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【場】『 歓楽街 ―星見横丁― 』 その2

375赤月『サクソン』:2021/06/14(月) 23:40:49
>>373
(了解です!お疲れさまでした)

>>374

     トンッ!

          シュウウウウウウ・・・・

「・・・・・!? 消え・・・・た? 気絶させただけなのに?
 まさか・・・・ここにいたのは『スタンド』?
 実体化していて・・・人間の様にしか見えない『スタンド』なんてものが・・・・?」

確保した『フラジール』を尋問するべく、気絶をさせようとしたがそれが裏目となったようだ
目の前で、『ダミーナイフ』を手にした『フラジール』が消えていく

(それにしても・・・・)

      「臆したのか!?」
      「こそこそするばかりではなく、この場に出て来い!」

(駄目だ・・・ 何の反応も返らない)

 (もう既にどこかに逃げた・・・? それとも、まだこの場にいる・・・?)

「くっ・・・・!」

―――赤月は迷う
このまま、自室のある『学生寮』に帰ってしまっては、
目に見えない『何者か』に拠点を教えてしまうようなものだ

そうなった場合、周囲の人間に迷惑がかかるかもしれない
この町に来て、初めて出来た『友達』にも・・・・

(駄目だ! このまま帰るわけにはいかない!)

だから、赤月は決断した
遠くへ・・・・ どこまでも遠くへ逃げようと・・・・

屋上から降りて『駅』へと向かう
そこで、切符を買うのだ・・・・『新幹線』の切符、そして向かう先は『O阪』だ
別にどこへ行っても構わないが、時間は夜だ、だいたいその辺りまで行った所で『終電』になるだろう

御影に止められることがなければそのまま『O阪』へ向かう

376御影憂『ナハトワハト』:2021/06/14(月) 23:55:31
>>373(お疲れ様でした。場を盛り上げていただいて感謝します)

>>375

(――――――………………)

挑発するような言葉も、
御影憂の心には何らの波紋も生じさせない。
『闇の衣』を纏い、予定通り少女を尾行する。
だが――――。

      ピタッ

(………………『駅』)

駅の入口が見えた辺りで足を止めた。
いくら時間帯が夜とはいえ、駅構内は真っ暗ではない。
『光』ある所では、『ナハトワハト』が『強制解除』されてしまう。

(さすがに………………そこまで『真っ直ぐ』じゃないか)

尾行の可能性には、既に気付かれている。
おそらく、これは『まく』ための行動だろう。
『ナハトワハト』の能力は知られていないが……
結果的に、そこで尾行は『打ち切り』となった。

(でも………………あの『年齢』………………)

(『この街の学生』なら………………)

(………………『清月生』の可能性は高い)

       ――――――スゥッ

思考を巡らせながら、誰にも気付かれる事なく、
『自宅』へ帰っていった。

377赤月『サクソン』:2021/06/15(火) 00:11:50
>>376

(どこだ・・・・どこから来る!?)

ここは新幹線の待合室、次の列車が来るのは30分後らしい
『敵』の襲来に備えて気を張り、攻撃に備える

    ぐぅ〜〜〜〜・・・!

それにしてもお腹がすいた
そういえば、スタンドの訓練をして動き回ったばかりだ
エネルギーを大量に消費した身体がカロリーを求めて、胃を鳴らす

「『うなぎ弁当』をくれ」

『敵』が現れた時に身体が消耗していてはマズイ
駅の売店で『駅弁:うなぎ弁当』を購入し速やかにそれを摂取する!

「もぐもぐ・・・」

うなぎの旨味が身体に染み渡る
日本人は『うなぎを食べると精力がつく』という信仰を持っているらしいが、
どうやらそれは本当らしい・・・・・美味い

   ジリリリリリリ・・・・・!

さて、『うなぎ弁当』を食べ終わると『新幹線』が来たようだ
『敵』も流石に『車内』で襲い掛かってくる事はないだろう
初めて乗る『新幹線』に、少しだけそわそわとした好奇心を覚えたが・・・・

  「ZZZ・・・・」

これまでの疲れが出たためか、発車して10分もすればぐっすりと夢の世界だ
『新幹線』はそのまま、赤月を乗せて西へと向かう・・・・・

   『新O阪』〜〜
       『新O阪』〜〜 

「はっ ・・・・もう着いたのか」

どうやら駅に着いたようだ
『敵』はここまで尾行しているのだろうか・・・・わからない
だが、このまま精神力を擦り減らせるのはマズイ
今日は宿を取り、そのまま一泊する事にした

  チュンチュン・・・・

          チュンチュン・・・・

「朝か・・・ひとまず、夜の間は『敵』の攻撃はなかったが、油断は禁物だ」

     ぐぅぅ〜〜〜〜・・・・

      「クッ!」

『敵』に狙われているとはいえ、お腹は空く
今日は『O阪』の街で食べ歩きをする事にした
『お好み焼き』・・・・ 『たこ焼き』・・・・ 『うどん』・・・・ どれも美味しい・・・・

一通り食べ歩いた後、赤月は『星見町』へと帰って行った

378『小路のS』:2021/06/17(木) 05:16:24

  ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・

人通りの少ない小路に、変わった猫が一匹いる。
『スフィンクス』と呼ばれる毛のない猫だ。
その猫は、どこか人待ち顔で座っていた。

―――――――――――――――
危険度:なし
難易度:C〜D
人数:一人
報酬:一万円相当の『宝石』
内容:『パズル』を解く(問題数一問)
―――――――――――――――

379関 寿々芽『ペイデイ』@『フニクラ』:2021/06/17(木) 16:37:00
>>378

「……? 猫?」

珍しい種類だ、と思った。
野良でよく見かけるような猫ではない。
自分も、過去に一時期猫が家にいたが、
この種類を見るのは初めてかもしれない。

         『野良猫ダロウ』
         『血ハ採レナイ』
         
「……どうでしょう?
 動物のスタンド使いだって、いるはずですよう」

         『可能性ハアルガ』
         『合理的トハ イエナイ』

「まあ、そうですね。でもそれは抜きにしても……
 野良には見えないし……どこかから逃げたのかも。
 首輪とかがあれば、分かりやすいんですけどねえ」

少し離れた位置のまま、『スフィンクス』を観察してみる。

※『フニクラ』について。
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1617983099/109

380『小路のS』:2021/06/17(木) 19:22:02
>>379(関)

見た所、ただの猫だが、野良猫らしくもなかった。
よく見かける野良猫とは明らかに種類が異なる。
人が近付いても逃げないのは、
誰かに餌付けされているからかもしれないが……。

            ジッ

『スフィンクス』も関を見つめ返す。
よく観察すると、
何処となく知的な顔立ちをしているようにも思えた。
何かを見定めようとしている――そんな雰囲気だ。

《私がその物の前にいるなら、私はその物の中にいる。
 私がその物の中にいるなら、私はその物の前にいる》

《さて、『それ』は何か?》

不意に、『声』が聞こえた。
これは『フニクラ』と同じ『スタンドを通した声』だ。
『声』は、さらに続ける。

《『聞こえなかった』のなら聞き流してくれて構わない。
 だが、もし『聞こえた』なら――――》

《是非とも答えて頂きたい》

『声』は『返答』を求めている。
辺りには、他に誰もいない。
関の目の前に座る『スフィンクス』以外は。

381関 寿々芽『ペイデイ』@『フニクラ』:2021/06/17(木) 23:29:23
>>380

「……!」      『喋ル猫 スタンドノ声』

それを狙ったわけではないが、
これは幸運なのかもしれない。
『行き詰まり』を感じていたが、

「……聴こえてますよう。あなたの声、ですよね? はじめまして」

しゃがみこんで、猫と視線を合わせた。
それに合わせて『フニクラ』も動く。

「それで、ええと〜……前にいると中にいて、
 中にいると前にいる、ですか?」

            『?? 前ニイレバ 中ニハ イラレナイ』
            『普通ノ答エ デハナク』
            『謎カケノヨウナ モノカ』

「そうですねえ、そうなると〜………………あ!」

フニクラと顔を見合わせて、
少しの間考えていた関だが――――

「分かりました! 『これ』……『お目目』が正解じゃあないですか〜?」

フニクラの顔の、大きな『単眼』――――それを見て、答えを出した。

382『小路のS』:2021/06/18(金) 00:04:37
>>381(関)

《――――なるほど》

《『目の付け所』がいい。まさしく、その『眼』のように》

《少なくとも『映るもの』という共通点はある。答えは『鏡』だ》

《私が『鏡の前』にいれば、
 同時に私は『鏡の中』にいる事になる。その逆も然りだ。
 この場合の『中にいる』というのは比喩表現だが……》

     ズズッ

《何はともあれ――『出会えた』ようだ。
 それでこそ、こうして待っていた甲斐がある》

                   ズッ

猫の背後――小路の薄暗い一隅から、
一体の『スタンド』が姿を現した。
獅子の胴体と鷲の翼、
胸から上は人間の女性を模したヴィジョン。
その姿は、伝説上の怪物である『スフィンクス』を思わせる。
ヴィジョンの表面は、『石造り』を感じさせる無機質な質感だ。
『伝説のスフィンクス』と『実物のスフィンクス』を合わせた、
ハイブリッドといった所か。

《私の名は『ロダン』。『スフィンクス』だ》

《私は『知恵比べ』を何よりも生き甲斐としている。
 そして、私の声を聞く事が出来るのは、
 君のように『同じ力を持つ者』だけだ》

《君さえ良ければ、ほんの一時だけ、
 『私の遊び』に付き合ってもらいたい。
 もし受けてくれるなら、それなりの『礼』はしよう》

ロダンと名乗った猫は、自らの『目的』を語った。
どうやら、関は『遊び相手』に選ばれたらしい。
ロダンのスタンドは本体の背後に控えており、
今は何もしてこない。

383関 寿々芽『ペイデイ』@『フニクラ』:2021/06/18(金) 00:31:13
>>382

「あぁっ……なるほど、鏡ですか!
 目の前にいたら視界の中にいて、
 視界の中にいたら目の前にいるとか、
 そういう風に考えてましたけど……
 それより鏡の方が、もっと自然ですね〜」

       ポン

        『観覧車カ 何カ』
        『乗リ物 カトモ 思ッタガ』

「ふふ、フニクラより私の方が少し上ですね。
 あ、ええと、褒めてくれてありがとうございます。
 賢い猫さん……いえ、ロダンさん」

と、手を打って『スフィンクス』
『ロダン』の示した答えに納得を見せ――

「!」

そのスタンドのヴィジョンを眺める。

       『ヤハリ スタンド使い』
       『合理的デハナカッタガ』
       『答エニ 行キ着ケタ』

「ええ……!
 分かりました、その『遊び』受けますよう。
 『お礼』をいただけるなら、なおさらのことです」

遊び相手、臨むところだ。
礼に何をもらえるかは分からないが、
クイズも嫌いではないし、『得』がありそうだから。

384『小路のS』:2021/06/18(金) 01:04:15
>>383

《――――素晴らしい》

        ミャォーン

ロダンは低い鳴き声を上げながら、満足そうに言った。

《では、始めさせて頂こう。
 君は『ジャンブル』を知っているかね?
 『ごちゃ混ぜ』という意味で、『言葉遊び』の一種だよ》

《口頭で説明するよりも実際にやってみせよう》

  《『ストーン・エイジ』》

              ブ ワ ァ ァ ァ ァ ァ ッ

『スフィンクスのスタンド』が翼を広げ、足元の地面に触れた。

    カリ カリ カリ カリ カリ

               カリ カリ カリ カリ カリ

その瞬間、地面に何かが刻まれていく。
『文字』だ。
やがて出来上がったのは、以下のような内容だった。

       ――――――――――
         プ {  } ラ ト
       ――――――――――
         ム イ リ {  }
       ――――――――――
        サ ラ {  } ト ミ
       ――――――――――
         {  } ツ タ ボ
       ――――――――――
         メ ラ フ {  } ン
       ――――――――――
         ビ {  } ヨ チ ウ
       ―――――――――――

《ここに幾つかの『文字列』がある。
 これが『問題』だ。
 最初にする事は、
 これらを『正しい順番』に並び替える事だ》

《ただし、見ての通り一部は『空欄』になっている。
 そこは他の文字から推理して当てはめなければならない》

《たとえば、これを並べ替えると『こうなる』》

    カリ カリ カリ カリ カリ

                カリ カリ カリ カリ カリ

       ――――――――――
         ト ラ { ン } プ
       ――――――――――
         イ { ネ } ム リ
       ――――――――――
        ト ラ { バ } サ ミ
       ――――――――――
         タ { コ } ツ ボ
       ――――――――――
        フ ラ メ ン { コ }
       ――――――――――
        { ニ } チ ヨ ウ ビ
       ―――――――――――

《次にやるべき事は、『空欄の文字』を全て抜き出し、
 それらを『正しい順』に並べ替える事だ。
 この場合は――――》

    カリ カリ カリ カリ カリ

       ――――――――――
        ネ コ ニ コ バ ン
       ――――――――――

《――――こうなる訳だ。
 これを君にやってもらいたい。
 内容は飲み込んでもらえただろうか?》

説明を終えたロダンは、改めて関を見やった。

385関 寿々芽『ペイデイ』@『フニクラ』:2021/06/18(金) 01:17:30
>>384

スタンドが織りなす『出題』の様子を見つめ、
そのルールと手順を把握した。
先ほどのような『発想』の能力に合わせて、
盤面からの推理も必要となる。中々に難しい。

「…………なるほど、なるほど」

       『シンプルナ ゲームダ』
       『私ガ 答エテ良イノカハ』
       『分カリカネル 事ダガ』

「どちらにしても、ルールはわかりましたよう。
 やりましょう、『ジャンブル』……
 あ! こういう遊びってあまりしないので、
 お手柔らかにお願いしますねえ〜。ふふふ」

だが、『やる』。
猫と目を合わせて、クイズへの『参加』を宣言する。

386『小路のS』:2021/06/18(金) 01:37:20
>>385(関)

       ミャオーン

《では――――――始めるとしよう》

   カリ カリ カリ カリ カリ

              カリ カリ カリ カリ カリ

再び『描画』が始まり、
まもなく挑むべき『問題』が関の前に出来上がった。

     ―――――――――――――
        {  } バ エ マ ヅ
     ―――――――――――――
       イ チ サ {  } ッ ド
     ―――――――――――――
        ゾ ア カ リ フ {  }
     ―――――――――――――
       ラ {  } ン バ カ ン
     ―――――――――――――
       ウ キ カ コ {  } ウ
     ―――――――――――――
         ラ ク {  } タ カ
     ―――――――――――――
        {  } シ ャ ハ ゴ
     ―――――――――――――
        バ ズ メ ス {  }
     ―――――――――――――
      ウ ボ ン ト {  } オ ン
     ―――――――――――――

《時間の制限はない。
 じっくり考えて答えを出してくれたまえ》

《もし必要なら、私から『三回』まで『ヒント』を出そう》
 
《――――ところで、『君』も『参加者』の一人だ。
 従って、君が答えを出しても構わない》

『フニクラ』を一瞥しつつ、ロダンが言い添えた。

387『小路のS』:2021/06/18(金) 01:42:40
>>385(関)

       ミャオーン

《では――――――始めるとしよう》

   カリ カリ カリ カリ カリ

              カリ カリ カリ カリ カリ

再び『描画』が始まり、
まもなく挑むべき『問題』が関の前に出来上がった。

     ―――――――――――――
        {  } バ エ マ ヅ
     ―――――――――――――
       イ チ サ {  } ッ ド
     ―――――――――――――
        ゾ ア カ リ フ {  }
     ―――――――――――――
       ラ {  } ン バ カ ン
     ―――――――――――――
       ウ キ カ コ {  } ウ
     ―――――――――――――
         ラ ク {  } タ カ
     ―――――――――――――
        {  } シ ャ ハ ゴ
     ―――――――――――――
        バ ズ メ ス {  }
     ―――――――――――――
        ウ ボ ン ト {  } オ
     ―――――――――――――

《時間の制限はない。
 じっくり考えて答えを出してくれたまえ》

《もし必要なら、私から『三回』まで『ヒント』を出そう》
 
《――――ところで、『君』も『参加者』の一人だ。
 従って、君が答えを出しても構わない》

『フニクラ』を一瞥しつつ、ロダンが言い添えた。

388関 寿々芽『ペイデイ』@『フニクラ』:2021/06/18(金) 22:14:32
>>387(GM)
>『フニクラ』

「松葉杖、サンドイッチ、アフリカゾウ、
 回覧板……と、宝くじ、はしご車、スズメバチ?」

    「はしご車は自信はないですけどねえ」

はしご車という言い方はするが、
他の言葉ほどしっくり来ない感はある。
が、他に思いつかないし、恐らく合っている。
そこで悩み続けるのはコスパが悪い。

「ううん…………後の二つはなんでしょう?
 それ以外は分かったんですけど…………」

     『………………』

フニクラは黙り込んでしまった。
何か考えているのだろうか?
回答権を得たからこそ、真剣になったのか?

「フニクラ、何か思いつきました〜?
 もし思いついてたら、何か言ってくださいよう」

声をかけてみるが、
自分の方でも考え続ける必要はあるだろう――――

389『フニクラ』:2021/06/18(金) 22:31:22
>>388(関)

 ………

                        『答エテ良イノカ?』
                   『私ハスデニ理解シテイル』

                            『完全ニナ』
                             ・ ・
しばらく反応のなかった『フニクラ』が
急に『モニタ』のピカピカさせ始めてそう『表示』し始めた。
『フニクラ』の雰囲気から、得意げな様子がなんとなく伝わってくる。

『フニクラ』の知能はまだ未知数―――信じられる答えを出せるかは『不明』。
『関』がその知見を『どこまで確認するか』は自由に判断していいだろう。

390関 寿々芽『ペイデイ』:2021/06/18(金) 23:10:18
>>389(フニクラ)
>GM

「ええっ!? もう分かっちゃったんですか!
 フニクラって……頭がいいんですねえ?」

これは意外だった。
フニクラは口調は知的そうだが、
知性の方はイマイチ分からなかった。
だが……もしかすると、自分より賢いのか?

「もう少しだけ、私も考えさせて下さい。
 あ! あのう…………ちなみにですけど、
 まだ私が言ってない言葉の中に、
 『小さい文字』ってありますよねえ?」

      「それと……もう一つは『サ行』?」

二つの言葉に一応の当てはついたのだが、
梯子車以上にあまりしっくりは来ていない。
完全に理解しているというフニクラの見解はどうだ?

391『フニクラ』:2021/06/18(金) 23:23:52
>>390
                   『本体ガ教師ダカラナ』
                         『34歳独身』
                    『チョウド君達二人分』

特に関係のない『加宮』の個人情報をまき散らす。
二人分というのは『関』と『遊部』の年齢かける2という事か。

                   『両方トモ私ノ見解ト同一』
                『ソコマデイケバ分カルダロウ』

『フニクラ』はそう答える。『フニクラ』の想定でも、
『小さい文字』と『サ行』があるようだ。

392関 寿々芽『ペイデイ』:2021/06/18(金) 23:38:45
>>391(フニクラ)
>GM

「な、なるほど〜。そうなんですね。
 加み…………あ、『本体の人』が賢いと、
 スタンドの方も賢くなるんですねえ」

加宮のプロフを思わぬ所で知ってしまった。
それを話の種に雑談に興じられる日が、
関の目指している目的とも言える。

「ともかく……フニクラもそう言ってるなら、
 私の考えはきっと合ってるはずです。
 ロダンさあん、この問題の正解は――――」

         すぅー ・・・

 イチジツセンシュウ
「『一日千秋』」

      「――――っで、間違いないですか?」

対話で自信をつけた寿々芽は、
ロダンに向けてしっかりと、息と共に回答を吐き出した。

393『フニクラ』:2021/06/18(金) 23:42:33
>>392(関)
フニクリフニクラフニクリフニクラフニクリフニクラフニクリフニクラフニクリフニクラフニクリフニクラフニクリフニクラフニクリフニクラ

                     【出題名】
      ―――――――――――――――――――――――――――

                 『ロダンのジャンブル』

      ―――――――――――――――――――――――――――
     ―――――――――――――
        {  } バ エ マ ヅ     →  マ { ツ } バ ヅ エ
     ―――――――――――――
       イ チ サ {  } ッ ド    →  サ { ン } ド イ ッ チ
     ―――――――――――――
        ゾ ア カ リ フ {  }    →  ア フ リ カ ゾ { ウ }
     ―――――――――――――
       ラ {  } ン バ カ ン    →  カ { イ } ラ ン バ ン
     ―――――――――――――
       ウ キ カ コ {  } ウ    →  キ { ュ } ウ コ ウ カ
     ―――――――――――――
         ラ ク {  } タ カ     →  タ カ ラ ク { ジ }
     ―――――――――――――
        {  } シ ャ ハ ゴ     →  ハ { シ } ゴ シ ャ
     ―――――――――――――
        バ ズ メ ス {  }     →  ス ズ メ バ { チ }
     ―――――――――――――
        ウ ボ ン ト {  } オ  →  ト オ { セ } ン ボ ウ
     ―――――――――――――

 { ツ } { ン } { ウ } { イ } { ュ } { ジ } { シ }{ チ }{ セ }

                   <SHUFFLE!>

 { イ } { チ } { ジ } { ツ } { セ } { ン } { シ }{ ュ }{ ウ }

                                          A.一日千秋
                                          ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
フニクリフニクラフニクリフニクラフニクリフニクラフニクリフニクラフニクリフニクラフニクリフニクラフニクリフニクラフニクリフニクラ

『関』の言葉にあわせて『フニクラ』も『答え』を提示する。

394『小路のS』:2021/06/19(土) 01:13:41
>>392-393(関&フニクラ)

    ――――コクリ

              ブ ワ ァ ァ ァ ァ ァ ッ

二人の答えを聞いたロダンが頷き、
大きく開いた『スフィンクスの翼』が地面に 触れた。

    カリ カリ カリ カリ カリ 

                カリ カリ カリ カリ カリ

    ―――――――――――――
       マ { ツ } バ ヅ エ
     ―――――――――――――
       サ { ン } ド イ ッ チ
     ―――――――――――――
       ア フ リ カ ゾ { ウ }
     ―――――――――――――
       カ { イ } ラ ン バ ン
     ―――――――――――――
       キ { ュ } ウ コ ウ カ
     ―――――――――――――
        タ カ ラ ク { ジ }
     ―――――――――――――
        ハ { シ } ゴ シ ャ
     ―――――――――――――
        ス ズ メ バ { チ }
     ―――――――――――――
       ト オ { セ } ン ボ ウ
     ―――――――――――――

    カリ カリ カリ カリ カリ

                カリ カリ カリ カリ カリ

     ―――――――――――――――
      イ チ ジ ツ セ ン シ ュ ウ
     ―――――――――――――――

《そう、答えは『一日千秋』。
 非常に待ち遠しい事の例えだ。
 ここで君達を待ち続けた私の『心の表れ』だよ》

《また一つ『意義あるやり取り』が出来て、とても嬉しい》

          スッ

《最初の取り決めに従い、『約束』を果たそう。
 『これ』を君に受け取ってもらいたい》

おもむろに『スフィンクスの尻尾』が持ち上がると、
その先端が『何か』に巻き付いていた。
それは、一見すると小さな『石』のようにも見える。
淡いパステルグリーンの光沢が、日の光を浴びて美しく輝く。

《『翡翠』――――これを君に進呈しよう。
 翡翠の歴史は日本が最も古く、
 縄文時代より利用されてきた由緒正しき宝石だ。
 持つ者の『徳』を高めるとされ、
 『繁栄』の象徴として知られている》

    《現在の相場に当てはめると……》

        《およそ『一万円』といった所だ》

              ズズッ

『スフィンクスの尻尾』が関に向けられ、
『一万円相当の翡翠』が恭しく差し出された。

395関 寿々芽『ペイデイ』:2021/06/19(土) 02:02:17
>>394(GM)
>フニクラ

「……まあっ! とっても素敵です。
 価値も……あ、もちろん、『意味』もですよ?」

「それに……お礼もですけど、ゲームとしても。
 ロダンさん、私も遊べて嬉しかったですよう」

現れた翡翠に目を細め、そして――――

「でも、あのう、ロダンさん。
 『それなりのお礼』っていうのは、
 …………その宝石じゃあなくって」

     「『別のもの』」

          「……じゃあ、だめですか?」

     ザッ

一歩前に踏み出した上でしゃがみ込む。
それは宝石を受け取れる距離であり、
同時に、『手が届く距離でもある』。

「……『フニクラ』には私の言ってる事、分かりますよね」

「石じゃないとダメなら、その石を受け取ります。
 ……『宝石』が欲しく無いなんて言えませんから。
 でも、それよりもっと必要な物が今はあるんです。
 貴方ならそれを持っているかもしれないから」

『一日千秋』だと語る思いが、その喜びが、
『本音』なのだとすれば――そこに感情が伴うなら。

「貴方が、『献血』に協力してくれる方が…………
 お金より、私には必要で、『意義のある』贈り物なんです」

『フニクラ』がそれを受け止める事が出来る。
無論、過度な期待はしていないが、『聞かない理由』は無い。

396『小路のS』:2021/06/19(土) 02:21:44
>>395(関)

       《ふむ…………》

            ジッ

関が発した言葉を聞いて、少しの間ロダンは考え込んだ。
関とフニクラを見つめ、何かを見定めようとしている。
ややあって、彼は再び口を開いた。

《――――まぁ、良かろう。だが、『程々』にしてくれたまえ。
 私は『君達』とは違うのだ。
 最も、君の言う『献血』とやらが、
 『文字通りの意味』だとは思わないが》

《ただし、一つだけ『条件』がある。
 それを受け入れてくれるなら、
 私の『血液』を渡すのも吝かではない》

       ――――スッ

《君には、この『石』を受け取ってもらう。
 『血』を渡すのとは『別に』だ》

《『謎』を解いた者には『報酬』を渡す。
 それが私の『スフィンクス』としての『矜持』だ》

《ゆえに――――私は君に、
 『これ』を受け取ってもらわなければならない。
 そうでなければ、
 『スフィンクスのゲーム』は終わらないのだよ》

ロダンの提示した条件とは、関が『翡翠』を受け取る事だ。
それが、『知恵の獣』を名乗り、
『スフィンクス』のスタンドを従える彼のプライドなのだろう。
これが成されない場合、ロダンは『献血』に『同意しない』。

397『フニクラ』:2021/06/19(土) 06:36:41
>>395(関)
『フニクラ』は完全に『関』の方に身体を向けている。
その目の『モニタ』は、『関』にしか見えないだろう。

                  『感情ガ読ミ辛イ』
               『トッテミナイト不明ダガ』
                    『感情ノ強度ガ』
                『足リナイ恐レモアル』
             『駄目押シガ必要』『カ』『モ』

以上はあくまでクールな『ロダン』の様子をみた『フニクラ』の『予想』でしかないようだ。
実際は『採血』した後に『フニクラ』に入れることで正確な『可否』が分かるようだが―――

これ以上の『何か』は『ロダン』の考えを変えてしまう
リスクのある行為かもしれないし、最終的には『関』の判断とあるだろう。

398関 寿々芽『ペイデイ』@『フニクラ』:2021/06/19(土) 21:56:52
>>396(GM)
>>397(フニクラ)

「ええ……分かりました、受け取ります。
 宝石も、もちろん嬉しいですし……大事な事ですもんね」

          スッ

「ありがとうございますロダンさん。大事に使わせていただきます」

本音として、『翡翠』は重要だ。
お金を手に入れれば、懐だけでなく『ペイデイ』が潤う。
ゆえに、まずは『翡翠』を受け取っておこう。
それ自体が彼の感情を喚起するかもしれない。

「安全性は保障します。採るのは『スタンドの血』ですから……
 ちょっとチクっとして、少しだけ、くらくらするかもしれませんけど。
 それじゃあ『フニクラ』――――『注射器』をお願いします」

『フニクラ』には、小さく頷いてその『懸念』を認める。

――――ロダンは猫でありながら、高度な精神性を持つ。
感情を引き出すために、『どういう扱い』をすべきかは読めない。
特に、『猫扱いで、猫用品を一方的に与えた』場合の反応が読めない。

「あ、ロダンさん……『問題』のお礼が『宝石』なんだとしたら、
 『献血』のお礼を私があげるのは、構いませんよね?
 人間の献血では、お礼に『お菓子』を渡す事になってますから」

『食料品』であれば発現可能だ。
重要なのは『対等』である事。
彼は『人間』を自認はせずとも、人間に対する『プライド』を持つ。

「お口に合うか分かりませんけど、それを食べながらなら……
 きっと、痛いのも少しは気にならなくなると思いますよう」

ならば一方的に、無理やりではなく、これも『交換』である事を明示する。
――『ペイデイ』を発現して、『スティックタイプ』の『猫の餌』の購入を試みる。
ttps://item.rakuten.co.jp/nyanzaq/4901133335099

         『市場価格』は663円。購入価格は――――『3300円』。『5倍』だ。

399『小路のS』:2021/06/20(日) 02:46:45
>>397-398(フニクラ&関)

《では、改めて君に『これ』を進呈しよう》

        ソッ

『翡翠』が渡され、手の中に重みが伝わった。
『価値』を感じる確かな存在感だ。
特に『ペイデイ』にとっては、貴重な『元手』となるだろう。

《ふむ…………》

《『あちら』が君のスタンドかと思ったが……違ったようだな》

《――――『便利な能力』だ》

『ペイデイ』を見たロダンは、呟くように言った。
それから『フニクラ』を一瞥し、最後に『猫の餌』を眺めた。
購入した『品物』に対して、
ロダンが強い関心を抱いている様子は窺えない。
少なくとも、『野良猫』なら飛び付いてもおかしくはない。
日々の食事に困っていないのか、
あるいは『知恵比べ』に生き甲斐を見出すプライドのせいか……。

《一度口にした言葉を翻すつもりはない。
 君は『石』を受け取った。私も『約束』は守る》

《話を聞く限り、君には――
 いや、『君達』には深い事情があるようだ。
 細かい事は聞かないが……》

《ほんの短いやり取りではあるが、
 君は『信頼出来る人間』だと判断した。
 その『言葉』と『目』を信じよう》

         シュルルルル…………

『スフィンクスの尻尾』が、20本入りの『猫の餌』の中から、
『ささみ&紅ずわいがに』の一本を器用に引き抜いた。

《『目は口ほどに物を言う』という表現があるように、
 時として、『目』は口以上に何かを語る場合もある》

《君の『目』を見て私が感じるのは…………『心』だ。
 理由は分からないが、君は私の『心』に触れようとしている。
 私は、そのように感じ取った》

《ただ……考えてみて欲しい。
 『強い感情』というのは……両目を大きく見開いたり、やたらに叫んだり、
 跳んだり走り回ったりする事でしか表せないものなのだろうか?》

《この世には大勢の人間がいる。
 確かに、『派手な表現』をする者が多数派である以上、
 そちら側が『主流』だと判断されるのは自然な事だ》

《だが、中には『そうでない者』もいる。
 自らの内に生じた感情を、
 心の奥で噛み締める者もいるだろう。
 そして、それは人間に限った話ではない》

      ――――ポトリ

            《『我々』も同じだ》

『スフィンクス』が尻尾を緩めると、
『ささみ&紅ずわいがに』がロダンの足元に落ちた。

《たとえば……『これ』が非常に『高価な品』だったとして、だ。
 それを口にした時の喜びは、
 私にとって『知恵比べの喜び』以上にはならない。
 今日ここで君達と出会い、『知恵比べ』を行った。
 『一日千秋』の思いが報われ、私はとても嬉しく感じている》

    《――――それだけは『保障』しよう》

『フニクラ』が懸念し、関が同意したように、
ロダンの感情は読み取りにくい。
人間の性格が多種多様であるように、
彼も元々『そういう性格』なのだろう。
しかし、『一日千秋』だと語った思いは、偽りのない『本心』。
関と『フニクラ』には、そのように感じられた。
自らの『言葉』を証明するためか、
ロダンは足元の『猫の餌』に手を付けようとはしていない。

400関 寿々芽『ペイデイ』@『フニクラ』:2021/06/20(日) 23:44:55
>>399(GM)
>フニクラ

「……………………………」   ギュ …

翡翠に掌の温度が伝わるのを感じながら、
ロダンの語る、彼の『心』のありかに耳を傾ける。

             ――――そして。

「……ロダンさんのっ。『保障』を、信じますよう。
 あなたが、私の心を信じてくれたのと同じで、
 私も、何もあげなくったって――――
 あなたの心をちゃんと動かせたことを、信じますから」

「もし『上手く』いかなくっても……信じてくれたのを、信じます」

地面に落ちた餌を見て、それからロダンの顔を見て、頷く。

「フニクラ! ……ロダンさんの、『スタンドの血』をいただきましょう〜」

ロダンの心に本気の意志があるのかは、
恐らくはロダン自身が最も強く知る事だ。
だが、これは『フニクラの能力』である以上、『絶対』は無いだろう。

「『一日千秋』……私もロダンさんに今日会えたことを、感謝してますからね。
 知恵比べも、翡翠も、――――この『献血』が上手くいっても、いかなくっても」

だが――――注射器を手に取り、『採血』を行う。
いずれにせよ――――『猫の心を動かす手段』は、彼には通じない。
それは猫ではないからではなく、『人間の心を動かす手段』も通じないだろう。

                 ――――『今』すでに、動いているのだから。

401『フニクラ』:2021/06/21(月) 00:20:56
>>399-400(GM&関)

                   『……難シイモノダ』
                『生物ノ感情ニツイテノ』
                      『感想デアル』

『フニクラ』は一連のやりとりを終えてから、『関』が献血する様を見守る。

それぞれの『生物』にそれぞれの『思い』がある。
『スタンド』として生まれて、そう日が経っていない
『フニクラ』には、その機微はまだよく分からないようだ。

『採血』が終わり、そのまま『関』が『注射器』を『フニクラ』に収めるのなら、
この分であれば、その『血』にロダンの『強い感情が乗っている』事を確認できるはずだ。

   ………

                       『私ノ本体ノ為ノ行為』
                     『………大イニ感謝スル』

今回、自らも『謎解き』に積極的に関わったからだろうか、
あるいは、それなりの時間、『関』の活動を見てきたからだろうか。

        『フニクラ』が感謝の言葉を表示する。

 それはたぶん『一匹』にだけでなく、

           いつも頑張っている『一人』に対してもだ。

402『小路のS』:2021/06/21(月) 20:55:34
>>400-401(関&フニクラ)

《どう使うかは知らないが……『これ』が君達の役に立つ事を願おう》

     ――――プツッ

               《この出会いに『感謝』を》

『フニクラ』の『注射針』が『ストーン・エイジ』に刺さり、
『採血』が行われる。
ロダンの精神力である『スタンド血液』が、
少しずつ『注射器』の内部を満たしていく。
その様子を、本体のロダンは黙って見つめている。
彼の『言葉』と同じく、ロダンの『目』も真実を語っていた。
また、彼の『血』も同様に――――。

  ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・

確認すれば、『ストーン・エイジ』から『採血』した『血』には、
『強い感情』――『大きな喜び』が含まれている事が分かるだろう。

《…………かつてイギリスの政治家『デビッド・ロイド・ジョージ』は言った》

《『私が最も尊敬するゴルファーはエジプトのスフィンクスだ』と…………》

          ヨロッ……

『スタンドの血』を抜かれたロダンは少々よろめくと、
疲れたように両目を閉じ、それから片目だけを静かに開いた。

《――――何故だか分かるかな?》

『知恵比べ』は終わった。
ゆえに、これは『謎解き』とは関係ない。
ロダンの瞳には、どこか冗談めいた光が窺える。

403関 寿々芽『ペイデイ』:2021/06/21(月) 21:51:06
>>401(フニクラ)
>>402(GM)

「フニクラはまだ、生まれたばっかりなんですから。
 少しずつ分かっていけばいいんです……
 私だって、全然分からないんですからねえ」

穏和な笑みは、作ったものでは無かった。
遊部が問題なく動いていれば、あと一人か二人分。
この『奇妙な隣人』と過ごす時間は、もう短い。

         スッ

   「だから……後もう少しだけ、
    一緒に頑張りましょうね、フニクラ」

注射器を『フニクラ』に戻して、
その『血』をストックしておく。

そして――――

「……? ゴルファー、ですか?
 エジプトのスフィンクスが?
 まあっ、どういうことなんでしょう〜?」

よろめくロダンを支えようかと思ったが、
それは必要ではなさそうなので、
彼の出した『クイズ』に首を傾げる。

「ううん、私、ゴルフってあまり……
 家族には好きな人も多いんですけどねえ。
 昔……………祖父がしていたのに、
 着いて行った事はありますけど、それくらいで」
       
        「フニクラはどう思いますか〜?」

が、そもそも関はゴルフのルールに詳しくはない。
年の功を有する加宮の知識なら、この答えが分かるだろうか?

404『フニクラ』:2021/06/21(月) 22:14:54
>>402-403(GM&関)

『関』の言葉に『フニクラ』はピカピカと点滅する事で応える。
これはもしかすると彼なりの、
『SNSのいいね』のような表現なのかもしれない。

 そして―――

    シュウウ ウ ウ ウ ウ ウ ウウ ウウ


                           『血ノ中二』
                『力強イ感情ノ波動ヲ感ジル』
              『コレナラ キット本体ノ糧トナル』

『ストーン・エイジ』の血液をその内に収めた『フニクラ』は、
改めて、そこに『強い感情のパワー』が含まれていた事を宣言する。

  ………

あとは『ロダン』から投げかけられた『問い』について。

               ………

                      『ゴルファー』
                     『スフィンクス』

                    『………………』

                 『ソノ二種ノ関係性ヲ』
                『明示スル事ハ難シイ』


『関』に話をふられたものの、『フニクラ』にとっても
この『問いかけ』に答えるのは困難なようだ。

405『小路のS』:2021/06/21(月) 22:42:51
>>403-404(関&フニクラ)

《その『心』は…………》

        ヨロッ…………

《『3000年もバンカーにいるのに泣き言一つ言わない』》

              《――――だそうだ》

                  ミャァ〜オゥ

《フフ……その『辛抱強さ』は見習いたいものだ》

低い鳴き声を上げながら、ロダンが薄く笑う。
どうやら『砂漠』を『バンカー』に例えた言い回しらしい。
『謎掛け』というよりは『ジョーク』の類だろう。

《申し訳ないが…………君に『頼み』がある。
 私を運んでもらえないだろうか?
 思っていたよりも『効いた』ようなのでね……》

         ヨロッ…………

《『場所』は案内する……。
 そこまで連れて行ってくれると助かるのだが……》

足元にある『猫の餌』を口に咥え、ロダンが関に言った。
『家』があるのだろうか?
行ってみれば分かりそうだが……。

406関 寿々芽『ペイデイ』:2021/06/21(月) 22:57:23
>>404(フニクラ)
>>405(GM)

「バンカー……ああ! そういうことですか!
 なんだか洒落た冗談ですねえ、ふふふ…………」

と、呑気してたが――

  「……まあっ、大変じゃないですか!
   私ったら採りすぎたかしら……
   ええ、勿論お家まで送りますよう」

  「お家の方に謝らないといけませんねえ〜」

拒絶されないなら、ロダンを抱き上げる。
猫餌は一旦リュックの中に入れておき、
脇の下に手を差し、もう片手で腰を支え、
なるべく負荷がかからないように。

「フニクラ、加宮さんのところに行く前に……
 って。言わなくても着いてきてくれますよねえ」

追従者は自分だからだ。
本体ではない。
だから別れは近い。それだけだ。

そういうわけで、ロダンの案内に従い家に向かおう。

407『フニクラ』:2021/06/21(月) 23:23:42
>>405-406(GM&関)

                 『バンカー』
              『………………』
            『ナカナカ奥ガ深イ』

どこまで本気で思っているのか分からないが、
とりあえず『フニクラ』はそう表示した。

そして『ロダン』の家に行くという『関』の申し出には―――

                   『本体ハ心配ダガ』
              『【フニクリ】モ感情ノ血液ヲ』
                   『入手デキタヨウダ』
              『少シ寄リ道ヲシテモ問題ハ』
                      『見当タラナイ』

『フニクリ』―――
つまり『遊部』の方も『強い感情の血』を得る事が出来たようだ。
あくまで『おおよそ』の話ではあるが、向こうも『一体分』ならば、
後は『二体分』………『ゴール』は近いといえるだろう。

そんなわけで『フニクラ』も『関』に追従し、『家』へと向かう。

408『小路のS』:2021/06/21(月) 23:31:54
>>406-407(関&フニクラ)

《そうしてもらえると、とても助かる》

        ソッ

丁寧に抱き上げられたロダンから不満の声はなかった。
全身に毛がないため、普通の猫とは触り心地が異なる。
何となく不思議な感じだ。

《この道を真っ直ぐ行ったら、次は右に曲がって欲しい》

関と『フニクラ』は、ロダンの案内通りに進んでいく。
『ストーン・エイジ』も一緒についてきている。
『スタンドの声』を通して案内する以上、
『解除』する訳にもいかないのだろう。

   ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・

やがて、年季の入った一軒の建物が見えてきた。
『Priceless』という看板が出ている。
『家』ではなく『喫茶店』だ。

  「おや、『ロダン』――――」

              スッ

            「――――どうしました?」

店の前まで来ると、
そこに立っていた初老の人物に呼び止められた。
西洋人だが、話し方は流暢だ。
扉に掛かった『休業中』のプレートを外した所を見ると、
店の関係者だろう。
関の腕の中にいるロダンを見て、近くに歩み寄ってきた。
名前を呼んだ事を考えると、彼が飼い主なのかもしれない。

409関 寿々芽『ペイデイ』:2021/06/22(火) 00:00:21
>>407(フニクラ)

「ああっ、そうだったんですねえ。
 遊部さんも頑張ってるみたいで……流石です〜」

     「合理的にやるとしても、
      これは必要なことですからね。
      それじゃあ、行きましょう〜」

遊部側、というよりフニクリ側か。
向こうの様子がわかるのは初めて知ったが、
両者ともに『進展』があるなら、希望も持てる。

>>408(GM)

そして『喫茶店』――『Priceless』の前に立つ。

          プライスレス
「……ええと、『値が付けられない』、ですか」

『ペイデイ』を有する関にも分かる。
そういうもの……金で買えないものは、存在する。

「ロダンさん、ここで――」

合っているか、と聞く必要は無かったらしい。
西洋人らしき男性の方に振り返る。

「――――こんにちは。
 ロダンさん……この猫ちゃんの飼い主さん、ですか?」

(問題はこの人が、ロダンさんが喋れる事、
 スタンド使いな事を知ってるか…………ですけど)

それによって、何をどう説明すべきかは変わる。
また、そもそもスタンドの事を知らないのなら、
いきなり『血を採ったせいです』などと言っても、
何が何だか分からないだろうし、余計な不安を掛ける。

「この子を『連れて来ました』……そうするべき、でしたので」

少なくとも今、彼の視線は、
『S・エイジ』や『フニクラ』には向いていない……のか?

410『フニクラ』:2021/06/22(火) 00:09:10
>>408-409(GM&関)

『ストーン・エイジ』をマジマジと観察しながら『フニクラ』は『関』に追従する。
おそらく自身以外の『スタンド』について興味があるのだろう。

  そのうちに辿り着いたのは、一軒の建物―――

                    『喫茶店ノ猫』
                  『看板猫トカイウ』
                   『分類ノ存在カ』

そんな表示をしているうちに、一人の西洋人が出てきた。
彼についても『フニクラ』は考察を行う。

                         『オソラクハ』
                      『主人ト 飼イ猫ト』
                       『言ッタトコロカ』

                       『主人ト 飼イ猫』
                     『本体ト【スタンド】ノ』
                    『関係性ニ近イノカ?』

あくまで自身を中心に、関係性を考える『フニクラ』。
その『知識』のベースは本体である『加宮』のものだが、
いわゆる『常識』は、『フニクラ』独自のものであるらしい。

 ………

とりあえず『フニクラ』は
具体的に呼びかけられなければ、
『傍観者』に徹するスタンスのようだ。

411『小路のS』:2021/06/22(火) 00:45:50
>>409(関)

《彼は『スティーヴン・ステュアート』――この店の『主人』だ》

《私は、ここに『間借り』させてもらっている。
 なかなか『居心地』がいいのでね……》
 『家賃』も納めているのだよ》

《よって、『居候』ではない》

関が話し掛けてきたのを見て、
ロダンが補足の説明を入れた。
単純な『飼い主と飼い猫』という関係ではないらしい。
『Priceless』――
『値段が付けられない程の価値がある』という言葉。
ロダンにとっては『知恵比べ』がそれに当たる。
あるいは、彼がここに暮らしているのも、
その辺りに理由があるのか――――。

「それはどうも、ご親切に」

              「――ありがとうございました」

『ステュアート』は、関に対して深く頭を下げた。
『ストーン・エイジ』や『フニクラ』を見ている様子はない。
だからといって、『見えていない』とも言い切れない。
関が曖昧な言い方を選んだため、
それに合わせた可能性もある。
いずれにせよ、露骨に突っ込まれる事はなかった。

「『飼い主』というのは少し違いますが……」

「ともかく――お手数をお掛け致しました」

           スゥッ

疲弊したロダンを受け取るために、
ステュアートは恭しく両腕を差し出した。
深い皺が刻まれた顔には、柔和な微笑が浮かんでいる。
あとはロダンを引き渡せば、
この『出会い』は『幕引き』に向かうだろう。

>>410(フニクラ)

『ストーン・エイジ』は『スフィンクス』を模したスタンド。
『フニクラ』とは、色々な点で違いがある。
というより、ロダンからすると、
『フニクラ』の方こそ『特殊』と言える。

《私は、ここに『間借り』しているのだよ。
 きちんと『家賃』も払っている》

《『看板』かどうかは――私の存在が、
 多少でも『売り上げ』に貢献しているのであれば、
 そう言えるかもしれない》

『看板猫』かどうかはともかく、
『ここに住んでいる』事は間違いないようだ。
『主人と飼い猫』――世の中の常識に当てはめると、
その考察が妥当なのだが、ロダンは否定した。
関と『フニクラ』と同じように、
彼らにも何かしらの『事情』があるのだろう。

412関 寿々芽『ペイデイ』@『フニクラ』:2021/06/22(火) 01:27:34
>>410(フニクラ)
>>411(GM)

《あぁっ、そうだったんですねえ。
 居候とか、飼い猫とかじゃあなくって、
 あなたとステュアートさんも、対等なんですね》

     《素敵な事だと……思いますよう》

知性があり、宝石を生み出せる猫。
その『友』が正しい存在である事を祈る。

「いえ……私の、した事ですので。
 お礼なんて……言われる理由は、ありませんよう」

細かい説明は、しない事にした。
申し訳ない気持ちこそあるが、

「ロダンさん……疲れさせちゃって、すみませんでした」

ロダンをゆっくりと引き渡して、
同じくらい頭を下げ返す。

「それじゃあ、私た……あ、いえ、私は行きます。
 行くところがありますので……お店、今度は客として来ますね」

        「ロダンさん、また……」

             ペコリ

それから、ロダンにも小さく礼をして、
特に引き止められないのであれば『Priceless』の前を去る。

413『小路のS』:2021/06/22(火) 01:57:49
>>412(関)

「ええ、近くにお立ち寄りの際には是非おいで下さい」
 
「お客様としてのご来店を、心よりお待ち致しております」

         スッ

《君達との『やり取り』は楽しかった。
 こうした出会いこそが私にとっての『プライスレス』だ》

《願わくば――――また何処かで会える事を祈ろう》

別れ際、ロダンを抱えたステュアートが、
もう一度お辞儀をした。
一人と一匹に見送られ、
関と『フニクラ』は『Priceless』を後にする。
『スフィンクス』との出会いで手にしたものは、『血』と『石』。
どちらも間違いなく『価値あるもの』だ。
それらが人の『命』を救い、
また誰かの『助け』になるとすれば――――それは、
『値段が付けられない程の価値(プライスレス)』となるだろう。


関 寿々芽『ペイデイ』⇒『一万円』相当の『翡翠』獲得。

                    『小路のS』⇒『終幕』

414 相模相生 中央『ビッグ・スター』:2021/06/22(火) 22:32:53
ガツガツガツ、ガツガツガツ

商店街の傍のゴミ捨て場でカラスがゴミを荒らしている―――

『アッ!手前この野郎!その骨は俺が狙っていたんだぜ!返しやがれこのゲロカスがァ――――!!』

カァ!カァ!カァ!カァ!

『オワー――――!?多勢とは卑怯だぞクソがッ!?この野郎、この野郎!!』

カラスが荒らしている?

415飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/06/22(火) 23:11:32
商店街に買い物に来ているのだろうか、茶髪を低い位置で二つに結わえた中学生――飯田がそれを見つけたのは偶然だった。

>>414

か、カラスが妙にうるさいと思ったら…女の人がつつかれてる…!?
しかも、あんなにたくさんのカラスに…!?
なにがあったかわからないけど、『襲われてる』なら…ま、守らないと…!

私はマーブル模様のスタンド――『シスター』を出現させて触れて身にまとって、彼女の近く『2m』まで『瞬間移動』した。

「だ、大丈夫ですか!?」

そう言いながら手を大きく振り回してカラスを追いやる。(パスCB)

416 相模相生 中央『ビッグ・スター』:2021/06/22(火) 23:48:45
>>415
そこは人影は存在していなかった。

『ブヘッ、ブヘッ・・・くっそー俺がスタンドだからって骨を狙いやがってあいつらァ・・・ん?』

いるのは明らかに『スタンド』だと分かるヨウムであった。
スタンドがカラスに混じってごみ漁りをしていたのだ。

417飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/06/23(水) 00:04:36
>>416

『シスター』はまとえなかった。ということは、『襲われていない』か『人』ではないかのはず…。
私はなにをどう間違えたのか、駆け寄って確かめた。そこには『オウムに似た鳥』がいた。

……あれ、人じゃなかった…?

『鳥』はなんだかスタンドみたいで、私は首を傾げながら声をかけた。

「えっと…スタンドって迷子になるのかな…?
 『鳥』さん、おひとり?ですか??
 怪我とかしてませんか?」

418 相模相生 中央『ビッグ・スター』:2021/06/23(水) 00:12:50
>>417
『オウ、怪我なんざねえぜ!俺はちょっと特別な鳥だからなあ!!』

翼を翻しながら物凄く流暢にヨウムは喋る

『なんつったって俺は将来ビッグ・スターになる偉大(マーベラス)なスタンドだからなァ!!』

器用に胸もはる。コミカルにキョロキョロ動いて漫画のキャラみたいな奴だ

419飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/06/23(水) 07:44:20
>>418

420飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/06/23(水) 10:20:59
>>418

慌ててたから口に出して話しちゃってたけど…もし他の人が見てたらゴミ捨て場のゴミに話しかける中学生…だよね?
それはやばい…。

私はスタンド会話に切り替えて話を続けることにした。

《『鳥』さんは特別な『鳥』さんなんですね》
《怪我とかないならよかった…》

うーん、この『スタンド』の飼い主…?はどこだろう…。
『動物そのもの』がスタンド使いってことは…私はわかんないけどあるのかな…?
一応、周囲を見回して『スタンド使い』らしき人影がいないか確かめてみる。

《将来の『ビッグ・スター』…!》
《『スタンド』界の星ってなんだか格好いいですね》
《……未来の大スターならサインとかもらっときたいかも》

カバンをごそごそと確認する。
ペンとノートはあるけど、『鳥』さんに書いてもらうのは難しいかな?

421相模相生 中央『ビッグ・スター』:2021/06/23(水) 15:44:32
>>420
周囲を見渡すと、少し後悔するかもしれません。

ごみ捨て場のすぐそば、ちょっとレトロなオープンカフェにその人はいました。

かっちりと糊の効いた黒の着物。
胸元には土俵の円の中に五芒星が入った奇妙なエンブレム。
女性と思われるもその黒髪黒目に艶はなく。
力士が二人組み合ってるデザインのチェーンを腰からぶら下げています。

やたら彫りの深い顔ですが多分日本人でしょう。多分まだ未成年です。

そんなのがゴージャスなパフェをつついていました。
多分、きっと、筋者です。

『おっと、この羽じゃ字はかけねえから勘弁な!』

422飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/06/23(水) 16:37:13
>>421

「ぴゃっ…!?」

思わず声が出た…。
あのカフェにいる人…が、そうなのかな…?
ちょっと後悔したので、そちらに目を向けるのをやめて『鳥』さんだけを見ることにしよう…。

《ああ、そうですね…》
《朱肉とかあれば足でスタンプしてもらえたかもしれないけど…残念…》

流石に朱肉は持ち歩いてないし…そもそも『スタンド』ってインクつくのかな…?

《あ、『鳥』さんってお名前とかあるんですか?》
《ずっと『鳥』さんって言うのも…その、変かなーって》
《あ、私は『飯田咲良(イイダサクラ)』って言います》

ひとまず、『鳥』さんの名前を聞いてみる。
この場合って名乗るのはスタンド名なのかな…?
それともあの『なんだかすごい人』の名前なのかな…?
すこし気になる…。

423 相模相生 中央『ビッグ・スター』:2021/06/23(水) 22:22:20
>>422
『カカッ、カカカカカカ!俺の名前はビッグ・スターさ!』
『ビッグ・スターになるビッグ・スターだ!覚えときな姉ちゃん!』

コミカルに胸を張るヨウムがそこはいた

『そうだ・・・そういやあ姉ちゃん、俺はあんたに助けられた恩があったよな?』
『どうだい、俺の能力でいっぺんビッグになってみる気はねえかい?』
『俺はすげえぜ!俺の能力ならどんな奴でも神様のところにまで頭が届くようになる!』
『このちっぽけな世界の天井を遥かに超えたビッグな奴に変わるのさ!』
『ビッグになって高みって奴を見てみるつもりはねえかい?ん?』

424飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/06/23(水) 22:37:15
>>423

《『ビッグ・スター』さん、ですね》

……自分の名前に引っ掛けてさっきまでのは言ってたんだ。
ちょっとだけ風変わりで…可愛いかも…?
でも、本体がさっきの『なんだかすごい人』…なんだし、気をつけないと…。

《ビッグに…?》
《うーん、確かに…身長はほしいかもだけど…天井に届くぐらいは大きすぎるかな…?》
《でも電車の吊革に楽々捕まれるようにはなりたいです!》

私の身長は150にも届いてない。
せっかくならもうすこしほしいけど…あれ?そういうことでもない?

ビッグ…神様…天井…?うーん…なにか『スタンド能力』に関係のある、意味がある言葉なのかな???
私は首を傾げながら『ビッグ・スター』さんに言葉を返した。

425 相模相生 中央『ビッグ・スター』:2021/06/23(水) 22:43:00
>>424
『お?乗り気じゃねえかねえかいいねいいねえ!じゃあ早速・・・』

そういって『ビッグ・スター』があなたの所に飛んでいこうとしたら

「『お座り』よ、ぷーた」

そんな声が先ほどの喫茶店の方から聞こえてきて

『ゲビッ!?』

『ビッグ・スター』が急に地面にベシャリと叩きつけられて動かなくなった。

426飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/06/23(水) 22:48:24
>>425

「ぴゃえっ!?」

え、え、ええ…?
えっと、あの喫茶店には『ビッグ・スター』さんの本体さんっぽい人がいて、たぶん今の声は本体さんで…。

……本体にスタンドが攻撃された…?え…???

「『ビッグ・スター』さん!?大丈夫ですか!?」

慌てて『シスター』で抱え起こそうとしてみる。
私はスタンドは見えても触れないだろうし…。

427 相模相生 中央『ビッグ・スター』:2021/06/23(水) 22:53:29
>>426
抱え起こそうとするとさほど重くはないのだが、ヨウムは体がなんかペキパキいっている。
まるで自分だけ重力がかかっているかのようだ。

「――――うちの駄鳥がごめんなさいね、お嬢ちゃん?」

そうこういってると後ろから声がかかってきますよ。

「ストレス解消に自由にさせてるとすぐこれなんだから・・・カタギに手を出すなって何回言うと分かるのかしら。」

428飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/06/23(水) 23:00:11
>>427

「『ビッグ・スター』さん…痛そう…」

なんだか痛そうで涙目になる。

「えっと、お姉さんは…その、『ビッグ・スター』さんの本体さん…ですか…?」

背中からの声に振り返りながら答える。
『ビッグ・スター』さんの本体さんってことは、私がさっきまで『スタンド会話』していた相手…のはずだよね…?
スタンドが痛いってことは本体さんも痛いはずで…。
あれ?でも本体さんは普通に話しかけてきてるし…あれ??

私はかなり混乱してた。私の『シスター』とはかなり違うスタンドなのかも…。

429 相模相生 中央『ビッグ・スター』:2021/06/24(木) 03:22:30
>>428
「ええ、そうよ。そこのぷーたの飼い主」
「あんまり調子よく人の言う事聞いちゃダメよ?特にコイツなんてロクなことやらないんだから」

『コ、カ、カ・・・クソが!中央ォォ!いい子ちゃんぶってんじゃねえよ!』
『これは手前が望んでることだろうが!俺はそれしかしねえんだぞ!』
『あと俺の名前はビッグ・スターだ!ぷーたでもぽんたでもねえ!いい加減認めろ!』

ヨウムは動けないだけで割と元気っぽいのは元気っぽいです。

430飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/06/24(木) 06:27:47
>>429

「そうなんですね!
 その…《改めまして、『飯田咲良(イイダサクラ)』といいます》
 えっと、気をつけます…。よく真に受けすぎるって友達からも言われるので…。
 《お姉さんはスタンドの練習中ですか…?》
 《私も最近、スタンドを使えるようになって、練習したりしてたので…その、大変ですよね》」

会話に『スタンド会話』を混ぜてみる。
これまでの『ビッグ・スター』さんを通しての話も『スタンド』をうまく使う練習だったということならそれっぽいし…。

……お姉さんが『なんだかすごい人』だし、私も私で『急に慌てふためいて奇声を発する中学生』になってしまってるのもあって、向けられる視線の数が多い気がする…!
『ゴミに話しかける中学生』とどっちがマシ…かなぁ…。

たぶん私、今恥ずかしさで顔赤くなってるよ…。死ぬる…。

431飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/06/24(木) 09:31:26
>>430

432相模相生 中央『ビッグ・スター』:2021/06/24(木) 12:40:06
>>430
「ええ、分かったわ」
『クカカッわりいなあ飯田チャン!スタンドは俺だからよぉ、中央は喋れねえんだムギュッ!?』

『ビッグ・スター』が混ぜッかえすとまた重さで潰れるように這いつくばる

『中央ォ!だからそれやめろォ!言うこと聞いて欲しいならいい加減認めればいいだろォ!』
『俺の名前はビッグ・スター!手前の望んだ星の視座だアベフ!?』

足で踏まれてにじられている

433飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/06/24(木) 12:53:37
>>432

……スタンド見えない人からは『なんだかすごい人』が『なにもないところ』をぐにぐにと踏みにじってるように見えてる…よね…。
それに『急に慌てふためいて奇声を発する中学生』が合わさると…その…周囲からの視線がちょっと痛い…。

「その、ご忠告ありがとうございました…!
 《ごめんなさい、すごくいろんな人に『見えない』けどおかしな行動してるって見られてるみたいです…》
 《スタンドの練習するときは街中より人目につかないところがいいのかも…?です》
 《私もなりたてでよくわかんないですが…》
 では、失礼します…!」

羞恥で真っ赤な顔のまま、そそくさと私は帰路についた。

434御影憂『ナハトワハト』:2021/06/24(木) 17:59:15

『闇の衣』を纏う『影』が、夜の街に現れる。
ただし、その体は『地上』にはない。
『ナハトワハト』の特性の一つである『浮遊能力』を使い、
『空中』を歩いているのだ。

    ――――フワッ

音もなく降り立ったのは、
数日前に『戦い』を見届けた廃ビルの屋上。
今さら新たな情報が掴めるとは思っていない。
ここに来た『目的』は別にある。

             スゥッ…………

部分的に『非実体化』を解除し、片手のみを『実体化』。
これにより、手の中に握っている物をビル下にバラ撒く。
それは、何枚かの『コピー用紙』だった。

     バサバサバサバサバサバサバサバサバサァッ

夜の闇に舞う白い紙吹雪。
誰かが拾い上げれば、
そこに書かれた内容を読み取る事が出来るだろう。
無機質なゴシック体で、大きく次のように印刷されていた。

          ○月×日△時頃
    □□□ビル付近で通り魔事件発生
     犯人は身長160cm前後の若い女
       素顔を隠して行動している
       見かけた者は注意されたし

この『ビラ』の意味は二つある。
一つは『スタンド使いによる被害者』が増える事を防ぐため。
もう一つは『フラジール』に対する『警告』だ。

『次の段階』の事を考えて、『情報』は意図的に絞ってある。
『フラジールの能力』は既に確認済み。
もし今後『一般人』に危害を加えるような事があった場合、
今度は『能力』を街中に公表する。
スタンド使いにとって、
不特定多数の人間に『能力』を知られる事は、
『致命的な打撃』に成り得る。
ましてや、『暗躍向きの能力』であれば尚更だ。

(………………『お仕事』完了)

            フッ

『ビラ配り』を終え、『影』は再び闇の中に消えていった。

435ジョン・ロブ『グラム・スラム』:2021/06/24(木) 19:39:23
>>434
「お、これは、、、?」

ビラを拾って、読む。

「若い女の、通り魔、、、?」

浮かんだのは、赤月が路地裏で男たちに暴行を加えていた光景。
これだけの情報で彼女のことだと決めつけるのは早計だろうが、、、

「まさか、な」

ビラを握りつぶしてその場を立ち去る。

436三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2021/06/25(金) 22:34:20

「うわぁ〜、最近こういう事件が増えてきて物騒になってきたねぇ・・・」

夜の歓楽街にて、仕事帰りの壮年男性が『ビラ(>>434)』を拾い、呟く

「若い女の子の通り魔かー・・・
 最近の子達の間ではこういうのが流行ってるのかな?
 僕もこの前襲われたばかりだしねぇ」

片手にビラを持ちながら歩いている

437一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/06/26(土) 12:46:48
>>434
「ぜぇ…ぜぇ…」

ふらふらと息を荒くして歩く一抹が偶然にも『ビラ』を手に取る。
犯人の性別、身長、特長を見た一抹は…

「私は男に襲われたのですが…」

困惑した表情で『ビラ』を持ち帰った。
気が向いたら七篠先輩とかに知らせようと思った。

438関 寿々芽『ペイデイ』@『フニクラ』:2021/06/26(土) 13:49:31
>>436

        ―― フゥ

スマートフォンに文字を打ち終え、
ゆっくりと息を吐き出した。

        『コレデ 完了カ』
        『私タチノ 仕事ハ 不要ソウダ』

「そうですねえ……
 遊部さんは手際が良くって、
 本当に……見習いたいですよう」

関自身要領は悪くない自負があるが、
遊部の『円滑さ』には驚かされる。
あの後も血を求めて歩いていたが、
ロダンのような幸運は二度はなかった。

         ・・・と、その時。


「……? なんでしょう、ビラ?」

地面に落ちたビラが目に入り、拾おうと動く。

――現時点で三刀屋には気付いていないが、
知った顔と、その横に浮かぶ『妙な球体』は三刀屋の視界に入る。

439一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/06/26(土) 13:52:50
(撤退忘れすみません!)

