ―――地球にブルマーをもたらしたブルマー星人
   ―――地球を包むブルマニウム粒子

「ユリーシャさん。ちょっとここの文章、音読していただけます?」
「地球にブルマー……」
「了解です。おっけーです。次行きましょう」

   ―――地球全土のブルマー化を目論む悪の集団「BB団 ビッグブルマー団」。
   ―――世界のブルマーバランスを監視する国際機構「MIB ブルマーの男たち」。
   ―――この影の二大組織が血眼で奪い合う「神のブルマー」。

「ユリーシャさん。ちょっとここの……」
「紗霧殿、戦うのじゃ、現実と」

   ―――「神のブルマー」とは古代の超兵器である。
   ―――存在が確認されているのは二着のみ。
   ―――「常葉愛」が装着する「月のブルマー」。
   ―――BB団のブルロイド「B」が装着する「木星のブルマー」。

「諦めがついたら、なんだか楽しくすらなって来ましたね」
「いい按配に頭が茹だった、なんとも胸躍る設定じゃな!」
「そうですか……? 恥を知らない世界だと思います」

それから10キロバイト少々。
木星のブルマーに関する、無駄に壮大な一通りの資料を読み終えた紗霧は、
目眩めく偏執的なくだらなさに心底辟易し、深い溜息をついた。
しかし、半信半疑ながらも、その秘めたる強大な力は、理解できた。

586〜初めにブルマーありき〜(3/9) ◆VnfocaQoW2:2011/03/07(月) 23:04:18
〜初めにブルマーありき〜(3/9)#ErogeOnly
 
木星のブルマー。

それは、世界を滅ぼす破壊の力にもなり。
それは、世界を慈愛で満たす力にもなり。
神の隣に座る資格すら得ることができる。

この記載にもまた、偽りが無い。
古代に栄えた二大大陸文明を滅ぼしたブルマー裾入れ派と裾出し派の戦い―――
エンシェント・ブルマゲドン。
その始まりを担ったのが神のブルマーならば、
その終わりを担ったのも神のブルマーであった故に。

無論、参加者・常葉愛が装着していた「月のブルマー」の如く、
或いはアズライトやイズ・ホゥトリャの如く、
このアイテムもまた、金卵神によって何らかの制限は課されているであろう。
それでも、チートといえば、この上なきチートアイテムである。

と、そこまでは良かった。
問題は、テキストの最後に記されていた「適格者」の項目であった。

「……」
「……」

黙して瞳を交わす、紗霧とユリーシャに、
わざとらしい咳払いをしつつ、狼狽を隠せぬ野武彦。

「ううむ…… おほん、ごっほん」

587〜初めにブルマーありき〜(4/9) ◆VnfocaQoW2:2011/03/07(月) 23:05:57
 
全く残念なことながら。
神代より伝わる超兵器の神秘に触れる資格を、紗霧は有していなかった。
隣に座るユリーシャにしても、同様である。
だが、この居心地の悪い空気は、落胆による物では無い。
羞恥によるものであった。

   ―――純潔であること。

処女しか使えぬアイテムであった。

そうして、生存者を俯瞰してみれば。
仁村知佳とて、思いを寄せる異性と望まぬ契りを交わしているし、
童女しおりに至っては、生存者の誰よりも性経験が豊富であった。
又、主催者サイドに目を移しても。
カモミール芹沢は多情で鳴らした徒女(アダージョ)であるし、
椎名智機もレイプに近い強引な手管で処女を散らされている。
透子は【御陵透子】であった頃の肉体は全き乙女ではあったものの、
その真たる【透子】の部分では、パートナーとは身も心も一つ
誰も彼も揃って非資格者であった。

「どうしたもんですかね……?」
「あの…… 一応わし、適格者なのじゃが?」

30過ぎまで童貞を守ると魔法使いになることが出来るという。
その倍もの年齢、さくらんぼを熟成させてきた場合、
大賢者か、仙人にでもなるのであろうか。

「そんな衝撃のカミングアウト、要りません」
「あなたのブルマ姿など、見るに耐えません」

588〜初めにブルマーありき〜(5/9) ◆VnfocaQoW2:2011/03/07(月) 23:08:00
 
紗霧とユリーシャの悲しきW突っ込みが野武彦の臓腑をえぐった時、
元気に玄関の扉が開かれた。

「あったよー!」

煤と灰に塗れた真っ白で真っ黒な顔ににっこりと笑顔を浮かべ、
その手に、サイドラインの入った小さな濃紺のブルマを握って。
もとい。
ビニール袋の中に入れて。
広場まひるの帰還である。

シークレットポイント、№03。
東の森の木の一本に、小鳥の巣箱に偽装してあったそこは、
昨晩の火災で、消し炭になってしまっていた。
通常のアイテムであれば、巣箱と同じく燃え尽きていたであろう。
しかし、そこにあったのは神の手になるオーパーツ。
業火を物ともせず、焦げ付き一つつく事は無く。
輝きすら放ち、まひるの到着を待っていたのであった。


「「「居た!!」」」


まひるの華奢な体操着姿と、袋詰めの超兵器を見て、野武彦たちの心が一つになった。

「お? お? 声が揃っちゃうほどあたしの顔が見たかった?」

勘違いしたまひるが、笑顔全開でてとてとと野武彦に駆け寄る。
その脇から、ぬうと黒い影が手を伸ばした。
月夜御名紗霧である。

589〜初めにブルマーありき〜(6/9) ◆VnfocaQoW2:2011/03/07(月) 23:08:52
 
「とりあえずジジイは外に出てなさい。ここからは乙女会議です」
「うむ、心得た。後は任せたぞい、軍師殿。
 というより、まひるちんが帰ってきたのじゃから、
 わしは『神語の書』捜索に向かおうと思うのじゃが?」
「了承です。かのアイテムは最重要アイテム。
 是非入手して頂きたい…… ところですが。
 何分、崩落後の危険地帯です。
 貴方の身の危険を押してまでの調査は不要です。
 五体無事で帰ってきなさい、魔窟堂野武彦」

