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【ミ】『アラバマに星落ちて』

1『朝山』:2020/07/24(金) 22:31:27
―――あなたの心の傷を星に変えなさい。
        『ロバート・H・シュルラー』

―――――――――――――――――――――――――――――

★ここは『朝山』がGMのミッションを行うスレです。

655御影憂『ナハトワハト』:2022/01/08(土) 08:01:15
>>653-654

         チラ…………

無言のまま、駆けつけたセララに視線を送る。
この場に彼女がいてくれたのは良かったのだろう。
もうじき事件は『終わる』のだから。

(これだから『素人』は………………)

カーテンのように垂れ下がる前髪の下から、
ピンシャーとサーロンを冷ややかに見つめる。
『情報戦』というのは、カードを切るタイミングが肝心なのだ。
何も考えずにベラベラ喋るだけでは、
相手に情報をタダでくれてやるのと同じ。
先走るのも大概にして欲しい。
だが、まぁ――――――『些細な問題』だ。

「ぷっ………………!」

マクナブの言葉を聞いた瞬間、何の前触れもなく、
不意に吹き出して笑い始める。

「ふふふ………………『鳥肌』………………!
 『鳥肌』だって………………!
 『犬』が『鳥肌』………………!!」

       ガシッ

           「ふふふふふっ………………!!」

笑いを堪えるかのように、
セララの両肩に手を置いて顔を伏せながら、
全身を小刻みに震わせる。
どうやら『ツボ』に入ってしまったようだ。
御影憂の『笑いのツボ』は、常人とはズレた所にあるらしい。

「………………『マクナブ伯爵夫人』………………」

ひとしきり笑ったのちにセララから離れ、
表情を引き締めてマクナブに向き直る。

「『一つ』………………
 『聞きたい事』があるんですけど………………」

「何も難しい事じゃあない………………」

「まぁ………………ほんの『確認』というか………………」

「『いいですよねぇ』………………?」

         スッ

有無を言わせない口調で呟き、
おもむろに『メモ』を取り出す。

「『手洗いで、こちらの車両に来る事は何度かあったけど、
 彼女の部屋に特別何か起きた様子は伺えなかったわ(>>557)』」

「『最後に此処の寝台車両の手洗いに立ち寄ったのは、8時50分程度よ(>>588)』」

「この『二つ』を総合すると………………
 『こういう事』になる………………」

656御影憂『ナハトワハト』:2022/01/08(土) 08:02:05
>>655

「『8時50分の時点』では………………
 『侯爵夫妻の部屋』には………………
 『何の異常も見られなかった』………………」

口に出してマクナブに確認しながら、
横目でピンシャーとサーロンを見やる。
ここまで説明してやれば、
この証言が明らかに『おかしい』のは、
二人にも分かるだろう。
それこそが、マクナブが犯した『致命的なミス』だ。

「 『 本 当 』 に ……………… 」

何故なら『8時45分』の時点で、
既にキャバリアは『死んでいた』のだから。

「 『 間 違 い な い 』 ……………… ? 」

その時間に部屋から抜け出したサーロンは、
同時に『死臭』を嗅いでいる。
現場とトイレは『隣同士(>>561)』だ。
向かいのトイレを使ったとしても、
かなり近い距離にあるのは変わらない。
サーロンは『戸を少し開けた(>>622)』と証言した。
『サーロンの後』に来たマクナブが、
『死臭に気付かなかった』訳がない。

「あれあれあれぇ………………?」

「ちょっと………………
 『困った事』になっちゃったんだけど………………」

「………………『知りたい』?」

マクナブが『過去の証言』を認めた事を確かめ、
『全員』の前で『言質』を取ってから、再び口を開く。

「『サーロン男爵』は………………
 『8時45分』に………………
 『侯爵夫妻の部屋』に近寄ってる………………」

「だよねぇ………………『男爵』………………?」

勿体ぶった口調で、サーロンに尋ねる。

「その時に………………
 男爵は『死臭』を嗅ぎ取った………………」

情報は、ただ集めるだけでは役に立たない。
本当に重要なのは、使えるものを『選ぶ事』だ。
真に意味があるのは『一点』のみであり、
そこから導き出される『結論』も『一つ』しかない。

「あんたの話じゃあ………………
 『何も異常はなかったはずの部屋』から………………」

   マクナブは――――――『嘘』をついている。

    「『犯人は既に自供している』………………」

             ス ゥ ッ

片腕を持ち上げ、人差し指をマクナブに向ける。

      「ただし………………『あんた』が」

657円谷 世良楽『リトル・スウィング』:2022/01/09(日) 00:13:23
>>653

「…………えーっ!? どういうことー!?
 あたしがどこかから手紙を見つけてきてー、
 だからあたしが犯人だってことー!?
 マクナブさん……ひどいなー。あたし見損ないました!
 そんな言い訳、小学校の放課後のあれ! えーっとえーっと。
 
      あ! 学級会、学級会! あれでも通じないですよー!」

濡れ衣を着せられてもセララは特に動じない。
きしたの時と違ってこれは絶対に違うし、
もしそういう事にされても、やっつければ済むからだ。

「マクナブシェパードって、すっごい頭いいはずなのにネーっ」

               「まーあたしの方が頭いいけど」

また、マクナブの述べた証拠自体が明らかに弱すぎる。
『手紙を見つけたから犯人の一味』などというのは、
端的に言えば『証拠品を見つけたから犯人』という事。

「まー、捕まえたいんだったら捕まえてみてもいーですけど。
 あたし、捕まるの嫌ですから、それだったら――――」

                ・・・無論、そんなわけはない。
                  
余裕の持ち方と丁寧な話術で誤魔化されているが、
『2×3は6だから6+2は3だ』みたいなレベルの話だ。
要素だけ抜き出すと繋がっているようで、筋道が無い。
攪乱と時間稼ぎをすれば十分、という事なのだろうし、
実際――――セララが今偶然持ってきただけならそうだろう。

      「って、わーっなになに!
       ウレイさんってばこわーい。あははは!」

急に肩にかかった力には驚いたが、笑い出した御影に同調するように笑う。
御影が『その気』という事は、もうピースは揃っているのだろう。

     「……ねえねえー! 聞いた聞いた?
      ぜーーったい、おっかしいですよねーっ。
      まさか『言い間違えました』なんて言わないだろーし」

「やっぱりウレイさんってすごーい、あたし全然気付いてなかったー!
 もーウレイさんが全部言ってくれてるんで、あたしそれでいいでーす。
 わるーい『指示』をした事とか、
 サンドイッチにドレッシングの事とか、言っても良いですけどー?」

御影以上の言葉は特に無い。
証拠品として有効な物も持っていない――――少なくとも今は。

「それでそれでーっ、次はどーします? 男爵さんが嘘つきだってことにする?」

そのように言いながら、『バラバラの手紙』を並び変えて、『繋ぎ直して』みる。

658『なぞなぞエクスプレス!』:2022/01/10(月) 21:26:55
>>655-657

御影の提示する、『問題点(攻撃)』を。
 その間に円谷は手紙の修復を試みる……とは言え、切り刻まれた手紙の文面を
元の通りに戻すのはジグソーパズルより少々難しい。時間はかかる。

御影の言葉に対し、マクナブ夫人は顔色変え……なかった。
落ち着いた微笑を変える事なく、抑揚をつけて返答する。

「それ『何か問題になるのかしら』? 男爵が45分に寄った
そして私は50分頃にトイレへ向かって、その時に異常を悟れなかった事が」

サーロン男爵「当たり前だろうが! だって、俺は確認したんだ死臭を!
そして、俺は怯えてトイレに入って。気を落ち着かせようとして
それでもってマクナブ夫人、あんたがトイレのほうに立ってるのを目撃して……」

マクナブ夫人「――『扉はしまってたわ』よ」

サーロン男爵「…………ぁん?」

マクナブ夫人は淀みない口調で告げる。

マクナブ「その時、侯爵夫妻の部屋……その扉は閉まってたわよ。
ねぇ、何処か不自然なのかしら? 私は男爵が言う異常があった5分後に
トイレへと此処の車両に入って、その途中で侯爵夫妻の扉も何気なく見て
完全に閉じてるのは確認した……ねぇ男爵、本当に扉は少し開けたままにしてたの?」

サーロン男爵「俺は……いや、俺は確かに少し開けて、そして、そのまま
……いや、俺は反射的に閉めてトイレに身を翻した……のか?」

ピンシャー「サーロン、狼狽えるな! もし、君が閉めてしまったのならミスだが
そうでないのなら、マクナブ夫人……貴方がショックでトイレに籠った彼の居ない隙に
夫人の部屋へ入り、死んだであろう夫人の首にナイフを刺して偽装工作を行い部屋から出た。
その工程で思わず侯爵夫妻の扉を完全に閉じたんじゃないか!?」

>>546 君達が現場を目撃した時は『扉はしまってた』
とは言え、その前に様子が変だったらしい きしたが夫妻の部屋に入った事もあり
扉が完全に締め切ってたか少し開いたか証明するのは難しい。仮に彼女を此処に呼んで
少し開いてたと言われても、犯人じゃないと逃れる為に嘘をついてるのでは? と
反論されれば説得力に欠ける……。ピンシャーは今までの情報を照らしあわして
毒か何かを盛られて既に死んでたであろうキャバリア夫人へナイフを刺して
死因を誤解させる為にマクナブ夫人が部屋に入る為に、サーロンとすれ違いで
入室したのであろうと指摘するが……。

マクナブ夫人「まったく、皆さん想像であれこれ語るのが
お好きねぇ……事もあろうに宮廷の名誉職を賜れる警護騎士ともあろうものが。
貴方達の言ってる事、全て推論の域に出ないじゃない。死臭の事についてだって
五分もすれば匂いが残ってたかどうかなんてわからない。扉が少し開いたままなら
私の証言は確かに不自然だろうけど、騎士男爵様が閉じたのなら私の証言は正しい。
 ――『物証』を出して見なさい。
このわたくしが、キャバリアの親友である私が彼女を本当に殺したのだと
断定する事が出来る目に見えてちゃんと理解出来る!
それでいて偽装不可能な証拠があると言うのならね!」

サーロン男爵「くそ……あんたが、あんたが犯人なんだ。あんたが……っ」

659『なぞなぞエクスプレス!』:2022/01/10(月) 21:29:27

サーロン男爵は、力なく吠え立て。それでいて自分がやった事が
事件の犯人を追い詰めるに至って説得力を欠けさせてしまう大きな過失と
なっている不甲斐なさに大きな憤りを己に感じて床をドンっと叩く。

  ――あははは これは何の騒ぎで?

そう、マクナブ夫人の発言で場の空気が更に悪化した時新たな風が入って来た。
 背後を振り向くと、ロニカと そして新たにこの犬人達の車両にマスターキーを
届けに入って来た旅行客を名乗る星空のような変な髪と瞳をした燕尾服らしい恰好の
女がやって来たのだ。彼女? の肩には真鍮小鳥がピチピチ鳴いている。

星の女「ちょっと向こうに居ると言うゾンビさん達の居る車両を見に行こうと
移動したら、貴方たちが騒いでる声が聞こえたんでね。
 皆さん、もう直ぐ下車の時間でしょう? 大丈夫ですか? そんな喧嘩か何か
知りませんけど込み入っていて」

アーカンソー男爵「あぁ、いや心配して貰って頂いて済まないが大丈夫だよ。
……皆さん、色々と聞かせて貰ったが。どうもこちらの異世界人の方達が
キャバリア夫人の殺害に関与したと言う可能性は、どうも薄いようだ。
とは言え、マクナブ夫人が侯爵夫人を殺したと言う容疑も証明出来ないようだし。
此処は一旦、下車をして我々の業務を全て終えてから夫人の事件について後々に
解決に勤しむにしても」

ピンシャー「それでは遅すぎる……っ 我々が元の世界に帰還する為に新たに切符で
汽車に乗るにしても場所は恐らく新たに改装されている! この事件は完全に
葬り去られてしまうでしょう」

必死のピンシャー警護騎士の声、マクナブ夫人は依然 穏やかな貴族らしい
この場に全く似つかわしくない微笑を崩さない。彼の言う通り事件が汽車を降りれば
真相が闇に葬られる狙いもあって、今回の凶行は起きている。

御影の指摘は確かに重い一撃を持ち、君達 異邦の乗客が犬人達の間で起きた事件に
無関係である心証を与えてるが、マクナブ夫人が犯人であると裏付けられない!

