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企画もの【バトル・ロワイアル】新・総合検討会議
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(そうだ……このまま何もしないよりは……)
『それ』は片割れと比べて『主』に対する忠誠はそれほど強くはない。
片割れの幻術によって式神としての我を持ったからだ。
長老や仲間を失った悲しみを片割れ以上に持っているくらいだ。
双葉の式神でなければ悪感情を懐いていたのは間違いない。
主の救助願望も、片割れから受け継がれた人格の一部と義務感からと言っていい。
それゆえにこのまま何もしないで終わるのは悔しかった。
『それ』は受け継がれた記憶に希望を見出そうとし思い起こし始めた。
◇ ◆ ◇ ◆
長老が生まれた頃はこの島には人が住んでいた。
人の居住区としてはさほど有益でもなく、かと言って流刑地にするにしては荒れてはい
ない島。
それだけに人も少数で、仲間達もあまり危害は加えられなかった。
ごくまれに森に入る人はいたが、特に何かすることはなかった。
その中に植物の言葉が分かる者――ある者は陰陽師と名乗っていたが、何人かはいた。
彼らはいぜれも二言三言会話しただけで使役されることも、深い繋がりを持つことはな
かった。
時折、人同士で争いが起こっていたが、森の植物にはほとんど関係のない事だった。
長老は千年以上の長きに渡ってそれを繰り返し見てきた。
そんな長老にとって特に深く記憶に残っていた事は4つ。
今行われているゲームを別にすれば、それは3つ。
一つ目は長老の生きてきた年月からすれば、ごく最近の出来事かも知れないが。
ある日、島外から大勢の人間が空からやって来て、島に上陸してきた。
東の森の外で仲間の住処を荒らして行った後、ほとんどが島外へ去っていった。
そして、しばらくして少人数で人間同士の殺し合いが行われた。
それは3つ目の出来事が起こるまで十回以上もそれは繰り返された。
二つ目はある初秋の深夜、突如己の長老の身体が発光した。
不思議な力がわきあがって来たと長老は言っていた。
そして見知らぬ人間五人が目の前に現れた。
彼らは緊張した様子で何かを話し合い、ある人は森の外に出て行った。
言葉が通じると思い、話しかけたが通じなかった。
術者とは違っていた。
翌日、島の人間らしい別の集団が彼らを見つけ襲いかかった。
彼らは少々慌てたものの、何かを取り出して動いた。
不思議なことに、襲撃者はひとり残らず黙って森の外を出て行った。
彼らはここに来て二日ほどで現れたのと同じ様に長老を通じて何処かへ去った。
二度とこの島に現れることはなかった。
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