その判断は、野武彦を戦術の駒と見ての発言である。
理の天秤の軽重であり、決して優しさのみから出たものでは無い。
それでも。
その何%かの成分は、確かに紗霧なりの同胞意識から成っていた。

「その命、しかと受けたのじゃ!」

野武彦は奮い立つ。
紗霧に対する篠原秋穂殺害の疑いは、未だ頭の片隅にはある。
しかし、今は。
それよりも、圧倒的比重で。
紗霧への軍師としての信頼感と仲間意識が、勝っている。

「じっちゃん、気をつけてね!」
「いってらっしゃいませ」
「合点じゃ!」

野武彦は人差し指と中指を立てた左手を横に寝かせるとこめかみに当て、
ウインクを決めるや、ビッとその手を突き出した。
それは多分なにかのヒーローの決めポーズなのであろうが、
残念なことにまひる達にその意図は伝わらなかった。

590〜初めにブルマーありき〜(7/9) ◆VnfocaQoW2:2011/03/07(月) 23:10:32
 
「世代の違い、かの……」

寂しそうに背中を丸めて、野武彦が小屋を後にする。
カスタムジンジャーの軽快なモーター音が遠ざかっていった。
その音が完全に聞こえなくなったことを確認し、
隣室で眠る高町恭也の寝息を確認した上で、
紗霧は、猫撫で声で、まひるに話しかけた。

「さて…… 広場まひる」
「はひ?」
「あなたは、自分が女性であると主張していますね」
「残念ながら世間の風当たりは強いですが」
「世界があなたを否定しても、私は貴女を認めますよ。
 あなたは女の子。貴方ではなく貴女。まちがいない」
「広場さんは女の子。だれより素敵な可愛い子」

紗霧の優しい囁きを、ユリーシャが補強する。
腹にイチモツ抱える者同士、意外と息の合うところを見せている。
しかし、腹芸に鈍感なまひるは、彼女らの含みに気付くことなく、
素直に嬉しくなって、調子に乗った。

「でへへぇ…… やっぱり? そう思っちゃいます?
 やだなーもー、いくらホントのこととは言え、照れちゃうなー」
「で、純潔ですか?」
「ぶうううっ!?」

紗霧の問いは突然跳ねた。
予想もしない方向に、恥ずかしくてならぬ内容に。
まひるは顔を真っ赤にして抗議する。

591〜初めにブルマーありき〜(8/9) ◆VnfocaQoW2:2011/03/07(月) 23:12:15
 
「不埒、不埒、極めて不埒っ!!
 そーゆーデリケートな問題を尋ねるときは、オブラートに包むってゆーか……
 てゆーか、そもそも何でそんなこと聞かれなくちゃいけないのさ!」
「理由はあります。ユリーシャさん、適格者の部分を」
「はい」

ユリーシャはモバイルPCの液晶画面をスクロールさせた。
そこには、木星のブルマーの兵器性能と適格者の条件が表示されていた。

   ―――ブルマー衝撃波
   ―――ブルマーミラージュ
   ―――ブルブレイド
   ―――ブルマーの輝き

「これなんていい意味で酷いですよ、大陸弾道ブルマー。
 NK民主主義人民共和国世襲元首がテポドンミサイルを発射する!」
「なにそれ、ふざけてるの!?」
「それは履かなきゃわからない」

その後も、まひる、黙読することしばし。
読み終わると同時に、諦めたような溜息をついた。

「わかりましたか、大事なことなんです。
 答えなさい。あなたのエッチ経験を赤裸々に」
「う…… わかるけど、わかるけどさあ!
 だったら紗霧さんとユリーシャさんも言ってよ
 あたし一人だけ告白なんて、そんなの恥ずかし過ぎ!」
「私が適格者だったら、いちいちあなたに聞きません」
「ランス様に…… 可愛がって頂いております……」

592〜初めにブルマーありき〜(9/9) ◆VnfocaQoW2:2011/03/07(月) 23:13:35
 
キレ気味に言い捨てる紗霧。
夢見る瞳で語るユリーシャ。
共に即断。

「ま、まあ…… ピュアであることに、誇りと劣等感をもってるけどさ……」

その勢いに、結局は正直に答えてしまうまひるであった。

「なら決定です。履きなさい」
「……そーくるよね、やっぱり」

可愛くぐずりながらも、まひるは装着に同意した。
どの道体操着。
レギンスからブルマーに履き替えること事態に、さほど抵抗感はなかった。

「履き替えたけど?」
「では、ブルーミングしてみましょう」
「ブルーミング?」

ユリーシャは黙って液晶画面の該当項目をスクロールさせる。

   ―――ブルーミングとは。
   ―――装着者の性的興奮を基準とする発汗や発熱、愛液によって、
   ―――ブルマの内部のムレムレ度を高めることである。

「……」
「……」
「……オカズが必要でしたら、パンチラまでなら協力しますよ?」
「やっぱりオトコのコって思ってんじゃん!!!」

            ↓

593〜初めにブルマーありき〜(情報 1/2) ◆VnfocaQoW2:2011/03/07(月) 23:14:54
 
(ルートC)
 