何かある筈だ……! この場に、彼女が犯人だと決定付ける何かが……!

660御影憂『ナハトワハト』:2022/01/14(金) 18:14:44
>>658-659
>>657

「セララ………………『便箋の模様』………………」

手紙に苦戦しているらしいセララに口添えする。
『ジグソーパズル』と同じだ。
『月と太陽の柄』を参考にして繋ぎ合わせた方が、
おそらくは早い。

「あんた………………今『いい顔』してる………………」

「『立ち直るの』………………早いんだ………………」

「『親友』を殺されて………………
 『参ってる』んじゃあなかった………………?」

           ス  ッ

マクナブに向けて、
無言のまま握った『サーベル』を振り上げる。
『実力行使』をするつもりか?
いや――――――『違う』。

   バ   ン   ッ   !   !   !   !   !

サーベルの先端を全力で『床』に叩きつける。

「ケリー侯爵………………」

「『スパニエル公爵』をここへ………………」

ケリーに命じて、『公爵』にご足労願う。
最終的な『判決』を下すのは、部外者の我々ではない。
どっちにしろ、ここにいてもらう必要がある。

「ピンシャー………………サーロン………………」

        ス ゥ ッ

「今すぐ………………『私』を………………
 『身体検査』して下さい………………」

立ち尽くす二人に、『自分自身』の『ボディチェック』を促す。
当然、何も出ない。
出る訳がない。
そんな事は分かっている。
何のためにやるのか今から教えてやる。

「『疑惑』があるなら『調べる』のが当然………………」

ピンシャーには『特権』がある。
それを使わせる。
マクナブ自身が言った事だ。

「私には『疑惑』がある………………。
 だから『調べてもらう』………………」

「あんたが賢いなら………………
 私が何を言いたいか分かるはず………………」

ここは列車の中。
従って、安全に証拠を隠す場所は『二ヶ所』しかない。
『部屋の中』か『自分で身に付ける』か。
セララが調べたところ、部屋の中にはなかった。
残る可能性は一つ。

「『私の番』が終わったら………………
 次は『あんたの番』………………」

引っ掛かっていた事がある。
サーロンが部屋に入らなかった事だ。
その時点で、
ナイフが刺さっていたかどうか分からなかった。
ナイフを刺すだけなら一分もあればできる。
毒か何か盛られたとして、まだ持っているかもしれない。
検査をしたというが、
ダズィがチョコを持ってたんだからアテにならない。
どこか他所から調達する事ならいくらでもできただろう。

「聞きたいんだけど………………」

小鳥ではなく、車掌に尋ねる。
もう一つ引っ掛かりがあった。
あの死体だ。
最初に見た時(>>549)から、どうも不自然だった。
刺されて死んだなら、突っ伏しているのが普通だろう。

「『天井裏』はどうなってる………………?」

「『三番』と『六番』の部屋の………………」

それが『第三の可能性』だ。

661円谷 世良楽『リトル・スウィング』:2022/01/16(日) 07:08:11
>>658-660

「あはーっ、なるほどなるほど、ウレイさんさっすが、頭いい〜っ。
 えーっと、それじゃあ……ここをこうして、こっちはこうでー!」

手紙を修復しながら、セララも考えていた。
つまり、まだ色々言ってる様子のマクナブに、
とどめを刺すための『証拠品』について……
もっとも、上手い答えは浮かばなかった、が。

        「……あ! ボディチェックするなら、
         あたしも『これ』出しときまーす」

      「これ! 捜査中に見つけたんですよー。
       『こんなの』普通は無いはずなのにネ」

そういえば、ダズィは『入手経路』に触れていたか?
単に『隠れて持ち込んだ』だけなのか?
それとも『食堂車』かどこかで手に入れたのか?

「あ! ねえねえ、そういえばなんですけどー。
 皆、そもそもこれって何か知ってます?
 『あたしたちの世界』ではお菓子なんだけどさーっ」

          「『これ』」

だが、チョコレートは犬には毒であり、
それは、その原料である『カカオ』が原因だ。
かつ、かなり高度な『加工食品』である以上、
犬の人々の世界では…………『生産』する必要が薄い。
そもそも『存在』しない食べ物であるはずだし、
するとしても、『食べ物』ではないはずだ。

ゆえに、『簡単に持ち込めるものでは無い』し、
『食堂車で入手』という発想も浮かび得ない。
また、あのシェフは『相談を受けていた(>>635)』。
それを、個人に対してこっそり渡すとも思えない。


「犬の人たちは食べちゃダメなんですよネ?
 『毒薬』になっちゃうから! すっごい美味しいのにもったいなーい」


『ダズィのチョコレート』を取り出す。
『それ』は……彼らの世界にも、もし存在するのであれば。

――『薬剤師』のマクナブだけが知り得る、『危険な薬品』のはずだ。

662『なぞなぞエクスプレス!』:2022/01/16(日) 15:40:18
>>660-661

御影は思案する。まず『死体の状況』の不自然さ
 どう考えても『刺殺ではありえない』
完全に椅子で睡眠薬で眠りこけてたとして、ナイフを刺されば激痛による反射で
椅子から倒れるなりの抵抗痕。もっとナイフの傷口が広かったり衣服が転倒で
皺なり何なり出来ても可笑しくない。
 それならばキャバリア夫人の直接の死因はナイフと言うより『毒』
人間の貴方たち二人には何ら普通の害のない食物に通ずる毒。円谷も御影に倣って
証拠になるであろう『チョコ』を差し出す。マクナブ夫人の顔は驚愕……にはならなかった。
だが、確かに想定の外だったのか片方の眉を上げて質問する。

マクナブ夫人「それは……確かに犬人族にとって毒になるわ。本来、私達の住まう
世界では死刑囚にしか使用されない物。そうよね? 皆さん」

カレロ子爵「それ、処刑の文献で見た事あるわよ。飲むと急激に心臓が動いて
不整脈なり震えが起きるって。けれど、そんなもの持ち込もうとしたら
絶対に気づく筈よ。汽車に乗り込む前に身体検査はしたし、手荷物も厳重に
宮廷の職員達が検分した。そんな独特の臭いがするもの、検査員たちの鼻を
誤魔化す事なんて出来ないわ」

円谷も推測通り、彼等の世界では処刑用の薬物……一般的な物では無い。
だがマクナブ夫人の反応からして、彼女が持ち込んだ可能性は薄い。

御影の鋭い一声で、スパニエル公爵、メイドのタイニー、そして今回の
キャバリア夫人の殺害の間接的な共謀犯と言えるダズィ。ガスコーニュも下車の
時間で廊下に出て、この騒ぎを興奮した様子で居たたまれない様子で同行をした
きしたと共に見物をしている。今回の事件の役者全員が揃った

>『天井裏』はどうなってる?

ピンシャー「天井、ですか? この汽車は天井は通常開かない造りですが……」

サーロン男爵「何だったら急ぎ足で侯爵夫妻の室内だけじゃなく全員の部屋の
天井を調べてやるぜぇ!」

天井裏、それはこの汽車は残念ながら開かない構造のようだ。サーロン男爵が
忙しなく動いて他の室内を駆け巡るが。駄目だ! 何処もかしこも開いたような
形跡も変な匂いもしねぇ! と舌を出して戻って来る。

 そして、身体検査。貴方がたが全く異なる種族であるとは言え
性別の概念もあるが故に、今回の容疑者候補からは外れる公爵と其のメイドが
貴方達、そしてマクナブを別室に一度移り身体検査をする。
 当たり前だが、貴方達の衣服の何処にも黒い要素は無い。喧嘩にならないよう
気を遣ってメイドがマクナブ夫人の身体検査を別室で行ってくれた。

スパニエル公爵「おや? お二人とも『切符』を所持してないのですね。
…………なるほど、この汽車で色々騒ぎをしていると言う双子と言う名乗る者にですが。
その事、こちらだけの内密にしておきましょう。
『切符を所持しない違法乗車の為、誰かの切符を奪う為に侯爵夫人を狙った』
……そう言う動機も挙げられるのでね。
 貴方たちの状況が大変なのは承知しましたし、聞かせて頂いた話を統合するに
マクナブ伯爵夫人の容疑が強い事も理解しました。ですが」

肝心の証拠が無い以上、私が彼女に対し宣告は出来ません。
難しい顔でスパニエル公爵は、この件で貴方たちに不利な立ち回りもしないが
サポートも出来ない事を告げる。

663『なぞなぞエクスプレス!』:2022/01/16(日) 16:41:58
>>662続き(ラストチャンス)

身体検査を終えて、貴方達はピンシャーの部屋に集う。
丁度、その時に汽笛の音と『真鍮小鳥』が囀った。

――キィィ―――zノィイッ プシューッ! ポォ―ッ!

真鍮小鳥『基本世界43990! 基本世界43990ー!
停車時間10分! 停車時間10分! またのご利用をお待ちしております
ピーチチィッ!』

参考画像→ttps://livedoor.blogimg.jp/chiebukuronews/imgs/6/c/6c10fe92.jpg

 ガタガタ ザワザワ

『下車』の時間が来た……! それと共に旅客車両と食堂車両で
準備をしてた犬人達が扉を開けて降りて行く。車窓から、やはり異世界らしい
谷のように日本の古い屋敷めいた造りの住居が犇めき合って構成された景色。
人影は風景が混雑してるので視認が難しいが……今はとくに追求する事では無い。

ダズィ「……はい、その毒 『チョコ』は私がさりげなく注文したものです。
私が死人を乱入させて注意が疎かになった時に、鹿肉にチョコを包んで。
と言う形で入手させて頂きました。そして私が事前に用意してた強みのある
薬草に其の毒を包み、隙あらば、侯爵夫妻に。若しくはこの計画が露見され
処刑されるならば、その前に自決をするのも止むを得ない……と。
 毒の情報については、カレロ子爵と同じく貴族の備える書物を通して知り
シェフとも色々話をして入手出来るだろうと解り。
 で、ですが私は夫人の殺害に直接の関与はしてないのですっ
 それだけは、亡き幼馴染に誓って言えます」

ピンシャー「君は君自身の罪状を素直に告げてくれた。ケリー侯爵
この場では怒りを抑えて欲しい。……元はと言えば、貴方が浮気をして
件のメイドを解雇したのが発端なんですよ。
 ……真鍮小鳥さん、ダズィの『オーダーを読み上げる事は出来ますか?』」

真鍮小鳥「ピーチチ……鹿肉の燻製 鹿肉のチョコ包み……ピーチチ」

ピンシャー「間違いないようですね」

真鍮小鳥は料理の履歴を読み上げてくれた。ダズィの証言は確かだ

― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―

>あんた今『いい顔』してる
 『立ち直るの』早いんだ

マクナブ夫人「えぇ、そうよ。何時までも失意に駆られてる訳にはいかないわ
夫が死んで、お腹の子供も居なくなって絶望した時にキャバリアはこう言ったわ。
『彼等の分まで生きるのが貴方の使命なのよ』……ってね。
だから、私は昔も今も、そしてこれからも。キャバリアの分まで生きるのよ!」

不敵な笑みで、御影の言葉に返す。その目には轟轟と光が灯ってる。
その瞳の生気ある光が、何を指しての光か……本当にそう思って喋ってるかは未知数だ。

マクナブ夫人「さぁ、この無意味な取り調べは終わりかしら?
公爵、もう宜しいですわよね? 皆さんも?
 全員荷造りをして忘れ物が無いか確認しないと、迎えに来てくれるであろう
方達に送る贈呈品が無かったら我々貴族の恥じですわよ」

アーカンソー男爵「うぅん……どうするかね? 皆さん
マクナブ夫人の言う事も、もっともですが」

スパニエル公爵「現状、確かにマクナブ夫人の言う通りですね。
こちらの異邦人の方達の容疑は。サーロン男爵が告白した事で
そもそも死亡時間が、彼女たちの手では困難であると証明されている。
 ならば、キャバリア夫人の容疑は我々の中か全く別の外部の犯行である
可能性も無きしも非ずでしょう」

