【場】『自由の場』　その２

1：『星見町案内板』：2021/05/15(土) 13:10:51: 特定の舞台を用意していない場スレです。
使いたい場スレが埋まっている時や、
現状スレのない地域での場活動にご利用下さい。
町にありえそうな場所なら、どこでもお好きにどうぞ。
542：甘城天音『ビター･スウィート･シンフォニー』＆『ナックラヴィー』：2021/11/03(水) 10:19:55: １１月
そろそろ紅葉狩りの時期だ

鮮やかな紅色に染まった舞い落ちる葉っぱを楽しむあま公
紅葉が舞い落ちるのを見ていると、テンションが上がると共に
妙に寂しい気分になる

　　　　　　　　　　　　　　　　ｼｭﾜﾜ~ﾝ

その足元には、
清涼飲料水のように透き通った青色の毛並みを持つ
イタチの様な胴の小さくて細長い猫がいた
543：三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』：2021/11/03(水) 18:21:22: >>542

「暑くなったり、急に寒くなったり
　今年は大変な秋だね、天音ちゃん」

紅葉を楽しむ甘城の隣には薄手のコートを着た壮年の男性がともに歩いていた
男は時折、自分の近くに落ちてきた葉っぱに手を伸ばしているが、
紅葉はひらりと男の手を避けて地面に落下する

どうしてこの2人が一緒に散歩しているのだろう？
それはこんな理由（>>543）があったからだ

「ところで、その子は何？」

三刀屋の視線が青い毛並みの猫に向く
544：甘城天音『ビター･スウィート･シンフォニー』＆『ナックラヴィー』：2021/11/03(水) 20:01:45: >>543
こんな理由とは…どんな理由だろう？
まさか…円光か？

「ラヴィー」

　　　　　　　　　　　　　　　ｼﾞｭﾝ､ｼﾞｭﾜ~щ(ﾟдﾟщ)

あま公が猫の名を呼ぶと、
炭酸飲料のような変な鳴き声を出しながら寄って来る
手に持っていた紅葉を猫に向けると、ﾀｼﾀｼと紅葉を叩く猫

猫を抱き上げ三刀屋に向ける

「ナックラヴィー」

ラヴィーだけなら可愛い名前だが
前にナックが付くと途端にグロテスクな化け物になる

「お菓子と交換でもらった」

猫を
　　　　　　　　　お　菓　子　と　交　換　で　も　ら　っ　た

割ととんでも発言な気がする
545：三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』：2021/11/03(水) 20:16:38: >>544

姪っ子と円光････だと････？

「うん････？
　あー･･･あー････うんうん、お菓子と交換にねぇ･･･」

生き物一匹の代価としては安すぎる気もするが、
広い世の中だ。そんな事もあるのだろう

「姉さん（甘城の母親）達は何か言ってたかい？」

変な鳴き声の猫の首（首･･･？どこ･･･？）をわしわしと撫でながら聞いてみた
546：甘城天音『ビター･スウィート･シンフォニー』＆『ナックラヴィー』：2021/11/03(水) 20:51:58: >>545
猫の首(？)を撫でる三刀屋氏
猫なので柔らかく、もふもふの体毛があるが
同時にラムネ瓶のような固い、不思議な感触だ

　　　　　　　　　　　　　　　　　ｼｭﾜ~

ﾊﾟｼｯ　ﾊﾟｼｯ

首を撫でる三刀屋の手に猫パンチを食らわせる猫

「最初は心配された
　けど、こいつを飼いたいって言ったら喜んでた」

「でも私は…また生き物を飼うのが怖い」
547：三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』：2021/11/03(水) 21:00:35: >>546

「そう･･･それはよかったね」

ぺしっと叩かれた手を引っ込める
どうやらこういうアプローチはお気に召さない様子だ

「それは、お別れをする日が来るから･･･かい？」

昔の事を思い出す
この子は以前、コーギーを飼っていた事があった
今はもう居ない･･･昔の記憶だ
548：甘城天音『ビター･スウィート･シンフォニー』＆『ナックラヴィー』：2021/11/03(水) 21:36:02: >>547
　　　　　　　　　　　　　　　ｼｭﾜ､ｼｭﾜ~？

手を引っ込める三刀屋に対して
「おいどうした？もっと来いやオラァ！」
というような顔で見ている
なんとも気まぐれで生意気な猫だ

＞それは、お別れをする日が来るから･･･かい？

「…」

目を瞑り、コーギーの思い出を思い出す
子供の頃からずっと一緒にいた犬だ

「うん」

別れの時はとても辛い思い出だ
しばらくの間は、食欲が沸かずに何も食べる事が出来ず
どんどん痩せていってしまった
学校には真面目に行っていたが、今よりも無口でほとんど喋らず
家に帰って来てすぐ部屋に引き籠る始末だ