【グループ:紗霧・ランス・まひる・恭也・ユリーシャ・野武彦】
【スタンス:主催者打倒、果し合いに臨む】
【備考:全員、首輪解除済み】

【現在位置:D−6 西の森外れ・小屋3】

【ユリ―シャ(元№01)】
【スタンス:ランス次第】
【所持品:スペツナズナイフ、フラッシュ紙コップ】

【月夜御名紗霧(元№36) with ナース服】
【スタンス:状況次第でステルスマーダー化も視野に】
【所持品:グロック17(残弾 16)、金属バット、ボウガン、対人レーダー、指輪型爆弾】
【備考:疲労(小)、下腹部に多少の傷、性行為嫌悪】

【広場まひる(元№38) with 体操服 & 木星のブルマー】
【所持品:グロック17(残弾 16)、せんべい袋(残 13/45)】

 ※木星のブルマーは、まひると野武彦が適格かもしれません。
 ※適格ならばレベル1のブルマー技が使用できる筈ですが、
 ※ムレムレ度を上げることが至難です。

594〜初めにブルマーありき〜(情報 2/2) ◆VnfocaQoW2:2011/03/07(月) 23:16:07
 
【現在位置:D−6 西の森外れ・小屋3 → C−4 隠し部屋】
【魔窟堂野武彦(元№12)】
【所持品:454カスール(残弾 3)、鍵×2、簡易通信機・小、
     軍用オイルライター、ヘッドフォンステレオ、まじかるピュアソング
     カスタムジンジャー(←共有物)、斧(←共有物)】


【西の小屋内・グループ所持品】
  [日用品]
    スコップ・小、スコップ・大、工具、竹篭、救急セット、薬品・簡易医療器具
    白チョーク1箱、文房具、生活用品、指輪型爆弾
  [武器]
    小太刀、鋼糸、アイスピック、斧×2、鉈×1、レーザーガン、メス
  [機器]
    モバイルPC、USBメモリ、プリンタ、分機解放スイッチ、解除装置、
    簡易通信機・小、簡易通信機・大、簡易通信機素材(インカム等)一式×5、
    カスタムジンジャー×2
  [食料]
    小麦粉、香辛料、干し肉、保存食
  [その他]
    手錠×2、メイド服、SPの鍵×4、謎のペン×15

595 ◆HbAb3YhfJ6:2011/03/07(月) 23:21:40
 
トリップ暴露してしまいました……
騙りが出ることは無いかとは思いますが、念のため、
上記トリップに変更させて頂きます。

596 ◆HbAb3YhfJ6:2011/03/09(水) 21:40:14

以下14レス「SPI-04:『神語の書』〜あなたの知らない世界〜」を、
仮投下いたします。

次回予定は、「ひとであり/ひとでなし」。
しおりと知佳が中心です。

597〜あなたの知らない世界〜(1/13) ◆HbAb3YhfJ6:2011/03/09(水) 21:40:59
 
【タイトル:SPI-04:『神語の書』〜あなたの知らない世界〜】
 
(ルートC:3日目 PM03:30 C−4 山中)


「思ったより大規模に崩れておるの…… くわばらくわばら」

座標C−4。島北西部に位置する山岳地帯。
魔窟堂野武彦はその区画に立ち入ってすぐに、敵の本拠地跡を発見した。
山岳の地下に掘りぬかれていた基地は発破により支柱が破壊された為に崩落し、
山肌を巻き込んでクレーターの如く陥没していた。
底は見えず、砂埃は未だ治まっていない。

「なんとしても手に入れたい紙片なのじゃがなあ……
 やはりこの崩落に巻き込まれてしもうたかのぅ」
 
スペシャルアイテム№04『神語の書(一枚)』。
№03『木星のブルマー』と同じく、USBメモリから読み取ったその効能とは。
 
   ―――世界を書き込んだ内容に改変する
 
御陵透子の【世界の読み替え】に等しいものであった。
否。記入者の任意に改変できるのであるから、それ以上であると言える。
その凄まじき効力ゆえに、たった一枚しか用意できないのであろう。

   さて、そのアイテムの現在位置であるが。
   野武彦の悪い予想を裏切らず、地盤崩落で地中深くに没していた。
   ケイブリスでもいれば掘り起こしも出来ようが、
   今の小屋組の力で、小屋組の装備で、それを入手することは、
   残念ながら不可能であった。

598〜あなたの知らない世界〜(2/13) ◆HbAb3YhfJ6:2011/03/09(水) 21:42:48
 
「残念じゃが、単独では如何ともしがたいのぅ」

足場は不安定。
下に降りるルートも皆無。
その上、いつ二時崩落が発生してもおかしくないきな臭さを漂わせていた。
故に、野武彦はクレーターを降りることを諦めた。
しかし、神語の書の捜索を諦めたのかというと、そうではない。
日没までには、まだ一時間以上の時間がある。
C−4地区の捜索は始まったばかりである。

野武彦は更に山を歩く。
注意深く周囲の岩や地面に目を凝らして、人工物を探しながら。
ごろごろと礫岩が無造作に転がる斜面を、禿げ山を、登る。
それから、約30分。

「あれは……」

足早に傾斜を登った野武彦がたどり着いたのは、
岩肌をドーム状に開いた、オープンルームであった。
テラスの中央には、巨大な投擲機が鎮座していた。
主催者基地・カタパルト投擲施設である。

この施設のみが崩落を免れたのは、偶然ではない。

カタパルトのそのものの重量。
かかる荷重。
投擲運動エネルギー。
 
それらの負荷は非常に高く、強固な足場を必要とした。
故にオリジナル智機は、配置したのである。
足元に空洞が無く、地盤が強固で、基地から距離をやや隔てた位置に。

599〜あなたの知らない世界〜(3/13) ◆HbAb3YhfJ6:2011/03/09(水) 21:43:39
 
「シークレットポイントでは、なさそうじゃが……」

呟きとともに、野武彦は室内を調査する。
中心施設であるカタパルトは、磨耗により破損していた。
コンソールも無通電により電源が入らなかった。
その他機器もコンソールに同様であった。
ただ1台。
バッテリー残量があったことが幸いし、ノートPCのみが起動した。