少なくとも、君達の容疑は『晴れた』 この場で強硬手段で貴方達を
同胞殺しだと物理的に排除する者は皆無。彼等の大部分は君達でなく
彼女が犯人であるのだろうと推測を立ててるが『証拠が薄い』
 汽車を一度降りれば、伯爵夫人を二度と追及する事は出来ない。
恐らく、サーロンやピンシャーが今後一生をかけて伯爵夫人の周りを
嗅ぎまわっても、今回の事件は迷宮入りだ。

真鍮小鳥『ピーチチッ ピーチチッ 下車時間 残り5分
お忘れ物のないように、気を付けて降車してくださいー ピーチチッ』

真鍮小鳥がタイムリミットを囀る……。

664御影憂『ナハトワハト』:2022/01/17(月) 23:03:00
>>661-663

『チョコレートの出所』を指摘したセララの着眼点は、
御影から見ても鋭いものだった。
だが、これも犯人の断定に至る線とはならなかったようだ。
御影個人としては、キャバリアが死んだ事も、
マクナブが殺した事も、実際どうでもいいのだ。
ただ、事件を解決しなければ『双子』を大人しくさせられず、
『元の世界』に帰れない。
だからこそ、今は『解決』のためだけに頭を回す。

「………………『頑張って』………………」

           ボソッ

横目で『セララの作業』を見守る。
目の前のマクナブは、
さも自分が有利であるかのように喋っているが、
『手紙』はこちらにあるのだ。
それが完成すれば『証拠』になる。
問題はペースだ。
今のままでは全員が列車から降りる方が早い。

(間に合わない………………)

他にも『証拠に成り得る情報』はあった。
それを今まで言わなかったのは『セララの行動』が理由だ。
『セララに悪気があった』とは言わない。
彼女が『空気の読める人物』であり、
決して馬鹿ではない事は知っている。
おそらく何か理由があったのだろうと思う。
ただ、セララの取った行動は、
結果的に『御影の意図』に反していた。
『ここに手紙を持ってきた』という事だ。

(『便箋の柄』さえ使えていれば………………)

事前に『便箋の事は秘密にする(>>633)』と明言してあった。
それは『犯人を追い詰める手段』にするためだ。
『堂々と持ってきては都合が悪い』事は、
十分に伝わるはずだと思っていたが、
今更どうこう言っても仕方がない。

                 (………………『手紙』)

  「――――――セララ………………」

      「『犬』って………………」

           「『近視』だったっけ………………?」

  ダ   ッ   !   !

何を思ったか、突然『ピンシャーの部屋』を飛び出し、
真っ直ぐ『現場』に走る。
この場にいる誰がどう見ても、
『手紙』という『絶対的な証拠』が存在する。
しかし、『完成』を待つだけの時間がない。
それなら『考えられる手』は『これ』だけだろう。
一見すると『馬鹿げた可能性』のように思えるが、
『そういう事例』は実際に存在する。

            バ ッ

『デスクの天板』に顔を近付け、『表面』に視線を走らせる。
『アーカンソーのペン先』は、
『剣よりも砕けにくい(>>562)』という評判を持つ。
要するに、かなり『硬い』訳だ。

現実の話として、机に『跡』が残るのは、
決して珍しい事じゃない。
『筆記具の硬度』以外にも、『筆圧』が強かったり、
『家具の素材』が柔らかい時などに、
そういった現象は起こり得る。
もし、それらの『条件』が噛み合わさっていれば、
より『鮮明』に『写し取られる』事になるだろう。

つまり――――『内容』が『筆跡』として『天板』に『残る』。
『ボールペン』ですら残る場合があるのだ。
『ペン先』の硬い『万年筆』なら尚更だ。
また、『犬人』は『近視(>>577)』であり、『視力』が良くない。
『デスクに残った筆跡』に気付かなかったとしても、
何ら不思議はない。

665円谷 世良楽『リトル・スウィング』:2022/01/19(水) 01:45:44
>>663
>>664

作戦の前提は共有していたはずなのに、
なぜセララは見つけたこれをここに持って来たのか?

――――その理由は今となっては分からない。
セララの何かの気まぐれかもしれないし、
何かその時は思いついていたのかもしれない。
または単に忘れて持って来たのかもしれない……

「どーしよどーしよ、ウレイさんごめーん!
 これ、ちょっと間に合わないかもでーす!
 あたし、こういうのって得意じゃないのかもー」

       「ってあれあれ、どこ行くのーっ!?
        ワンちゃんも犬の人も目は悪いらしいけど、
        ウレイさんってばまた賢い事思いついちゃったー!?」

だが、今は『復元』に全力を注ぐセララだけが現実だ。

「えーっ、もーっ。そーゆーことなんですかーっ!?
 シェフの人もひどーい、ややこしいことしちゃってー!
 でもまあいいや。しょーがないもんネ。ダズィさん話してくれてありがと。
 侯爵さん、しっかりジョージョーシャクリョウしたげてくださーい」

犬にチョコが毒というのは、犬を飼う人間社会と、
当事者たる犬人社会以外では常識ではない筈だ。
それを注文された以上、シェフに非は無いだろう。

そして――カウントダウンはもはや、一時も残されていない。

「うーんうーん、どーしよーっ。あともう一個なんかないかなー!?
 
  キシタサン
 知り合いが悪くないならー、別に解決しなくてもいいんですケド、
 ここまで来たんだもんね! ちゃんと悪い人がやっつけられてほしーっ」

セララとしては未来を奪う殺人は許せないが、
極端な話、解決すべき理由はもはや失われている。
解決しないのはいやだ、というくらいだ。
セララには十分な動機だが、一生こだわるほどでもない。

「あとあたし何持ってたっけなーっ。
 わーっでもでも先に手紙直しちゃわないとだし、困っちゃいますよー!」

実際問題セララが手に入れた品はもう他には無い。

あるとしても、それはなにかセララの意識の外にあるものだったり、
答えを知らないと正しく逆算できないような『何か』なのだろう。
チョコレート以外で明確に何かを拾ったという覚えもない――手詰まりだ。

「チョコじゃなかったら玉ねぎとかー、ねえねえ、ドレッシングは!?
 マクナブさんが頼んだ『人参ドレッシング』のことって、きみ、分かりますかーっ?」

『マクナブがキャバリアに毒を飲ませた』。

それはほぼ確定だとすれば――ありえる線、不審な要素は後はそこだ。
ダズィがしたように……『妙な注文』をした可能性は有り得る。
後は薬の飲み合わせや禁忌などは有り得るが、そんな物は知りようがない。
仮にそこに秘密があるとすれば、本当にお手上げという事になる。

         ・・・ほとんど賭けだ。外れても拘らない。
            だがだからこそ、負けないのでなく『勝ちを諦めない』。

666『なぞなぞエクスプレス!』:2022/01/19(水) 09:47:03
>>664-665

少なくとも、君達二人……いや、きしたやロニカ含め四人の潔白は
ほぼ証明されている。それでも『解決』に奮闘するのは、後味の悪い物を
残したくない事と、元の世界へ帰還する為の鍵を手に入れる為だ。

>ダ   ッ   !   !

きした「ウレイさんっ!?」

マクナブ伯爵夫人「ホホホホッ! 何も言い返せないからって逃げるつもり!」

ピンシャー「いえ……あの方は賢い、考えあっての行動です。すぐ戻ってきます」

幾つかの声に見送られ、御影は走る、走る! 目指すは侯爵夫妻の部屋。
遺体であるキャバリア夫人は、他の者が汽車に置いたままでは祖国の墓に
埋める事も出来ないと他の犬人達が遺体を袋に収納して旅客車両へ運ぶのを
視認しつつ御影は『天板』へと辿り着く。 見る……見る……目を凝らす。

 
 ……『あった』! ――手紙の内容は……


 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―

マクナブ伯爵夫人「あの女性が何を探してるのか知らないけど
もうそろそろ下車の時間よ。公爵を、こんな無駄な時間に付き合わせては
あちらの世界に恥を残す事になりますわ」

スパニエル公爵「……ふむ、そうですね。確かに、もう時間切れでしょうか」

マクナブ伯爵夫人は、冷ややかな微笑みを向けて残る貴族達へ促す。
 困惑が満ちる空気だが、大事な職務を考えれば立ち往生している暇は確かに無い。
警護騎士二匹が口惜しそうに拳を震わせ、部屋から廊下へ去ろうとする彼女を
睨みつけるようにして、その背を見送る。そんな射貫くような視線も
意に介さず、彼女は風を切るように堂々と室内を出ようとし――。

カツ カツ カツ カツ カツ カツ カツ カツ……

> ――玉ねぎとかー、ねえねえ、ドレッシングは!?
 マクナブさんが頼んだ『人参ドレッシング』のことって
 きみ、分かりますかーっ?

      …………ピタ

『円谷』の放った一声が、足の音を止めた。そして真鍮小鳥が囀る

『ピーチチッ 人参 ドレッシング
成分 人参 オリーブオイル 醤油 酢 砂糖 みりん』

 「まっ――!」

        『――たまねぎ』

667『なぞなぞエクスプレス!』:2022/01/19(水) 10:23:51
>>666続き

   ――ドンッッッ゛!!!!

まず、その『鬨の声』に対し行動したのは『ロニカ』だった。
 彼は地響きがしそうな程に震脚の一足を廊下と室内の縁で放ち
マクナブ伯爵夫人が部屋から出ようとするのを牽制する。

ピンシャー「……お聞かせ願えませんでしょうか、マクナブ伯爵夫人。
――何故、貴方の頼んだドレッシングには。
 我々の世界では、防虫避けの薬品として使用する以外では決して
触れる事すら禁止されている『毒物』の『たまねぎ』が混じってるのです?
 しかも、我々は貴方がそれをキャバリア夫人の料理へ少なくない量は
掛けていたのを目撃しているのです」

静かながら、有無を言わせない迫力の尋問。
 それに明らかに強張った顔をマクナブ伯爵夫人は浮かべる。
……が、彼女の潜在的な怪物性と言うか殺人鬼としての胆力だろうが。
 その緊張した表情筋を無理くり、せせら笑いと言った形に変えると告げる。

マクナブ伯爵夫人「っこ、これは何かの間違いよ!
そ、そうっ! 料理のオーダーで確かに私はドレッシングを頼んだけど
成分まで細かくシェフには告げなかったわ! なら、私がドレッシングを
料理にかけずにキャバリアに善意で掛けて彼女が食べたのは不幸な事故よ!
 それにキャバリアの死因は刺殺だったのではなくて!?」

ある種、上手い言い訳だったかも知れない。だが、それに意外な所から
弁論を封殺する刺客が現れる。それは真鍮小鳥の止まり木として面白そうに
眺めてる星空を髪と瞳に携える謎の旅行客からであった。

星の女「ははぁ、なる程。となると、貴方はこの汽車で『自殺』しようと
思っていたのですね。あははは」

マクナブ伯爵夫人「ぇ……え……?」

星の女「この場所での料理のオーダーはですね。
『心から本人が望む料理』しか出さない仕組みになってるのですよ。
ですから、貴方の言葉通りですと自分で毒を希望して料理に添えた事になるんです」

マクナブ伯爵夫人「なっぁ゛――!!?」

サーロン男爵「あんた……さっき言ってたよなぁ、あの女(御影)の言葉によぉ。
>>663『私は昔も今も、そしてこれからも。キャバリアの分まで生きるのよ』って。
可笑しいよなぁ、おい! 自殺なんぞ考えるような奴の言葉じゃねぇよなぁ!!
自分で使用する為に頼んだ料理じゃないってんなら!!
 ――あんたはキャバリア夫人に最初っから使う為に人参ドレッシングを注文したんだ!」

ピンシャー「……たまねぎ……カレロ子爵、貴方の家系は確か死刑執行人が
幾らか居ましたね。たまねぎを使用した死刑などで、症状に心当たりは?」

カレロ子爵「え、えっと。確か、今では黒甘味(チョコ)での死刑が主流だけど
昔の葱を扱った死刑では、何十分か摂取した死刑囚は眩暈に吐き気
それに……鼻血か止まらなくなったり等、普通なら直ぐ止まる傷からも簡単に出血……」

ピンシャー「つまり、玉ねぎを摂取すれば。意識混濁となり、その状態で
ナイフで刺せば、死んで暫くも出血が止まらない状態に至れる訳だ。
 ……マクナブ伯爵夫人。薬学に通じ、全員のアリバイを顧みれば
――貴方が人参ドレッシングをかけた事が何よりの犯人の決め手となる!」


マクナブ伯爵夫人「……ぁ……が……わ……」

 
 過る 走馬灯

 トマト農園  首縄   伯爵

 汽車  子供の死人  侯爵

  ドレッシング   クロミカム   

     ――椅子に凭れかかり舌を出し死にかけてる我が親   ゆ……


マクナブ伯爵夫人「……ァ……アッ」



 ――アァァァオオォォォォオオオオヲヲヲヲヲッッッンッッ゛!!!



