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企画もの【バトル・ロワイアル】新・総合検討会議
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彼が子供の頃に故郷の海岸で出会った、屈強な外国人。
ある亡国の格闘家でもあり、薬理学者でもあったその男は不老不死を求めていた。
彼はその学者の思想の一部に同調し、医者になることを志した。
出会って数年後にその学者は何故か急速に老化して死去したが、一応弟子でもあった彼は研究成果である『変性ガン細胞のサンプル』を手にしていた。
自分と学者の成果を世界に役立てたいと強く望むようになった彼は、『それ』の欠陥部分を補うべく研究を始めた。
実験対象は自分だけにするつもりだった。
亡くなった学者は拉致を望んでいた節があったが、彼はそこまで非情にはなれなかった。
自分が人体実験に適するようになるには、一流の格闘家のような強靭な肉体と精神、そして高度な気功術を会得する必要があったからだ。
彼はまず薬理学の勉強をしながら、身体を鍛えた。
だが現実は厳しかった。
薬剤師の免許を取ることはできたが、実験に満足に耐えられると思える程までは強くなることが出来なかったからだ。
それに加え、医師免許取得試験に落ちた。
金銭的に余裕がなかった彼は自分に失望して悔やんだ。
彼は薬売りとなった。その時点では研究はほとんど進んでいなかった。
ある日、彼の行きつけの風俗店のスタッフから誘いがあった。
モグリの医者にでもなってみないかと。
最初は拒否したが、夢を諦めきれない彼は渋々、その誘いに乗った。
それから彼の環境が変わった。
大金が入るようになったし、コネもできた。
話し好きだった彼を慕う患者も多く出来た。
彼は趣味でも合った風俗店通いも辞め、私財で新薬を開発し始め、自分が中毒にならないよう気を配りながら、実験を進めた。
ただ1人で。
分かち合う同士もほしかったが、研究内容が内容だけにある程度安全に行えるまでそれを口外したくなかった。
ある日、海外のオカルト本を集めてみた。
それらには神の器となる人間の事や、北方のある国の洗脳術の事などが書かれていた。
それらは彼が住んでいる所では、実在さえ立証されてないものだったが、あの学者から聞かされていた話の中にもあったことから、一応参考程度には目を通した。
彼は非合法なことに手を染めてはいったが、極力、研究の実験に他人は使わなかったし、麻薬の開発や買売を避けていた。
彼は自分の力で患者に感謝されるのが、何よりの喜びだと思っていたからだ。
しかしその反面、研究の成就の願いは消えずに心の奥深くに残っていた。
ある日、彼の祖国ニホンが大国ウィミィに戦争を仕掛けられた。
彼は研究が中断されるのを悔しがりながらも、医師として当然の務めを果たそうとした。
研究はまだ実用段階に入っていない。
その事実が彼にとって一番悔しかった。
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