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企画もの【バトル・ロワイアル】新・総合検討会議

395大きな楡の火の下で 〜leeward〜 (2/10):2008/10/21(火) 00:29:03

「……地獄、やか?」

素敵医師が呆けた口調でつぶやく。
彼の周囲は熱気と煙と炎とで満ちていた。
ここが地獄だとするならば、それは焦熱地獄か。

「地獄、ね。確かにあんたに相応しい場所だけど……
 残念、ここはまだ森の中。
 あんたは生きてるの。あたしの式が助けたから」

素敵医師に語りかけながら近づいて来たのは朽木双葉。
こんな状況下にありながら、心もち声が弾んでいる。
焦りも恐怖も感じられない。
その様子から素敵医師は直感的に悟った。

「こ、こん火事ば…… 双葉の嬢ちゃんの仕込みがか?」
「火事自体は偶然だけどね。
 あんたたちがそれに気づかなかったのはあたしの幻術」

双葉がようやく素敵医師の視界に入った。
その姿を見て彼はなるほどこれは用意周到だと感心する。

双葉の左右に侍るは大きな人型式神。
彼らは肩を組み、背を曲げ、双葉を炎と熱気から守っている。
そして口元には小型の式神。
遠目にもわかる十分に潤んだ式神は、双葉の渇きを癒し、
また、煙や煤を吸い込むのを防ぐフィルターになっているようだ。
さらに周囲を飛び回る数体の飛行型式神は、
火の粉や爆ぜる木の枝を、その身を以って防いでいる。




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