……丁度、御影が手紙を読み終え室内に戻ると共に。

マクナブの、絶望 慟哭 幾多の筆舌し難い感情が搔き混ぜられた咆哮が
汽車の一室へ鋭い遠吠えが一度響き渡ったのであった……。

668『なぞなぞエクスプレス!』:2022/01/19(水) 11:12:39
>>667続き

……切っ掛けは、そう……あの蒸し暑い夏の収穫時期だった。

えぇ、そうよ。スムース……我が愛しき主人。あの頃は子供も出来て
何一つ先行きに暗闇など無いと思っていた。
 ……まさか、魔の手が親友と言う名の形として忍び込んでいるなど
思いもよらなかった。
 農園で突如として起きたトマトの異常変化。
普段通りの薬散布を行ってたのに関わらず、半数近くが熟さなかった。
我々犬人族はね、完熟したトマトは問題なく摂取出来るけど熟してないものは
毒になるのよ。出荷前に見分けが付いたんではって?
 ……フッ 犬人族に酷な事を言うわね。我々は先天的に『赤色盲』に近い眼を
しているの。貴方達の言う、明らかな緑とか赤を判別出来たら、あんな事が
起きる前に取返しが付いたのでしょうね……。

事件は発生した。そう、食中毒事件。
 大多数の者が病棟へ担ぎ込まれ、体力の弱い老犬の方達の中には
死人も少なからず出た。多くの料亭を経営する事で領地を切り盛りしていた
スムースは領主としての責任を果たす為に散財し、多くの民衆に石を
投げられながらも謝罪し回った。そんなに必死に汚名を濯ぐ為に動いても
心無い誹謗中傷と多くのハゲタカのように搾取する者達の責めを受け
そして、そして最期は……。

私は夫の死で流産し、死の淵を彷徨った。本当なら、そこで私は麻酔が
切れた頃にでも病棟から飛び降りたでしょう。けど……あの子が
あの親友と言う名の形をした悪魔が呟いた言葉で私は目覚めた……!
 朧気な意識の中で、霞む景色の中で花を活けつつ申し訳なさそうに
こう呟いた、あの女の声を……!!!

 『……御免ね、マクナブ……ちょっと、栓を軽く弄っただけだった。
けれど……あんな事になるなんて』



ケリー侯爵「っ……ま、まさかっ……キャバリアが……っ!?」

独白を全員が聞いてた。そこで、堪らずケリー侯爵は口を震わせ
衝撃の事実に口を挟む。
 マクナブ夫人は狂犬のように血走った目で叫んだ。


 ――えぇ、そうよ! あの女は元の領地である事を知ったが故に
成長を促成する薬散布の機器を止めたのよっ!!
 ……その瞬間、私は『蘇った』!
この女は決して生かしなどしない。そして、只では死なせないっ。
スムースが死んだ領地の場所でも、自身の領地で眠らせもしない!
絶対に、あの女を自身の故郷たる世界で命運を尽きさせなどはしない!!
 昏い何処ぞとも知れない孤独の中で息の根を止めてやると私は私に誓った……!!


マクナブ伯爵夫人「ふ……フフッ、あとは皆さん知っての通りよ。
必死に、あの娘の喉笛に喰らい付きたい気持ちを押し殺しつつ
ずっと数年間、親友のままの関係を続け。ずっと、以前より聞き及んでいた
この汽車での情報を吟味して計画を練っていた。その一旦で、ダズィに
指令状を送ったのも私に間違いないわよ。
 ……けど、全く上手くいかなかったわ。
思わぬ所で、貴方たちの邪魔が入った。
 本当ならばキャバリアをナイフで刺し、その数分後にはケリー侯爵。
そうよ、貴方が犯人となる筈だった。……侯爵も、キャバリアと言う名の悪魔に
愛を与え、そしてスムースが賜る筈だった栄誉も結果的に奪った事が許し難かった」

そう告げ、彼女は諦観の笑い声を上げ続ける。
 そんな哀れな殺犬鬼に対し、ピンシャーは皆が気になる最後の質問をする。

「あと、もう一つ……何故、貴方は手紙を奪ったのですか?
それはサーロンに対する警告の文面などであれば貴方には都合が良かったのでは」

マクナブ伯爵夫人「ふん、手紙なんて『読んでないわ』
……あの子が、私から全てを奪い取ったあの子が栄光の中を生き続け
最後の最後でナイフで止めを刺した時でも誰に対するものか知らないけれど
何かを遺すって事が気に喰わなかったのよ。だから取って切り刻んでやった。
 まぁ、貴方達の捜査を攪乱するって意味合いもあったけどね。
公爵宛てか、アーカンソー男爵の散財かカレロ子爵に対する恨み言か
サーロンに対する警告文か知らないけれど、今となってはどうでもいいわよ」

そう意地悪く笑うマクナブ伯爵夫人に……御影は、最後の『一刺し」を与えるだろう。

669『なぞなぞエクスプレス!』:2022/01/19(水) 11:41:12
>>668(このレスより、返信レスを各PCお願いします)

 ――『御影』は、『天板』から読み上げた筆跡は、このように書かれていた。

『 スパニエル公爵
直々の異世界大使後任の命、まことに有難うございます。
 しかしながら、その勅命。訳あって断らせて頂きたいと思うのです。
――私は、以前 過去に罪を犯しました。
その罪とは我が親友 マクナブに対するもので御座います。
かつて、彼女と彼女の亡き夫である伯爵の農園に対して私は良かれと思って
栓を豪快に回して薬品を散布したのです。手前勝手な付け焼刃の知識で
幼馴染の二人の名産品に甘味が更に増えれば良いと考えて。
 結果、それは恐ろしい悲劇となりました。今も私は彼女に対し真実を
打ち明ける事が出来ないのです。敬愛すべし公爵様であるからこそ、この事は
墓にまで持っていただけると考えて筆を走らせています。
 この公務が終えた後、私は侯爵夫人としての位を捨てて修道院に入るなり
自身の罪に向き合っていきたいと思っています。それで許されなどしないけれど

後任は是非、マクナブ伯爵夫人にして頂きたい。彼女に対し、この事が
罪滅ぼしになるなど、とてもではないですか、それでも私から出来る事は
この程度しか無いのです。
 何時かの日に、私は親友と約束しました。別の広い世界を渡り歩いて
三人でお茶をしましょうと。その約束は、もう果たせませんが
それでも、私は親友のこれからの多くの迎える祝福を願っています。

P.S.男爵騎士など彼女に似合うでしょうか?    キャバリア侯爵夫人』


マクナブ伯爵夫人「…………ハッ  何よ、それ」

御影が天板に残る字を読み上げると共に、彼女は背を向けて車窓から見える
未知なる別の世界の光景のほうに体を向ける。

マクナブ伯爵夫人「もう、何もかも 手遅れだって言うのに あの娘は……本当」

  「――本当っ  ……馬鹿な子よね……っ゛」

 嗚咽交じりの、肩と背中を震わせ夫人は最後にそう呟くのみであった。

― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―


 ざわざわ  ガヤガヤ

犬人達が荷物を置いて汽車から降りる、出迎えらしい何やら
お面をつけた和装の一段がパレードを引っ提げて遠方より来る。

星の女「あはは 車掌に頼んで、ほんの少しだけ停車時間を
伸ばして貰います。いえいえ、面白いものを見させて頂いた ほんのお礼です」

不思議な旅行客? は、車掌と何らかのコネがあるのか
少しだけ汽車が再び動き出すのを待ってくれるようだ。

御影、円谷は汽車が再び動き出す前に他の犬人達に別れを告げるなり何なり
悔いのないよう行動するべきだろう。
 無論、大戦果を果たした君達に対して、あっちのほうがあっさりと別れを
済ます事も無いだろうが……。

670御影憂『ナハトワハト』:2022/01/20(木) 00:15:16
>>666-669

天板の文字を読み終わり、顔を上げる。
『ケリ』はついた。
想定よりも長く掛かってしまったが、これで『終わり』だ。

「あんたは………………
 あんたが思ってるほど賢くなかった………………」

「『私達』は………………
 あんたが思ってるほど馬鹿じゃあない………………」

キャバリアにもマクナブにも同情はしない。
『すれ違いが招いた悲劇』などと表現する者も、
この中にはいるかもしれない。
だが、御影にとっては『通過点』に過ぎない。
馬鹿な奴が馬鹿な事をして馬鹿な奴に殺された。
要約すると、そういう事だ。
ただ、この場に居合わせた者達の心に、
大きな『教訓』を残しただろう。
御影から見ても、それは全くの無意味ではない。

「これは『独り言』………………」

「『犯人』は………………
 『手紙を処分しなかった』………………。
 トイレにでも流せば良かったのに………………」

「おそらく………………
 心の何処かに『迷い』があった………………。
 無意識の内に………………
 そういう『心理』が働いた………………」

「『誰かさん』は認めたがらないだろうけど………………」

『独り言』を終え、マクナブに背を向けて部屋を出る。

671御影憂『ナハトワハト』:2022/01/20(木) 00:20:09
>>670

「………………『これ』………………返す………………」

        ――――――チャキッ

別れ際、サーロン男爵に『サーベル』を渡す。
その鞘には、『白い布切れ』が巻き付けてあった。
戦闘中に引き裂いた『ワンピースの切れ端(>>623)』だ。

「この列車で………………
 あんたは一度『死んだ』………………」

「これからは………………
 『生まれ変わった気持ち』でやり直せば………………?」

御影としては非常に不本意な事だが、
彼に対しては奇妙な『親近感』を覚える部分があった。
目的のために『他人の情報』を探っていたからか。
自分も日頃から同じような事をやっている。
そこにシンパシーを感じたせいだろう。
『心理学』でいう『同化』というやつだ。

「私は………………『御影憂』………………」

「………………二度と会わないと思うけど………………」

「ま………………『お元気』で………………」

諭すような台詞を吐きながら、
御影の方は『生まれ変わる気』は更々ないのだが。
何故なら、既に『生まれ変わっている』からだ。
幼少期、『アリーナ』と『エクリプス』の戦争に巻き込まれ、
『御影憂』は一度死んだ。

「閣下………………
 『サーロン男爵の件』ですが………………」

「彼は………………
 此度の『事件解決』に尽力しました………………」

「その『功績』を鑑みて………………
 『順当』に取り計らって頂けるよう………………
 お願い申し上げます………………」

「もし『恩赦』を頂けるなら………………」

「閣下は………………
 『真の忠誠』を持った部下を………………
 手にする事にもなりましょう………………」

実際にどういう処遇になるかは公爵が判断する事だが、
『サーロンを擁護する』という取り決めをしていた。
その契約に従い、公爵に頭を下げる。
一応根っからのクズではないし、更生の余地はあるだろう。
むしろ『スタンド能力』を持つ者を、
野放しにする方が危険かもしれない。
公爵がサーロン男爵を許すなら、
公爵は男爵にとっての『恩人』となり、
今度こそ『本当の忠誠心』で仕える気にもなるだろう。

「アーカンソー男爵………………」

「時間があったら………………
 『ゲーム』してみたかった………………」

「まぁ………………『私が勝つ』と思うけど………………」

ギャンブルにのめり込んで金が足りなくなるくらいだ。
勝負師として優れているなら、むしろ金は余る。
そうでないという事は『負けが込んでいる』と推測できた。

「一つ………………『お願い』があります………………」

「良かったら………………『それ』………………」

           スゥッ

「譲ってくれない………………?」

アーカンソーの『万年筆』を指差す。
ただの『気まぐれ』だ。
別に断られても構わない。

672御影憂『ナハトワハト』:2022/01/20(木) 00:31:18
>>671

「………………この『貸し』は大きい………………」

「もう『返す機会』はないだろうから………………
 別にいいけど………………」

「『お勤め』………………ご苦労様………………」

アーカンソーから離れ、ピンシャーに呼び掛ける。
最後は色々と先走られて計算を狂わされた。
『経験が浅い』というサーロンの評価も、
あながちデタラメではなかったようだ。
だが、戦闘では助けられたし、調査でも役に立った。
それで『帳消し』だ。