「ふむ、収穫はこれだけかの」

その端末は、代行N−22が、拠点崩落の直前まで使用していた端末であった。
管制室の情報集積サーバのミラーリング機であった。
野武彦に奪わせたUSBメモリのデータは、
この中のデータを厳選し、コピーをとったものであった。
 
つまりは。
N−21の選別から漏れたデータが、そこには眠っている。
N−21が選択的に除いたデータも、そこには眠っている。
その眠れるマシンを。
野武彦は、起こしてしまったのである。

野武彦の知らぬ智機世界のOSが、20秒ほどで立ち上がる。
デスクトップには、幾つかのモニタリング情報へのショートカットが
整然と並べられていた。
その中に、一際目を引くフォルダがあった。



【死亡者情報】
.

600〜あなたの知らない世界〜(4/13) ◆HbAb3YhfJ6:2011/03/09(水) 21:44:30
 
 
ドクン。

その五文字を目にした瞬間、野武彦の心臓が跳ねた。

ドクン。

野武彦の額に、脂汗が流れる。

ドクン。

まるで酸欠の金魚の如く、口をせわしなく開閉している。

ドクン。

ちりり、ちりりと。
野武彦のこめかみが、鳴っている。

(知佳殿やアイン殿は生きているのか?)

それを、知ることができる。
それは、大きな収穫である。

だが、ここで得られる情報は。
得てしまう情報は。
決して、それだけに止まらぬ。

(ボウガンの出所は? 秋穂殿を殺したのは?)

野武彦の胸中の奥底に、ずっと眠らせていた思いが、
棚上げしていた疑念が、にゅるりと鎌首をもたげた。

601〜あなたの知らない世界〜(5/13) ◆HbAb3YhfJ6:2011/03/09(水) 21:45:26
 
(ここで、軍師殿は秋穂殿を殺しておらぬことを確認できれば。
 わしの憂いは全て無くなる。
 心底軍師殿を信じ、迷うことなくその指示に命を賭けられる)

月夜御名紗霧の作戦立案・指揮能力は、
巨凶ケイブリスを相手に完璧に証明された。
故に、小屋組はモチベーションが上がっている。
仲間意識が高まっている。

(……そうでなければ?)

恭也の疲弊。透子の監視。
決して順風満帆とは言えぬ現状ではある。
それでも、希望は胸にある。
団結力を以って難局にあたる覚悟がある。

(軍師殿が秋穂殿を殺したことが確認できてしまったら?
 その時、わしはどうなる?
 迷い無く軍師殿について行けるのか?)

その中心に、間違いなく紗霧がいる。
大小差異はあれど、誰もが紗霧の才に頼っている。
果たして、彼女に信を置けなくなったとき、
小屋組は連合としての形を保てるのか?

(ならば、知らぬままでよい。ままがよい。
 疑念は奥底に沈めたまま、ただ眼前の戦いを戦えばよい。
 これまでだってそうしてきたのじゃ。
 これからも……)

602〜あなたの知らない世界〜(6/13) ◆HbAb3YhfJ6:2011/03/09(水) 21:46:11
 
これからもそうするだけ。
野武彦はそう己に言い聞かせようとした。

(これからも……)

しかし、出来なかった。
既に、禁断の果実に触れてしまった故に。
知ることができることを、知ってしまったが故に。

(……)

野武彦は硬直する人差し指をゆっくりと伸ばし。
タッチパッドで矢印ポインタを動かしてゆく。
己の吐く息で白く曇った瓶底眼鏡。
その奥にある瞳の色は、窺い知れぬ。


   =-=-=-=-= ・ =-=-=-=-= ・ =-=-=-=-= ・ =-=-=-=-=   


「おおっ…… おおっ……」

魔窟堂野武彦が、慟哭していた。
あまりにも深い絶望に捕われて。

『若い命を無駄に散らせぬ為に、我ら老骨がこの身を擲とう』

あの夜の森での誓いを、野武彦は思い出す。
その神聖で熱い男の誓いが、汚されたように感じられていた。

603〜あなたの知らない世界〜(7/13) ◆HbAb3YhfJ6:2011/03/09(水) 21:46:52
 
【死亡者情報】
【プレイヤー動向】
 
これら管理資料の最終更新時間は、昨晩20時15分。
管制室の発破に伴うサーバ破壊の少し前の時間であった。
しかし、彼が知りたいと願っていた情報は、入手できていた。

朽木双葉とアインが、既に死亡していること。
仁村知佳としおりが、未だ存命であろうこと。
保護対象と思われていたしおりは、ゲームに乗り、
一人と一機を殺害/破壊していたこと。

有用な情報は、それだけであった。
不要な情報は、他の全てであった。


月夜御名紗霧――― やはり、であった。

紗霧は二人殺していた。
しかし、野武彦の疑念とは関係のない殺人であった。
予想の埒外にある、予想をはるかに上回る殺人であった。

野武彦は北条まりなに聞いていたのである。
彼女の最初の同行者・木ノ下泰男が如何にして絶命したのかを。
村落の雑貨屋に仕掛けられた罠は、
明らかに無差別に命を狙った罠であったのだと。

そしてまた、首輪は罠師であった頃の紗霧の呟きを、何度か捉えていた。
その音声情報もまた、野武彦は耳にしたのである。
言葉少なに、しかし楽しげに。
紗霧は罠に掛かった哀れな獲物をこき下ろしていたのである。

604〜あなたの知らない世界〜(8/13) ◆HbAb3YhfJ6:2011/03/09(水) 21:47:33
 
ユリーシャ――― まさか、であった。

ユリーシャは仲間を手酷く裏切っていた。
アリスメンディと篠原秋穂を殺していた。
恐らくは嫉妬心と独占欲の為に。
相手の油断を突き、確固たる殺意を持って、手を下していた。
ランスに気取られぬよう、嘘に嘘を重ねて、隠蔽していた。

それをおくびにも出さずに、か弱い風を装って。
清楚な顔をして、優雅な物腰で。
彼女は、今もなお、ランスの脇に侍っている。
その擬態、あるいは本性。
なんと悍ましく、恐ろしいことであろうか!