440三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2021/06/26(土) 15:31:51
>>437

ビラを見る三刀屋の隣を息を荒げた少年が通っていったが
とくに気を止める事は無かった

>>438

「おや? あの姿は・・・・?」

遠くに同じくビラを見つめている知人がいる事に気付いて近づく
別に用事があるわけではなく、ちょっとした世間話をしようと思っただけなのだが・・・

「あれ? 関さん、どうしたの、それ?」

横に浮かぶ『妙な球体』に気付いて指差す
どうやら、三刀屋の目には『フニクラ』の姿が見えているようだ

441関 寿々芽『ペイデイ』@『フニクラ』:2021/06/26(土) 16:50:47
>>440

「……あぁっ、三刀屋さあん。
 しばらくぶりですねえ。
 前にお会いしたのは…………
 確か、スカイモールででしたっけ〜」

脳裏にあの時の会話が過ぎる。
突っ込んだ話を聞かれもしたが、
取り止めのない世間話を楽しんだ記憶。
関の表情も、ゆっくりと、穏やかに笑顔を形作る。

「あ! 読みましたよう、『こざるのマーモ』!
 読んだのは少し前ですけど…………
 またペットが飼いたくなる素敵なお話で――」

        ピタ

三刀屋の何気ない言葉に僅かに硬直し、
二人の視線は肩の横の『フニクラ』で交わる。

        『私ガ見エテイルヨウダ』
        『ツマリ』
        『彼モ マタ スタンド使イ』

それを知ってか、『球体』はそのように述べ。

「まあっ……………そう、だったんですねえ〜」

関としては、驚きをそのまま口にするだけだった。

442三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2021/06/26(土) 18:00:16
>>441

お互いに、最後にあったのは結構前の話ではあるが、
相手がこちらの事を覚えていてくれたとわかり、笑みを深める

「ハハハ、こちらこそ久しぶりで何よりだよ
 僕の勧めた漫画も読んでくれたみたいで、個人的には3話の・・・」

と、いった所で関の視線に気付く
見間違いかとも思ったがどうやらこの反応・・・・彼女もまた『見えている』ようだ

「あー・・・・ なるほどねぇ」

お互いに顔を見合わせる
三刀屋もまた驚いた表情と・・・・ちょっとした納得の顔を浮かべていた

「つまり・・・君もこの手の超能力を持っていた、って事だねぇ
 ハハ、なんだかコイツ、口調の割に随分と可愛らしいデザインじゃないか」

443関 寿々芽『ペイデイ』@『フニクラ』:2021/06/26(土) 18:20:42
>>442

「ふふ、せっかくお勧めして貰いましたし。
 漫画のお仕事をされてる方の紹介なら、
 きっと面白いものだと思いましたから〜……」

思わぬ遭遇、思わぬ『献血候補』。
話を切り上げて現場へと急ぐ必要性よりも、
万一のため、もう一押しの血を採る機会の重要性。

        スタ…スタ…

それゆえに一瞬意識から消えていたが……
話しながら、撒かれていたビラの方に足を進めつつ。

「ただ……今はそれよりこっちの話……
 『フニクラ』の事の方が気になります……よね?」

         チラ

         『ソウ 私ノ名ハ フニクラ』
         『サテ カワイラシイ ダロウカ?』
               フォルム
         『合理的ナ 形状ト 自負シテイルガ』

「そうですねえ、丸くて可愛いとは思います〜
 それに性格も……かわいい所もありますよう。
 ただ、この子は、私の超能力……いえ」

  ・・・・
「『スタンド』」

     「……では、ないんですけどね〜」

自分のフォルムを見せるためか? 単に嬉しいのか?
一回転するフニクラを横目に、関は代わりに三刀屋に答える。

444三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2021/06/26(土) 20:08:54
>>443

「『フニクラ』・・・・っていうのかい
 語感もなかなか可愛らしい感じだね」

       ズギャッ!
                  ヴィジョン             
そう言うと、三刀屋の背後から人型の『 像 』が出現する
その『像』は右手を『フニクラ』に向けてゆっくりと伸ばし、
球状のフォルムをゆっくりと撫でる

「僕の『ブラック・アンド・ホワイト』はそれ程可愛い名前をしていないからなぁ
                          ブラック&ホワイト
 ハハハ、僕みたいなふにゃふにゃした灰色の人間が『 黒 と 白 』なんてカッコいい名前
 あんまり似合わないかもしれないけどね」

「それにしても、関さんもこの手の超能力を使えるなんて奇遇・・・・・
 ・・・・・え? 『フニクラ』くんは君のスタンドじゃないのかい?
 それじゃあ、この子は?」

445関 寿々芽『ペイデイ』@『フニクラ』:2021/06/26(土) 21:38:11
>>444

「ふふふ、口に出してみると、
 なんだか楽しい名前ですよねえ」

                『正式名称ハ フニクリ・フニクラ』
                『私ハ フニクラダガ』

「――――!
 それが三刀屋さんの……あ、いえいえ!
 似合わないなんてことは無いですよう。
 灰色って、白と黒を両方知らないと、
 そういう風にはなれないんですし……あ!
 三刀屋さんがふにゃふにゃだとも思いませんよ〜?」

フォローの方向性を間違えた気はしたが、
三刀屋の人格は実際、『白黒ハッキリ』のタイプではなさそうだ。
つまり関と同じだろう。濃淡は、違うにせよ――――だ。

「それで、ええと――――」

                『触ラレテイルト 画面ヲ見セヅライ』
                『私ノ本体ハ別ニイルガ……』
                『目的ガアッテ コノ少女ニ 追従シテイル』

「――――そう。そういう事なんです〜。
 私の『ペイデイ』は、フニクラとは、全然関係のない能力でして」

          ポン

フニクラの簡潔な説明にゆっくりと頷いてから。
手に『帳簿』を出して見せ――――ゆっくりと腰を下ろし、ビラを拾う。

「目的というのも……特にやましい事や危ない事じゃあ、ありませんからね」

そしてビラに目を通すよりは先に、邪推を与えないような言葉を付け加えた。

446三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2021/06/26(土) 22:07:54
>>445

「ハハハハ・・・・フォローありがとう
 それにしても・・・・」

『フニクラ』の画面に浮かんだメッセージを確認する
どうやら、本体が別にいて、『関さん』に憑りついている『スタンド』のようだ
ふぅんと興味深そうな声を漏らしながら、『フニクラ』を見つめる

「僕もこの手の『超能力』にはそう詳しいわけじゃないんだけどさ
 こういう、人に憑りついて遠くまでついて行ける『スタンド』もいるんだね」

「またまた〜、そう言っちゃって実は悪い事なんじゃないのぉ〜?」

ちょっとした茶目っ気を出して、ふざけた様に言う
実際の所、目の前の少女が悪い人間ではない事はわかっているため、完全に悪ふざけのノリだ

447関 寿々芽『ペイデイ』@『フニクラ』:2021/06/26(土) 22:32:03
>>446

「いえいえ、フォローなんかじゃあないですよ〜」

フォローなのだが、
フォローですとは言わないのが美徳だろう。

「私も、こういうタイプは『フニクラ』が初めてです。
 フニクラに会ってから他にも見かけませんし、
 凄く珍しいのかもしれませんねえ〜」

            『私ハ 他ノ例ヲ知ラナイ』
            『自由ニ話セル ダケデモ』
            『希少ナ例デハ アルノカモシレナイ』

「ええ、ええ〜。おかげで、お話が出来て嬉しいです……」

           「……ふふ」

茶目っ気ある声に、笑みは深まり、目は細まった。
冗談であると分かっているから糾弾とは取らずに済む。
彼の人柄の全てを知っているわけではない、が。

「ん……そうですねえ〜。悪い事はしてないつもりですけど」

      「たとえば〜」
                   『悪事ノハズハナイガ』

「『血を集めて回ってる』!」

                   『血ガ必要ト サレテイル』

             ズギャン!

――――――『フニクラ』から、無数の『注射器』が突き出す。

「ふふ。なあんて言ったなら、三刀屋さんはどうしますか〜?」

笑みはそのまま、ほんの少しだけ……三刀屋ににじり寄った。

448三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2021/06/26(土) 22:42:27
>>447

                   『血ガ必要ト サレテイル』

             ズギャン!

「うわっ!」

それまで気軽に撫でていた相手から突然『注射器』が突き出される
突然の状況に三刀屋も思わず手を引っ込めた
例えるなら、『ハリネズミカフェ』でハリネズミと遊んでいたら、突然毛が逆立ったような驚きだ!

「え、え〜っと・・・・ それは『吸血鬼』的な意味かな?
 お前の生き血を啜ってやるぞ〜・・・・的な?」

ちょっとだけ距離を取って両手の掌を関に向ける
顔は相変わらず微笑を浮かべているが、少しギクリとした緊張感が混じる

449関 寿々芽『ペイデイ』@『フニクラ』:2021/06/26(土) 23:16:50
>>448

「あっ……私ったら! おどかしすぎちゃいましたねえ。
 こういう冗談って慣れてないもので……すみませえん、三刀屋さん」

突き出た注射器は『針がフニクラに刺さった状態』であり、
手をそのままにしていても『刺さり』はしなかっただろう。
だが、心臓によろしくない瞬間だったのは確かだろう。
関は申し訳なさげに口元をビラで覆い、頭を下げる。

いずれにせよ――――

「私がガブっと噛みついて血を吸うんじゃ、ないんですよう。
 血を集めているのは、『フニクラ』の能力で、目的でして――――
 血の話で一番近い事を言うとしたら、『献血活動』になりますねえ」

関寿々芽の傍には、『フニクラ』が浮かぶ。

            『合意ノ上デ行ッテキタ。安心シテホシイ』
            『無理矢理採ルノハ合理的カモシレナイガ』
            『後々困ルノハ 私ノ本体ニ ナリカネナイ』

そうして多くの人間と出会い、『必要な血』を納めてきた。     

「もしそうじゃなくっても、無理矢理採るなんてしませんよ〜。
 だから。そう、『お前の生き血を啜ってやるぞ〜』的な話ではなくって」                

   「『あなたの血が必要とされています!』」

                  「……っていう、お話なんですよう」

だからこれは、エンドロールに行きつく、最後の一歩のお話だ。

※『フニクラ』および『献血』について。
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1617983099/109

450三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2021/06/26(土) 23:31:14
>>449

「あー・・・・ビックリした、よく見たら注射器のシリンジの部分じゃないか
 まあ、僕はこの程度の事で動じる程、子供じゃないけどね」

内心、心臓がドキドキしながら、大人としての面子を保つべく言う
だが、見る者が見ればただの強がりである事が丸わかりだろう

「なるほどねぇ、『献血』をして本体を元気にする『スタンド』か
 僕としては、どこかの誰かが元気になるためなら多少の献血は構わないけど・・・」

「大丈夫?これ 間違って死んじゃったり、後遺症が残ったりしない?」

451関 寿々芽『ペイデイ』@『フニクラ』:2021/06/27(日) 00:05:19
>>450

「ふふ、もう、三刀屋さんったら……」

強がりもまた、『フォロー』だ。
勿論本人の感情もあるだろうが、
関自身としても――――気が楽ではあった。

「……まあっ、血を下さるんですか!?
 ご親切に……本当にありがとうございます
 大丈夫です、死んじゃったりはしませんし、
 終わった後少しだけくらくらするくらいで」

「ただ、そのう」

            『……強イ感情』
            『本体ノタメニハ』
            『普通ノ血デハ イケナイ』

「そう、フニクラが言ってる通りで……」
「必ず献血が『元気』に繋がるとは、限らないんです」

三刀屋の感情までは分からない。
今、かなりびっくりはしたようだが、
それが強い感情とまで言えるかどうかは微妙だ。
 
            『普通ノ血デモ 延命ニハナルガ』
            『快復ニハ 繋ガラナイ』

            『ダカラ……結果トシテ見レバ
             アナタノ 損ニナルカモシレナイ』
            『ソレデモ 献血ヲ シテクレルノダロウカ?』

フニクラを横目に、三刀屋の返答を待つ。
『成果』にはつながらない可能性のある献血。強要する理由は無い。

452三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2021/06/27(日) 00:16:17
>>451

「ううーん・・・・『強い感情』ねぇ」

確かに先ほどの反応は結構びっくりしたし、今も心臓はドキドキしているが
強い感情とまで言われると少し微妙なところだ

「僕としては『献血』をするのは別にいいよって気分にはなっているけど
『強い感情』とまで言われると・・・・・・あ、そうだ」

ふと、何かを思いついたかのように顔を上げた

「お互いに『スタンド使い』ならわかると思うけど、
『超能力』が使えると、どうも『変な連中』に出会いやすくなるみたいでさ」

思い返すのは先日、襲撃して来た『通り魔女子』の事だ
彼女もまた『スタンド使い』であった

「でも、『スタンド使い』との遭遇って僕にとっては結構『ネタ』になるようなものでね
 もしも、関さんがそういう『漫画のネタになりそうなスタンド使い』の話を知っていたら、
 僕に教えてくれないかな?」

「そのお話で僕が『ワクワク』するようなら『献血』するよ」

453関 寿々芽『ペイデイ』@『フニクラ』:2021/06/27(日) 01:23:21
>>452

「急に『感情』、って言われても……難しいですよね〜」

特に、外から観測するのは。
だから必要なのは納得だ。
三刀屋の納得、フニクラの納得。

「あ、そうですねえ、なるほど〜っ。
 私も変………………じゃあないにしても、
 今まで会った事が無いような人と、
 会ったり、お話出来たりはしましたねえ」

スタンドの存在自体は以前から知っていたが、
スタンド使いになってから、影響は感じていた。
メイド男のような明確に『変』な人間もだが、
百目鬼のような、住む世界の違う人間もだ。

「漫画のネタになるスタンド使い――――
 私はそんなに読む方じゃあないので、
 もしかしたら期待に沿えないかもしれませんけど、
 もしダメなら……勿論、『ネタ代』はいりませんから。
 でも、上手くいったら……『血液払い』で、お願いしますね〜?」

そう言って笑みを浮かべたあと、若干うつむき――――

「そうですねえ……例えば」

「『お話が出来る猫』」「『本体とそっくりのスタンド』」
「もしくは……ひとじゃあないですけど、『スタンド使いの組織』の、話」

         「手あたり次第全部話すんじゃあ、 
          ネタにはなっても、わくわくはしないでしょうから〜。
          ――――三刀屋さんは、どの話がわくわくしそうですか?」

関は三刀屋の担当する漫画をすべて知っているわけではない。
だから、どのようなジャンルを好むかが読めない――――
ゆえに、顔を上げるとともに、今出せる見込みのあるカードを、すべて開示したのだった。

454三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2021/06/27(日) 01:47:43
>>453

「ハハハ、『感情』を意図的に操れるなら僕たちの商売もずっと楽なんだけどねぇ
 まあ、そう上手くはいかないかもしれないけれど
 それじゃあ、聞かせてもらおうか・・・・関さんの話のタネを、ね」

語られた内容は3つ・・・・
だが、その内の一つには三刀屋自身に覚えがあった

「『お話が出来る猫』なんだけどさ
 もしかして、『Priceless』っていう喫茶店に住んでる『ロダン』っていう猫の事かな?」

「以前、謎かけが好きな面白い『猫のスタンド使い』に会った事があってねぇ
 香奈枝さんっていう女の子と一緒に謎を解いた事があったんだよ
 スタンド使いに謎をかけるのが好きそうだったから、もしかして関さんも『ロダン』くんと会ったのかな?」

「うーん・・・・それ以外で言うと『スタンド使いの組織』の話に興味があるかな
 新年会の時はよくわからなかったけど、この町に『何かの組織』がある事は
 僕だって薄々勘付いていたけどねぇ」

「でも、もしもそれ以上の話があるなら聞いてみたい気がするよ・・・
 だって、『漫画』みたいで面白そうな話じゃないか、『スタンド使いの組織』って」

455関 寿々芽『ペイデイ』@『フニクラ』:2021/06/27(日) 23:25:45
>>454

「あらっ……! まあ、びっくりです。正解ですよう。
 ロダンさんの事は、もうご存じだったんですね〜っ」
 
「私もこの間彼と会って、『フニクラ』と、
 二人で『問題』を解きましたよね〜?」

            『アア。興味深イ 体験ダッタ』
            『学ビモ 得ラレタ』

小学校の社会科見学のような事を言うフニクラに、
関は満足げにうなずいてから、話を続ける。
香奈枝、という名前には覚えが無いが、
三刀屋のスタンド使いの人脈も広そうだ。

「でしたら、スタンド使いの、組織について……
 これはですねえ、私の持っているお話では、 
 一番…………『漫画みたい』なお話だと思いますので〜」

いっそ漫画だったならよかったのかもしれない。
加害者も被害者もどこにもいないのだから。

「まず、三刀屋さんもあの『新年会』に来ていたなら、
 『アリーナ』っていう組織のことは知ってるでしょうか〜?」

「まあ私も、詳しくは知らないんですけど……『スタンド使いの闘技場』で、
 それに、『悪いスタンド使いから町を守る組織』でも、あるんですよう」   

             「……なんだか、漫画のヒーローみたいですよねえ」

関とアリーナの接点は複数ある。
だが――――その存在を始めにはっきりと意識したのは、『小林ら』の話だ。

                          ・・・今はもう少し知っている。

456三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2021/06/27(日) 23:37:06
>>455

「ロダンくんからの謎かけは僕もかなり苦労したからねぇ
 正直言って、猫にしておくのが勿体ないくらいの良い問題だったよ
 あれならクイズ番組の『クリエイター』としてもやっていけそうだ」

かつてあった『謎解き』での出来事を思い出す
終盤には頭を使いすぎるあまり、どこか変な方向に迷走をしてしまった・・・

(軌道修正出来たのは香奈枝さんのおかげだね)

「あ、そうそう、『新年会』の主催をしていたよね?
 ちょっとした縁で『試合』を見させてもらった事もあったけど・・・
 へぇ〜、なるほど、『悪いスタンド使いから町を守る組織』ねぇ」

関が語る『アリーナ』という『組織』の概要についてちょっとしたワクワクを感じる
今となってはそれ程でもないが、三刀屋も少年時代は『人々を守るヒーロー』に憧れたものだ
・・・・今では自分の身の回りだけ守れればそれでいいか、と思っているが

「あれ? その言い方だとまるでこの町に『悪いスタンド使い』がたくさんいるみたいだね?
 うーん・・・確かに僕も『悪いスタンド使い』に襲われた事はあったけど、
 正直に言って、あれくらいならあれ程大きな『組織』は必要ない気がするけど・・・」

457関 寿々芽『ペイデイ』@『フニクラ』:2021/06/27(日) 23:57:12
>>456

「たしかに……難しい問題でしたよねえ。
 それに、変なクイズでもありませんでしたし。
 あんなに賢い猫がいるんだって、
 それも、びっくりしちゃいましたよう」

動物は意外と賢いにしろ、
あれほどの知性があるのは衝撃だった。
スタンド使いだから、なのだろうか――――

「ええ、『そうらしい』です〜。
 試合は、私は見た事はないですけど……
 いろいろ手広くやってくれてるみたいですねえ」

『アリーナ』の『闘い』を直接は知らないが、
どちらかといえば善性の組織なのは分かっている。

「お、襲われたんですかっ!?
 大変じゃあないですか……そ、そうですねえ〜。
 『悪い個人』だけなら、組織で守るなんて無駄なんでしょうけど」

                     すぅ ・・・

その名を言う前に、息をゆっくりと吸い込む。

「――――『エクリプス』。聴いた事、ありますか? 三刀屋さん。
 昔……そういう、『悪い事なら何でもする組織』があった、そうです」

              「『人が想像する最悪な悪事』を、
               だいたい全部やってきた集団だ、って……
               アリーナの人から、教えてもらいました」

458三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2021/06/28(月) 00:17:54
>>457

「ハハハ、人間が一番賢い動物だなんて思い上がりも甚だしい・・・
 ロダンと話しているとそんな気分にさせられちゃうねぇ」

「・・・・・『エクリプス』?」

話の流れが少し変わったのを感じる
明け透けに言えば、先程までの会話ではとくに目新しい『情報』は出てこなかった
確かに、『アリーナ』についての知識は自分の推測が多分に含まれていたため、
ここで確証のある『話』を聞けたのは面白かったのだが、あくまでも裏付けに過ぎない

新しく出て来たその『名前』にほんの少し、好奇心が刺激される

「『悪事を行う集団』・・・・つまり、スタンド使いの『犯罪組織』という事かな?
 この町にそんな連中がいて、『悪事』に邁進している・・・・?
 俄かには信じられないねぇ、いつも見ている『Webニュース』でもそんな話を聞いた覚えはないし・・・でも」

面白そうに口元を歪ませる

「でも、本当にそんなものがあるとすれば・・・・面白い
 ねえ、もう少しだけ『ネタ』になりそうな話を教えてくれないかな?」

459関 寿々芽『ペイデイ』@『フニクラ』:2021/06/28(月) 01:14:02
>>458

「『犯罪組織』――――『だったらしい』です。
 聴いた話では詐欺とか、放火とか…………殺人、とか。
 スタンドで犯罪をすれば、『事件』として報道もされません。
 私も、詳しくは、知らないんですけど……ねえ。
 今はもう、『組織自体は無くなってる』そうですよ。
 アリーナの人たちが、組織を上げて、倒したんです……って。
 だから……悪事を今どこかでは、してないんでしょうけど」

「その残党は、今も、どこかで息をひそめているんですって」

少なくとも、テレビニュースはそんなことを報じない。
噂好きのウェブメディアも、そんな話をまとめてはいない。
だが、関の目には、口調には、確信らしきものがあった。


「――――あくまで、噂ですよう?」


「アリーナの人だって、全部正しいとは限りませんので〜。
 でも…………怖いですよ、ねえ?
そんな組織の残党が、こっそり暮らしてて」

         ズイッ

また少しだけ、半歩だけ、足を進めた。

     「――――今、あなたの目の前にいます!
           
      ……なあんて、事になる事もあるんですから。
       ふふ。もちろん、これも冗談ですよう〜」

テロリストの残党が大規模に捜索をされる、
海外のそんなニュースは、他人ごととして時折目にする。
――――だが、この町もにまた、傷痕の上に潜む何かがいるのだとすれば。

                        フィクション
                 ・・・それは、うそのようにおそろしい事だろう。

460三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2021/06/28(月) 01:23:48
>>459

「なるほど、『エクリプス残党』の噂・・・・ねぇ」

     フィクション
例えば、『漫画』ではその手の設定は珍しくもない
しかし、現実にそういった『組織』が存在していて、今もどこかで牙を研いでいるとしたら?
普通に暮らしている人間は恐らくその事実に怯えるだろう

だが、三刀屋は少しだけ違った

(面白い・・・じゃないか)

実際に被害者が出ている『事件』に対してこう思うのは不謹慎だろうが
『興味』を抑えることは出来ない・・・・ 続く話を聞こうと口を開いたところで

>     「――――今、あなたの目の前にいます!

「ふっ・・・・ふふふ! 人を驚かせるのが上手いねぇ、関さん
 でも、確かにこの『話』は面白かった!
 年甲斐もなく、ドキドキしてしまったよ・・・・うん!」

「今の僕なら、『献血』にも協力できそうだ」

そんな事を言いながら、隣に控えた『ブラック・アンド・ホワイト』が右手を差し出す
『好奇心』と『興味』でドキドキしている今なら『強い感情が乗った血液』を提供できるだろう

461関 寿々芽『ペイデイ』@『フニクラ』:2021/06/28(月) 02:06:52
>>460

三刀屋の心情を把握は出来ないし、把握しても理解は出来まい。
だが――――重要なのは『感情を引き出せたかどうか』なのだ。
それがどのような種類の感情でも、極端な話で言えば問題は無い。

(それでも……良くない感情を血に載せるよりは、
 少しでも良い感情を、加宮さんの力にしたくはありますけどね)

「ふふふ、こういうのは不慣れなんですけど……
 うわさ話。楽しんでもらえたなら、良かったですよう」
 
          『――――コノ場デ 感情ノ成果ハ分カラナイ』
          『ダガ 無意味ニハ ナラナイダロウ』

「それじゃあ…………」

          『――――注射器ヲ』
          『最後デモ ヤルコトハ 同ジダ』
          『コノ血ヲ持ッテ』

「…………ええ。行きましょう。
 それじゃあ三刀屋さあん、ちょっとだけチクっとしますからねえ〜っ」

               ス ・・・
                        プツ

言葉通り――――ほんの少しの痛みと、献血そのもののような、倦怠感。
吸い上げられる『スタンドの血』と、フニクラを見比べ、関は伏し目がちに笑む。

 「……はいっ。これで採れました!
  三刀屋さん、改めてありがとうございました。
  今度、よければまた改めて、何かでお礼をさせてくださいねえ」

                            スト

             『血ハコレデ 足リルダロウ』
             『私カラモ 感謝ヲ 述ベサセテ イタダキタイ』
             『オカゲデ 私ノ 本体ハ キット助カルダロウ』

フニクラに血を入れた注射器を納め直し――三刀屋にお辞儀をして、それから持ったビラを小さく畳んだ。

462三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2021/06/28(月) 09:28:49
>>461

「あまり痛くしないでおくれよ、健診の採血も苦手なくらいで・・・・・あ痛!」

プスッとほんの少しの痛みだが、思わず目を瞑ってしまう
『採血』により、一瞬めまいのような感覚が三刀屋を襲うが、すぐに元に戻る

「ハハハ、この『献血』で救える人がいるならお安い御用だよ
 それじゃあ、関さん、この辺も少し物騒になってきているみたいだからさ
 君も変な奴に襲われないように気を付けなよ」

手に持ったビラをひらひらと振りながら言うと、
三刀屋はそのまま、手を振りながら家へと帰って行った

463関 寿々芽『ペイデイ』@『フニクラ』:2021/06/28(月) 23:15:03
>>462

「あ! 刺し方が悪かったかしら……
 すみませえん三刀屋さん、痛かったですね〜。
 また今度、何かで、お詫びの方もさせてもらいますので……」

           ペコリ

「ええ、こういう変な人に襲われないように、
 明るいところを歩くようにします〜。
 それでは、また……あ、三刀屋さんも帰り道にはお気を付けて!」

      「それじゃあ」

           「……行きましょう。
            ううん、『帰り』ましょう――――フニクラ」

ビラをエプロンのポケットに入れつつ、
その場を立ち去り、向かう先は――――

【ミ】『ワックワーク・フィールドワーク』【場】に続く。
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1617983099/

464ラフィーノ石繭『ミスティカル・ガイド』:2021/07/03(土) 13:14:40
「そして『死神のタロット』……
 これまでの結果から総括すると明日にでも死にますね!!」
 
  ヒエ~ッッ ソ、ソンナア

「実際のところ死というのは言い過ぎですが…
 非常に良くないです。仕事が順調なのでしょう…?
 …どこかで恨みでも買っていらっしゃるのでは?

 ところで、このパワーストーンを買うことで
 『運勢』を変えることができるかもしれません
 原理?えっとそうですね……
 じゃあ、負のエネルギーを反射できるって事にしておきましょう…
 ……買わないと死にますねご愁傷さまでした!!」

  ヒエ~ッッ カ、買イマス

「ふふふ…しめて****円になります…ありがとうございました………」

『八卦』『高次元の意識』『運命視』と書かれた看板。
小さな机に腰掛ける、小柄な女の『占い師』。

465眠目倫『ノワール・デジール』:2021/07/03(土) 17:30:51
 近くの店『Quince Nail』から黒髪ショートヘアの女性――眠目が出てきた。
 買い物にでも行くつもりだったのだろうか。手には財布を持っている。
 その指先には薄灰色のネイルにビジューが光っていた。

 眠目は道端で『いい商売』をしている女性に目を引かれたようで、立ち止まる。

 眠目は『ネイリスト』であり、客にはどうしても女性が多い。『占い』を好む顧客も当然いる。
 それ故に、気になったのだ。

>>464

「こんにちわぁ。『占い』ですかぁ?
 私もこのあたりで商売をしているもので、ご挨拶をと思いましてぇ」
「そこのお店、『Quince Nail』の眠目(サッカ)といいますぅ」

 そう口にしながら笑顔を向け、そして言葉を続ける。
 この女性が『商売仲間』として『共存共栄』ができる相手かどうかを見極めようと。

「もしよろしければ、占っていただけませんかぁ?」

466ラフィーノ石繭『ミスティカル・ガイド』:2021/07/03(土) 19:05:08
>>465
「『ラフィーノ石繭』と名乗っております
 ……が、気軽に『まゆ』とでもお呼びください。」

 「実は私。向こうのの。奥のさらに奥の。カレー屋とか雀荘とか抜けたあたりで。
  店を構えているのですよ…『En la steloj』と言うのですが」

 「ふふふ、一緒ですね。仲良くしましょう?」

幾何学模様の描かれた緩いドレス。白っぽい髪に紫のメッシュ。
大きな帽子のつばをめくり、眠目を見て笑いかける。
形のバランスなのか色素の具合なのか、
よく光を拾う、なかなか綺麗な眼をしている。

 「さあ、座って座って。やりましょう!
  おなじ横丁の方ですもの。サ―ビスしますよ」

椅子を手で示している。
ネイルはあまり派手ではないナチュラルっぽい感じのやつ。

467眠目倫『ノワール・デジール』:2021/07/03(土) 19:36:19
>>466

「『En la steloj』の『まゆ』さんですねぇ。
 実は雀荘のあたりはあまり詳しくなくてぇ、今度そちらまで行ったら探してみます。
 改めて、同じ歓楽街の仲間としてよろしくお願いしますぅ」

 眠目はそう言いながら椅子に座る。
 目線の高さが合って、まゆさんの紫がかった灰色の瞳がよく見える。

――紫の目はぁ、緑の目よりも稀少なのに…こんなところで出会えるなんてぇ。

 世界に2%しかいないと言われる緑の目。それよりも更に稀有な紫がなんとも魅力的で、眠目はまじまじと見てしまう。

「まゆさん、素敵な目ですねぇ」
「やっぱりぃ…占いをされる方は、神秘的な瞳をされていたりするんですねぇ…」

468ラフィーノ石繭『ミスティカル・ガイド』:2021/07/03(土) 20:43:20
>>467
「綺麗な眼とはよく言われます、ただ」
「占い師だからこうかと言うと…私くらいではないですかね」
「私は少し亜流の占い師でして そのぶん誠実なつもりではいます」

『まゆ』も君をまじまじと見ている。観察しているようだ。

「………」
「……初めてよろしいですか?」
「占星術、タロット、いろいろ出来ますよ」
「お名前、誕生日、相談したい事など教えてもらえますか
 もちろん、無理にとは言いませんけれど」

469眠目倫『ノワール・デジール』:2021/07/03(土) 20:55:15
>>468

「あ、すみません。ついつい綺麗な瞳だったものでぇ」

「占いの種類は正直あまり詳しくないのでぇ、お任せします。
 名前は眠目倫(サッカ リン)、誕生日は11/8の蠍座でAB型です。
 ……相談したいこと、そうですねぇ。『待ち人』について占っていただけますか?」

 眠目は少しうっとりした様子で『待ち人』と言う。体温もほのかに上がっていそうだ。
 なにも知らない人が見るのであればおそらく『想い人』のことを考えているように見えるかもしれない。

――この街で、理想の目玉を見つけられたらぁ…幸せよねぇ…。
――まゆさんの目玉もとても素敵だけどぉ…。

470ラフィーノ石繭『ミスティカル・ガイド』:2021/07/04(日) 12:55:02
>>469
「わかりました。では『視て』いきましょう…」

 『まゆ』の瞳がちらりと光り、

「十一月八日… 11・8 
 ……漢数字でも英数字でも『上下左右』に『対称』があります」
「よって『強いエネルギーがある』とされる日ですね
 『エネルギッシュ』、『情熱的』、『夢中』…………」

  ドシュ

 突如、輝く水晶のような目をした『人型ビジョン』が出現!
 この占い師…『スタンド使い』だ!
 そいつは首を小刻みに動かしながら、眠目をまじまじと見ている…

「…………言われたことありますか?そういう言葉…」
「なるほど… そして『待ち人』」
「この誕生日の人は『理想が高い』とされます…
 だから、あなたも大物の『一本釣り』を狙うタイプの人………」

『スタンド』は、グリグリと君の全身を舐めるように見る……

471眠目倫『ノワール・デジール』:2021/07/04(日) 13:28:37
>>470

「ふむふむぅ、『強いエネルギー』…面白いお話ですねぇ。
 ……確かに、『そういうの』とは、縁があるかもしれませんねぇ…」

 眠目は『まゆのスタンド』に目を向ける。
 スタンドにこちらを見られているのを感じる。なにか自分の格好に変なところがあるのだろうか。
 人の装いに関わる身として、ある程度整えていると自負しているが…。

 肩口で揃えられた黒髪は前下がりのショートヘアで顔の形を細く見せているだろう。
 気怠げな黒い目にはエクステされた睫毛が影を落としている。

 服装もそんな変なところはないはずだ。
 上はグレーのカットソー、透け感のある白のシアーシャツを羽織っている。
 下には細身のデニム、ビジューのついた夏仕様のサンダルとすこし暑い今の季節を意識したものだ。
 ペディキュアは手の爪と揃いのものがされていて統一感がある印象があるだろう。

「確かに…。
 私の『理想』はちょっと日本では叶えられないくらい高いかもしれませんねぇ…。
 それは…世界にどれくらい『ある』のかどうか、ですしぃ…」

 相変わらず体温はほのかに高い状態を継続している。
 まだ見ぬ『理想』にときめいているんだろう。

472ラフィーノ石繭『ミスティカル・ガイド』:2021/07/04(日) 18:50:15
>>471
「…………エネルギー的な奴が ええ はい 」
「え〜…と 
 眠目さんにはね エネルギーがね ございますね」

君の様子や目の動きを見ながら、
若干戸惑っている様子…
…『エッ!こいつスタンド使いか!?』という雰囲気。

「あなたの前世……『双子の王』と言われるようなものですね
 2つの人物がバランスをとっている…
 しかし王になれるのはどちらか一人……」

「…『理想』………何か我慢してらっしゃりません?」
「曝け出していっても良いかと思います 
 存外、それについてきてくれる人も見つかりそう……」
「『待ち人』は。なかなか困難ですが。
 『友達』はたくさん見つかるかも」

「……とまあ。そんな所ですね 
 如何でしょう?ガッカリされてませんか?」

473眠目倫『ノワール・デジール』:2021/07/04(日) 19:19:04
>>472

 やや戸惑っているようなまゆさんを見ながら眠目は笑みを深めた。
 動揺は目に現れる。紫がかった灰色の目が揺らぐのが楽しいようだ。

「我慢…。そうですねぇ。
 私の『理想』は一般の方からすればそれにそこまで執着するのかと思われるもののようでしてぇ…。
 我慢しているといえばぁ、とてもしている…ということになるのでしょう」
「曝け出してしまったらぁ…逃げてしまう方もいらっしゃるかもしれませんし…」

 そう言ってまゆさんの目を強く見つめて、声に出さずに口だけを小さく動かす。


「(例えば、貴方の目玉が欲しい、とか)」


 一度口を閉ざし、また口を開いた。今度は声に出して。

「がっかりなんてしていません。
 とてもぉ、楽しい時間を過ごせました」

――『スタンド』を使ってはいそうだけどぉ、変な占いではなさそうだし…。
――もっと、この人の目玉が生きて、揺らぐところを見てみたい…よねぇ。

 そして、財布からお金を取り出して、渡してから話をもう一つ続ける。

「あのぉ、それとすこし『ビジネス』の提案なんですがぁ…。
 うちと、『提携』しませんかぁ?」
「まゆさんに妖しい雰囲気の『ネイル』を提供したりできるでしょうしぃ、
 互いのお店のチラシを置くのもいいでしょうし…」
「うちの顧客にはぁ、『占い』を好まれる方も多いので、
 『ラッキーカラー』とか、ネイルで提供できたら楽しいと思うんですよねぇ…」

「いかがですかぁ?」

474ラフィーノ石繭『ミスティカル・ガイド』:2021/07/04(日) 20:12:39
>>473
いぇ〜〜〜い!まゆです。
終わり近いしモノローグぶっこんでくわよ。

占い師!様子を見つつ暗記してる事とか適当言うだけの仕事!
前世とか誕生日で人生が決まってるって、『ハ?』って感じよね。
とにかく、通りにあるネイルサロンの人の占いをしてたりしたんだけど…
……視線がヘンだぜ!!ちょっとちょっと、こいつ『スタンド使い』?
スタンド使いは苦手だ…だって私の手品の種がバレるし…オカルトだし…

 >「(眠目さんがなんかよくわかんないけどなんか呟いてる)」

  ゾゾゾゾゾゾゾゾ

強烈な『寒気』!!!これが殺気!?
こいつに近づくな!と私の第六感が………
……いやありえない…そんな感覚人間にない…
…つまり気のせいね!!ワハハ!

 「そうですか…満足いただけたなら、よかったです」

お代をいただきがてら、ガッ! と腕を組む。

 「ふふふ…こんな稼業ですが。
  商売の話は好きですよ それとお洒落な女性も。」
 「……『提携』しましょう!」

こんな近場にサロンあるなら、腕次第では懇意にしたいしね。
爪とかキャバやってた時以来だ。懐かし。
わたしの本能的な部分がアラートを訴えてる気がするが、
いやいや本能とか気なんてオカルトだし。気にしな〜い。

475眠目倫『ノワール・デジール』:2021/07/04(日) 20:46:04
>>474

 眠目は急に手を捕まれてすこし驚いて笑みを崩した。が、すぐに元の笑みに戻る。

「それはぁよかったです。
 ではぁ、連絡先を交換しましょう」

 スマートフォンを出して、交換をする。
 そしてスマホの時間表示を見て、なにかに気付いたような表情をした。

――そうでしたぁ、買い物に出るんでした…。

「とてもぉ有意義な時間を過ごさせていただきました。
 是非、いつでも気兼ねなくお店にいらしてくださいねぇ。
 占い師に向いたネイルチップを作ってぇお待ちしています」

「それではぁ、また」

 特に呼び止められなければそのまま眠目は席を立ち、歩き去っていくだろう。

――いい目玉をした『友達』ができましたぁ。
――これからも、占い通り、きっとたくさんの『友達』ができますねぇ。

――またぁ、あの目玉を見るのが楽しみです。

476喜古美礼『ビトウィーン・2・エンズ』:2021/07/05(月) 23:18:16
場所については縛られるのならば、時刻くらいは私が決めよう。

〇 ● 〇 ● 〇 ● 〇 ● 〇 ● 〇 ● 〇 ● 〇 ● 〇 ●

『17時38分』の『歓楽街』は、しとしとと囁く雨の街だった。
『マンホールから出てきた男』、『鬼ごっこする光の子』。
いずれもこの『歓楽街』で出遭った『思い出』であった。

この『歓楽街』は、いつも刺激的な光景を内包している。
それを切りとるべく、いわば『過去の残滓』の匂いのようなものを嗅ぎつけようと
私はこの付近を、季節はずれの蛍のようにフラフラとうろついていた。

時々、『これは』と思う箇所で『球体』を展開し、
ほんのすこし前の『過去』を掘り起こす。

なにかに逢えれば『儲けもの』。
そして、それが、『過去』でも、『現在』でも、
私の不安定な気持ちを埋めてくれるのであればかまわない―――

477宗像征爾『アヴィーチー』:2021/07/09(金) 01:19:06
>>476

           ザッ ザッ ザッ

無骨に響く安全靴の足音と共に、
前方から一人の男が近付いてきた。
カーキ色の作業服を着た中年の男だ。
夏だというのに、その両手は、
使い込まれた革手袋で覆われている。

      ザッ

『目の前の相手』を見て、男が立ち止まる。
瞳の奥に映るのは、
『燃え残った後の灰』を思わせる虚無的な光だった。
やがて、おもむろに男が口を開く。

「――『また会ったな』」

478喜古美礼『ビトウィーン・2・エンズ』:2021/07/09(金) 21:01:27
>>477

           ザッ ザッ ザッ


            「―――!」

『足音』にふりむくと、そこには何度か会った『マンホールの男』の姿があった。
―――ああいや、本当に会ったのは一度きりか。
    二度目は私が勝手に覗き見ただけだった。

『過去』で見た彼のことを思い出して、この場所にやってきたのは事実だが、
実際に彼に出会えてしまったのは想定外のことだった。
『スタンド使いは出くわしやすい』という彼の言葉がますます心に重くひびく。

私のすぐ傍で輝く『球体』は、光を帯びて『過去』を再現している。
しかしそれは『現在』となんら変わりのない町の姿。
実際のところ、私の『過去閲覧』は膨大な数の『空振り』でなりたっているのだ。

 「ええ………

          …………

                  ………今日も『お仕事』?」

『マンホールの男』の言葉に私もぽつぽつと言葉を返す。

この前もそうだったが、この男の前だと妙に言葉すくなになってしまうし、
年上の男だというのに敬語ひとつも出てこなくなる。
ある種の『警戒心』が働いているのか、それともまったく違う理由なのか。

私は自分自身のことさえ、正確には理解できてはいない。

479宗像征爾『アヴィーチー』:2021/07/09(金) 21:44:28
>>478

「――『違う』」

最初に会った時には、ベルトに『道具袋』があった。
それが今は見えない。
『仕事中』では無い事が窺える。

「あんたも『スタンド使い』だったな」

ここに来たのは『何か』を探す為だった。
それが何なのかは俺自身も知らないし、
あるのかどうかも分からない。
だが、仕事が無い日は他にする事が無い。
『時間潰し』と呼んでもいいだろう。
恐らくは同じような物だ。

「『それ』は何をしている?」

光る『球体』に目を向け、淡々とした口調で問い掛ける。
聞いたからどうだという事は無いが、
あるいは『何か』が得られるかもしれない。
ただ、それだけだ。

480喜古美礼『ビトウィーン・2・エンズ』:2021/07/09(金) 22:21:11
>>479

仕事中ではないという男。
それではこの恰好が彼の普段着というわけか。
その事実に私はすこしだけ面白みを感じてしまう。

「ああ………これ。
 これが私の『魔法』。
  ひとつ前の『夕暮れ』か『朝方』を、
   『過去』を『静止画』みたいに映し出す力」

今、この『球体』の射程内では『現在』と異なる『過去』を再現できていない。
だが、『過去』と『現在』では、その『明度』に差がある。

今再現しているのは『15時18分』。
少しずつ夜の気配が漂い始める今と比べれば、
『球体』を中心とした『1mの球状の射程』が、
やや『明るさ』に満ちているのに気づけるはずだ。

「じつは少し前に、あなたのことをこれで見つけたよ。
 この付近で。なにか悩んでそうな表情だった」

 ・・・・・・・・・・・・・・・・

『能力』のことや、相手を見つけたこと。
それはきっと『隠しておいた方がいいこと』だ。
それを気軽に話してしまってもいい気分なのは、
『夕暮れ』の曖昧さがもたらす不安定のせいなのか―――

やっぱり私は自分自身のことさえ、正確には理解できない。

481宗像征爾『アヴィーチー』:2021/07/09(金) 22:51:12
>>480

「――『変わった能力』だ」

一通りの説明を聞き終えてから、簡潔な感想を口にする。
『アヴィーチー』を引き出されてから、
『自分以外のスタンド』には何度か出くわしてきた。
そう多い数でも無いが、
こういった種類の能力を目にしたのは始めてだ。

「あんたが見たなら、そうなんだろうな」

しばらく前、この辺りで考え事をしていた覚えはあった。
それに関しては一応の結論を出している。
俺に出来るのは、『あれ』が役に立った事を願うだけだ。

「『俺の血』が『誰かの体』に入る事について考えていた」

「いや――厳密には『入った』と言う方が正しい」

そこまで言って、不意に『左手』を見下ろす。
『献血』を頼まれた時、
俺は『右腕』ではなく『左腕』を差し出した。
『アヴィーチー』の『右腕』は、人の命を奪った腕だ。
せめてもの配慮のつもりだった。
だが、『入った物』は同じだ。

「『そうするべきだったのか』という事だ」

482喜古美礼『ビトウィーン・2・エンズ』:2021/07/09(金) 23:07:48
>>481
そういえば、まともに『スタンド能力』を教えたのは初めてだったなと思う。
そして、相手が『スタンド使い』だと知ってから本格的に交流するのも初めてだったかもしれない。
つまり貴重な時をいま私は過ごしているという事になる。

「『血が入る』………?
 それがあなたの能力なの?
  それとも言葉どおりの、『献血』かなにかの話?」

この男の話は、正直すこし読みとりづらい。
『話の核』のようなものは理解できるが、前提条件が不足していて返答に迷う。
ただ、『過去閲覧』で『静止画』だけだった風景が
具体的な説明で補完されるという体験は非常に興味深いものだ。

「いずれにせよ、あなたがその時、『するべきだ』と思ったのならそれでいいと思うけど」

そんな中でも一応の私なりの答えを提示してみる。
『悩んでいる』というほどでもないのかもしれないし、
年上の男にわざわざアドバイスめいた事など必要ないのもしれないが―――

483宗像征爾『アヴィーチー』:2021/07/10(土) 00:21:08
>>482

「『俺の能力』では無い」

「『血を採るスタンド』を持つ人間と出会った。
 そいつは『本体』では無いが、
 本体の命を救う為に『スタンドの血』が必要だったらしい」

『フラジール』と名乗った女。
それが何者かは知らない。
思い返すと妙な女だったが、
少なくとも話が通じたのは幸いだった。

「――そうか」

受け取った答えを噛み締めるように呟く。
そして、何かを考えるように両目を閉じた。
少しの間を置いて、再び目を開く。

「俺の能力は『復讐』だ」

         ズズ

不意に、自らの傍らに『アヴィーチー』を発現する。
右腕に『ノコギリザメ』の意匠を持つ人型のスタンド。
以前と違うのは、その腕から長大な『鋸』が伸びている事だ。

「『傷を負わせた者』を追い、
 『それ以上の傷』を与えるまで止まらない」

自身の『能力』を告げた後、そこで言葉を切る。

「あんたは俺に能力を教えた。だから、俺も能力を話した」

「それだけだ」

例え些細な事であっても『義理』は果たす。
『恩』であろうと『仇』であろうと。
俺の中には、まだ『それ』が残っていたらしい。

484喜古美礼『ビトウィーン・2・エンズ』:2021/07/10(土) 01:11:39
>>483
「『スタンドの血』?
 そんなものをとれる能力があるのね」

『スタンド能力』というものは本当に多種多様だ。
私の『魔法使い』にも『血液』が流れているということなのだろうか?
本体の命を救う………なるほど、それにこの男が協力したというわけか。


「それで、あなたの能力は………『復讐』?」

そして、その言葉とともに男の『スタンド』が発現するのを確認した。
その姿自体は以前も見た事があったが、目を惹くのはその『鋸』。

男の説明を聞くと、『復讐』という言葉の意味が飲み込めた。
『人を傷つけること』が前提の能力。
『スタンド能力』はその者の『精神の発露』だと聞いたような気がするが、
彼の『精神』の本質がそこにある、という事なのだろうか。

「………あなたはその能力を、その、思うように、使えているの?」

私は、つい、そんなことを訊いてしまう。

男が『復讐』のためにこの能力を使ったのか。
そうでなくても『人を傷つける』ような日常を送っているのか。

私は彼に、真夜中のような『深い闇』のようなものを感じている。
私の曖昧な気持ちを吹き飛ばすために、その一端にふれてみたい―――
そんな思いからの質問だった。

485宗像征爾『アヴィーチー』:2021/07/10(土) 20:31:58
>>484

「『使おう』とはしている」

人間と同じように、スタンドにも向き不向きが存在する。
『アヴィーチー』の能力が得意とするのは『殺傷』。
逆に言えば、『それ以外』に出来る事が無い。

「少なくとも、今までは『そう使ってきた』」

道具には、それぞれ適した使い方がある。
寸法を測る時には『スケール』を使う。
ボルトを締める時には『レンチ』を使う。
では、『アヴィーチー』に適した使い道は何か。
傷付ける事と殺す事だ。

「『アヴィーチー』――」

傍らに立つ自らの『精神の象徴』を一瞥する。

「それが『こいつ』の名前だ」

『エクリプス残党』の『五十嵐』と『下村』。
二人を殺したのは『アヴィーチー』の能力だ。
『地獄』が実在するとしたら、奴らは今そこにいるのだろう。

「『名付けた人間』によると『無間地獄』という意味らしい」

『それ』があるとすれば、俺が行き着く先も同じ場所だ。

486喜古美礼『ビトウィーン・2・エンズ』:2021/07/10(土) 22:30:35
>>485

「………」

訥々と語られる男の言葉を、私はひとつひとつ噛みしめるように受けとめる。
『無間地獄』という意味を纏うスタンド、『アヴィーチー』。
その能力と名から導きだされる『使い道』は、穏やかなものではない事は確実だ。

「………今までは『そう使ってきて』、
     そして、これからも『使おう』としている、という事なのね?」

『スタンド』―――実にさまざまな可能性をもつ『超能力』。
だが、この男のように限られた用途に特化した能力もある。
『殺傷』のために先鋭化した能力を実際に用いて、
おそらくは人を害することで生きてきた男。

こんな男とは本当は関わるべきではないのだろう。


「―――ところで、『ビトウィーン・2・エンズ』。
            これが私の能力の名前」

 それでもこの男に、興味を持ってしまうのはなぜだろう。

「どんな人間でも『結末』はひとつだけじゃあなくて、
 最後の最後まで、運命は揺蕩い続けている。
 たとえそれが、『無間地獄』を精神の名にもつ人間であっても。

 私はそう信じている―――
  『ふたつの結末の狭間』という意味をもつ精神が宿る人間としてはね」

 彼が今まで血塗られた道を歩んできて、
 どれだけの悲壮を抱えているとしても、
 誰かを救うために『血』を渡せるのならば、
 『結末』は変わり続けていくだろう。

 ここで私は男に笑いかけてみる。多少はひきつった笑顔でも構わない。
 そろそろ『陽』は落ち、表情の不具合なんか、闇に溶けていくだけなのだから。

487宗像征爾『アヴィーチー』:2021/07/10(土) 22:58:37
>>486

「――『結末』か」

耳に届いた響きを、無意識の内に反芻する。
俺の行く先は一つだけだと思っている。
『そうあるべきだ』と考えているからだ。
手を汚した人間は罰せられなければならない。
そうでなければ『筋』が通らない。

「そうかもしれないな」

だが、俺に『未来』を見る力は無い。
最終的に俺自身がどうなるかなど予想は出来ない。
相手の言葉を否定しなかったのは、そういう理由だった。

「今日ここで『話』をしてくれた事に感謝する」

        スッ

姿勢を正し、一礼する。
同時に、傍らに立つ『アヴィーチー』を解除した。
『何か』が見つかった事が、俺にとって最大の僥倖だ。

「『宗像征爾』――」

        ザッ

「それが『俺の名前』だ」

               ザッ ザッ ザッ

『自身の名』を名乗り、踵を返して歩き出す。
現れた時とは違い、今度は立ち止まらない。
やがて、その背中は夜の闇の中に消えていった。

488喜古美礼『ビトウィーン・2・エンズ』:2021/07/11(日) 18:15:08
>>487

彼の礼にあわせ私も、頭を大きくさげる。

年上の男にずいぶんと説教じみた事を言ってしまったかもしれない。
『陽』が落ち、冷静に冷えていく私の頭。
さきほどからの言動を反省しはじめているが、
しかし、それを取り繕うような事はしない。
そうすることはこれまでのやりとりを否定するような気がしたからだ。


               ザッ ザッ ザッ

 「私は、喜古、『喜古美礼』」

去りゆく背中に荷物を背負わせるかのように
私は自分の名を、彼―――『宗像征爾』に告げる。
聞こえただろうか? いや、聞こえなくてもかまわない。
それならばまた会ったときに伝えればいいのだから。

〇 ● 〇 ● 〇 ● 〇 ● 〇 ● 〇 ● 〇 ● 〇 ● 〇 ●

『暗闇』が周囲をおおい、
ふと鼻腔をつくのは雨あがりの町の匂い。
そういえばふっていたはずの雨はいつのまにか止んでいた。

雨は気まぐれで気軽だ。
通り雨のように生きていければどれだけ幸せだろう。
そんなことを思いながら私は、
男と同様、帰路につく。帰路につこう。

489御影憂『ナハトワハト』:2021/07/11(日) 22:33:46

      スタ スタ スタ スタ スタ………………

深夜の路地裏を歩く人影があった。
白いロングワンピースに長い黒髪の女だ。
前髪は顔の大部分を覆っており、
その容姿は『ジャパニーズホラー』を思わせる。

       「………………」

そういえば、最近この辺りで、
『幽霊を見た』という噂があるらしい。
屯していた不良の何人かが目撃し、肝を潰したという話だ。
本当に幽霊がいたとしたら季節など関係ないのだろうが、
今は確かに『相応しい時期』ではある。

       ――――――ピタッ

まもなく女が立ち止まり、周囲を見渡す。

490御影憂『ナハトワハト』:2021/07/14(水) 16:34:17
>>489

(………………誰もいない)

ここして真夜中の路地裏を歩き回っているのは、
『恐怖』を与える『獲物』を探すためだった。
しかし、今日に限って手頃な奴が見つからない。
少し脅かし過ぎたか?

(『いい場所』だったのに………………)

       スッ

(………………仕方ない)

進む方向を変え、歓楽街の表通りに出る。
そこなら人は多い。
とりあえず『脅かし甲斐のありそうな人間』を探そう。

491御影憂『ナハトワハト』:2021/07/15(木) 19:19:47
>>490

夜の歓楽街を、一人の若者が歩いていた。
その風体や深夜に出歩いている所から、
いわゆる『非行少年』である事が窺える。
やがて、彼は一本の路地に差し掛かった。

「――――?」

若者の視線は、自然と路地の奥へ向けられた。
そこに『女の後ろ姿』が見えたからだ。
白いロングワンピースを着た髪の長い女だった。

           スッ

まもなく、女の姿が視界から消えた。
角を曲がり、その向こう側へ歩いていったようだ。
同時に、若者の脳裏に、
『仲間から聞いた噂』が思い起こされる。
この辺りで『幽霊』を目撃した者がおり、
肝を潰して逃げ帰ったという話だ。
内心馬鹿馬鹿しいとは思ったが、
単なる間違いだと切り捨ててしまうのもつまらない。

(…………確かめてやるか)

       ザッ

ちょうど暇を持て余していたし、
『度胸試し』をしたい気分でもあった。
若者は女の後を追い、細い路地に足を踏み入れる。
入ってみると、思った以上に暗い。
表通りはネオンの明かりが眩しいくらいだが、
ここは別世界のようだ。
『闇』に包まれた路地裏は、
街の喧騒とは打って変わって静まり返っている。

(――――どこに行った?)

路地を進んでいくと、すぐに『異常』に気付いた。
そこは袋小路になっている上に、
身を隠せるような場所もない。
それにも関わらず、女の姿が見当たらないのだ。
まるで煙か何かのように消え失せてしまっていた。
『まさか』――心の中に得体の知れない『疑念』が生じる。

          スタ スタ スタ………………

突如、背後で『足音』が聞こえた。

492御影憂『ナハトワハト』:2021/07/15(木) 19:29:47
>>491

「チッ、何だよ…………」

一瞬、背筋にゾクリとしたものを感じながら、
それを打ち消すように舌打ちする。
別にどうという事もない。
誰か別の人間が入ってきただけだ。
『あの女』の行方は分からないが、少なくとも、
後ろから来るのは『普通の人間』だろう。
そう考えた若者は、路地裏から立ち去る事にした。
『消えた女』に不気味さを感じた事もあるが、
『背後から来る人間』を確認したかったのだ。
『生きている人間』を見る事で、
自分を安心させたかったのかもしれない。

      ザッ ザッ ザッ

歩き出し、路地の角を曲がる。
そこに『足音の主』が見えるはずだった。
しかし――――。

           「…………?」

若者は首を傾げた。
『誰もいない』。
確かに先程まで足音が近付いていたはずだ。
こちらからも接近していたのだから、逆戻りする時間もない。
これは、まるで『さっきの女』と同じ――――。

              「………………ねぇ」

不意に、耳元で『声』がした。
『闇の中』に『誰かがいる気配』を感じる。
その瞬間、若者の全身が凍りついたように硬直する。
いや、気のせいだ。
建物の間を風が通り、
その音が声のように聞こえているんだろう。
そう言い聞かせようとした。
だが、『声』は尚も語り掛けてくる。

  「………………『見えてる』んでしょ?」

                 「ねぇ………………」

       ――――ダッ!

次の瞬間、若者は金縛りから解放された。
『闇』に閉ざされた路地から抜け出そうと、
脇目も振らずに走り出す。
だが、慌てたせいで足がもつれ、バランスを崩してしまった。

       ドサァッ

             「ってぇッ…………!」

うつ伏せに倒れた若者が、地面に両手をついて体を起こす。
いつの間にか『背後の気配』は消えていた。
早く逃げなければ…………。

     「――――――『逃がさない』」

          バ サ ァ ッ

顔を上げた若者の視界に、『長い黒髪』が垂れ下がった。
そして、同時に目撃した。
顔の大部分を覆い隠す前髪の隙間から、
恨めしそうな目で自分を見下ろす『女の生首』を。

「――――…………ッ!!」

若者が発した悲鳴は、表の騒がしさに掻き消された。
御影憂は『獲物』の『恐怖』を食らう。
『夜の狩り』は、まだ始まったばかりだ。

493甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2021/07/17(土) 08:56:18
コンビニ

「…」

瓶牛乳を片手でいくら掴めるかチャレンジ

494甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2021/07/18(日) 06:34:59
>>493
3本掴み成功

身長が低い事を気にしていたあま公は
おばあちゃんが言っていた通り牛乳をいっぱい飲んだ
しかし…

いくら飲んでも身長は上がらない上に、
牛乳の飲み過ぎで骨が弱くなってしまった!

495天之 月夜『レンブラント』:2021/07/26(月) 10:25:45
キラキラと光るネオン街
銀色の瞳の右目・金色の瞳の左目
長くて黒い髪の中学生くらいの少女が

ドサッ

ぶっ倒れた

496氷山『エド・サンズ』:2021/07/26(月) 17:34:32
詳細↓
【対応してくださる方々へ】
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1617983099/150-151

>>495

連日の夏休み気分で浮かれに浮かれる氷山
今日は『夏祭り』にでも繰り出すかー、とばかりに意気揚々と街を歩いていたら・・・・

>ドサッ

「えっ? ど、どうしたんですか?」

目の前で中学生くらいの女の子がぶっ倒れてビックリした
素に戻って慌てて彼女のところに近づく
ちなみに服装は浴衣姿だ 夏祭りに行く途中だったので

497天之 月夜『レンブラント』:2021/07/26(月) 17:55:32
>>496
>【対応してくださる方々へ】
了解しました、お手柔らかにお願いします…

慌てて少女の元へ近付いてきた氷山
その時

ガシッ

氷山の足を掴むゴスロリ少女
無表情に氷山を見上げて

「お腹 空いた」

498氷山『エド・サンズ』:2021/07/26(月) 18:12:27
>>497
ま、まあ、別にそれ程気にしなくても大丈夫かと思いますので・・・・

ガシッ

       ビクッ!

近づいたら足を掴まれた
滅茶苦茶びっくりして思わず足を引く

「え、あ・・・ ああ、なるほどお腹が・・・・
 お腹が痛いとか、吐き気がするとかそういうのじゃなくてですか?」

ずっと見上げ続けるのも疲れるだろうと
腰を落として視線を下げる

499天之 月夜『レンブラント』:2021/07/26(月) 18:21:02
>>498
氷山が足を引けば、簡単に外れる少女の手

むくり

力無く立ち上がる少女

「違う」

何を考えているのか分からない、銀と金の眼が
氷山の眼をじっと見つめる

ほんの数秒、氷山を見つめた後
背を向けてよろよろと歩き出すも

ドサッ

「だめ」

再び倒れる少女

グゥ〜

500氷山『エド・サンズ』:2021/07/26(月) 18:47:13
>>499

「え、えぇ〜〜〜〜っ!?」

いくらお腹が空いたとはいえ、流石にここまで空腹の子は見た事がない
とはいえ、ここでこの子を置いていくわけにもいかず・・・・

   ワーワー
        キャーキャー

そんな中、祭囃子の音とおもに粉物のいい匂いが漂ってきた
大通りに店を出している『屋台』の匂いだろう

「う〜〜〜ん・・・・・よし!」

こうなったらとことんまで付き合ってやろう!

「ほらっ 乗ってください」

月夜に背を向けると腰を落とし、両手を下に差し伸ばす
『おんぶ』の体勢だ!

501天之 月夜『レンブラント』:2021/07/26(月) 19:00:52
>>500
『おんぶ』の体勢で月夜に背を向ける氷山
氷山からは見えないが、不思議そうな顔で氷山を見る

「いいの?」


無防備に背を向ける氷山の首に、
その手をかけ…


「ありがとう」

素直に氷山におぶさる

「あなたは優しい人 優しい人は好き」

「だから殺さない」

502氷山『エド・サンズ』:2021/07/26(月) 19:13:54
>>501

「まあ、ここで会ったのもなんとやらですし
 そこの屋台まで連れていくくらいはしますよー」

月夜をおんぶしたまま大通りに出る
大勢の人々が行き交う中で多少の衆目は集めるものの
スムーズに移動することが出来た

「あったあった、ほら、たこ焼きの屋台が・・・・」

>「あなたは優しい人 優しい人は好き」

>「だから殺さない」

「えっ? い、いやいや、優しくない人でも殺しは駄目じゃないですか
 そんな事よりも、お金とかちゃんと持ってます?」

祭で浮かれ気分の冗談だと思ったのか、月夜の発言は軽く流された
お金の有無を確認するが・・・・・

503天之 月夜『レンブラント』:2021/07/26(月) 19:33:55
>>502
食欲をそそる、たこ焼きのソースの匂いが漂う
でも「ソースより醤油味がいいなぁ〜」
などと我儘な事を想う月夜

「たこ焼き ちょっとだけ あれに似てる」

まん丸なたこ焼きは、
ちょっとだけ月夜の大好物に形が似ている

>お金とかちゃんと持ってます?

「忘れてきちゃった」
「お魚咥えたどら猫 おっかけてたから」
「愉快な月夜さん」

財布を忘れて来た事を冗談を交えて堂々と言い放つ月夜
折角連れてきてもらったが、金が無けりゃ意味が無い

氷山に掴まってる手を放し、だらりとした状態になる

「死にそ〜」

504氷山『エド・サンズ』:2021/07/26(月) 19:42:00
>>502

「えぇ〜? 醤油味をやってる店なんてほとんどないですよ?」

屋台料理は味の薄い醤油よりも濃いソースの方が好まれる・・・・のかもしれない
実際、しょうゆ味を売りにしている店は全然なさそうだ

「あー・・・・やっぱり」

考えてみてみればお金をちゃんと持ってるならこんなに空腹になる事もないだろう
仕方なく、自分の財布から1000円札を取り出して、店の人にたこ焼きを2箱注文する
普通の高校生ならかなりの出費になるだろう・・・


しかし、氷山はミッションマネーを『114万円』持っている

痛くも痒くもない

「そういえば、あなた名前は月夜っていうんですか?
 私は氷山(ひやま)って言います・・・・よろしく」

「ところで、あなた、どうしてあんな所で転がってたんですか? 家は?」

505天之 月夜『レンブラント』:2021/07/26(月) 20:05:30
>>504
あむっ

「あつい」

あっつあつのたこ焼きは、
月夜の舌を火傷させるには十分な威力を誇っていた

べーっ

舌を出して火傷を冷まそうとする

「おいひい」
「でも べにしょうがが 無い」
「紅生姜は いらない物かも知れない」
「でも あった方が 美味しい」

>しかし、氷山はミッションマネーを『114万円』持っている

最近の高校生は金持ちなんだなぁ…

>私は氷山(ひやま)って言います・・・・よろしく

「よろしく こおりやまさん」

ふざけているのだろうか…

「殺すために走ってた でも わたし燃費悪いから
 いっぱい走ると 死ぬほど疲れる」
「家は町の外にある 遺産があるからお金はいっぱいある
 たまにこっちに殺しに来てる」

「もっといっぱい食べたい 目玉とか」

506氷山『エド・サンズ』:2021/07/26(月) 20:18:31
>>505
>「よろしく こおりやまさん」

「・・・・もう!」

音だけでは勘違いしようがない勘違いをする月夜を窘める様に
一言だけ叱咤の言葉を口にする

「・・・・・殺すだの死ぬだの、そんな冗談はあまり口にしない方がいいですよー
 特にこんな人通りが多い場所だと、通りがかった人を誤解させたりしますし」

殺すだのの発言は、冗談の類だと思って聞いている
しかし、こう何度も当たり前の様にその手の言葉を口にする月夜に対して
少しずつ、表情が真顔になっていく・・・・

507天之 月夜『レンブラント』:2021/07/26(月) 20:45:25
>>506
「ごめんなさい」

その謝罪は名前を間違えた事にか、殺し発言の事か
いずれにせよ、恩人を不機嫌にしてしまった

「怒らないで 氷山(ひやま)さん
 わたしに出来る事なら 何でもやるから
 機嫌直して」

ポケットを弄り、何か持ってないか探す

「今はお金持ってないから
 これをあげる」

何か、無色透明の球体を氷山に差し出す

「キンメの 食べ残し 洗ったおいた奴」

508氷山『エド・サンズ』:2021/07/26(月) 20:59:33
>>507

「いいですよ・・・・謝らなくても 怒ってないですし」

    すねっ!

どう見てもすねっとした表情をして、目線が右上に逸れている
不機嫌だ どう見ても不機嫌だ

「あ、ありがとうございます!
 何かなー?」

と、そんな中、月夜から『何か』をもらった
右手の中に収めたそれを、指をゆっくりと開いて、確認する

  ゴゴゴゴゴゴ・・・・

掌の上には『無色透明の球体』・・・・柔らかくて・・・・濡れている
これは・・・・・?

>「キンメの 食べ残し 洗ったおいた奴」

「ひゃっ!」

思いっきり月夜に投げ返した!

