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企画もの【バトル・ロワイアル】新・総合検討会議
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《生きてこそなのじゃがのう……》
カオスはそれを口に出さない。
訴えたとて聞き入れられる状態にないことを誰よりも知るが故に。
《じゃがもし―――
一縷の望みとして、ザッちゃんだけでも救える機会があるとするならば。
カモちゃんが自ら、置いていかれることを懇願した場合かのう……》
カオス自身に、ザドゥや芹沢に対する思い入れはさほど無い。
芹沢のダイナマイツぶりにうほほーいではあるが、それだけの事だ。
出会って一時間程度の間に、精神的な絆が結ばれることのほうが異常であろう。
それでもなお、カオスがこの2人に入れ込んでいるかの如く感ずるのは、
彼の過去とこの2人の現状が、多分に重なるところがあるが為だ。
かつて彼がまだ人間―――救世の大英雄(エターナルヒーロー)であった頃。
足手まといとなったリーダーでもあり親友でもあった男を置き去りにして、
神の座にたどり着いた経歴を持つ。
その際に剣となったカオスの力が、当代の魔王封印を果たしたのだから、
彼らの判断は歴史的に見て正しかったと言えるだろう。
《あの時あいつは、必死で助けようとするわしらに、
自分を置いてゆけと主張して譲らなかったのぅ……》
意志の篭ったそれでいて穏やかな眼差しと、自己犠牲を偽善と感じたらしい含羞の声色。
カオスの脳裏に置き去りにした友の顔がフラッシュバックされる。と、同時に。
それはいかなる共時性か。
この元盗賊の記憶をなぞるかの如く、芹沢もまた嗄れた声でこう囁いたのだ。
「ザッちゃんさぁ、もうあたしのこと置いていきなよ……?」
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