あんなに苦しい思いをするなら、もう生き物を飼いたくないと思っていた

「でも、私はもう
　こいつの『所有権』を持ったから
　こいつを飼う『責任』があるから」
549：三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』：2021/11/03(水) 21:57:41: >>548

　　　　　しゅっ！

手を引っ込めて『今日はここまで』な素振りをする三刀屋
しかし、それは猫を騙すためのフェイク････ッ！
油断した隙を突いて、猫の首筋に左手を伸ばす

　　　　わさわさわさ～～～～～

「そう････」

コーギーが死んだときのこの子の落ち込みは記憶に新しい
この子にとってはずっと昔の事かもしれないが、
年を重ねた三刀屋にとってはつい最近の事のように思い出せる

『次』に向かう事が出来るのも、若さがなせる事なのだろうか

「それなら頑張りなよ
　せめてラヴィーちゃんが幸せに過ごせるようにね」

　　　　　　　　わしわしわしわし・・・・
550：甘城天音『ビター･スウィート･シンフォニー』＆『ナックラヴィー』：2021/11/03(水) 22:31:09: >>549
　　　　　　　　　　　　　　　　ｼﾞｭﾜｯ!?

三刀屋の術中にまんまと引っかかる猫
一度手を引っ込めて油断した所を、
別方向から攻められ首筋をわさられる

　　　　　　　　　　　　　　　　ｸﾞﾙﾙﾙﾙﾙ…

気を抜いていた所を攻められ陥落する

「分かってる」

気持ちよさそうに首を撫でられるラヴィーの頭に
ひらひらと１枚の紅葉が舞い落ちる
その紅葉を掴み取り、思い出す

「楽しい事も、たくさんあったから」

かつて飼っていたコーギーとも
こんな紅葉の中を散歩しながら遊んでいた
確か父や母や妹とも一緒だった

「こいつにも、最期まで楽しい思い出を沢山あげたい」

それが、命を預かる者の責任だ

「あっ、そうだ(唐突)
　この子ラムネ出せるんだけど…飲む？」
551：三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』：2021/11/03(水) 22:41:03: >>550

「ふっふっふっふ･･･」

これが大人の奸計というものだよキミィ、な感じの笑いを浮かべる
わしわしわしわし・・・・

「そうだね････そうするといいよ」

何はともあれ、可愛い姪っ子が元気になったのなら幸いだ
ところで、この生物は本当に猫なのだろうか･･･？
今更ながらそんな事が気になってきたところで･･･

＞「あっ、そうだ(唐突)
＞　この子ラムネ出せるんだけど…飲む？」

「えっ？（どん引き）」

ラムネ･･･？ラムネを出せると言ったのだろうかこの子は？
どこから？そりゃあ猫が液体を出す所といったら･････

「ん、んんっ！」　咳払い

「遠慮しておくよ！
　あっ、そうだ（唐突）！　会社にまだやらないといけない仕事が残ってた！
　それじゃあ、天音ちゃん･･･その子をしっかりとかわいがってあげなよ」

そう言い残して、三刀屋は会社へと戻っていった
552：甘城天音『ビター･スウィート･シンフォニー』＆『ナックラヴィー』：2021/11/03(水) 23:06:21: >>551
この生物は本当に猫なのだろうか…？
実際触ってみると分かる、まるでラムネ瓶を触っているかのような
無機物のような感触がしながらしっかりと柔らかい猫のようでもある

三刀屋には分からない事だが
この猫はラムネ瓶がとある猫のスタンド能力によって擬猫化した姿だ
無生物でありながら生物という奇妙な存在だ

＞えっ？（どん引き）

そら(猫のラムネ飲めとか言われたら)そう(ドン引き)よ
あま公だって絶対飲まない
飲むくらいなら死を選ぶぜ！
それをおじに勧めるとかやっぱおかしいわこいつ

「じゃあ」

話を逸らして会社へ戻る三刀屋を小さく手を振って送る

そっとラヴィーを地面に降ろして

　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｼｭﾜ~

「ラヴィー」

ポケットからソフトボールを取り出して投げる

「遊ぼう」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｼﾞｭﾜﾜ~

投げられたボールを取りに行く猫の姿は、ちょっと犬みたいだ
この子はあの子とは違うのに、どうしても重ねてしまう

まだまだ秋は続く
あま公はこれからも秋を楽しみ、冬になれば冬を楽しむだろう
この猫と一緒に

【場】『自由の場』 その２