「最後に聞いていい………………?」

「その『チョーカー』のマーク………………
 どういう意味………………?」

ふと、初めて顔を合わせた時の事(>>546)を思い出した。
今となってはどうでもいい事かもしれないが、
再び会う機会もない。
疑問を残すのも後味が悪かろうという事だ。

>>(セララ)

「――――――『お疲れ』………………」

           ボソリ

                …………ポン

労いの言葉と共に、セララの頭に片手を置く。
一人では得られなかったであろう結果だ。
御影にとって『円谷世良楽』は『利用すべき対象』。
今は味方だが、必要ならば『切る』事も厭わない。
同時に、この瞬間を共有する唯一の相手でもある。

「『お腹』………………空かない………………?」

         ボソッ

「ちょっと………………『食堂車』に寄るとか………………」

「………………どう?」

前に行った時は『双子』に荒らされていたが、
そろそろ復旧しているかもしれない。
散々働かされてエネルギーを消費したし、
一息入れたかった。
この傍迷惑な世界とも、そろそろ『お別れ』だろうし。

「『毛布』をもらってから………………」

まずは、それを確保しなければならない。
事件を解決したのは全て『このため』。
おそらく車掌辺りが用意するのだろうか。

673円谷 世良楽『リトル・スウィング』:2022/01/22(土) 09:40:22
>>666-669
>>670-672

「……ほんとにー!? えーっ、あたしスゴくないですかー!?
 やっぱり、日頃の行いが良いからなのかなー!」
 
「いやー、ウレイさんとあたしのお陰で、一件落着ですネ。
 ピンシャーさんもー、ずっと手伝ってくれてすっごい助かりました!」 

               「あとあと、サーロン男爵さんとー、
                アーカンソー男爵さんとー、
                えーっと、公爵さんと、小鳥さんもだ!」

これで事件は終わった。
別に犬の人々に友達がいるわけでもないし、
セララの中でも――――もう、こだわる理由はない。

「死んじゃった人はかわいそーだし……
 殺したりするのは絶対よくないと思いますけど、
 生きてるヒトは、きっとこれからいい事ありますよ!
 セララちゃんと会う事はもうないかもですけど、
 頑張って生きちゃってくださーい。ファイト、ファイト!」

「それじゃあ、またネ。お仕事頑張って! ばいばーい」

だからセララはあっさり済ませる。
また会うなら、その時にまた話せばいい。
会わないなら、それはもうセララの人生の外の話だ。

「あはは! あたしの頭、大活躍でしたーっ。
 でもでも、ウレイさんの方がお疲れじゃないんですかー?
 やっぱりウレイさんってすごいですよ。
 頭いいし、度胸あるしー。あたし、尊敬しちゃいまーす」

頭に乗った手ごと顔を上げて、御影を見上げる。

「あはーっ、ほんとだ、あたしもお腹空いちゃいました!
 玉ねぎの話したしさ、オニオングラタンスープとか飲みたいよねーっ。
 ウレイさんは玉ねぎ好き? あたしは好き! 煮ても焼いても美味しいもん」

              「犬の人たちは食べられないの、もったいなーい」

674『なぞなぞエクスプレス!』:2022/01/24(月) 14:22:15
>>670-673

星の女「少しの間なら、降りて問題ないかと思いますよ。別れの挨拶も
旅行の風情と言いますからね」

そんな謎の旅行客の言葉を受け、『御影』『円谷』は一度汽車から降りて
雑談なりしている犬人達の中で貴族達を探す。

スパニエル公爵から傅いて何か話を聞いてる二匹の警護騎士が居る。
振り返ったピンシャーとサーロン。御影はサーベルを差し出し返却しようとする。

サーロン「……へッ 『いいぜ、くれてやる』
ま、格好つけて言ってるが。どっちにせよ、今しがた『降格』が決まったんだ。
宮廷で色々と他の奴らの粗探しをしてたし、それ以前の此処まで昇格するまでの
色々な悪事も判明しちまったしな。……そのサーベルも元の世界へと
帰還したら没収されちまうし……それなら、旅の道中で共闘した異邦の奴に
友好の証として渡したってほうが、まだ体裁は良いのさ」

サーロン「……俺はこんなんで出世を諦めた訳じゃねぇぜ?
俺の血には半分、高潔な狼の血が引いてんだ。一からまたスタート地点だが
必ず返り咲いて見せるさ。警護騎士なんぞより更にでかい存在に、な」

サーロンは御影に『サーベル』を贈呈するようだ……。

ピンシャー「異邦の世界の方達である、御影さん、円谷さん……この度の
数々の手助け、本当にどう礼を述べていいか。
 自分だけでは間違いなく、今回の事件を解決させる事は出来なかった。
……私なりに、差し上げられるものを考えて。円谷さん
貴方には、こちらの私の予備の『シャツ』を宜しければ。
まだ一度も身に着けた事のない新品ですので御安心を。それに、そのシャツは
暖かく且つ、大抵の獣の牙は通しません」

サーロン「俺からも言っておく。そのサーベルは『シャマンも斬れるぜ』
まぁ、お前さんの成りは剣士じゃ無さそうだし。一人前に扱うなら
もっと鍛錬が必要になるだろうがな」

『スタンドも斬る事が可能なサーベル』
『大抵の獣の牙も貫かない、警護騎士のシャツ』

それ等を御影と円谷は警護騎士から友好と今回の事件の恩賞として手に入れた。

675『なぞなぞエクスプレス!』:2022/01/24(月) 14:54:24
>>674続き

次に『アーカンソー男爵』『カレロ子爵』等が二人に近寄って来る。

カレロ子爵のほうは泣き腫らした目をして、鼻をハンカチで啜っている。


アーカンソー「カレロ子爵……辛いのは私達全員同じだ。
然しながら迎えも直ぐ来るのだし、今は笑顔でだねぇ……」

カレロ子爵「グスッ……グスッ
だ、だって……キャバリアも、そしてマクナブ夫人まで……
わ、私ねっ。そりゃ大使の権利を巡ってキャバリア夫人とは衝突してて
今回も服飾とか下らない話で喧嘩してたけど、それでも憎かった訳じゃないのよ。
ま、マクナブ夫人だって決して悪い人じゃなかったって言うのに
な、何でこんな事に……ぅ……うっ……」

意外に、人情もろい性格であったらしいカレロ子爵の告白を
うんうんと聞き終えてから。御影の言葉に重い空気を変えれると
ホッとした様子でアーカンソー男爵は答える。

アーカンソー男爵「おぉ、おぉ! いやはや、君はやはり審美眼に優れてますなぁ!
皆さん来てた四人で是非一本ずつ使ってください!
遠い世界でも、もし誰かに貸し出して、その滑らかさに驚嘆される事があれば
我がアーカンソーの名を是非告げてくださいよ!
 ……あー、ポーカーゲーム。たははは……ついさっき公爵にも聞かれましてね
確かに、ちょいと大事な公的資金を貴族の名を使って拝借してましてな。
…………暫くは減棒は確実ですわい とほほ」はぁ〜……

溜息をついて意気消沈する男爵を尻目に、ようやく感情を落ち着かせた
カレロ子爵は、貴方達二人へ声をつっかえつつも礼を述べる。

カレロ子爵「あ、貴方たちとは余り話もしなかったけど。
もしかすれば、マクナブ夫人は私も利用して犯人の濡れ衣をきせられたかもって
事は教えて貰ったから、感謝をここでさせて貰うわ。
もう、大使後任が決まりかけてたキャバリアや、マクナブ夫人も元の世界に
戻れば刑務所に移送されるから女性の異世界親善大使となるのは私しか居ない。
……あんなに、あの娘と争ってた名誉だって言うのに。
不思議……ちっとも嬉しくないわ。……愚痴を溢して御免なさいね
宜しかったら貴方達に『一張羅』を差し上げるわ」

『アーカンソーの万年筆』……アーカンソー・ブルドッグの顔が彫られた万年筆
とても滑らかで滲みにくい。摩耗寿命も殆どなく君達の孫の世代まで
使いこめれる丈夫さを秘めてるだろう。

『カレロ子爵の一張羅』……貴族として美的センスもある子爵が持つ衣服。
何着かの中で最高級の品質の服が二人に渡される。
 御影が破ったのと、ほぼ同様の『白いワンピース』も見つかるし
円谷が身に着けてるのと似通った『パーカー・ショートパンツ』もある。
着てみればキツネに近い毛皮の動物に触れられてるような、何とも言えぬ
感触が楽しめる事であろう……。

676『なぞなぞエクスプレス!』:2022/01/24(月) 15:23:03
>>675続き

他の貴族達から、様々な礼の品を貰い。最後に凛々しく先頭で
祭囃子の音を響かせ迫る面の一団を待ち受けるスパニエル公爵のほうへ
二人は別れを告げる事だろう。彼女は深く一礼と共に、こう言葉を贈る。

「異邦より来たりし賢(けん)を備えし者達よ。
見事、我等の群れに潜む悪しき獣の討伐をして頂き、心より感謝を。
犬人族の貴族を代表として貴方達二人の功労は決して忘れはしません。
例え、貴方がたが忘れても我等の世界の歴史の一文として名は刻まれるでしょう。
マクナブ伯爵夫人の処遇、使用人ダズィに関しても告げておきます。
 彼女のした罪状は貴族殺害であり、重罪は免れられない。元の世界に
帰還すれば首縄(絞首刑)か黒甘露(チョコ)服用の執行刑であっても
可笑しくありません。……然しながら、貴方たちが発見して頂いた『手紙』も
あります。それが助命嘆願となり、彼女が小屋の刑(終身刑)となる
かも知れません。今も、伯爵夫人は大人しく反省の態度の兆しもありますし
可能性としては低くないでしょう。
 ダズィは、未遂とは言え貴族に対する殺意は見過ごす事は難しい。
何年か服役しての労働刑を終えてから、彼が過ごした孤児院へ戻り
そちらの方で他の子達の世話をするのが彼の為かも知れませんね」

長々とした説明が終わると共に、貴方たち二人に『勲章』が授けられる。
銀製らしい、犬人とかでない現実世界にもいるスパニエル犬種
四足歩行の動物そのものが描かれており、周囲には王族を表すらしい草なり花が
彫られている精巧な『銀のバッチ』だ。
 それと……と、と付け加えられスパニエル公爵は貴方達に手渡す。

スパニエル公爵「こちら……『スコティッシュ・ダンフェイス』と呼ばれる
羊毛で出来た『パシュミナ』で御座います。
 如何に不眠な時でも、こちらを体にかけて眠ると安息が訪れる
大体スパニエル家に伝わる秘宝です」

! これは……『毛布』だ。あの童子の神が述べていたであろう
双子を眠らせる為に必要な、もう一品。

スパニエル公爵「私の代で、この異世界大使としての任は終わり。
この品を他の貴族達に譲るのも一つですが、貴方たち『人間』と言う種と
いずれ再度巡り合う時……この品を渡す事が共存の一つとなるのであれば
この秘宝を手放すのは本望です」

――良き、貴方たちの旅路(人生)を

そう言い終えてスパニエル公爵は微笑んだ。

677『なぞなぞエクスプレス!』:2022/01/24(月) 15:45:08
>>676続き こちらより各PC返信をお願いする。

>その『チョーカー』のマークどういう意味?

貴方が最初にこの車両で感じた『謎』であっただろうか。
そろそろ、汽車に乗ったほうがいいですよー。そう星空の瞳と髪の燕尾服の
旅行客が催促した頃に、その質問をされてピンシャーは答える。

ピンシャー「あぁ、なんて事はないのです。
私の♞のマークで白い四つのマーク。貴族階級である白い四つは真珠であり
♞は騎士……白い四つだけの場合は男爵であり、そしてコレに♞のマークが
付くと騎士男爵となり、つまり貴族階級の中では守衛の立場であり栄誉あると
憧れる者も居ますが実質、階級としては一番下なのです。……ですが」

ピンシャーは、ベリッとチョーカーをはがし。白い四つの丸マークのみ……
つまり『男爵』としての階級のチョーカーを首に巻く。

ピンシャー「……今回の功績であり、私も『昇任』が決まりました。
貴方がたが私達と別れ、新しい門出が明るい事を祈ってますよ!
 さぁ、サーロン! 私が新しい騎士隊長としての最初の命令は
彼女達を恥じなく見送る事だ! 立ち位置に猟犬より素早く付け!」

ケッ! 偉そうによぉ! と吠えるサーロンと共に貴族達と多くの犬人達が
貴方たちを見送る。
 
ガスコーニュ「いやー、今回は大スクープの連続 連続!
宜しければ最後に写真も一枚! はい、皆さん 3 2 1 マルチーズっと!」

     ――カシャ!

