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企画もの【バトル・ロワイアル】新・総合検討会議2

447タクスタスク 〜the final mission〜(4/6) ◆VnfocaQoW2:2011/01/31(月) 00:13:31
 
まひるの表情に不安の色が無いことを察した野武彦は、
カチリと奥歯を噛み合わせ、風と同化し、消えた。
人ならざるペンタグラムの瞳を持つまひるの動体視力を以ってしても、
加速状態にある野武彦のうしろ姿は捉えられなかった。

「N−55、59、魔窟堂を止めろ!」
「おっと! じっちゃんは追わせないよ!」

獣ではない。昆虫の姿勢で。
まひるがN−55の背後に回り込む。
ざわめく異形の爪が、猫のそれの如く、じゃきりと伸びた。


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数々の激戦の舞台となった病院跡の付近。
最高速40Km/hを誇る二台のカスタムジンジャーは、
島唯一のアスファルト舗装を施された道路を東へとひた走る。
その後方からタン、タンと。
グロック特有の軽く乾いた発砲音が響き渡った。

「四機が二人を抑えてくれているようだね」
「Yes。 彼女らの犠牲を無駄には……」

出来ないね、と。
そう続くと思われたP−4の言葉はかき消された。
454カスールの発した、獰猛な発砲音によって。

「確かにお前さんのジンジャーは速かった……」

P−4の搭乗するジンジャーは緩やかに速度を落としつつ道路を外れ、
運転者を振り落とすと同時に、横転した。
P−4の胸からは白煙。
拳より大きな穴が、その胸に穿ちぬかれている。

「だが日本じゃあ二番目じゃな」
「……な?」

代行の走る前方に、魔窟堂野武彦がいた。
代行の進路を塞ぐが如く、仁王立ちしていた。
夕焼けの書割をバックに、銃口の硝煙に息を吹きかけ、カッコつけていた。
往年の、親友の仇討ちに燃える万能名探偵になり切っていた。
その余裕に、遊び心に。
代行は、自らの運命を悟った。

「加速装置、か……」
「いかにも」
「万事窮す、か……」
「いかにも」
「で、あれば……」

代行は胸ポケットから分機開放スイッチを取り出すや、それを大きく振り上げる。

「ならば、いっそ!」

敵の手に渡るくらいならばと思い余って。
振り下ろし、叩き付け、破壊してしまおうとしている。
代行の動きをそう受け取った野武彦は、再び奥歯を噛み鳴らす。


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