ランス――― 許せぬ、であった。

血の気が多く、唯我独尊な性格をしていることは分かっていた。
彼と合流したばかりの頃の恭也との遣り取りで、
人のひとりやふたりは殺しているであろうと予想はしていた。
それは事実であった。
ランスは2人のグレンを殺していた。

姓無きグレンは、仕方ない。
知佳を愛娘と勘違いして飼い殺そうとした狂人である。
その一刀両断っぷりはさて置き、応戦するのは理解できる。

だが…… もう一人のグレン。
コリンズ姓を持つ異形。
ゲームに乗るを良しとせず、島からの脱出を図っていた男。
この男を殺した事実を、野武彦は許せなかった。

605〜あなたの知らない世界〜(9/13) ◆HbAb3YhfJ6:2011/03/09(水) 21:48:14
 
対立の末、殺したのなら、しかたない。
誤解の末、殺したのなら、諦めもつく。
そうではなかった。
単に邪魔だから殺していた。


紗霧のみならず、ランス、ユリーシャもまた外道。
世界の悪意害意を、野武彦は一身に浴びてしまった。
それはまさに、パンドラの箱。
故に。伝承をなぞるかの如く。
その箱の底に残った、希望もあった。

「だが、わしには、恭也殿がいる!」

恭也は見事に、男であった。日本男児であった。
ワープ番長との速度勝負に敗れ、一度は情けない姿を晒しもすれど。
彼の戦いは全て、他者を守るための戦いであった。
ただの一度とて、ゲームに乗ったことなどなかった。
野武彦が目を通した全ての管理資料が、それを裏付けていた。

「そう、ああいう益荒男は死んではならぬ!」

再び虚空に力説する。
そこに、広場まひるの名前が、無かった。
じっちゃん、まひるちん。
気安い仇名で呼び合うほどの仲となったにも関わらず。

606〜あなたの知らない世界〜(10/13) ◆HbAb3YhfJ6:2011/03/09(水) 21:48:54
 
広場まひる――― そんな、であった。

まひるは、誰も殺してはおらぬ。
【死亡者情報】は、それを証してくれた。
しかし【プレイヤー動向】にて、懸念が発生した。
時は一日目の夜半。
突如、正気を失ったまひるが、同行者・堂島薫を捕食しようとしたという記録である。
幸いにして、駆けつけた高原美奈子の手によってまひるは正気を取り戻し、
事なきを得たのであるが。
その懸念を、もう一つの管理資料が裏付けた。

【参加者来歴】。

そこに、記載されていた。
この島に召還されるまでの、プレイヤーたちのプロフィールが。

ランスとは、リーザスなる国の王であること。
ユリーシャとは、カルネアなる国の第二王女であること。
紗霧とは、鋼鉄番長に仕える神鬼軍師であること。
恭也とは、学生にして御神流の若き師範であること。

そして、まひるとは。学生にして、天使であった。

天使とは皮肉を利かせた蔑称に過ぎぬ。
その正体は、人に擬態し、人を捕食する、人の天敵であった。

魔の者が、人に憧れ。
贖罪し、人の側に立つ。

607〜あなたの知らない世界〜(11/13) ◆HbAb3YhfJ6:2011/03/09(水) 21:50:14
 
それは、野武彦が大好きなファンタジー物の王道シチュエーションであるし、
実際彼には、人外の者に対するいわれ無き差別意識など皆無である。
誰よりも、まひるを受け入れる土壌と柔軟性を備えている。
であるのに。
今の野武彦は恐れと疑念を捨てきれぬ。
燃えるシチュエーションなどと受け入れられぬ。

人に擬態する。
この一節と、紗霧やユリーシャの化けっぷりに欺かれていた事実とが相まって。
信じてやりたくも、後ろめたくも。
いずれ正体を現すのではないか―――
飢餓感が限界に達したならば―――
そんな可能性が脳裏を掠めるばかりであった。


既にバッテリーは切れ、PCの液晶は黒く染まり。
その黒に近い闇夜が、カタパルトルームを満たしていた。
そこに、インカムから。
野武彦の心持ちとは真逆の、まひるの弾んだ声が、聞こえてきた。

『じっちゃん、しーきゅーしーきゅー、あいしーきゅー!』

野武彦は息を飲み、逡巡し、深呼吸をして。
勉めて冷静な声を装って。
瞑目したまま、インカムの発話ボタンを握った。

「はいよ、どうしたんじゃ、まひるちん?」
『じっちゃん、やったよ! 世色癌で、恭也さん目覚めたよ!』
「おおう、そうかそうか! よかったのぅ、ほんによかった……」

齎された朗報に、野武彦が相好を崩す。

608〜あなたの知らない世界〜(12/13) ◆HbAb3YhfJ6:2011/03/09(水) 21:51:35
 
『じっちゃん遅いけど、何かトラブルでもあったりする?』
「連絡が遅うなって済まんの、まひるちん。
 シークレットポイント探しに躍起になっておるうちに、
 とっぷり日が暮れ、足元が見えんようになってしまっての。
 幸い山小屋を見つけたので、朝までここに留まろうと思うのじゃよ」
『あたしがお迎えに行こっか?』
「いやいや心配には及ばぬよ。
 ……おっと、火種が燃え尽きそうじゃ。これにてご免!」