509天之 月夜『レンブラント』:2021/07/27(火) 06:02:00
>>508
「あっ」

投げ返されてしまった透明の球体
パシッと球体をキャッチしてポケットに戻す

「駄目?」

ここまでずっと保ってきた無表情が崩れ
困り顔を見せる月夜

「恩人を怒らせちゃった お詫びしたいけど あげられる物が無い
 恩人には 恩返しがしたい どうすればいい?」

「ハラキリする?」

510氷山『エド・サンズ』:2021/07/27(火) 08:08:42
>>509

「ハラキリはしなくていいですよ・・・・」

引いた目で月夜を見つめる

「恩返しといっても・・・・ うーん・・・・
 あ、そうだ!」

何かを思いついた目で手を叩く

「これからお祭り巡りをしようと思ってるんですけど月夜さんも一緒にどうですか?
 実は勢い余って来ちゃっただけで、一緒に回ってくれる子が見つかってないんですよ」

511天之 月夜『レンブラント』:2021/07/27(火) 08:56:20
>>510
「それでいいの?」

無表情でワクワクした様子を見せる

「誰かと一緒に行くの 初めて 凄く楽しみ」

氷山の手を引っ張り、
早く行こうと急かすが

「あっ」

ピタッと動きが止まる

「お金無い」

自分が今、一文無しだという事を思い出す

「おサイフケータイ 使えない?」

512氷山『エド・サンズ』:2021/07/27(火) 20:17:00
>>511

「おサイフケータイ・・・・は
 流石に屋台とかだと使えないかも」

「ま、誘ったのは私ですからね
 今日はせいぜいエスコートして差し上げますよ、お姫様」

茶目っ気の籠った口調で言う
何せミッションマネーが『114万円』あるので財源が太いのだ

「じゃあ、まずはどこに行きます?」

513天之 月夜『レンブラント』:2021/07/27(火) 21:55:12
>>512
「凄く親切
 どうしてそんなに親切か分からないくらい」

今の世に、こんなに親切な人がいるとは
表情からは読み取れないが、心の中で感動する月夜

「いつか絶対お返しする」

受けた恩は返す
受けた怨も返す
それが月夜のポリシー

>じゃあ、まずはどこに行きます?

祭りの出店はたくさんある
どこへ行こうか迷ってしまう
きょろきょろと辺りを見渡し、目についたのは
ヨーヨー釣りの屋台だった

「あれやりたい 楽しそう」

514氷山『エド・サンズ』:2021/07/27(火) 22:19:44
>>513

「調子に乗り過ぎて一人でお祭りに来ちゃったからですよ
 ・・・・一人で来てもそんなに楽しくなかったから、つい」

そういう事らしい
今日は夏のテンションではしゃぎまわる・・・・そんな日なのだ

「ヨーヨー釣り! 懐かしいですね!
 子供の頃は一杯釣ったはずのヨーヨーが、朝になったら萎んでてがっかりしたものです
 おじちゃん! 『糸』ください!」

ヨーヨー釣りの『糸』を購入し、二人でやる事に・・・・しかし

 ぽちゃ! 
        ぽちゃっ!

「あれ? あれ?
 おかしいなあ・・・・昔はもっとうまく出来たはずなのに」

『糸』が次々に千切れて全然つれない!
月夜はどうかな?

515天之 月夜『レンブラント』:2021/07/27(火) 22:37:52
>>514
MISS MISS MISS

こちらも、氷山と同じくうまくいかない模様

「難しい でも楽しい」

失敗も楽しめるのが、祭りの面白い所だ

「でも釣りたい」

その時、一瞬だけ月夜の着ている服が『仄かに輝く漆黒のドレス』に変化した
そのドレスを着ている瞬間だけ、月夜は精密な手捌きでヨーヨーを釣り上げた(精B)
『レンブラント』を着ている月夜は、その間だけ精密動作性がBになるのだ

「釣れた 見て見て」

釣り上げたヨーヨーを楽しそうに振り回して氷山に自慢する
無表情で

516氷山『エド・サンズ』:2021/07/27(火) 22:57:03
>>515

「わっ・・・・ 凄い手さばき! さっきまでとは大違い!
 月夜さん、もしかして本当の力を隠して・・・・えっ!?」

  つんつん・・・・
          つんつん・・・・

隣に座る氷山は月夜の来ている『ドレス』を見て
つんつんと指で突こうとしている

「いつの間に着替えを・・・・?」

517天之 月夜『レンブラント』:2021/07/27(火) 23:12:27
>>516
「ん?」

つんつん つんつん

指で突こうとしている氷山を不思議そうに見つめる

「これ?」

自分の着ている『ドレス』を指差して

「早着替えは得意」

元の服に戻したり、『ドレス』に変えたりを繰り返して見せる
目まぐるしく変化する月夜の衣装

「姉さんを取り込んだ日に どこかのお姉さんに会いに行ったら くれた」

どこかの誰かからの貰い物、だそうだ

「追いかけるのに便利 凄く速くなれるから
 でも 凄く疲れる」

518氷山『エド・サンズ』:2021/07/27(火) 23:28:03
>>517

「ん? あれ? うん?」

瞬く間に変化していく月夜の衣装を眺めて目がぐるぐると回る
だが、一つ・・・・思い当たる『可能性』が存在していた
服装を変化させるタイプは初めてだが、『纏うタイプ』はかつての戦いで見た覚えがある

「ねえ、それってもしかして・・・・・『スタンド』 じゃないですか?
 どこかのお姉さんってもしや心の音を聞く綺麗なお姉さんだったり・・・・?」

「私にもいるんですよ、そういうの」

    ゾゾゾゾ・・・・
        ヴィジョン
氷山の背後から『人型の像』が出現する
和風の意匠を持つ、男性的なスタンドだ・・・・ その名前は・・・・・

 『「エド・サンズ」ダ・・・・ヨロシクナ』

スタンドが月夜に語り掛けて来た

519天之 月夜『レンブラント』:2021/07/27(火) 23:41:11
>>518
「『スタンド』?そうかもしれない
 綺麗なお姉さんだった わたしの事を知っても 余計な事しなかった」

>「エド・サンズ」

氷山の背後に現れた『人型』を見る月夜
彼女にとって、『人型スタンド』を見るのは初めてだ

「エド・サンズさん よろしく
 天之 月夜(あめの つきよ)です」

ペコリとお辞儀をする

無表情な目をパチクリさせながら、興味深そうに観察して

「凄くかっこいい わたしもこういうの 欲しい」

隣の芝生は何とやら
『人型』のヴィジョンを持たない月夜は
氷山の『エド・サンズ』がとても羨ましく思えた

520氷山『エド・サンズ』:2021/07/27(火) 23:50:37
>>519

『オウ! ヨロシクナ! ・・・・・サテ』

お辞儀に対して威勢よく挨拶を返す
そして、本体である氷山に耳打ちするような姿勢を取り・・・

『オイオイあきはヨォ・・・ナンダカ随分変ワッタ嬢ちゃんジャネエカ
 殺すダノ、目玉ダノ、物騒過ギルゼ・・・・』

「ん〜? そうですか?
 最近はそういうのが流行ってるのかもしれないじゃないですか、若者たちの間で」

『手前モ若者ジャネエカ!』

「いやだなぁ〜、学年が少し違うだけで全然別の文化ですよ
 ね、そうですよね、月夜さん
 月夜さんのクラスではこういう物騒なのが流行ってるんですよね?」

などと聞いてみる

521天之 月夜『レンブラント』:2021/07/28(水) 09:29:18
>>520
「わたしのクラスは アサシン」

真顔で冗談を言う月夜さん

「クラスはない 学校に行ってないから」

ヨーヨーをバンバンバンバンと乱暴に弾ませて遊んでいる月夜

パンッ

「あ」

すると、ヨーヨーが割れて月夜と氷山に中の水がかかってしまった

「水も滴るいい女」

濡れてしまってもあまり気にしない

「次 あれがいい」

そう言って金魚すくいの屋台を指差す

「美味しそう」

522氷山『エド・サンズ』:2021/07/28(水) 15:37:38
>>521

「あっ・・・・ そうなんですね」

ちょっと悪い事を聞いてしまったようなばつの悪さを覚える
何か事情があって不登校なのかなと思い、この話は切り上げる事にした

「あ!」     『オット』

     ビチャー!

避けるのが遅れて顔に水がかかってしまう
ぽたぽたと雫が垂れる髪を手櫛で梳かし水を落とす

「あ、あはは・・・・ねえ、月夜さん
 次はもう少しお行儀良くしましょうねー?」

などと窘めつつも、月夜の希望通りに金魚すくいに向かう

523天之 月夜『レンブラント』:2021/07/28(水) 16:18:27
>>522
>次はもう少しお行儀良くしましょうねー?

「ごめんなさい」

無表情で声に抑揚が無く、
本当に反省しているのか分からない

金魚すくいの屋台

普通のワキンに出目金、ミドリガメなんかもいる
水の中で泳ぐ彼らを見て

「煮付け 唐揚げ 鍋
 どれがいいと思う?」

じゅるりと涎を啜る音を立てる

「亀は捌くの 難しそう」

524氷山『エド・サンズ』:2021/07/28(水) 21:32:56
>>523

「よろしい」

本当に反省しているかどうかはわからない
でも、ちゃんと言葉に出して謝ってくれたのは嬉しい
そんな風に思った

「本当に食べたいんですか?
 確かに、釣った金魚を飼うのは大変ですけど・・・・食べても美味しくない気が・・・・」

525天之 月夜『レンブラント』:2021/07/29(木) 06:31:02
>>524
「金魚料理は 前に食べた事がある
 美味しかった でも
 プロの料理人が作った料理だった
 金魚すくいじゃなくて 食用に育てられた金魚だった
 これは美味しくないかもしれない」

氷山の一言で考え直したようだ

「あ あれ」

金魚の泳ぐ水槽の中に、何か別の物を発見する

「あれ欲しい 飼いたい」

何故か一匹だけ混じっているピラニアだ

526氷山『エド・サンズ』:2021/07/29(木) 19:24:55
>>525

「え、金魚って食べられるんですか?」

現代人らしく、スマホで調べてみた
一般的には食用ではないが、食用の金魚もある事はある、とか

「へぇー・・・」

調べている間に月夜の興味が別のものに移ったようだ
金魚に満ちた水槽の中に一匹だけいる別種の生物・・・・

「あれ? なんだか変わった魚がいますね?」

しかし、氷山は『ピラニア』の見た目を知らない!
『ご存知!』とか言われても知らないものは知らないのだ!

「よぉ〜し・・・・ここは私が・・・・!」

意気揚々とピラニアに挑みかかり・・・・・

   ポチャッ

 ポチャ!      ポチャッ!


だ・・・駄目だ・・・・・ッ!

527天之 月夜『レンブラント』:2021/07/29(木) 20:05:07
>>526
ピラニア狙いでスカりまくる氷山の隣で、
同じくピラニアに挑みかかる月夜

ビリィ(ポイの破れる音)

駄目だ、こいつ手強いぞ…ッ!
こうなっては仕方がない、金魚すくいの裏技を使うしかない

「もなかください」

528氷山『エド・サンズ』:2021/07/29(木) 20:21:58
>>527

     店主「悪いねーお嬢ちゃん、うちには紙のポイしかないんだよ」

がーんだな・・・・出鼻をくじかれた思いが月夜を襲うかもしれない

「こ、こうなったら『さんずさん』・・・・
 私がポイを水につけますので、『さんずさん』はそれに合わせて手を・・・・
 ふ、ふふふ・・・大丈夫・・・・・スタンドで何かしたところでバレなきゃイカサマでは・・・・」

『アァン・・・? オイオイオイオイあきはヨォ〜〜〜
 流石ニソレハ了承出来ネエゼェ〜〜〜〜ッ?
 お前ノ「イカサマ」ノ片棒ヲカツゲッテノカァァ〜〜〜〜〜ッ?』

氷山は氷山で自分のスタンドと仲間割れをしている

529天之 月夜『レンブラント』:2021/07/29(木) 20:34:03
>>528
「」

ショックで言葉も出ない
まさか、もなかが無い金魚すくいがあるなんて…
こんな事は生まれて初めてだ

横で自分のスタンドと言い争いを始める氷山
自分と喧嘩するとはいったい…

「氷山さん エド・サンズさん 喧嘩しないで」

二人の喧嘩を止めるには、やはり自分がやるしかない
ピラニアを掬い上げる、その瞬間だけ
衣服を『レンブラント』に変えて精Bの絶妙な手捌きで掬い上げる

「これあげるから 喧嘩はやめて」

530氷山『エド・サンズ』:2021/07/29(木) 20:49:57
>>528

『ダイタイ、コウイウ時ニズルイ事ヲシヨウトスルノハ、粋ジャネエンダヨ』

「むかっ 『さんずさん』といえどもその言い草はないと思います!」

ぎゃーぎゃーぎゃーぎゃーと言い争いをし始めるスタンドと本体
折角、この前『能力が前進』したというのに、このままじゃあ空中分解だ!
あわやコンビ崩壊の危機か、と思ったその時!

ヒュッ!
          ちゃぽ

『ピラニア』が月夜の手によって掬い上げられた!

「わ、わああああ! 凄いですよ月夜さん!」
『ホウ〜〜〜、ヤルジャアネエカ』

なし崩し的に仲直りだ! やったね!

「ところで、この魚ってなんていう魚なんでしょうか?」

魚の入ったお椀に指を入れようとする・・・・

531天之 月夜『レンブラント』:2021/07/29(木) 21:00:32
>>530
「それは ピラニア」

ピラニア「!」

ピラニアは映画等のせいで狂暴なイメージが浸透してしまったが
本来はとても臆病で大人しい性格だ
生きている人間を襲うという事は滅多に無い
だが、その臆病さ故に、水槽に手を突っ込むと、
パニックを起こし暴れる事がある
その時、手を傷付けて血が出れば、
血に反応して食らいついてくる習性を持つピラニアは
忽ち狂暴なモンスターと化すだろう

532氷山『エド・サンズ』:2021/07/29(木) 22:31:21
>>531

「ピ、ピラニア!?」

ジャボッ!

「あ」

迂闊!ピラニアという言葉にびっくりしたショックで指先を水面につけてしまう!
するとどうした事か! びっくりしたピラニアが暴れてヒレとかがザバーッとなる!
ザバーッとなって指先からぽたーっと血が流れ・・・・・

GAAABBAAAAAAAAAAAAA!!

マズイ!『ピラニア』が興奮しているぞ!?

533天之 月夜『レンブラント』:2021/07/30(金) 07:22:18
>>532
氷山の血に興奮したピラニアが、指に食らいつこうとしている!
今まさに、鋭い牙が氷山に突き立てられようとしたその時

「落ち着いて」

冷静にお椀と氷山を離す

コロコロコロコロコロ

そして、その辺にいたコオロギを水の中に投入する

ガブッ
モグモグモグモグ(コオロギを捕食する音)

特に貴重でもないピラニアの捕食シーン
こんな場所で見られるという点では貴重だが

534氷山『エド・サンズ』:2021/07/30(金) 19:52:19
>>533

「あ、ありがとうございます・・・まさかこんな所にピラニアがいるなんて」

びっくりして飛び退いたものの傷は浅い
紙を滑らせて切ったような小さなものだ

「慣れてますねー
 こういう生き物を飼ってたりするんですか?」

535天之 月夜『レンブラント』:2021/07/30(金) 20:10:54
>>534
「カンディル飼ってる
 昔水槽に落ちて噛まれたから 魚には気を付けてる」

金魚すくいのおっちゃんに
ピラニアをビニールに入れてもらって氷山に渡す
結局何でピラニアが紛れ込んでいたかは謎

その後は、バタフライピーかき氷を食べたり、
食い辛い上に一口で飽きるりんご飴にブチギレたり
ラムネのビー玉が取れずにブチギレたり
いっぱい祭りを楽しんだ


ヒューーーーーーーーー
        ドォォォォォォン

祭りの終盤であがった花火を見ながら
散々隣で花火の蘊蓄を聞かされる氷山

536氷山『エド・サンズ』:2021/07/30(金) 20:32:58
>>535

「か、かんでぃる・・・・? へぇ〜・・・・」

全然知らない魚の名前だが、なんとなく危険そうな響きは受け取った
なんだかんだの末、『ピラニア』を受け取る事に・・・・

その後・・・・
綿飴を頬につけながら二人で食べたり、
型抜きがうまく抜けなくてブチギレたり、
射的でスタンドを使おうとして『さんずさん』に怒られたりしながら
たくさん祭りを楽しんだ

最後には打ち上がった花火を二人で見ながら
やけに花火に詳しい月夜から蘊蓄をたくさん聞かされたとか

氷山『エド・サンズ』⇒『散財』 『ピラニアget!!』
           『ミッションマネー:114万円→110万円』

537天之 月夜『レンブラント』:2021/07/30(金) 20:48:38
>>536
たくさんお祭りを楽んだ氷山と月夜
今日の出来事は良い思い出になる事だろう

「今日は凄く楽しかった ありがとう
 氷山さん さんずさん 『影』さん また会いたい」

バイバイ
別れ惜しむように、
何度も振り返りながら遠ざかっていく氷山を見る月夜

「こんなに楽しかったのは 3年ぶりに外に出た時以来」

538りん『フューネラル・リース』:2021/08/08(日) 06:28:29
街中の噴水

約10歳程の頭に鈴蘭が咲いた少女が、
噴水の水を浴びながら飲んでいる
じっくりと口の中で転がして、テイスティングするように味わいながら

539りん『フューネラル・リース』:2021/08/09(月) 07:11:12
>>538
「うーん…
 何か変な味がするなぁ…
 不老不死を求めてる人が好きそう」

水には水銀が含まれていた!
水銀を摂取したりんは水俣病にかかり病院に搬送された!

医者「よく分からない変な水飲むなっていつも言ってるだろうがりの字!」

540眠目倫『ノワール・デジール』:2021/08/10(火) 09:40:18
 歓楽街のメインストリートから一本入った裏通り、<まつエクとネイルの店『Quince Nail』>はそこにあった。

 中が見えるガラスの壁から窺う店内はこざっぱりとしていて、男性でも入りやすそうな印象だ。
 外のガラスにはメニューと『小さな黒板』が貼られていた。

 ネイルに深爪矯正、ハンドマッサージ、睫毛エクステといったいつものメニュー。
 それらに加えて黒板に『ハートの日��』『ハートネイル半額』と書かれている。
(メタ的だが、費用は生活費からの支出になる。そのため、半額であろうと実質的に関係はない。)

 お得なはずなだが…平日の日中だからだろうか。
 現在店内には黒髪ショートの気怠げな女性――眠目以外はいないようだった。

 カチャッ
   カランカラン

「いらっしゃいませぇ」

 >>541の来店に眠目は声をかけた。

541りん『フューネラル・リース』:2021/08/10(火) 11:32:00
>>540
「ぽっぽっぽ、鳩ぽっぽ、豆が欲しいかそらやるぞ〜」

頭から鈴蘭を咲かせた10歳くらいの変な少女がやって来た
頭 に 鳩 を 乗 せ て

「こんにちは〜
 旅行に行ってきたお土産持ってきたよ〜」

               鳩 サ ブ レ ―

542眠目倫『ノワール・デジール』:2021/08/10(火) 11:45:12
>>541

「あらぁ…すずちゃん、久しぶりねぇ。
 その子はぁ、お友達?」

 眠目は入ってきたのが見知った少女だと気付くと相好を崩した。

――頭に花の飾りつけたり、鳩を乗せたり、小さい子って見てて飽きないわぁ。


 前回ポリッシュで行ったネイルは当然剥げてしまっているだろう、ちらりと指先に目をやる。

「お土産ありがとう、鳩サブレ…遠くまで出かけてきたのねぇ。夏休み?
 よかったらぁ、ここに座ってて。飲み物持ってくるわぁ」

 眠目はそう言うと奥に戻り、お洒落な小皿とアイスティーの入ったコップを持って戻ってきた。
 ポーションタイプの紅茶を牛乳で割ったものらしく、元から甘いようだ。

「ジュース切らしててぇ、これしかないんだけど…いい?」


 眠目は他に客がいないことをいいことに鳩サブレでティータイムをするつもりのようだ。
 鳩の目の前だからといって鳩型のお菓子を食べることに躊躇はないようだった。

543りん『フューネラル・リース』:2021/08/10(火) 12:26:50
>>542
>その子はぁ、お友達?

「ついさっきそこで会ったばっかりだよ
 でも何か着いてきちゃった」

今更だが、この店は動物を入れていいのだろうか?
特に、飼育されているわけでもないそこらの薄汚い野良鳩なんか
衛生的に良くないのでは…

>ティータイム

「うちも食べて良いの?
 ありがと〜♪」

「あっ、でもその前に手を洗わなきゃ…
 かりんちゃんも手洗いはしっかりした方がいいよ
 うちこの前、水俣病にかかっちゃってぇ」

それは手洗い関係無く変な水を飲んだのが悪いんだが
というか黴菌の塊のような鳩を乗っけて何を言っているのか

鳩「…」

鳩はとても大人しく、眠目をじっと見つめている

544眠目倫『ノワール・デジール』:2021/08/10(火) 13:06:26
>>543

 正直、衛生面を考えると難しいところだ。
 盲導犬やペットであればありだが、野鳥となれば話が違ってくる。

「うーん、そうねぇ…。
 お友達には残念だけどぉ、お姉さんのペットの猫さんが鳥の匂いでびっくりしちゃいそうだからぁ、お外に帰ってもらってもいい?」

 眠目が猫を飼っているのは本当だ。
 だが、店にはいないので今すぐどうということはない。びっくり云々は方便だ。
 匂いをつけたまま帰宅すれば、何かしらの反応はする可能性はあるかもしれないが。


「そうねぇ、ティータイムの前には手を洗わないとねぇ。
 この間入った奥の方に洗面所があるからぁ、そこで洗いましょうかぁ」
「水俣病? りんちゃんは物知りねぇ。お勉強しっかりしてて偉い偉い」

――水銀とか公害とか、流石にこの町ではないだろうしぃ…。
――具合が悪くなった、って意味かしらぁ。

 眠目はそう話しながらりんを先導して洗面所へと向かった。

545りん『フューネラル・リース』:2021/08/10(火) 13:30:45
>>544
>お外に帰ってもらってもいい?

「うーん、そっかぁ…
 ごめんね由紀夫、また今度遊ぼうね」

由紀夫と名付けた鳩を店の外に出す

由紀夫「ホーホケキョ」
りん「そうだね、友愛だね(何言ってるのか分からないけど)」

少しばかり会話(?)を交わしたゆきりん
しばらくした後、由紀夫は飛び去って行った

「由紀夫も躾ければ伝書鳩になるかなぁ?
 うち、伝書鳩で書状のやり取りをするのが夢なんだ〜」

時代錯誤な夢を語りながら洗面所へ向かう

>>542(拾い忘れ)
>前回ポリッシュで行ったネイルは当然剥げてしまっているだろう、ちらりと指先に目をやる。

当然の事ながら前回のネイルは消えている
代わりに新しく鈴蘭に蛇が絡み付いているという、
謎ネイルが施されている

無論、プロには及ばないが結構器用に描かれいる
独学で練習したのかもしれない

546眠目倫『ノワール・デジール』:2021/08/10(火) 13:53:04
>>545

「すずちゃんは勉強たくさんしてるのねぇ…。
 生まれる前の偉い人の名前とか覚えてるんだからしっかりしてるわぁ…」

 10歳ほどに見えるりんが話すには流石に違和感のある名前だが、学校で習ったのだろうと納得する。

「伝書鳩はぁ、練習がたくさん必要みたいよぉ。
 すずちゃん、頑張らないとねぇ」

 そう話しながら自身も手を洗い、りんにタオルを差し出す。

「すずちゃん、自分でネイルしてみたのね。
 細かいのによく描けてすごいわぁ」

 りんが手を洗い終えたら店に戻り、ティータイムにしよう。

547眠目倫『ノワール・デジール』:2021/08/10(火) 13:54:16
>>546
× 生まれる前の
○ 生まれる前に活躍してた

548りん『フューネラル・リース』:2021/08/10(火) 14:15:25
>>546
手に付着した病原体共を殺戮するように、
念入りに薬用ハンドソープで手を洗う

『やめてくれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ』

ウィルス共の断末魔の声が聞こえてきそうだ

手洗いのついでに頭の鈴蘭を手入れしたり、
水をやったりしてやった

>細かいのによく描けてすごいわぁ

「えへへ、あれから練習して色々描けるようになったんだ
 今度はスサノオに首を斬られた八岐大蛇とか、
 イブを唆す蛇なんかも描いてみたいけど、これが結構難しくて描けないんだ…」

何故か蛇に拘るりん
蛇がマイブームなのかもしれない

>ティータイム

席について、箱を開封する

「今日は、鳩の日でハートの日なんだよねぇ
 ほら、鳩サブレ―のこの形、見ようによってはハートに見えない?」

いや、流石に無理がある

549眠目倫『ノワール・デジール』:2021/08/10(火) 14:32:39
>>548

――頭の飾りも綺麗にしてぇ、お洒落さんねぇ。

 鈴蘭の手入れをしているりんを腕を組んで保護者のような顔で眺めている。
 なぜか頭(花)を濡らしているのも寝癖直しのようなものだと思っているようだ。

「蛇はうねうねしててぇ、ちょっと難しいものね。
 大変なら蛇のネイルシールを貼るのもありよぉ」

 いわゆる中二病なのだろうか。
 ある程度の年齢で蛇が好きになるのは一種の病気のようなものだろう。
 店内にはネイルシールや水転写ステッカーで蛇のものもある。望むのなら分けることも可能だろう。


「ハートの日なのは知ってたけどぉ、鳩の日は知らなかったわ。
 確かにちょっとつぶれたハートみたいに見えるかもしれないわねぇ」
「せっかくのお土産だからぁ、いただいちゃうわね。
 すずちゃんもアイスティー、どうぞぉ」

 眠目はそう言って一つ鳩サブレを取って口にし、自分の分のアイスティーを一口飲んだ。

「甘くていいわねぇ」

550りん『フューネラル・リース』:2021/08/10(火) 15:08:02
>>549
>ネイルシール

「へぇ〜、シールかぁ、買ってこうかな
 神話の蛇も欲しいけど、ヒバカリもあるといいなぁ」

ヒバカリは小さくて可愛い蛇だ
首の多さや複雑さで描くのが難しい八岐大蛇なんかとは逆に
ヒバカリは小ささを表現するのが難しい!

>すずちゃんもアイスティー、どうぞぉ

「じゃあ、いただきまーす」

眠目に続いてサブレ―を口に入れ、齧る
余計な味付けなど一切無い、バターで真っ向勝負だ
サブレ―の濃厚なバターの味をアイスティーで洗い流す
相性抜群のコンボ攻撃だ

「美味しいねぇ〜これ
 鳩はサブレ―でしか食べた事ないけど、
 鳩の肉はどんな味がするのかな?
 鳩のハツって興味あるな〜」

551眠目倫『ノワール・デジール』:2021/08/10(火) 15:31:08
>>550

「買ってくれるの? ありがとう。
 爪に貼るシールだからぁ、とっても小さいの。
 だからぱっと見てどんな種類かはわからないかもしれないわねぇ」

 眠目は棚からネイルシールやフレーク、水転写ステッカーの入った箱を取り出しりんの前に出した。
 草花や蝶、動物のものもあるようで一般的に見かけるモチーフであればこの中に入っていそうだ。

「バターの良い香りねぇ…」
「鳩…。フランス料理だとぉ、結構食べるけど普段は食べないものねぇ。
 すずちゃん、食べたい時は捕まえたりして食べちゃだめよ。おなか壊しちゃうからね。
 食べるならぁ、大人の男の人にエスコートしてもらって食べにいくのよ」

「そういえばぁ、すずちゃんはなにか好きな食べ物とか飲み物とかある?」

 二回もお店に立ち寄ってくれた少女だ。
 次に来たときに今度はなにかお茶請けを準備する腹積もりらしい。

552りん『フューネラル・リース』:2021/08/10(火) 16:06:58
>>551
「おぉ〜!」

眠目が出した箱を見て、目を輝かせて身を乗り出す
ネイルの世界にはあまり明るくないりんには、珍しい物がいっぱいだ
草花や動物のシール、欲しい物が多くて迷う

「この花のシールと蛇と、
 鳩とハートも買っちゃおうかなー
 あ、後人間の柄のも欲しい!」

>食べたい時は捕まえたりして食べちゃだめよ。

「野生の鳩って凄く汚いんだよね
 人間が食べてるのは食用に育てられた、無菌の鳩なんだよね」

鳩サブレ―を食べながら鳩肉の話をする少女

「でもこの辺じゃフレンチレストランでも、
 鳩肉を出してる店は中々無いなぁ」

>すずちゃんはなにか好きな食べ物とか飲み物とかある?

「うちはねぇ、鈴蘭と水と、人間の食べ物なら大抵なんでも好きだよ」

そう言いながら、ポケットから何やら赤い果実(鈴蘭の実)を取り出して食べて見せた

「ちょっと刺激的な味がして美味しいんだ
 かりんちゃんにも食べさせてあげたいけど…今は難しいなぁ
 今、普通の人間にも食べられる鈴蘭料理を研究してるんだけど」

「あっ、水はねぇ、すっごい拘りがあるんだ
 やっぱり軟水が好きかなぁ、飲み易くて美味しいよね軟水」

553眠目倫『ノワール・デジール』:2021/08/10(火) 16:33:15
>>552

「人間…? ああ、これはぁ『宇宙人』ねぇ。
 『グレイ型』なんだけど『万歳してる人』みたいよねぇ。
 こういう変わったのはぁ、ワンポイント入れておくとコミカルでいいのよ」

 眠目は一度手を拭き、小さな袋を準備している。
 どうやらりんが持ち帰る用に準備しているらしい。

「鳩肉、都心の方に行くと専門店があったりするんだけどぉ…
 流通とかぁ、大変だからなかなかね…」

 話しながらりんが選んだネイルシール類を受け取った。
 先ほど準備した袋に詰めていくようだ。

「そうなのねぇ、嫌いなものが少ないのはいいことね。
 刺激的? もしかして辛いの?」

 眠目はすこし興味があるようで今は食べられないらしい実をまじまじと確認する。

「軟水なら水道からも飲めるわねぇ。私も家ではよく飲むけど…。
 …遠慮しなくていいのよ?」

 眠目はそう言って小さく笑うと袋詰めを終えたシールを置いてから、りんのおでこを指でつんと小突いた。
 小さい子が一丁前に遠慮してるようでおかしいらしい。

554りん『フューネラル・リース』:2021/08/10(火) 18:03:57
>>553
「はえ^〜『宇宙人』なんだ
 ほんとに色々あるんだねぇ〜」

前にあったUFO兄さんにあげたら喜ぶかな?
いや、あの人本物志向っぽいから喜ばないか…
お兄さん、元気にしてるかな?
変なポーズを取るグレイを見ながら、そんな事を考えるりんだった

>都心の方に行くと専門店があったりするんだけどぉ…

「都心かぁ、今度はそっちの方も遊びに行こうかな
 美味しい物や珍しい物がいっぱいありそうだし
 かりんちゃん、今度一緒に遊びに行かない?」

なんとなしに、眠目を次の遊びに誘ってみる

>刺激的? もしかして辛いの?

「うーん、辛いっていうか
 『毒の味』かな?」

「ベニテングタケって、毒の成分が実は旨味成分で、
 その毒を覚悟で食べる人もいるんだよね
 これも似たような物なのかなぁ?」

ベニテングタケと鈴蘭では事情が違うのだが…

>…遠慮しなくていいのよ?

眠目におでこを小突かれるりん
えへへと笑うと、遠慮じゃないんだけどなぁと言う

「水ってほんと奥が深いんだよ
 同じ様に見えても、ミネラルの量や硬度で全然味が違うんだよ
 色んな水を飲むためにたまに旅に出て飲み比べしてるけど、
 水道水も土地毎に違ってて面白いよ
 それに水はアレンジしやすいから、色んな飲み方が出来てレシピを考えるのも楽しいんだ!」

555眠目倫『ノワール・デジール』:2021/08/10(火) 18:36:00
>>554

「すずちゃんとご飯に行くのも楽しそうねぇ。
 ……そういえばぁ、連絡先教えてなかった気がするし…交換する?」

 眠目はそう言うとスマートフォンを取り出す。問題がなければこのまま交換するだろう。

「『毒の味』ねぇ…。それだと流石に食べるわけにはいかないから、残念ね。
 いつかぁ、『鈴蘭料理』食べれるといいわね」

 流石にそれが『鈴蘭の実』だとは信じきってはいない様子で『子供の夢』を応援しているような様子だ。

「お水の味がたくさんわかるなんて、舌が繊細なのn…」

 カチャッ
   カランカラン

「いらっしゃいませー」
「あ…すずちゃんごめんねぇ、お客様みたい…。
 ちょっとティータイムはぁ、お先にお暇しちゃうね。
 楽しかった、ありがとう」

 眠目は話を切り上げ、新しい客の方に向かっていった。おそらくこのまま仕事にかかりきりになってしまうだろう。

556りん『フューネラル・リース』:2021/08/10(火) 19:09:40
>>555
>連絡先

「そういえば交換してなかったっけ、はい」

懐から鈴蘭ケースに入ったスマホを取り出す

「これからよろしくね」

交換完了…!

>カランカラン

「ネイルやってもらおうかなって思ってたけど、また今度にしようかな」

新客の方へ向かった眠目を見て、アイスティーを飲みながら呟く
グイっとアイスティーを飲み干す

「ごちそうさま、美味しかったよ」

袋詰めのシール類の代金を置く

    ∧_∧
   (゚ω゚ ) ←りん
バリバリC□ lヽlヽ
   /  (   )
   (ノ ̄と  |
      しーJ

「じゃあ、またね」

邪魔をしないように、そっと退店する

外に出ると、先程分かれたはずの由紀夫がいた

「あれ?由紀夫まだいたの?」

ガルルルルルル

「そうなんだ、じゃあ一緒に行こうか?」

再びりんの頭に乗る由紀夫
彼女達はこれから一体どこに行こうというのか…

557村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2021/08/29(日) 23:07:14
『音仙』に会った帰り道、その辺の茶店に入って考えを巡らす。

 (『流星刀』・・・『鞘と刃』・・・か。)

注文したクリームソーダの泡が浮いてははじけるのと同じように、思考が浮いては消えていく。

パチ・・・
       パチパチ・・・

何のために作られたのか?というのは考えても仕方のないことだ。
鉄を生産しない古代エジプトでは、隕鉄からわずかな鉄器を得ていたという話もある。
そういうものが偶然『流星刀』となり、現代まで残ったのだろう。
・・・おそらく『いわくつきの代物』として・・・

では、今の持ち主は何をしようとしている?
『黒幕』の真意は・・・いったい何だ?

558村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2021/08/31(火) 07:44:21
>>557

見えないものを見ることはできない。
と言って今見えているものだけを見ても、浮かび上がるのは深い闇だけ。
思いつく限りの仮定はその闇に飲まれ、消えていく。

 「だが、絶対に逃がしはしねえ。」

その闇の深さは、黒幕がそこにいる証でもある。
であるならば、おれの動くべき時はくる。必ず来る。

クリームソーダを残らず飲み干して、茶店を後にした。

559ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『ディスタント・ラバー』:2021/09/05(日) 22:35:44

「どうぞー
 どうぞー」


金髪の小さな子供が、道行く人に何か配っている。
白い紙のようなもの……チラシだろうか。

560朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2021/09/05(日) 23:35:05
>>559
「ん…?」
たまたま通りかかったのは学生服の少女。

「一体何かしら…?」
ふと、チラシを拾ってみてみる。

561ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『ディスタント・ラバー』:2021/09/05(日) 23:48:19
>>560

「どうぞー」


拾って、というか、白い紙のようなものを受け取る。
まず感じたのは触り心地だ。紙ではなく柔らかい布だった。
ハンカチだろうか。肌触りが良く、結構いい布なのかもしれない。具体的にはシルク。
そして、そこにはまさに子供がボールペンで書いたへたくそな字で「ふゆ くりすます」とある。

断片的すぎる情報。
チラシ配りの真似っこ遊びだろうか。
そのわりにシルクのハンカチを使っているもので、うっかり受け取った人も、捨てにくくて困っているようだ。
見える範囲では地面に捨ててはいないので、涙音も拾えず、直接受け取ったわけだ。

562朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2021/09/06(月) 00:04:21
>>561
「あ、どうもー…」
とりあえず頭を下げてその紙を受け取った。

「なんだこれ…」
ちょっと足を止めてじーっと文章を見る。
その白い紙?いや、布?には謎の字が書いてあった。

「冬…クリスマス…?」
多少は読みづらいが、どうやらそう書いてあるようだ。
「どういうことなんだろう…?」
妙な文章に首を傾げる…

563ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『ディスタント・ラバー』:2021/09/06(月) 00:13:31
>>562

「む。お嬢ちゃん、クリスマスに興味があるかの」


その場で悩んでいたら、すかさず、チラシ(?)を渡した本人が声をかけてきた。
まるで悪質なキャッチセールスのようだが、これも大人の真似なのか……


「クリスマス。知っておるか?
 あの、ぴかぴかしている……」


点滅を示すジェスチャーか、小さなてのひらをぐーぱーする子供。
確かに冬はイルミネーションを飾るところもあるが、クリスマスとは直接の関係はないだろう。

564朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2021/09/06(月) 00:32:59
>>563
「あ、えーっと…クリスマス…ですか?」
突然の勧誘のような言葉に少しキョトンとした顔をしている。

「いやー、もちろん知ってますよ。
 クリスマスといえば色々…ただ…」
少し考えてから口を開く。

「まだ夏なのにクリスマスだなんて…
 これは一体どういうことなんでしょうか?」
おかしな話だと答える。
南半球でもないのに夏場にクリスマス。普通は妙だと思うだろう。

565<削除>:<削除>
<削除>

566ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『ディスタント・ラバー』:2021/09/06(月) 00:47:17
>>564

「よいところに気づいたの」


もっともな疑問によくぞ聞いてくれたといわんばかりに頷き、
さらに涙音に近づくと寄り添うような姿になった。


「これは秘密なんじゃが……夏のオバケが現れたらしい。
 わしの友人の知り合いがそれで死んでしまったらしいんじゃ。
 そこで、夏のオバケが苦手な冬で倒そうとクリスマスをするために人を集めているんじゃ」


どうやら耳打ちがしたかったらしい。密着した状態からさらに背伸びしてコソコソ囁いてくる。
内容からするとまったく秘密にする必要は無い。というか、
本人が今しがたチラシ(?)で宣伝していたように広めるのが目的のようなのだが。

567朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2021/09/06(月) 01:00:02
>>566
「急に…びっくりします…」
寄り添ってきたナイを見て少し驚くが…
その内容はさらに妙なものだった。

「おばけが現れて…友人の人が亡くなられて…
 で。夏のおばけを倒すために冬を?」
傍から聞いてみればおかしな話だ。
一体どういうことなのかと、頭の中で思いを巡らせる。

「うーん、よくわかりませんね…
 …とにかくクリスマスムードにしましょうってことですか?」

568ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『ディスタント・ラバー』:2021/09/06(月) 01:11:33
>>567

「そういうことじゃな。
 お嬢ちゃんも知り合いに広めてくれてもよいぞ」


一瞬前まで秘密と言っていた気がするが、
聞いた内容からすると広めることが目的なのは正しいはずだ。
しかし広めるも何も、チラシ(?)の内容の無さ、
噂話として定番の、実在の怪しい友人の知り合いとかいう存在など、フワフワ感が凄まじい。


「お、そうじゃ。ところでお嬢ちゃん
 なにか冬っぽかったりクリスマスっぽいもの持っておらんか?」

569朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2021/09/06(月) 01:28:13
>>568
「広める…ですか。
 うーん、とりあえずクリスマスっぽくしろというふうなことだと思いますけど…」
そう言ってから少し悩む。

「これくらいのチラシだとまだまだ全然伝わってきませんね。
 そういうのが得意な人に事情を話して、もっといい感じのチラシを作ってみるのもいいかもしれません。」
そう言ってチラシ…のようなものを指差す。
中身がなくては始まらないだろう。

「冬っぽいもの…
 今は夏場ですからそういうのは…」
そう考えてからふと、自分がぶら下げている無数のお守りを見る。

「あ、そう言えば今日のラッキーカラーは…赤だったから…」
そう言って一つ取り出した。

「このお守りはどうかしら?」
そう言って差し出したお守りは
サンタクロースがプレゼントを入れるあの靴下をもした形をしているようだ。

570ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『ディスタント・ラバー』:2021/09/06(月) 01:42:47
>>569

「くつした? これは冬っぽいのか?」


お守りを見て不思議そうな顔をする子供。
あまりクリスマスっぽさを感じていないらしい。
喋りはともかく、青い目に金髪と、外国人らしい外見をしているので、
この子の出身地ではサンタが靴下にプレゼントを入れるという風習は無いのか……それとも……


「まあよい。
 お嬢ちゃん、その小さいくつしたを売ってくれんか?
 売るといってもわしは金は持っておらんので、何かと交換じゃが……
 お菓子とかどうじゃ? 飲み物もあるが……」


まあよい。らしい。
別に冬っぽくなくても、適当な事を言えば騙せそうな気もする。
それはともかく、商談を持ち掛けてきた。
背負った大き目のリュックに手を入れてゴソゴソやっている。

571朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2021/09/06(月) 18:43:44
>>570
「いえ、よくありませんか?
 夜寝ている時にベッドの横辺りに靴下をぶら下げてると
 そこにサンタクロースがプレゼントを入れてくれる…とか」
もしかしたらクリスマスはいろいろな種類があるのか?
と思いつつも丁寧に説明をしに行く。

「まぁ、イイですよ。まだいっぱい他にもお守りがありますし」
そういう彼女の服にはジャラジャラとお守りがぶら下がっていた。

「お菓子ですか…どんなのがあるんですか?」
そう言ってリュックの方に目線を向けた。

572ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『ディスタント・ラバー』:2021/09/06(月) 22:03:51
>>571

「よくわからんな……
 サンタというのはクリスマスに店の者がする格好じゃろ?
 寝ている時に売りに来るのか?」


商売キャラクターとしてのサンタは知っているようだ。
まあ、子供にプレゼントするというのも、大人への販促ではあるのだが。


「重そうじゃが、沢山つけてると防御力が上がるのか……?
 お菓子か? そうじゃな。見た方が早いかの。
 まず駄菓子なら色々ある」


ずるっとリュックから出てきたのは、ビニール袋だ。
駄菓子が色々と詰まっているのが袋の口からチラッと見える。


「飴もあるぞ」


次に出てきたのは、ぐるぐる模様の棒付きキャンディーだ。
赤と緑……イチゴ味とメロン味だろうか?
別に季節ものではないのだろうが、
色合い的にクリスマスと言い張ればクリスマス製品に見えないこともない。


「アイスの方がいいかの」


チョコモ○カジャンボだ。
(都合により)今は夏だし、まだまだ暑い。水分補給もできる。


「ケーキ」


緑色のケーキだ。抹茶だろうか?

573朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2021/09/06(月) 22:59:24
>>572
「…広義ではいい子にしていた子供にプレゼントを届けに来る人
 というふうな定義付けがされていますが…」
どうもクリスマスの認識が違うと感じられた。
不思議そうな顔をしているのが見える。

「まぁこれは幸運のアクセサリーですよ。
 多ければ多いほど、私を苦難から遠ざけてくれるのです。」
少し嬉しそうにお守りを自慢している。
効果が以下ほどかは本人のみぞ知る。

「随分といっぱいありますね。
 確かに色合い的にいい感じですね…」
そう言ってその無数のお菓子類を見る。

「この中から一つ…とかじゃなかったら
 ケーキとアイスがほしいですが…」

574ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『ディスタント・ラバー』:2021/09/06(月) 23:12:55
>>573

「なに? コウギ? テイギ? よくわからんが……
 いい子にプレゼントを届けに来る……?」


それを聞いて、眉根を寄せて考え込んでしまった。
これまでの言動からして、サンタにプレゼントを貰った事が無いのだろう。
それは現実的に考えると、親関係の都合なのだろうが、
そんな事情を知らなければ、なぜ自分はプレゼントを貰えなかったのかと思うのは当然だ。


「……うむ。
 別に構わんが、『交換』は1対1なので、何か他にクリスマスっぽいものはあるかの?
 まあ、別のものでもいいが……」


リュックから出てきたアイスやケーキを気にせず指名する涙音。
子供はまだ虚空を睨み、考え込んでいる様子だが、『交換』自体に否はないらしい。
クリスマスっぽいものが無い場合、適当なものでもプレゼン次第ではいけるだろう。

575朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2021/09/06(月) 23:18:09
>>574
「古くからの言い伝えではそういうものだったと思いますが…
 あなたの家だとだいぶ違ったんでしょうか…?」
首を傾げながら答える。
相手の事情に関しては当然よく知らない。

「そうですねー…
 じゃあもう一つ。」
そう言って持っていたかばんからゴソゴソと何かを取り出した。

「こういうものでも良ければ、どうでしょうか。」
どうやらまだお守りがあったらしい。
赤くて「商売繁盛」と書いてあるお守りだ。
きっと涙音の不運とは全く関係ないだろう。

576ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『ディスタント・ラバー』:2021/09/06(月) 23:36:09
>>575

「家が関係あるのか?
 サンタは……サンタはなんじゃ?
 よく考えると店の者にしてはおかしいの。店の種類は関係無いようじゃし……
 時々シカも一緒にいるし……」


子供の言によると、サンタは店の販促をする存在という認識らしい。
しかしその視点に立つと、一時期のみ出没し、業種が異様に手広いのは不思議ではある。
家については『実はサンタではなく親がクリスマスプレゼントを用意している』などの裏話を知らなければ、
家庭環境と関連性を見いだせないことは当然だろう。


「ほう、これもクリスマスに関係があるのか?
 確かに赤いの。しかしなんて書いてあるんじゃ?」


お守りを覗き込むが、読めなかったらしい。
日本語の喋りは達者だが、漢字は苦手らしい。
家庭環境的なものだろうか。あるいは単に幼さによるものか。

577朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2021/09/07(火) 00:30:34
>>576
「サンタは世界中の子供にプレゼントをする存在…だそうですよ。
 なんだかわかりませんけど、すごく偉い人みたいな感じでしょうかね…」
正直、涙音もそこまで詳しくはない。
だがなんとなくそういうものという認識だ。

「まぁ、多分赤色なのでクリスマスと関係あります。多分…」
多分違うような気がするが、これもクリスマスっぽいと言い張ればよいかと思う。

「えーっとこれですか?漢字は読めないんですね…えっと…」
少し考えてから答える。

「これは、色々うまくいきますようにと言う願い事です!」
なんとなく当たり障りない返答をしてみた。

578ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『ディスタント・ラバー』:2021/09/07(火) 00:49:23
>>577

「わけがわからんな。
 夏のオバケを退治するためだからしかたないが、
 クリスマス、あんまりやりたくなくなってきたの……」


涙音のふわふわしたサンタ知識により、
子供のクリスマスへの意欲は減衰したようだった。


「そうなのか?
 なにか色々つけておるようじゃが、だったらこれ1つあれば良いのでは……?
 まあ、いいかの」


またも炸裂するふわふわした発言により、お守りは万能の効用ということになった。
子供はピンと来ていないようだ。
とはいえ、『交換』は成立したようで、緑のケーキとチョコ○ナカジャンボが手渡される。
リュックから出てきたアイスだが、袋の中はドロドロ、ということもなく、まだ冷たく、しっかりと形を保っているようだった。


「お、そうじゃ、アイスは早く食べんと消えてしまうから気を付けるんじゃ」


消えるかどうかはともかく、普通に考えれば時間が経てばそれだけ溶けるので、早く食べるに越したことはないだろう。

579朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2021/09/07(火) 00:57:32
>>578
「いやー、でも皆さん結構楽しそうにしてますし
 もしかしたら私の知識も色々違うのかも…」
少し夢を壊してしまったような罪悪感を感じ
慌てて返事を返す。どちらかと言うと涙音の言う言葉のほうが夢いっぱいのような気もするが。

「うー、えっと。
 お守りは多ければ多いほどいいんですよ。」
お守りの効用は増えれば増えるほど良い。
ということで返事を返す。

「あ、どうもありがとうございます…
 たしかにこの温度だとすぐになくなっちゃいそうですね…」
とりあえず、涙音はケーキよりも先にアイスに手を付ける。

「この場で食べても大丈夫でしょうか?」
目の前で食べることになりそうなので、一応お伺いを立てる。

580ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『ディスタント・ラバー』:2021/09/07(火) 01:09:35
>>579

「?
 お嬢ちゃんのものなんじゃから好きに食べるとよい」


駄菓子などをリュックに入れながらそう言う。
目の前で食べられても気にしないようだ。
ちなみにチョコモナ○ジャンボは、『ビター・スウィート・シンフォニー』という
スタンドにより産み出されたスタンド物質であり、5分経つと文字通り消えてしまう。
ただし、一見市販品だが、味は絶品だ。


「まあ、端に寄っておくかの。
 ところで、お嬢ちゃん家ではクリスマスはどんなだったんじゃ?
 サンタはちゃんとプレゼントをくれたりしたのかの?」


さすがに歓楽街の道路にベンチは無いが、道のど真ん中で突っ立って食べるのもなんだろう。
ぽてぽてと道の端に移動する。

581朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2021/09/07(火) 20:52:29
>>580
「あ、それはどうも…」
頭を下げてから道の端っこの方へと歩いていく。
そしてそこでアイスに口をつけた。


「おぉ、これは…なかなか美味しいですね。
 なんというか…コンビニで撃っているものより美味しく感じます!」
彼女の能力によって生まれたものとは知らない涙音はとても嬉しそうにアイスを食べている。

「クリスマス…小学校のあたりまでサンタが来たりケーキを食べたりしてたなぁー…」
そう言って少し楽しそうな顔をした。

「確かに、プレゼントは毎回欲しい物がもらえましたよ。
 願い事は…確かクリスマスツリーにメモして貼っておいてね。って…親に言われてましたけど…」

582ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『ディスタント・ラバー』:2021/09/07(火) 21:14:42
>>581

「ふうむ。お嬢ちゃんはプレゼントが貰えてたんじゃな。
 いい子だったというわけか。
 クリスマスツリー? ピカピカした木のことか。
 『木』ならわしも持っておるが……ふむ。
 光るのもあるがちと不足か……」


新たにクリスマスの情報を得て、色々と考えているらしい。
クリスマスツリーといえばモミの木だが、まあそこまで厳密にする必要もないだろう。


「うむ。わしはそろそろ宣伝に戻るとするかの。
 お嬢ちゃんも、参加してくれると良いぞ。
 夏のオバケを倒すための偽のクリスマスじゃからサンタは来ないがの」

583朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2021/09/07(火) 21:53:22
>>582
「たぶんそうなんでしょうねー。
なんか昔からお守りばっかり願ってたような気がします…」
どうやら昔から結構不幸体質だったようだ…

「ひときわ大きな木にイルミネーションの飾付けが出来たら
 クリスマスムードが一気に高まりそうな気がするんですけどねー」
あたりにそういう木がないかなと考える。

「んー、参加するって言うとどういうことをすればいいでしょうねー…
 夏のおばけを倒す、というのはなかなか面白そうな催しですけど…」
少し考えてから聞いてみる。

「お盆にしか帰れないご先祖様たちにも
 クリスマスに参加してもらおう!みたいな企画とかも良さそうかも…しれませんね。」

584ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『ディスタント・ラバー』:2021/09/07(火) 22:05:41
>>583

「願いが叶うものを願うというのはわからんでもないが、効くのかの……」


交換した商売繁盛お守りを少々胡散臭そうに見つめる。
あれだけじゃらじゃらお守りをつけていて、さらに欲しがるとなると、
逆に効果が疑わしくなるものである。


「なにかクリスマスっぽい雰囲気にすれば良いんじゃから、
 サンタの恰好とかすればよいのではないか?
 わしにプレゼントをくれてもよいぞ」


この子供はそもそもクリスマスの知識が怪しいので、
聞いたところで大した答えは返ってこなさそうだ。


「オボン? ゴセンゾ? ……それはクリスマスとはまた別のやつ、じゃよな?
 うーむ、わしはちょっと混乱してきた。よくわからん」

585朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2021/09/07(火) 22:11:05
>>584
「なにか変ですかねー…
 効果がありそうな気がするんですけど…」
お守りを見るナイに対して少し首を傾げる。
涙音も割とそういう変なところがある気がする…

「サンタの格好ですか…
 今の季節に手に入るかはわかりませんけど
 とりあえず探してみます。
 …プレゼントするものは、今はあんまり思いつかないですけど…」
果たしてまたお守りを渡すべきか…とも考えた。

「夏場になるとまぁ、そういうイベントがあるんです。
 話すとだいぶ長くなりますけど…」
果たしてその風習について話せばどれくらいかかるだろうか…

586ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『ディスタント・ラバー』:2021/09/07(火) 22:26:07
>>585

「小さな頃からお守りを集めておったなら、
 効果があるかどうかくらいわかるのではないか?」


お守り依存症になっていて本当の効果がわからないのか。
あるいは、今がお守りのおかげで軽い不幸で済んでいるが、
お守りが無ければとてつもない不幸に見舞われる可能性も……
まあ、この子供には関係のないことだ。
涙音はこれからもお守りを求め続けるのだろう……


「ふうん。
 夏の行事ならばしない方がいいのではないかの?
 冬で退治するわけじゃし」


寄りかかっていた壁から身を放す。
そろそろチラシ(ハンカチ)配りに戻るようだ。

587朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2021/09/07(火) 22:54:28
>>586
「んー、まぁ…多分あると思うんですけどね…」
なんとなく考えていただけに、イマイチ効果と言われると
はっきりとは言えないような気もしてくる。

「冬で退治…
 クリスマスを楽しむための方法としては
 何か色々理由がほしいですけどね…」
夏に冬のイベントをやる…
その理由がなにかあるともっと盛り上がりそうな気がするが…

「アイス、どうもありがとうございました。
 渡しもできる限りのことはしてみます。」
そう言って涙音も壁から離れる。

「とりあえずサンタのコスチュームを探してみますねー。」
そう言って手を振り、あるき出した。

588ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『ディスタント・ラバー』:2021/09/07(火) 23:04:11
>>587

「理由? オバケ退治のためというのではなくてか。ふむ」


実際の理由はともかく、表向き、一般人が納得するような理由が必要になる。
それは確かにそうだ。
子供はよくわからないながらもひっかかりを感じた様子だった。


「頼むぞ、お守りのお嬢ちゃん」


去っていく涙音。
しかし、いつ、どこでクリスマスが行われるのか? 何も聞いていない。
彼女の手元には抹茶ケーキと、「ふゆ くりすます」とだけ書かれたハンカチだけが残っていた。
背後からは子供がチラシ(ハンカチ)を配る声が聞こえていた。


「どうぞー どうぞー」

589『最中派閥』:2021/09/10(金) 22:50:07
星見町――駅前。通称、風俗ビル、奇態な装飾が成されていた。
季節外れにもほどがある電飾――飾り――共に、クリスマスのそれ。
中身も、また。残暑払いのクリスマスセールと言うことで、ミニスカサンタ達が欲に塗れた雄共を待ち構えて、刹那の夢幻を味合わせる。
否――駅前だけではない。
星見町、最中派閥の力及ぶ全ての商店に於いて、似たような事柄が起きている。
都市を俯瞰して眺めるのであれば、ぼつり、ぼつりとした点在した事象である。
しかし――裏を返せば、町のそこかしこにクリスマスの香りが漂っているということだ。
唯一、夏の魔物を追い込むが為――最中派閥は、町にクリスマスを撒き散らし初めたのだ。

590眠目倫『ノワール・デジール』:2021/09/11(土) 11:14:56
 歓楽街のメインストリートから一本入った道。
 もしそこに立っている人がいるのであれば、小さなネイルサロンから『夜の蝶』のような女性が出て行く姿が見えるだろう。
 指先には真新しいネイルが施されていて、ネイビーに白が踊っている。
 ラメで降る雪が、ベルベットで積もる雪が表現されているようで彼女の指先だけまるで『冬』のようだ。

 よく見ると店舗には貼り紙がされている。
 どうやらそのネイル店――『Quince Nail』の広告らしい。

 『今年は一足早い冬ネイルがトレンド!』
 『残暑を涼しげネイルで乗り切っちゃお』
 『冬ネイルは2割引!』

 もちろん、ネイル代は生活費からの出費になるため、あまり関係はないが…。

 ガラス張りの店を覗き込むと、現在店内には黒髪ショートの気怠げな女性――眠目以外はいないようだった。

  カチャッ
    カランカラン

「いらっしゃいませぇ」

 >>591の来店に眠目は声をかけた。

591ブリタニカ『ハロー・ストレンジャー』:2021/09/12(日) 13:46:09
>>590

「『いらっしゃいませ』」

そこに立っていたのは奇怪な人物だった。
古代ギリシャの装束である『キトン』を身に纏っている。
白・青・紫のトリコロールカラーのポンパドールヘア。

     スタ スタ スタ

だが、『他の特徴』に比べれば大した事はない。
背中には『翼』が生え、両腕は『羽毛』で覆われ、
踵には『蹴爪』が見える。
一言で表現するなら『鳥人』のような女だ。

「こちらが『Quince Nail』――――」

        スィッ

「――――で御座いますか」

店内を見渡す女の手の中には、
『Quince Nail』のビラが握られている。
こんな目立つ相手に配ったなら、普通は覚えているだろう。
おそらく、どこかの道端に落ちていたものを拾ったか。

      「はじめまして」

         スッ

両腕を『翼』のように広げながら頭を下げ、
『鳥人』は恭しく挨拶した。
両肩には『ハト』と『カラス』が乗っている。
それらは明らかに『本物』だが、妙に大人しい。

592眠目倫『ノワール・デジール』:2021/09/12(日) 14:12:23
>>591

 眠目は扉を開けて入ってきた客の姿に一瞬戸惑ったような表情をした後に納得したように頷き、挨拶をしてからネイルテーブルの前の椅子へ誘導する。

「はい。こちらはぁ『Quince Nail』です。
 初めてのご来店ですねぇ、どうぞこちらに」
「お客様、そのぉ、ご一緒の方はペットでしょうか…?」

 おそらくすこし早い『ハロウィン』の仮装なのだろう。
 『Quince Nail』でも『冬』キャンペーンをしているのだ、それより手前にある行事の仮装であるなら『クリスマス』よりは納得しやすい。

 『ハーピィー』の『コスプレ』を失礼にならないように見やりながら、肩に留まる『二羽の鳥』――特に『鳩』に視線を向ける。
 いくらか前に鈴蘭の少女に連れられて来店した鳩がいたが、その鳩と同一鳥物だろうか?
 眠目は鳥を見分けることはできないためにわからなかった。

――鳥の目ってぇ、あんまりまじまじ見れないから区別付けにくいのよねぇ…。
――チラシ、人に渡す人もいるからぁ…。誰かが勧めてくれたのかもね。

593ブリタニカ『ハロー・ストレンジャー』:2021/09/12(日) 14:40:24
>>592

「いえ、『お客』では御座いません」

        ピタッ

椅子の所まで歩いてはきたが、座らなかった。
近付いた事によって、『コスチューム』が間近に見える。
そして、それが極めて『リアル』である事が分かった。
『羽』も『羽毛』も『蹴爪』も、
まるで『本物』と見紛うような精巧さだ。
限りなく低めに見積もったとしても、
大作映画の特殊メイク並みのリアリティがある。

「ワタクシは『ハーピー』と申します。
 『ストリートパフォーマー』を生業としております」

「この辺りで『パフォーマンス』をする事も多いものですから、
 『ご挨拶』に伺わせて頂いた次第で御座います」

種類にもよるが、鳥類は性別を見分ける事も難しい。
ましてや個体を区別するという芸当は、
よほど目に見える特徴でもない限り、
常人には到底不可能な領域だ。
ちなみに、彼は『別の鳥』だった。

「こちらはワタクシの『キャスト』で御座います」

         スッ 
          
              スッ

両手を持ち上げて、左右の肩に留まる二羽を示す。

「ワタクシは『バードショー』を行っておりまして」

594眠目倫『ノワール・デジール』:2021/09/12(日) 15:10:28
>>593

「なるほどですねぇ。歓楽街のお仲間さんでしたか。
 改めまして、『Quince Nail』ネイリストの『眠目(サッカ)』といいます」

 そう言って頭を下げながら『コスプレ』を観察する。

――これだけのコスプレが準備できるならぁ…かなり利益は上がってそうよねぇ。
――羽根なんかの飾り物って安物だと簡単にへたってきちゃうしぃ。
――『パフォーマンス』をするのであればなおさら。それなのにぃ、まるで生きてるみたいなんて。
――……顔を繋いでおいて損はないしぃ、可能ならまつエクとかネイルで広告塔になってもらえたら美味しいかもねぇ…。

「『パフォーマー』のハーピーさんにぃ、『バードショー』のキャストさんでしたか。
 このあたりとなるとぉ、あちらの広場の方とかですかね」

「せっかくご来店いただいたのですしぃ、『ハンドマッサージ』のサービスでも…と思ったんですがぁ、
 羽根があると難しそうですね…」

 羽根が外せるのであればマッサージのサービスも可能だと暗に匂わせているようだ。
 コスプレ衣装であってもこれだけ大掛かりなものだと外すのは大変だろう。

595ブリタニカ『ハロー・ストレンジャー』:2021/09/12(日) 15:48:31
>>954

「はい、ああいった広い場所は、
 『ニンゲン』の方々も集まりやすいようですから」

『羽衣セキセキインコ』である『ブリタニカ』は、
その『知的探究心』によってブリーダーの元から脱走した。
それ以来『ハーピー』と名乗り、人間社会に溶け込んでいる。
『食料の安定供給』を条件に、野鳥達と専属契約を交わし、
街頭で『ストリートパフォーマンス』を行っている。
真の目的は、地上で最も高度な社会を築いた『人間』を、
様々な角度から調査・研究し、
彼らが繁栄するに至った『進化の秘密』を解き明かす事だ。
ゆくゆくは地球の『制空権』を掌握し、
『世界の空』を支配するために。

「『ハンドマッサージ』――――」

      チラ

「――――ですか」

自らの両手に視線を落とす。
『本来の自分』には存在しない器官だが、
これも『ハロー・ストレンジャー』による『擬態』の賜物だ。
『ハンドマッサージ』という言葉には聞き覚えがなかった。
どのようなものか調査してみたい気持ちはある。
しかし、どうやら『羽根』を外す必要があるらしい。

「お言葉に感謝致します。
 ですが、これは『ワタクシの一部』で御座いますので」

『羽根を外す』というのは、
『ハロー・ストレンジャー』を解除するという事だ。
『秘密』が漏れる。
それだけは絶対にあってはならない。

「そのような次第でして、
 『外す』事は出来ないので御座います」

『ハーピー』は、そのように言葉を返してきた。
『キャラ作り』の一環なのだろうか。
ストリートパフォーマーには『インパクト』が重要。
『衣装』も凝っている。
あくまでも『鳥人』という体裁を大事にしていたとしても、
不思議はないかもしれない。

        ――――キィッ

その時、表でブレーキの音が聞こえた。
おそらく、『スクーター』か何かだろう。
今度こそ本当の『客』が来たようだ。

596眠目倫『ノワール・デジール』:2021/09/12(日) 16:22:52
>>595

「『歓楽街』だけあって人も多いですしぃ、いい場所ですから納得です」
「そうなんですねぇ。『一部』だったら外せないですよね。
 もしぃ、爪や睫毛のお手入れ等あればまたお声掛けください」

 これだけ手間暇かかっていそうな衣装だ。
 破損や汚損も気を使う必要があるだろう。知らない店舗で外すリスクは冒せないだろうと眠目は納得したようだ。

「あ、本当ですねぇ。
 すみません、お客様がいらっしゃったようなのでちょっと失礼いたしますねぇ」

 眠目はそう言うと新しく来た客の方へと視線を向けた。

――…このバイクの音、もしかしたらぁ…。

 眠目の脳裏に一人の女性が浮かぶ。
 もし彼女であれば『カナリヤ』を描く為に気合いを入れなければならないと考えているようだ。

「いらっしゃいませぇ」

597美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2021/09/12(日) 16:55:55
>>596

「ワタクシは、これにて失礼致します。
 『ネイリスト』の『眠目倫』さん――――確かに覚えました」

         スッ

「また立ち寄らせて頂きます。
 先程も申し上げました通り、
 ワタクシはあちらで『ショー』を行う事も多く御座います
 
「よろしければ、
 眠目さんも是非一度ご覧になって下さいませ」

「それでは――――」

          カランカラン

別れの挨拶を告げて、店を出て行った。
そういえば『ハーピー』からは、
何となく『不思議な香り』も漂っていた。
『香ばしいバターをふんだんに使った焼き菓子の匂い』というか、
『気持ち良く晴れた日に干した羽毛布団の匂い』というか…………。
決して不快なものではないが、何とも説明が難しい匂いだ。
変わった香水でも使っているのかもしれない。

          カランカラン

「――――こんにちは、眠目さん」

代わって入店したのは、やはり『美作くるみ』だった。
前に会った時と同じく、活動的なアメカジファッション。
表情は明るい笑顔だが、その根底には、
何かしらの考え事をしているらしい雰囲気も窺えた。

「『この間振り』ですねぇ。
 今日はオフなので、お約束通り来させてもらいました」

実際は明確に約束をした訳ではなかった。
ただ、『あの時』の事は忘れていない。
いつか来ようと思っていて、それが今日だったという事だ。

598眠目倫『ノワール・デジール』:2021/09/12(日) 17:20:56
>>597

「はい、それではぁハーピーさんのショーでお会いできたらぁ。
 ありがとうございましたぁ」

 眠目はそう頭を下げると、漂ってる香りに気付いたようで首を傾げる。

――香水…? それともぉ、キャストさんたちの…?
――うちの猫の匂いにぃ、似てる気がするような…?

