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250
:
名無しモンクさん
:2006/01/08(日) 21:35:04
PSPの本体はニックネームを設定できる。俺は迷わず妹の名前を入力した。
ソフトはおれが買ってきた。PSPから出ているソフトは妹も一緒に遊べるものが多く、
ポポロクロイスで涙し、ピポサルで笑い、バイトヘルでスコアを競った。
携帯で写真や動画を撮っては、PSPに移して楽しんだ。
こっそり寝顔をとって壁紙にしたときの、あいつの怒った顔は今でもはっきり思い出せる。
妹がPSPをくれてから、二人の間にはつねにPSPがあった。
あれは5月の終わりにしては、殊に冷たい雨の降る夜だった。
妹が死んだ。
商店街に暴走車が突っ込み、文房具を買いにいった妹がその場にたまたまいたのだ。
たったそれだけの理由で、妹は明日を見る権利さえ奪われた。
「ボスは一緒に倒すんだからね!私が帰るまで待っていてね」
そういって笑顔と共に家を出たあいつの言葉だけが、頭の中でいつまでも反響する。
俺は放心状態だった。いつ葬儀が始まり、いつ見送ったのだろうか。棺の中の妹の顔もはっきり思い出せない。
ただ、家に帰った俺は一人PSPを抱きしめて泣いていた。俺が思い出せるのはそれだけだ。
それから俺はPSPを一時も離すことはなかった。
起動すればそこには妹の笑顔が、声が、動く姿があったから。
ゲームもボスの前でとまったままだ。
俺の名前が付いた主人公の後ろをついて回る、妹の名を持つヒロイン。
俺はパーティーを2人だけにして、一日中雑魚敵と戦っていた。
妹と一緒にボスを倒すその日を夢見て。
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