逃げも隠れもするが、嘘はつかぬの魔窟堂。
それは彼が自称する、お気に入りのキャッチフレーズ。
それが、今の野武彦は。

逃げて。
隠れて。
嘘もつく。

(じゃが、これも必要なウソじゃ…… 必要なんじゃ……)

今、彼らの顔を見てしまえば。
嫌悪感も、不信感も、必ず顔や態度に表れる。
それを隠しとおせるほど、野武彦の神経は太くない。

果し合いの時は、明日。
ほぼ24時間後。
いまこの情報を、小屋の者たちに知られるわけにはいかぬ。
それは、不和しかもたらさぬ。
或いは、別離や破局すら招くやもしれぬ。
今は、この胸にしまっておくしかない。

609〜あなたの知らない世界〜(13/13) ◆HbAb3YhfJ6:2011/03/09(水) 21:53:07
 
それは、野武彦にも判っている。
判ってはいるのだが、割り切ることもまた出来ぬ。
苦悩。煩悶。後悔。逡巡。
負の渦流に、木切れ一つで巻き込まれている。

その荒波から逃れるために。
あるいは、荒波が細波に変わるまで。
野武彦には時間が必要なのである。

「エーリヒ殿……」

野武彦は縋る。面影に問う。
自分の様に、揺れず、惑わず、落ち込まず。
己を貫き通す意志力に満ちた軍人に。

「あやつらに守るべき価値は、あるのか……?」

野武彦は天を仰ぎ、形見のライターを強く握り締めた。


            ↓

.

610〜あなたの知らない世界〜(情報 1/1) ◆HbAb3YhfJ6:2011/03/09(水) 21:53:44
 
(ルートC)

【現在位置:C−4 本拠地跡・カタパルトルーム】
 
【魔窟堂野武彦(元№12)】
【スタンス:①一晩頭を冷やす。得た情報は墓場まで持ってゆく】
【所持品:454カスール(残弾 3)、鍵×2、簡易通信機・小、斧
     軍用オイルライター、ヘッドフォンステレオ、まじかるピュアソング】
【備考:疲労(小)、紗霧、ランス、ユリーシャに不信感、まひるに恐怖感】

 ※ゲームの各種記録を知りました
 ※カスタムジンジャーは竜神社で充電中です

611名無しさん@初回限定:2011/03/10(木) 02:27:40
感想です。

「譲れぬ想い 挫けぬ心」
コスプレネタがここでも活かされるとは感無量です。
紗霧のナース服姿は想像すると似合うなあ。
ゲーム中私服絵がないキャラだけど。
タイトルから見るとギャップの大きい内容だw
最後の恭也以外は。

「χ−1」
これもタイトルから内容に興味が出てくるタイトル。
疑心暗鬼を誘うプランナーのペナルティを一蹴するザドゥが素敵。
ここに来てリーダーシップを発揮してきたか。
芹沢とカオスが味方についてる分、安心感が大きい。
主催者なのに。

『秘密の部屋と四つの鍵』
しおりの襲撃もなくシークレットポイントの探索が始まったのが意外。
シェルター含めてどれも利用さえできれば、参加者にとってプラスになるもので
いろいろと納得。
まさか神語の書が出てくるとは……。


『SPI-01:『世色癌』〜優しい俺様〜』
ようやくランスの(性格的な)長所がいい意味で大きく影響したのを見て一安心。
変わらざるを得なかった知佳の心理描写がいい。
恭也は間に合うか……と読んだ当初は思いました。

『SPI-02:『地下シェルター』〜終身願望保険(掛け捨て)〜』
智機がとことん悲惨で少し気の毒。
でも184話までだけを改めて見てると同情できないのが何とも。
レプリカ100体以上支給されたツケか……。
Dパーツを透子が使うのは予想外。
とんでもない強敵になりそう。

『SPI-03:『木星のブルマー』〜初めにブルマーありき〜』
うん、まあ、まひるがんばれw
それしか言えない。
双葉が迷走しなければ、彼女か知佳が扱えたかもしれないのに、残念。

『SPI-04:『神語の書』〜あなたの知らない世界〜』
神語の書は拾えずじまいかな?
配置場所が運営基地の近くだったのが良い。タイトルが個人的にツボ。
ここで紗霧のみならずランスとユリーシャとしおりの悪事が明るみになるとは……。
紗霧は罠師時は滅多に独り言を口にしなかったが、全くで無かったのが痛い。
まひるも疑惑の対象に含まれ、良い感じに非常にきな臭くなるのを感じられました。
最後のライターの描写が切ない。
レプリカUSBの設定などはプランナーの悪意が感じられると同時に
ある種ゲームの公平性も感じられて面白かった。

612284 ◆ZXoe83g/Kw:2011/03/10(木) 02:29:54
最新307話までのまとめを改めてUPしました。

ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org1410490.zip.html

パスはnegiです。

あと差し出がましいでしょうが指摘。



『SPI-03:『木星のブルマー』〜初めにブルマーありき〜』で
魔窟堂は童貞〜とありますが、ゲーム本編で彼の息子が本編で出てきてますので
こちらの見落としや、裏設定で実は養子だったとかで無ければ非童貞のはずです。
あとまひるは性別がないので、ブルマーの使用は解釈次第では大丈夫だと思います。

※補足
紗霧は家事は自分では得意だと思ってます。
ただし自分でそう思ってるだけで実際は苦手です。
茶を入れるのは得意ですが、料理を作ろうとする描写は本編で無いので
その辺は大丈夫だと思います。