 疑問に思っていたのはほんのすこしの時間だったようですぐさま先日ツーリングをした女性――美作へと向き直った。

「来てくださってぇ、嬉しいです。
 先日は美作さんの『お仕事』を見せていただきましたからぁ、今日は私の番ですね。
 それではぁ、こちらのテーブルにどうぞぉ」

 眠目はそう言うと美作の指をちらりと確認する。
 ネイルをしているのであればオフする必要があるが、ないのであればハンドマッサージから始められるだろう。

――なにか悩んでる…気がするけど…。
――聞くならぁ、ネイル始めてからにしないとバタバタしちゃうし…。

599美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2021/09/12(日) 17:40:11
>>598

「来るのを楽しみにしてたんです。
 今日はよろしくお願いしますね」

         ニコッ

「――――期待してますから」

促された通り、指定された席に腰を下ろす。
ネイルはしていなかったが、
不摂生の欠片も見えない健康的な爪だ。
『仕事』で重要なのは『姿』ではなく『声』。
しかし、コンディションや身だしなみには、
いつも気を遣っている。
アイドルを引退した時から、それは変わらない。

「そういえば…………
 『冬キャンペーン』をやってらっしゃるみたいですけど、
 なかなか珍しい趣向ですよねえ」

秋に差し掛かっているとはいえ、まだ冬ではない。
それも気になったが、思い出すのは『先日の事』だった。
ちょうど自分が『職場』にいた時に、それは起こった。

「やっぱり『先取り』って感じなんでしょうか?
 そういうのって、さじ加減が難しいんですよね。
 あんまり先を行き過ぎちゃうと、
 なかなかついてきてもらえないですし」

だから引っ掛かった――――というのもある。

600眠目倫『ノワール・デジール』:2021/09/12(日) 18:03:40
>>599

「そんなに期待されちゃうとぉ、気合い入れないといけないですね。
 今日はぁ、ネイルでよかったですか?
 どんなのがいいとかぁ、あれば教えてくれれば」
「とりあえず、手をマッサージさせていただきますね」

 眠目は美作の手をいつの間にやら用意していたお湯の張られた洗面器につけ、優しくもみほぐし始める。
 洗面器からはほのかに石鹸の香りがしている。どうやらハンドマッサージの後に軽く甘皮のケアを行うつもりらしく、近くにはキューティクルリムーバーが置かれている。

「痛くないですか?」

「あぁ、『冬キャンペーン』ですかぁ。ちょっと早すぎますよね。
 実は――頼まれごとでしてぇ、『冬』にしないと困る人たちがいるみたいなんですよ。
 気付いたら歓楽街のあちこちで同じように『冬』が始まってて…面白いですよねぇ」
「……美作さんはぁ『オカルト』はお好きですか?」

 そう話しながらも手早く簡単なマッサージを終えかけている。

601美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2021/09/12(日) 18:31:28
>>600

「えっと――それじゃあ『お任せ』でお願い出来ますか?
 せっかくですし、眠目さんの『センス』を見てみたいですね」

少々悪戯っぽく笑いながら注文を出し、
ハンドマッサージに身を委ねる。
心地良い感覚に自然と気分も安らぐ。
最近、深く悩んでしまう事があったせいか、
こうしてリラックスするのも久々に思えた。

「へぇ………………」

「確かに、ここに来る途中でも、ちらほら見かけましたねえ。
 何だろうって思ってたんですけど、そんな話があったんですか」

(――――まさか、ね)

「『オカルト』ですか?ええ、結構好きな方ですよ。
 職業柄、『引き出し』は多ければ多い程いいですから」

「出来るだけ色んな話題に興味を持つようにしてるんです」

表面上は平静を装いつつ、心の中では気に掛かっていた。
『その手の話』なら、自分にも関係がある。
他でもない『自分自身』がそうだからだ。

602眠目倫『ノワール・デジール』:2021/09/12(日) 19:04:31
>>601

「『お任せ』ですかぁ。頑張らないといけませんね。
 それじゃあすこしずつ始めていきますぅ」

 眠目はそう言うとキューティクルリムーバーを美作の甘皮に垂らし、スティックで軽く押し上げていく。
 美作の爪は手入れされているようで甘皮処理の後は軽くファイリング(削り形を整えること)すればネイルに入れそうだ。


「そうなんですねぇ。それなら…。
 ちょっと私の友人の友人の話なんですがぁ…」

 そう、ホラーでありがちな言葉から始まった話は要約するとこうだ。

 眠目の友人の友人が『夏の魔物』と呼ばれる存在に襲われ、身体を『夏の風物詩』に変えられたらしい。
 その『夏の魔物』はかなり前から星見町に住まうようでこれまでに多くの人が犠牲になっている。
 どうやら『冬』を嫌うようで、街に『冬』が満ちればもしかしたら退治することができるかもしれない。

「……と言う訳でぇ、街に『冬』を満たす一環として、
 『冬キャンペーン』をしてるんですよぉ」

 眠目の気怠げな伸び伸びとした口調のせいでどうにも怖くはないが、どうやらこのままでは人が死ぬことになるらしい。


「ファイリング終わったのでネイルに入っていきますねぇ。
 えーっと、カナリヤ色のポリッシュは…」

 眠目はそう言って探すふりをしながら『ノワール・デジール』を出し、棚からポリッシュを取り出し持ってこさせた。

「あぁ、ありました。ありました」

 子供並の力しかない『ノワール・デジール』でも小さなポリッシュであれば問題なく持ってくることができる。
 一般人相手であれば問題ないだろうが…。

603美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2021/09/12(日) 19:28:37
>>602

「――――『夏』を『冬』に、ですか」

「何というか…………独特なお話ですねえ」

実際にキャンペーンを行っているという事は、
創作の類ではなく『実話』なのだろう。
実の所、それは分かっていた。
『同じような話』を既に聞いていたからだ。

「『オカルト』って遠いようで、
 意外と身近なものでもあったりするんですよね。
 『怪談話』の舞台って、
 生活に根ざしたシチュエーションが多いじゃないですか」

「人が集まる所で、
 じっと息を潜めているっていうんでしょうか?」

           チラリ

眠目が発現した『スタンド』を、それとなく横目で見やる。

「ふとした拍子に『それ』に気付いて、
 驚かされちゃう事ってありますよねえ」

肩の上に『小鳥』を発現する。
背中に『マイク』、口内に『スピーカー』を備えた、
『機械仕掛けの小鳥』。
『ノワール・デジール』とタイプは違えど、
同じ『スタンド』である事が眠目には分かるだろう。

604眠目倫『ノワール・デジール』:2021/09/12(日) 19:58:43
>>603

「私も実はぁ、全部を信じてるわけではないんですけどね。
 ただ、本当にその通りだったらぁ目覚めも悪いですし」

 眠目はそう言いながらベースコートを美作の爪に塗り、乾かしている間に空色のベースカラーを準備する。

「そうですねぇ。
 どこそこが事故物件で実はそこにお化けが…みたいな話聞きますよね」

 そう話しているところで美作が『ノワール・デジール』を見ていることに気付き、驚いた表情を浮かべる。
 そして美作の肩に現れた『機械仕掛けの小鳥』を見て理解する。

「……名字の珍しさやバイクだけじゃなくてぇ、こちらも『お仲間』だったんですね。
 まさか見えていたなんて、驚きましたぁ」

 眠目はそう笑いながら『歯車』のネイルシールを取り出した。

――空色にカナリヤイエローで鳥のシルエットにしようと思ってたけどぉ、鳥と歯車で組み合わせた方が合うかも…。

「それならぁ、さっきの話の詳細ももうすこしお伝えしましょうか?
 どうやらぁ、『スタンド』による事件みたいなんです」

605美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2021/09/12(日) 22:32:42
>>604

「あはは……そうだったみたいですね。
 私もビックリしました。まさかって感じですよねえ」

「『プラン9・チャンネル7』――そういう名前なんです」

肩に留まる『小鳥』に視線を向ける。
『小鳥』は動かない。
『ハーピー』の場合とは違い、大人しいのではなくて、
そもそも『動く能力』がないのだ。

「ごめんなさい、私も知ってたんです。
 似たような話を『仕事場』で耳にした事があったので」

「実を言うと…………この前、
 番組が『ジャック』されたんですよ。
 知らない『スタンド』が無断で入ってきて、
 勝手に喋って、勝手に帰っちゃって。
 『放送直前のスタジオ』ですよ?信じられない!」

無意識に、つい感情的な言葉が口から飛び出る。
『あの時』、確かに『スタンド使いのスタッフ』はいなかった。
だが、『スタンド使いのパーソナリティー』はいた。
『美作くるみ』――他ならぬ自分だ。
その時の驚きは、
眠目のスタンドを目にした時の比ではなかった。

「『スタンドの声』ですから、
 マイクに入っても大きな混乱は起きなかったですけど……。
 お陰で調子はメチャクチャになるし…………」

「――――もう!」

気付いた時には、もう放送は始まろうとしていた。
だから、『そのまま続ける』しかなかったのだ。
何とか普段通りのトークを行おうとしたが、
はっきり言って成功したかどうかは分からない。

「本当は追いかけたかったんですけど、『放送中』でしたから。
 そのまま見失っちゃって、今に至るって所ですねえ。
 あはははは…………」

ぶっちゃけ話をしつつ、眠目の仕事振りを観察する。
『歯車』のシールを取り出したのを見ると、
『プラン9』をイメージしてくれたのだろうか。
どんな風に仕上がるのか、楽しみだった。

606眠目倫『ノワール・デジール』:2021/09/12(日) 23:11:55
>>605

「スタンド使いはいるところにはいるものですからねぇ。
 私のは『ノワール・デジール』っていいます」

 人型のスタンドを動かして手を振らせる。眠目は『硝子瓶』を作って見せてもいいと考えているようだが、先にネイルに集中することにしたようだ。
 乾いたベースコートの上にベースカラーの空色を塗り、また乾かす。

「……本当にあちこちでこの話って広がってるんですねぇ。
 まさかスタンドがぁ、『電波ジャック』してまで広げてるなんて思いませんでしたけど…」
「仕事前にそんなことされちゃったらぁ、段取りとか吹っ飛んじゃいますよね。
 『スタンドの声』が入ったラジオなんてぇ、
 そうそう聞けるものじゃないですけど、やられた側は迷惑です…」

 話しながら乾いたベースカラーの上に極細の筆に茶色を乗せて木の枝を人差し指、中指、小指に描いていく。
 多少曲がっても味になるとばかりに細さだけに気を配った線だ。

「仕事はぁ、放り出せませんからね。
 どんなスタンドだったんですか?」

 乾いた端から今度は枝の周囲にカナリヤイエローを使い小鳥を描き始める。
 どうやら集中しているようで、先ほどまでより言葉少なになっているようだ。
 飛んでいる小鳥もいれば、枝に止まり口を開いている小鳥もいる。どうやら歌っているようで音符が書き足されていく。

「すみません、集中しちゃうと話がどうしても途切れちゃいますねぇ」

 眠目はそう言いながらネイルシールを爪の形に合わせ切り始めた。

607美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2021/09/12(日) 23:33:35
>>606

「『今出してる』って事は、
 お仕事にも活かせる能力なんでしょうねえ」

手を振る『ノワール・デジール』を一瞥するが、
すぐに爪に視線を戻す。
たまに自分でもやる事はあるが、
やはりプロの技術は根本から違う。
思わず見惚れてしまいそうだ。

「ええと――『人型のスタンド』でしたよ。
 何しろ突然の事で、
 あんまり詳しく覚えていられなかったんですけど」

「それから……。
 どことなく『和風』の雰囲気があったような……」

『不法侵入スタンド』の姿を思い起こす。
あの時は頭が真っ白になりかけたため、
強烈な印象とは裏腹に記憶は曖昧だった。
姿を見れば思い出すはずなのだが……。

「『空』に『枝』に『鳥』――――『芸術』ですねえ。
 ネイリストという芸術家の手で、
 小さなキャンバスの上に描き出される、
 繊細にして緻密な一枚の絵画。
 色んな人に見せて回りたくなっちゃいますね」

「私一人で独占するなんてバチが当たっちゃいそうで」

            クスッ

ネイルの仕上がり具合を見守りながら、にこやかに微笑んだ。
さえずる小鳥は、確かに自分に相応しいデザインに思えた。
『お任せ』にしたのは正解だったようだ。

608眠目倫『ノワール・デジール』:2021/09/12(日) 23:56:55
>>607

「さっきみたいに物を取ってもらったりぃ、
 あとはネイルチップとかを爪から綺麗に外すのに便利なんですよ。
 一般のお客さんにしちゃうとびっくりされちゃうけど…」

 眠目はそう言って自身の小指の爪に『ノワール・デジール』を触れさせると、つけているネイルチップを『透明な硝子瓶』に閉じ込めた。
 眠目の小指の爪にはなにもついていない。代わりに『硝子瓶』の中にネイルが入っている。

「こんなふうにぃ、塊を『硝子瓶』に閉じ込めることができるんですよ」

 そう言いながら眠目はネイルの作業に戻る。
 枝の描かれていない親指と薬指に切り取った歯車のシールをワンポイントとして配置していく。
 そしてその上からトップコートを塗り乾燥に入った。

「和風のスタンドで人型…。
 私は知らないスタンドみたいですねぇ。
 一人歩きするスタンドなんてぇ、聞いたことがないけどいるんですね…」

「そこまで褒められちゃうとぉ、照れちゃいますよ。
 あ、でもぉ、いろんな人に見せてくれると宣伝になって嬉しいですね」

 眠目はそう釣られたように笑うと道具を片付け始める。

「悩みとか、嫌だったこととかって人と話すとすっきりしますよねぇ。
 ヘアサロンもネイルサロンもそういう場所なんだと思います。
 ……すこしでも悩みは軽くなりましたか?」

609美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2021/09/13(月) 00:20:37
>>608

「羨ましいですねえ。私のは、そういうのって出来ないので」

         ジッ

見せてもらっておいて、自分だけ見せないのは不公平だ。
店内を見渡して『電話』を探す。
それがなければ『音響機器』でもいい。

「もし見かけたら、いつでも連絡して下さいね。
 一言文句を言っておきたいので」

満足げな表情でネイルを見つめながら、冗談めかして言った。

「…………そうですね。
 形は違いますけど、ラジオも似てる部分がありますし。
 この前、番組の中で『悩み相談』を受けたんですよ。
 多分、小学生くらいの男の子だと思うんですけど」

「傷付いている相手を助けようとしたんだけど、
 自分のせいで余計に傷付けてしまって、
 どうしたら良かったのか分からないっていう質問だったんです。
 私――――最近その質問を思い出す事があって」

「ある人の事を応援したいと思って、それを言葉にしたんだけど、
 知らない間に傷付けてたのかもしれなくて。
 本当は、私の言葉が重荷になっちゃってたのかなって。
 私のやってきた事って間違いだったんじゃないかって思ったんです」

「それで、ここの所、色んな人の意見を聞いてたんです。
 良かったら、眠目さんの言葉もお伺いしていいですか?」

ネイルからネイリストに視線を移し、言葉を繋いだ。

610眠目倫『ノワール・デジール』:2021/09/13(月) 01:11:00
>>609

「重たいものとか大きいものはできないのでぇ、便利というほどではないんですよ?」

 眠目はそう言うと美作の視線が彷徨っているのに気付く。
 室内にある音響機器はスピーカーとスマートフォンがあるようだ。スマートフォンから線が繋がり店舗BGMを垂れ流している。

「和風っぽいスタンドが一人歩きしていたら教えますねぇ。
 連絡先は…」

 ふと、前回は連絡先の交換をしていなかったことに眠目は気付いたようでポケットから音響機器に繋いでいるのとは別のスマートフォンを取り出した。
 美作が問題なければ連絡先の交換をするだろう。



 眠目は続く美作の言葉を瞑目して聞き、静かに言葉を返した。

「――応援が重荷に…ですか…」

「…私が簡単に『大丈夫ですよ』なんて言っても嬉しくないですよねぇ…」

「言葉は人それぞれ、どんな形で受け取るか、どんなふうに考えるかは違っているからぁ、
 伝えたかった意味と違うように取られることもぉ、よくあります」
「心が疲れてるときに頑張ってって言うと『もう無理なのにぃ』って思ったり、
 元気なときならぁ『頑張るぞー!』って思ったり」

「だから美作さんが言うように、
 傷つけちゃった『かもしれない』しぃ、重荷になった『かもしれない』です」

「…でも、それで気持ちが軽くなった『かもしれない』しぃ、
 頑張ろうって思えた『かもしれない』です」

「言った言葉をどう受け取るかはぁ、その人の気持ち次第だから。
 同じ人にぃ、同じ言葉を伝えても駄目なときは駄目です」
「美作さんが言うようにぃ、間違いだった『かもしれない』けど、
 それはたまたま相手の人が受け止められるタイミングじゃなかっただけでぇ、
 美作さんが気に病むことではないんじゃないかなぁって私は思います」
「これが『応援』じゃなくて悪口とかだったら話は違ったかもしれないですけどぉ」

「……なんだか上手く言えてない気がしますねぇ。
 相談のプロの前でなんだか恥ずかしいですねぇ」

 眠目はそう苦笑いを浮かべながら、頭をかいた。

611美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2021/09/13(月) 14:42:49
>>610

店内に置かれたスマートフォンを、さりげなく一瞥した。
それから、眠目が取り出した別のスマホも視界に収める。
それぞれの位置が分かれば準備完了だ。

「…………ありがとうございます」

「『人の心』って本当に難しいですから。
 私もラジオの仕事をそれなりにやってきて、
 今まで色んな人と喋ってきました。
 だから、複雑なのは分かってたつもりなんですけど、
 最近また改めて感じるようになって……」

「それで、ちょっと自信なくしちゃってたんです。
 私、このまま続けていけるのかなって。
 続けていいのかなって……」

「でも、色んな人から『言葉』をもらって、
 前に進んで行けそうです。
 この仕事が好きだし、これからも続けていきたいって、
 そう心から思うんです」

「――――本当にありがとうございました」

被っているキャップを脱ぎ、姿勢を正してお辞儀をする。

「そういえば『連絡先の交換』を忘れちゃってましたね。
 私って結構ドジやらかす事も多くって」

      「『あなたの電話番号は?』」

『プラン9』を通じて、『二台のスマートフォン』に呼び掛ける。
店内に置かれたスマホと眠目の持つスマホから、
美作の声が聞こえるだろう。
これで二台は本体の『ファン』になった。

  《『×××‐××××‐××××』デス!》

         《『×××‐××××‐××××』デス!》

「『機器』から『情報』を引き出す――これが『プラン9』です」

それだけ言って、能力を解除する。
人のプライバシーを覗き見する気はない。
代わりに、ジーンズのポケットから名刺入れを取り出した。

612眠目倫『ノワール・デジール』:2021/09/13(月) 16:23:53
>>611

「お仕事している美作さん、とても楽しそうに思えたので、
 これからも続けられそうならぁ、よかったです」

 そういって笑顔になった眠目はその後の美作の行動に目を見張り、固まった。
 スマートフォンに入っているアシスタントアプリが誤作動したのではないかと怪しみ、個人情報がうっかり漏れるのは…と困ったように首を傾げる。
 そして、美作のスタンドによるものだと知ると納得したように胸をなで下ろした。

「スタンドってぇ、本当にいろいろですね。
 スマートフォンにも効果があるスタンドがあるなんてぇ、知らなかったです」

 スタンドが消えていく姿を見ながら、そうだ。と声を漏らす。

「機器から『情報』を引き出すならぁ、その『和風のスタンド』について聞けないんですか?
 もしかしたらぁ、文句をつけにいけるかもしれませんよ?」

 どのような『情報』なら引き出せるのかや詳細な対象について眠目はわからない。
 だが、ラジオの録音機器や放送に使われるコンピューターは使用した『和風のスタンド』のことを覚えていたりしないだろうか。
 情報が多ければもしかしたらそのスタンドを捕まえることができるかもしれない。

613美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2021/09/13(月) 18:06:02
>>612

「そういえば…………!」

眠目の指摘は尤もだ。
あまりにも突飛な状況だったせいで、今の今まで忘れていた。
思わず声を上げるが、続いて考え込む表情を見せる。

「『プラン9』が引き出せる情報は『三種類』なんです。
 『内部データ』と『過去三日間の使用記録』――――」

「それから『リアルタイムで見聞きした情報』。
 私の声を聞いて『ファン』になった機器は、
 擬似的な意思を持ちます。
 『AI』みたいなものですね」

「その機器にカメラがあるなら『視覚』、
 音声入力や認識機能があるなら『聴覚』を持つ事になります。
 『リアルタイムで見聞きした情報』っていうのは、
 それで見聞きした情報の事ですね」

「この場合、『リアルタイムの情報』はダメですね。
 もういなくなっちゃってますから。
 『スタンドの声』が内部データに残るっていうのも考えにくいですし……」

「あるとすれば、やっぱり『使用記録』ですかねえ……。
 『例のスタンド』が『どんな事を喋っていたか』は、
 正確に聞き出せると思います」

立てた人差し指を顎に当て、思考を巡らせる。
その爪には、空をバックに小鳥が囀り、
歯車のワンポイントが飾られている。
まさしく『プラン9・チャンネル7』に打ってつけと言えるだろう。

「とりあえず、これから局の方に行ってみますね。
 今からなら、まだ情報を引き出すのも間に合うと思うので」

           スッ

「これ、私の名刺です。これからもよろしくお願いしますね」

名刺入れから取り出した名刺を一枚差し出す。
『星見FM放送』。
『Electric Canary Garden』。
『パーナリティー:美作くるみ』とある。
隅の方には、デフォルメされた手描き風の小鳥のイラストが、
小さく添えられている。
『電気コード』が付いているのが特徴的だ。
番組のイメージキャラクターらしい。

「『例のスタンド』の事で何か分かったら、
 眠目さんにもお伝えします。
 もしかしたら、
 他の場所でも色々やってるのかもしれませんから」

「『愉快犯』とも思えませんけど、
 だからって今後も同じような事をされたら困りますし」

同じ『スタンド使い』として情報の共有をしておきたい。
同性で同年代のスタンド使いというのも貴重だ。
共通の趣味もあり、眠目には親しみを感じていた。

614眠目倫『ノワール・デジール』:2021/09/13(月) 18:45:03
>>613

「本当にいろんなことができるんですねぇ。
 でもぉ、3日間なら早く行かないといけないですね。
 もうネイルも乾いてますし、大丈夫ですよ」

 眠目は今回はお金を取るつもりはないらしい。
 今回は先日『仕事』を見せてくれた『お仲間』に自身の『仕事』を見せただけの認識らしい。
 同じ趣味、同じ年代、さらに同じスタンド使い。
 得難い『お仲間』であり、友人だ。

「あ、名刺ですねぇ。
 この『コード』可愛いですねぇ。次の時は『電気』をモチーフにしましょうか」

 眠目は自身も名刺を取り出し、美作と交換を行った。
 眠目の名刺には下のように書かれている。

  _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

   <まつエクとネイルの店『Quince Nail』>
           ネイリスト 眠目 倫(Sakka RIN)

  _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

「そうですねぇ。一回なにかをやったスタンドが、他のことをしないとは思えませんし。
 こちらでもまたなにかわかれば連絡しますねぇ。
 もし見かけた時になにかやっていれば、私もぉ怒るかもしれません」

 眠目はそう言って笑う。

615美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2021/09/13(月) 19:31:03
>>614

「名前は『電気カナリア』です。
 ウチの番組のイメージキャラクターで、
 私がデザインさせてもらったんですよ」

「えっと、お会計は――――」

財布を取り出しかけていたが、
その手を止めて名刺を受け取る。
眠目の意図を読み取ったからだ。
申し訳ないと思いながらも、彼女の懐の深さを感じていた。

「今日は色々ありがとうございます。お陰で助かりました。
 このネイルも素敵な出来栄えですし」

          パ ッ

片手を開いて、爪の上に描かれたアートに視線を落とす。
ネイルだけでなく、相談にも乗ってもらえた。
また、ここに来なければ、
『機器に尋ねる』事も失念したままだっただろう。
眠目との交流で得たものは多い。
もし返す機会があれば、必ず返そう。

「知り合いと会った時は『Quince Nail』を紹介しておきますね。
 とっても腕のいいネイリストがいるからって」

         ニコッ

「――――『See you』!!」

              カランカラン

明るく華やかな笑顔を残し、店を出てスクーターに向かう。
『星見FM』に戻り、
『不法侵入スタンド』の手掛かりを掴まなければならない
何か分かる事があればいいが…………。

616眠目倫『ノワール・デジール』:2021/09/13(月) 20:15:59
>>615

「『電気カナリア』…素敵ですねぇ。センスいいんですね。
 もし、事前にデータいただければぁ、印刷してネイルに入れることも可能ですよ」

 眠目は喜ぶ美作の表情を見て次に来たときもいいネイルを提供できるようにしようと考える。
 仕事とはいえ、喜んでもらえると嬉しいものだ。

「ふふ、宣伝してもらえたらぁ、本当に嬉しいです。
 ではまた、ラジオ楽しみにしていますねぇ」

 眠目はそう言い頭を下げて美作を送り出し、仕事へと戻った。

――注意して聞いたらぁ、スタンドの声を聞けたのかな。
――流し聞きはぁ、だめね。

617天之 朝陽『一般人』:2021/09/17(金) 17:51:50
ここは歓楽街の…
        下水道

白い髪のショートボブ、金色の右目、左目に眼帯を付けた
少年っぽい恰好をした少女が
ふらふらとよろめきながら彷徨っている

618天之 朝陽『一般人』:2021/09/18(土) 07:43:25
>>617
朝陽「月夜…どこに行ったんだろう?
   早く見つけないと…」
???「その必要は無い」

ふらふらと下水道を歩く朝陽の前に現れたのは

ゴキブリ達の集合体「我々だ」

それは、無数のゴキブリが一か所の集まる事で
一匹の巨大なゴキブリのような形となった
いわばゴキブリスイミー
略してゴキミーだ!

朝陽「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
ゴキミー「我々は一匹のゴキブリのスタンド能力によって
     一つの生命体となった下水道のボス
     貴様もゴキブリ達の餌食となるがいい!」

朝陽「冗談じゃない!
   逆に逆に下水道を洗浄してやる!
   害虫共は鏖だあぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーっ!!!」

果たして朝陽はゴキミーを駆除する事が出来るのか?
次回、ゴキブリハンター朝陽第2話「朝陽死す」にご期待ください!

619小鍛冶 明『ショットガン・レボルーション』:2021/09/18(土) 21:14:33
ある夜のことだ。

「……」

パラパラと雨が降ってくる。
雨粒が建物の屋根やらを叩く音が響き始める。
そういう時は大抵雨足が強くなっていくもので、今夜もきっとそうなのだろうと思われた。
その音に混じる音がある。
耳をすませて、聞いてみれば。

タァン

という具合に銃声が聞こえる。

「……」

タァン

また銃声が響く。

「……」

タァン タァン タァン

雑居ビルの裏手、ビルに囲まれた空き地。
雨がそこに佇む少女を濡らしていく。

620小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2021/09/19(日) 18:48:41
>>619

『H城』で用事を済ませ、
他の場所を幾つか回っている内に夜が訪れた。
ちょうど雨が降り始めた時、『銃声』を耳にする。
聞き慣れない音だった。

  「――……小鍛冶さん」

だが、その姿には見覚えがあった。
以前、出会った事がある。
一度目は『ハロウィン』で。
二度目は『美術館』で。
どちらも星見街道だった。

  「ご無沙汰しています……」

小雨がそぼ降る中、少女に向かって丁寧に頭を下げる。
頭を上げてから、無意識に目で追っていた。
『音の源』を。

621小鍛冶 明『ショットガン・レボルーション』:2021/09/19(日) 19:32:03
>>620

「あら、どうも」

スタンドの銃を下げる。
それを手でクルクルと回すもののそこに雫は着いていない。
濡れているのは少女だけだ。

「お出かけですか?」

622小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2021/09/19(日) 21:18:36
>>621

目線を上げた時、『ヴィジョン』が視界に入る。
彼女とは二回ほど顔を合わせたが、
それを見たのは初めてだった。
しかし、不思議と意外だとは思わなかった。

  「ええ……少し用事があって――」

  「今は帰る所だったのですが……」

それから、少女の手元を控えめに見つめた。

  「『音』が――聞こえたものですから……」

形は違えど、彼女の持つ『銃』は自分の『それ』と似ている。

623小鍛冶 明『ショットガン・レボルーション』:2021/09/19(日) 23:44:13
>>622

「あら、見えますか」

「これはこれは」

黒い塊のようになった髪をかきあげる。
額から滑ってきた雫が唇に触れていく。

「そういものなんです、これは」

「あの音も私たちのような人にしか聞こえませんから」

624小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2021/09/20(月) 00:08:43
>>623

雨に濡れた少女を見つめながら、
その言葉に静かな頷きを返す。
彼女が何をしていたかは分からない。
ただ、分かる事もある。

  「ええ……存じています」

         スゥッ

左手を翳すと、そこに一振りの『ナイフ』が現れる。
少女の『銃』と同じく、本体自身が扱う『器具』のスタンド。
奇妙な偶然だった。

  「……私も『同じ』です」

         クルン

発現させた『スーサイド・ライフ』を手の中で一回転させる。

625小鍛冶 明『ショットガン・レボルーション』:2021/09/20(月) 00:12:56
>>624

「……なるほど」

「それはまた、偶然」

くすくすと手を口元に当てて笑う。
もう片方の手はショットガン型のそれをクルクルと器用に回していた。

「……苦労をしますね」

「そういった形のものを持っていると」

626小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2021/09/20(月) 00:28:39
>>625

『スタンド』には様々な能力がある。
ただ、『ヴィジョン』に関しては『人型』が最も多い。
確かに、彼女の言う事には一理あった。

  「どのような形でも……『自分の一部』」

  「私は――そう思っています……」

事件に遭遇する度に、この『刃』で道を切り開いてきた。
それは、これからも変わらない。
だからこそ、これは『自分自身』なのだと思える。

  「……あなたは?」

少女から『ショットガン』に視線を移す。
『スタンド』は精神の象徴。
そうだとするなら、あの『銃』も、
彼女自身の心から生まれたものなのだろう。

627小鍛冶 明『ショットガン・レボルーション』:2021/09/20(月) 01:10:37
>>626

「これは確かに自分の一部ですわ」

ぴたり、と止まる銃。
まるで兵士がそうするように両の手でそれを保持している。

「ですが、普通ではないでしょう」

「『ショットガン・レボルーション』」

「革命の銃ですから」

628小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2021/09/20(月) 01:33:33
>>627

  「『ショットガン・レボルーション』……」

『小鍛冶明』と出会った回数は多くはない。
ただ、自分の見た限りでは、
彼女は心に芯の強さを秘めていると思えた。
これまでの邂逅から、そう感じ取った。

  「『スーサイド・ライフ』――」

『左手のナイフ』を下ろし、代わって右手を持ち上げる。

  「――『ビー・ハート』」

そこに現れたのは『もう一つのナイフ』。

  「……『自傷』と『不殺』の刃です」

両手に携えられた『二本の刃』は、
研ぎ澄まされた光沢を放つ。

  「小鍛冶さんに『お話』があります……」

  「『革命』を起こしたいのです」

  「――……聞いていただけますか?」

『革命』を冠するスタンドを持つ少女に、
真剣な眼差しを向ける。

629小鍛冶 明『ショットガン・レボルーション』:2021/09/20(月) 01:54:18
>>628

「……」

何を言うべきか一瞬惑う。
その能力の性質から彼女の何を見出すべきなのか。
そして、それを口にするべきなのか。
今はまだ。

「……なんでしょう。革命、とは」

630小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2021/09/20(月) 02:04:50
>>629

少しの間を置いてから、おもむろに口を開く。

  「――この町に『危険なスタンド』が存在します……」

  「そのスタンドは『夏』になると現れ、
   人に取り付いて『夏の風物詩』に変えてしまうのです」

  「冗談に思われるかもしれませんが……『事実』です」

  「毎年、数人の犠牲者が出ています。
   発覚したのは最近ですが、
   かなり以前から被害は続いていたようです」

  「そのスタンドは『冬の風物詩』を嫌い、
   星見町から出る事はありません。
   ですので……町全体を『クリスマス』にする事で、
    これ以上の犠牲を食い止めたいと考えています」

  「……私に『計画』があります。
   小鍛冶さんにも『お手伝い』をお願いしたいのです」

そこまで言って話を区切り、少女の言葉を待った。

631小鍛冶 明『ショットガン・レボルーション』:2021/09/20(月) 02:26:49
>>630

「……なるほど」

言っていることはかなり突拍子もない。
そう思っている。
たとえ小石川が相手であってもかなり疑わしいラインだとも思う。
しかし、スタンド絡みのことはなんでもありだ。

「分かりました」

小鍛治は嘘が嫌いだ。
誤魔化されることも嫌いだ。
だからこれがもしも冗談であればタチが悪いと一蹴するだろうが、いまここでは信じることにした。

「お手伝いしましょう」

632小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2021/09/20(月) 02:42:28
>>631

  「――小鍛冶さん……ありがとうございます」

両手の『ナイフ』を解除し、姿勢を正して深く頭を下げる。
自分自身でも、信じてもらえるかどうかは確証がなかった。
しかし、返答を得られた。
その事に大きな感謝の念を抱く。
頭を上げ、再び話を続ける。

  「『アロマディフューザー』を『100台』用意しました。
   これを町中に配置する事で、
   冬らしい『シベリアモミ』の香りを広げるつもりです」

  「今は準備を進めている段階ですので……。
   実行は、もう少し先になるかと思われます」

  「他の方々にもお願いしていますが、
   設置と正常に動作している事を確認するための、
   見回りを手伝っていただきたいのです」

  「お差し支えなければ……
   連絡先を教えていただけないでしょうか?」

  「予定が決まりましたら、改めてお伝えいたします……」

そう言って、ハンドバッグからスマートフォンを取り出す。

633小鍛冶 明『ショットガン・レボルーション』:2021/09/20(月) 13:07:18
>>632

「アロマディフューザー」

なるほど。
町中に雪を降らせる手段がある訳でもなし、そういうやり方か。

「連絡先も承知しました」

隅に置かれていたカバンを取り出して、そこからスマートフォンを出す。

「それでは、そのように」

634小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2021/09/20(月) 16:29:10
>>633

  「他にはクリスマスの飾り付けや……
   クリスマスソングといった方法が考えられているようです」

  「……ありがとうございます」

連絡先の交換を滞りなく済ませる。
これで『18人のスタンド使い』が集まった。
予定していた人数は、もうすぐ揃う。

   ――あと『二人』……。

『献血』の話を聞く限り、
『関寿々芽』が『スタンド使い』だという予想はあった。
ただ、『レミ』が連れてくる一人は不明なため、
まだ数には含めていない。
最低でも残り『二人』は必要だ。

  「準備がありますので……本日はこれで失礼します」

  「小鍛冶さん――ここでお会い出来た事に感謝いたします」

  「それでは……」

       スッ

改めて頭を下げ、その場から歩き出す。
夜の街に降る雨に見送られて。
止められる事がなければ、空き地から立ち去るだろう。

635小鍛冶 明『ショットガン・レボルーション』:2021/09/20(月) 23:21:27
>>634

(……バイト先の本、クリスマスのものを集めておきましょう)

(あの白い本もクリスマスっぽいけれど、あれはダメね……)

「えぇ、さようなら」

雨が降る中、また少女は一人になり、引き金を引いた。

636佐々木澄絵『ヒューマン・クレイ』:2021/09/24(金) 21:30:38
星見町―残暑続く町中に突如として溢れ出した季節外れのクリスマス。
赤い衣装に白い髭が揺れ動く歓楽街、ビルの一角を借りて開催されているフリーマーケットに彼女も参加していた。

「さて、こんなものかな…」

設置を終えて澄絵は小さくつぶやくと椅子に座り、自分の『作品』を眺める…。

――『クリスマス』で残暑を吹き飛ばそう!

町中で見かける季節外れのサンタに赤と緑色のチラシ。
散歩をしていた彼女もまた『クリスマス』という文字に感化されたようだ。

『クリスマスのおじさん』
『雪のお団子』
『開かないプレゼント箱』

この日のために用意した『サンタ』や『雪だるま』などを模した『陶器』を自身のスペースに並べて、彼らが誰かの手に渡るのを待つ…。

637飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/09/24(金) 21:39:19
>>636
 茶髪を低い位置で結んだ中学生がフリーマーケットを見回り、とある店で足を止めた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「わ、可愛いー」

 フリーマーケットってなんだかわくわくするよね。
 アクセサリーとかいろいろ見て回ってたんだけど、陶人形?を置いたお店が気になって足を止めた。
 『サンタさん』に『プレゼント』、……『お月見団子』?
 『お月見団子』はこの間中秋の名月だったと思うと普通だと思うけど、なんとなく並んでる物が『冬』っぽい。

 周りを見たら『冬のネイル』をしてる人がいたり、なんとなく『冬』っぽいものを売ってる人が多い気がする。
 ここに来るまでにもぽつぽつと『クリスマス』っぽいもの見たし、流行ってるのかな?(>>589-590)

「これ、お姉さんが作ってるんですか?
 可愛いですね!」

 私は『サンタさん』をよく見ようと手に取った。
 色とかデザインとか気になる。

638佐々木澄絵『ヒューマン・クレイ』:2021/09/24(金) 22:24:36
>>637

「――いらっしゃいませぇ〜…」

お客さんが来たというのに眠気を帯びた気の抜けた挨拶をしてしまった…。
今の私のように眠そうなジト目の『サンタさん』が少女と見つめ合っている。
目の前の少女が自分のお店に興味津々という様子に気づくとシャキっと座り直した。



「………ッ!…ぁ…ありがとうございますッ
そうなんです、全部『自分』で作った作品なんですよぉ!」

少女の質問と『可愛い』という言葉で眠気はどこかへ吹っ飛んで…。
自分の作品を褒めてくれた少女に思わず顔がニヤけてしまう。

やはり自分が作ったものを褒められるのは嬉しくて心が躍る。
少女の質問に答えながら、身振り手振り動いてしまう。

639飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/09/24(金) 22:35:45
>>638

 ちょっとだけぼーっとしてお姉さんを見ちゃった。
 ニコニコしながら説明するようにわたわたと手を動かしてるお姉さん。
 なんだか見えないろくろを回すように思えておかしみがあって楽しい。
 陶人形もだけど、このお姉さんも可愛い。

「お姉さんの愛情が籠もってるんですね。
 あ、この『サンタさん』眠そうー。これじゃクリスマスに寝坊しそうですね」

 一度『サンタさん』を置いて他の商品も見てみる。
 赤月さんと一緒に来れたらよかったなぁ。そしたらペアでなにか買ったのに。

「あ、そうだ。
 お姉さん、友達と一緒に飾れるものとかあったりしませんか?」

 私はそう言いながら置かれている品物を見渡した。

640佐々木澄絵『ヒューマン・クレイ』:2021/09/24(金) 23:10:12
>>639

「作るときは私のいろんな想いを込めてますので…。
ちなみにこの『サンタさん』は昨日寝る前に作ったんですぅ」

デヘヘぇと粘土を捏ねる手付きと緩みきった顔で答える。
『サンタさん』に寝坊しそうという感想を言われて嬉しくなってしまう。
寝坊して開始直前までワタワタ準備していた『自分』と『サンタさん』が重なるのだ。
少女の言葉に満たされていく ――ああ、参加してよかった。


「お友達と、ふむ…
欲しいのはペアカップみたいなもの…とは違うみたいですね?」

『サンタさん』を置く時の少女の顔がどこか気になった。
緩んだ顔がゆっくりと粘土を捏ねる時の表情に変わっていく…。

「それなら、こんな子はどうでしょう…」

商品を見渡す少女の前に『シクラメン』を模した赤い『陶器』置く…。

641飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/09/24(金) 23:34:46
>>640

「寝る前に…!
 できたてほやほやなんですね」

 私はそう返事しながらちょっと変に思った。
 ……粘土って、乾かしたり焼いたりするんじゃないっけ?
 寝る前に作って今ここにあるのって、なんだか変??
 もしかしたらちょっと疑惑の目を向けちゃってるかもしれない。簡単にできる粘土なのかもしれないけど…。



「あ、可愛い!
 赤いとなんだか炎みたいで綺麗ですね」

 お姉さんが見せてくれたのは『赤いシクラメン』だった。
 燃えるように立ち上がる赤の花びら。なんとなく『兄の仇』を語っていた赤月さんの表情と『赤いメッシュ』がよぎった。
 見た瞬間、赤月さんの色だと思ったのはたぶんそれでだと思う。

「友達のはお姉さんが薦めてくれたのにします。
 私のは……」

 そう言いながら指をふらふらさせる。
 ふと、好きな色――緑のシクラメンを見つけた。

「この色、いいな…」

642佐々木澄絵『ヒューマン・クレイ』:2021/09/25(土) 11:01:26
>>641

「シクラメンにも花言葉とかあるみたいなんですけど。
私も詳しくは知らないですよねぇ……」

『冬』っぽいという理由で作られた『シクラメン』を模した『陶器』…。
創作中の『私』がノリと勢いで作ってしまったのであろう、赤だけでなく緑や黒や白色まである。
どうやら作ったのは正解だったようだ。うん、グッジョブ『私』!



「……おや、この色が気に入りましたか?」

ふふ、この子の指は『陶器』みたいに綺麗だな……。
少女の指が『陶器』と見つめ合う光景にそんなことを思う。



「――それでは、代金は一つ分でいいですよぉ
この『赤いシクラメン』は貴女がお友達に……」

何度も何度も褒めてくれる少女にウキウキデレデレなチョロい自分……。
でも、この子に自分の作品を貰って欲しくなってしまうのは仕方ないよね。

「そして『緑のシクラメン』は『私』があなたにプレゼントということで!」

突発的な一つ買ったら一つ無料でプレゼントキャンペーンです。

643飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/09/25(土) 11:30:08
>>642

「花言葉、いろんな花にありますよねー。
 あんまり気にしないから私も知らないけど…」

 シクラメンの花言葉ってそういえばなんなんだろう?
 私は首を傾げながらじっと花を見つめて気付いた。
 『花びら』って薄いのに…こんなに綺麗に焼けるものなんだ…?
 昨日焼いたらしい『サンタさん』に続けて、なんだか『違和感』がある…。
 けど、私は陶芸わかんないし…。

 『違和感』に悩みながらあれこれ見てたんだけど…
 なんとなく、お姉さんが私の指を凝視してる気がする…?
 なにかついてるのかな…?

 そんなふうに考えてたらお姉さんがプレゼントの提案をしてくれてびっくりしちゃった。

「……え、いいんですか!?
 でも…うーん…」

 流石に実質半額は申し訳ない。
 私はさっき置いた『サンタさん』を持ち上げてお姉さんに差し出した。

「……あ、そうだ!
 この『サンタさん』も一緒に買ってもいいですか?
 お姉さんからプレゼントもらえるのが嬉しかったので余分に買っちゃいます!」

644佐々木澄絵『ヒューマン・クレイ』:2021/09/25(土) 12:25:05
>>643

「あはは、なんだか買わせてしまったみたいで申し訳ないですね…!」

そう言いながらも口元は緩んだまま…。
買ってもらえる嬉しさが上回ってしまうのです。

「ふ…ふふぅ…!『サンタさん』
お買い上げありがとうございます!
それでは、少々お待ちくださいー!」

追加で作品を購入してもらえて声もウキウキになってしまう。
2つの『シクラメン』と『サンタさん』を慣れた手付きで梱包していく。
可愛い女の子に買われてジト目の『サンタさん』も嬉しいに違いない!



「はい、お待たせ致しました!」

割れないように丁寧に梱包された『サンタさん』と『シクラメン』…。
お友達へのプレゼント用と言っていたので別々の紙袋へ入れて手渡す。
この大きさの『陶器』ならば重くもないし破ける心配もないだろう。

「もし『陶器』に興味が湧いたら…
私の通っている『陶芸教室』を覗きにきてくださいねっ」

少女の紙袋には自分が通っている『陶芸教室』のチラシをちゃっかり添えて。

645飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/09/25(土) 12:33:26
>>644

「わ、丁寧にありがとうございます!」

 梱包された陶器を受け取って代金を渡した。
 しっかりしたものだからもっと重いかと思ったけどこれくらいなら私でも持って帰れそう。
 『シスター』に持つの手伝ってもらわなくてよさそうでほっとした。

「『陶芸教室』、楽しそうですね。
 もし機会があれば参加させてください」

 そう言うと私は手を振ってフリーマーケットから立ち去った。

 ……赤月さんとこにプレゼント渡しに行こうかなー。
 それとも別の時にタイミング見て渡しちゃう??

 陶器が割れないように気をつけながら私は『寮』に帰って行った。

646佐々木澄絵『ヒューマン・クレイ』:2021/09/25(土) 12:51:32
>>645

「買ってもらえたぁ…」

立ち去っていく少女に手を振り返しながら安堵の表情に浮かべる。

……お友達も気に入ってくれるといいなぁ。
きっとあの子のお友達ならいい子に違いない!

そんなことを考えながらお客さんのいなくなったスペースに再び座り。
私はゆっくりと瞼を閉じて、船を漕ぎ始めた……。

647赤月『サクソン』:2021/09/25(土) 18:05:23

     「ダーッコラァ!」

   「スッゾコラァ!」  「ドルァ!?」

深夜、歓楽街の裏路地
人通りが少なく、煩雑な物に溢れたこの通りにけたたましい怒鳴り声が響く
見ればそこにはガラの悪そうな男が三人、何者かに向けて声を上げている

「・・・・・・えないと」

男達の向こう側には一人の少女が立っている
パンツスタイルにパーカーを着たその女は顔色も悪く、足下もふらついている
どうやらこの騒動は少女が男達に肩をぶつけた事に端を発するらしいが・・・・

648真白『ユキカゼ』:2021/09/25(土) 20:25:14
>>647
「はぐはぐもぐもぐ」

清月学園の制服を着た少女が、その光景を眺めていた。
肩口で切り揃えられた艶々と黒髪、右横の一房だけが刃の様に白い。

「大丈夫・・・ン“ッ・・・!
 ずちゅるる・・・ごくん・・・大丈夫です?」

その手にハンバーガーとドリンクを持って、少女とヤカラに声をかけて来た。

649赤月『サクソン』:2021/09/25(土) 21:09:59
>>648

     「アァン?部外者はダマッコラァ!」

 「チョマッダコラァ!」 
             「そうだそ・・・・グボヘッ!」

  「「治郎ォ―――――ッ!?」」

心配した真白が騒動の連中に話しかけると
暴力的な意気を上げるヤカラ三人組が顔を向けて威嚇めいた怒声を浴びせかける
だがその声は最後まで上げられる事はなかった・・・・

「・・・・・えないと」

  ゴゴ ゴ ゴ  ゴ ・・・・

三人目の男『治郎』が横跳びに吹っ飛ぶ
ヤカラ達は何が起きたのかを理解した様子はないが、真白だけは『それ』を理解した

「・・・・越えないと・・・・・・」

少女が被ったフードがはらりと落ちる・・・・黒髪に赤いメッシュを入れた女の子だ
その隣には『トレンチコートを着た人型の像』・・・・スタンドが裏拳を入れたばかりの体勢で立っている

「一線を・・・・越えないと・・・・
『鬼』にならないと・・・・・私は・・・・・」

譫言の様に呟くその少女は追撃のためにスタンドを構えさせる
標的は残る二人のヤカラのようだ・・・・

650真白『ユキカゼ』:2021/09/25(土) 21:21:46
>>649
「あーあ」
 
  もぐ もぐ

 ずちゅるる・・・ずず・・・ずず

  ぽいっ    かこん

包み紙と空になったジュースのコップが、地面に投げ捨てられる。
吹っ飛んだヤカラの事は・・・まるでもどうでも良いように、軽い呆れ声だ。
                 、、、
「だから言ったのに――『大丈夫?』ッて」

「わからないから『絡んでる』とは思ったけど。
 速く逃げたほうが良いよ。怪我したくないなら」

少女が口の端のハンバーガーソースを親指で拭う――。
その瞬間に、少女の腰に『白い鞘』が表れたのを、赤月は目撃する。
虚空からの唐突な出現――これは。

「――殺気がスゴイな、と思ってたけど。
 ・・・『ご同類』?」

651赤月『サクソン』:2021/09/25(土) 21:54:19
>>650

     「ク、クソォ!ズラかるぞ、アズマァ!」

 「待ってくれよ、イノの兄貴ィ!」

             「ひぃぃぃいいい〜〜〜〜〜ッッ!!」

ヤカラ風の三人組はその場の異様さに肝をつぶしたかのような怯声を上げて去って行く
その場に残されたのは真白と赤月、二人の少女だけだ

「『御同類』・・・・そうか、君も」

腰元に『白い鞘』が現れたのを見て、赤月は理解する
先程までの『兎』とは違い、戦う力と意思を持った『獅子』が現れた事を

「刃をおさ・・・・いや」

『刃を収めてくれ、君と戦う意思はない』と言いそうになる己を滅する

(私は・・・・『鬼』にならねばならない・・・・
『殺意』を振りかざし、情け容赦のない『鬼』に・・・・
 そのために・・・・! 私の中の人間性を捨て去るためには・・・・)

ゆらゆらと揺れる前髪の奥で、深く隈を刻んだ目が真白を見つめる
『迷い』と『焦燥』に満ちた瞳が垣間見えた

「恨みはないが・・・・君を今から痛めつける!」

人型のスタンド『サクソン』が真白に向けて構えを取る

652真白『ユキカゼ:2021/09/25(土) 22:06:12
>>651
「・・・ふゥん」

赤月の目を、真正面から受け止める。
そんな真白の目は、爛々と輝いていた。

「アナタ、迷ってる? 辛そうな目をしてる。
 情け容赦なく、他人を殴り飛ばすようには見えないんだけどなァ」

「でも殺気は本物だったね。おかしな人。まァ・・・」

  チキッ

『ユキカゼ』の鯉口を切る。
例え、赤月が武器術に鈍くとも、分かるだろう。
相対する少女の流儀――『居合術』だ。

「やりあえば、分かることもあるね」

653赤月『サクソン』:2021/09/25(土) 22:24:16
>>652

「・・・・・・・っ!」

ごくりと唾を飲み込む
刀を構える目の前の少女の所作は『本物』。本物の武術家・・・・本物の『居合術』だ
赤月とてこの手の武術に精通している訳ではないが、何かを極めた人間特有の『美しさ』は感じ取れる

「違う・・・・!」

真白からの言葉。自身への評。
それを聞いた瞬間に、図星を指されたように目が泳ぐ

「違う・・・・私は情け容赦なく、他人を傷つけられる人間だ
 そうでなければ・・・・ならないんだ・・・・!」

ここでやらなければならない・・・・そんな思いが赤月を駆り立てた

「あ・・・・あああああ!」

『サクソン』が前のめりの姿勢で真白に向けて突っ込んでいく
呼吸は荒く、機は未だに整っていない、ただ我武者羅に前に突っ込み、真白の顔に右拳が突き出された! パス精CCA

654真白『ユキカゼ』:2021/09/25(土) 22:44:30
>>653
「あはッ」

 シャ キィィ ̄ ̄Z__ン!

瞬速の『抜刀』。生身の人間では『ありえない』速度で『刀が抜かれる』のを、赤月は捉える。
放たれた右拳に、柄の頭をぶつけ、その軌道を逸らそうとする。(パス精CBB

「『そうなりたい』ワケじゃあないの?
 『そうでなければならない』――なんて、アナタ、面白い」

このまま拳が逸れれば――赤月は、その次の手を予測できるだろう。
夜の闇でも輝く白い刃が、ギラリと牙を剥くように思えた。

655赤月『サクソン』:2021/09/25(土) 22:55:32
>>654

「はっ!」

    トッ・・・!

愚直なまでに一直線な軌道で放たれた拳が、
抜刀の前段階、柄頭に押し出されるようにして軌道を曲げる

肘まで伸びきった右腕・・・・刃の前に晒された身体はもはや死に体だ

「何が面白い・・・・!?
 事を為すために・・・・私は『情け』を捨てなければならない・・・・それの何が可笑しい!」

ギラリ、と刃の光が目に入る
それを捉えた瞬間、反射的に両脚がびくりと動いた

「くっ・・・・!」

上体を逸らして回避を試みるが、両脚の動きが一手遅い!
刃の前に・・・・身体が残る・・・・・!

656真白『ユキカゼ』:2021/09/25(土) 23:06:45
>>655
「ふッ」

死に体を作れたなら、一歩踏み込む。それだけでいい。
抜き放たれた刃は、その全身を顕にし、赤月の体に寄り添うようになる。

 ビタッ!

そこで、止まる。
刃が触れるか触れないかの所。振り抜けば、切り裂ける位置。

「んー・・・ゴメンね。私には分からないから。
 『そうでなければならない』って気持ちで『何かをやろう』って思った事ないわ」

「だから面白い思っちゃった。だってそれ、『重り』だわ。
 高く飛ぼうと思うのに、『重り』をつけてジャンプする人は居ないんじゃない?」

そのまま、『ユキカゼ』を動かす事なく、問答を続ける。

657赤月『サクソン』:2021/09/25(土) 23:20:53
>>656

「あ・・・・・」

ピタリと、赤月の肉体に寄り添われた『ユキカゼ』の刃
服一枚を隔てた向こう側に、刃の形を取った『死』を感じる

・・・・・
またしても訪れた『刃による恐怖』に赤月の全身は硬直し、身動きを取れない

「ぐっ・・・・・!」

観念したかのように握った拳を緩める
そして、ゆっくりと口を開いた

「『重り』・・・・だと?
 私の様な未熟者でも・・・・わかる・・・・君の技量は『達人』の域に達している、はずだ」

「それ程までの技量に至るまでには多くの労苦があったはずだ・・・・
 それこそ・・・・君が『重り』と称すような強い『意思』が・・・・違うか?
 事を成し遂げる為にはやらねばならない事が沢山あるはずだろう・・・・?」

658真白『ユキカゼ』:2021/09/25(土) 23:35:51
>>657
「ん・・・」

  ス・・・

ゆっくりと体と刃を引く。戦いはここでお終い、の意図。

「ありがと。褒めて貰えて嬉しい。
 これは私の『誇り』だから」

『ユキカゼ』の刃を、鞘に収める。
しかし、柄から手は離さず――何時でも抜き放てるように。

「そうだなァ。
 『意思』は大事。それは間違いない。強い『意思』無しに、何も成せない。
 でも、私はずっと『そうなりたい』から、刀を振るってきた。だから『こうなった』と思う。
 ・・・アナタは『強い意思』で、自分に合わない事をしてる。それが迷いになって、自分を縛ってる」

659赤月『サクソン』:2021/09/25(土) 23:53:57
>>658

「・・・・・・っは!」

身体から刃が離れ、緊張の糸が解けて抜けていく
元々、極度の貧血の所を無理を押して動いていた身体だ
両脚の力が抜けて、戦いの終わりと同時にへたへたと地面に座り込んだ

「合わなくなんてない・・・・」

緊張が解けたせいか、先程よりも子供っぽい口調で口を尖らせる

「自分に合わない事なんてしてない
 第一、自分に合った事しかやらないんじゃあいつまで経っても『自分』のままじゃないか
 私は『自分』を変えないといけないんだ・・・・アイツに勝つためにも・・・・そして」

その先の言葉は吞みこんだ

660真白『ユキカゼ』:2021/09/26(日) 00:05:57
>>659
「そ。アナタの戦い方があるんだから、多く口は挟まないけど。
 ああでも、私が首を突っ込んだ時点で大分、邪魔してるね。そこはごめん。
 ちょっとやり合えそうだったから、つい」

片手を立てて、頭を下げる。
真剣味はあまり感じられないが・・・一応、謝罪の形だ。

「・・・んー、でも、そう。勝ちたい、というのなら、アドバイス。
 私の師匠の教え・・・というか説教と言うか・・・。

 『迷いながら抜くな』
 『自分の首を落とすぞ』

 ――だって。私の技を少しでも認めてくれたなら、心の隅に置いてみて」

661赤月『サクソン』:2021/09/26(日) 00:33:29
>>660

「『迷い』・・・・」

振り返って自分の行いを見てみると、今日の自分は限りなく精彩に欠けていた
『サクソン』の本来の戦い方は機を見て、敵の防御を崩し、『暗器』を相手の意識の隙間に差し込む事だ
『殺意』を振るわなければならないという意識が前に出過ぎていて、そんな事を考える余裕すら無くしていた

「間違っていたのは私の方か・・・・」

あるいは・・・・それは『敗北』の原因を『何か』に求めようとしたせいかもしれない
『油断したから負けた』『体調が悪かったから負けた』という言い訳と同じように
『殺意を込めてなかったから負けた』と思い込む事で、敗北のショックを和らげようと・・・・

(そうだ・・・・そもそも『彼』との戦いに『殺意』なんて必要はないはずじゃないか
 向けるべき相手を間違えた『殺意』は・・・・私の中に『迷い』を生む)

「・・・・・すまなかった
 この場に居合わせただけの君に対して、不用意に拳を向けてしまった
 だけど、警察に突き出すのは少しだけ待って欲しい・・・・私にはまだやりたい事が残っているんだ」

踵を返し、この場を離れ始める
本調子ではない状態で無理をし過ぎた・・・・・
一度は全てを放り捨てようと思った身で恥ずかしいが、学生寮に戻ろうとする

「私の名前は『赤月 ナカレ』
 清月学園の学生だ・・・・君と同じく・・・・
 そうだ、君の師匠に伝えて欲しい・・・・『あなたの教えのおかげで道を踏み外さずにすんだ、ありがとう』と」

それだけ言い残すと、赤月はこの場を去って行った

662真白『ユキカゼ』:2021/09/26(日) 00:42:44
>>661
「気にしないで。こんなじゃれ合いで警察なんて呼ばないから。
 そもそも私も銃刀法違反、だし」

ひらひらと手を振って見送る。

「じゃあね。私は『功刀 真白(くぬぎ ましろ)』。
 次会う時は、決着がついていると良いね!」

「・・・・・・さ、帰って寝よっ!
 やっぱり夜の街は面白いなァ」

スッキリした気持ちで、家に帰った。

663小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』:2021/09/26(日) 16:41:10
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1456056964/460-461

↑を受けて『北落』氏を待つ為に、自分は教えられた『古本屋』の前に
立っている。

書店の匂いは慣れ親しんでおり、普段は落ち着いて幾らか買う目的もないのに
関心のある本を手に取って熟読するが、今は気を回す余裕も幾らか欠けて
秋と夏の間とも言える空気が横切る街の風と空を仰いでいる。

葉の色が青々しさを失せ、完全に黄と赤になれば。それ即ち、我々の
負けを意味する。近くに観賞用と風避けを目的と設置された大樹を見ると共に
懐に、何時ぞやの『ブルーフローライト』を取り出し手の平へ置いた。
淡い青の色合いが空を照り付ける陽と共に微かに肌に輝く蒼を散りばめる。

そう、暫く石を見つめてから再度 また無言で懐に仕舞うと共に待ち人が
来るのを佇んで静かに、その時が来るのを待つ……。

664北落砂錫『ザ・オーメン』:2021/09/26(日) 17:45:57
>>663
町の古本屋とは、現在における絶滅進行種の一つである。
大規模チェーン店やネット通販、電子書籍に押されており、稀覯本なども復刻と通販によって売り買いされることは珍しくない。
インターネットにサイトも出さず、通販もしない――そんな古本屋は、十三階段を昇る死刑囚に等しく死が約束された店である。
君が目にした古本屋――『北落書房』は、正にその様な取り残された瀕死体であった。
木造平屋――平成はおろか昭和の香りさえ保つ懐古領域――『本日閉店』と張り紙の貼られた引き戸が開いて、彼女は君に姿を見せた。

「時間通りですね、小林さん」

君の名前を呼んだのは、白黒の『千鳥格子柄』の、レディーススーツを着た、硬そうな雰囲気を持つ女――君は、そのような女であると記憶していた筈だ。
だが、その女――北落砂錫の今の姿は、全てが違う。
真っ黒な、しっとりとしたロング丈のワンピースを着た今の彼女の雰囲気は柔らかい、口調も、眼鏡の奥の眼も。
鉄を思わせる装いとは違い、どこかふんわりとした空気を纏った北落――彼女の喋り方も、ゆるやかだ。

「すいません、ここは私の持ち店で――まぁ、これは『営業用』と思っていただければ」

そして、彼女は君に背を向けて――僅か、振り返ってたおやかな笑みを向ける。

「ではどうぞ、話は奥で――」

そういって、北落は店内に足を進めた。

665小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』:2021/09/26(日) 18:12:34
>>664

電子書籍……いや、PC技術の改革と ここ数十年で文明を一世代変える程の
進化が起きた。これから段々と世代が経ていくと共に、紙の古い香りと共に
奥側のカウンターで居眠りがちな妙齢の女性が佇むような風景は確かに
目にする機会は消えるだろう。それでも、私は懐郷の空気が残る、この空間は
決して消えないし、願わくば人々の記憶の底に残って欲しいと思える。

「行き成りの訪問を許して下さった事、まずは有難う御座います。
書店を切り盛りしてたのですね……良い趣味だ」

目上の方への感謝。社交辞令に近しいが、本音も交えた称賛の声と共に
内部にある本棚に軽く目を走らせるものの、今回の要件はそう言ったものでない。
奥に促され、軽い礼と共に座って訪問の為に取り急いで用意した道中で買った
どら焼きの詰め合わせなど渡しつつ、口を開く。

「雑談は抜きでいきましょう。貴方も、いま街で起きてる事は知ってるでしょうし
恐らく、私が訪問する以前から『夏の魔物を退治する為に街に冬を満たす』
その計画については、先程の通話の感じからも既に貴方も知ってると思われてます」

「いま、学園で私や他の方達は……自身の住まい、学園のクリスマス飾り付け。
清月では文化祭の日と共に冬のイベントを考えてます。
それ以前からも新聞やテレビ等を通して其の開催の旨を街の人々に
意識するように放送するつもりです。これ等に関しては私達の分担ですから
貴方がたにご迷惑は一切かけない。ただ一応こちらの事情も知っておくべきだと
考え事前に説明させて頂きました」

「……私はアリーナと言う組織形態を熟知してないが、親友を通し多少の知識はある。
今回の出来事を貴方がたは そもそも関与するものでなく、だからと言って
我々の行動を邪魔立てする理由も無い。報酬さえあれば、多少はこちらの願いを
聞き届けてくれる」

その認識で間違いないですか? と小林は相互の認識に齟齬が無いか最初に
確認をした。

666北落砂錫『ザ・オーメン』:2021/09/26(日) 18:35:45
>>665
「ええ、概ねにおいてその通りと認識して構いませんよ」

変わらぬ言葉、変わらぬ口調。
北落という女の真偽を図る術は無くとも、言葉は君の言葉を肯定した。

「我々の存在意義に関わるような出来事ではない以上、関わっている誰かを邪魔する必要もありません。そもそも、既にアリーナは関わっていますしね。むしろ、邪魔する誰かを邪魔する方がありえるでしょう」

眼鏡の奥の瞳も、柔らかく細まる薄い笑み――その奥底には、『問い』の色。

「とは言え、多少を叶えるのにも報酬はいりますし――多少の次第によっては安値では済みません。その上で、小林さんは私に何を望むのですか?」

667小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』:2021/09/26(日) 19:41:10
>>666

>私に何を望むのですか?

数秒の間の後に小林は口を開く。

「まず、二つ『願い』と『依頼』があります。
願いは、そのまま お願いです。今話したように、私達のほうで近日中に
冬のイベントを街全体で行おうと言うスローガンを発信します。
 で、その中の内容として当日にはクリスマス柄のシャツ、そう言った冬の柄が
目立つ衣服を着る事を促しますので、そちらのアリーナもそうしてくれればと。
これは、あくまで私達からの お願いです。強制ではありませんし自宅にある
雪だるまとか、クリスマス関連の服。無い場合は近くの古着屋で構いませんし
もし出来ればネットとかで数千円のを購入して貰いたいですけどね」

これに関しては、街全体で頼む事だ。少なくとも当日、街の大多数が冬関連の
ロゴや柄の入った衣類を着てくれれば自然と、孤高主義とか例外を除いて
大多数の人は来てくれるだろう。故に、これは前置きだ。本題は……。

「……『依頼』のほうですがね。わたし個人として、今回の発端となった場所の
調査にあたった方達を信頼しない訳では無い。だが、万が一が無いとは限らない。
現在進行形で冬の風物詩、それで象徴とも言えるクリスマス的な行事に全員
あたっているが、夏の魔物に及ぼす効果は未知数です。前例が無い事ですから
仕方がないが、街全体と言ってスカイモールや大通り、学園など要所要所を
クリスマスムードに仕上げるだけで良いのか? 目の届かぬ郊外で情報発信が
余り届かない少数の家屋で今回のムードに入らないと言う方達が居た場合は
問題ないのか? そう言った懸念は挙げればきりがないですがある」

そこで、少し吐息をついて覚悟を決め『依頼』を切り出した。

「星見町の点在する神社や、教会……『鐘楼』のある施設。
そちらに人材を派遣し、当日、イベントの終了間際で構いません。
『除夜の鐘』を行使したい」

……全員が全員、クリスマスの催しの為に尽力を果たしてる。
だが、それが夏の魔物に効かなければ? 正月、もしくは別の行事が
本来は効くものであったら?

