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企画もの【バトル・ロワイアル】新・総合検討会議
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そんなやり取りを、カオスは微笑ましく見ていた。
微笑ましくも心の涙を流しながら。
見ていることしか出来なかった。
確定された死を前にして甘える女に、最後まで素直になれぬ男。
その最後の刻を覚えていてやろうと思った。
限界に挑み、限界を突破し、それでもなお限界に届かなかった挑戦者たちのことを。
だが、カモミール芹沢は、カオスのそんな傍観者気取りを許さなかった。
「さて、と」
胡坐をかくように座っていた彼女は、場を仕切りなおす為にそう呟くと、
カオスに手を伸ばし、柄を握ったのだ。
カオスが意外に思うほどの力強さで。
「よいしょ、よいしょ」
続けて芹沢は立ち上がる。
カオスを地面に突き立て、そこに体重を乗せ、背中を樹木に擦り付けながら。
生まれたての小鹿のように震える足で。
「動けるのか…… 芹沢……?」
「ザッちゃんがおんぶしてくれてた分、ちょっとは回復できたみたい。
ほんっっと〜に、ちょっとだけ、だけどね」
「ならばゆけ、芹沢…… 方角と距離は…… カオスに聞くといい……」
自己犠牲など唾棄すべき。
その不遜な思いは今以て変わらずザドゥの胸に存在する。
しかし、この時ザドゥの覚えた感情は、安堵だった。
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