まひるは料理は作れます。かなり上手です。
ただし肉料理限定で、他の料理は作ろうとしません。


また今週中に連絡します。
失礼しました。

613 ◆HbAb3YhfJ6:2011/03/10(木) 20:37:57
>>612
ご指摘、ありがとうございます。

魔窟堂の性経験の件につきましては、「SPI-04〜」の本投下時に修正致します。
紗霧・まひるの料理の件につきましては下記の変更を施しますので、
次回以降のまとめ更新時に、こちらの適用をお願い致します。

------------------------------------------------------------------------------
<修正箇所>

で、皆が目覚めて。
顔を揃えて。
いざ、食事を作ろうという段で、深刻な問題が発生した。

こうして高町恭也がひとり、厨房に立つことになった。
の間。

------------------------------------------------------------------------------
<修正内容>

で、皆が目覚めて。
顔を揃えて。
朝食を摂ろうという話になって。
何故か紗霧が名乗りをあげて。

「ふふ…… 策士とは別の顔、お見せ致しましょう」

自信たっぷりに白米を洗剤で研ぎ出したところを、恭也に制止された。

「止めるんだ、月夜御名さん」

高町恭也―――
古風な価値観を守り抜いている男であった。
食への感謝を忘れぬ男であった。
この男の譲れぬ何かが、紗霧の暴挙を見過ごせなかったのである。

「あなたがしていることは、農家の皆さんに対する冒涜だ」

あまりに抜き身すぎる、愚直な言葉に。
動揺した紗霧が、食卓に座す他の四者に目をやった。
4人が揃ってウムウムと、首を上下に振っていた。

「そ、そこまで言われることはしていない筈ですが?」

力弱い紗霧の反論を受けて。
4人が揃ってナイナイと、手のひらを左右に振っていた。
それで紗霧は、諦めた。
頬についた洗剤のシャボンを拭って、イジケ気味に逆切れた。

「でしたら恭也さんが美味しい朝食を用意してくれるんですね!」
「男の大雑把な料理でよければ」

こうして高町恭也がひとり、厨房に立つことになった。

------------------------------------------------------------------------------

以上です。
お手数をおかけしますが、よろしくお願い申し上げます。

614284 ◆ZXoe83g/Kw:2011/03/10(木) 20:59:23
早速のレスと修正、そして短期間での仮投下お疲れ様です。
紗霧の家事のレベルはそんな感じです。
人がいない所での机の掃除は濡らしてない雑巾で、
ごみを全部床に落として満足するレベルですから。
明日の深夜か土曜日に修正分も含めたまとめをUPします。
それでは。

615284 ◆ZXoe83g/Kw:2011/03/11(金) 18:53:25
306話を修正したまとめをアップしました。
パスは rowa です。

ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org1414637.zip.html

また日曜日に連r区する予定です。

616284 ◆ZXoe83g/Kw:2011/03/13(日) 13:55:13
こちらは大事無いです。
更新等が必要なときは作業いたします。

617 ◆HbAb3YhfJ6:2011/03/13(日) 19:01:02
ただいまより、
  「それでも、恭也は答えない。」
  「ひとりでも、みんなのひとり」
の二編を、本投下致します。

今晩の仮投下はありません。

618◇HbAb3YhfJ6 → ◆29ZH4ztR.E:2011/03/13(日) 20:02:39
 
ご支援、ありがとうございました。

そして、なんだかもう本当に汗顔の至りなアレですが。
またしてもトリップを自ら晒してしまいましたので、
上記名前欄のトリップ変更を行います。

619284 ◆ZXoe83g/Kw:2011/03/13(日) 23:51:57
本投下お疲れ様でした。
どんまいです。
感想は今週中に。
最新309話までのまとめをUPしました。
パスは negi です。

ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org1420699.zip.html

620名無しさん@初回限定:2011/03/14(月) 17:41:47
更新乙です
まとめサイトの人は大丈夫だろうか?

621名無しさん@初回限定:2011/03/16(水) 01:11:24
前回と同じ、パスはrowaです。

ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org1428782.zip.html

622名無しさん@初回限定:2011/03/17(木) 19:05:03
前回と同じ、パスはnegiです。

ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org1435522.zip.html

623名無しさん@初回限定:2011/03/18(金) 22:27:13
パスはnegiです。

ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org1440346.zip.html

624 ◆29ZH4ztR.E:2011/03/20(日) 19:03:48
 
ただいまより、
  「タクスタスク 〜the final mission〜」
  「告」
  「果たし状」
の三編を、本投下致します。

625 ◆29ZH4ztR.E:2011/03/20(日) 20:55:55
 
長時間に渡るご支援、ありがとうございました。
今晩の仮投下はありません。

626284 ◆ZXoe83g/Kw:2011/03/20(日) 23:05:57
本投下お疲れ様でした。
最新312話までのまとめをアップしました。
パスはnegiです。

今週中に再アップと連絡等をいたします。


ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org1446346.zip.html

627名無しさん@初回限定:2011/03/22(火) 18:40:03
「それでも、恭也は答えない。」
ケイブリス戦後のランスの心境の変化や
紗霧の本心の一部の描写が良く描写されていて良かったです。
体温や傷口の下りがリアルで恭也の状態の危うさも伝わってきました。

「ひとりでも、みんなのひとり」
アズライトとさおりだけでなく、鬼作と愛を思い出してくれたのは
素直に感動しました。
同時にしおりがシャロンを殺したのを思い出さないあたりは良い意味で薄ら寒さを感じました。
六人組の探索を拒否したのはこの為だったのですね。

「タクスタスク 〜the final mission〜」
ケイブリス戦後に結束を深めた魔窟堂とまひるのノリが良い感じ。
ゲームの備品として果てたレプリカ達の最期は奇妙な達成感を感じられました。