                ポォォォォ―――zノォオッ!!

撮影と共にロニカ、きしたも公爵に濡れ衣の詫びなりで贈り物を受け取ったらしく
何かの包みを受け取って汽車へ乗り込み……そして汽車は出発した。

車窓を眩い閃光が一瞬走り、また見慣れぬ宇宙の風景が漂っていく。

星の女「お腹すきました? あはは、いま真鍮小鳥さんを通じて
シェフに聞くとね。
 何とかグル・ド・ベットを少しだけ起動できるようになったようですよ。
『食堂車』でお食事しましょうよ。ただ起動率は低いから
多くても2品ぐらいしか一人ずつ頼めないって事ですけど」

ロニカ「……どうでも良いが、貴様 死臭がするな?」

星の女「あはは、すいません。ゾンビさんと話が盛り上がってしまってねぇ」

円谷と御影には匂わないが、ロニカの鼻は犬人族と同等か以上だ。
どうやらゾンビの居た車両に貴方達が居ない隙に立ち寄った謎の女の誘導で
食堂車両で一息をつけた……。

さぁ、休憩が終われば『双子探し』を本格的に行うべきだろう。

678御影憂『ナハトワハト』:2022/01/25(火) 00:17:07
>>674-677

「………………『マジ』で………………?」

思わず呆気に取られてしまった。
『スタンド』に対して有効な『サーベル』。
この列車内で使う機会はなさそうだし、
元の世界に戻った後も手元に残るかどうかは不明だ。
仮に残ったとしても、
気軽に持ち歩ける代物ではないだろう。
しかし、場合によっては使い道もあるかもしれない。
『鞘』ぐらいなら『銃刀法違反』にもならない。
『戦利品』として部屋に置いておくか。

「――――――どーも………………」

最終的に、何だか沢山もらってしまった。
今すぐ役に立つのは『毛布』ぐらいだろうが、
他の物も邪魔にはならないだろうし、話の種にはなる。
ただ、全て合わせると、それなりの荷物だ。
とりあえず『毛布』と『サーベル』だけ持って、
残りはきしたに持たせよう。
『毛布』は必要だし、『サーベル』は危険だ。

>>673(セララ)

  「えへへ………………」

              スゥッ

              「………………『バンザーイ』」

両腕を軽く持ち上げ、肘から下だけを上げて、
小さな万歳をして見せる。
『あの程度どうという事もない』と言いたいところだが、
さすがに疲れた。
しかし、これで終わった訳ではない。
ここで相当な時間を費やしたが、まだ『先』がある。
さっさと残りの仕事を片付けて帰ろう。

「玉ねぎは……………揚げても美味しい………………」

「………………ウレイさんは………………」

「『オニオンリング』………………頼んじゃう………………」

注文したのは、『オニオンリングタワー』だった。
塔のように高く積まれたオニオンリングだ。
バイト先の居酒屋でもメニューに載っている。
『デスソース』も忘れない。
それに『オニオングラタンスープ』を加えた、
『玉ねぎ尽くし』を堪能し、ようやく一息ついた。

「『ご馳走様』………………」

料理を出した『時計頭』に礼を言って、
これからの事を考える。

「………………『匂い』」

「『双子』は………………『パイ』を投げてた………………」

この食堂車で、『双子』は『パイ』を投げた(>>531)。
『アップル』・『ピーチ』・『バナナ』・『パンプキン』。
それらの匂いが多少でも残っているなら、
ロニカの鼻で居場所を探れる可能性がある。

679円谷 世良楽『リトル・スウィング』:2022/01/26(水) 00:57:10
>>674-677
>>678

「えーっ、なになにー! 異世界のお洋服がいっぱーい!?
 どーしよ、セララちゃん着る服はこだわりあるんですよねーっ。
 でもでもせっかくお土産にくれるんだし、貰っちゃいまーす。
 こっちのパーカーとか、けっこー好きな感じですしー」

            「ピンシャーさんカレロさんありがとネ」

たくさんの『礼品』も、セララは深く受け取らない。

「そっか。殺したんだからバツ受けてもしょーがないと思いますけど、
 でもさ。死なないで済むんだったら、それが一番いーですよ!」

『マクナブ』の処遇もだ。
それはセララが深く関与するものではないし、
友達でもない奴だから死んでも仕方ないが、
別に、敵でもないのだから、死ななくっても良い。

「わーっ、可愛いバッヂー! 凄ーい、キレーっ。公爵さんありがと!
 帽子につけよっかなー。でも、パンダにイヌはちょっと変かなーっ」

勲章にはそれなりに喜んだのも、特に忖度ではなく――――美的なセンスの話。

「大変だったけど、みんなと会えてよかったでーす。じゃあね。ばいばーい」

                  「……あーあ、行っちゃった行っちゃった!」

犬人たちが本当に去って――――それから、一同の方に振り返る。

「あはははは! ばんざーい!
 ねえウレイさんウレイさん、あとで剣振ってるとこ見せて見せて!」

そして声を掛けながら『食堂車』に向かい――――

「うわーっ、揚げ物もいいなーっ。
 今日は焼くのと煮る気分だから、オニオングラタンスープとー。
 あ! ハンバーガー……はさっき食べたから、えーっと、そうだ! ステーキサンドくださーい」

それらを注文して、一息ついた。
肉と野菜を挟んだパンばかり食べているが、セララなりに『味』に違いはあると考えている。

「ご馳走様でーす。お腹いっぱーい。……あ、双子だっけ! そーですね、匂いは残ってるかも!
 あとはなんだろ、向こうから来てもらうような方法があったら、分かりやすいですよね? でしょー?」

680『なぞなぞエクスプレス!』:2022/01/27(木) 17:03:34
>>678-679

少なくとも『サーベル』は御影が振るうとしても、逆に重さで振り回される重量があって
鍛錬した女性剣士なり男性ならともかく御影が容易に扱える代物ではない。鞘も
ついてるし、今の用途では大体杖代わりか。

因みに誤解があるようだが、謎の旅行客(星の女)が連れていくのは
ゾンビの車両を往来しての時計頭が整備してる場所でなく、犬人たちが
食事をしてた車両のほうだ。実質的なキャバリア夫人を殺害する為の舞台だった場所。

既に犬人達は全員降り立った為に寂れた空気しか無いが、注文を聞くと
真鍮小鳥がオーダーを復唱すると共に食堂らしいテーブルの席にグル・ド・ベットが
発光してた時と同じ光が産み出され注文通りの料理が出現する。
食べ終えると共に、思考を読み取ってるのか料理も消失した。便利なものだ。
 各々、知恵を絞った分のカロリーを回復する。
何だったら破れたり、汗をかいた衣服も隣の貴族達のいた方に移って新品の服に
着替えても良いだろう。特に差し迫った状況では無いのだから。

ロニカ「『パイ』……か。あの逃げた二人
匂い自体は薄かったがパイの臭いなら辿れる。とは言え車両の窓々を介して
予測不可能に出てきてるようだし、捕えるにしても何か一つ工夫するべきかも知れんが」

きした「色々、お土産貰えちゃいましたね。
……あ、す、すいません。私 下がちょっとスースするんで隣で着替えてきます……」

ロニカはパイの匂いは辿れる。ただ幽鬼が如く、行き成り現れては行き成り消える
あの『双子』を捕まえるには何かする必要があると明言し。

きしたは隣で少し着替えると、土産品にあったらしい下着を持っていき
寝台車両のほうに移動した。付いて行って着替えても構わないだろう。

「あはは 先程の推理、お見事でしたねぇ。
ちょっとだけ、私も暇つぶしにご同行させて頂いても?
 なに、特に邪魔はしませんから」

……謎の星空を瞳と髪に宿す、燕尾服の女性らしき旅行客は
朗らかに一緒に付いてくると告げる。ロニカは明らかに嫌そうな目付きで見るも
相手は平然としている。多分、敵ではないし表立った危害は無いだろう……。

681御影憂『ナハトワハト』:2022/01/28(金) 04:19:01
>>680

「『付き添い』………………」

単独行動しようとするきしたに嫌な予感を覚えた。
また発作的に何かしないとも限らないので、
念のために同行した。
特に着替える必要はないので、ただ待っていただけだが。

      シ ャ キ ィ ッ

毛布をテーブルに置き、サーベルを抜く。
おそらく、これは『実体化したスタンド』に近いのだろう。
実体化しているという事は『改造』の余地がある。
『仕込み杖』にできれば役に立つかもしれない。
無論『違法』だが、『一般人』には得難い武器だ。

              ――――カチリ

刀身を鞘に収め、ロニカの言葉を聞く。

「辿れるなら………………それで『十分』………………」

『捕まえる手』はある。
これに関しては『策』という程のものでもない。
ただ『道具を使う』というだけだ。

「実は………………もう一つ『推理』がある………………」

「ただの『勘』だけど………………」

            ボソッ

「………………何の話だっけ………………」

「あぁ………………『どーぞ』………………」

女に対しては、そう答えた。

>>679(セララ)

御影憂は『心理』を扱う事を得意とする。
ただ、それは『相手の情報』を握っている場合に限る。
『双子』については、ほぼ何も分かっていない状態だ。
適切な『罠』を用意するのは簡単ではないだろう。
しかし、こちらには『戦利品』がある。

  「鳴らしてみる………………?」

            ボソリ

                「………………『それ』」

セララが手に入れた『オルゴール』を指差す。
ロニカの嗅覚で大体の位置を辿り、
近付いたら音を聴かせる。
神様気取りの『あいつ』は、
『出会ったら渡してやれば寝るかも(>>484)』と言った。
オルゴールの音色で反応があれば良し。
なければ別の手を考えればいいだろう。

682円谷 世良楽『リトル・スウィング』:2022/01/28(金) 22:42:39
>>680
>>681

「えーっ、きみも着いてきたいの?
 オッケー! 別にいーですよ! 邪魔しないんだったらねーっ」

       「ウレイさんも良いって言ってるし!
        ねえねえ、王様も良いですかーっ?」


ロニカが断固拒否するなら話は別だが、
渋々でも彼が拒絶はしないなら連れて行こう。
なにもかも得体の知れない相手だからこそ、
対応できないにせよ目の届く位置に置くほうが良い。

……セララは考えていないが、そういう理もある。

「そーですねーっ、追いかけてもズルして逃げちゃうなら、
 あたしたち一生ここで追いかけっこし続けるままになっちゃうし。
 どこかに呼んじゃうかー、足を止めてもらうのがいーんだろうね」

特定の車両に罠を仕掛けるのが良いのかもしれないが、
車両にはどこも『乗客』がいるのもポイントになるか。

つまり邪魔になったり、勝手に撤去されたり、
そういうものを仕掛けにしたところで意味が薄い。

「あーっ、オルゴールオルゴール。
 さっきの所でいろいろあったから、 
 あたしすっかり忘れちゃってましたー。あはーっ!」

       ゴソゴソ

「これですよネ。
 そうだね、とりあえず鳴らしてみよっかなー。
 本番になって鳴らし方分かんないとかも困るし」
 
           「今のうち準備しときまーす」

ロニカによる追跡を開始する前に、
操作方法の確認…………あるいは操作の準備をしておく。

683『なぞなぞエクスプレス!』:2022/01/29(土) 18:18:38
>>681-682

まず『御影』は寝台車両に移動した。この四人の中で一番トラブルを引き起こした
彼女を見張るのは自然な発想。
 サーベルを弄りつつ、さりげなく一つの個室に入る彼女を観察する。
彼女は貰った土産の中から一つ『下着』を取り出した。
そう言えば、彼女は>421でノーパンだとか告げていた。
 そして、ゆっくりと身に着けてるスカートの上より履き。

    ――ゴゴゴゴゴゴッッッ゛   ピキ   パチッ……ピキパチッ!

  「――フゥゥゥウゥゥウッッ! ゴー☆ ジャス★ パンティー★☆★☆!!」ドンッ!

