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企画もの【バトル・ロワイアル】新・総合検討会議2

436ひとりでも、みんなのひとり(4/8) ◆VnfocaQoW2:2011/01/30(日) 00:53:25
 
半狂乱になったしおりは、拳を瓦礫に打ち下ろした。
何度も何度も叩きつけた。
そこに技術は無く。基本すら無く。駄々っ子のぐるぐるパンチでしかなく。
柔い童女の皮膚はすぐさま裂け、鮮血が瓦礫に降り注いだ。
それでもしおりは叩いた。
有り余る怒りの感情を拳に乗せ、瓦礫にぶちまけた。

しおりが二日前のしおりであれば、そこで終わりであった。
硬く重い瓦礫に成す術もなく、拳が砕けるのみであった。
しかし、今のしおりは力なき童女ではない。
鼠の耳と、髭と、尻尾を有し、涙と共に炎を身に纏う【凶】である。
拳が壊れるのと同じ速度で、瓦礫を削り崩す力がある。

数分後。
そうしてしおりの両拳と瓦礫とがボロボロに崩れ。
ついに下敷きとなっていたさおりの全身が、姿を現した。

「さおりちゃん……」

右腕と、下半身。それが、醜く潰れていた。
自転車に引かれたカエルよりも尚醜くくひしゃげ、下品に広がっていた。
血溜まりは既に黒く凝固していた。
一度鬱血で膨らんだ顔面は、死後の血液凝固を経ることで再びしぼみ。
かといって一度膨れ上がった表皮は元に戻らず、空気の抜けたゴムマリの趣を見せ。
セルライトの如き数多の皺とひび割れを刻んでいた。
しかも、大小の死斑が至る所に浮き出ている。
人が死体について想像の及ぶ醜さ、不快さの全てが、さおりの遺体には備わっていた。
幼い容姿が、その惨たらしさに拍車をかけている。


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