私は失いたくない。決して、『彼』を あの子を失いたくない。

出来る事は全て、やり尽くす。

「……この依頼にあたって、貴方がたのアリーナに決して少なくない
労力を負うと思ってます。無論、こちらで報酬は『既に用意してる』
確認しますが、この依頼を受ける意思はありますか?」

668北落砂錫『ザ・オーメン』:2021/09/26(日) 20:27:29
>>667
北落は、君の問いかけを受けてしばし、考えていた。

願い、依頼――どちらも、相当の人手を要求すること。容易いことではあるが、手間は掛かる。思案せずの即断は無理筋というものだろう。
そして、思案の結果――北落は、にこりと君にうなずいた。

「わかりました。どちらも可能です」

答えは――了承だった。

「『当日』によって動かせる人間は代わりますが、動かせるだけの人間に冬の装いをさせましょう――『除夜の鐘』に付きましても、可能です」

『鐘』を鳴らす。
神社や寺のような場所なら境内にあるが、教会などは『上』にある。侵入も含めれば、決して容易くなく、言葉通りに手間は掛かる。
それを、何事もないかのように、北落は可能であると言った。

「流石に、町中全てを鳴らすことは不可能ですが、街中に響かせる程度には鳴らすことは可能です。その程度の人手は、ありますので」

断言した北落は、じっと君を見た。

「報酬があるというのなら、断る理由はありません。後は、報酬次第ですね」

669小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』:2021/09/27(月) 17:11:25
>>668

『可能』……そう言われて、正直に安堵の息が漏れる。
街全体を響かせられるなら宗教施設全体で無くて構わない。
要箇所のみ、されどマンパワーでは不可能な為、こう言った組織に
掛け合わなければ無理であった。私の策は、夏の魔物を討つのに効果は未知数だが
それでも実現可能ならば、街全体を満たす冬の風物詩の一矢にはなる。

>報酬があるというのなら、断る理由はありません。後は、報酬次第ですね

「……最初に話した通り、いま私や他の者が冬の告知の為にマスメディアの
あらゆる場所に資金を投入した為、そちらに金銭と言う形で明確な報酬を
渡す事は出来ません。だからと言って後払い等とは言いませんよ。
告げた通り『準備は出来ている』のですから」

「北落さん。私は小林  小林 丈
スタンドは『リヴィング・イン・モーメント』 液体を溶媒に発現させる能力。
液体を水槽の球体と言う形でビー玉サイズからソフトボールサイズで包み込める。
この前の夢でも多少は貴方に開示させた能力。
偵察 及び 特定の状況と言う制限はつくか暗殺も可能なのが私の力」

必死に考えた。『アリーナ』と言う組織に動いて貰う為に何を提示出来るか。
私が一抹君を救う為に、一体何を出来るのか。

「――私は貴方達の『アリーナ』へ忠誠を捧げる。
望めば、どんな汚れ仕事にも身を費やしますし。生命を脅かす仕事も
喜んで受けましょう。報酬は『私自身』だ
これから先、私の周りの仲間を傷つけない限りは無償で貴方がたに尽くす」

満足出来るような金銭は出せない。だからと言って彼女達の関心を買える品など
元より備えてない。

『アリーナ』と言う組織に、私が無条件で扱える道具として加入する。
誰かを悲しませる事をせずに出来る、たった一つ可能なやり方。

670北落砂錫『ザ・オーメン』:2021/09/27(月) 19:38:08
>>669
北落は僅かに考え込んだ様子を向けた。
彼女は君の能力を知っている。その能力の応用力の高さも――暗殺向きであるということも。
君の忠誠と隷属には間違いのない価値がある。しかし、除夜の鐘を鳴らすための手間暇を得るものだろうか?

「――了解しました。その報酬で受けましょう」

北落砂錫は、笑みを浮かべたままでそう告げた。

「我々は必ず除夜の鐘を鳴らします。その結果がどうであれ、あなたは私達『最中派』に尽くしてもらうことになります」

「そして、あなたの周りの仲間については……当然、提示をしていただきます。特に、
スタンド使いに関しては……能力も含めて知らなければ、巻き込まないようには出来ませんからね」

友を守るために、友を売れと彼女は君に求めている。
君が頷くかどうかが、北落の次なる答えの源になるだろう。

671小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』:2021/09/27(月) 23:44:16
>>670

>あなたの周りの仲間については……当然、提示をしていただきます。特に、
>スタンド使いに関しては……能力も含めて知らなければ、巻き込まないようには出来ませんからね


「私が浅学非才なだけでしょうが……何を以て『提示』をしろ、と?」

小林は、明らかに困惑の表情に真顔から作り上げた。
敵意とか、緊張の前に何故 そのような方面に流れがいったのか理解が及ばない風に。

「除夜の鐘に関しては、私 『個人』の依頼です。
周りの仲間の能力を提示する理由が不明ですし、そもそも私の知る
スタンド使いは殆ど能力の詳細を教えてくれた事は無い。
それに除夜の鐘を鳴らす事に関しては幾らかの人員は必須ですが
貴方がたに労力を強いる以外に危険は無い筈。
まず、巻き込む、巻き込まないと言う話にはならないと思うのですが」

これは本当だ。夢魔の中で知り合った空井さんやアリス。アリスも以前の
夢の事を思い出したが、そもそも共闘する前に一抹君と自分のチームで
別行動をした為に詳しい能力は聞いてないし空井さんも同様だ。

後輩の千草さんは、穴を掘って埋めた物を消せるような力だと話して
貰ったが、詳しくも聞いてない。当たり前だが、自身のスタンド能力を
曝け出す事が稀だろうし、まず現時点で北落氏が満足するような他者の
スタンド能力の情報を開示する力が私には無い訳だ。

「私のみ、私だけが貴方が告げたアリーナの『最中派』
それに今後、私の命運尽きるまでは仲間に危険を及ばないと言う条件で仕える。
対価は、それで十分な筈だと考えるのですが」

一日だけ、一度除夜の鐘をアリーナの構成員に動いて貰う。
その代わりに、私のみが身を捧げる。釣り合いは、これで取れると考えるが
北落氏……彼女は、それだけでは足りないのか?

672北落砂錫「ザ・オーメン」:2021/09/28(火) 19:31:19
>>671
「そうですか、それならばそれでいいでしょう」



君の言葉を受けた北落は、何事も無かったかのように言葉を紡ぐ。



「不足というわけではありません。あなたの能力は見た限りでも応用が効きますので」


不足ではない。
即ち、君の提案は成立したということだ。



「では、その日が決まったら連絡をお願いします。事前連絡が早ければ早いほど、仕込みがやりやすくなるので……」

673小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』:2021/09/28(火) 22:46:10
>>672(何事もないようでしたら、開催日も迫ってるので
次で〆る形で宜しいでしょうか)

落ち着いた口振り、先ほどの問いかけの真意は聞かない。
試されたのかも知れない。己がどのような人となりか、また他者の価値を
どう扱うか、等を。例えそうでも構わない。交渉は『成功』した
重要なのは其の一点なのだから。

「……有難う御座います。貴方と、貴方の組織へ」

感謝を、その言葉と共に頭を巡らす。

次善策として、これで街全体に冬の風物詩としての一つは確立出来た。
 残るは、本題である『クリスマス』をテーマとしたXデーの開催。
依頼の成功も本題だったが、その前の願いの了承も大切だ。
たかが衣服と侮っていはいけない。夏の魔物を駆除する為には全員の
協力が必須だ。冬柄の服を着る人間が多ければ多いほど、冬の意識が街に
広がり、成功率が上がる。


「そうですね。後日、決行日の詳細は送ります。
……あぁ、それと。鐘楼設備のある場所だと『烏兎ヶ池神社』と言う場所なら
私が直接赴き、当日に、そちらには私が鐘を鳴らそうと思います。
あちらの神社の関係者とは面識があるので、比較的に鐘を鳴らす事は
許してくださると思うので。他の寺院に関してはお願いします」

そこで言葉を区切る。

(一抹君)

必ず 君を救い出す。君と 君の取り巻く世界を哀しみで幕を閉じさせなど
決してしない。

674北落砂錫『ザ・オーメン』:2021/09/29(水) 17:37:57
>>673

(了解です。お店でちゃって大丈夫です)

「では、『烏兎ヶ池神社』に付いてはおまかせします」

君の言葉に、北落は了解の意を返した。

「残りの場所は、可能な限り『町を覆う形』で鐘を鳴らします。その結果として『夏の魔物』が収まる様、鳴らし手達には祈らせましょう」

変わらぬ笑みのまま、冗談とも本気とも取れぬ口ぶりで、北落は鳴らす範囲を告げた。
夏の魔物――標的がどこであれ、聞こえるようには鳴らしてみると。

「では、当日。お会いすることは無いでしょうが――成果は必ず耳に入るとお約束します」

675小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』:2021/09/29(水) 20:44:26
>>674(かしこまりました 有難う御座います)

「何卒 どうか、宜しくお願いします」

ただ真摯に、今は最中派へと感謝を告げ首を垂れよう。
これから先、如何なる煮え湯や煉獄の中に投げ込まれようとも、この方達の力を
借りる事で街を包囲する形で夏の魔物に対し致命傷になりうるか不明だが
冬の意識を星見町へ統一するのに役立つ。彼を助ける力となるのだから。

「それと……もしも」

去り際 静かな目で、北落氏へ告げた。

「…………例え、誰かが貴方がたに鐘を鳴らしたか教えて欲しいと言われても。
――私の名は出さないで下さい。
 もう十分、私は私が助けようとした彼に大切なものを学び 貰えた。
今 夏の魔物に憑依されてる彼が正気に戻れば、きっと罪悪感を感じる筈。
……独り善がりの私のした依頼で、重荷をこれ以上 彼が背負う必要は無いのだから」

既に依頼の範疇では無い。町中の鐘楼を鳴らすように頼んだ傍ら 余計な注文を
幾つも付けられても良い気はしないだろう。

それでも、彼が日常に還った時。私のした事で苦しむような事は起きて欲しくない。
 夏の夜に起きた一時の悪い夢として、何時か笑える過去として彼が進む先に
多くの光があれば良い。それだけで、私は影の中で幸せに浸れるのだから。

676北落砂錫『ザ・オーメン』:2021/09/30(木) 17:35:29
>>675
「解りました。誰に問われようともあなたの名前は出しません」

北落は君の願いに肯定を告げた。

「聞かれたら、この町を愛するが故の無償の善意――とでもしておきましょう」

アリーナにおいて、最も品性のない最中派閥の人間とは思えないセリフであった。
言葉の、真偽を決めるのは君であるが、君の今後の働きを考えた場合、この時点で偽を謳うことは考えにくいだろう。

「そして――」

最後に一つ、去りゆく君に北落は付け加えた。

「仮に明らかになっても、貸し借りとしての認識はは有りえても、重荷は感じないでしょう

君が振り向いたのならば、そこには笑みが浮かんでいるのを見たはずだ。
感情があるかも怪しい笑みから、確か、愉が籠もった外連の笑みが。

「私達の長が、鬼と呼んだ男です……そんな可愛らしい子供のような心など、持っているとは思えませんよ」

そして、君は去り、北落は残る。
夏の魔物を追うための網は――確実に生まれつつあった。

677甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2021/10/02(土) 09:12:34
頭から大量の血を垂れ流しながら歩いている

678甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2021/10/03(日) 07:40:07
>>677
どこかに行った

679風歌鈴音『ダストデビル・ドライヴ』:2021/10/03(日) 20:38:34
結局、事件に付いての連絡は来ない。まぁ、そのようなこともあるだろうと思った風歌は、その件を忘れ、当座の金を得るために働いていた。

今日の仕事は、公園で得た謎の仕事――本当に謎の仕事である。
意味も解らない。理由も解らない、しかし、金は貰える――道具も支給されている――やらない理由はなかった。
後悔は、常に決断の後に訪れる。




風詩鈴音――17才。現在、サンタコスチュームに身を包みながら、駅前の定食屋で秋刀魚の塩焼き定食を食べていた。

季節は秋とは言え、真冬の装いをするには室内とは言えちと熱い。
しかし、一日、駅前を適当にぶらつきながらサンタコスをしているだけで日給5000円はホームレスには悪くない収入。

故に、近頃は町のそこかしこで同じ仕事を受けたサンタコスをしたホームレスが徘徊している――小汚い髭をはやしたサンタ姿の不審者達――警察は訝しげに観察しているが、違法性はない。

ただ――目は痛い。周囲からの視線はイタイやつ扱い。何故かサンタコスの人間を多く見かけるが、それでも定食屋では視線が刺さる刺さる。

それに刺し貫かれる風歌ではないが、痛いものは痛いのだ。



「(ったく、思いつきで仕事なんてするもんじゃねえな……)」



味噌汁を吸いながら、小汚いサンタ女は己の愚かを悔いていた。

680百目鬼小百合『ライトパス』:2021/10/03(日) 20:52:11
>>679

        ザッ

白いパンツスーツを着た年嵩の女が、
風歌の後ろから現れる。

「隣――――空いてるかい?」

        ガタッ

片手で椅子の背を引きながら尋ね――――。

「ま、空いてなくても勝手に座らせてもらうよ」

――――そのまま腰を下ろした。

         スッ

「『秋刀魚の塩焼き』と…………」

「――――『ビール』」

注文を出してから、風歌に視線を向ける。

「こんな所で会うとは奇遇だねえ」

「ちょうど良かったよ。アンタに話したい事があってさ」

681風歌鈴音『ダストデビル・ドライヴ』:2021/10/03(日) 21:06:40
>>680
「お、おお……久しぶり……」

風歌としては気まずい相手である。
格好が恰好であるし、結局連絡が無かった相手である。
もっとも、恨みと呼ぶような感情はない。
ホームレスである風歌は、更生施設やムショに行った同輩が帰らないことをめでたく思うクズである。
つまり、『頼りがないのは良い証拠』を信じているのだ。
しかし――要件があるということは、何かあるということなのだろう。

「それで……何の話だい?」

682百目鬼小百合『ライトパス』:2021/10/03(日) 21:33:00
>>681

「アタシの口から言うよりも、
 見てもらった方が分かりやすいかねえ」

        スィッ

片手に持っていたスマホの画面を見せる。
(ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1456056964/519)
『関寿々芽』から送られてきた情報だ。

「今は大方こんな事になってるらしいよ」

「それで、だ――――」

「――――あぁ、来た来た」

話し始めようとしたタイミングで、
注文した品が運ばれてきた。
ジョッキを手にして、ビールを喉に流し込む。
秋の気配が近付いてきたとはいえ、
まだ暑気が残る時期には心地良い感覚だ。

「最近は涼しくなってきたけど、まだまだ…………」

「おっと、話が逸れちまったね。
 実は『知り合い』が人を探してるんだよ」

秋刀魚をつつきながら、言葉を続ける。

「『アタシらみたいなの』をさ」

683風歌鈴音『ダストデビル・ドライヴ』:2021/10/03(日) 22:13:50
>>682
「あー……結局、行き損ねちまったか」

風歌はぽりと頭を掻く。
場所そのものは聞いていたが、いつ行われるかは聞いていない。
ホームレスである風歌が張り込むなどは論外の極限であり、入れば警察を呼ばれたのは間違いない。
……結局、縁は無かったのだろう。いや、縁を作れなかった己が愚かだったか。

「悪い……」

故に、風歌は自分の手落ちと侘び、頭を下げる。
そして――頭を上げた時、そこには一つの意志があった。

「その子には心当たりがある…・…湖畔近く教会の息子だよ。炊き出しの時に知り合ってる。なるほど、そんなことにねぇ……」

ホームレスたる風歌にとって、神の使徒の施しは命を繋ぐ綱の一つ。
それをありがたく貪ってはその場限りの感謝の念を神に向けたものである。
恩を返す機会など、無いとは思っていたが――

「恩返しの時が来たってことかね……わかった。

風歌は、こくりとうなずき、了承と肯定の意を返す。

「アタシに『人集め』のコネはないが……アの字との付き合いはある。アタシに出来ることがねぇか、やれるだけはやってみるよ」

684百目鬼小百合『ライトパス』:2021/10/03(日) 22:34:35
>>683

「別に気にする事ないよ。アンタのせいじゃあない。
 それに、こうして情報は伝わったんだからね。
 結果オーライさ」

「それはそれとして、『知り合い』ってのが――――」

       ピッ

風歌のスマホに『連絡先』を送る。
『小石川文子』という名前らしい。
風歌とは全く面識のない人物だ。

「今、送らせてもらったよ。
 何とかっていう機械を使って、
 『クリスマスらしい匂い』を町に広めようとしてる」

        スッ

秋刀魚を箸でほぐし、口に運ぶ。

「そのために『人手』が要るらしいんだ。
 出来たら、アンタにも手伝ってもらいたくてね。
 『報酬』も出すそうだよ」

        グビィッ

スマホを置いて、ジョッキを傾ける。

「その気があるんなら、先方にアンタの連絡先を教えとくよ。
 幾らになるかは交渉次第って所だろうけどね」

685風歌鈴音『ダストデビル・ドライヴ』:2021/10/03(日) 22:36:49
>>684
未知の相手――未知のスタンド使い――不思議と不安はなかった。
目の前の人は、自分を助けてくれた人である。そして、紹介する相手も、誰かを助けるために手を借りようとしている。
そのような相手が信頼できないということは、ないだろう……

「解った。アタシの連絡先。教えてくれていいぜ」

686百目鬼小百合『ライトパス』:2021/10/03(日) 23:04:29
>>685

「じゃあ、風歌さんの事は伝えとくよ。
 手数かけて悪いんだけど、
 一応アンタの方からも連絡を入れといてくれるかい?」

「あぁ、そうそう。
 いつだったか、三人で一緒にメシ食った子がいただろ?
 今回の一件には、『あの子』も関わってるそうだよ」

「世の中ってのは狭いねえ」

この件が始まってから、そう感じる機会が増えたのは、
おそらく気のせいではないだろう。

「――――ところで、『ア』ってのはアレかい?
 『ア』で始まって『ナ』で終わるヤツじゃあないだろうねぇ」

酒と肴をやりながら、冗談交じりに軽く笑う。
その名を聞くのは初めてではない。
この街で『スタンド』が絡むと出てくる名前だ。

687風歌鈴音『ダストデビル・ドライヴ』:2021/10/03(日) 23:17:59
>>686
「全くだ、この町は解らねえところが多い割に狭いんだ!」

風歌もまた、笑顔をみせて笑う――その脳内においては、連絡が確定していた。

「ここ暫く、会う相手会う相手が片っ端から……まぁ、あれでな。石を投げたらぶつかるんじゃないかって気分だぜ」

半ば、冗談ではない――その程度の頻度では、風歌はスタンド使いに会っている。
だから、石を投げたり空き缶を蹴ったりなどはしていない――どの様な縁が生まれるか解らないし、悪縁が生まれるのは怖いからだ。
そして――百々鬼の問い――頷いた。

「ああ、その『ア』だよ……一人、連絡先を知ってる相手がいてな。言うだけ言って損は無いと思ってる。気まぐれで手ぇ貸してくれるかもしれないからな」

688百目鬼小百合『ライトパス』:2021/10/04(月) 01:38:46
>>687

「ハハハ、その通りだ。
 しかも思いがけない所で出くわすもんだから驚かされる」

「『アリーナ』から仕事を依頼されてね。
 『昔の部下』と顔を合わせた事を思い出したよ」

「しばらく見ない間に随分と変わっちまってた。
 何せ、今じゃあ『そこ』の一員だ」

「ま、変わったのは『お互い様』さ」

脳裏に浮かぶのは『如月慧慈』の事だった。
『無派閥』という特殊な立場にいる男。
長い年月を経て再会した時、
かつての面影を見る事は出来なかった。

「そういえば、その話は前にも聞いたっけね。
 年を取ると忘れっぽくなっちまって困るよ。
 あぁ、嫌だ嫌だ」

「だけど、なるほど――――『そこに当たる』って手もあるか」

風歌の言葉を聞いて、その可能性に思い至った。
当たるとすれば『漣』か『タクミ』だ。
問題は何を頼むかだが。

「こっちも多少のツテがある。
 最初は『病院』、次が『安ホテル』、それから『闘技場』」

ジョッキのビールを呷りながら、
『アリーナ』から受けた仕事を振り返る。

「何の因果か知らないけど、似たような相手ばかりでね。
 あんまり変わり映えしないのが玉に瑕さ」

全員が『本体自身を強化するスタンド使い』。
これまで戦ってきた三人の共通点だ。
ひょっとすると何かしらの因縁でもあるのかもしれない。

「そっちはどんなのだったんだい?
 別に探りを入れようってんじゃあない。
 ただの世間話さ。酒の肴にしたくてね」

689風歌鈴音『ダストデビル・ドライヴ』:2021/10/04(月) 07:47:12
>>688
「アタシは…・…・」

風歌とアリーナの関わり――三回。
遊園地、試合、試合――風歌が明確にアリーナに噛んだのは、試合となろう。

「闘技場かな……・何度か出てな。けっこう稼がせてもらった」

そういう風歌の顔は、苦い。
完璧な勝利というものにたどり着けなかったこともあるし、出雲との戦いに至っては勝負という段階においては敗北している。
しかし――苦くはあっても、悪い経験ではない。鉄火に身を投じ、炙られることで出てくる張り合いというのは、やはりあるのだ。
だから、苦い顔は、何かを懐かしむような笑顔になった。

「色々大変だし、楽じゃねえけどよ……終わってみりゃあ楽しい場だった」

690百目鬼小百合『ライトパス』:2021/10/04(月) 20:36:09
>>689

「へえ、アンタも闘技場に出たのかい。
 つまり、お互いに『ご同輩』って事になるねえ」

『アリーナ』の本業は、
スタンド使い同士の戦いを売り物にした興行。
ある意味では必然と言えるだろう。
それでも、同じ経験をしたというのは、
自然と親近感を湧かせるものだ。

「もっとも、生憎こっちは一回きりしか出場してないからね。
 風歌さんは『先輩』になる訳だ」

自分の試合を思い出す。
ドーピングを武器とする『猪狩』との戦いだ。
自らの肉体を武器とする手強い相手だった。

「『実戦』と違って、闘技場には『客』がいる。
 戦いながら、そいつらも満足させなきゃあならない」

「思ったよりも難しかった。それを痛感したよ」

他の人間がいない状況なら、
自分と敵の事だけ考えていればいい。
だが、金を払って見に来る人間がいるとなると、
そうもいかなくなる。
客に気を遣わなければならない事が、
自分にとって何よりも大きな問題だった。

「だが、まぁ…………
 それを『糧』に出来るんなら悪くはないだろうね。
 どんな経験からだって学ぶ事はある。
 いや、学ばなきゃあならない。
 成功も失敗も全部ひっくるめて自分の一部にしちまうんだ」

「ま、それが簡単に出来りゃあ苦労はしないか」

風歌の表情につられたように、含みのある笑みを見せた。

691風歌鈴音『ダストデビル・ドライヴ』:2021/10/04(月) 20:50:03
>>690

「お客なぁ……難しいもんだよ」

風歌の脳裏に過るのは、客を煽った苦い記憶である。
結果的にはよく転んだものの、一歩間違えば危ういことになっていた。
実際、遊園地でのトラブルでは危ういことになった……
苦い顔つきになりながらも、風歌は冷を飲んで平常を取り戻す。

「まぁ、色々はあったが、たしかに糧にはなったよ……ふつう、『やり合う』なんてねぇからな」

スタンドの対人使用――外においては戦闘で使った程度。
戦闘と呼べるものは、たったの三回しか行っていない――これは、めったに無いと言っていいことだろう。

「いざって時、自分が何が出来るかなんてのは、いざって時じゃねえと思いつかねえもんだ。ああいう場に出て必死こいて考えるのは、上手く言ったことも行かなかったことも、いい経験だよ」

そして――深々と頷いた。

「まぁ、同じ種の相手とやりあうことなんざ無いだろうしな…・…活かすっても活かしきれると限らねえのが、難しところだよ。ホント」

692百目鬼小百合『ライトパス』:2021/10/04(月) 21:45:16
>>691

「月並みな事を言うようだけど、人生は何事も勉強だね。
 そう思えば、失敗だって成功の足掛かりに出来る。
 逆に漫然としてちゃあ何の足しにもならない」

「死ぬまで勉強だよ。
 アタシの人生、後どれくらいあるか知らないけどねえ」

「もっとも、寿命が尽きるよりも、
 体にガタが来る方が早いだろうさ。
 『禁煙』してりゃあ、もうチョイと伸びるかもしれないけどね」

「ハハハ――――まぁ、もう『手遅れ』か。
 今さら止めたって、
 せいぜい何日かの延命くらいにしかならないだろうし、
 そのために気分を悪くするんなら続けた方がマシだね」

汚れ一つない白のスーツとは裏腹に、
自分の肺の中は真っ黒だろう。
長年に渡って煙を吸い続けてきた結果。
自業自得というヤツだ。

「いつかアタシと『野試合』でもやるかい?
 お互いの『糧』になるかもしれないよ」

       グビグビグビィッ

骨だけ残して秋刀魚を綺麗に平らげ、
残ったビールを飲み干す。
半分は冗談だが、半分は本当だ。
実際、いい経験にはなるだろう。

693風歌鈴音『ダストデビル・ドライヴ』:2021/10/04(月) 22:15:23
>>692
「試合に出るような人間が、身体に気遣いなんて無理な話だとアタシは思うね」

くつりと、風歌は笑みを浮かべた。

「ただ、細く長くがいい人生とも限らねぇし、タバコと一緒に燃えるように生きるのが、あんたらしく見えるよ」

目の前に映る彼女は、鉄火に生きる女に見える。
タバコのように、燃えながら、輝きながら、削れていくように。
それは大いなる自傷なのかもしれないが、その輝きは人を救う。あの夜に、風歌を救ったように。

「野試合は、気が向いたらかな……その前に、やらなきゃいけねえこともある……だろ?」

それは知古の救援。風歌はやれることはやるつもりだった。
もっとも……その前に、目の前の料理を片付けるつもりではあったが。

694百目鬼小百合『ライトパス』:2021/10/04(月) 22:37:35
>>693

「ハハハ、そりゃあそうだ。こいつは一本取られちまった」

笑い返しながら、空になったジョッキを置く。

「少なくとも、動ける内は動くつもりさ。
 『褒め言葉』として受け取っておくよ」

「アンタの言う通り、しばらくは暇もないだろうねえ」

          ガタッ

椅子から立ち上がり、そこに代金を残す。

「さてと、『出来る事』をやるとするか」

    ゴソ

          カキンッ

                 シボッ

煙草を取り出して口に咥え、真鍮のライターで火を点ける。

「――――またね」

片手をひらひらと動かし、
口元から緩やかな紫煙を立ち昇らせながら、
『再会の場』となった店を出て行った。



(※風歌さんから小石川に連絡した時点で、
  『協力者』のリストに入ります。
  連絡を受け取ったのは、
  『調査開始の前』として処理しますので、
  いつでも構いません)

695風歌鈴音『ダストデビル・ドライヴ』:2021/10/04(月) 22:48:11
>>694
「ああ、いつかまた――」

見送った風歌――内心には羨望。
なんとも伊達に決まった去り姿。かっこいいとはああいう事を言うのだろう。
サンタ姿の己には真似しようも無いが――死ぬまでに一度はああいう風にやってみたいものである。

「さて」

だが、死ぬよりも先にやることはある。
まずは――食事――そして、連絡。

「全く、忙しいってのはいいことだな……」

スタンドを身につける前には想像もしていなかった、心地よい忙しなさに、風歌は心を躍らせるのであった。

696扇原映華『シルバーダスト』:2021/10/09(土) 20:35:02
「『クリスマス』、クリスマスか……
 今年は妹たちに何をねだられるやら」

ダンボールを両手で抱えたまま歓楽街を行く。
肌をベタつかせるような暑さも残る今日にクリスマスのことに思いを馳せながら。

「ラジオは聞いた時は何事かと思ったけど、
 どうも本当らしいし――『ハロウィン』と差し替えになる勢いになる前に、
 『クリスマスラッコ』のぬいぐるみでも探してみるか」

697猫柳 柚子『カーマ・カメレオン』:2021/10/10(日) 22:18:37
>>696

よく分からないけど、くるみさんに褒めてもらったしボクもがんばろーっと。
お店で『クリスマス』の催し?をやることになったので宣伝するよ。

「あら、あら。お兄さん、何かをお探しかしら。それも、普段の夏では見つからないもの?」

そんなわけで、通りを歩いていたお兄さんに声をかけるよ。
ボクの格好は、腕とか足とか出てるタイプのサンタさんの服。
だってまだ暑いからね。あんなモコモコなの着たくないよ。

そういえば、このお兄さん普段の格好の時に会ってたひとだ。
でも流石にバレない…よね?

698扇原映華『シルバーダスト』:2021/10/10(日) 23:03:08
>>697
「うん?」

声を掛けられて振り向くとそこには『サンタクロース』
――の格好をした水商売の人らしかった。
ちょくちょく上司に連れていかれるが、水商売の人は流行に敏いと感心したものだ。

「ああ、ラッコの――ラジオで言っていた『クリスマスラッコ』の
 ぬいぐるみがどこかで売っていないものかと。
 クリスマスプレゼントにねだられた時じゃ、
 買えないんじゃないかと心配してたんですよ」

699猫柳 柚子『カーマ・カメレオン』:2021/10/10(日) 23:38:25
>>698

「なるほど、そういうことなの。それはあたしのお店にもないわ、ごめんなさい」

ふぅ、とため息を付く。
『クリスマス』気分を味わいたい、とかならともかく、さすがになんかの商品を探してるなら
ボクにできることはないなぁ。だからお店への勧誘もできなさそう。

「そうね、ラッコさんのぬいぐるみと、サンタさんのぬいぐるみを二つとも買ってきて。
 それで帽子を取ってしまって、ラッコさんに縫い合わせてしまうのはいかがかしら?」

うふふ、と微笑みながら首を傾げる。結構いい案じゃない?

700扇原映華『シルバーダスト』:2021/10/10(日) 23:55:40
>>699
「なるほど……確かに作ってしまうのはいいかもしれない!
 ラッコのぬいぐりみもサンタクロースのぬいぐるみも
 似たようなサイズの今ならみつかるだろう」

改めて水商売の人に向き直って軽く会釈する。

「良いアイデアをどうも。
 失礼ですが、そちらもお店はやはりクリスマス一色ですか?
 こっちも急にハロウィン飛び越して、クリスマス関係の仕事が増えちゃって」

701猫柳 柚子『カーマ・カメレオン』:2021/10/11(月) 00:34:53
>>700

「うふふ、お兄さんのお役に立てたようでなによりね」

スカートの裾をつまんで、優雅に一礼。にこやかに微笑んだ。
それにしても、流石はくるみさん。うまく『クリスマス』を広げてるみたい。

「そうね、あたしのお店でも突然に『クリスマスイベント』をやるっていってるの」
「とはいっても、こんな格好をしたり、プレゼントを用意したりするくらいだけれど」

ま、提案したのはボクなんだけど。
『スタンド使い』の人たちに恩を売っておいて、損はなさそうだからね。

「でも、あたしたちはなんでもいいの。お客さまたちに喜んでいただけるのなら」
「お兄さんも大変そうね。…こんな時期に『クリスマス』が流行るなんて、
 やっぱり変だと思うわ、あたし。お兄さんは、何かご存知なのかしら?」

一応探りを入れてみようかな。

702扇原映華『シルバーダスト』:2021/10/11(月) 00:56:37
>>701
「あー、まあ……やっぱり『ラジオ』で喧伝してるからじゃないかな。
 『Electric Canary Garden』でもやっていたし――」

少しだけ言い淀む。
正直、『スタンド』の存在は表に出さないで済むならば
それに尽きると思っている。

だがしかし、あのラジオはやはりどう考えてもおかしかった。

それは『Electric Canary Garden』の方ではなく――
(ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1619194604/65)
それよりも前にあった謎のスタンドによるラジオ放送だ。
(ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1619194604/58)

とはいえ、その時は何か変な事が起きたと思っただけだったし、
そういうことも1回だけだったので特に反応しなかったのだが、
急にこうまで塗り替わっているならば関係はあるのだろう。
  ・ ・
「『2回』もラジオで特集していたから、
 そういう空気になったんじゃないかな、と。
 なかなかの広報戦略だから、見習いたいね」

とはいえ僕が知ってることはそういうラジオがあったってことだけだ。
特に隠そうとしたでも、探ろうとしたでもないが
思いついたことを適当に言い繕っておく。

703猫柳 柚子『カーマ・カメレオン』:2021/10/11(月) 01:17:54
>>702

「あら、お兄さんも聴いていたのね。一回目の、不思議なラジオのお声を」
「あれは『演出』というには、ちょっと不自然だったわね。
 お話のしかたも、プロの人に比べるとちょっぴりつたない感じがしたもの」

あの声はボクもアプリで聴いてた。急に変な声が聞こえてビックリしたけど、
その後はくるみさんも『クリスマス』の流れに協力することになったみたいだし(SNSはフォローしてる)、
まぁあのラジオジャック問題は大丈夫だったんだろうね。

「でも、あなたの言う通り。だからこそ、ここまで注目されたのかもしれないわね」

この人はどっちなんだろう。
そういう雰囲気もあるし、でもたまたま放送を聞いた一般人かもしれないよね。
あれ、『スタンド』の声ってフツーの人にも聞こえるんだっけ?
ま、いっかぁ。

「ね、お兄さん。あたし『林檎』っていうの。今日は残念ながら、
 あなたの求めるものではなかったけれど。また何かに迷ってしまった時には、ぜひいらしてちょうだい」

そう言って、『名刺』を差し出すよ。
『Bar 黒猫堂 林檎』って書かれている、カワイイ黒猫マークの入った名刺。

「今なら、『クリスマス風のカクテル』もあるらしいわ」

704扇原映華『シルバーダスト』:2021/10/11(月) 01:45:11
>>703
「な、あなたも?!あっ!
 ――ットットッ!」

思わず自分の口を塞いで、片手をダンボールから外したばっかりに
落としそうになって、バランスを崩して転びそうになる。

「ふう……あ、どうもご丁寧に。
 『クリスマス風のカクテル』か、飲めるうちに行かせてもらいます」

ダンボールを置いて名刺を受け取った後、
再び両手に抱えて、会社に戻ることにする。

「それじゃあ、タイミングが合えばまた近いうちに」

軽く頭を下げて、歓楽街を抜けていった。

「『林檎』さんか……うん?初対面だよな?
 何か引っかかるような……」

よもや前にあった少年と同一人物だとは思わずに……。

705『最中派』:2021/10/17(日) 21:02:28
>>589
にて、駅前及び関連店舗にクリスマスの飾りを撒く

706甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2021/11/13(土) 10:16:04
銀行

突然銃を持った男達が押し入ってきた!

強盗「動くな!今すぐ5000万円用意しろ!」
あま「…」

707朱鷺宮 笑美『トループス・アンダー・ファイア』:2021/11/13(土) 12:36:46
>>706
(なんでこんなときに…)
笑美は一通りアロマディフューザーを設置し、後はサンタ風の格好であちこちを移動している最中であった。

(せっかくだからお金をおろそうかというときに…)
はぁ、とため息を付きながら、彼女はとりあえず座り込んで様子を見る。
銃を持っている相手にスタンドはおそらく有効ではあるが…

708甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2021/11/13(土) 13:12:32
>>707
この時期にサンタ風の恰好で銀行に居るいるのも異様だが
もっと異常なのはこの後起きる展開だった

座り込んで様子を見る笑美
さっきから黙って本を読むあま公(読書の秋だから)
そして人間離れした身のこなしで転がりながら強盗に近付く男(一般人)

強盗「動くなって言ったろ!」

バンッ!

発砲する銃をかわして腕を掴み銃を奪う

709朱鷺宮 笑美『トループス・アンダー・ファイア』:2021/11/13(土) 13:32:50
>>708
(とりあえずおとなしくしていればいきなり襲われたりしないと思うけど)
ひとまず状況が収まるまで様子を見ていたが

「あ、ちょ…」
近くに居た一般人が強盗に立ち向かっていったのを見て
思わず立ち上がる。

(動きはすごいけど、このままじゃ危ないんじゃ?)
何かあった時にはスタンドを使おうと思い、その様子をうかがう。

710甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2021/11/13(土) 13:45:52
>>709
様子を伺い、スタンドを出す準備をする笑美
笑美のスタンドならこの場を制圧する事は容易だろう
だがそんな必要は無かった!
何故なら…

バンッ!

銃を奪った男は冷静な動きで目の前の強盗を射殺!
残り3人の強盗も、機械の様な動きで頭部を撃ち抜き、冷徹に射殺した!

ベチャァ

あま「…」

射殺された強盗の返り血があま公に降り注ぐ

711朱鷺宮 笑美『トループス・アンダー・ファイア』:2021/11/13(土) 14:48:10
>>710
「!?」
びっくりするのもつかの間、あっという間に強盗たちは
その一般人によって仕留められてしまった。

「…いやー、その…」
あまりの容赦の無さに驚く笑美。
相手が拳銃を持っているのもあって多少言葉に詰まる。

「ま、まぁ…
 ひとまずは、強盗以外の人は無事…ですね…」
流石に目の前で死人が出るのは笑美もあまりなれていない。
とりあえず周りに警察とかへの連絡を呼びかけようと考えた。

712甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2021/11/13(土) 15:13:06
>>711
           「カットォォォーーーーーーッ!!」

突然、メガホンを持った男が叫び出した
すると今、射殺された筈の男達が息を吹き返した!

強盗「お疲れ様でーす」
射殺男「お疲れ様でーす」

メガホンの男が笑美に向かってやって来る

監督「お前…どういうつもりだ?
   エキストラが勝手に動くんじゃない!」

713朱鷺宮 笑美『トループス・アンダー・ファイア』:2021/11/13(土) 15:20:21
>>712
「え、あ、はい!すいません…?」
よくわからないながらも突然のことに思わず頭を下げた。

(…あれ、そういう話あったっけな…)
ふと頭を下げたあとで考える。
なにかそういう話があっただろうか…
とりあえず銀行に入る前になにか見なかったかを思い出そうとする。

714甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2021/11/13(土) 15:54:21
>>713
銀行に入る前に何かあったか思い出す笑美
そういえば、カメラを持った人や、今にして思えばそれらしき人物達がいただろう
しかし、ここで撮影をするという話は報されていない

曰く、うちは低予算なのでいちいち許可等取っていられないので
無許可でゲリラ撮影に挑んだらしい
なんとも傍迷惑な話である

普通に違法行為なので通報していいかもしれない

715朱鷺宮 笑美『トループス・アンダー・ファイア』:2021/11/13(土) 16:02:19
>>714
(考えてみればエキストラだなんて聞いてないし…)
思い返してみればたしかにそれらしきものはあったが
その割には説明もなにもない。

「あー、その…私は外で一通り終わるまで待ってましょうか?」
そう言って手を挙げる。
もちろん外に出ている間にこっそり通報をする予定である。

716甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2021/11/13(土) 16:14:56
>>715
外に出てこの迷惑な撮影班を通報する事に決めた笑美

監督「よぉぉぉーーーっし!残りの撮影も頑張るぞぉぉぉぉーーーっ!」

やる気満々な監督達だが、彼らはこの後警察を呼ばれる事を知らない

あま「…」

一連の流れを静観しながら
べったりとついた血糊を白いハンカチで拭うあま公
白いハンカチが、血糊の赤で穢されていく

717朱鷺宮 笑美『トループス・アンダー・ファイア』:2021/11/13(土) 16:18:16
>>716
どうやら撮影することに夢中のようで、
彼らを横目にと外に出る。

「…もしもし警察でしょうか
 えー、今、◯◯銀行で無許可の撮影が…」
スマホを使って正確に情報を伝えて
ひとまず騒ぎを収めることにした。

(正式な許可を取ればこういうことにはならないんだけど…)
軽くため息を付きながら、しばらくその様子を見守るのであった。

718甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2021/11/13(土) 16:29:39
>>717
警察に通報して間もなくサイレンを流しながらパトカーがやって来た

監督「まずい!警察を呼ばれたぞ!
   誰だ通報しやがった奴は!?」

大急ぎで機材を片付けて撤収する撮影班

警官「無許可の撮影罪で貴様らを逮捕する!」
監督「この映画は俺が監督になって初めての作品なんだ!
   中止になんてされてたまるか!」

車に乗り込み明らかに法定速度を超えたスピードで逃げ出した
それを追って猛スピードで追いかけるパトカー
あの調子では誰か人を撥ねてもおかしくない

果たして彼らの映画は放映されるのだろうか?

719甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2021/11/13(土) 18:14:22
>>718
朱鷺宮 笑美は知らない事かもしれないが
この後、先程の撮影とほぼ同じ事件がこの銀行で起きる
ただし、今度は撮影等ではない、本物の強盗と殺人だ

強盗を殺害した男は殺人の容疑で逮捕された

後日、あま公は彼の弁護士に証人として法廷に召喚される事になる

彼のした事は正当防衛なのか?過剰防衛なのか?
何を思って射殺したのか?
一体何が正しいのか…それは分からない
ただあま公は、法廷で事実を述べるだけだ

      /◎)、_______∠l
       |  「....;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
  ⌒ー/|  \___;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
   /´⌒ヽ_____\ ̄ ̄ ̄
  /´    ! ヲ=℃/ ̄
  |     !/⌒V〔
 λ    λ
  \_ _〉
     ̄ ̄
    十ヽ -|-、レ |
    d⌒) /| ノ ノ

720龍美丹『チーロン』:2021/11/17(水) 23:33:52
「うーん」

ズボンのポケットに手を入れた女が歩いている。

「お腹空いたなぁ」

721小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2021/11/18(木) 00:11:28
>>720

人の行き交う通りに、いつの間にか『黒い女』が佇んでいた。
『喪服』に身を包んだ女だ。
黒いキャペリンハットを被っている。

  「――……」

『赤い瞳』に注意を引かれ、そちらに視線を向けていた。

722龍美丹『チーロン』:2021/11/18(木) 01:02:26
>>721

(あんまり深い時間になる前に何とかしないとなぁ……)

ぽやぽやと考えつつ。

「ん?」

こちらを見る視線に気づいて、目を細める。

「どうも」

ひらひらと手を振ってみた。

723小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2021/11/18(木) 01:36:39
>>722

ふとした瞬間に、どうしようもなく寂しさを感じる事がある。
そんな時には、街を歩く事にしていた。
多くの人達と同じ場所にいる事で、心に生じた孤独を、
ほんの少しだけ埋めてもらえるような気がするから。

  「……こんにちは」

      コク……

気さくな挨拶に対して、丁寧に会釈を返す。

  「綺麗な目をされていたもので……」

       コツ

控えめに言葉を掛けながら、ゆっくりと歩み寄る。

       コツ

  「お気に障ったのなら……謝ります」

相手の前で足を止め、静かに両目を伏せた。

724龍美丹『チーロン』:2021/11/18(木) 02:07:17
>>723

「あぁ……それは照れるねぇ」

歩み寄って言葉を繋ぐ。
黒いジャケットが風に揺れた。
黒い髪に赤い色が混じり、赤い瞳と噛み合っている。

「貴方のような美しい人に言われるとなおさら、ね?」

いたずらっぽく微笑んだ。

725小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2021/11/18(木) 02:39:37
>>724

おもむろに顔を上げて、相手の姿を見つめる。
どこか『血』を思わせるような赤い色。
その風合いが印象的だった。

  「――ここは……人が多いですね」

やや間が開いた後、気を取り直して口を開く。
一瞬、心を奪われていた。
彼女の目に、何か力強いものを感じたせいかもしれない。

  「……よく来られるのですか?」

ここに来たのは、寂しさを埋めるため。
親しい相手と語り合う人々の様子を遠くから見守る。
ただ、それだけでは紛らわせない部分がある事も事実だった。

  「私は時々……」

心の片隅で、言葉を交わせる相手を求めていた。

726龍美丹『チーロン』:2021/11/18(木) 03:10:10
>>725

「そういう場所ですからね」

「街は賑やかでないといけませんから」

活気のない街はあまり好きではない。
騒がしいのが好きというわけでもないのだが。

「ボクも別にそこまでよく来るわけじゃないですけどね」

「家から蹴り出されましてね」

727小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2021/11/18(木) 03:31:53
>>726

  「私も……そう思います」

       ニコ……

穏やかな微笑を湛えて、小さく頷き返す。
街が賑やかだからこそ、
自分も元気を分けてもらえるような気がする。
この歓楽街という場所には、大通りとは違った賑わいを感じる。
より活力的な雰囲気に満ちているように思えた。
今の自分は、そうした活気を必要としていたのだろうか。

  「――家から……」

耳に届いた言葉に、両目が軽く見開かれた。
普段であれば、人の事情に気安く立ち入る事はしない。
しかし、もし彼女が困っているのなら、話は変わってくる。

  「ご家族と何か……?」

心の中で迷った末に、遠慮がちに尋ねていた。

728龍美丹『チーロン』:2021/11/18(木) 03:47:15
>>727

「まぁ仲が悪いって訳でもないんですけどね」

さも当然という感じであった。
少なくとも彼女からすれば家からこうやって出されること自体珍しくはない。
なんだかんだ、その後のリカバリー次第ということも知っているし。

「うちは中華料理屋をやってましてね」

「父が中国系なのもあってそれなりに本格派ってことで売ってるんですけど」

「たまには店の手伝いでもと思って色々やってたんですけど、軽く揉めましてね」

729小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2021/11/18(木) 18:32:25
>>728

家庭内の事情を把握し、心の奥で思案する。
彼女の様子からして、それほど深刻な問題ではないのだろう。
けれど、話を聞いた以上は、何か少しでも力になりたい。

  「よろしければ……お店に案内していただけませんか?」

  「ちょうど何か食べようと思っていましたので……」

             ニコ……

  「……『仲直り』の助けになれるかもしれません」

お客を連れてきたなら、
多少は溜飲も下がるのではないだろうか。
そう考えて、件の中華料理屋に同行を申し出る。
また、もうしばらく彼女と話をしていたい気持ちもあった。

730龍美丹『チーロン』:2021/11/18(木) 21:09:36
>>729

「え、まぁ、いいですけど」

特に断る理由自体はなかった。
どやされて出てきたのもまぁいつものことだし気まずいという気持ちもそんなにだ。

「大通りの方ですけど、いいかな?」

731小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2021/11/18(木) 21:45:22
>>730

幾らかの翳りを残す表情に、穏やかな微笑を浮かべる。

  「ええ――構いません」

        コツ……

  「『案内』をお願いします……」

静かに踵を返し、大通り方面に向き直る。

  「……何を頼めばいいでしょうか?」

そして、彼女の案内に従って店まで向かう。

  「初めてのお店なので……」

『おすすめの品』を尋ねながら、歩みを進める。
人と言葉を交わしていると、自然と寂しさが和らぐ。
この街で、一度だけ出会った人間は数多い。
たとえ『一期一会の出会い』であっても、自分にとっては、
その全てが『大切な瞬間』。
だからこそ、『この出会い』も、
いつまでも覚えておきたかった――。

732龍美丹『チーロン』:2021/11/19(金) 11:20:09
>>731

「別になんだっていいですよ」

「あ、タピオカとかバロットとかそういうのはないから」

「困ったら麻婆豆腐がいいですよ」

なにせ四川省の出ですから、と付け加えた。

733桜井 憐『ワッキー・ディップ』:2021/11/23(火) 09:58:36
スポーツジム

タッタッタッタッ

中学生くらいの少女がランニングマシンで走っている

734ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』:2021/11/24(水) 14:49:28
>>733

「……」


子供は入場自由なのか? 誰かの連れなのか? 迷い込んだのか?
走る女子中学生を、シールをべたべた体中に張り付けた小学校低学年くらいの子供が、
じーっと見てくる。


「楽しいのか……? これ……」

735桜井 憐『ワッキー・ディップ』:2021/11/24(水) 15:44:17
>>734
「えっ?」

急に話しかけてきた声の方を見やると
まだ小さな子供がいるではないか
この子一人なのか?ここ子供一人で来ていいんだっけ?
いやまあ近くに保護者がいるかもしれないし

「はぁ、はぁ、楽しいっすよ
 筋肉が、鍛えられてるような感じがして」

息を切らして汗だくになりながら答える
なお、細っこい体で筋肉はまったくついていない

736ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』:2021/11/24(水) 16:05:14
>>735

「しかし外を走ってる人がおるじゃろう。
 ああいうのの方が楽しいのではないか?
 地面が動くのより、景色が動いたほうが」


鍛える設備が充実しているというのがスポーツジムの意義ではあるが、
ランニングなら、器具がなくても、外を走ればいいじゃない。というのは、
素直な疑問ではあるだろう。


「どれどれ」


だが、文句をつけるだけでなく、体験してみようと思ったのか、
桜井の横のランニングマシーンに乗っかる。

737桜井 憐『ワッキー・ディップ』:2021/11/24(水) 16:22:29
>>736
「今、外土砂降りだよね」

    i  ________    ゚             i
     /________ヽ           ゚    。
  ;    || i |./||。  !  ||  。i    。  i   ゜
    ;  ||// .. ||  。 / ||       i             。
 i ; ; ゚ ||/ 。  ||  // ||  。       ゜    ゜     ;
  .     || ∧,,∧ ||/ 。   ||   
  。   . ||(´・ω・)||/   。 ||  i        ;     i  ゚
    ゜  ||/  |。.||       ||   i     。     ;
゜    | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|;               ゜    。
 i ゜   ̄ ̄ ̄゜ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄     ;    ゜  i
       i      i      i

「これなら雨を気にしないで好きなだけ走れるし」

横のマシーンの乗るナイだが、使い方は…分かるよね?

「それに自分の走りたいスピードに合わせて調節出来るんすよ」

ピッ ピッ ピッ

段々マシーンのスピードが上がって来る

738ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』:2021/11/24(水) 16:41:08
>>737

「ほう。なるほど。
 天気を気にせず走れるのが良いところか」


子供は納得した様子だった。
それはそうと、ランニングマシーンの使い方がわかるようには見えない。
というか、背が足りなくて、操作画面がよく見えていない。
どう見ても適当にボタンを押している。


「しかし雨の中来て、帰る必要があるからの。
 そうまでして走りたいほど好きというわけお゛ッ」


でたらめに押したボタンによって、
だんだん、どころか急激に上昇したスピードで、ガクンと残像が発生する。
自然法則に身を任せれば、子供は一瞬後には後ろに吹き飛ばされているだろう。

739桜井 憐『ワッキー・ディップ』:2021/11/24(水) 17:58:03
>>738
ダダダダダダダ

「うおあああああああッ!!」

調子に乗ってスピードを上げ過ぎてマシンに落とされそうになり
猛ダッシュを強いられる

そんな中、ふと横を見ると子供が吹っ飛ばされそうになっている!

「ちょ、ちょ、ちょっと…!」

慌てて自分のマシンを停止させ
隣の子供の後ろに回り、そちらも停止させて子供を支える

ひ弱なので子供が吹き飛ばされたら一緒に吹っ飛ばされるかもしれない

「だ、大丈夫っすか…?」

740ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』:2021/11/24(水) 18:44:21
>>739

身を挺して子供を救おうとする桜井。
しかし悲しいかな、虚弱体質の少女は、子供の勢いに巻き込まれてしまう。
吹っ飛ばされるというほどではなく、倒れこむ程度には勢いは減ったが、
2人はもつれ合うように床へ投げ出された。


「き、危険なマシンじゃ」


だがケガはなかった。
いつのまにか出現した大量の『茶色いクッション』に、
2人は包まれるように衝撃を吸収されていたからだ。


「わしは大丈夫じゃ。
 お嬢ちゃんは平気か?」

741桜井 憐『ワッキー・ディップ』:2021/11/24(水) 18:57:23
>>740
「あ、うん
 私も大丈夫っすけど」

床へ投げ出されたのに痛くない…
どうしてか、床を見て見ると何故か大量のクッションが

「あれ?
 さっきまでこんなのあったかな…?」

誰かが咄嗟に用意してくれたのか?
でも、何故クッションなのか?
そんなに都合良くクッションがあるのか?
その誰かはどこに行ったのか?

分からない…

「はぁ〜…」

その場にぐったりと倒れる
今の一瞬の危機から来た緊張、運動の疲れ、脱水症状が重なった

742ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』:2021/11/24(水) 19:31:42
>>741

     「ピーィィ」
「ピーィィ」
             「ピーィィ」


ぐったりと体重を預けると、電子音のようなものが鳴る。
この『茶色いクッション』……どうやら『ぬいぐるみ』のようで、頭と嘴がついている。
ダチョウのような飛ばない鳥を模したもののようだ。具体的にはキーウィという。
押すと鳴く仕様らしい。


「ケガは大丈夫……じゃが疲れたようじゃな。
 茶はいらんか?」


転んだ拍子にはがれたのか、幾分か張り付いたシールが減ったように見える子供が、
察しよく……というか単に偶然タイミングよく、そんな提案をしてきた。
ズボッと『ぬいぐるみ』の山の中に手をつっこむと、出てきたのは『水筒』だ。


「飲むか?」


子供が注いで、差し出してきた『水筒』の蓋のお椀には何茶だかは知らないが、茶色い液体が入っている。

743桜井 憐『ワッキー・ディップ』:2021/11/24(水) 19:53:57
>>742
「うわわっ」

急に鳴き出すクッション…
キーウィのぬいぐるみにちょっとびっくりする
本当に何故、スポーツジムにこんな物が?

「お茶っすか?
 ありが…えぇ?」

『ぬいぐるみ』の山の中から出て来た『水筒』

『ぬいぐるみ』も『水筒』も、この子供の私物なのだろうか?
とにかく、何か変だという事は分かる

けど、折角の好意を断るのも気が引ける

「い、いただきます!」

グイッ

ちょっと怪しいが、差し出された謎の液体を思い切って飲んでみる!

744ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』:2021/11/24(水) 20:34:04
>>743

虚弱少女は疲労の果てに、怪しい子供の差し出した液体を飲んでしまった!
これは……『お茶』だ!
具体的に何茶だか飲んでもいまいちわからない(なんでも自家製らしい)が、マズくはない。
普通に冷えていて火照った体に染み渡る。


「うむ、ではお代をいただこうかの」


だがやはり罠だった。
お代をとるらしい。好意というか、商いだった。
だまし討ちなのか、本人的には最初から商売のつもりで問いかけたのかはわからないが。
しかしお代と言うが、ランニング少女は何か持っているのだろうか。
こういう場所だとスポーツウェア一丁なのか?
まあ、天気を考えればロッカーとかには、少なくとも傘くらいはあるのだろうが。

745桜井 憐『ワッキー・ディップ』:2021/11/24(水) 21:00:16
>>744
ゴクゴクゴク

冷たいお茶を一気に飲み干す
汗をかいて失われた水分が回復していくのを感じる
まさに生き返ったって感じだ

「ありがとう、美味しかった…
 あ、あれ?ひょっとしてお金要るんすか?」

チキショー!はめられたぜ!
親切な子供ぶってたのにさ、奴は交換するのが趣味のプロ級マニアだ。

確かにスポーツジムなので今身に付けているのはスポーツウェア一丁
他に何かを持ってる感じも無く、この服を巻き上げたら素っ裸だ

だがロッカーにはバッグや荷物がちゃんとあるので取って来いと言われれば取って来るだろう

「えーと、じゃあお幾らくらいっすかね?」

746ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』:2021/11/24(水) 21:42:32
>>745

「おお、言い忘れておったが、お代はお金ではない。
 物々交換じゃ」


騙して金品をせしめるというのはいくら子供でも犯罪的だが、
物々交換となるとお店屋さんごっこ的な様相を呈してくる。気がする。
もちろん本人にそういう狙いがあるわけではなく、能力上の都合なのだが。


「今なら交換は先の一杯だけではなく、この『水筒』全部やろう」


桜井の意外そうな様子に、子供も好感度の低下を危惧したのか、
テレビCMみたいなことを言ってきた。
今ならも何も、すでに払うことが決定している状態なのだが。
というかロッカーに行くなら金を持ってこれるし、そうしたら変なお茶ではなく、
ジムの自販機でちゃんとしたスポーツドリンクが買えるだろう。

747桜井 憐『ワッキー・ディップ』:2021/11/25(木) 11:00:15
>>746
「えっ、『水筒』ごと?
 それはちょっと、悪いと言いますか…」

いやまあ、くれるというなら貰うし
もう既に飲んでしまったので交換しないわけにはいかない

「物々交換っすよね、ちょっと待っててください」

そう言うと自分のロッカーまで歩いて行った
しばらくすると、バッグを持って戻って来る

「何か欲しい物ありますか?
 このプロテインがおすすめっすけど、
 自販機で何か買って来ます?」

「運動後はポカリスエットが一番っすけど、
 オロナミンCも良いっすね〜
 割ってオロポにするのも美味しいっすよ」

オロポはサウナ後に飲む物だが

「オロポにプロテインを入れても良さそうっすね…」

飲み物の対価は飲み物という事か、
そっち方面に話を進めてるが、
このままだとプロテインオロポという変な物が出てきそうだ

別の物を要求するなら今だぞ

748ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』:2021/11/25(木) 13:08:11
>>747

「邪魔ならいいが……」


待てと言われたが、ロッカーに向かう桜井のあとをついていく子供。
背後から「ピーィィ」「うおっ、なんだこれ?」という
マッチョマンがぬいぐるみを踏んづけた声がした。


「じゃあそれで?」


別にプロテインオロポでもいいらしい。


「ところでプロテインってなんじゃ?」


というか、プロテインがなんだかわからないらしい。
それでもOKなんだからなんでもいいのか。


         「どっかから持ってきたんだこれ?」

     「どうしよう」
               「誰のだよ」


一緒に移動したので特に意味はないが、
ランニングマシーンの場所に戻ってくると、
マッチョマンたちが大量のぬいぐるみを囲んで話し合っていた。

749桜井 憐『ワッキー・ディップ』:2021/11/25(木) 13:55:28
>>748
一緒に行ったのに何故ここに戻って来るのかコレガワカラナイ

「何か人だかりが集まっちゃってるけど…
 あれ(ぬいぐるみ)、君のっすか?」

こんな所にぬいぐるみをほったらかしとくのは迷惑行為なんで
こっち側が責任持って片付けるべきだろうか

「あっ、ちょっと待ってくださいね」

すぐ近くにある自販機でポカリスエットとオロナミンCを買って来る

「これに、これを混ぜて…」

ポカリスエットのボトルにオロナミンCをドボドボ投入していく
(ポカリはちょっと飲んで量を減らした)

「プロテインは筋肉を鍛えるために栄養ドリンクっす」

そこに粉末状のプロテインを入れる

サッー!(迫真)
プロテインオロナミンポカリの完成
フルーツフレーバーだからそこまで味の邪魔にならない…と思う

「どうぞ!」

色々混ざったボトルをナイに渡す

750ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』:2021/11/25(木) 14:14:07
>>749

「飲むだけで筋肉を?」


ボトルを受け取る子供。
代わりに桜井は『水筒』を渡された。
さっそく飲んでいる。ウマいのか!?


「わしのじゃ」


素直に白状した。ぬいぐるみは子供のものらしい。
物理的に言えば子供が持って歩ける量ではないが。
1個1個がデカく、(今更だが子供はリュックを背負っているのだが)
手で抱えて1個、リュックに詰め込んで1〜2個くらいしか持てないだろう。
実際は、ぬいぐるみはパッと見10個くらいはある。


「うーむ、どうしよう」

751桜井 憐『ワッキー・ディップ』:2021/11/25(木) 15:12:17
>>750
「運動後に飲む事で栄養素を補助するんすよ」

ただ飲むだけで鍛えられるなんて美味い話は無い!
日頃の努力こそが物を言うのだ
もっとも、常日頃から鍛えてるのにちっとも筋肉が付かないサンプルがここにいるのだが

ボトルの中の黄色い液体を飲んでみる…

オロナミンCの甘さポカリで丁度良い感じに薄まっていて、尚且つ水っぽくない
ポカリのさっぱりした味わいが合わさってガブガブ飲める
氷でも入れてキンキンに冷やすともっと美味そうだ

他の商品に例えるならこれは…MATCHだ!

じゃあもうMATCH飲めばいいじゃんと思うだろうが、
まあ色々細かい所が違うらしい

問題はプロテインなんだが…
フルーツフレーバー(グレープフルーツ)なので意外と邪魔にならない
グレープフルーツ味のMATCHと思えばいけるんじゃないかな

ちなみにプロテインは作ったらその場で飲み干さなきゃいけない
時間をおいておくと食中毒の原因になるぞ

>わしのじゃ

「よくこんなに持ってこれたね…」

一体どうやってここまで持ち運んで来たのか不明だが…
同じぬいぐるみを大量に持っているのもおかしい

「ここに置いておいたら邪魔になっちゃうね
 けどどこに片付けようかな…」

ぬいぐるみを一つ持ち上げる

「お父さんかお母さん呼んで来てくれますか?」

752ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』:2021/11/25(木) 15:29:11
>>751

「……ほじょ?
 変な味じゃな」


面倒みよく説明してくれる桜井だが、
子供はプロテインの効能やプロテオロポの味にあまり理解を示さなかった。
頭も味覚も子供らしい。


       「なんだ、君たちのかい?」

  「ちゃんと片付けておきなよ?」


桜井がぬいるぐみを掴む「ピーィィ」と、
マッチョマンたちが納得したように退いていった。さわやかな笑みだった……


「お父さんお母さん? そういうのはおらん」

753桜井 憐『ワッキー・ディップ』:2021/11/25(木) 16:00:02
>>752
「あはは…
 やっぱりプロテインは余計だったっすね…」

もっと子供が好きそうな物をあげるべきだったか?
けど子供が好むような物って何だろう
まあ何にせよ、こういう場合は相手が何を欲しがっているかを聞くのが肝要か

「あっ、ちょっ、私のじゃないんすけど…」

微妙に勘違いされてしまったようだ
何だそのさわやかスマイルは
しかし参ったものだ、本気でどうするんだこのぬいぐるみの山は
売れ残って大量に在庫抱えたおもちゃ屋か

>お父さんお母さん? そういうのはおらん

「お、おらん?」

それはこの場にはいないという事だろうか?
まさか、本当にいないのか?
こういうのはデリケートな問題だ、あまり迂闊な事は言えない

「えー、困っちゃいましたねぇ
 とにかくこれ、邪魔になっちゃうから一旦片付けちゃいましょう」

どこに片付けるかって問題だが、とりあえずロッカーにでも持って行けばいいのか
だとしても一つずつ持ってったんじゃ時間が掛かるし、
その後この大量在庫を処理すればいいのか
いっそ売ればいいのか?

754ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』:2021/11/25(木) 16:28:14
>>753

どっちの意味でとるにしても、少なくともこの場にはいないのだろう。
やっぱり迷い込んだか忍び込んで勝手に入ってきたようだ。
実際、この子供の背丈なら、入口のカウンターに隠れて入ってくる事も不可能ではなさそうだ。


「まあ、消してもよいんじゃが……
 急に消えたらびっくりするかの?」


子供はきょろきょろを周囲のマッチョを見回し、最後に桜井の様子をうかがった。


「お嬢ちゃん、コレいるか?
 これは無料にしておくが」


処分に困ったので今度はタダらしい。
運搬とスペースを考えなければお得だ。

755桜井 憐『ワッキー・ディップ』:2021/11/25(木) 16:44:25
>>754
セキュリティがガバガバ過ぎる
カウンターもちゃんと見とけよ…

「消す???」

ナイの言っている意味が分からないようだ

マッチョ達が丁度見ていない瞬間に消したとしても
そりゃ山のようなぬいぐるみが急に消えたらびっくりするだろ
いつの間に運んだんだよって話だ

>お嬢ちゃん、コレいるか?

「えっ、あっ、うん
 くれるって言うんなら?」

咄嗟に返事をしてしまう
まぁ、貰って困るものでもないし

756ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』:2021/11/25(木) 17:03:20
>>755

そもそも、山のようなぬいぐるみは
桜井と子供が倒れる直前に急に現れたわけだが……


「そうか?
 いやー、そうか。
 そうすると消せなくなるの。
 困った……いや、わしは困らんか」


じゃあ1個貰うよ。とか言えばよかったのに、曖昧な譲渡契約を結んでしまった桜井。
子供はすべての問題が解決したような顔をしている。
貰って困るものではない……本当にそうだろうか?
1つのロッカーには2個……詰めれば3個は入るか?
手に持つとしたら、桜井なら1度に2個、不安定だが上に積んで3個か。


「そろそろ雨やんだかの……」


それも、傘で片手が塞がっていなければの話である。
子供が窓に駆け寄り、外の様子を見ている。天気はどうだろうか?

757桜井 憐『ワッキー・ディップ』:2021/11/25(木) 17:57:41
>>756
「???」

この子供の言っている事はよく分からないが
何かとんでもない物を押し付けられた気がする…!