…………『きした』の雰囲気は一変していた。
 気弱そうで、おどおどしていた空気は一変し髪の毛は後ろに逆立ち
顔つきも若干別人のように変化している。身長もほんの少し伸びたようだ。

きした「フゥゥううっっ!!!っ!! この着心地、この未知なる股間を
覆う感触! タマん無いわねぇぇぇぇエエッ!! …………ァ」

きした「……あ……あはは み 御影ちゃん、見てた?
……あー、見てるよなぁ、そりゃあ。御免ねー 引かないでよー
まぁみかげっチーも色んな変な人達相手してたしー
今更、私がこんな感じになっても友達やめないでくれるよねー? んー?」ツンツン

何やら馴れ馴れしく、御影の頬を指で小突きつつスキンシップを試みようとするだろう。

「まー、色々とまだ頭ん中がモヤモヤする感じもあるけどー。
あのワンちゃん達の贈り物で、だいーぶ回復した気がするわ自分。
みっチー せっチーの御蔭だよーん ありがとーっ!
――こっから先は、この、きした改め『聖骸布の教導者』たる『シャクロ』が!」

シャクロ「二人を礼になるかわからないけど、汽車を降りる短い間だけどさっ!
守ってあげるからシルクの下着を着てるよーに安心していいよーっ!!
 ロニカ? あー、あのパンツ履いてなさそーなのは自分の身は自分で
なんとか出来るだろーし気にしなーい、気にしなーい」ガハハハハッ!

どうも変な存在に成ったが、頼もしい味方? となって、彼女はどうやら
改めて同行してくれるようだ。

― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
御影と、きしたが別車両に移動する間。円谷はオルゴールの用意をする。

あの謎の旅行客は『先に行って様子を見てきますねー』と別車両に移った。
ロニカは、舌打ちをしつつ案の定 その旅行客を決して快くない目で見てたが
物理的な排除はせず黙認した。

ロニカ「……なぁ」

円谷と、彼だけになって。彼は尋ねる

ロニカ「俺には、お前達と言う種族がよく分からん。
俺が、お前達と全く違う。お前達を謂わば支配し隷従し恐怖する存在なのは
お前も薄々理解してる筈だ。
 なのに、お前はどうして。そうも無防備でいられる?
脳が、恐怖と言う感情を有してない訳でも無いんだろう?」

円谷に彼は問いかける。何故、自分に怯えない?
何故、こうも長い期間に己を仲間と思わずも一緒に同行したのか? と。
 下手な嘘は彼には通じない……本心で告げるべきだろう。

684御影憂『ナハトワハト』:2022/01/30(日) 02:57:19
>>683

(うわぁ………………)

長く垂れ下がる前髪のせいで顔の大部分は見えないが、
目の前に立つ女の豹変ぶりに内心『ドン引き』していた。

    「――――――………………」

           シ ャ キ ッ

おもむろにサーベルを抜いて、
頬をつつく『シャクロ』に剣先を向ける。

「『次やったら』………………」

                 ――――――カチリ

言葉の続きは言わず、刀身を鞘に収める。

     スタ スタ スタ…………

背中を向け、シャクロを無視して食堂車に戻っていく。

(………………メンドくさ………………)

セララだけでもお腹いっぱいなのに、さらに増えてしまった。
まともに付き合っていると精神力を浪費する。
あと何か頭おかしい事を叫んでた気がするけど、
穢らわしいので忘れよう。

685円谷 世良楽『リトル・スウィング』:2022/01/31(月) 07:11:52
>>683

「え? 何々? あはーっ、なんででしょーね?
 うーん、あたしってなに考えてるんだろー!?
 王様はあたしのこともウレイさんのことも、
 あとあと、きしたさんの事も攻撃してないから?」

      「最初はアブない人かなーって、
       ウレイさんの事殺そうとしてたし、
       ちょっとやだなー!って思いましたけど」

「今はそんなに、やだって思うことないですよ!
 あはーっ、さっきの事件の時もいろいろ手伝ってくれたしネ」

セララの『怖い』は口だけだ。
恐怖の感情はあっても、それが響く芯がない。
確固たる思想が、こだわりがない。
軽やかで、薄っぺらく、よく跳ねる。

「だからさ……うーん、なんて言えばいいんだろーね?
 あはは! 考えたって、分かんない事は分かんないや」

だから……なぜセララがロニカを今恐れないのか。
セララ自身にもその答えは分からない。

「違う世界の人は、あたしたちとぜんっぜん違う生き方っていうんですかー?
 ここでそういうのたっくさん見たから、王様もそうなんだろうなーって」

        「そういうのも、あるかも?」「うーん、難しー!」

ポジティブ思考といえば、聞こえはいいだろう。
悪く言えば都合のいい解釈ばかりするとも言える。

「あ! でもあたしもみんなよりスゴイけど、
 別に今の答え、ニンゲン代表とかじゃないからネ」
 
    「もしエラい人に代表になってー!ってお願いされても、
     そーゆー重たいのはパスパスって感じでーす。あはーっ」

いずれにしても――円谷世良楽は幸福で、いつも、生きている事が大好きだ。

686『なぞなぞエクスプレス!』:2022/02/02(水) 11:35:49
>>684-685

御影のサーベルを突き付けての威嚇に対し、わーおっ 怖いよ御影ちゃーんと
軽い様子で少し飛び退く。そのまま、へらへらとした空気のままに犬人達から
貰った土産の袋を肩に提げつつ、貴方の後ろを付いていきつつ小さい呟き声が聞こえた。

シャクロ「……ん 大丈夫 きっと『今度こそ』ね……」


― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―

ロニカ「……そうか。まぁ つまり……お前は……何だな」

ロニカ「……お前は今更言う事ではないが、つまり阿呆って事か」

一瞬、何か眩しいものでも見るかのようにロニカは円谷を見て。
 それを直ぐ恥じるかのように目を背け、普段通りのつっけんどんな調子に戻った。

シャクロ「やぁやぁ お待たせーっ! さぁー、この汽車の最後尾まで
全力全身を股間をキューと引き締めて一気に行こー」

そこで話の終わりを報せるように、何やらげんなりした空気の御影と……
恐らく『きした』なのであろう。だが心なし背が伸びて雰囲気も一変した様子の
彼女が片腕を上げつつ快活に入って来た。

ロニカ「…………おい、こいつ誰だ? 先程のノロマは何処へ向かった?」

シャクロ「え? なーにロニカちゃーん! このプリティーな顔の私を
忘れたとは言わせないよーっ あっ、これからは、きした改めて
シャクロ……あー、あんま可愛くないし、縮めてシャロって呼んでくれると
嬉しいかなー☆ キャピッ★☆」

ロニカ「…………誰だ、こいつは? いや、待て
貴様……『魂を変質』出来るのか もしや……」

シャクロ「さぁ さぁ! さっきのきらきらお目めのミステリアスガールを
追いかけるぜーっ フゥゥッッパンティーッ!」

きした改め、シャクロと名乗る彼女は、お先に失礼っと言わんばかりの
軽快なステップで先行して次の車両へ向かう。
 ロニカは、そんな様子を一瞬唖然とした空気を纏いつつ見送ったが
直ぐに調子を取り戻したのか、チッと舌打ちをした後に人間の走る速度と
同等の速度の早歩きで追いかけ始めた。

 旅の終わりは、決してそう遠くは無い筈だ……。

687御影憂『ナハトワハト』:2022/02/03(木) 04:11:04
>>686

何か聞こえたような気がしたが無視した。
どうせ戯言の類だろう。
そうではなかったとしても自分には関係ない。

「帰りたくなってきた………………」

         ボソリ

「『本格的』に………………」

こんな変質者を助けてやったのかと思うと嫌気が差す。
別にシャクロを助けるのが目的だった訳じゃないけど。
ここを出たら二度と関わらないだろうという事だけが救いだ。

「………………『匂い』を」

ここからはロニカの出番だ。
『パイの匂い』を追跡してもらう。
そして「双子」に『オルゴールの音色』を聞かせる。

       バサッ

毛布を肩に掛けて、サーベルを片手に持つ。

「何か………………分かんないけど………………」

        ボソ

「………………『おかしくなっちゃった』………………」

               ボソッ

「あんまり………………近寄りたくない………………」

セララの耳元で呟き、彼女の後ろからロニカについていく。
変態の近くにいると、自分の品位まで落ちる気がする。
できるだけ『壁』を作っておきたい。

688円谷 世良楽『リトル・スウィング』:2022/02/05(土) 03:02:51
>>686
>>687

「えー! なんでーっ、ひどいひどーい!
 あたしアホじゃないですよー! テストも赤点とか無いし!
 あ、王様の世界は数学テストとかないのかなー。まあいいや。
 ウレイさんウレイさーん、ウレイさんもそう思う……」

ロニカの言葉や態度をセララがどう受けたかは、
おそらくただ、目の前から受けただけだ。


        「……え、うそうそー!?
         きしたさんキャラ変しすぎ!?
         高校デビューってやつですかー?」

    「この場合、車両デビュー? あはーっ!」

そして――『シャクロ』には目を丸くするしかない。

これが本性なのか?
何かの間違いや失敗の結果ではないのか……!?
とはいえ悪人というわけではなさそうだし、
きしたのままなのも可哀想だったのだろう。

「えー! えー! あたしもあーいう人、
 ちょっとニガテですよウレイさーん!
 自分たちのグループのノリが好きすぎて、
 他のグループに持ってくるっていうのかなーっ」

それはそれとして…………
セララも誰とでも友達になるわけではない。

「もーっ、ヘンな事大声で言わないでくださーい!
 あたし達までそういうノリのチームだと思われちゃうじゃーん!」

とはいえ、指摘するの自体が、
今この時点で『それなりに』親近感があるからこそだ。
どうでも良い相手なら適当にノるだけだっただろう。

「ウレイさん、王様、行こ行こ! あの人が1番乗りだったらなんか不安ーっ!」

689『なぞなぞエクスプレス!』:2022/02/09(水) 23:48:22
>>687-688

変わり果てた? きしたとは異なる容貌と雰囲気に至ったシャクロを
追いかけ三人は次の車両に映る。

ロニカ「……ほぉ」

中を見て、思わずロニカが感嘆の吐息をついた。

――華だ。

車窓を埋め尽くす程に、所せましと色んな種類の現実に存在しえる色とりどりの
花から他に、図鑑では見た事のない新種 若しくはゲームか別の汽車の車両の
住人達の住まう世界に存在しうるのかも知れない幻想的な感じの植物に至るまで
人が一人通れる部分を除いて、多種多様に季節関係なしに咲き誇る。

一瞬圧巻されたのか、暫しぼーっとロニカはその風景に見とれていたが
直ぐ、顔を顰め始める。本の間でも見たように、彼の肌が各部位から
石化の兆候が見え始めたのだ。以前見たように一気に硬化しないのは
この部屋の照明自体が太陽光に近くも、闇の一族である彼の肉体を完全に
封殺する程の威力を有してないのかも知れない。

ロニカ「この車両には、パイと言う名の物の匂いは微かにする。
多分、次の車両へ移動した」

シャクロ「綺麗な場所だよねーっ。けど今は探索を続けよう!
ハリーッ ハリーッ!」

きした改めシャクロは次の車両へと映っていた。ロニカも、この車両に
居続けるのは毒でしか無い為、特に彼女の言葉に反論する事はなく
花の生い茂る車両を抜けて次へ。

― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―

次の空間は、また君達が色んな場所を抜けた空間のように異様だった。

イメージ画像:ttps://nagoya.identity.city/mikawa_glass_museum/

この車両は床の素材がガラス張りらしく、外側の宇宙の空間が良く見える。
 両側の壁部分も、同じような素材なのかどうか不明だが同じく無限に
続くとも思える夜の闇と僅かにちらばるように見える星々らしい煌めきが
続いている。一見すると天井と壁がどの程度の部分に設置してるのか
君達には認識出来なかった。また、他の車両には例外もあったものの
今のところ乗客らしい乗客がこの車両に居るようには見受けられなかった。

ロニカ「匂いが強まってる……近いな……ムっ」

  
 ――パリィンッ!

