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手でイかされた!!

15GOLAL 功夫編 第2話:2010/05/16(日) 22:26:11 ID:???
「うう・・・どうしてウリがこんな目に・・・」

重い税負担に耐えかね家族とバラバラになってこの町に逃げてきたが結局この町でも
農地にいた頃と変わらない生活を強いられ、さらにスリにも手を染めてしまうといった有様だった。
青年は理不尽な状況にガックリと頭を落とした。

「・・・!」

その時彼は老師が店主に金を払っているのを目撃した、払っている金の量はそれほどでもなかったが、
財布の重々しそうな外見から1年はまともに暮らしていけるほどの量だった。

(やった!ウリにもようやく運が向いてきたニダ!)

青年はそう思うとこっそりと老師に近寄った。

一般人のフリをして老師や周りの人に悟られないように、老師に近づいていく。
そして青年は老師が腰にもどした財布にゆっくりと手を伸ばした。

しかし・・・

(・・・・・)

青年はもう少しで財布に届きそうだというところで手を止めてしまった。

(結局・・・この財布のお金も使い果たしたら・・・ウリはまたスリに手を染めてしまうだけニダ・・・)
(そもそもウリはなにやってんだろう・・・農地から逃げてきたってのに、結局はあそこと同じような
生活をここでもしている・・・誰かのムダ遣いの為に必死で金を稼ぐような生活を・・・)
「どうなされました?」

誰かの声が聞こえて青年は突然ビクッと体を震わせた。
青年が気がついた時には老師はこちらを振り向いていた。

「あ・・あ・・・あ・・・・ごめんなさいニダァ〜〜〜〜!!」

青年は老師がスリ気がつき、怒っているのだと勘違いをし、一目散に逃げ出した。
老師は突然の青年の行動にポカーンと口を開けた。

「何だったんでしょう・・・今のは・・・」
「あ〜もしかしたら・・・・」
「?知っているのですか?」

呆気にとられる老師にノマは何か思い出したような表情を浮かべた。

「はい、ここらへんには農地から出稼ぎに出ている人たちも多く治安が悪化しているんですよ。
スリだとか泥棒だとか。さっきの奴はスリの一人だったんじゃないですか?」
「なるほど・・・しかしなんで逃げたんでしょうかね?」
「・・・・」

老師は青年が走り去って行った道をじっと見つめた。

                 *   *   *


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