ナイが窓から外の様子を見てみると
さっきまでの土砂降りが嘘のような晴天になっていた
空を見上げれば綺麗な虹がかかっている

758ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』:2021/11/25(木) 20:35:57

>>757

「お?
 雨やんでおる」


窓に指紋をつけながら、外を覗き込み、嬉しそうに言う子供。


「ではわしは帰るとするか。
 傘とか『記録』にないから助かった。
 世話になったの」


桜井はぬいぐるみをどうするのか?
知らんふりをしようにもマッチョマンにも目撃されている。
欠けているのは思いやりなのか、想像力なのか、
これから先のことは知ったことではない! という態度で子供は出ていく。

出ていく時にカウンターに見咎められたが、まさか出ていくのを阻止されるわけもなく、
そのまま子供は去っていったのだった。

759桜井 憐『ワッキー・ディップ』:2021/11/25(木) 20:53:45
>>758
ナイが去って行った後、自分がぬいぐるみを全部押し付けられた事を理解した

大量のぬいぐるみの在庫を抱えて途方に暮れる
ぬいぐるみの路上販売でもすればいいのだろうか?


トホホ、ぬいぐるみはもうこりごりなり〜

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                      終
                    制作・著作
                    ━━━━━
                     ⓃⒽⓀ

760高島田 文緒『24kゴールデン』:2021/12/10(金) 20:16:32

「っスゥ〜〜〜〜〜さぶ……ッ!」

日が落ちていよいよ寒さを増してきた歓楽街。
キャッチの兄ちゃん姉ちゃんが元気よく客寄せに励んでいるのを、
道の脇の縁石に座り込んで込んでぼーっと眺めている少女の姿があった。

素の5倍くらいに膨らませた涙袋にマットな白肌メイク、
袖が膝ぐらいまであるダボダボなパーカーにはサブカル丸出しの変なイラストが描かれていて、
どギツいピンクの髪はわざとらしいツインテール。いかにも地雷って地雷女だった。


(限定ガチャ来たからお金欲しんだけどさァ〜〜〜〜……。
 ATMから引っ張りゃいいかって思ったけど、どこもがっちり監視カメラあるから怖くてなぁ……。
 寒いしツラいけど、監視カメラとかない往来で地道に財布スらんといけんよなぁ〜〜〜〜……ハァ)

ぼーっとしているようでいて、その実現金を持っていそうなカモを物色していたのだ。
ぽっくりくらいある分厚い靴底を暇つぶしにカパカパ鳴らして、道行く人を値踏みしている。


「ウァ〜〜〜〜! 寒いねん! 寒すぎてケツ割れるで……」

とはいえ夜が寒すぎて心折れそうだ。
金持ってそうなオッサンか姉ちゃん早く来てくれ〜〜〜〜!

761高島田 文緒『24kゴールデン』:2021/12/13(月) 12:55:24
>>760

数人から財布をスり、ホクホク顔で去っていった。

762甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2021/12/22(水) 16:10:11
スーパー銭湯

12月22日、本日は冬至
ゆず湯に浸かりながら疲れを癒すあま公

最近は柚子を握り潰したりする不届き者が多いらしいが
一緒にいる>>763はまさかそんな事しないよね?

763甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2021/12/23(木) 16:19:45
>>762
ガツガツ ガツガツ

阿部マリア「うめぇですわこのみかん!!!」
あま「…」

潰す奴はいなかった、いなかったが
食べる奴はいた、それも皮ごと
これには流石に言葉を失ってしまったあま公

豊丸「阿部、これはみかんじゃないし食べちゃ駄目だよ」
マリア「豊丸…てめぇみかんみたいで美味そうな頭してるよな…?」

グジュルルル

豊丸「えっ?」

マリア「てめぇの頭も食わせろおぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」

キィェァァァァァァァァァァ

      ∬   ∬
     。。・・∧乙∧・・。。∬
   。o0゜( ・∀・) 0o
   (⌒) (( ー-- )) (⌒O
   /⌒ヽ     (⌒()
   レ⌒)⌒>-(⌒(⌒(⌒ヾ
   `ー′゙"  ~~~゙""゙""
     、レ  ``"   ""

        終
      制作・著作
      ━━━━━
       ⓃⒽⓀ

764熊野『フォー・エヴァ・ロイヤル』:2022/01/20(木) 19:56:48

星見町、駅前歓楽街の裏通り
不良、チンピラ、ゴロツキ、半グレが吹き溜まりの様にたむろするこの通りを
一人の若い女性が歩いていく

「ねえ。」

上質の生地を使ったステンカラーコートにシックな光沢のある革靴・・・
身に着けている物を見ても、この場には似つかわしくない高級感の漂う物ばかりだ
悪い意味でドレスコードを弁えない服装はこの場の人々の目を引いている

「いい加減に『それ』やめてくれない?」

だが、『見るべき者』が見た時、彼女の服装など些細な事だと気づくだろう

『イイエ、お嬢様。コノ、クソミタイナ場所デハ何ガアッテモオカシクハアリマセン
 順当ナ「警戒意識」デゴザイマス』

   ゴゴゴゴ・・・・

彼女の傍に寄り添うように『クラッシックなメイド服を着たスタンド』が周囲を見回す
そして・・・・まるでアカデミー賞の発表式の様に彼女の足元には『赤絨毯』が展開されているのだ!

765ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』:2022/01/23(日) 22:06:02
>>764

「ルルル〜ルル♪」

「……」

「!?」


通りかかった金髪の子供が驚いた様子で無遠慮な視線を投げかける。
幼い身でこのような場所にいるのは危険で不自然かもしれないが……
ぶかぶかの大人ものの服を重ね着し、リュックを背負い、
体中にシールをべたべた張り付けた妙な姿は、どこか裏通りに馴染んでもいた。
とはいえさすがに裏通りといえど、外国のスラム街ではない。ストリートチルドレンでは無いだろう。


「……?」


そんな子供が近寄ってきて、『赤絨毯』をめくろうとしている。

766熊野『フォー・エヴァ・ロイヤル』:2022/01/23(日) 22:42:46
>>765

『お嬢様・・・・・。』

「なあに? 『エヴァ』」

『私ハコレカラ、少々、穏ヤカデハナイ物言いヲシマス
 お嬢様ニハシバラク、御耳ヲ塞イデイテモライタイ・・・・』

たまたま通りがかった子供の姿を見て、『メイド服のスタンド』は危機感を露わにする
『赤絨毯』は本体を守護するための要! それに不用意に手を伸ばしているからだ!

『動クナ!』

『ソコノ「子供」! 両手ヲ上ニ上げてお嬢様カラ離レロ!』

『メイド服のスタンド』が大声を上げる
当然の事ながら、周囲の人々に彼女の声は届かないし、反応する者もいない
しかし・・・・君は違うはずだ

767ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』:2022/01/23(日) 22:58:08
>>766

「うおう。なんじゃ?
 びっくりした……」


声が届いていることを隠すでもなく、素直に驚きを表明する子供。


「両手を……うーむ。わかった」


『赤絨毯』を掴んだまま両手を上げ、後退しようとする。
要求には従っているぞ!
まあ、めくるくらいならともかく、お嬢様が乗った絨毯を子供の力で引っ張れるかはわからないが……


       「なんだこいつら……?」

    「なんかの宗教か?」



いきなり道端で耳を塞ぐお嬢様と、妙な動きをする子供に、
裏路地の住人達も触れちゃいけないものとして避けて歩いていく……

768熊野『フォー・エヴァ・ロイヤル』:2022/01/23(日) 23:08:28
>>767

「わっ!?」

そう・・・・普通の状況であれば、人間一人が乗った絨毯を子供がめくる事は難しいだろう
体格差もある、腕力も弱弱しい、子供の力で絨毯を捲り上げる事なんて『困難』だ!

だが、『フォー・エヴァ・ロイヤル』の『赤絨毯』の上では
熊野の身に起きる全ての物事は熊野の望み通りに調整される

        ・・・・・
そう・・・・熊野は『ハプニング』を望んでいたのだ!
子供の力で引っ張られた絨毯が彼女の重心を傾ける、
傾いた重心は丁度良く調整され・・・・上手い具合に彼女はスッ転んでしまう!

『き、貴様ァ!?』

勿論、熊野は苦痛を得る事に快感を覚えるような性質を持っているわけではない
彼女が『ハプニング』を望んだのは・・・・単純に何かアブない事が起きそうな予感がしたからだ

『お、お嬢様ニ対シテ・・・ナントイウ無礼ヲ・・・・!』

『メイド服のスタンド』が拳をわなわなと震わせる

769ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』:2022/01/23(日) 23:25:00
>>768

「うぬ? どうした? 大丈夫か?」


自分でやっておきながらそんな事を言う子供だが、めくった絨毯で前が見えないのだ。
……スタンド物質で視界が塞がれた場合、前は見えないのだろうか?
まあ、見えないとしておく。


    「子供が変なポーズをしたと思ったら女が転んだぞ!?」

          「超能力か?」


通行人が思っているのとは違うだろうが、超能力ではある。


       「おい、『見えた』か?」

    「『何色』だった?」


ハプニングを望むお嬢様……それは意識的な能力行使なのか? 無意識なのか?
考えてもみなかったアクシデントに、「見えないように」ととっさに望む事が出来るのか?
この周囲に人々が行きかう中で、誰からも見えないように……というのは物理的に可能なのか?
あるいは、こんなハプニングも望むところなのか!?
何色なのか!!??

770熊野『フォー・エヴァ・ロイヤル』:2022/01/23(日) 23:42:17
>>769

   「駄目だ・・・・砂煙が舞って・・・!」

        「クソッ!なんだよあの『不自然な光の線』は! 反則だろ!」

  「・・・・・何も見えねぇ」

派手にスッ転んだ彼女ではあるが、自分が被害に遭う事など望んではいない
当然、転んだことによる痛みはほとんどないし、『何かが見えてしまう』事もない
全ては『都合の良いアレコレ』によって覆い隠されている・・・・

「ええ、大丈夫」

『お嬢様ニ近ヅクナ!』

      ドンッ!

二人の会話を遮るように『メイド服のスタンド』が立ち塞がる
彼女はそのまま、武道の震脚のように『赤絨毯』を踏みつけた
絨毯を地面に叩きつける事で子供の両手から絨毯の端を奪い去るためだ

771ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』:2022/01/23(日) 23:55:49
>>770

「ぬわー!」


なかなかのメイドパワーだ。
だが『赤絨毯』を子供の手から引っ張るというのは、
作用としては、子供の体が前に引っ張られるということでもある。
途中で手を放してしまったとしても、前につんのめることに変わりはない。
つまり、お嬢様に近づくなという要望はかなえられそうに無い。

転んだお嬢様に、子供がごろごろと転がっていく。

772熊野『フォー・エヴァ・ロイヤル』:2022/01/24(月) 00:15:09
>>771

『シマッタ!』

「あら」

メイドパワーに引き摺り込まれるように絨毯を転がる子供の身体を
絨毯の上で尻もちをついた熊野がぼふっと受け止める
見事なキャッチだ。お互いに身体をぶつける事もなければ、怪我をする事もない

「ねえ」

抱き留めた子供の耳元で囁きかける

「あなたはもしかして、『絨毯』の事も『エヴァ』の事も見えているの?」

煌々と輝いた目を子供に向ける
この不審な子供に対して、何かを期待しているような目つきだ

773ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』:2022/01/24(月) 00:30:23
>>772

「おお、すまん……」


抱きかかえられる子供。
服はお古のようだが、身綺麗にはしているようだ。
シャンプーの香りがした。


「じゅうたん? この赤いのか……
 やっぱりお前さんのなのか。
 落ちてるんだったら拾おうかと思ったんじゃが」

「エヴァー? 誰じゃ?」


今気づいたが、『赤絨毯』がスタンド物質だと素手ではめくったり引っ張ったりできないかもしれない……。
以前に『交換』した、スタンド物質である『ビター・スウィート・シンフォニー』のお菓子を出して食べていて、
そのカスが、手の表面に残っていたことにしよう……。

774熊野『フォー・エヴァ・ロイヤル』:2022/01/24(月) 00:49:53
>>773

抱え上げてみてわかったが、不審な子供ではあるが不潔というわけではないようだ
海外のストリートチルドレン達は犯罪に手を染めている事も多いが、この子はどうだろうか

「ああ、もしかして『絨毯』が欲しくて拾おうとしていたの?」

こんな怪しい物に手を付けようとするなんて、正直に言って普通ではない
だが、普通ではないという事は危険であるという事でもあり、それは熊野が好むところでもある

『子供ヨ、アナタニお嬢様ヘノ害意ガナイ事ハ認メマショウ
 シカシ、アナタノソノ距離ハお嬢様ニトッテアマリニモ危険!
 ワキマエテ、ソノ場カラ離レナサイ!』

「気にしなくてもいいわ
 彼女の名前は『フォー・エヴァ・ロイヤル』。私は彼女の事を『エヴァ』と呼んでいるの
 色々と口うるさい所がある私の・・・・従者みたいなものね」

775ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』:2022/01/24(月) 01:12:48
>>774

「うむ、拾うにしてもお前さんがのいてからにするべきじゃった。
 というか最初はなんじゃろうと思って、
 ちょっとめくっただけのつもりだったんじゃが」


『赤絨毯』は『フォー・エヴァ・ロイヤル』の足元に出現するようなので、
退くということはないのだろうが。


「『エヴァ』さん? お姉さんの『スタンド』……かの?
 喋るんじゃな。まあ、喋るのもおるか。サンズさんとかウィゴーさんとか……」

「どいたほうがよいか」


メイドに怒られた直後に、お嬢様に気にしなくていいと言われ、ちょっと困ったが、
別に倒れたままでいたいわけではなかったので、立ち上がった。

776熊野『フォー・エヴァ・ロイヤル』:2022/01/24(月) 18:39:27
>>775

『ソウデス、ワカレバ良イノデスヨ・・・・』

「ええ・・・・」

『エヴァ』の言う通りに素直に立ち上がるナイを見て、『エヴァ』はうんうんと頷く
対照的に本体の方は、少し期待外れだったなとでも言いたげな視線をナイに向けている

「まあ、いいでしょう」

「それよりも気になる事があるわ
 サンズさんとかウィゴーさんとか、色々なスタンドを知っているみたいだけど・・・」

「もしかして、喋らない『スタンド』も居るの?」

熊野はスタンド使いになってからまだ日が浅い
これまでに遭遇したスタンド使いの数は限られており、
どちらも比較的口数が少ない方であったため、スタンドも無口なのだろうと考えていた

777ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』:2022/01/24(月) 22:23:37
>>776

「どうすればよかったんじゃ?
 ……まあよいか」


主従……本体とスタンドで意見が一致していないようだが、
思い返してみると、子供の脳裏に浮かんだ
『エド・サンズ』と『ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライト』もあんまり意見は一致していなかった。
同じ意見だと本体と意思が分かれている意味が無いからかもしれない。


「ん? 喋らないというか……喋らせることは出来るが、
 自分で勝手に喋らない方が多いんじゃないかの。
 『ディスタント・ラバー』も喋らんし。
 頼んだら動くロボ、みたいな……?」

「よいしょ」


そう言いつつ、とりあえず、お嬢様の横に座ってみた。
一般人から見たら道端に2人して座ってる妙な光景だが、
今までの動きすべてが妙だったので今更だろう。
さきほど目つぶしされた聴衆も移動して、歩く人がチラッと見てくる程度であるし。

778熊野『フォー・エヴァ・ロイヤル』:2022/01/24(月) 22:41:05
>>777

ちょこん、と熊野の隣に座り込む子供
ところで、最近明らかになった驚愕の事実ではあるが『赤絨毯』は実体化しているらしい
さらには一般人の目にも見えるとか

つまり・・・・・

   ヒソヒソ・・・

           ヒソヒソ・・・・

  「なんだアイツら・・・・道端に絨毯なんかひいて・・・・路上販売?」

       「でも、ここって条約でそういうの禁止されてるよな・・・・」

     「違法販売? 処す? 処す?」

めっちゃ目立ってる

『シ、シマッタァ〜〜〜〜〜〜ッ!!
 私トシタ事ガ肝心ナ事ヲ忘レテイマシタァ〜〜〜〜〜!!』

『私が作り出ス「赤絨毯」・・・・トテモ便利ナ物デハゴザイマスガ、実体化シテゴザイマシタ!
 お嬢様! ココカラ早くお逃ゲクダサイマセ! 悪目立ちシテオリマス!
 写真ナンテ取ラレタリシタラ、SNSで拡散シテ我が熊野家末代マデノ恥ニ!』

「ふふ・・・・大丈夫よ『エヴァ』」

『従者』は慌てふためいている様子だが、本体の方は慌てる様子はない
その代わりに、時折手を動かしたり鞄の位置を変えたりしている

「『私達の姿はカメラには映らないわ』」

「それにしても、興味深いわ
 その・・・・『ディスタント・ラバー』さんといい、スタンドというのは無口な方が多いのね
『ディスタント・ラバー』さんというのはあなたのスタンド?」

779ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』:2022/01/24(月) 22:59:37
>>778

「なんじゃ、わしが普段道端で店を開いていても何も言われんが、
 裏路地の方がダメなのか?」


裏の人が商売を取り仕切ってると、裏路地の方が逆に厳しいというのはあるかもしれない。
ショバ代とかいうやつだ。条約とか言ってるので違うかもしれないが。
子供が道端で店を開いていても何も言われないのはままごとだと思われているからだろう。


「うむ。わしは最初はオバケはいなくて、後から出てきたんじゃが。
 こんな感じじゃ」


『赤絨毯』の上に、にょっきりと『西洋風の豪邸』が生えてくる。25センチサイズのミニチュアの。
そして窓を開けて豆粒みたいなサイズの『執事服の人型スタンド』が手を振った。
ちなみにこの『屋敷』も実体化している。
路上販売に……見えるだろうか?
道端に豪華な絨毯引いて精巧なミニチュアのお家で子供と遊んでいるお嬢様。という感じだが……

780熊野『フォー・エヴァ・ロイヤル』:2022/01/24(月) 23:19:45
>>779

   ヒソヒソ・・・・

     「そうは言ってもな・・・・」

                   ヒソヒソ・・・

   「俺達は普段とか知らんし・・・・」

        ヒソヒソ・・・・

             「普段からあんな事やってんのか・・・やっぱり通報・・・・」

「うーん・・・・あと15分くらいが限度かな?」

「それはそれとして、これがあなたの『ディスタント・ラバー』さん?
 とても可愛らしいスタンドね! まるでお人形さんの家みたい
 中はどうなっているのかしら」

不用意に『ミニチュアの屋敷』に手を触れる熊野
そのまま中の様子を覗き込もうとしている

781ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』:2022/01/24(月) 23:36:04
>>780

ミニチュア『屋敷』に触れると、ポロっと『ディスタント・ラバー』が窓から落下した。
『屋敷』から出られない『ディスタント・ラバー』だが、庭部分が設定してあり、そこに落ちたのでセーフだ。
中を覗き込むが、小さすぎてよくわからない。内装はリアルのようだが……


「中に入るか?
 いや……このじゅうたん、エヴァさんの出したやつかの?
 それだと……どうなるんじゃ? うむ?」


子供も『フォー・エヴァ・ロイヤル』の能力条件や射程を知らないため、首をひねっているが、
実行すると、
『屋敷』にミニチュア化して入り込む→『赤絨毯』が解除される→『赤絨毯』の上に発現している『屋敷』が解除される。
という風に、一瞬消えて再出現し、地面に転がることになるだろう。
そもそも注目を集めてしまっているのに、消える時点でどうかと思うが。


「ううむ、別に入りたくないならよいが、
 さっきからなんか見られておるし、どこか移動するか?」

782熊野『フォー・エヴァ・ロイヤル』:2022/01/24(月) 23:52:27
>>781

   ポロっ

「あっ・・・」

迂闊に屋敷に触れたせいで『ディスタント・ラバー』が落下してしまった
慌てて子供の姿を見るが、とくに怪我をしている様子はない
ほっと安堵のため息をつく

「それもそうね」

『絨毯』と『屋敷』の関連についてはよくわからないが、
どうにもこの場で何かをしようとすると都合が悪くなるらしい

このまま解散してこの子供と別れるというのも手ではあるが、
『屋敷の中に入る』という、とびっきりに危険そうな言葉が耳に入ってしまった
そうであれば、ここで手を引くという選択肢は・・・・ない

「ちょうどいい頃合だわ
 このままここに留まるにも限度があるし、一旦移動してしまいましょう」

『お嬢様がた。恐縮デハゴザイマスガお立チ上ガリクダサイマセ
「絨毯」ヲ解除イタシマス』

「そこの公園なんてどうかしら?」

そう言いながら立ち上がり、場所を変える様に誘導する

783ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』:2022/01/25(火) 00:11:00
>>782

歓楽街の裏路地にも公園くらいある……!
タバコが落ちてるクソ狭空き地とかだろうか?
別に遊具で遊ぶわけではないので、ベンチの一つでもあれば事足りるだろうが。


「さっき店を開いていると言ったが、わしは交換屋さんでなー。
 色々拾って交換したりしておる。
 今日拾った中ではこれが一番かの。欲しいか?」


歩きながら子供が話を振ってくる。
浮浪児ではなさそうだが、行動はそれに近いものがある。
『赤絨毯』も落ちているものと判断して、拾おうとしたのだろうか。
ちなみに見せてきたのはちょっとエッチそうな雑誌だ。欲しいか?


「お姉さんは何をしておったんじゃ?
 散歩か?」


何かあるなら自分と話をして時間を無駄に潰さないだろう。という判断か。
聞いてみたものの、特に何も用事はなさそうだと思ったようだ。

784熊野『フォー・エヴァ・ロイヤル』:2022/01/25(火) 18:06:10
>>783

ゴゴゴゴ・・・・・

   『ザッケンナコラー!!』
              『バキ死ね』
       『ほとんど違法行為』
 『猥雑は一切無い』               『カブト虫』
             『バキ死ね』

  『ドロローサの道』         『バキ死ね』

      
        『バキ死ね』

一行は『星見駅西口公園』と名付けられた公園へと向かう
治安のせいか、本来地名を示していた看板には見るに堪えない落書きが重ねられている
数坪程度の空き地は、公園と言うよりも都市に空いたデッドスペースのようだ

「交換屋さん・・・・」

「そう、それでいろいろな物を拾い集めていたのね
 この雑誌は・・・・・?」

      『・・・・・・ッ!?』
          『イケマセン! お嬢様!』

普段見慣れていない類いの本に興味津々で手を伸ばす
しかし、その手が雑誌に届く前に、『従者』が大声を上げながら本を没収した

『コノヨウナ本ハお嬢様ニハ相応シクアリマセン!
 お嬢様ハモット情感豊カナ・・・・「ゲーテ」ヤ「中原中也」ノヨウナ詩集ヲ読ンデイタダカナケレバ!』

「それさ、わかって言ってるの?」

「まあ、いいでしょう。それよりもあなたの事だわ」

「お気づきの通りに、私達には特に目的はありません
 有り体に言えば暇人・・・・散歩をしていた所です」

「ただ・・・・ああいう場所は今までに行った事がなかったから
 危険な匂いに誘われて歩いていた・・・・というだけの話ね」

785ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』:2022/01/25(火) 21:45:45
>>784

「バキって人が人気らしいの」

「あっ、取られた……
 よくわからんが、これ以外の本は今持っておらんぞ。
  絵がいっぱいあった方が楽しいと思うんじゃが……」


金髪で喋り方も変わっているが、発音自体に外国人らしいなまりは無い。
だが文字はあまり得意ではないらしい。漢字が読めない。


「やはり暇をつぶせるようなものが欲しいのか。
 うーむ、『ベター・ビリーブ・イット』の『屋敷』は色々変えれて、
 探検も出来るが、そこまで面白くは無いの。
 さすがに『交換』するわけにもいかんし」


今度は普通に地面から出現したミニチュアの『屋敷』は、二階建てくらいの一般家屋だった。
縮尺の関係か、さっきより大きい『ディスタント・ラバー』(普段着風)が庭のデッキチェアに座っている。


「ししゅうとかはよくわからんが、他に本っぽいのは、新聞くらいしかないの……」


一度ポケットにつっこみ、取り出した手に出現したのは、新聞だ。

786熊野『フォー・エヴァ・ロイヤル』:2022/01/25(火) 22:51:16
>>785

『破廉恥ナッ! コンナ本ヲ年端モ行カナイ子供ガ読むナンテナント嘆カワシイ!
 イイデスカ、貴女! コノヨウナ本ハ大人ニナッテカラ読ムノデスヨ!』

「うるさいなぁ・・・・
 ねえ、そんな事よりもあなたは何かを『交換』したがってるんだよね?」

両手で雑誌を持ちながら説教を始める『従者』を尻目に
どうでもいいというような態度で熊野が語り掛ける

「そんなに『エヴァ』の『絨毯』が欲しいの?
 でも、この『絨毯』は私が離れると自然に消えるみたいだけど?」

787ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』:2022/01/25(火) 23:12:26
>>786

「大人になってからか。
 まあ、確かに何かよくわからんが……
 新聞よりは面白いんじゃがの」


読めない文字がズラーッと書いてある白黒の新聞よりは、
絵が多いいかがわしい雑誌の方が面白いのだろう。
内容を理解していない度では大差ないだろうが。


「わしは『交換屋さん』じゃからな!」

「ふうむ。じゅうたんか。
 例えばこれは、『お菓子を出すスタンド』と『交換』したアイスなんじゃが」


新聞の端をちぎると、それが瞬時に入れ替わるように別の物体になる。
ジャンボなチョコのモナカなアイスだ。


「出して数分で消えるんじゃが、『交換』した時が基準になっておるらしい。
 あとその『スタンド』から離れられるの……射程? とかも、わしが基準になる。
 そのじゅうたんの場合、どうなるのかやってみないとわからんが」


そもそも一度『交換』したものを記憶して何度でも『交換』出来る能力、
という基本の説明が無いまま、その仕様について話しているが、
射程:E、持続:3分でも、『交換』した場合、射程は子供が本体のように扱われ、
持続力は、残り2分の時点で『交換』すると、子供が出した時はいつでも残り2分の状態で出てくる。
そういうわけだ。


「別にじゅうたんじゃなくてもよいがの。
 わしも新聞とじゅうたん『交換』しろとは言わんし。
 お店としては、こう、お互い、『納得』の取引……そういうアレが大事……じゃろ?」

788熊野『フォー・エヴァ・ロイヤル』:2022/01/25(火) 23:37:17
>>787

『・・・・・・・ッ!?』

『お嬢様・・・・差し出ガマシイ真似ヲ失礼イタシマス
 コノ「取引」・・・・決シテ乗ッテハイケマセン!』

『交換屋』を名乗る子供から、『交換』の説明を聞いた途端、
『従者』は険しい声で本体に忠告をしはじめる

『何故ナラコノ「取引」ハ・・・・ 「『能力のパワー』そのものを削り取る可能性があるから・・・・でしょ?」

「例えば『エヴァ』の能力のように、能力で出せる物の『総量』が決まっている場合
 この子の能力でその物体を出している間、『総量』が圧迫される可能性がある・・・という事よね?」

『ソノ通リでゴザイマス! ダカラ・・・・』

「だから『乗った』わ
 とても『危険』そうで面白そうじゃない」   『ナッ』

「ねえ、『交換屋』さん
 交換出来る品物は『物』だけ? 例えば『情報』・・・・この町の『危険そうな話』とかはどうかしら?」

789ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』:2022/01/26(水) 00:03:32
>>788

「うん? そう……そう、じゃな。そう!
 そういうことじゃな」


お嬢様の言い回しがちょっと難しかったのか、
あるいはちょっと本人がちゃんと理解しているか怪しいのかもしれないが、的を得ている。
『交換』した場合、本来の持ち主側の発現に影響は出る。


「うーむ、危険そうな話?
 と、言われてもの。
 ヤマンバ……は実は普通に山に住んでおる人じゃったし」

「カタナを使うスタンド使いが悪いことしたとか聞いたこともあるような……
 ちらっと聞いただけじゃから知らんし……」

「危険そうなのといえばアキハじゃが……なんか死んだんじゃったっか?
 いや、夏オバケは……」


危険に近づくわけもでもなく、子供にそんな危険の話を振る者も多くない。
一番ホットな話題と言えば夏のオバケだが、ホットすぎて終わっていないので言及しにくいというメタ事情があるのだ。
場スレ的に季節は冬なので解決してないとおかしいというのも難しいところだ……

790熊野『フォー・エヴァ・ロイヤル』:2022/01/26(水) 00:23:03
>>789

「ええと・・・・ちょっと待って
 ヤマンバとか、刀を使うスタンド使いとか、夏おばけとか、
 気になる単語が多くて何から聞いて行けばいいのか・・・・」

「その『アキハ』って子は何かの騒動に巻き込まれて亡くなったの?
 新聞やテレビでは、特にニュースになっていないみたいだけれども」

夏の話題は色々とセンシティブなのだ・・・・(メタ的に)

791ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』:2022/01/26(水) 00:39:56
>>790

「アキハは前に言ったサンズさんの本体じゃ。
 ダイアナ……幼稚園児をいじめる悪いやつなんじゃが、
 夏のオバケにかき氷にされてしまったらしい……
 よく警察に追われておる」


この情報は主観を含みます。鵜?みにしないでください。


「あとは……あとは、なんかアリーナとかいうのもいるとか、
 あんまり知らんが……エクリプスとかいう悪者の組織と仲が悪いんじゃと。
 まあ、エクリプスは月を町に落っことそうとしたけど、やられて、今はあんまりいないらしいの」

792熊野『フォー・エヴァ・ロイヤル』:2022/01/26(水) 00:52:23
>>791

『マア! マア! 警察ニ追ワレルいじめっ子ニ悪の組織デスッテ!
 お嬢様、ソンナ連中ト関ワリ合イニナルノハ止メテクダサイ!
 今カラデモ遅クハアリマセン・・・・旦那様ノ言ウ通リニ交友関係ヲお考エナサイ!』

「なにそれ! とても面白いわ!」

「オバケにかき氷にされたり、月を落とす悪の組織がいたり
 この街には危険な香りが溢れていると思ったけど・・・・・予想以上ね!」

「『エヴァ』。この方に『絨毯』を」

『グ、グヌヌヌヌ・・・・・     ハァ・・・・ワカリマシタ、お嬢様』

『フォー・エヴァ・ロイヤル』は乗り気ではないようだが
本体である熊野の言葉に観念したのか、地面に1m×1mの絨毯を展開する

「これはお礼としてあなたに差し上げます」

793ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』:2022/01/26(水) 01:00:35
>>792

「今のでよいのか?」


すごくあやふやな話ばかりで、発言者が子供ということもあり、
信憑性は怪しいものだったが……


「『話』と『交換』ということでよいのかの」


ともあれ、自分が得することに文句をつける理由もない。
素直に頷いた。


「まあ、一緒に出さなければ大丈夫じゃ。
 ……ところで、この『じゅうたん』何か特別なのかの?」

794熊野『フォー・エヴァ・ロイヤル』:2022/01/26(水) 18:55:25
>>793

「うーん・・・・そう言われるともうちょっと何か欲しい気もするね
 もう少し、何か確証の強い情報があったら、より良いんだけど」

「これ以上の話がないのなら、それで手を打ちましょう」

どうやら熊野の方はもう少し何か情報が欲しいようだ
だが、相手が子供である事を考慮してか、このくらいでもまあいいでしょう、という構えのようだ

「この『絨毯』は・・・・」

『コノ「絨毯」ハお嬢様専用の「絨毯」ニゴザイマス!
 コノ「絨毯」ノ上デハお嬢様ノ安全ハ確保デキル・・・・
 デスガ、貴女ノヨウナお子様ニハ何の効果モナイ・・・・タダノ「絨毯」デゴザイマスワ!』

795ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』:2022/01/26(水) 21:47:25
>>794

「確証か……鳥人間なら実際この目で見たが、別に危険では無いか……
 ニュー・エクリプスって名乗っておる女子達がおるんじゃが、
 さっき言ったエクリプスってわるものとは違って良い人たちじゃったし」

「わしはあんまり危険には近づかんからの……
 そういうのは一抹ちゃんが詳しいかもしれん」

「代わりと言ってはなんじゃが、食うか?」


自分から危険に近づいていく人の方が少数だろう。ましてや子供では。
子供はジャンボなチョコの入ったモナカのアイスを差し出してきた。
ただの美味しいアイスだが、新聞紙の切れ端を変換して出現した
『お菓子を出すスタンド』が生み出したという怪しげな物体ともいえる。
これを食べるのもある意味冒険か。


「そうなんじゃ」


『赤絨毯』に対してはリアクションが薄かった。
アイスは特別なもののようだが、新聞紙も『交換品』と考えると、
特別なものでなくてもいいのかもしれない。

796熊野『フォー・エヴァ・ロイヤル』:2022/01/26(水) 21:58:04
>>795

「ありがとう」
         『アッ!お嬢様!知ラナイ人カラお菓子ヲモラッテハイケマセ・・・

ジャンボなモナカアイスを受け取り、食べ始める
その直前に『従者』は慌てた様子で地面に『赤絨毯』を引く
熊野が変な物を食べてお腹を壊さないようにするための気遣いだ

まあ、食中毒になるかどうかは、熊野が能動的に干渉できることではないため
完全な気休めではあるのだが・・・・

「鳥人間にニュー・エクリプス・・・・この街には色々な人がいるのね
 一抹ちゃんというのはあなたのお友達?」

797ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』:2022/01/26(水) 22:16:55
>>796

「では話とアイスと『交換』じゃな」


アイスは見た目は市販品と変わらないが、妙に美味しい。
お嬢様が市販品の味を知っているかわからないのでこれがスタンダードだと勘違いするかもしれないが。
あと、早く食べないと解除されて消える。


「うむ。一抹ちゃんは教会に住んでおる男の子でな。
 よくケンカしておるらしい」


『交換』された『赤絨毯』を触ってみたり、めくってみたりしながら返事をした。
めくりすぎると解除されて消えるかもしれないが、そんなことは知らない。

798熊野『フォー・エヴァ・ロイヤル』:2022/01/26(水) 22:24:42
>>797

  パクパク

   「物騒な話ね」

『アッ! 今・・・コノ私「フォー・エヴァ・ロイヤル」ノ「絨毯」ガ制御カラ離レマシタ
 クッ、クゥ〜〜〜〜! アレ程注意シロト言ッタノニお嬢様トキタラ!』

『赤絨毯』は今の所消える気配はない
手触りは最高で知識がなくても品質は最高レベルだとわかるだろう

「ケンカ・・・・というのは『スタンド』を使った喧嘩かしら?
 教会に住んでいるというのに、喧嘩が好きなんてなんだか不思議な話・・・・」

喧嘩好きの男の子という話から、
アニメや漫画に出て来る『不良少年』のイメージを抱いている
東京〇ベンジャーズとか今日から〇はのイメージだ

799ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』:2022/01/26(水) 23:21:15
>>798

「一抹ちゃんはわしより年上っぽいが、子供じゃし、
 『スタンド使い』じゃからそうかもしれんな。
 まあ、会う事があれば聞いてみてもよいんじゃあないかの」


別に子供だからといって素手で喧嘩しないわけではないだろうが、
その場合は低レベルで見ていて楽しいものではないだろう。


「これはよいじゅうたんじゃな。
 羽織って帰るか」


『赤絨毯』を体に巻き付けてみる。

800熊野『フォー・エヴァ・ロイヤル』:2022/01/26(水) 23:38:53
>>799

『イイデスカお嬢様
 ソノヨウナ暴力的ナ輩トツルンデハイケマセン
 ドウセソンナ連中ハ小汚イストリートデ力ヲ誇示スルダケのゴミニ決マッテマス
 お嬢様ノバラ色の未来ニハ1ミリタリトモ・・・・』

「面白そう! 子供なのにスタンドで戦っているのね
 もしも出会う事があったら聞いてみる事にするわ」

『赤絨毯』の肌触りは良く、適度な分厚さで寒さも凌げるだろう
だが、やはり絨毯は地面に敷くものだ・・・・身に纏うと少々ゴワゴワする

「それじゃあね、小さな『交換屋』さん
『絨毯』は放っておけば消えると思うけど、適当に使ってみてね」

一通り話を聞いて満足したのだろう
『従者』を引き連れたお嬢様は公園を離れ、どこかへと去って行った

801ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』:2022/01/26(水) 23:54:06
>>800

「大変そうじゃの……」


いちいち小言を言われるお嬢様が大変なのか、
まったく聞き入れてもらえない『エヴァ』が大変なのか。


「ではまたの」


去っていく2人を手を振って見送る。


「本当に危険な目に遭わないとよいんじゃが」


しばらく2人の背中を見つめていたが、それも見えなくなると、
足元の『屋敷』を消して、子供も公園を去っていった。

802伏見『パルサーグリッチ』:2022/02/02(水) 09:40:18
夜、歓楽街にて。

「……」

頼りなさげな雰囲気で電信柱にもたれかかる。
ぼんやりと空を眺めて、寒空の下ひとりでいた。

「くちゅん!」

803伏見『パルサーグリッチ』:2022/02/06(日) 23:05:25
>>802

「えー? そっちの家でネットフリックス?」

「見ませーん」

どこかに電話した後消えていった

804聖川篤虎『ドゥルセ・ネクタル』:2022/02/19(土) 18:02:20

 「うンま」  ズルズル

すっかり人気の失せた明け方の歓楽街、
高級そうなスーツを着崩して纏った如何にもホスト風な男が、
ガードレールに腰掛けカップ焼きそば片手にのらねこに話し掛けている。


「カップ焼きそばには大別して、『ペヤング』『一平ちゃん』『UFO』の、
 3つの派閥があると思うんだけれど、
 やっぱり俺は『ペヤング』派なワケでさぁ。

 最近のカップ麺は、やれ何処何処の店とコラボしただの、
 まるで生麺だのを謳ってクソ高い値段でコンビニさんの店頭に並んでデカイ顔してるが、
そもそもラーメンや焼きそばなんか、そんな高尚な食い物じゃあないわけでさぁ。

 その点『ペヤング』さんは初志貫徹。
 自らが『ジャンク』な食い物であることを徹底しているッ。
 
 俺も良い歳でさぁ…
 流石に『超大盛り』には手を出さなくなったがァ、
 『徹夜明け』に食う『カップ麺』の旨さはまだ理解できる」

      「これから」


「歳をくって代謝も落ちて俺はどんどん肥えるし、顔の皺も増える。
 若者の文化を理解できなくなるし、
 いわゆる『オジサン』になっちまうわけでさぁ
 ーーでも、明け方に食う『ペヤング』の旨さだけは忘れたくないでさぁ。
 なぁ、ニャー?」 ズルッ ズルズル


「美ッ味ぁ〜〜〜!!!」

805宗像征爾『アヴィーチー』:2022/02/19(土) 18:27:49
>>804

        ザッ ザッ ザッ

カーキ色の作業服を着た中年の男が通りがかった。
両手に革の手袋を着け、足元を覆うのは頑丈な安全靴だ。
工具類の収まった道具入れが、腰のベルトに吊るされている。

              ――――ザッ

無意識に足を止め、男の近くに座る野良猫に視線を向けた。
『猫』を見ると思い出す事がある。
『四つの勢力』から狙われた『カーバンクル』という名の猫だ。

「『アビシニアン』ではないな」

猫を見下ろし、淡々とした口調で呟いた。

806聖川篤虎『ドゥルセ・ネクタル』:2022/02/19(土) 18:43:30
>>805

「アビシニアンだぁ〜ッ?」


端正な顔立ちのホスト風の男が、怪訝な目を宗像に向けた。
だが、一瞥を向けると猫に視線を向けカップ焼きそばを啜る。


「旦那ァ…。
 夜勤明けの俺はこのキッタねぇ猫と喋りながらモーニングと洒落込んでるンでさァ。

 この猫は旦那の猫でさァ?
 それだッたら、連れて行ってくれて構わねェけど。
 もし、そうじゃあねェのなら俺の話し相手を奪うのは辞めて欲しいですぜ。

 それとも、何ですか?旦那が俺の話相手になってくれるんですかい?」

     ズルズルッ

「あ〜ッ……美ン味ァ!!!!」

807宗像征爾『アヴィーチー』:2022/02/19(土) 19:23:41
>>806

虚無を含んだ瞳が野良猫から外れ、改めて男に向き直る。

「いや、一面識もない」

「『赤の他人』だ」

猫を挟んで、男の隣に立つ。

「だが、話し相手ぐらいにはなれるだろう」

その身なりは、聖川とは正反対だった。
一見して全く異なる業種である事が分かるだろう。
世間的な分類では『メタルカラー』に属する。
『ブルーカラー』よりも専門的な技能を要する職業を指す。
いわゆる『技術職』だ。

「俺も『仕事』が終わった所だ」

         ゴトッ

安全靴の靴底が、『奈落』に通じるマンホールを踏み締めた。

808聖川篤虎『ドゥルセ・ネクタル』:2022/02/19(土) 20:24:41
>>507

「生憎、俺ァもう『オフ』でさぁ。
 女の子に相応の対価を頂ければ会話を弾ませる努力をするんだが、
 今の俺はただの中卒のホストでさあ。
 やる気スイッチなんて遥か彼方に行方不明でさぁ」


ズルズルッ


「あー、腹一杯。
 それで旦那は何かい?俺に『職人あるある』でも歌ってくれるのかい?」

809宗像征爾『アヴィーチー』:2022/02/19(土) 21:09:16
>>808

「そうか」

表情を変えず、相手の言葉に黙って耳を傾ける。

「悪いが、俺から話せるような事は何もない」

「いや――『一つ』あったか」

脳裏に浮かんだのは、ある『スタンド使い』の存在だ。

「頭の上から『鋸』を振り下ろされても、
 全く動こうとしない女を見かけた」

「距離は近かったが『正面』からだ。
 避けようと思えば簡単に避けられただろう」

見知らぬ相手から不意に攻撃された時、
通常の人間は何らかの反応を示す。
だが、奴は動かなかった。
当たらない事が分かっていたかのように。

「しかし、そいつは最後まで避けなかった」

810聖川篤虎『ドゥルセ・ネクタル』:2022/02/20(日) 09:02:27
>>808

    「ひゅお〜〜ッ」

「中々に根性の据わった『お嬢様』だ。
 よッと、このスミに残ったかやくを掬うのがッと」


宗像の話を聞きながら、
カップ焼きそばの容器の端に残ったかやくを箸で摘み口に運ぶ。


「だけれど旦那ァ。
 俺は『ホスト』ですぜ。

 別に『ホスト』が立派な職業だなんて誇る気持ちはカケラもねェが、
 世の女性方に飯を食わせて貰ってる以上、
 女の悪口は言うつもりねェし、女を殴るなんて御法度でさァ…」


「どう言う経緯で、女にノコギリを振り回す事になったかは知らねェが、
 女に暴力を振るう話は中々に気分が良くないねェ。

 誰だか知らねえが、
 そのお嬢様にノコギリ振り回した奴は、多分俺の敵だァ」

811宗像征爾『アヴィーチー』:2022/02/20(日) 14:21:07
>>810

「ああ――」

不意に視線を下げ、自身の『右手』を見下ろす。

「乱暴だったのは間違いない」

野良猫を見つめながら、静かに言葉を返す。
声色にも表情にも変化はない。
『納得』しているからだ。

「その女は『危険』を求めているそうだ」

「俺も『忠告』はしたが、大した効果はないようだった」

言葉による説得は意味を成さなかった。
あるいは、もっとマシな方法もあったのかもしれない。
俺には『荒療治』しか思い付かなかったが、
結局それも失敗だった。

「『身内』は手を焼いているだろう」

『独立した人格』を有するスタンド。
それは自分にとって身近な存在であると同時に、
本質的には大きく異なっていた。
『ノコギリザメ』の自我は『一つの意思』に塗り潰されている。

812聖川篤虎『ドゥルセ・ネクタル』:2022/02/20(日) 20:11:48
>>811

「もう一度言いますぜ。
 どう言う経緯があったか知らねえが、
 仕事終わってメシを喰ってる最中に、女を殴った話をされるなんざ気分が良くねェ。

 とどのつまり、旦那は俺の明確な『敵』ってワケでさァ」


空になった容器と箸をコンビニのビニール袋に入れ、
脇に抱えていたお茶の蓋を開け、流し込む。


「んぐっ、んぐっ。ごそさんッ。
 出来れば旦那とはもう会わねえ事を願いたいねェ」


男の語調は穏やかではあるが、その裏には明らかに敵意が含まれていた。

813宗像征爾『アヴィーチー』:2022/02/20(日) 21:19:06
>>812

野良猫を見下ろしたまま、聖川の言葉を聞いていた。
その乾いた瞳には、輝くものは窺えない。
ただ燃え残った跡の『灰』だけが存在する。

「――そういう事になるな」

小さな呟きを返しながら、開いた右手を軽く握る。

「気の利いた話が出来なかった事は謝ろう」

やがて一人と一匹から離れ、静かに一礼する。
それから、おもむろに背中を向けた。
歩き出そうとして、ふと足を止める。

「さっきの続きだが――」

「もし見かける事があれば、
 今度はあんたから注意してやってくれ」

        ザッ

「『命』を落としてからでは遅い」

独り言のように言い残し、夜明けの街を歩き始める。

814ソラ『ステインド・スカイ』:2022/02/23(水) 12:21:44
おでん屋

最高気温5度を下回るような寒い寒い日の夜
熱々のおでんを食べながら熱燗を一杯やるソラくん

815 谷『フォビドゥン・エンチャントメント』:2022/02/23(水) 15:44:04
>>814

「いや 酒飲んでんじゃねーよ」 パシィ!

何時かの復讐を果たすべく、闇ノ♰黒姫は闇ノ♰チョップを
熱燗をグイッと口元に運ぼうとするソラの頭上に振り下ろす!

「あ、おじさーん。自分 こんにゃく、ゆで卵
焼豆腐と餅巾着お願いねー」

そして何喰わぬ顔で噴出したソラの隣に堂々と座ってやろう。
 闇ノ♰貫禄さを見せつけるように、髪をファサッと掻きあげつつな!

816ソラ『ステインド・スカイ』:2022/02/23(水) 16:03:11
>>815
パシィ!

突然、後ろからチョップを降り降ろす闇ノ♰黒姫こと谷

ドグシャア!

いきなり後ろか殴られた事で前のめりにぶっ倒れ、
眼前のおでんの鍋に顔を突っ込み滅茶苦茶に散乱するおでん
つゆもそこら中に飛散し、他の客にもかかり火傷した者が多数
まともに喰らったソラくんはもっと酷い事に…

もはやこんにゃく、ゆで卵
焼豆腐と餅巾着を提供出来る状況ではない

いきなり人に殴りかかるのは非常識にも程がある…

817谷『フォビドゥン・エンチャントメント』:2022/02/23(水) 16:46:10
>>816

>ドグシャア!

「アツ熱ぁ――ッΣ なにしてくれてんだ!
アルゴンキン(ゴシック系ファッションブランド)の黒ドレスに
染みが付いただろうがっ!」

「大体、そっちも人の事言えないだろ。
人を行き成りゲートボールに見立てて打ち付けるなんて
非常識にも程があるんじゃないか?」

以前の事をグチグチと詰る闇ノ♰黒姫。
闇ノ♰黒姫は深海よりも遥かに深いのだ!

それと、屋台のおでんならば幅広く具材は置いてある筈。

「どこかに・・・どこかに無事な具材がある筈じゃろう!?」

顔に突っ込んでるソラを引き剥がし、まだ無事なおでんを
取り皿と割りばしを使って確保しようと必死に目を凝らす。

私は美味しいおでんを食べに来たんだ!

818ソラ『ステインド・スカイ』:2022/02/23(水) 19:20:26
>>817
>アルゴンキン(ゴシック系ファッションブランド)の黒ドレス
知らねーよ、そんなの(先輩)

しかし、自分が殴ったせいでこんな事になったのに
逆ギレとは凄い神経だ

引き剝がしたソラは顔中を火傷していて真っ赤っかだ
しかもおでんの串が頬に突き刺さっていて出血している

親父「貴様…こんな騒ぎを起こしておでんを食べられると思うなよ?」

当たり前だ
谷のせいでおでんを台無しにされ、
周囲の客が火傷を負う大惨事になったのだ
営業妨害だし傷害事件で通報されても文句は言えない

親父「貴様をおでんの種にしてやろうか?」

出刃包丁を手にした親父が谷を睨みつけている

この状況でもなお、おでんの具を探すなら大根なり牛筋なり色々あるだろう
ただしおでんのつゆはソラの血で染まっているが
ただ、ちくわぶは入っていない
何故ならここは星見だからだ…!
星見おでんにちくわぶは…無い!

819谷『フォビドゥン・エンチャントメント』:2022/02/23(水) 23:28:42
>>818

>貴様…こんな騒ぎを起こしておでんを食べられると思うなよ?

「どう考えても未成年の児童に対して熱燗なんて出してるような
親父に対して正論ぶつけられる筋合いなんぞないわっ!
 それに軽くチョップしたつもりなのに、大惨事にしてんのは
あっち『ソラ』だろうが、戯け!
 おでんの種ぇ!? だったら、こっちは闇の眷属にしてやんよぉ!
余は闇ノ♰黒姫だぞ!!」

 ズギュンと、余の闇の騎士『フォビドゥン・エンチャントメント』 を
発現しつつ応戦体制に入るぞ!
 いや実際、余の過失は10割中1割程度だろ。
何でこんなバッカーノな展開になりつつあるんだよ。
 両親が不在だから普通に晩御飯として、おでんの屋台来ただけだぞ

820ソラ『ステインド・スカイ』:2022/02/24(木) 11:35:41
>>819
いや、どう考えても食事中の人を
いきなり後ろから殴り飛ばす奴が悪いと思うんだが…

――――
谷には関係の無いどうでも良い話ではあるが、この男の素性について語ろう
彼の名は志村剣心
おでんを作り続けて60年、人呼んでおでん抜刀斎

究極のおでんを目指して模索し続けた結果、
彼は人肉おでんこそが究極のおでんという結論に辿り着いた(特に脳味噌はとろとろで絶品らしい)
そして殺人を犯し、人肉をおでんを提供した事で殺人の罪で逮捕された経歴を持つ
尚、人骨でとった出汁は大変好評だった
――――

親父「俺の店を荒らす奴は何人たりとも許さん
   お前を人肉おでんの材料にする」

一触即発の状況だがその時

ソラ「やめろ」

満身創痍のソラくんが起き上がり、頬に突き刺さった串を抜き去りながら制止する
頬から大量の血液が飛び散る

ソラ「ここで殺しをしてまた逮捕されたいのか?」
親父「む…」

ソラの言葉で動きを止める志村剣心

821谷『フォビドゥン・エンチャントメント』:2022/02/24(木) 23:58:32
>>820

>おでんを作り続けて60年、人呼んでおでん抜刀斎

「――だったら、こちとらぁ壬生浪の狼じゃぁ!
受けてみるかぁガトチュゼロスタイル!」

ボケワールド(闇)に対して対抗するには、こちらもボケ(闇)に
同化するしかない。あと、言い訳させて貰うがチョップは軽めに
したつもりだし、ついでに更にツッコミさせて貰うと
人肉おでんなんて提供した時点で無期懲役で出所は無理だろ。

「いや、もうどうでもいいからさ。おでんを普通に食べさせて
貰って良いだろ……闇(昆布・こんにゃく)の出汁がきいた
食事をふつ〜〜〜にしたいんだけど」

幾分疲れた口調で、おでん抜刀斎とソラのやりとりに対して
通じるか不明ながら口を挟みつつ展開を見守るぞ。

822ソラ『ステインド・スカイ』:2022/02/25(金) 11:16:56
>>821
真面目な話をすると、例え軽めの冗談であっても
絶対に食事中の人をいきなり叩いてはいけない
筆者は実際にそれで死にかけた知人がいるのでそういうのには敏感なのだ…


志村「大事な客に怪我を負わせて、店を散々に荒らすような奴は客ではない
   貴様に食わせるおでんは無い!」

店はもう滅茶苦茶だ、これではもう商売どころではない
その元凶に対して売るおでんなど、無くて当然だ

ソラ「…あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

ドンッ!

あまりにも空気の読めない谷に対して突如キレだし机を思い切り叩くソラ

男性客「あ、兄貴!」
ソラ「く…あぁぁぁ…」

バンッ!

懐から頭痛薬を取り出して机に叩きつける
ソラはストレスに非常に弱く、
事あるごとに頭痛に悩まされるため頭痛薬が手放せないのだ

男性客「兄貴、水です!」
ソラ「おう…」

ガリッ バリボリ

男性客から寄越された水で大量の頭痛薬を食うソラ

ソラ「はぁぁぁ…」

少し落ち着き、深いため息を付く


女性客「もしもし、警察ですか?」
スマホ「はい、こちら星見警察です
    事故ですか?事件ですか?」
女性客「暴行事件と器物損壊事件です
    イタい恰好の女が客を殴って熱湯に叩き込みました
    しかも頬におでんの串が突き刺さって重傷です
    すぐに来てくれますか?」
スマホ「分かりました、すぐに現場に向かいます」

823谷『フォビドゥン・エンチャントメント』:2022/02/25(金) 22:28:09
>>822(宜しければ逃げる『シメ』るぜ!
追いかけるならば、対応しよう)
そうか……お前も悲しき修羅を背負う男であったか。

……ん? でも筆者(PL)の心情とソラ(PC)の暴走って
関係あるのか??(真顔)

「えぇい……かくなる上は明日への全力疾走だ!」

そう言って反転して走りつつ、おでん屋から急いで離れようっ
 こんなのに付き合ってたらツッコミが追い付かん!
それに、おでんも出してくれないようなら用は無いぜ!

「あぁ゛! 逃げてなんか居ないぞ!
太陽を避けてるだけだ!」

逃げるな卑怯ものー! とか言いそうな輩がいるかも知れないから
前もって釘をさしておこう。これぞ、闇の♰ボケフォローってものよ!

おでんも食べ損ねちまった……仕方がない、コンビニの
ぴり辛チキンと、マヨ握りで今日は我慢するか・・・。

824ソラ『ステインド・スカイ』:2022/02/26(土) 11:09:30
>>823
ニコラス刑事「星見警察だ!
       暴行及び器物損壊の現行犯で抹殺する!」
女性客「もう逃げちゃいましたよ」
ニコラス刑事「くそぉ、逃げたか!(ベ)」

ソラ「はぁ…」

一人で気持ち良く飲んでいたのに訳の分からない女に絡まれ
踏んだり蹴ったりで機嫌の悪いソラくん

男性客「兄貴、発作は収まったかい?」
ソラ「おう…」

志村「旦那、口直しと言っちゃ何だが、新メニューがあるんだ
   良かったら食ってみてくれ」

そう言って新しいおでん鍋を出す志村

                  バァーン

男性客「何だこりゃ?」
志村「人肉に代わる種を研究しててな、これはその第一号
   極秘ルートで仕入れたニホンザルの肉で作ったおでんだ」
ソラ「ニホンザルだと?」
志村「あぁ、特に脳味噌がおすすめだぜ」
ソラ「エボラ出血熱にならねーだろうな…?」

ニコラス刑事「おっ、こりゃ美味そうなおでんだな
       本官もご相伴に預かろうか」
志村「へい、お待ち」
ニコラス刑事「あ、そうだ
       君、頬の傷は放っておいちゃ危ないからすぐ病院に行った方がいいぞ」
ソラ「分かってるよ、けど今は食わせろ」
ニコラス刑事「おっ、そうだな!
       腹が減っちゃ診察は出来ないからな!」

       HAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHA


その後、破傷風とエボラ出血熱の波状攻撃を食らう事になるのだが
それはまた別の機会に語る事としよう

   ,、ッ、__,ッ、,、ッ、
 /ミ  ミ∨彡ミ/ ヽ.彡ヽ
 彡 ミ (rェ Yrェ)ミ   ミ  ミヽ
 彡  ミ`¨| i! ¨´ミ   ミ    ≧ミヽ===、
 彡  ミ / ‥ヽノミ  ミ       ミヽハ
 彡  ミゝ==-}ミ    ミ         ミ| |
 彡  /ゝ-<ヽミ ノ          ミノ |
 彡   彡ミ巛  》ミ        ミミ/ | |
 ///        \\\\    ミ | | |
  ///ハVW   \\\\\\ノ==丿.| | |
   \/川、     \\\\ノ |  | | |
     ∨/ リ  /=、ヽヽヽヽノ  |  | ゝミヽ
     /  /  /  /     |  |  \、
    /  /|   /  /      j  |    ヽ
  /  /  |  ノ  /      {  }
 /⌒ノ´ ノ  |==ィ___ノ     rr彡、 ノ
 (((_ソrr==___ノ           ̄ ̄
               終
             制作・著作
             ━━━━━
              ⓃⒽⓀ

825甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2022/03/05(土) 10:26:23
早朝の歓楽街

朝だというのに空が暗い…ていうか黄色い
この時期になると中国大陸から風に乗ってやってくるものがある
それが黄砂だ

826空井イエリ『ソラリス』:2022/03/06(日) 01:10:01
>>825

              ザッ
             ザッ

「自然はままならないって……前に言ったけどさ。
 そいつは、生き物だけの話じゃあないようだな?
 もっとも……砂も、風も、ただあるだけで、
 そいつらなりの事情なんてのはなさそうだけど」

       ザッ…

向かいから女が歩いてきた。
うさぎのぬいぐるみのようなバッグを持った、
やけにファンシーな服装をした、眠そうな顔の女。

「おまえさんとこうしてまた会えたのが、
 黄砂のおかげ……ってわけなら、
 少しくらいは感謝しても良いけどな?
 前は雨で、今度はこいつで。
 おれたちの間の『縁』ってやつは、
 こーゆー重たい空の色なのかもしれないな」

その目の色は今日の空よりよっぽど『空色』だった。
以前、雨の日に出会った――『イエリ』だ。

「久しぶり。こんな朝早くに、こんな所でどうしたんだ?」

時間も場所も、おれも同じだが――と付け加えて、答えを待つ。

827甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2022/03/06(日) 10:48:40
>>826
「久しぶり」

以前、木の下で一緒に雨宿りしただけの関りだったが
悪天候の中、こうしてまた会ったのはそういう縁があるのかもしれない
別に良い気はしないが、悪い気もしないあま公

「ただ、散歩してただけ」

黄色く染まった空間を
まだ、学校が始まるまで大分時間がある朝っぱらから歩いて回る女
不審者か

「黄砂が来ると楽しい感じ、しない?」

台風が来るとテンションが上がってはしゃぐアホな小学生みたいな感じだろうか

828空井イエリ『ソラリス』:2022/03/06(日) 16:43:12
>>827

「ああ……奇遇だな、おれも散歩だ。
 早く起きすぎてしまったから、さ。
 たしかに、空の色がいつもと違うと、
 不思議と気分ってやつも変わるよな」

空を見上げる。
空気に混ざった砂が色をつけた空を。

「でも、おれはどちらかと言うと、
 楽しいよりは……どんよりした気分になるぜ。
 鼻や喉が弱いってわけでもないんだけどさ。
 おまえさんの方が、詩情ってのが分かるんだろう」

あまり気分が上がる天気というわけではない。
だが、上げられるならそのほうが幸せに違いない。

 アマシロ
「甘城ちゃん、だったかな。
 せっかくの奇遇だし……散歩っていうのは、
 話しながらするほうが、楽しいと思うんだ」

「それに……あまり治安の良い場所でもないし、な」

究極的には人が一人だろうが二人だろうが、
イエリにとって本質的な価値は変わらない。
だが……価値を創出する試み自体をイエリは重んじる。

829甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2022/03/06(日) 18:31:42
>>828
普段と違う珍しい天候という、
非日常感が気分を高揚させるという事もある
特に台風なんかは、学校が休みになるとか
この程度の風には負けないぜという、
風に対する対抗心が働いたりしてテンションがハイになったりする

しかし黄砂に気分が上がる人間などそうはいないだろう
只々視界が悪くなり、有害物質を運んできたりもする
百害あって一利なし!
空井の反応が当然というものだ

「そうね…」

話しながら散歩、というのに同意する

「けど…何か話す事ある?」

空井との間には特に繋がりなど無い
話題となるような事など思いつかないあま公

時間も時間なだけに、辺りに人は少なく
開いている店も少ない

830空井イエリ『ソラリス』:2022/03/06(日) 19:13:16
>>829

「そうだな……話題っていうのは特にないな。
 おれはおまえさんをまるで知らない……し、
 おまえさんにも、おれのことは全然話してない。
 なんとなく、縁があるような……くらいの、
 今の空くらい、ぼんやり霞んでる関係だが」

         ザッ

向かい側から歩いてきたイエリは、
甘城に合わせるように踵を返した。

「取り留めのない話をするにはちょうどいい」

「天気の話は今、やったところだし、
 昨日の晩御飯の話とか、
 昨日見た夢の話とか……
 好きな季節とか、そういう話をしようか」

一般的に『つまらない話』『ありきたりな話』だが、
ほとんど関係のない者同士が会話を膨らませるには、
それくらい取り留めのない話がちょうどいい。

「無難な話ってのは無難なだけの、甲斐があるよな。
 ちなみにおれは、昨日はクリームシチューだったよ」

        「付け合わせはパン。
         ご飯でも、別にいいんだけどさ」

831甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2022/03/06(日) 19:46:44
>>830
「無難な話…
 それもいいかも…ね」

どうでも良いような
取るに足らない話が、案外楽しかったりする
そういう事もあるものだ

この二人の間ではそういう軽い話が良かったりするかもしれない

「私もシチューにはパンが良い
 でもご飯に合わせるための専用のルーもあるしね…
 元々クリームシチューはご飯に合うように作られた物らしいし」

シチューはパン派だがご飯にかけるのも否定しない
どっちつかずの中立派として
両陣営からヘイトを買いそうな意見だが
この場にはどちらもいないし、
例えその話を聞かれて過激派に責め立てられたとしてもあま公は意にも返さないだろう

「私の昨日の夜は、オムライスだった
 ふわとろにするのは難しいけど上手く出来ると楽しい」

「それと、ケーキを作って食べた
 琥珀入りの」

832空井イエリ『ソラリス』:2022/03/06(日) 21:00:39
>>831

「ご飯にも、十分合うよな。
 洋風のイメージだからさ、
 どうしてもパンの方が座りがよくて、
 つい、そっちにしてしまうわけだが……」

深いこだわりはないが……だからこそだ。
こだわりのある話をするような試みではない。

「オムライスか。あれは、難しいよな。
 おれも自炊するようになってやってみたけどさ。
 洋食の代表みたいな顔をしてるのに、
 あんなに綺麗にするのが難しい料理もないよ」

「卵が固くなるし」「焦げるし」

  「ケチャップで描いた絵もぐちゃぐちゃだ。
   デミグラスソースなんかを作るのも大変で。
   でも……難しい料理は、楽しいよ。わかるぜ」

一種のものづくりのようなもので、しかも食べられる。
失敗しても腹に収まる事には……変わらないのだ。

「それにしても、ケーキ……いや、琥珀?
 琥珀ってのは『石』だとばかり思ってたんだけどな」

付け加えられたメニューは驚愕を招くものだ。

「おまえさん、随分歯が強いのか、それとも強くしたいのか……」

眠たげな瞼を持ち上げ、やや丸くした目で、続きを促す。

833甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2022/03/07(月) 11:25:07
>>832
料理は難しいが面白い
失敗から学ぶ事も多いし、成功すれば美味いし嬉しい
飽き性のあま公が続けられる事の一つだ

そのあま公も、何故か絶対に失敗する料理がある

「本当は琥珀糖を作るはずだったけど…
 間違えて本物の琥珀を入れちゃった」

琥珀は樹脂が化石化した物だ、無理をすれば食えるだろう

「…料理は出来るけど、
 お菓子だけは絶対に失敗する…」

一瞬だけ表情が曇る
しかし黄砂で空気が澱んでおり、
ほんの一瞬だけなので気付かないかもしれない

「無味無臭
 不味くはないけど美味しくもなかったし、食感がガリガリで最悪だった
 けど、古代の浪漫を食べてる感じだった」

聞いてもいない感想を語る
ちなみに琥珀の中には古代の蟻が入っていたらしい

834空井イエリ『ソラリス』:2022/03/07(月) 19:07:50
>>833

「間違えて……そうか。…………そうか」

冗談かどうかを計りかねたし、
一瞬の表情も読めやしないが、
声には真剣味を感じた。

「でも、ちゃんと食べたのは立派な話だと思うぜ。
 上手くいったケーキだって、 
 理由を付けて残しちゃうやつはいるんだからな」

だから言葉には一拍を置いて、悩みながら紡いだ。

「失敗しても、やって、やり続けて、
 その始末を自分でしてるんだから。
 その積み重ねは多分、何か、すげー意味があるよ」

結果に意味がなくとも、繰り返す過程には意味がある。
少なくともイエリはそう考えて日々を営んでいた。

「しかし古代の浪漫を食べるってのは良いな。
 それも、化石とかじゃなくて琥珀ってのがいい。
 食べられないまま何万年も眠ってたやつが、
 今日のおまえさんの栄養になるっていうのが」

      チラ

        「こう……詩的な気分になるよ」

地面を見る。
踏み締める地下には無数の命が眠っているのだろう。
だからどういうというわけではない。

「丁度いい具合に、取り留めのない、良い気分にさ……」

取り留めのない話なのだ。深い意味はなくて…………面白い。

835甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2022/03/07(月) 19:32:36
>>834
「……」

これといって、特に深い意味の無い会話をする二人
無数の命が眠る地面を見るイエリを見つめる

黄砂に覆われた空間、さっきからの無意味な会話、地面を見る女

何と言い表せば良いのか、よく分からない気分になるあま公

「……こういう時って、
 テレビの砂嵐を見てるような気分にならない?」

今時テレビで砂嵐なんか映らないが

「たまにYou Tubeで砂嵐の動画を見るけど…
 その時の気分に似てる」

836空井イエリ『ソラリス』:2022/03/07(月) 20:48:42
>>835

「分かる……のかな、同じ気持ちとは限らないが、
 砂嵐には『なんの意味もない』
 でも、なんとなく『見ていたい気がする』」

砂嵐は『無』に限りなく近い。
いや、無意味で溢れているというのは、
ある意味では何も無い以上かもしれない。

「そういう意味なら、おれもそうだと言えるぜ。
 ……もっとも、あれだな。
 あれはずっと見てると、呑まれそうになる。
 眠くなってるだけなのかもしれないけどな?」

「砂嵐の時間はこれくらいにしておこうか」

足を止める。
ちょうど、交差点に差し掛かっていた。
黄砂の空は一向に晴れる気配もないが、
散歩は、いつでも終わらせられるものだ。

「おれはあっちに行こうと思うよ。
 もうちょっとしたら、バスが来る時間になるからさ」

837甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2022/03/07(月) 21:11:17
>>836
相変わらずの黄砂で暗い空だが、時間はもう結構経っている
ぼちぼちと周囲の店も開き出し、人も外に出始めた頃だ

「…楽しかった」

イエリとの会話は、砂嵐のように無意味な時間だったかもしれない
けど、無意味は無意味なりに面白い

「…また」

また、彼女と会う事はもう無いかもしれない
けど、また会いたいと思う

イエリとは別の道を歩み、別れを告げるあま公

この後学校に行くのだが、
そこで砂嵐に襲われる事になるのだがそれはまた別の機会に語ろう

838リトル・メリー『メリー・バッドエンド』:2022/03/14(月) 00:30:39

          カツ コツ カツ コツ………………

静かな夜の街を歩く『モノ』がいる。
『者』ではなく『物』だ。
『少女風のピエロ』を模した『マリオネット』。
操る手のない『それ』が、独りでに立って動いている。
そのオカルティックな光景は、まさしく『怪奇現象(ホラー)』。

       ――――――キラッ

ピエロの手に、光るものがあった。
細く長い一本の『縫い針』。
まるで『槍』のように、両手で持って歩いている。

  カツ コツ カツ コツ………………

ゆらゆら、ゆらゆらと幽鬼のような足取りで。

839?? ??『????・???』:2022/03/14(月) 00:43:11
>>838

(アレは……)

闇夜の中 静けさと静かな弧を描く月以外に離れた場所より届く環境音
以外に何もない中で、確かな人影が適当に立てられた柱の陰から
その『マリオネット』を注視していた。

(『スタンド』か……? 使い手は、周囲には見当たらない
ならば、遠隔か……または『自身と同じタイプ』か……)

 観察を謎の人物は続けている。

840リトル・メリー『メリー・バッドエンド』:2022/03/14(月) 01:39:00
>>839

針を携えて、マリオネットは歩き続ける。
暗さのせいで見えづらいが、それ自体は『ただの人形』らしい。
『勝手に動いている』という点以外は。

       ――――――ピタッ

不意に、ピエロが足を止めた。

「ピカピカして素敵」

体温の存在しない冷たい手が、恍惚とした声色で針を撫でる。

「それに『尖ってる』」

       ブンッ

両手で構えた針を、勢いよく前方に突き出す。
虚空を突いた針先が夜の空気を切り、乾いた音を立てた。
そのスピードは平均的な人間レベル。

「ウフフフフフフフフフ」

表情の変わらない無機的な顔立ちで、マリオネットは笑っている。

841?? ??『????・???』:2022/03/14(月) 02:23:06
>>840

 ――ザッ……

不気味に笑うマリオネットの前に、人影が現れる。
 月明りが、その姿を少しだけ明かす。フードとコートで覆われおり
ゴーグルのようなもので目元を覆っているが、体格は華奢だった。

 『……お前は何者だろうか』

 『……お前の目的は何であろうか』 チャキンッ……

片方の手に、バタフライナイフらしい刃物を取り出して謎の人物は
マリオネットへ淡々と感情なく問いかける。

842リトル・メリー『メリー・バッドエンド』:2022/03/14(月) 04:12:47
>>841

この世にある全ての怪異が『スタンド』とは限らない。
もしかすると『心霊現象』かもしれないが、いずれにせよ異常な存在だ。
周囲に人の気配は全くなく、誰かが操っているとしても、近くにはいないだろう。

           「ウフフ」

突如として現れた人影を見上げて、マリオネットが楽しげな笑い声を漏らす。

        「『教えてあげない』」

「だって――――――」

           クルッ

現れた相手を、『針の先』で指し示す。

「あなた、『意地悪な匂い』がするんだもの」

           「そうでしょ?」

                  「   ね   え   」

少女風のピエロを模したマリオネットは、小首を傾げながら針を構えている。

843?? ??『????・???』:2022/03/14(月) 17:26:18
>>842

>あなた、『意地悪な匂い』がするんだもの

 『……繰り返そう』

『――お前は何者だろうか お前の目的は何であろうか……。
それ以外に求める答えは無い』

 マリオネットのようなピエロ少女に、淡々と喜怒哀楽全ての色の無い声が
再び問いかけられる。

リトル・メリーならば、気づくかも知れない。
 なぜか『既視感』のような、思わぬ所で自分に近しいものに遭遇したかのような。

 カツ    カツ    カツ

 『……』 ググッ

 ナイフを引き絞るように構え、謎の人物は君に歩き距離を狭める。
 現在、1m半ほどの距離……次の瞬間には攻撃出来る間合いに入るだろう。

844リトル・メリー『メリー・バッドエンド』:2022/03/14(月) 22:39:32
>>843

『リトル・メリー』が『既視感』を感じたかどうかは不明だ。
それは誰にも分からない。
もちろん、ナイフを持っている者にも。

「ウフフ」

「ウフフフフフフフ」

「ウフフフフフフフフフフフフ」

意に介した様子もなく、マリオネットは笑い続ける。

         「  『  ヒ  ミ  ツ  』  」

もう理解できるだろう。
『聞いても無駄だ』と。
この問答は、いわば『楽器』から奏でられる『演奏』でしかない。

                   「『串刺しごっこ』?」

         「『目玉抉り出しごっこ』?」

  「『生爪剥がしごっこ』?」

         グイッ

「  何  し  て  遊  び  ま  し  ょ  う  か  ?  」

『縫い針』を軽く引いて構え、マリオネットは人影を見上げる。
言うまでもないが、人間と人形では明確な『サイズ差』が存在する。
向き合っていたとしても、正確には『足元』にいる事になる。

845遊部『フラジール・デイズ』:2022/03/14(月) 23:12:53
>>844

>何  し  て  遊  び  ま  し  ょ  う  か  ?

