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企画もの【バトル・ロワイアル】新・総合検討会議
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吐く息は荒い。
だが走るスピードはまだ、落ちていない。
これなら、まだ主催者と戦える。
アインはそう実感しながら、楡の木に向かって走る。
《…………。気は生命力でもあるからな、使いすぎに気をつけろよ》
カオスの忠告に、アインは頷く。
《どうした…?》
アインは顔を青ざめさせていた。
カオスの問いにも答えられなかった。
「………。こんな手に引っかかるなんて…」
どちらかといえば、切り抜けるわずかな隙を作るための方便で、同士討ちまでは期待してなかった。
アインの脳裏に数年前の出来事が浮ぶ。
夜。
そこには三人の男女がいた。
腹を撃たれ、意識を失った自分。
自分を抱えながら嘲笑する、銃を持った銀髪の中年男。
デザートイーグルを手に持ち、自分達に向かって叫ぶ少年。
「っ……」アインは顔をしかめながら、見えてたはずの無い光景を頭から振り払おうとした。
「…………」それくらいでは消えなかった。どうして、頭に浮かんだのかもよく解らないでいた。
《…油断するなよ》
アインは記憶を取り戻した直後の玲二とのやり取りを思い出す。
「(彼も、こんな気分を何度も味わったの?)」
身体の内部に冷たく重い何かが残留するような嫌な違和感。
アインはそれを消し去るべく、素敵医師への憎悪を呼び起こした。
「……」芥が焼却されるかのように徐々にソレが消えていくのを感じた。
アインは深いため息をついた。
相手が単独ならカオスの力抜きでも充分対処できる。しおりでもだ。
《…………》
走るスピードを上げる。
「………………」
苦肉の策だった。
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