「告」
智機の孤独がひしひしと感じとれる作品でした。
同調する透子に喜ぶザドゥとカモちゃんがほほえましい。
それぞれのキャラの個性が光ってました。

「果たし状」
シンプルでいいです。
それだけで終わりが近いんだなあと感慨。

628名無しさん@初回限定:2011/03/22(火) 18:43:08
再アップしました。
パスはsageです。

ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org1451718.zip.html

629名無しさん@初回限定:2011/03/24(木) 05:44:51
まとめです。パスは>>628と同じです。

ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org1456550.zip.html

630名無しさん@初回限定:2011/03/26(土) 07:02:53
まとめです。パスは前と同じです。

ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org1461417.zip.html

631 ◆29ZH4ztR.E:2011/03/27(日) 19:04:02
 
ただいまより、
  「諾」
  「秘密の部屋と四つの鍵」
の二編を、本投下致します。

632 ◆29ZH4ztR.E:2011/03/27(日) 20:15:04
ご支援、ありがとうございました。

今晩の仮投下はありませんが、
どうにか週末までに一本あげられると思います。

633284 ◆ZXoe83g/Kw:2011/03/27(日) 23:53:51
本投下お疲れ様でした。
最新314話までのまとめをアップしました。
パスはnegiです。
次回バージョンアップ時までパスは同じに設定しますので。
また今週。

ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org1467010.zip.html

634名無しさん@初回限定:2011/03/29(火) 18:34:49
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org1472359.zip.html

635名無しさん@初回限定:2011/03/31(木) 18:10:56
まとめです。

ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org1479611.zip.html

636名無しさん@初回限定:2011/04/02(土) 10:24:52
月曜日になったら消します。

ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org1486392.zip.html

637 ◆29ZH4ztR.E:2011/04/03(日) 19:03:20
 
ただいまより、
  「SPI-01:『世色癌』〜優しい俺様〜」
  「SPI-02:『地下シェルター』〜終身願望保険(掛け捨て)〜」
の二編を、本投下致します。

638 ◆29ZH4ztR.E:2011/04/03(日) 20:14:21
 
ご支援、ありがとうございました。
遅くなりましたが火曜の晩に「ひとであり/ひとでなし」を仮投下致します。

>>◆ZXoe83g/Kw さん
毎週の迅速なまとめ更新、ありがとうございます。
人間透子死亡時の一週だけの死亡者情報や、「果たし状」のそれらしき工夫には、
思わずニヤケ顔になってしまいました。
結末まで今暫く時間と話数がかかるかとは思いますが、
なにとぞ今後ともよろしくお願いいたします。

639284 ◆ZXoe83g/Kw:2011/04/03(日) 21:15:56
まとめサイトの感想ありがとうございます。
こちらも最後まで更新するつもりですのでよろしくお願いします。
感想は今週中に。


最新316話までのまとめをアップしました。
パスはrowaです。

ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org1491819.zip.html


今週はまとめか作品を進展できるかも知れません。

640名無しさん@初回限定:2011/04/05(火) 17:51:11
再アップ
パスは639と同じです。

ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org1498729.zip.html

641名無しさん@初回限定:2011/04/07(木) 07:19:33
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org1504791.zip.html

642名無しさん@初回限定:2011/04/08(金) 22:00:34
4度目のアップ

ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org1509425.zip.html

643◇29ZH4ztR.E:2011/04/10(日) 17:59:16
職場からにてトリ無しで失礼致します。
今しばらく帰宅できなそうなので、本日の本スレ投下は見送らせて頂きます。
次回仮投下も時間がかかりそうです。

申し訳ございません。

644284 ◆ZXoe83g/Kw:2011/04/10(日) 19:52:23
了解です。
お忙しい中報告ありがとうございます。
無理はなさらないよう。


五度目のまとめアップ、パスは前回と同じです。
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org1517051.zip.html

645名無しさん@初回限定:2011/04/12(火) 19:19:39
前回と同じ、パスはsageです。

ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org1522904.zip.html

646名無しさん@初回限定:2011/04/14(木) 21:15:50
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org1529303.zip.html

647名無しさん@初回限定:2011/04/16(土) 05:26:20
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org1533970.zip.html

648名無しさん@初回限定:2011/04/17(日) 20:52:41
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org1540077.zip.html

649名無しさん@初回限定:2011/04/19(火) 06:19:56
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org1545163.zip.html

650名無しさん@初回限定:2011/04/20(水) 23:40:04
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org1550400.zip.html

651名無しさん@初回限定:2011/04/22(金) 07:14:01
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org1555222.zip.html

652名無しさん@初回限定:2011/04/23(土) 18:25:47
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org1559934.zip.html

653名無しさん@初回限定:2011/04/24(日) 20:40:58
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org1564852.zip.html

654名無しさん@初回限定:2011/04/26(火) 00:00:22
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org1569527.zip.html

655名無しさん@初回限定:2011/04/27(水) 19:29:40
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org1574946.zip.html

656名無しさん@初回限定:2011/04/29(金) 09:47:00
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org1580668.zip.html

657名無しさん@初回限定:2011/04/30(土) 21:26:53
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org1586838.zip.html

658名無しさん@初回限定:2011/05/01(日) 22:19:23
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org1591193.zip.html

659名無しさん@初回限定:2011/05/03(火) 00:56:25
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org1596038.zip.html

660名無しさん@初回限定:2011/05/03(火) 23:53:48
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org1600370.zip.html

661名無しさん@初回限定:2011/05/05(木) 03:17:46
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org1605699.zip.html

662名無しさん@初回限定:2011/05/06(金) 06:29:42
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org1610885.zip.html

663名無しさん@初回限定:2011/05/08(日) 07:20:48
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org1618132.zip.html

664名無しさん@初回限定:2011/05/10(火) 07:42:31
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org1623025.zip.html

665名無しさん@初回限定:2011/05/11(水) 19:46:07
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org1627979.zip.html


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