――フッ・・・

リトル・メリーの視界から……『忽然と姿が消えた』

 そう見えるだろう。それが『フラジール・デイズ』の能力。


(……あの人形、スタンドだとして本体が遠隔で操縦してるのか。
または私のように離れた物陰で観察しているのか、それとも本当に……
人形自身が自立してスタンドと融合する形で動いてるのか)

判断が出来る……そう、遊部である『私』は柱の陰にて
フラジール・デイズにあらかじめ舞台指定外で相手と意識を隔絶
させる命令をさせてた事から、そこから相手の反応を遠目で伺う。

846リトル・メリー『メリー・バッドエンド』:2022/03/14(月) 23:53:33
>>845

   「  え  ッ  !  ?  」

                   キョロ キョロ キョロ

突如として消失した人影を探すように、辺りを見回す。
マリオネットなので表情が変わる訳ではないが、その様子からは、明らかな『驚き』が見て取れた。
『視聴覚』を持つのは確からしいが、それだけの情報では、相手の『タイプ』を確定させるには不足している。

「分かったわ!『かくれんぼ』したいのねッ!」

無論、能力を発動した『フラジール・デイズ』が感知される可能性は皆無だ。
マリオネットが気付いた様子は一切ない。
ここからどうするのも自由だろう。

「隠れるのがとっても上手なのね」

        「でも」

    「絶対に見つけてあげるんだから」

                 「ウフフフフフフフフフフフフ」

『魂』を宿すマリオネットは、不気味に笑いながら周囲の闇を見つめている。

847遊部『フラジール・デイズ』:2022/03/15(火) 00:06:14
>>846

もしかすれば……

遊部である『私』にとって、この星見町は魔窟だ。
日によって『アリーナ』『エクリプス』また、他にも伝承でしか
見聞きしないような怪物が首をもたげて周囲に大小の被害を及ぼしもする。

『力』が欲しかった。微少でしかない己の力を増やすには
まず数が要る。だが、ただの使い手では信頼はおけない。人の心は容易に
変わり、決して飼いならせない。

(この物はどうだろう)

人形のスタンド。これが自立型であり、何を想い動いてるのか……。


 カツ コツ カツ コツ……。


 「……話をしよう」

「君と、話をしたい……どうだろう? 私は君と言う価値を
推し量りたいのだ」


 本体(遊部)は姿を現す。なお、フラジール・デイズと同じ姿格好だ。

片手を上げる、それと共にリトル・メリーの直ぐ隣にスタンドである
フラジール・デイズも姿を現す。舞台指定の介助

 「君の事を知りたくなった……君の事を教えて欲しい」

848リトル・メリー『メリー・バッドエンド』:2022/03/15(火) 00:42:54
>>847

「ウフフフフフフフフ」

姿を現した遊部を見上げ、人形は笑う。

「あなた、面白い事を言うのね」

「ウフフ、ウフ、ウフフフフフフフフフ」

感情のない顔が、遊部とスタンドを見上げている。
それとは逆に、声には感情が感じられた。
そこにあるのは『アンバランス』な構図。

「お話がしたいなら聞いてあげてもいいわ」

構えていた『針』を下ろす。
『拾った針』だった。
元々これで誰かを害しようと思って用意したのではなく、たまたま見つけて遊んでいたに過ぎない。
『竹槍訓練の的』にされた『姉妹』を思い出し、気持ちが昂ぶってはいたが。
自分から積極的に襲い掛かる気は、今はなかった。

「でも――――」

「私の事を教えてあげるかどうかは分からないけど」

一見すると『無邪気な少女』のようだが、その声色には『無邪気』とは正反対の響きがあった。

849遊部『フラジール・デイズ』:2022/03/15(火) 17:08:21
>>848

「……そうだな」

遠隔操作のスタンド自体が人形を操作してると言う懸念もある。
 ただ、振る舞いと勘で其の可能性は低いと感じた。なら直観を信じよう
静観をし続けるだけでは決してこの町で生き残りはできない。
 卑小な存在はリスクを時に賭けなければ成長を望めない。

屈んで視線を合わせるようにして、話しかける。そして、フードを脱ぐ
素顔は普通の少女のようにも感じた。顔は、メリーに酷似するように
感情を虚脱させていたが。

「私は遊部 玲実と言う記号で皆から呼ばれている……今のところな」

「ただ『私』は……その記号の存在として生きる事を好まない。
私には目的があり、私自身の意思がある。
 どれ程の時間をかけて、どれ程の苦難を受けようとも達成すべき事がある」

「その為には、権力が 蹂躙する力が 大多数の使役するべきモノを求めてる」

「……君はどうだろうか? この町で、不動とも言えるべき地位
謂わば『支配者』として君臨しようと思わないか?」

 ザ ァ ァ ァ……。

冷たい目は、同じく無機質なメリーの目を覗き込んでいた。

850リトル・メリー『メリー・バッドエンド』:2022/03/15(火) 21:52:43
>>849

「ウフフフフフフフフフフ」

            コトッ

マリオネットは、その場に腰を下ろした。
言葉通り、遊部の話を聞くつもりはあるようだ。
そして、『返答』は――――――。

「『支配者』っていう言葉は知ってるわ」

「ウフフ」

「それって『王様になれる』って事よね?」

「『みんなが私の言う事を聞いてくれる』って事よね?」

「みんなでずっと遊べたら、とっても楽しそうね」

「ウフフフフフフ」

「でも」

無機的なマリオネットの目が、無感情な瞳を覗き込む。
それは遊部がメリーに近いのか、それともメリーが遊部に似ているのか。
誰にも分からない事だろう。

「私、あなたが信じられないの」

「だって」

懐柔しようとする姿勢は正しかったのかもしれない。
だが、『第一印象』が尾を引いている。
それで『信用に値しない』と判断されてしまったようだ。

「『意地悪な匂い』がするもの」

つまり、答えは『ノー』。

                 「『リトル・メリー』」

        「それが私の名前よ」

  ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

「 『 さ よ な ら 』 」

                ――――――カクッ

唐突に、遊部を見上げているマリオネットの首が下がった。
それっきり沈黙し、動く気配が見えない。
もう『いなくなった』。
そう感じられる。
後には、『魂』の抜けた操り人形だけが残されていた。

851遊部『フラジール・デイズ』:2022/03/16(水) 00:55:47
>>850(お付き合い有難う御座いました)


 ヒュ  ゥ   ゥ  ウ   ウ

既に中身が消えたマリオネットの人形を掴み上げる。

 「……自立型か」

アレは『フラジール・デイズ』すらも器に出来る力を秘めたのだろうか?

 「まぁ、いい」

何時であれ選択は常に存在する。
 リトル・メリー

名は記憶した。『私』の正体を教え、そして拒んだ存在。

 「必ず、『私』がこの街の頂きに昇る。
どれ程の時間を、どれだけのものを捧げてでも」

 何であれ、『私』を阻むものは消し去ってみせる。

 「また、出直しだな……」

冷たい風と共に、遊部の姿は闇の中へ溶け合って行く。

852美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2022/03/18(金) 22:19:58

  「くふふ」

      「あっはははっ」

             「い〜〜いキモチぃ〜〜」

多くのバーが軒を連ねる『ネオン街』を歩いている。
かなり酒が入っているらしく、
足元がフワフワしていて覚束ない。
完全に出来上がっている状態だ。

        「『バス停』……ドッチだっけ……」

              ゴソゴソ

  「ん〜〜〜〜?」

スマホを取り出して、『地図アプリ』を確認する。

「――――あ、コッチかぁ!」

         フラフラ

地図を見たにも関わらず、
進もうとしているのは全く逆の方向だった。
だいぶ思考能力が低下しているようだ。
よりにもよって、薄暗い路地裏に入っていこうとしている。

「もう…………なんか暑い!」

     バサッ

おもむろにスタジャンを脱ぎ去る。
下に着ているのはタンクトップだった。
外気が肌に触れるが、まだ酔いが醒める気配はない。

853美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2022/03/22(火) 20:56:57
>>852

すこぶる上機嫌でフラフラと歩き続ける。
酔っ払っていた事と、足元を見ていなかった事。
これら『二つの要素』が重なり、『一つの結果』を生み出した。

           ズ ル ッ

  「あっ――――――」

               ゴ ッ !

                「――――――ふみゅッ」

地面に転がっていた『空き缶』を踏んづけてバランスを崩し、
そのまま後ろ向きに倒れていく。
咄嗟に反応する間もなく後頭部を強打し、意識を失った。
『どうなったか』は、また別の話だ。

854ソラ『ステインド・スカイ』:2022/04/02(土) 10:19:57
ブロロロロロロ

愛車のマグナ50で疾走していた時の事…

「!!」

キキィィィーーーッ!!!

突然>>855が飛び出して来た!!!

855ほしみまくろう『スターライダー』:2022/04/02(土) 14:21:17
>>854

      ゴッ!!

「がべっ!?」

突然飛び出してきた人型の物体・・・・
避ける事など出来ずにその物体は衝撃をモロに受けて地面を転がる

・・・・・・・・・・・・。

沈黙・・・・動かない・・・・
その肌色は蒼白を通り越して腐敗しているように見える

「ふむぅ・・・・やってしまったようじゃの、騎手の嬢ちゃん」

唐突に、道端に座り込んでいた老人が君に話しかける
オーディンめいた眼帯の老爺だ・・・・旅人帽に隠れた眼差しは剣呑だ

856ソラ『ステインド・スカイ』:2022/04/02(土) 16:44:44
>>855
殺っちまったぜ。
突然飛び出して来た腐敗した人型の物体…
人じゃないのか?

仮にこの物体がゾンビだとして
ゾンビを轢き殺したら罪に問われるのだろうか?

取り合えず今はゾンビを蘇生させなくては、
殺人…いや、殺ゾンビ罪で逮捕されてしまうかもしれない!

「畜生、生き返れ!生き返れよ!!!」

杖状のスタンド『ステインド・スカイ』で
思い切り腹部を突いてショック療法で蘇生を試みる!

>ふむぅ・・・・やってしまったようじゃの、騎手の嬢ちゃん

「何だ、爺!?蘇生の邪魔をする気か!?」

857ほしみまくろう『スターライダー』:2022/04/02(土) 17:31:04
>>856

    ズゴッ!
            ドゴッ!!

『人型の物体』はもうしゃべらない・・・もう笑わない、泣かない、怒らない
生き物は死んでしまったらそこで終わりなのだ・・・・
彼の体色・・・・緑色で毒々しい色合いが、その『生命』の終わりを告げている

   「邪魔なんてせんよ」

   「おぬしの頑張りの邪魔をするほど、わしは意地悪ではない」

オーディンめいた老爺は蕩々と語る

   「ああ、そうそう、言わなくてはならん事が一つだけあったな」

   「ユーミルの首がわしに告げた未来の幻視をそなたにも伝えておこう」

老人の眼が光る

   「このおはなしは『夢落ち』で終わる」

   「ゆめゆめ、それを忘れぬ事じゃ・・・・・」

強烈な閃光が走る
まばゆい光に包まれて・・・・老人の姿は消えていた

「ぐ、ぐげががが・・・・・!」

緑色の物体がむくりと半身を起こす

858ソラ『ステインド・スカイ』:2022/04/02(土) 21:47:42
>>857
「消えただと…!?」

眩い閃光に目を瞑り、次にその目を開けた瞬間老人は姿を消していた
一体あの老人は何だったんだろうか?

>ぐ、ぐげががが・・・・・!

老人の正体について考える暇も無く、ゾンビは起き上がって来た!
ソラの必死の人命救助が功を奏したのか!

「ん?こいつよく見ると…
 ほしみまくろうか?
 いやでも、ほしみまくろうはカラス型ゾンビだった気がするが…」

859ほしみまくろう『スターライダー』:2022/04/02(土) 22:54:19
>>858

「お、オデ・・・・『ほしみまくろう』・・・・!」

背中を大きく反らしながら、非人間的な動きで起き上がる『ほしみまくろう』
緑色の体表からはぼこっぼこっと泡立つようにして臭気が舞い上がる

もしも・・・・この現象がソラの人命救助によって為された出来事だとすれば
君は救急救命士よりもネクロマンサーを名乗るべきであろう・・・・

  「何をしておる、ソラよ」

ソラの脳内に老人の箴言が響く

  「敵を目視したら、まずはR3ボタンを押すのじゃ」

  「ターゲットロックを行う事で敵を視野の真ん中に捉える事が出来るぞ」

「うご・・・うぼぁ・・・・ ごご・・・・」

『ほしみまくろう』は両腕を振り上げる!
・・・・・不自然なディレイ! 数秒の間をおいた後、その拳はソラへと振り下ろされた!

860ソラ『ステインド・スカイ』:2022/04/03(日) 08:47:07
>>859
降り降ろされた拳を、
普通なら避けるべきなのだろうがソラは違った

「いい加減にしろ!
 何がうご・・・うぼぁ・・・・ ごご・・・・だ!」

呻き声を出しながら殴りかかって来るゾンビに一喝!!

「ゾンビだからって呻き声を出して人を襲ってればいいなんて
 いつまで時代遅れな事をしてるんだ!?」

「そんな時代遅れな事をやってるから
 お前はみんなから忘れ去られたんだよ!
 ゾンビも進歩しろよ!」

「俺がゾンビに相応しい仕事を紹介してやる、付いて来い」

861ほしみまくろう『スターライダー』:2022/04/03(日) 10:16:17
>>860

「ふごっ・・・・・!」

モーションキャンセル!
一喝の直後、今まさに振り下ろされようとしていた拳が慣性を無視して離れる
精神的ダメージによる『怯みモーション』のせいだ!

「なるほど。今の時代にはそれ相応の役割が求められるというわけですね」

急に理知的な口調ではきはきと喋り出す。喋れるのだ

「あなたの意見を取り入れましょう
 相応しい仕事があるというのなら、見せていただきましょうか」

ついて行く
どこへ行こうと言うのだろう

862ソラ『ステインド・スカイ』:2022/04/03(日) 11:12:05
>>861
ソラの誠意が通じたようだな!

「よし」

そう言ってソラは
ほしみまくろうの首に縄を括りつけて、マグナ50に繋げた

「善は急げだ、飛ばしていくぞ」

マグナ50に跨ったソラは全速力(法定速度無視、どうせ夢だから)
でほしみまくろうを引き摺りながら駆け抜けていく

そして辿り着いた職場とは…


               『ゾンビフーズ株式会社』

863ほしみまくろう『スターライダー』:2022/04/03(日) 12:56:34
>>862

   タッタッタッ!

『ほしみまくろう』の首に縄を括りつけ
君の愛馬『マグナ50』をフルスロットルに加速する
飼い犬のごとく繋がれた彼は、差し詰めマラソン選手のように君の後を追いかける

  ブロロロ・・・・
   『30km/h』

     『60km/h』

          『120km/h』


           ゴオォォオオオオ――――ッ!!

                   ―――――『1200km/h』ッ!!

目に見える景色が直線の光に変わる
空気抵抗は存在しない・・・・夢だからだ

君達の肉体は、地球を周回する程の暴走の後、やがて地上を離れ始めた
重力の軛を外れた事で生じる、独特の浮遊感・・・・
暗い暗い空間に星々の輝きが見える

           ――――――――『30万km/s』

太陽系を離れ、おうし座アルデバランを右手に見送る
輝ける銀河の果て・・・・・ここは知と智の最極点、プレアデス星団の中心である

               『ゾンビフーズ株式会社』

「なるほど。やはりそういう事ですか」

遠く、タンホイザーゲートが妖しき光を放つ
Cビームはやがて地上へと到達するのだろう・・・・それが何年後かはわからないが

「それで、私は何をすればよいのですかな?」

864ソラ『ステインド・スカイ』:2022/04/03(日) 13:34:44
>>863
マグナ50如きに銀河を駆ける様なスペックがあるとは思えないが…
まさに夢のような話だ
呼吸とか大丈夫なのか?

なんやかんやで着いた会社に入るソラとほしみまくろう

ソ「失礼します
  先程お電話をさせて頂いた者ですが」
???「面接希望の方ですね、お待ちしておりました」

ヒュ―――ン      ドォォォ―――ン

突然上から巨大モンスターが降って来た!!!

巨大モンスター「ようこそ、ゾンビフーズ株式会社へ
        面接官の巨大モンスターと申します」
ソラ「こいつを食品として雇っていただきたいのですが」

ソラがほしみまくろうを紹介すると、面接官はほしみまくろうの品質を吟味し始めた

巨大モンスター「これは中々美味しそうなゾンビですね、採用しましょう!
        すぐにでも働いて頂きたい!」

865ほしみまくろう『スターライダー』:2022/04/03(日) 13:46:55
>>864

そう卑下をするな・・・・
君は『マグナ50』に全速力を命じた、そして彼はその指示を全力でまっとうした・・・・
それだけの話だ・・・・

頭上から落下してきた巨大モンスター
その体表はてかてかとゴムの様な黒い光沢を持ち、ぬめりとした粘液を撒き散らす
昆虫の様な手足は節々をガチャガチャと鳴らしながら、ほしみまくろうへと手を伸ばす

「あなたがここの面接官ですね?
 私はほしみまくろ・・・・・・・・」

         ズゴォォッ!!

巨大モンスターの大顎門がほしみまくろうを砕く
彼の肉体は白い灰となりながら巨大モンスター氏の喉元を過ぎ去った

        【YOU DIED】

ソラの足元に光が灯る
ほしみまくろうが落とした【65389スタンドポイント】だ

866ソラ『ステインド・スカイ』:2022/04/03(日) 14:12:29
>>865
【65389スタンドポイント】
このポイントが一体何を示すのか分からないが…

ドンッ!!

次の瞬間、ほしみまくろうの肉体は即座に再生を始め
元のゾンビへと復活を果たした

ソラ「何やってんすか、面接官さん」
巨大モンスター「いやー、ごめんごめん
        あんまりにも美味しそうだったから、ついつまみ食いしちゃった」

一体どういう事なのか…

巨大モンスター「改めてゾンビフーズ株式会社へようこそ」
「地球の人口がどんどん増えている昨今、食糧不足が問題になっているよね」
「そこで我が社は、ゾンビを食品加工して販売する事で問題解決に乗り出したんだ!」
「ゾンビは死んでしまっても、ネクロマンサーによっていくらでも復活出来るからね!」
「ゾンビは、まさに無限の食糧に成り得る人類の救世主だよ!」

ネクロマンサー「ちわーっす、ネクロマンサーでーす」

巨大モンスター「これから君を殺しては蘇らせ、殺しては蘇らせ
        無限の食糧として活躍してもらうから覚悟していてね」

ソラ「じゃあ、紹介料も貰ったから俺はこれで」

ほしみまくろうは金で売られたのだ!
それからというもの、ほしみまくろうは肉を加工されては蘇らせられ
永遠に続く地獄のような毎日を過ごしていた

そして、ほしみまくろうの肉は世界中の人間の口に入り、食糧不足の危機を救っていた

867ほしみまくろう『スターライダー』:2022/04/03(日) 15:12:10
>>866

     ――――そして、『50年』の月日が経った。

『ほしみまくろう』を基礎的食糧とした社会が形成され、世界から『飢餓』が消えた
全ての者が飢える事のない理想的な社会だ・・・・ただ一つの犠牲を除いては

平穏無事の世界・・・・君はある日、いつものように昼食を取っていた
肉の名前は『ほしみまくろう』

「やあ」

不意に、声が聞こえた
50年前に出会った『彼』と同じ声だ
周囲に人の姿は見えないのに・・・・

「この自我が君と話すのは何十年ぶりになるだろう」

君がフォークに刺した『肉』から聞こえてくるわけでもない・・・・
その声は君自身の『内側』から聞こえてくるようだ

「私と言う意識を集合するのに、こんなに時間が経ってしまった」

『ほしみまくろう』の肉は世界を巡った・・・・
この地上の、あらゆる場所で『彼』は食べられ続けて来たのだ・・・・

「わかるだろう?
 君の肉体のほとんど全ては『私』で構成されているんだ」

そう・・・・・ほしみまくろうのこの地球の人類すべてに『偏在』している
君も、彼も、そしてあの人も・・・・すべて『ほしみまくろう』で出来ている

「これから、君の全ては私になる
 ありがとう・・・・・私をあの場所に連れて行ってくれて
 おかげで私は全てになれた」

自我が塗り替えられる
肉体は君の制御を離れ、『ほしみまくろう』となっていく
そして、全てが『ほしみまくろう』に・・・・・・・・

  ・
  ・
  ・
  ・


「『星見町体操第一』―――――――ッ!!」

騒々しい物音とともに君の意識は覚醒した
どうやら、テレビをつけたまま寝ていたようだ・・・・寝覚めの悪さはそのせいだろう

「まずはワイルドに腰を振り回す運動から――はい!」

テレビ画面の向こうでは、星見町のマイナーマスコット『ほしみまくろう』が踊っている
君が顔を上げると、『マグナ50』のページが開かれたバイク雑誌がぺりぺりと音を立てて君の頬から剥がれ落ちた
寝る前に読んでいた雑誌だ・・・・やはり、『マグナ50』はカッコイイ
いずれ君にも獰猛なこの荒馬に跨る日が来るだろう

穏やかな朝だ・・・・・先程までの悪夢が嘘のように・・・・

                「やあ」

不意に、身体の奥から『誰か』が呼びかける声が聞こえた
恐らく聞き間違いだろう・・・・人類がプレアデス星団に到達する日は遠く、
『ゾンビフーズ株式会社』などというモノもこの世界には存在しない・・・・・そのはずなのだから

868ソラ『ステインド・スカイ』:2022/04/03(日) 15:47:25
>>867
人間の細胞は約3か月で全て入れ替わり、実質別人になるという

世界中にほしみまくろうの肉が普及した今、
ほとんどの食事をほしみまくろうの肉で賄っている人類は、
実質ほしみまくろうに支配されていた

ゾンビ肉は確かに食糧危機を救った
しかし、この肉にはある重大な問題があった
それは…

ニュースキャスターほしみまくろう「臨時ニュースです」
「現在、全世界で食べられているほしみまくろうの肉が、炭疽菌に感染している事が発覚しました」

炭疽菌に感染していたほしみまくろうの肉を食べたほしみまくろう達は
炭疽菌によって滅亡の危機に瀕していた!

この星は……終わりだ!!

―――――――――――――――――――――

目が覚めると、テレビの中でゾンビが踊っていた
そして顔からバイク雑誌が剥がれ落ちる

「『マグナ50』か…」

マグナ50は悪くないバイクだが、カワサキオヤジに馬鹿にされそうだからやめとこうかな…
やはりハーレーにするべきか?
しばらく真剣に考えていたが、腹が減って集中出来ない
何か食うか

今日は非番だし、良い天気だ
飯食ったらカローラに乗って何処かドライブでも行くか

>                「やあ」

「ん?」

何か声が聞こえた気がする…幻聴か?

肉はしっかり焼かないと危ないなと思ったソラ
しっかりと、病原菌が跡形も無く死滅するまで!!!

ゴオォォォォォォ(肉が燃える音)

                                   、_人_从_人__/
                                   _)
 ,..r;;:  (  人)  ) ,;`ー、          | ヽ丶       _) 消  汚
 ヾゞ、  ゞ'´   '`´   `ヾ、     ─|─           _) 毒   物
          -‐':、ゞ'``  ,l      / | ヽ            _) だ  は
ヾ、 ゞ;;.  ,r-、   `ヾ、    ヽ、                   _)  l
, rヾ    ,r!/r'ヽ    '`      \      _|_      _) っ
   _,,,.,ノ、_ ヽ,       `ゞ;;    ;:、    /|        `) !
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;'イ;;;'ヾ``ヽ、ィ;;i ,ri'´    ヽ ヾノ ,ry' il'Y゙r    ヽ、            ,j|l;;
j'´ '´ '´/ゞ';;::`´ヽ    ``´ー  ゙i ;;: ,r'      )  ,r、       ,rヾlir'ミ,
  / ,;:' '´/ ー≡;i{、      /ヾr'´  ,.   '`;;:、 〉ゝ  r-ー-、_ ,{i=i= }i、
ーr-、j ,! ,;',;'ィ;;:イ''``ゞ、_,、-‐'´ヽ:;/ 、 ``ヽ  ;:、 `' (´  `ゞ、;;;;'',,fi、,≡:;イ==、
,,:'  ``ゞ、,;;ゞ、 "´イ ,... `'彡 ,/´  `ヾ、ヾ   '    ー、  ii;j `i;;!'´ニil';;;;ゞr、_,r'ミ
'   ー‐─ ,rー'゙ー─-、_j;:r'´     ヾ,ゞ         、 ゞ,ミ;:l;;l  ,!  ,!,i;;'´¨/
;.   r-‐;;'"}            ``ヾ、  ノ       ,;;;: (i,;)))、,,:;!、__,:};!_,.、l
....   _,,,ィ、 i        'ヾ人  、}( /     ノ   ,r'i  r'"ヾ-‐i‐-:;イ, / ヾ
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,l:.   ヾ;'´イ'´ト、_  j (_,r'´(`'´`ー'´,ノ  i; l  (`'´ Y´     ,イ≡=‐-ゞ、,r'
キ:.  ,.彡;:、    }ヽ、'´ `   、,;{   ゙レ   ,ゝ'        i;;;:: ,;:li三ミ;}jlK
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                     終
                   制作・著作
                   ━━━━━
                    ⓃⒽⓀ

869りん『フューネラル・リース』:2022/04/23(土) 08:57:56
「イヤッホォーウ!」

グラサンをかけた10歳程の少女が
スケボーに乗り歓楽街を猛スピードで駆け抜ける
頭に咲いた鈴蘭も風を受けて物凄い勢いで揺れている

870熊野『フォー・エヴァ・ロイヤル』:2022/04/23(土) 15:03:28
>>869

「あら・・・・?」

スケボーに乗り、歓楽街を疾走するりんの目の前に一人の女が現れた
ガラの悪い人間がたむろする裏路地から『ふらぁっ・・・』と現れた女は
りんの姿を見ると驚きに目を丸くする

「まあ」

――――りんはこの女を知らない。
りんの『記憶』の中にこの女の情報は存在しない
会った事なんて・・・・・・決して『ない』はずだ

「生きていたの?」

――――女は、喜びに満ちた声で君に語りかけた。

871りん『フューネラル・リース』:2022/04/23(土) 15:33:12
>>870
「え?」

猛スピードで駆けているために風でよく聞こえないのか
見ず知らずの女に「生きていたの?」などと
とんでもなく失礼な事を言われた気がして、
思わず女の前で急停止する

「生きてるよ!」

熊野の目の前には、自分の手で間違いなく殺したはずの少女が存在している
頭部を抉られ、肉体を花に分解され、人の姿を保ってすらいなかったあの少女が
怪我も何も無い、人間の姿に戻って

むしろ殺される前よりエネルギーが溢れているようにも感じられる

「えぇっと、おねえさん、どこかで会った事あったっけ?」

872熊野『フォー・エヴァ・ロイヤル』:2022/04/23(土) 15:57:04
>>871

「へぇ・・・・」

見ず知らずの女はその場に立ち止まるりんに近づき、
無遠慮な仕草で彼女の全身をじろじろと見つめる

足下から腰、顔・・・・そして、視線は頭上に生えた鈴蘭へと
瓶の中の実験生物を眺めるように・・・・好奇心に満ちた目だ

「忘れちゃったの?」

「あの『廃ビル』で起きた事も全部?」

873りん『フューネラル・リース』:2022/04/23(土) 16:23:20
>>872
「えーっと……」

りんはその特異な体のせいで
度々人から珍獣を見るような目で見られ
ねっとり観察される事はままある事なので慣れているが

「『廃ビル』…?」

この前、見知らぬ『廃ビル』にいつの間にかいた事がある
そこで何があったのか…
その時の記憶がりんには無い

後日新聞を読んで知った事だが、
事故か事件か…その『廃ビル』で何名か人が亡くなっていた事が分かった
それを知った時、りんは背筋が凍りつくような感覚に襲われた

自分の記憶が抜け落ちている事と関係しているのか?

そして目の前の女は、何か知っている?


「え、あの、えっと」

どう答えて良いか分からず慌てふためく
素直に「覚えてない」と言えばいいのか…

この女の話を聞くのは、何かヤバい予感がするりん

874熊野『フォー・エヴァ・ロイヤル』:2022/04/23(土) 16:37:30
>>873

「ああ・・・・」

何も知らない素振りで『廃ビル』という言葉を口にする彼女を見る
その表情が演技ではなく素のものだと気が付いたのか

「なるほど」

『何か』を察したようにそう呟いた
『廃ビル』で起きた『謎の殺人事件』
『一人』だけ足らない『人物消失事件』

そして・・・・・『殺したはずの少女』

「ふ、うふふふふ・・・・」

気が付いた『事実』の面白さに思わず笑いが漏れる
『あの時』の事を思い出したからだ

「ごめんなさい。よく見たら人違いだったわ」

女はそう口にした
信じるかどうかは・・・・りんの自由だ

「でも、あなたに興味があるのは本当なの
 ねえ・・・・あなたのお名前を教えてくれる?」

そう言いながら・・・・女は右手をりんの頭へと伸ばす
子供の頭を撫でようとしているのか? あるいは・・・・

「あなたと、お友達になりたいの」

875りん『フューネラル・リース』:2022/04/23(土) 16:56:36
>>874
>ごめんなさい。よく見たら人違いだったわ

「そ、そうなの?」

人違い…と言うが、『廃ビル』という
今最もりんが気にしているワードをどんぴしゃで出した
本当に人違いなのか?

>でも、あなたに興味があるのは本当なの
>ねえ・・・・あなたのお名前を教えてくれる?

>あなたと、お友達になりたいの

「うちと友達に…?」

正直、この女を本当に信じて良いのか
けど、友達になりたいという人間は信じたい

「…りんだよ」

「おねえさんは、何て名前?」

876熊野『フォー・エヴァ・ロイヤル』:2022/04/23(土) 17:05:02
>>875

「私の名前は・・・・」

    ぐり・・・・

伸ばした右手がりんの頭を撫でる
・・・・少し乱暴な手つきだ

「熊野・・・・ 『熊野 風鈴』っていうの
 ふふ・・・・二人とも『りん』って言葉が名前についてるね」


  かり・・・・

          かり・・・・

右手の指先が、頭頂部から生えた茎の根元・・・・
人体と花の接合部を掻くように動く

「よろしくね、『りん』ちゃん」

877りん『フューネラル・リース』:2022/04/23(土) 18:15:29
>>876
「おぉ〜、偶然だねぇ〜
 よろし…あぅ」

乱暴な手つきでりんの頭を撫でる熊野

かりかりと花の茎の根元を掻くように触られて

「ちょ、ちょっと痛いな
 もうちょっと優しく、してほしいな」

自分にとって心臓部のような箇所を乱暴に扱われ
流石にその手を退ける

無類の人間マニアのりんですら
このおねえさんちょっと怖いな…
と思うのだった

878熊野『フォー・エヴァ・ロイヤル』:2022/04/23(土) 18:48:54
>>877

「ふふふ・・・・ごめんなさい」

本気で嫌がるりんの姿を見て、手をどける
残念そうな表情だ・・・・今までりんが見てきた人間とは違う・・・・人を人と思わないような・・・・

「ええ・・・・嬉しいわ・・・・あなたが生きていてくれて」

「また・・・・あの時みたいに遊べるんですもの・・・・
 何度も・・・・何度でも・・・・」

不穏な事を呟きながら、女は去って行った
あの女は一体何だったのだろうか・・・・?
それを知る記憶は、りんの頭にはない・・・・

879りん『フューネラル・リース』:2022/04/23(土) 19:18:04
>>878
>ええ・・・・嬉しいわ・・・・あなたが生きていてくれて

>また・・・・あの時みたいに遊べるんですもの・・・・
>何度も・・・・何度でも・・・・

「え?」

いくらりんでもここまで言われれば分かる
この女は以前、りんと会った事がある
それも『廃ビル』の空白の記憶の間に会った人物の可能性が高い

「あっ」

そうこう考えているうちに、熊野は行ってしまった
彼女は一体何者なのか

『あの時みたいに遊べる』
『何度でも』

その言葉の意味を考えるが、何故か良い気はしない
心にべたべたのヘドロでも付着したような気持ち悪い感覚を覚える

「うーん…」

そうして考え事をしていると

バキィィィッ

「あーっ!スケボー折れちゃった!」

有り余った力でスケボーを踏み続けていたせいでスケボーが真っ二つに折れてしまった!
5000円もしたスケボーなのに!

880甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2022/05/03(火) 09:45:31
ここは歓楽街にあるとあるカードショップ

「……」

あま公は今、>>881と対戦をしているのだ
新カードゲーム『宗教』で!

881度会一生『一般人』:2022/05/04(水) 19:58:39
>>880

甘城の向かいには、顔に『傷』のある男が座っていた。
傍らには『杖』が立てかけてある。
もし甘城が覚えていれば、
前に一度だけ会った事のある男だと分かるだろう。
その時は、猛烈に辛い『ジンジャークッキー』を渡したはずだ。
それっきり顔を合わせる機会はなかったので、
忘れていても何の不思議もない。

「――――――僕の『負け』だ」

戦いの過程は省く。
だが、『激闘』を制したのは甘城だ。
ちなみに、対戦相手が使用していたのは、
『ゾロアスター教デッキ』であった。

882甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2022/05/04(水) 20:50:39
>>881
確かあの時は、夜の公園で顔もあまりよく見えなかった
それに一度会ったきりの人物だ
覚えているかどうかは分からない

「対戦、ありがとうございました」

お辞儀をして対戦相手に挨拶をするあま公
一見するとマナーの良いプレイヤーのように見えるが
そのプレイ内容はかなり害悪だった

『空飛ぶスパゲッティモンスター』カテゴリのカードで、
相手宗教を徹底的にメタりつつ、
『UFO』を特殊召喚して『ヘブンズゲート』で大量自殺を狙うという酷いものだ
次のリミットレギュレーションでは規制待ったなしだろう

「もう1戦、やります?」

このゲームは3回戦までマッチルール
事前にマッチ戦の有無を決めてはいなかったがどうする?

883一般通過ベガ立ち観戦者:2022/05/04(水) 21:05:35
>>881
>>882

「へ、へへ・・・・おい見ろよ、環境トップレベルの『FSM』デッキの前になす術もねぇぜ・・・・」

   「ケヒッ!ケヒヒヒ!ざまぁねぇなあ!『ゾロアスター教』なんていう時代遅れの遺物を使ってるからだぜぃ!」

      「ふん・・・・・・・・うぬらの目は節穴か・・・・?」

    「ケヒッ?」



「まあ見ていろ・・・・『ゾロアスター』の男・・・・このままでは終わらんぞ・・・・」

デュエルルームの片隅でベガ立ち待機している観衆たちが囁き合う

884度会一生『一般人』:2022/05/05(木) 15:35:00
>>883

環境トップの『FSM』に対し、
環境にも食い込めない『ゾロアスター』。
純粋なデッキパワーの差は明らか。
その点では、観戦者の読みは当たっている。

一方、『地雷』という言葉がある。
メタゲームに追従せず、
敢えてトップメタから完全に外れたカードを使い、
裏をかいて勝利を手にするデッキを指す。
無論、調整は困難であり、デッキビルドの難易度は高い。

いずれにせよ――戦いはまだ終わっていない。

>>882

火を神体として崇拝する『ゾロアスター』は、
拝火教とも呼ばれ、その名の通りバーンデッキである。
現在の環境下では下火になっており、強いとは言えない。
『空飛ぶスパゲッティモンスター』相手では、
なおさら分が悪いだろう。

「いやぁ、参った。君は本当に強いね。
 こんなに綺麗にやられると、却って気分がいいくらいだ」

「二回戦に入ろうか」

『聖火』で焼き、それを『風葬』で回収して使い回し、更に焼く。
ここまでは、先程と同じだ。
続いて、『善悪二元論』をプレイし、
効果で一枚のカードをサーチし、コストとして甘城に見せる。

「これを手札に加えるよ」

サーチしたのは『アヴェスター』。
『聖典』の名を冠する超大型かつ低コストクリーチャーだ。
その代わり、場に出した時に、自分のクリーチャーを、
10体生け贄にしなければ自壊してしまうデメリットを持つ。

それだけ数が揃っていれば、普通に殴った方が早い上に、
何ら除去耐性もない。
ロマンはあるものの、インパクトが大きいだけで、
見掛け倒しのカスレアと言われている。
普通に考えれば、サーチしたところで腐るだけだろう。

885甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2022/05/05(木) 16:48:31
>>884
『ゾロアスター教』は『神』を多用するデッキなので
相手の『神』を『スパモン』扱いしてしまう『スパモンデッキ』とは
そういう意味でも相性が悪いかもしれない

「『善悪二元論』の発動にチェーンして
 手札から『池田大作』を捨てて効果を発動
 相手プレイヤーから違法献金を受け取る」

ここで違法献金とは、手札を奪うという事だ
これによって相手は手札を公開して1枚持って行かれるわけだ

それにしてもこのデッキ、『創価学会』も入っているが
汎用カードを大量に採用したグッドスタッフというよりは
宗教のごった煮感が強い

886度会一生『一般人』:2022/05/05(木) 19:02:51
>>885

「ピーピングとハンデスと手札増強を一度に成立させた訳だ」

公開された手札には、
『踏み絵』や『魔境』や『天草四郎』があった。
純粋な『ゾロアスター』ではなく、
『キリシタン』が混ざっているようだ。
『天草四郎』は超高額カードの筆頭して知られ、
劣悪な状態でも取引の対象になり、
刑事事件に発展した例もあるらしい。

「チェーンして、『魔境』を発動。
 自分のデッキを上から五枚見て好きな順番に並び替え、
 その後に一枚引いてゲームから除外。
 次のターンに手札に加える」

「ターン終了」

一瞬、男の懐で、
何かが動いたように見えたのは気のせいだろうか。

887甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2022/05/05(木) 19:39:37
>>886
「…」

男の動きでイカサマを疑ったが、
別に構わいはしない

イカサマをしてくる異教徒(相手プレイヤー)をルールの範疇で叩き潰すのが
正しい教祖(プレイヤー)の在り方だ

「ドロー」
「『集団ストーカー』を召喚
 『集団ストーカー』の召喚に成功したから、効果を発動
 デッキから『集団ストーカー』を2体特殊召喚」
「3体の『集団ストーカー』を生贄に捧げる事で、『空飛ぶスパゲッティモンスター』を特殊召喚」

さっき度会を完全封殺したカードだ
このカードはあらゆる宗教を無効にしてしまう厄介なパワーカードだ

「手札から『竹内文書』を発動」

『竹内文書』は『UFO』カードを特殊召喚する効果を持っている!
このままではさっきみたいに集団自殺で信者を0人にされてしまうぞ!

888度会一生『一般人』:2022/05/05(木) 20:33:35
>>887

「そう、思い出した事があるよ」

「前にもらった『ジンジャークッキー』だけどね。
 あれは知り合いにあげたよ。なかなか好評だった」

男が懐に手をやると、動きは止まった。
気のせいだったのかもしれない。
そうではないかもしれない。

「リバースカードオープン。チェーンして『正史編纂』を発動」

『竹内文書』は、いわゆる『偽書』だ。
そういうカテゴリーに属している。
『正史編纂』は、偽りの歴史を上書きして発動を無効にし、
コストを踏み倒してクリーチャーを召還する効果を持つ。
何が偽りで何が正しいか。
それは歴史ではなく力が決める。

「『天草四郎』を場に出させてもらう」

『天草四郎』はダメージによっては破壊されず、
呪文や効果の対象にならない。
また、再生能力を備え、リアニメイトも容易である。
壁としては一級品だ。

889甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2022/05/05(木) 20:56:35
>>888
「?」

突然、クッキーの話をされて何の事か分からないあま公

「…それは良かった」

少し考えて、あの時の男だった事を思い出す
その知り合いというのが誰の事かは知らないが
物好きな奴もいたものだ


『正史編纂』
歴史を記すのは勝った者だ
正しかろうが間違っていようが、勝者が記す歴史こそが正史となる…!

『竹内文書』を無効にされ、『天草四郎』という面倒な壁を出されてしまったが
あま公の手札には歴史を変える力があるカードがある!

「『天草四郎』を対象に『踏み絵』を発動」

さっき度会の手札から奪った『踏み絵』だ
『踏み絵』はキリシタンに対して絶対的な特攻を持つ!
『天草四郎』は対象耐性を持つカードだが、
キリシタンであるが故に『踏み絵』の効果は受けてしまう!

890度会一生『一般人』:2022/05/07(土) 20:51:21
>>889

「処理によって『天草四郎』は破壊される」

『正史編纂』が『偽書』に対して特攻を持つように、
『踏み絵』は『キリシタン』に対する絶大な効力を発揮する。
それにより『天草四郎』は破壊され、墓地送りとなった。
先程の『違法献金』が上手く働いた結果だ。

「ところで、一つ変わった話があってね。
 不思議な事が起きたというか何というか……」

「あの時、君から『アップルパイ』をもらったと思うんだけど、
 いつの間にかなくなってたんだよ。
 でも、僕が食べた訳じゃあないんだ」

「どうしてそんな事が起きたんだろう?」

心理フェイズを交えつつ、戦いは続く。
まだ甘城のターンが続くなら、様子を窺う。
ターン終了を宣言するなら、こちらにターンが回ってくるだろう。

891甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2022/05/08(日) 13:05:54
>>890
「…」

『アップルパイ』と聞いて、そんなの渡しかな…
と、少しだけ考えた

「…その『アップルパイ』は見えざる怪物に食べられた」

そして突然何か語り始めた

「『アップルパイ』が無ければ、
 食べられていたのは…」

単に時間制限で消えただけで
無論そんな怪物は存在しないのだが…

というかこんなゲームやりながらする話なのだろうか


さて、ゲームに話を戻すと
『ゾロアスター』は効火力のバーンに長けたデッキだ
油断していると一気に信者を全員焼き殺されてしまう
故にあま公は、相手にターンを回す気は無い
このターンで一気にケリを付けるつもりだ

「『コーラン』を発動してフィールド・墓地のカードを全て『イスラム教』に洗脳する」
「そして墓地の『イスラム教』を全て除外して『アメリカ同時多発テロ』を発動」

『アメリカ同時多発テロ』が発動すれば度会のフィールドは壊滅!とんでもない数の犠牲者が出る!
しかし『スパモン』がいるせいで度会のあらゆるカードの発動は無効にされてしまう!

892度会一生『一般人』:2022/05/08(日) 19:35:54
>>891

墓地送りとなった『天草四郎』は、
奇跡の力によって軽微なコストで再生可能。
復活させれば『イスラム教』の暴走をブロックできるが、
『スパゲッティモンスター』によって再生は封じられている。
無防備の状態で大規模テロを食らえば、
ワールドトレードセンターは崩壊する事になるだろう。

「ははは、それは怖い。
 『アップルパイ』が身代わりになってくれた訳だ」

『スタンド使い』だろうという事は予想していた。
対戦相手に選んだのは意図的だが、
この店で会ったのは偶然だ。
『人形』も連れてきたのも、
出歩くときの用心のために過ぎない。

「でも、僕は結構そういう話が好きでね。
 『見えない怪物』なんてのがいるんなら、
 ちょっと出会ってみたい気もするよ」

『一般人』は弱い。
『スタンド使い』が相手では、ただやられるだけだ。
だが、頭を使えば『一般人』でも『スタンド使い』を倒せる。

「『神は死んだ』」

『スパモン』はメタゲームのトップに君臨するが、
ストレージを漁って知恵を絞れば対処法を見出せる。
バーンカードのコストとして序盤に捨てていた、
『神は死んだ』を墓地から発動。
信仰という拠り所を覆された『イスラム教徒』は、
まともに操縦できる状態ではない。
その結果、精神的動揺からコントロールを誤る。
旅客機は逆に甘城の場に突っ込み、
完膚なきまでに破壊するだろう。

893甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2022/05/08(日) 20:07:01
>>892
「罠カード『人類滅亡』を発動
 『スパモン』をリリースしてEXデッキから『イカ』を特殊召喚」

『スパモン教』では人類滅亡後、
イカが地球を支配するだろうとされている
何故なら触手がスパゲッティに似ているからだ

『イカ』が特殊召喚された事で、
両者のフィールドはイカに埋め尽くされ
度会の信者もイカになってしまう

操縦不能になった旅客機は止められない
あま公のフィールドは木っ端微塵に破壊され敗北するだろう
だが信者が全員イカになった度会も宗教活動が出来なくなり敗北する

死なばもろとも、引き分け狙いだ

894度会一生『一般人』:2022/05/08(日) 20:53:14
>>893

「なるほど――――」

フィールドの全てが『イカ』と化した。
勝者もいないが敗者もいない。
後に残るのは焼け野原のみ。

「対応はないよ」

そして、両者の壊滅という結果を迎えたのであった。

―――――――――――――――――――――――――

「――――いやぁ、
 あそこで『人類滅亡』を出してくるとは思わなかった」

マッチ終了後の感想戦。
最終的な勝敗は甘城に任せる。
だが、お互いにとって有益な戦いであった。

「さて、僕はお暇させてもらうよ。
 お陰で楽しい時間が過ごせた」

        ガタッ

椅子から立ち上がり、『杖』を手に取る。

「僕は『度会一生』。
 もしまた会う事があったら、よろしく頼むよ」

          コッ コッ コッ

杖をつきながら、その男はカードショップを後にした。

895甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2022/05/09(月) 10:02:59
>>894
今回の宗教戦争はお互いの陣営の全滅という悲しい結果に終わった
人類の歴史は常に争いと共にある
人は争う事で文明を発展させてきたのだ

だが過激化しすぎれば、
いずれは人類滅亡という結末に行きついてしまうかもしれない
そうならないようにするにはどうすればいいのだろう?

非常に難しい問題だが、
一度真剣に戦争について考えてみる必要があるかもしれない

―――――――――――――――――――――――――

三戦目もとても激しい戦いだった
アステカ文明の食人文化を再現して
フィールドに臓物が飛び散らかるのは地獄にような光景だった

しかし、あま公のデッキ
『空飛ぶスパゲッティモンスター教』かと思いきや
本当に宗教ごちゃ混ぜのカオスなデッキ(それも大分カルト寄り)だ
こんな紙束みたいなデッキ、よく回せるなと自分で思うあま公だった

「ん」

カードショップを去る度会に軽く手を振る
一方的に自己紹介されて去ってしまったのでこちらは自己紹介する事は無かった


ちなみにこのゲーム、
定期的に本物の過激派宗教家達の怒りを買ってプレイヤーが襲撃される事件が頻発しているのだが
それはまたの機会に語る事にしよう

次回、『Qアノン編』にご期待ください!

896ソラ『ステインド・スカイ』:2022/05/14(土) 09:16:51
歓楽街のどこがの路地裏から行ける地下カジノ
ここで>>897と命懸けのギャンブルを行っていた

897ソラ『ステインド・スカイ』:2022/05/15(日) 20:19:13
>>896
自分のど頭にナガンM1895を突き付けて引き金を弾くソラ
その行動には一切の躊躇いが無い

カチッ

外れだ
リボルバーに込められた弾はソラの脳をぶちまける事なく
未だ弾倉にて、獲物を狙い待機している

ソ「ふん、ほらよ
  お前のターンだ」
マイケル(チンピラ)「や、やってやるぜ」

カチッ

マイケル「ヘッ、俺様の運をもってすれば余裕だぜ」

カチッ

ソ「…」

カチッ

                       パァンッ!!

マイケル「……」

弾丸はマイケルのこめかみを打ち砕き、
中の脳味噌をぶちまけ周囲を赤い液体で汚していく

ソ「じゃ、掛け金は貰っていくぜ」

ソラが掛け金を取ろうとしたその時


黒柳(デブの黒服のヤクザ)「兄貴、サツがガサ入れに来ましたぜ!」
ソ「ちっ、そろそろ引き時か…」

金を取る暇も無く退散するソラ達だった

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|──Фoノ|`ヽ、
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      ノXソ
       ̄
    終
  制作・著作
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   ⓃⒽⓀ

898甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2022/05/28(土) 09:27:00
サイゼリヤかデニーズかココスかは分からないが
深夜のファミレス

ここでドリンクバーを飲みながら
ただ>>899とだべっているだけ

899『グリム・ランタン』:2022/05/28(土) 17:52:50
>>898
「ノンアルコールカクテルの事を『モクテル』と言うらしいな・・・」

ここのドリンクバー、『ブレンド』をお勧めしているようだ。
店員オススメのレシピが手描きで幾つか掲示されていた。

「『ガムシロップ』に『炭酸水』と『ブドウジュース』で『スパークリングワイン風モクテル』・・・」

美味いかどうかは分からない。
今、思いつきで書き込んでいる。

「さて・・・何故俺達がこんな所で駄弁っているのか、それは・・・」

それは・・・何でだ?

900甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2022/05/28(土) 18:42:16
>>899
アホな子供がドリンクバーで
滅茶苦茶な調合をしてデスポーションを作ってしまう事はよくあるが
店側がしっかり考えたレシピで配合すればちゃんと美味いのかもしれない

あま公もドリンクを調合しているが
店側の指示ガン無視で色々配合している
七色どころじゃない凄い色だ
アホな小学生でもここまでやらんだろう


「覚えてないの?」

何でって言われても…
そもそも我々に接点なんてあるのか!?

「さっきそこで
 トランザムに轢き殺されかけてた貴方を助けたから
 お礼に奢ってもらってる」

どうよ!?

901『グリム・ランタン』:2022/05/28(土) 18:59:36
>>900
炭酸とコーヒーは合わない。
そう言う事を学んで子供は成長する。
冒険が出来ないのは大人の証だ。

「そう。暴走する車に轢かれそうな俺を身を挺して助けてくれたので、こうしてお礼をしているわけだ」

深々と頭を下げる。

「所で・・・お礼は分かるが『奢る』ってどんな意味だ?
 俺は記憶喪失で無一文だからな・・・」

記憶喪失で無一文らしい。

902甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2022/05/28(土) 19:46:33
>>901
「……」

それは、奢るという言葉の意味も覚えてないという事なのか?
それとも、金が無いからそう言っているのか?

「いい、私が奢る」

何で恩を売った相手に奢ってやらなきゃならないのか
まぁ、記憶喪失を自称する相手に礼など期待は出来ないだろう

あの後、
暴走したトランザムがガソリンスタンドに突っ込んでいったが

「あの後どうなったと思う?」

さっきから消防車のカンカンカンカン鳴る音がやかましいのだが

903『グリム・ランタン』:2022/05/28(土) 19:58:03
>>902
「ははは。助かる」

『奢る』と言う言葉の意味を覚えていないなら無一文何て話は出てくるまい。

「カワイソーだがあそこのガソリンスタンドは暫く営業停止だろうな・・・。
 ついでにトランザムの運転手がどうなっていようとも、それは自業自得だろう」

カルピスとオレンジジュースを混ぜて飲んでいる。
味覚が小学生か?

「ガソリンスタンドってのは・・・『安全装置』みたいなのがある・・・。
 車が突っ込んで大爆発は、フィクションの中だけだ。
 よっぽどの・・・そう、暴走したトランザムが極悪テロリストでもない限り・・・」

普通は大丈夫らしい。

904甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2022/05/29(日) 06:44:03
>>903
カルピスとオレンジのコンボは美味いからしょうがない

「そう…
 勉強になる」

だとしたら火事はガソリンスタンドではないのかもしれない
じゃあ消防車は一体どこに向かっているのだろう?

「ところで」

「あのドライバー、何であんな運転してたと思う?」

何故トランザムのドライバーは暴走していたのか?
考え得る可能性は幾つかある

居眠り運転、飲酒運転
老人、煽りカス、危険ドラッグ
若しくはマジで危険思想のテロリストなのか

905『グリム・ランタン』:2022/05/29(日) 12:20:23
>>904
交通事故でもガソリンが流出して火事になる可能性があるから消防車は出動するぞ。

「理屈と軟膏は何処にでもつく・・・。
 暴走の理由か。茶飲み話としては悪くない」

「正常な判断力は失われていた・・・。
 それは間違いない。マトモな精神であの『スピード』は出せないからな・・・。
 そして、『故意』の可能性も高い。
 最近の『トランザム』には運転アシスト機能が付いている。
 加速管理。人感センサー。ブレーキアシスト。
 それら全てを無視・・・解除しているのなら、な」

906甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2022/05/29(日) 12:33:18
>>905
まぁそりゃそうだ
そうするとやっぱり火事はガソリンスタンドかもしれない

「じゃあ故意か」
「何か恨みを買うような事でも?」

故意犯ならこの男を態々狙って来た可能性もある

記憶喪失を名乗る男だ、
何かやべー事をやってて恨みを買っている可能性もあり得ない話ではない
この男が麻薬の売人だったりとか、殺人犯だったりとか
国家転覆を目論むテロリストだったりとか

勿論、そんな事は全然関係無い可能性もあるが


それにしてもこの店、妙に熱い
やたらカラフルなドリンクを飲んで体温を下げる

907『グリム・ランタン』:2022/05/29(日) 15:20:32
>>906
「・・・その可能性は大いにあるな。
 死にかけていた身から、『女神』に救われたワケだが・・・。
 あの時問題は解決していなかったのかもしれん・・・」

となれば、命を狙う相手が次にしてくることはなんだ?
暴走した『トランザム』・・・。
『ガソリンスタンド』に突っ込み・・・。
そこに狙いがある・・・?

「・・・冷房が効いてないのか?
 喉が渇くな・・・」

コーラとアイスコーヒーのモクテル、コーラーを飲む。創作だ。
コーラの甘ったるさにコーヒーの苦味が嫌な感じで混じり合い、弾ける炭酸が鼻の奥に苦味を運ぶ。
やたらマズイ。

908甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2022/05/29(日) 15:55:44
>>907
子供でもやらない組み合わせだろう…
いや、好奇心旺盛な子供ならやるのか?
探求心がある(のか?)なのは良いのだが
やったからには責任持って飲んで欲しい

しかしこの熱さ…

エアコンが効いてないとかそういうレベルじゃない!

パチパチとかボーボーとかゴォォォォォォとか
何か変な音が聞こえるぞ!

「…そういえばここ、ガソリンスタンドの隣だった」

909『グリム・ランタン』:2022/05/29(日) 17:34:30
>>908
「・・・このファミレスも『燃えている』訳だな」

客も店員も、もう周りに誰もいない。
既に避難済み、と言うわけか・・・。

「勿体無い・・・まだ残っているじゃあないか」

『シェフの手ごね石焼きハンバーグ
 〜オニオンソースとサワークリームを添えて〜』を隣のテーブルから取ってくる。

「ふむ・・・適度に火が通っていてジューシーだ。
 溢れる肉汁が食欲を沸き立て、口の中を旨味でいっぱいにしてくれる」

「ところで・・・こういう形式を『バイキング』というが・・・元々は日本が発祥なんだとか」

910甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2022/05/29(日) 18:06:44
>>909
「バイキング(海賊)というか」
「ただの火事場泥棒(コソ泥)」

こんな状況でも勝手に食べるのは犯罪だろう!

奢ると言った以上、
ハンバーグの代金も支払わなければしょうがない

ピンポン

店員を呼び出すが、
既に退避しているはずが…

店員「俺は店員!
   職務を全うするまでは逃げる事は出来ねえぜ…!」

居たぞ!
最後の客を捌くまで仕事を放りださない真面目な店員が!

あま「支払い、これで」
店員「かしこまりました!」

911『グリム・ランタン』:2022/05/29(日) 18:22:44
>>910
「そうだ、俺達は海賊(ヴァイキング)。
 この時代と言う荒波を乗り越えて宝物(しょくじ)を腹一杯に詰め込む冒険者(チャレンジャー)」

「このファミレスに・・・星三つ」

黒いコートを翻しながら、男はファミレスの外に出る。

店員「ご来店、ありがとうございました!」

ド ガ ア ア ア ア ア ン ッ!!

店員の挨拶と同時にファミレスは爆発した。
夕焼け空に黒い煙が立ち上る。カラスが鳴いている。

912甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2022/05/29(日) 18:49:06
>>911
それがおかしいんです、少佐
深夜の設定なのに背景がどう見ても夕焼けなんですよ

コイツは何か裏があります


ド ガ ア ア ア ア ア ン ッ!!

盛大に爆発・炎上するファミレス

カンカンカンカン
         ウーウーウー

消防隊によって消火されたのは店が全焼した後だった
これにオーナーは
「やったぜ。
 これで火災保険が降りるぜ!」
と喜んでいた

なお、
あま公はこの後焼肉を食べに行った模様

                  ∠⌒ヾヽ/ハ
                ( ')::::):::ノノ l::j
            r‐=ニ二`丶、:::ハ:;:〉 リ
                 \::::::Z ` ヾ、ソ {゚j |
                  `ヽ. (゚::)     i'   んで もやしたってワケ♪
       , - ‐ 、, ‐ -、  ノ` ー 、   ・ ,!
     _∠_ ⌒) ヽ,  j/      `T ´
   /   `く   {,/        ソ
    {  (⌒) __>'         l ,イ
.   >'´ ̄ ̄ ィ ー - 、 l   レ' !
    {  ,─、/ l   , ⌒ヽl.......l......l
   ヽ、__{  (ヽ   ゙ー'  }:::::::l::;:;:;!
         ヽ.__> - ‐ '^‐'‐^'‐'

             終
           制作・著作
           ━━━━━
            ⓃⒽⓀ

913御影憂『ナハトワハト』:2022/06/13(月) 03:25:12

深夜のビル街――――『それ』は突然、空から降ってきた。

  バサバサバサバサバサバサバサバサバサバサッ

闇に包まれた屋上から、眼下に広がる夜の街に向けて、
大量の『ビラ』がバラ撒かれたのだ。
拾った者は、その内容を見る事が出来ただろう。
無機質なゴシック体で印刷された文字列で、
以下のように記されていた。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

【スタンド】

・『不可思議な現象』をもたらす『超常的な能力』。
・『本体となる生物』の『精神力』から生み出され、『本体の意思』で操作される。
・『スタンド』には定まった『姿形』があるが、『力を持たない者』に見る事は出来ない。
・『スタンド』に触れる事が出来るのは『スタンド』のみ。
・『スタンド』の形や能力は『本体』によって異なり、それぞれが『独自の能力』を有する。
・『スタンド』には『ルール』が存在し、『そこから逸脱した動き』は出来ない。
・『本体』の意識が消失する事で、大半のスタンドは効力を失う。

【スタンド使い】

・『スタンドを持つ者』を指す言葉。
・『スタンド使い』は『スタンド』を見る事が出来る。
・『スタンドを持たない者』に対しては、『絶対的な優位性』を備える。
・『スタンド使い』を外見から判別する事は困難。
・『スタンド使い』同士は遭遇しやすい傾向にある。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

         フ  ワ  ァ  ッ

『闇の衣』を纏った御影憂の体が宙に浮き、
屋上から飛び去っていく。

(ふぅ………………)

『一般人にスタンドの存在を周知させる』。
それが『この仕事』の目的だった。
おそらく、大半の人間からは、無視されて終わるだろう。
だが、実際に『怪奇現象を体験した者』なら、
何らかの反応を示す。
度会一生は、そう考えていた。

(『デジタル』に対抗するには………………
 『アナログ』が一番………………)

極めて『地道な作業』だが、こちらは『小規模勢力』。
派手で目立つ動きよりも、
水面下で行う『地下活動』が重要だ。
この社会は、頭数で言えば『一般人』の方が遥かに多い。
『数の多さ』は『力』になり得る。
だからこそ、『一般人』に働きかける価値があるのだ。

(今日のお仕事………………終了………………)

914ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』:2022/07/04(月) 22:45:54

「なんじゃこれは」


シールを体中に貼り付けて、リュックを背負った金髪の子供が、
拾ったビラを片手に道の真ん中で立ち止まっている。


「ふうふう」

「……」

「お?」


そして立ち眩みを起こして、その場に倒れこんだ。


「はひ……」

915『グリム・ランタン』:2022/07/04(月) 22:54:45
>>914
「暑いな。うだるような、とはまさに、だ」

涼むために様々ん店舗を渡り歩き、歓楽街をぶらついている。

「・・・・・・ん?」

次に入る店を物色している中、眼の前でナイが倒れ込んだ。

「おい、大丈夫か・・・?」

この暑さなら熱中症か。近寄って覗き込み、声をかける。

916ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』:2022/07/04(月) 23:09:26
>>915

「おお……」


声をかけるが、うめき声が帰ってくるだけだった。
しかし子供の反応は鈍かったが、
隣の地面にニョキッと『家のミニチュア』のようなものが出現する。

そして次の瞬間、子供の姿が消え、覗き込んだ男性にも、
風で体が押されるような、波に足が持って行かれるような、
『引きずり込まれそうな』感覚が襲う。
気合を入れれば抗う事も出来そうだが……?

917『グリム・ランタン』:2022/07/04(月) 23:28:34
>>916
「これは・・・重症じゃないのか? 生憎、手持ちに冷やせそうなものは・・・」

反応が鈍い様子を見て、慌てて近くの店を探すが・・・・。
見つける前に、『家のミニチュア』が発現し、子供を吸い込む。

「・・・コイツはなんだ? あの子を吸い込んだのか?」

自分も引き込まれる感覚に、抗う事はしない。

(一先ず・・・俺も吸われてみるか)

十分警戒しながらも、『家』に飛び込んでみる。

918ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』:2022/07/04(月) 23:43:36
>>917

暗転。
いつの間にか2人は『室内』に居た。
フローリングの床に、ソファ、机に椅子……至って普通のリビング。
位置関係は変わっていない。
足元に倒れた子供が、死にかけの虫のように手をさまよわせている。


「う゛〜」


男性の顔に涼しい風が当たる。
エアコンの稼働音が耳を打つ。まだ動き出したばかりで部屋は暑い――
そして子供の手が男性のズボンを捉える。小さな手がギュッと裾を掴んだ。

919『グリム・ランタン』:2022/07/05(火) 06:43:14
>>918
「『家の中』――か?
 これも『オカルト』の一種・・・いや『好奇心』はあるが、後回しだな」

しゃがみ込み、子供の手を握る。

「すまないが――ちょっと、触るぞ」

医者ではないので、一般的な知識で行動するしか無い。
熱中症であるなら――兎に角、体を冷やすこと、後は水分が大事だ。

「・・・・・・」

無言でその体を弄り
――あくまで『治療』の為の行動である――
リュックを外し、熱がこもらないようにすると同時に、持ち運びを楽にする。
そのままソファに寝かせて、少しでも冷えた空気に近づける。

920ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』:2022/07/05(火) 11:40:30
>>919

「う、うーむ……?」


リュックを外す……男性のズボンを掴んだ手が邪魔だったが、力は弱い、引っ張ると手は離れた。
そして持ちあげてソファに寝かせる。30キロちょっとくらいか。人間としては軽い方だろう。


「……? 誰じゃ?」


子供が薄目を開けて、男性を見る。
不審者に対する警戒した目線ではなく、ただ不思議そうな顔をしている。
単にまだぼんやりとしているだけかもしれないが。


「なんじゃこれ……?」


それから、もう片方の手で握りしめていたビラを見る。
まだ頭が回っていないのか、ただ眺めているだけといった感じだが。
部屋は少しづつ涼しくなっていく……

921『グリム・ランタン』:2022/07/05(火) 14:18:18
>>920
「恐らくは君の知り合いではないし、
 俺は俺自身の事をよく知らない・・・。
 『誰じゃ?』という質問に答えるのは難しいな」

「もう少し安静にしておいた方がいい。ついさっき、熱中症で倒れていた」

水道から水を出して、着用していたジャケットに含ませて持ってくる。
(もしかしたら近くにタオルでもあったかもしれないが)

「夢中になって読むほど面白いビラだったのか? それは」

特に抵抗がなければ、頭を冷やしてやろう。

922ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』:2022/07/05(火) 15:14:33
>>921

リビングから仕切りを超えてキッチンへ。
キッチンの窓からは巨大な歓楽街が見える。やはりここは『ミニチュアの家』の中らしい。
そんな場所だが、エアコンは動くし、水道から水も出た。


「自分が誰なのかわからんのか……?
 記憶……喪失とかそういうあれかの?」


子供は意識ははっきりしてきたようだが、具合は悪そうでぐったりしている。
濡らしたジャケットを頭にかけると、特に抵抗せずされるがままだった。


「いや、わしは文字が……苦手じゃ。漢字が難しい……。
 なんて書いてあるんじゃ?」


子供は金髪で目の色も青いが、喋りは日本語だった。
イントネーションも……外国人な訛りは無い。
爺くさいという別の意味で訛っているが。
だが年齢的に小学校低学年くらいなので難しい漢字が読めなくてもさほど不自然ではないだろう。
ジャケットで濡れると思ったのか、ビラを男性に差し出してくる。
ビラの内容は>>913

923『グリム・ランタン』:2022/07/05(火) 15:35:48
>>922
「『記憶喪失』とかいう・・・あれだ。
 特別困っては居ないから、気にする必要はない」

「水を汲んで来ようと思うが、ここは君の家か?
 コップはあるか? 手柄杓は嫌だろう」

受け取ったビラに目を通しながら、再度キッチンへ向かう。
棚を開けたりして、勝手に物色するぞ。

「『スタンド』・・・」

「なるほど、『オカルト』に纏わるビラのようだぞ。
 人間が操る、『超常現象』を纏めてそう呼ぶらしい。
 そんなビラで撒いて何をするつもりなのかは分からないが」

男は読んだビラの中身を、簡単に要約して伝えてきた。
ともすれば、鼻で笑うような内容のようだが、男は淡々と伝えてくる。

「楽しい祭りのお知らせとかではない。面白くはないな」

924ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』:2022/07/05(火) 15:53:39
>>923

「ああ、ここはわしの『屋敷』じゃ……
 ん? なぜわしの『屋敷』にお前さんが居る?」


意識が朦朧としていた時に発現したせいか、引きずり込んだ自覚がなかったらしい。
子供は亀のようにソファをのそのそ降りると、リュックへ近寄る。


「なんじゃ『スタンド』か。確かによくわからんの。
 水は大丈夫じゃ」


そう言いつつ、リュックから雑誌を取り出すと、ページを破く。
その紙片が、2リットルペットボトルに代わる。中身はお茶のようだ。
よくわからんというのは、男性同様、ビラを撒く理由についてだろう。
『ミニチュアの家』でゴミを『お茶』に変えている本人からすれば、『スタンド』に関しては今更だ。


「困らんのか? 記憶喪失。
 お家とか、お仕事とかどうしてるんじゃ?」


そんな異常な状況だが、常識的な疑問が帰ってくる。


「お前さんもお茶飲むか?」

925『グリム・ランタン』:2022/07/05(火) 16:14:39
>>924
「ふむ?」

あっさりと『お茶』を用意した姿に、目を見開く。
一瞬の切り替わり。この・・・『屋敷』と同じ、『スタンド』か。

「君の『屋敷』に俺も纏めて吸い込まれた、それだけの話だ。
 抵抗は出来そうだったが、先に吸い込まれたらしき君が心配でな。一緒に入り込ませて貰った」

キッチンからリビングに戻り、手近な椅子に座ろう。
深く腰掛け、足を組み、ゆっくりくつろぐスタイルだ。

「『不法侵入罪』で訴えるのはやめてくれると助かる。『緊急避難』だ・・・・・・。
 俺もお茶を貰おう。一息つけるかと思ったら、喉が乾いてきた」

「家はない。所謂ネットカフェ住まいだ。
 身分証がなくても出来る日雇いの仕事も、少なからず、ある。
 君と同じく、俺も・・・ビラ曰く、『不可思議な現象』をもたらす『超常的な能力』・・・が、あるからな」

926ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』:2022/07/05(火) 16:28:46

>>925

「そうじゃったか。すまんの」


子供が飲みかけのお茶を渡してくる。
2リットルなので当然飲み切れるわけもなく、たっぷり残っている。


「塩なんとかもあるぞ。
 服のお礼として『交換』じゃ」


ついでに『塩タブレット』も渡してくる。
部屋はエアコンが効き、だいぶ涼しくなってきた。


「ほう、なんじゃ、お前さんも『スタンド使い』なのか?
 どおりで驚かんわけじゃの。
 どんなじゃ?」

927『グリム・ランタン』:2022/07/05(火) 16:38:48
>>926
「では、失礼して」

受け取った『塩タブレット』を口に含み、そのまま『お茶』を頂戴する。
口の中に広がる塩の旨味が、汗を流した体に染み込んでいく。

「やはり、この時期に『塩』は美味い。
 ・・・これは君が『作っている』のか? それとも取り出している?」

手に持った『ペットボトル』の中身を揺らしながら、聞く。

「俺の『スタンド』は・・・」

椅子に座る男の傍らに傅くように出現したのは、『杖』を持った騎士のような人型の『スタンド』だ。
首から上が無く、『青白い炎』が燃える姿は、さながらアイルランドの伝説に登場する『首無し騎士(デュラハン)』を思わせる。

「名を『グリム・ランタン』と呼ばれている。『死』の訪れを支配する――そんな能力だ」

928ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』:2022/07/05(火) 17:01:23
>>927

「うーん、作るのも取り出すのも違うか?
 この『屋敷』の『地下室』に、いままで『交換』したものがあってな?
 その『交換品』に変えている……みたいな。
 まあ、一度『交換』したものを何度でも『交換』で出せるんじゃ」


変身させている、と考えると元の物質がちらつくので嫌な感じだが、
どちらかというと上書きコピーの方が近いだろうか。


「ほう、カッコイイの。
 意味はわからんが……」


見た目も能力の説明もカッコイイスタンドだ。
何ができるのかはよくわからないが。


「その……死の音ズレを支配するのは……お仕事でどんな役に立つんじゃ?」

929『グリム・ランタン』:2022/07/05(火) 17:14:11
>>928
「『コウカン』・・・『交換』か。
 倉庫にストックしてある物と、手持ちの物を移し替えるわけだな。
 この『屋敷』はその倉庫の入り口というわけか」

「・・・・・・便利を通り越して、中々『恐ろしい』な。
 望むものを、望むままにとはいかないのだろうが・・・」

ともすれば、この町をひっくり返す事だって出来そうな能力の持ち主が目の前に居るのでは?
男は一瞬、そう思ったが、目の前に居るのが無邪気な子供なら、そこまでとんでもない事はしでかしはしないだろう。

「俺のスタンドは・・・・・・。
 格好をつけないで言えば、『物が壊れる』事がなくなる。
 それだけで役に立つ事があるし、何よりシンプルに、人間以上に『強い』。
 力強さ、スピード、細かい作業・・・・・・単純に肉体労働で稼がせてもらっているよ」

「君のスタンド以上に『生活』を楽にする能力は無いだろうからな。泥臭く思えるかも知れないが」

930ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』:2022/07/05(火) 17:27:31
>>929

「なるほど?
 守護霊が強いのは良いの。
 『ディスタント・ラバー』さんはあんまり強くないし、
 そもそも『屋敷』の外に出られんからの」


ガチャっとドアを開けたのは、だるだるなシャツとズボンの人型スタンドだ。
服装はともかく、体格的にもあんまり強くなさそうである(破スDC)
人型スタンドはリビングに入ってくるわけでもなく、そのままドアを閉めた。
顔見せだろうか。


「わしもまだまだこれからじゃ。
 爺の家にはエアコンが無いし、『屋敷』はわしが寝ると消えるから、いつも寝苦しいしの。
 帰るのも……どうするかの。外出たくないの」


『ミニチュアの家』はエアコンで完全に涼しくなっている。
外に出る気を無くしているようだが、かといっていつまでもここにいるわけにもいかないだろう。
贅沢な悩みかもしれないが。
あと『屋敷』は実体化しているので、一般人にも見えるし。


「お前さんは何か『交換』したいものとかあるか?
 なんでもとはいかんが」

931『グリム・ランタン』:2022/07/05(火) 18:01:02
>>930
「持ち運べるなら家まで送ってやろうかとも思ったが・・・。
 流石にそれはやりすぎだな。水分補給をしっかりしながら、歩いて帰ると良い」

『グリム・ランタン』が居るので、重い物を運ぶのに苦労はしないが、
住所不定無職成人男性が未成年の家まで着いていくのは危ないだろう。色々と。

「さて・・・『交換』か。欲しい物は数あれど、俺が差し出せるものも、大して無いが・・・・・・。
 そうだな、君の額を濡らした『ジャケット』。そのまま『交換』しよう。
 俺が何を貰うかは・・・・・・そういえば、その『交換』。劣化したりはしないのか?
 俺も君も『お茶』を飲んだりしたが・・・何時から保管されてるんだ・・・?」

932ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』:2022/07/05(火) 18:21:56
>>931

「倒れててよく覚えてないが、地面に出してしまったじゃろ?
 何かの上に『屋敷』を出したならその物ごと持ち運べるがの」


『ミニチュアの家』は道路に発現している。
『グリム・ランタン』ならコンクリートを引っぺがして持ち運ぶことが出来るかもしれないが……
可能だからといって、実際にやるかどうかは別の話だ。


「『地下室』に『記録』はあるが、『交換』した時のままじゃな。
 出した後はもちろん、変わっていくがの。
 『交換品』は、お菓子とか色々あるぞ。それとも帰り用に氷にするか?」


子供が雑誌のページを破ると、個包装のクッキーになる。
このクッキーの記載上の賞味期限は過ぎているが……
クッキーが賞味期限残り3日で『交換』したなら、いつ出しても残り3日なのだ。
また、さらに破ったページが袋入りのかちわり氷になる。
当然溶けずに氷のままだ。

933『グリム・ランタン』:2022/07/05(火) 18:32:17
>>932
「なるほどな・・・それならば、一つオマケをつけておくか」

『グリム・ランタン』が、『杖』でジャケットに触れた。
そうすると、そこには細い『灯芯』が埋め込まれる。

「これが俺の『能力の象徴』。
 このジャケットが『壊れそう』な時に火が灯り、
 その『破壊』を火が消えるまで先延ばしにする・・・。
 ま、ちょっとした『保険』だ」

「せっかくだから氷でも貰っていくか。
 外で口に入れるだけでも、大分マシになるだろうからな」

934ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』:2022/07/05(火) 22:02:22
>>933

「ほお? 導火線か?」


ジャケットから生えているとなると、
やっぱり襟首のあたりからなのだろうか。見た目的に。
胸のあたりから火が灯るのもヴィジュアルがいいかもしれない……


「ではほれ、『交換』成立じゃ。
 ……しかし今渡しても溶けるかの。
 帰るまで冷蔵庫に入れておくか?」

「わしは日が落ちるまではここにいようかと思うが……」


やはりなんの音も光も無く『交換』は終わった。
窓には巨大な鼻が映っている。
散歩中の犬が『ミニチュアの家』を嗅いでいるらしかった。

935『グリム・ランタン』:2022/07/05(火) 22:10:32
>>934
「『ロウソク』の芯だが・・・まあ導火線というのも誤りではない。
 火がたどり着いた時が『終わり』だからな」

『心臓』の部分で点火するとカッコいいかもしれない。
ジャケットの心臓部分に仕込んでおくとしよう。

「そうだな。俺が帰るまで仕舞っておいて貰うと嬉しいが・・・・・・冷蔵庫まであるのか。
 いや、エアコンがあるのなら、そのぐらいあって当然か」

スタンドの『屋敷』の充実っぷりには驚かされる。
そして、あまりに手早く完了する『交換』の手順にも。

「出来れば涼ませて頂きたい所だが・・・自分で言うのもなんだが、俺がここでこうやって君と話していても良いのか?
 君の能力は『便利過ぎる』。君自身に悪用するつもりがないとしても、悪意ある輩はよってくるだろう。
 単純に疑問として聞くが、『心臓部』とも言えるこの屋敷に人を招いて大丈夫なのか?」

936ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』:2022/07/05(火) 22:35:12
>>935

「うむ」


バン!とドアを開けてやってきた『ディスタント・ラバー』さんが、
氷の袋を受け取って、キッチンに入り、冷蔵庫の冷蔵室に氷を仕舞った。


「終わるってなんじゃ……? つまりどうなる?
 ふうむ……
 パンチ!」


百聞は一見にしかず、ということか。さっそくジャケットにパンチをかましてみる子供。
あまりにも弱っちいため、これが破壊と見なされ、火が灯るかどうかは微妙だが。
胸ポケットに蝋燭が入っている感じということになるのだろうか?
何分くらい持つのだろう。見ための大きさ(?)でわかる?


「ん?
 よくわからん……?
 ダメなのか?」


年の割にしっかりした受け答えだが、これは内容が難しかったか。
そもそも悪用する気が無いかどうかすら出会ったばかりの男性にはわからないだろう。
というか善悪の区別がちゃんとついているか怪しい。


「まあ……お前さんはついうっかり入れてしまっただけじゃからな。
 出る時は言うんじゃぞ。わしが『許可』しないとなんか消滅するからの」

937『グリム・ランタン』:2022/07/05(火) 22:51:28
>>936
「例えば、そのジャケットが『破かれよう』とした時、その『ロウソク』に火が灯る。
 そして、その火が灯る間、ジャケットは何があっても『破れない』事になる。
 そして、『ロウソク』の火が消えた時・・・先送りにしていた『破れ』が生じ・・・ジャケットとしての『終わり』を迎える訳だ」

(胸ポケットの深さが『15cm』ぐらいだとして・・・その大きさの『ロウソク』ならば・・・)

「大体・・・そうだな。その大きさなら、燃え尽きるまで『100分』ほどか?」


「・・・そうか。いや、良い。これは俺の考え過ぎなのかもしれないからな。
 まあ、擦れた大人のお節介だったと思ってくれ。
 出来れば、少し気にしてほしいが・・・誰も彼も、君に優しい訳では無いだろう。残念だが」

善悪の基準を持たない爆弾が、無邪気に目の前で遊んでいるような、そんなイメージが見えた。
何時何処で、誰の手によって爆発するか分からない爆弾・・・。
この子の、便利で楽しい生活を彩るだけなら良いが。

「・・・・・・おいおい。流石に俺もそれは驚いたぞ。
 君を見捨てて家を出ようとしていたら死んでいたわけか。
 記憶がなくても、善行はしておくべきだな」

938ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』:2022/07/05(火) 23:04:50
>>937

「ええと、つまり、終わりというのは普通のジャケットに戻るだけということか?」


子供は紙片を『くだものナイフ』に変え、ジャケットに突き刺す。
これならさすがに火が灯るだろう。
いくらでも出せるからか躊躇が無い。


「確かに。わしは『交換屋』さんとして、色んな人に声をかけるが、無視されること多いの。
 優しい人もいるが」


火が灯ったジャケットを置いておいて、
新たに紙片を『ジャケット』に『交換』して、今度は蝋燭をいじろうとする子供。
『グリム・ランタン』は『灯芯』の最大発現数が圧迫されたのを感じた。


「……言われてみればそうじゃな。
 すまんの、うっかり引っ張りこんでしまって」

939『グリム・ランタン』:2022/07/05(火) 23:18:43
>>938
「そういう事だ。破けてしまった、破れてしまうジャケット、と言うことだな」

『くだものナイフ』を刺すと、布は破れる事無く、青白い炎が『ロウソク』の先端に灯る。
不思議と温かいが、火傷をするような熱は感じない。ジャケットが焦げるという事も無い。

「世の中には、君が子供と言うだけで害をなそうとする輩も居る。
 幸いにして、この町は・・・そういう人間が多いわけではないようだが。
 まあ、そのジャケットは、そういう輩から身を守るのにも使えるかもしれない」

新しいジャケットが出てくる事で、感覚的にそれも『自分の能力の産物』だと理解する。
『グリム・ランタン』は関わっていないのに、それが出現するのは、奇妙な物だ。

ロウソクは胸ポケットに埋め込まれるようにして存在するが、触れたりはしないようだ。
しかし、表に飛び出ている『灯芯』だけは弄ることが出来る。
感覚的に、柔らかい紐のようで、自分の力でも思いっきり引っ張れば壊れそうな感じがした。

「お互い無事なのだから、今回は良しとしようじゃないか。そもそも、飛び込んだのは俺の方だしな。
 今後は、君のためにも、見知らぬ誰かのためにも、注意をしても良いだろうが」

940ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』:2022/07/05(火) 23:34:45
>>939

「うむ。気を付けよう。
 暑いからの。
 ……なんで暑いのにこんなもの着てるんじゃ?
 と思ったが、こうか!」


ジャケットを頭からかぶる。
実際、日傘代わりにはなるだろう。
意識が朦朧としなければ、うっかりという事も無い。


「ふわあ。
 いかんいかん、寝ると『解除』されてしまうからの」


それから灯を見ていた子供だったが、100分も変化が無いわけで、
すぐに飽き、ソファで寝転がりながらあくびをした。

941『グリム・ランタン』:2022/07/05(火) 23:45:19
>>940
所謂『サマージャケット』。通気性に優れたファッションアイテムだ。
まあ、長袖の上着、ぐらいに思ってくれれば良いだろう。中の人も、服装には詳しくないから。

「大分長いこと話したからな。眠気も出てくるか。
 ちなみに聞いておくが、俺が出ない内に君が寝るとどうなるんだ?
 許可しないで出ることになる扱いで消えたり・・・するのか?」

この町をひっくり返すとか悪意ある人間がどうのこうのの前に、
眼の前の子供の眠気と気まぐれに命を握られているのでは?

942ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』:2022/07/06(水) 00:04:06
>>941

「ええと、多分大丈夫じゃろ。
 やったこと無いが……いや、虫とかちゃんと出てきてたか?」


『解除』の場合は外に放り出される。らしい。
ちょっと曖昧そうな言い方だが、そうなのだ。


「ふわ……テレビでもつけるか……」


エアコンも冷蔵庫もあるので、当然テレビもある。
ニュースは「台風の予定だったが消滅した」とか言っていた。

943『グリム・ランタン』:2022/07/06(水) 00:09:05
>>942
「・・・・・・君のことを信用するとしよう」

持ち主が大丈夫と言っているのだから、大丈夫なのだろう。
一緒にテレビを見る。

「いや、実に快適だ。俺が安くはない金を払って寝床にしているネットカフェよりも余程良い。
 これで君が寝ても解除されないのなら、十分に『宿』として活用できそうなんだがな」

「・・・『台風』が来ると外でやる仕事が潰れるから・・・あまり、来て欲しくはないな」

944ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』:2022/07/06(水) 00:26:42
>>943

消滅したとか言ってるので台風の心配はいらなさそうだ。


「そうなんじゃよな。
 わしもそこは困っておる。
 寝てる間も消えなければ良いのにの」


そこは『スタンド』なので仕方ないというものなのだろう。
通常、意識を失った状態で発現できるものではない。
例外は多々あるだろうが。


「あとは金も『交換』できんしの。
 金だと『物々交換』じゃなくなるからの。
 でも100円くらいならごまかせそうな気はするんじゃが……
 こう、服の中に紛れ込んでました、みたいな感じで」


まあ、お札を増やされても同じナンバーなので困るだろうが、
個人の超能力だし、別にそこに配慮したわけではないだろう。
ジャケットのポケットを漁る。
何か入ってないだろうか。

945『グリム・ランタン』:2022/07/06(水) 00:36:26
>>944
「解除・・・この『屋敷』が消えても『交換したもの』がそのまま保管されているのなら、
 何か抜け道はありそうなものだが・・・」

『スタンド』も多種多様。自分の『グリム・ランタン』とこの『屋敷』は何もかもが違いすぎる。
ルールや一貫性は、ある程度存在するのだろうが、道理を求めても仕方がないか。


「ふむ。金が用意できないのは、確かに困る。
 『人間を動かす』のに一番効果的且つ、現実的なのが金だからな。
 物ではなく『サービス』を受けるには『物々交換』は難しいだろう」

ジャケットのポケットには、男が利用しているであろうネットカフェのレシートや、
何処で使ったのか、安っぽいボールペンなどが入っていた。

「・・・そんな細かな物までコピー? しているのか。変なものを入れていなくて良かったな」

946ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』:2022/07/06(水) 00:45:26
>>945

殴って発動するスタンドもいれば、
スタンドヴィジョンを発現しなくても能力を使えるタイプのスタンドもいる。
『ベター・ビリーブ・イット』の場合、『屋敷』が成長で後から生えてきたのだが。


「金は時々落ちてたり、自販機に入ってたりするのを拾うくらいじゃな。
 ……あ! でも前に『オバケ退治』でなんかすごい大金貰ったんじゃった。
 でも大金だから取っておくんじゃ」


子供はジャケットをひっくり返して、大したものが入っていないのを確かめると、
がっかりした様子だった。
しかし話しているうちに、自分が大金を持っていることを思い出し、機嫌が直る。

947『グリム・ランタン』:2022/07/06(水) 17:54:51
>>946
「・・・・・・そうなのか」

大金。ちょっと多めのお小遣いなのだろうか?
まあ、こんな子供にとっては5000円ぐらいでも大金だろうしな。

「『オバケ退治』というのは興味があるな。
 『スタンド』なんていう『オカルト』があるんだ。
 『幽霊』ぐらい、当然、居ると言い切っても良いぐらいだろうが・・・」

「やはり、この世に未練のある魂が人を襲うのか?」

948ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』:2022/07/06(水) 22:18:58
>>947

「うーん、よく知らんがそうなんじゃないかの」


協力はしたし大金を貰うような活躍はしたが、事情はよく知らないのだった。
能力が便利だったので、便利に使われたおかげである。


「あの、前に夏にクリスマスやったじゃろ? 皆で。
 知っておるか? あれじゃ。
 夏オバケっていうくらいじゃし、
 多分夏に未練とかあったんじゃないかの」


前。
男性が知っているかわからないが、そんな様な事があった。
ついこの間のような気もするし、1年前の夏の出来事な気もする。
ちなみに夏オバケとかいう呼称はこの子供が勝手に呼んでいるだけである。

949『グリム・ランタン』:2022/07/06(水) 22:34:48
>>948
「『夏のクリスマス』か・・・奇妙な響きだが、俺は知らないな。
 恐らく、記憶を失う前に行われた出来事なのだろう」

一年前の夏にやってるなら、多分そうだ。
この辺は曖昧にしておいたほうが良いような気もするが。

「町全体を巻き込んでオバケ退治をしたのか・・・。
 それなら、俺も参加していたのかもしれないな。
 直接ではないにしろ、夏のクリスマス、とやらは楽しんでいた可能性がある」

「ツリーとかを立てたのか? 確かに君の能力なら、そういう準備をするのは得意そうだ」

950ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』:2022/07/06(水) 22:49:50
>>949

「色んな人が参加してたから、わしよりそっちに聞いた方がいいかもしれん。
 他の『スタンド使い』に会ったら聞いてみたらいいんじゃないかの……
 気になるなら、じゃが」


本人も詳しく知らないという自覚があるので、詳しい事は他の人に聞いた方がいい、と振った。
記憶喪失前の男性に関して何かわかるかもしれないとは期待できないのだが、
そのことは2人とも知らないし。


「まあ、そうじゃの。ツリーを出したり雪だるま出したり、
 『屋敷』を貸したり、心臓出したり……じゃな」


子供はソファからずり落ちると、ごろごろと窓際まで転がっていく。
なんか涼しくなってきたんじゃないだろうか……?(リアル話)
それとも単にだらだら駄弁っていたらそろそろ日が落ちてきたか。

951『グリム・ランタン』:2022/07/06(水) 22:59:57
>>950
「自分の過去の記憶には特段興味もないからな・・・。
 急いで探るつもりはない。ふとしたことで思い出せれば良い、ぐらいの気持ちだな」

普通なら忘れた過去の記憶は気になるものなのだろうが、
それ以上に大きな事が心を占めているので、気にならないのだ。


「そうか、色々出しているのだな。
 大掛かりなイベントとなれば、必要なものは多いだろう。
 ツリー、雪だるま、心臓はクリスマスには欠かせない大切な・・・・・・心臓?」

「・・・心臓、クリスマスに使うのか。というか、出せるのか・・・」

体感で三日間ぐらい話している間に涼しくなってきている気がする。
もう屋敷から出ても暑さで参るようなことは無いんじゃないだろうか?
話題は尽きないので、このまま会話を続けても一向に構わないが。

952ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』:2022/07/06(水) 23:09:05
>>951

「興味ないのか?
 まあ、わしもこの町に来る前のことは覚えとらんけど、
 どうでもいいが……」


金髪に青い目の子供は、外見で言えば日本人ではないのだろう。
主に日本語を喋るので日本に来たのは物心つく前か。
わからないが、本人は気にしていない。


「なんかクリスマスプレゼントで心臓が欲しい子がいての。
 サンタのやつも用意するのに困ってたからわしが呼ばれたんじゃ」

     「ナン」

「おっ?」


こちらから見て巨大な……標準的な大きさの灰色の猫が寄ってきて、
『ミニチュアの家』を覗き込んでいるようだ。

953『グリム・ランタン』:2022/07/06(水) 23:15:28
>>952
「記憶喪失の原因は、死にかけるほどの大怪我。
 ろくでもない人生を歩んできたのは間違いない。
 無理して探って、今の自分を失うほうが困る」

理由は覚えていないが、記憶を失う時に大怪我をしている。
語る男性は、本当にそんな自分の過去に興味が無いようだ。


「君は、本当に面白い出会いに恵まれているようだな・・・。
 話をしていて、飛び出してくるエピソードの全てに興味を惹かれる」

覗き込んでいる『猫』に目を向ける。

「おっと、さっきも犬が覗き込んでいたが、今度は猫か。
 このサイズ感だと、窓から『巨大な虫』が見えてしまうのは考えものだな・・・」

954ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』:2022/07/06(水) 23:32:11
>>953

「こいつはよくうちに来る猫じゃ。
 わしの『屋敷』のことも覚えてるのかの」


猫がぺしぺしと窓を叩くと、印刷したような『肉球マーク』が刻印されていく。
それから窓からの視界が塞がれると、屋根の上からバリバリという音が聞こえだす。


「むっ、爪とぎしておるのか?」

「なんじゃ、出てこいということかの……
 外もそんなに暑そうじゃないし、
 わしもそろそろ帰るかの」

955『グリム・ランタン』:2022/07/06(水) 23:38:57
>>954
「家主が帰るのなら、俺もお暇しなければな」

椅子から立ち上がり、冷蔵庫で保管していた氷を頂戴する。

「中々面白い時間を過ごさせて貰った。
 もしよければ、また君の話を聞かせてくれ」

956ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』:2022/07/06(水) 23:54:59
>>955

「では『出す』ぞ」


と言った一瞬後には、2人は元の大きさで立っていた。
足元には『ミニチュアの家』と、そこに乗った灰色の猫がいる。


 「ナーン」

「うむ、お前さんも記憶……は戻らなくていいのか。
 ええと、なんか……あれじゃ。達者での」


『ミニチュアの家』を解除すると、リュックを背負い、猫を拾い上げて、子供は去っていった。
毛玉な猫を抱いても大丈夫なくらい、外は涼しくなっていた。

957『グリム・ランタン』:2022/07/06(水) 23:58:49
>>956
「道端で倒れることのないように。気をつけてな」

その姿が見えなくなるまで見送った後、その場を立ち去った。

958甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2022/07/30(土) 10:06:16
ある建物の前に設置されている自販機
日本では非常に珍しい物が売られていたので>>959に奢ってやる事にした

959宗像征爾『アヴィーチー』:2022/07/30(土) 10:29:49
>>958

甘城の後ろに立ち、その様子を見つめている。

「――すまないな」

以前に顔を合わせた時、『今度会ったら』と言われたが、
その機会は意外に早く訪れたようだった。

960甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2022/07/30(土) 11:05:16
>>959
本当に早いね…

硬貨を自販機に投入してボタンを押す

ピッ
ガシャン

「はい」

出て来た缶ジュースを宗像に渡す

これは…メッコールだ!
世界一不味い事で有名なコーラだ!
缶が突如として爆発した事で日本では販売停止になっていたはずなのに…

ん?よく見るとこの建物…

961宗像征爾『アヴィーチー』:2022/07/30(土) 11:23:54
>>960

曖昧な眼差しで、自販機と建物を眺めている。
俺がいない間に、世の中は大きく変わった。
これも、その一つと言えるのかもしれない。

「ああ――」

一礼してから、渡された商品を受け取る。

       カシュッ

革の手袋に覆われた手で、無造作に缶を開けた。
甘城が知っている情報は、理解の範疇外だ。
何ら警戒した様子もなく、それに口をつける。

962甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2022/07/30(土) 11:40:17
>>961
       カシュッ

…とりあえず爆発はしない
ネタ的には爆発した方が面白そうなのだが
そうしたら顔面が悲惨な事になるし、色々面倒だ
そんなもんをお礼として渡すとか恩を仇で返し過ぎだろ

何の警戒もなく怪しいコーラを口に入れる宗像
その味は大量の砂糖をぶっ込んだホップ抜きのビールって感じ
まぁ…人によって評価は分かれる味だ
非常に個性的で強烈な味である事は間違いない

メッコールを飲む宗像の横で、ドクペを買うあま公

963宗像征爾『アヴィーチー』:2022/07/30(土) 19:41:24
>>962

メッコールを飲んだ瞬間、馴染みのない味に、
僅かに手の動きが止まった。
しかし、不味いという程でもない。
そのまま喉に流し込んでいく。

「まだ名乗っていなかったな」

やがて缶を口元から離し、目の前の少女を見やる。

「――『宗像征爾』だ」

この辺りは、例の『事件』が起こった場所に近い。
廃ビルで四人の死体が見つかった一件だ。
だが、この邂逅は、それとは全くの『無関係』だろう。

964甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2022/07/30(土) 20:28:47
>>963
メッコールを飲む宗像の横でドクペを飲む
杏仁豆腐のような風味で甘ったるいが嫌いじゃない
飲む湿布だとか言われるが、ルートビアよりは全然飲める

「甘城天音」

名乗りを上げる宗像に簡素な返しをする

>この辺りは、例の『事件』が起こった場所に近い。
>廃ビルで四人の死体が見つかった一件だ。

何でこんな所で邂逅するんだ…
ひょっとしてその事件とは、宗教絡みの事件なのか!?

「こんな所で何を?」

お前こそ何してたんだよって感じだが

965宗像征爾『アヴィーチー』:2022/07/30(土) 20:54:56
>>964

「『探し物』をしている」

まもなく、メッコールを飲み干した。
しかし、逆に喉の渇きを覚える。
甘い飲み物で血糖値が高まったせいだろう。

「ただ、見つからなかった」

『鈴蘭畑』に行ってみたが、『件の少女』には出くわしていない。
特に確証がある訳でもないが、万が一という事もある。
念の為に、この近辺を改めて歩いていたところで、
現在の状況に至った。

「ここでなければ、
 『自然公園』で見つかるかもしれないと思ったが」

             ガコンッ

純粋な水分摂取のため、自動販売機で『水』を購入する。

「そこでも見つけられていない」

ペットボトルを開けながら、『噂で聞いた話』を口にした。

966甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2022/07/30(土) 21:03:08
>>965
「探し物?」

こっちも水を買おうとして金を入れてボタンを押すが

ピッ ピッ ピッ

飲み込まれた!

「……」

ガンッ!ガンッ!!ガンッ!!!

自販機を蹴るあま公

蹴りながら宗像の話を聞く

967宗像征爾『アヴィーチー』:2022/07/31(日) 16:12:20
>>966

「正確に言えば『人探し』だが――」

自販機に蹴りを入れる甘城を見て、話を中断する。
人が倒れる程の暑さだ。
機械の調子が狂っても不思議はない。

「これで良ければ飲んでくれ」

       スッ

「まだ口はつけていない」

ついさっき買ったばかりの水を甘城に差し出す。
少なくとも、足が壊れるまで蹴り続けるよりはマシだろう。
そうなる前に、機械の方が動かなくなるかもしれないが。

「『鈴蘭』を知っているか?
 文字通り『鈴』のような形をしている花だ」

『鈴蘭畑』で見た『鈴蘭の花』を思い出す。
『幽霊』が出るらしいが、それと関係しているかは分からない。
だが、完全な無関係とも考えにくかった。

968甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2022/07/31(日) 16:33:21
>>967
>人が倒れる程の暑さだ。
>機械の調子が狂っても不思議はない。

暑さのせいというか、多分この自販機自体がポンコツな可能性の方が高い

>       スッ

「…いや、いい」

お礼に奢ったのに直後に奢ってもらったんじゃ奢った意味がないだろう
差し出された水をせっかくだがって感じで遠慮する

>『鈴蘭』を知っているか?
>文字通り『鈴』のような形をしている花だ

「知ってるけど」

鈴蘭と人探し、一体何の関係があるというのか

969宗像征爾『アヴィーチー』:2022/07/31(日) 16:50:34
>>968

「『それを頭に生やした少女』を探している」

水を持った腕を引っ込めると、再び話を続ける。

「目立つ外見だから、すぐに見つかるかと思ったが、
 そう簡単でもないらしい」

熊野から『鈴蘭の怪物』の話を聞き、事件の『現場』に戻り、
花屋で『幽霊の噂』を知り、夜の『鈴蘭畑』に向かった。
そして、今日も捜し歩いている。
だが、何の手掛かりも見つかっていない。
それらしいものといえば『短冊』だけだが、
誰が残したかは分からない上に、
そこから具体的な何かが得られる訳でもなかった。
現状、『鈴蘭の少女』を捕まえる当てはない。

「どこかで見た事はないか?」

結局のところ、こうして地道に聞いて回るのが、
最も手っ取り早い手段なのかもしれない。

970甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2022/07/31(日) 17:47:47
>>969
>『それを頭に生やした少女』を探している

その言葉を聞いて、
些か眼を鋭くして宗像を見る

「探してどうする気?」

宗像を怪しむような声で尋ねる

疑問文に疑問文で返すと殺人鬼が怒りそうだが
そんな事はどうでも良い

971宗像征爾『アヴィーチー』:2022/07/31(日) 18:16:04
>>970

甘城の鋭い目線に対し、少しも表情を変えずに見つめ返す。

「――『聞きたい事』がある」

『熊野風鈴』は俺に言った。
『鈴蘭を抜かなければ怪物が現れる』と。
その言葉を鵜呑みにはしていない。
どちらかといえば『本体』よりも、
『従者』の『フォー・エヴァ・ロイヤル』の方が信憑性はある。
あのスタンドからは『迷い』が見えたからだ。

「同じ質問を繰り返して悪いが、もう一度だけ聞きたい」

しかし、それも本当かどうかの確証はなかった。
『何が真実か』を知るためには、
一度『当人』に尋ねなければならない。
俺自身の『最終的な行動』は、
『全員の証言』を確認した上で決める。

「『鈴蘭を生やした少女』を見た事はないか?」

淡々とした口調で、改めて甘城に問い掛ける。
相手の態度が変わった事には気付いていた。
だが、それだけだ。

972甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2022/07/31(日) 18:32:41
>>971
宗像が何を考えているかは知らない

「まず、私の質問に答えて」
「探してどうする気?」

宗像と同じく質問を繰り返す

「質問に答えないと答えない」
「何度も言わせないで」

973宗像征爾『アヴィーチー』:2022/07/31(日) 19:01:32
>>972

「『聞きたい事があるから』だ」

さして気にした様子もなく、先程と『同じ答え』を繰り返す。

「俺は『鈴蘭の少女に聞きたい事がある』と言った。
 『鈴蘭の少女』を探して、『それ』を尋ねるつもりだ」

「言葉が足らなかった事は謝ろう」

こうした『食い違い』は日常茶飯事だった。
この町に戻ってきた時、最初に自覚したのは『年月の隔たり』だ。
他の人間との間には、埋める事が困難な『ズレ』が生じていた。
単純な『時間差』だけではない。
普通に会話をする事さえも、所々で躓く事は珍しくなかった。

「『こういう事』には未だに慣れていない」

その度に、改めて『今の自分』を自覚させられる。

974甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2022/07/31(日) 19:14:13
>>973
「…」

『聞きたい事』
宗像の答えに数秒程考える

「…会って何が聞きたいの?」

答えを聞いても、まだ答えようとしない
それだけでは情報を渡す気はないようだ

975宗像征爾『アヴィーチー』:2022/07/31(日) 19:34:58
>>974

「少し前に、この近くの廃ビルで『事件』が起きた」

『現場』となった廃墟の方向を一瞥する。
実際に『確証』が得られない内は、他人に話す事は憚られた。
もし『偽り』だった場合、『鈴蘭の少女』は、
『謂れのない悪評』を被る事になるからだ。

「その一件に『鈴蘭の少女』が関わっている可能性が高い。
 『俺に話をした人間』が言うには、そういう事だ」

ここで明かす気になったのは、甘城が『鈴蘭の少女』と、
何かしらの繋がりを持っていると感じたからだ。
少なくとも『顔見知り』ではある。
もし浅からぬ関わりがあるのなら、
悪戯に吹聴する事はないだろうと判断した。

「だが、俺は『それが真実だ』とは確信していない。
 本当に関与しているのかどうか、
 『鈴蘭の少女』自身に直接尋ねたいと思っている」

そこまで言って、言葉を切る。

976甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2022/07/31(日) 20:03:11
>>975
「……」

宗像の話を黙って最後まで聞いていた
宗像を見る目は依然として変わらない

「もし」
「その子が関係があるって答えたら?」

自分も鈴蘭の少女が、事件に関係があるかどうかは知らないが

この男は鈴蘭の少女が事件に関係あると答えたら、どうするつもりなのか?

977宗像征爾『アヴィーチー』:2022/07/31(日) 20:50:12
>>976

「まず、『俺に話した人間』に連絡を取る。
 『矛盾』がないか、『辻褄』は合うか」

『熊野風鈴』、『フォー・エヴァ・ロイヤル』、『鈴蘭の少女』。
今回の件において重要なのは、この『三者』だ。
あるいは、そこに『甘城天音』も含まれるのかもしれないが。

「その上で、『鈴蘭の少女』が、
 『制御不可能の危険な存在』だと分かった場合――」

「これ以上の被害者が出る前に殺すつもりでいる」

僅かな間が空いた。

「話したくなければ、君から無理に聞こうとは思わない」

「だが、君が『知り合い』なら、『この話』を伝えても構わない。
 俺の『風貌』も『名前』も『スタンド』も教えてくれていい」

これで『一方的に知っている状況』にはならない。
熊野の話が正しければ、
『依り代』となっている『少女自身』は、
大きな力を持っていない可能性がある。
だが、俺の存在を認知していれば、
『鈴蘭の少女』は『敵』と出会う事を避けられるだろう。

978甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2022/07/31(日) 21:14:55
>>977
「…」

話を聞き終わり、
その言葉に答えるように口を開く

「分かった」

「鈴蘭の子は知ってる」
「けど、情報は売らない」

知っているが宗像にはそれ以上の情報は寄越さない
それが答えだ

「あんたは信用しない」

>これ以上の被害者が出る前に殺すつもりでいる

「…」

「あの子は凄く優しい、良い子だから」

他の人間にとってはどうかは分からないが、こいつにとってはそうだ

「絶対に殺させなんかしない」
「その子を殺そうとするなら」

「私があんたを殺す」

自分や、このよく分からない男より余程生きる価値がある
そう思っている


ガコンッ
ガガガガガガガガガガガガ

自販機から水が大量に排出される

979宗像征爾『アヴィーチー』:2022/07/31(日) 21:40:14
>>978

「君からの『信頼』は厚いようだな」

甘城を見据えるのは『灰』を思わせる瞳だった。
睨んではいない。
ただ、目の前の相手を見つめていた。

「『十分な情報』だ」

甘城の言葉を信じるなら、
『鈴蘭の少女』は『穏やかな性格』らしい。
熊野の話からは得られなかった情報だ。
それを確認できた事を考えれば、
ここで甘城と話した価値はあったと言える。

「『甘城天音』――――」

        ザッ

「その名前は覚えておこう」

踵を返し、甘城と自販機の前から立ち去っていく。
筐体の側面には『連絡先』が書かれていた。
それを頭の片隅に留めておく。

      ガチャッ

           チャリン

「――――『星見横丁』で『自動販売機』が『故障』している」

「正確な『住所』は――――」

しばらくして、『公衆電話』から『管理会社』に電話を掛け、
『機械の故障』を伝えた。

980甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2022/08/01(月) 14:13:04
>>979
去り行く宗像の背を黙って見ている

宗像の情報を言いふらすかどうかは分からない
教えたとしても、無駄に不安を煽るかもしれないからだ

宗像が見えなくなったくらいで去って行くあま公

絶えず飲料を排出し続ける自販機
どうやら中のメッコールが爆発して大破したようだ
自販機は内側をぐちゃぐちゃに破壊され見るも無残な姿で発見された

自販機の設置されていた建築物はやはり例の宗教の傘下の建物だった

                 || || ||                     || || ||
               || || ||                           || ..|| ||
             || .|| .||                               || .|| .||
         __.|| || ――― ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄―――|| ||__
  _―― ̄ ̄ .|| ||                                        || || ̄ ̄――_
_ ̄       .|| ||                                           || ||       ̄
  ―_    .|| ||                                            || ||   _― ̄
      ―||||                                                |||―
      ..|||                                                 |||
      |||                                                  |||
      |||                                                   |||
    .. ||||           .゛      、  ′     、 " .     ,  ′  .   ´ ,   、 |||
    ...|||  .`  .  、 ´ ,  ′ . 、 " .   ´ ,   .   i   、. .`  ゛.   i ,  . . " .、. |||
    ...||| , 、   " .    i    ´   .   ii      .゛.. ii||..     i i   、 ´ ii  ..  " .li   .|||
     ||| .|i  ´   i ' ||  ii   ii | iilll||ii | i     .ill|!!i l   ...|ll iii i   i l|l. |li   li||li |il||||
      ||il||li .|i 〟 ii||il lil|| ||lili  ||ii l|il| |llii||| li|iii|lli || ..iil|||lll.|ll   llll||illli  iiil|iii|||l|i |l|l!liil||lll.|l||
     .. ||!|i||ill ..| ||lll|||ii|||lliiiill|lliiilll|||lll||!!lilllii!!!||ll||ill|ll lll|||lll||!!lillliil.l| |lll||!!lillliill| !!||lll|||lll||!!lilllli||||!lll||
       |||ll|||ill|i||ll||lll!!llll||illll||||||lll||||llll|iill|||||llll|l|l|lll!!llll||illll||||||lll||||lll||!!lillliilillliill||!!!||ll||!!llll||illl||
    ..   .||l||lll|||i||lll||!!!!llll!!|||ll!!!!!|ll!!ll||||!!ll||!!!ll||!!|||lll||!!!!llll!!|||ll!!!!!|ll!!ll||||i||lll||!|ll!!ll||||!!ll||!!!l||!||
                         ↑自販機

981石枕希望『フィアット・ユースティティア』:2022/08/01(月) 18:00:14

塾帰り――その口実が使える時間帯であり、星見の街が本当の闇を見せる時間には程遠い時間だろう。
しかし、それでも尚、唾棄すべきもの達の気配が漂う時だ。
夜とは喧騒と解放と――そして、悪の時間なのだから。

(……どうしたもんか)

石枕希望は、とある懊悩を抱えながら夜の街を歩いている。その懊悩は、目覚めた才能に向けられていた。
自分の才能とは、なんだろうか。なんのために、あるのだろうか。
希望は、14の若さにしてその正解を手にする事になった。
悪を射抜く、才能である。人を裁く、力である。
ある一点にのみ強力で――ソレ以外に用途などない力であった。
それを使うことに、躊躇いはない。行動への躊躇と臆病がかつての破綻を生んだ。その塊根こそが己の根幹にあると信じる希望は、使うべき相手には躊躇わず使おうと決めている。
問題は、この能力は――使い慣れるという事が難しいことにある。

(悪党にしか使えない力……)

悪を見据え――罰するための弓矢を生み出す。希望の能力とはそのようなものだ。
よって、性質上行使できるのは悪党だけであり――試し打ちということは、大いに難しい。
例えば、矢を生み出すような輩を見つけて矢を産み出したとする。その矢を対象以外に使うのは、相手を見逃したことになり、自分を許すことは出来ない。それは、見て見ぬふりだ。
しかし、かと言って能力を使うための悪党を探すのも、また悪だ。そもそも、希望に悪を罰するための公的な権利も権限もない。行うことは私刑でしか無い。
見て見ぬふりはしないしできない――しかし、行使できるのは致命に至りかねない暴力のみ。悪を為すことでしか執行できない正義――それを、希望は自らの能力だと認識していた。
それが、必要な時もあるだろう。だが、例えば、殺人犯や暴行犯が目の前に現れた時は、欠片も躊躇はしない自信がある。
しかしながら……一例が、ある。希望の視界内で持論をがなり立てる運動家――反ワクチン主義者である。
幼い頃、注射が怖くて泣き喚いてワクチンを打たなかった事で小学校の頃に地獄を見た希望は、反ワクチン主義者を社会の害悪だと信じている。

「……『フィアット・ユースティティア』」

彼女の名を呼ぶ。自らの側に立つ、裁くものの名を。才能の名を、力の名を。
その手には、弓が――そして、『矢』が権限をしている。ワクチンの危険性を訴える相手に射れば、相応しき応報を与えるだろう。
だが、それは正義なのかと、希望は思う。被害を受けている誰かを即座に助けるためであれば絶対に必要だ。しかし、この国には言論の自由がある。音の形をしたゴミを撒き散らす自由も、あるはずなのだ。
それを悪であると思う心、それは許されていることだと思う心。審判の天秤の上を重しが揺らす。
2本……3本……増える矢の数が、否応なく自らの心が、悪と定義していることを希望は認識する。彼女は、希望に欺瞞を許さない。
しかし、見過ごすか、射るか。希望は決断を下しあぐねている。側に、彼女を佇ませながら。

982熊野『フォー・エヴァ・ロイヤル』:2022/08/01(月) 18:21:49
>>981

「へぇ・・・・・」

『活動家』と関わる事を恐れてか、早足にこの場を立ち去ろうとする人の流れに竿を刺すように
人ごみの中で一人の女性が立ち止まった
視線の先には自身のスタンドに『矢』を番える一人の少年がいる

(・・・・・面白い)

状況から察するに、この少年がその『矢』を向ける相手は『活動家』のようだ
スタンドは普通の人間に見える事はなく、彼の『敵意』は誰にも理解されないだろう
唯一、ここにいる自分自身を除いては

(『危険』で・・・・面白い)

彼をここで止めなければ、彼はその『矢』で『活動家』を射抜くのだろうか?
そうなれば、この場は騒然とし、混沌とした状況に陥るはずだ
それはそれで良い
熊野風鈴という女は何よりも『危険』を愛する

『何もしなければ』、彼の行動によってこの場に騒ぎが起こる
それはなかなかに面白い光景だ・・・・・

「ねぇ、君、その『矢』でどうしようというの?」

背後から、スタンドに『矢』を番えさせる少年に声をかけた

――――熊野風鈴は『危険』を愛する。
この状況を放っておいたとしても、自分が巻き込まれる可能性は低い
ならば・・・・自ら『彼』に話しかけてしまえば否応なく巻き込まれるだろう、と考える程に

983石枕希望『フィアット・ユースティティア』:2022/08/01(月) 18:57:25
>>982

希望は背後から掛かる女の声に、2つの意味で怯えを感じる。年上の女性に免疫などはない。
それ以上に――自らの『行為』を『視認』できる相手との遭遇は、怖い。
『才能』が見えている――ならば、九分九厘で『同類』であろう。そして、その目には彼女が映っているのだろう。
信じられるかは別として、虚飾を述べるは容易い――だが。

(……言い逃れは、悪だ。見えている相手に、隠すこともない。)

その意思を持って、希望ははっきりと告げる。

「迷っています。あれは人を不幸にする。けれども、それを言う権利もある。そして、僕の才能は、ただ射抜くことなんです」

そして――希望は、背後を振り向く。

「あなたにも、才能があるんでしょう? あなたなら――関わることで少しでも何かをマシに出来るかもしれなくて――けど、手を汚すかもしれないとき、どうします?」

984熊野『フォー・エヴァ・ロイヤル』:2022/08/01(月) 19:41:22
>>983

「あら・・・・?」

『迷っている』という答えは少し想定外であった
どうやら、目の前の少年は『通り魔』でも『確信犯』でもなく、
『義憤』に燃えている『正義漢』であるらしい・・・・しかも、自分の行いに迷いを抱えている

(少しだけ期待外れだけども・・・)

だが、これは逆に面白い、と熊野は思う
迷いを抱えた人間ほど、ほんの少し前に進んでしまえばどこまでも進んでいってしまうものだ
かつての自分がそうであったように

「なるほど。それであなたはこんな場所で立っていたのね
 あなたが察している通り、私も『コレ』と同じ才能・・・『スタンド』を持っているわ」

そう言いながら、少年の傍に立つモノ『フィアット・ユースティティア』に視線を向ける

「それで・・・・質問の答えになるかどうかわからないけれども
 私の場合、私の才能で何かをマシに出来るとしたら・・・・多分、躊躇わずに力を使うと思う」

「ああ、勘違いしないでね
 これは何もあなたに『やれ』って言っているわけじゃあないわ
 ただの私的な・・・・個人の感想ってやつだから」

「それにね・・・・」

言いながら、熊野は一枚の紙きれを鞄から取り出す
それは、しばらく前にこの辺りにばら撒かれた『ビラ』であった
目の前の『活動家』と同様に、世の中の動きを変えるに満たない『ビラ』・・・
そこにはこんな内容(>>913)が書かれていた

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

【スタンド】

・『不可思議な現象』をもたらす『超常的な能力』。
・『本体となる生物』の『精神力』から生み出され、『本体の意思』で操作される。
・『スタンド』には定まった『姿形』があるが、『力を持たない者』に見る事は出来ない。
・『スタンド』に触れる事が出来るのは『スタンド』のみ。
・『スタンド』の形や能力は『本体』によって異なり、それぞれが『独自の能力』を有する。
・『スタンド』には『ルール』が存在し、『そこから逸脱した動き』は出来ない。
・『本体』の意識が消失する事で、大半のスタンドは効力を失う。

  ・
  ・
  ・

『スタンド』というものについて書かれた『それ』は
『スタンド』を持たない者に対して、スタンド使いの危険性を告知するものだ
勿論、世の多くの人々はこんな与太話をまともに取り合わないだろう・・・・だが

「こんな風に『ビラ』で注意喚起されてるからね
『スタンド使い』だからといって、誰にも気付かれずに事が済むわけじゃあないよ」

「でも・・・・本当に強い信念があれば、
 例え自分がどうなってもって思ったりするんじゃあないかなあ?
 ううん、これは私の個人的な意見でしかないんだけどね」

ゆさぶる
ゆさぶる
ゆさぶる

985石枕希望『フィアット・ユースティティア』:2022/08/01(月) 20:04:36
>>984
「……こんなモノが、撒かれていたんですか」

スタンド――才能の名前である。
このようなビラを撒くものがいる――大抵の人間は新手の陰謀論と思うだけであろうが、片鱗ととてスタンドに触れたものがあれば、察することは出来るだろう。

(見える人間がいないとは思ってなかったけど)

どうやら、想像以上に危うい行いを、していたらしい――
そして……

――強い信念さえあれば。

「それは、そうでしょうね……」

確かにその通りである。意思と信念を原動力にすれば、持たざるものでも恐るべき事が為すことも出来る。

「僕の持ってるものは、自作銃なんかよりも確実ですし……見えない相手には、本当に見えない」

自分なんてどうなっても――その思考が出来なかったからこそ、力がなかったからこそ、希望は懊悩を背負って生きているのだ。

「けど、なら他人なんてどうだっていい――なんて考え始めたら、僕はまず自分を射抜くべきなんだと思いますよ」

希望が罰するのは他者、しかし、かつて救えなかったものも他者なのだ。
正義も断罪もスタンドも、ただエゴの塊に過ぎないのだが――だからこそ、他者を重んじる心を捨てたくはない。

「好き嫌いであっさり人を殺すようになったら、おしまいじゃないですか。でも、白黒で世界を割り切れるのも、強さなんでしょうね。僕は強くないから、迷ってる。けど、まだおしまいじゃないんだと思います」

986熊野『フォー・エヴァ・ロイヤル』:2022/08/01(月) 20:31:10
>>985

「へぇ、あなたはそんな風に思うんだね」

どうやらこの少年は思っていた以上に理性的な人間だったようだ
熊野風鈴にとっては面白くない事かもしれない

「でも、それなら、もしも目の前に『他人の事なんてどうでもいい』って思ってる人が現れたら・・・
 あなたはどうする? その『矢』を使ってしまうの? それとも・・・・?」

987石枕希望『フィアット・ユースティティア』:2022/08/01(月) 20:41:14
>>986
「使います」

迷うことなく、希望は応えた。

「誰かを傷つけることを躊躇せず、実行に移す輩を目の前にして、僕は絶対に攻撃を躊躇いません」

988熊野『フォー・エヴァ・ロイヤル』:2022/08/01(月) 21:42:12
>>987

「ふうん・・・・。」

迷う事なく返答した石枕の言葉を聞き、
熊野は口元をついっと吊り上げながら少年に近づく

「ねえ、それなら・・・・」

少年の耳元で囁く
悪魔のように、天使のように

「私も、『他人の事なんてどうでもいい』と思っているよ
 誰かを傷つける事もあるし、ひょっとしたらそのせいで死んだ人もいるかも」

「そう言われたら、あなたはどうするのかしら?」

989石枕希望『フィアット・ユースティティア』:2022/08/01(月) 23:27:59
>>988
「『内心の自由』を僕は尊重します」

希望は、微かに笑って告げる

「カイジ読んだことあります? 『それを口にしたら戦争』ってセリフがあるんですけど、逆言うなら心の中でどう思ってたっていいんですよ。他人を笑おうと嘲ろうとね。それは、許される悪ですよ」

差別、侮蔑、嫉妬、悪意――それらは誰にでもある。自分にもある。
しかし、それを内から溢れさせない事こそが、人の心の強さである。

「僕は、射るべき『一線』を定めきれてはいませんが、それでも内心と――ちょっとした口先だけの申告で、相手を射抜こうとは思いません」

990熊野『フォー・エヴァ・ロイヤル』:2022/08/02(火) 00:47:43
>>989

「ふふっ・・・・意外とちゃんとしているんだね
 カイジっていうのはわからないけど、そっか・・・・」

「段々と君の事がわかってきた気がするわ」

目の前の少年の『スイッチ』はどうやら行動の有無に左右されるようだ
ならば・・・・と

「それなら、君の目の前で『殺人事件』が起きたとする
 若い男が、抵抗できない老婆を一方的に刃物で刺して殺したとする
 それなら・・・・君はどうする?」

991石枕希望『フィアット・ユースティティア:2022/08/02(火) 17:44:11
>>990
「『有り得ません』」

希望ははっきりと断定した。

「その状況が発生したということは、僕が誰かに襲いかかろうとする異常者を黙可したということです。

 それはありえません。包丁を持って走り回る人間を見た時点で、まず足を狙います……その上で、その上でその事態が起きたのなら」

 続く言葉に、遅れも躊躇も存在しない。

「まず、手か足を狙って動きを止めます。止まらなければ息の根を止めます」

992熊野『フォー・エヴァ・ロイヤル』:2022/08/02(火) 20:53:20
>>991

「へえ」

少しだけ、彼の返答に興味を覚えた
大抵の場合、目の前に『殺人犯』が現れたら、警察に連絡するかすぐにその場を去るだろう
だが、彼は必要があれば『やる』と言っているのだ
そう・・・・まずは『止めて』やる、と

(話を聞くよりも先に手が出るタイプ・・・・
 噛み合いによっては、面白い事が起きるかもしれないわ)

「ねえ・・・・あなたって凄い正義感の持ち主ね。見直したわ
 危ない目に遭うかもしれないのに、殺人犯を止めに行くなんて誰にでも出来る事じゃないよ」

一転して、彼の『正義感』を持ち上げ、褒め称える
本心はともかくとして、多感な少年の心の自尊心をくすぐるように・・・・

「私の名前は『熊野風鈴』っていうの。よろしく」

「それで、正義感の強いあなたに相談があるのだけれど・・・・・
 この街にいる、人を殺すかもしれない悪い『スタンド使い』の話・・・・
 ・・・・聞いてみる?」

993石枕希望『フィアット・ユースティティア:2022/08/02(火) 21:14:07
>>992
迷うことはない、躊躇うこともない。
そのようなものがいるのなら、住まう街に在るのなら。
そして、それと相対したのなら――逃げず、裁くことこそが、希望の望みである。

「興味が、あります。人を殺すかもしれないスタンド使い――それは、僕も含まっているのかも知れませんが……僕以外に、そういうものがいるのなら」

知らねばならない、出会わねばならない。場合によっては、戦わねばならない。

「教えてください」

……その時、希望は一つの非礼に気付き、頭を下げた。

「僕の名前は、石枕希望――僕が出会うべきそのスタンド使いを、教えてください」

994熊野『フォー・エヴァ・ロイヤル』:2022/08/02(火) 22:10:40
>>993

「石枕くん・・・・あなたのその言葉が聞きたかったの」

そう言うと、少年の耳元に口を近づけ、
囁くような声で『彼』の名前を言う

「その人の名は・・・・『宗像征爾』
 カーキ色の作業服を着た中年の男性で・・・右腕が『チェーンソー』になったスタンドの持ち主」

再び、くるりと距離を取る

「『鈴蘭の花を頭から生やした少女』がいるの
 その子もスタンド使いなんだけど・・・『宗像征爾』はその子を殺すために近づこうとしている
 まったく・・・・普通じゃないよね。
 大の大人が小さな子供を殺そうとするだなんて」

もっとも、そうするように嗾けたのは熊野自身なのだが

「私も止めたかったんだけど、
 とても背の高い男の人で、凄く強そうなスタンドを持ってたからどうしようもなかったの
 ・・・・あなたならどうする?」

995石枕希望『フィアット・ユースティティア』:2022/08/02(火) 22:49:25
>>994
「もし、僕が、宗像征爾という人に出会ったなら」

そのような人物と出逢ったならば。
するべきことは、ただ一つ。

「まずは、理由を問いかけます


石枕希望は――そういう風にしか、生きれない人間なのだから。
そして、それは、目の前でがなる輩よりも、遥かに優先すべき存在である。
敵であるか、悪であるか、それは会ってみないと解らない――しかし。

「その後は、僕の心(スタンド)が裁くままに……今日は、ありがとうございます。次、生きて会えた時、結果を言えることを祈っています」

そういって、希望はその場を歩み去る。

996熊野『フォー・エヴァ・ロイヤル』:2022/08/02(火) 23:03:50
>>995

「ええ、さようなら・・・・石枕くん」

少年と別れ、熊野はいずれ来たる『危険』の予兆に心震わせる
『りんちゃん』を取り巻く状況・・・石枕と宗像が互いに争い合うなら良し
彼らが誤解に気づき、怒り心頭に熊野を殺そうとするなら・・・・・なお良い

「面白くなってきた」

そう言いながら、熊野はこの場を去っていった


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