690『なぞなぞエクスプレス!』:2022/02/10(木) 00:25:13
>>689

 驚嘆とも悲鳴ともつかぬ声と共に、暗闇の続く永遠の途中に灯る
幾つかの星が纏った光源から、向こう側の通路の端であろう先から
ガラスに罅が発生するかのように穴らしい物が移ると共に、小さな人影が
転がり込むようにして、この車両に現れる。

 『ディオ ディオ! 大丈夫? 何処も齧られてないよね?』

 『ディオ ディオ! 大丈夫! 爪も髪の先から至るまで!』

――双子だっ
 男女の中世時代らしい礼服を纏った十代前半らしい、食堂車でも
御影が見た通りの二人。

シャクロ「おっ? ちょーどいいねぇ! 目当ての子達が
向こうからやって来たっ」

ロニカ「手間をかけさせる……だが、何だあいつ等?
何か慌ててるようだが」

『ディオ』 と呼び合う男女の双子達は、立ち上がって相手の服を叩き合って
埃を払う動作を交えつつ、こっちへと走る。

そして、遅れて互いに気づき合ったのか。あっ! と言う表情で数メートルの
間隔を空けた場所で立ち止まった。

 『わっ! 闇の王! こんな場所で こんな時に!』

 『逃げなきゃ! それは必死に 掘れ孔! ばっ!』

ロニカ「俺が二度も見逃すと思うなよっ」 パンッッ!

 『『わっ!?』』

双子は、互いに御影も一度目にした物。片方はスキーのストックらしい
氷の壁を作り出した道具。

もう一人は、窓にゲートを作ってた道具だろう。霧吹きのような何かを
服の何処からが取り出す。

だがロニカも間髪入れずと言った具合で、先程の犬人族から礼として
貰っていた硬貨だろう。それを、神速で指弾か又は肉体に埋め込んで
射出してたか原理は不明なものの、それで双子の道具を手から弾き落とした。

『わーわー! 食べられる! むしゃむしゃっ ばりばりっ』

『ごりごりっ ぐしゃぐしゃっ 食べられる! くるくる!』

ロニカによって逃走を許されなかった事で焦る……と言うよりは
何かしきりに後方を気にして泡を喰っている。

 『『そうっ あの車両を守る怪物に!』』   ――ピキピキ  パリィ……ッ!

シャクロ「へ? 怪物? …………って ぇぇえ……っ゛」

???『   ――GuuuuUUoOO―――zノOООッッ  』

イメージ画像:ttps://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD134XL0T10C21A9000000/

……双子が、出入口らしいものを形成したよりも更に大きな罅を作成して
妙な形態をした『怪物』らしいものが這い出て来た。
 そのサイズは、ロニカなどよりも遥かに大きい! 現実に存在するものだと
巨大なゾウぐらいだろうか? それは唸りつつ、ノシノシと君達のほうへ
地響きを鳴らすと共に歩いてくる。

双子とは遭遇出来た。だが、何やら彼等は粗相をし過ぎたのか
汽車に居たらしい正体不明の新たな存在の逆鱗に触れたらしく追われてる!

この状況を一先ず鎮火しなければ、切符を取り戻して元の世界に戻るのは
至難の業だ……!

691円谷 世良楽『リトル・スウィング』:2022/02/10(木) 00:44:05
>>690(確認)
『怪物』の見た目は、リンク先記事の一番上に掲載された『アレブリへ』のイメージで良かったでしょうか?

692御影憂『ナハトワハト』:2022/02/10(木) 07:16:55
>>689

多種多様な花が咲き乱れる車両。
それを見て思ったのは、美しさでも異様さでもなく、
『利用価値』だった。
びっしり生えているという事は、
『光が遮られる』という事でもある。

(――――――………………)

『花の陰』で『ナハトワハト』の能力を発動。
『闇』と『同化』できるかどうか試す。
自分は一番後ろを歩いているので、
他の誰かが振り返らない限りバレる事もない。
確認したら『同化』を解除。
三人の後に続く。

  「『全方向型プラネタリウム』………………」

                ボソッ

           「………………って感じ」

ぼんやりと、星見町の『天文台』を思い出す。
大学の課題のために、
そこの『プラネタリウム』に行った事がある。
その日は『カップル割引デー』だったせいで、
ほんの少しだけ居心地が悪かった。

「………………結構『好き』かも………………」

どんなに奇妙な場所だろうと、今さら驚く事もない。
だが、ここは『使える』。
要するに『外と同じ』なのだから。

「ほら………………」

         シ ャ キ ィ ッ

「『キモ可愛いマスコット』もいるみたいだし………………」

『怪物』を見上げながら、『サーベル』を鞘から引き抜く。

            フ ッ

全員の後ろで、『闇の衣』を発動する。
周囲の『闇』と『同化』し、全速で『怪物』に接近。
正面からではなく、側面に回り込むような形でだ。
こちらの存在を知覚する術はないだろうが、
『サクソン』のような『例外』も存在する。
一応、用心はしておく。

693『なぞなぞエクスプレス!』:2022/02/13(日) 15:58:02
>>691(回答)
 その認識で間違いない

694円谷 世良楽『リトル・スウィング』:2022/02/13(日) 19:40:31
>>689
>>690

「うわーっ、なんかすごーい!
 お花の車両も、ガラスの車両もー、
 撮ってアップしたら絶対すごいバズるだろーなー!」

         サッ

「今は急がなきゃだから、しないけどネ!」

手でスマホを構える真似をする。
車両風景を『背景』にする、『自撮り』の構えだ。

そして――

「あっ見て見て! 双子ーっ! 昔の人みたーい!?」

         「っとー!」

              「なにあれ!? 変な動物ーっ!
               あははーっ、なんかすごーい!」

「次から次に来ちゃいますねー!
 わーやばーいどーしよ! とりあえず、アレ! 片付けちゃおっか!」

輪を二つ目の前に浮かべつつ――『拡大』を開始する。

「『ディオディオ』君?ちゃん?
 何しちゃったのかはよくわかんないけどー、
 そいつ、あたし達にもいらないから、やっつけちゃいまーす!」

              「邪魔はしないでネ」

そして『三つ目』を軽やかに、『怪物』の『頭上』に向けて飛ばす!

695『なぞなぞエクスプレス!』:2022/02/14(月) 23:44:55
>>692-694

『花の車両』にて、御影は『ナハトワハト』の発現を試みる。
問題なく所持してる道具含めて闇への同化は可能だ。そして、それは『宇宙の車両』も
同義。君は、問題なく『アレブリへの怪物』の側面に、気づかれず回り込める。

続いて円谷も、快活に『リトル・スウィング』を拡大、そして三つ目を怪物の
頭上向け飛来させる!

ロニカ「――フンッ」  ブゥン―――ッッ゛!!

        ガッ゛ッ゛ゴォォ゛ンッ゛ッッ゛!!!!

アレブリへ『GuuuuAA゛ッッ゛!』

ロニカ「チッ! 妙な手応え……それでいて硬いっ!」

問答無用で、その体を破壊せしめんと言う神速の一撃をロニカは怪物の顎先へと
繰り出す。トラックが建物に激突するような強い響きが闇の空間に轟き、怪物は
1m程度後退するが……僅かに傷が顎部分に出来たようだが、健在だ!!

シャクロ「んな゛Σ あんな一撃受けても軽傷って、どんな体してんの!?」

アレブリへ『………………』カッ カッ カッ カッ プシューッッ゛!

怪物は、ロニカの攻撃に対して怒りが沸いたのか瞳は真っ赤に光り
体の斑点から蒸気のようなものが吹き出てくる。近くへ移動した御影は能力で
闇と同化してるが、その匂いを嗅ぎ取った。毒物に値する刺激物では無さそうだが
今まで嗅いだ事のない不思議な香りだと感じる。
 真ん中の突起物の触覚より更に横の大きな触角のようなものは先端から徐々に
光り輝き、放電現象が発するような兆しを見せている。

ディオ「ピカピカだわ! ディオッ 鏡はあるかしらっ?」

ディオ「バリバリだね! ディオッ 諦めるべきかもっ!」

双子が持ってた道具は、運悪く怪物の股の下部分に転がったようで
取りに行けず彼等は円谷とシャクロの間のほうで焦りつつ共に手を繋いで
怪物のする事を知ってるのか縮こまっている。

ピカピカ・・・バリバリ・・・言葉が正しければ電撃のような攻撃なのか……?

696御影憂『ナハトワハト』:2022/02/15(火) 12:59:59
>>695

(ふぅん………………)

ロニカのパワーでも傷付かないという事は、
物理的な攻撃で倒すのは不可能なのだろう。
どこかに弱点がある可能性もなくはないが、
それを探すのも面倒だし、存在するかどうかも分からない。
こういう相手は、
敵の力を利用して倒すのが手っ取り早いものだ。

  (『光』が来るなら………………)

          ス ゥ ゥ ゥ ゥ

       (『こいつ』で………………)

               タ ン ッ

                 (『防ぐ』………………)

そのまま『怪物』の背後に回り、垂直に跳躍して『浮遊』。
『ナハトワハト』のスピードなら、
床から『2m』の位置で滞空可能だ。
ちょうど『怪物』の胴体部に隠れる事ができる。
何が来るか知らないが、
おそらく『天敵』である『光』が発生する事は間違いない。
『怪物』の陰に隠れて『遮光』を行う。

(『鏡』ならある………………)

(けど………………)

(一回『見とこう』………………)

同時に、どんな攻撃をしてくるのか観察する。
取ろうと思えば『双子の道具』は取れるが取らない。
『双子』を逃がさないためだ。

697円谷 世良楽『リトル・スウィング』:2022/02/16(水) 03:02:01
>>695
>>696

「うそーっ、王様に叩かれてもあんまり効いてなーい!?」

セララは自分の強さに自信があるが、
『ロニカの強さ』も分かっている。
『リトル・スウィング』の炸裂を単純に当てても無駄だ。

「それじゃあそれじゃあ、こーいうのはどうですかー?」

『三輪同時操作』であれば、
その精度は並程度を保てる。
セララ自身は両袖を耳に当て、
双子にならって屈みつつ――

「あたしの『リトル・スウィング』は、
 速くて強いけどー、
 それだけじゃなくって、とっても便利なんでーす」

目の前の輪のうち一つを『光る触角の前』へと飛ばし、
頭上に飛ばした輪を敵の『股下』へと飛ばす。

「あはーっ、つまりつまり、攻撃だけじゃあないってコト!」

御影は何らかの思惑で道具を取らないようだが、
セララはそのことを伝えられていない。

股下の輪で道具の回収を狙いつつ――――触角の前で炸裂を行う。
単純なダメージは狙えなくても、攻撃器官に衝撃を与えれば妨害できるかもしれない。

698『なぞなぞエクスプレス!』:2022/02/19(土) 01:13:54
>>696-697

御影は『ナハトワハト』で宇宙の間の闇を利用し、怪物の胴体を利用して
その死角となる場所へ移動。円谷は光る触角の方と股下に『リトル・スウィング』を
移動させて双子の道具回収と触角から放たれるであろう攻撃を妨害しようと試みる。

 ――バチ バチバチ バチバチッ  ――カッッ!!

         『アレブリへ―!』

眩い光が宇宙の間全体を白く染める。円谷は目が眩み、触れた体全体を電気が
一挙に走るような感覚を受ける。とは言え、痛みを感じたりはしないし
肉体にダメージは走らない。然し、閃光が消えた後に体を動かそうとすると
筋肉全体に先ほどの閃光と電撃の影響の名残があるらしく、体を思う様に
動かすのが難しいと感じた。感覚的に、多少の間(3レス)は走ったりなど
急激な動きは思う様に出来なさそうだ。

代わりに御影は、その光と電撃の影響を見事に脱した。怪物の放射は
プラネタリウム染みた車両空間全体に放散したが、唯一この中で誰かの体を
遮蔽物にするとか以外の方法だと怪物の体自体を壁にするのが光の拘束による
攻撃を回避する方法だろう。君は自由に動く事が出来る。

ロニカ、シャクロ、ディオ達は全員呻きつつ痺れて硬直してる。
 その間にもアレブリヘ! と鳴きつつ、その怪物はノシ ノシと前進している。
直ぐ(次レス)にでも、彼等をその大きな口で捕食出来る距離まで近づくだろう……。

699『なぞなぞエクスプレス!』:2022/02/19(土) 01:19:12
円谷の『リトル・スウィング』は、触角に対し飛来したものは
閃光と電撃の衝撃の余波を受けたらしく砕け散り。
 双子の道具類は、少し移動は出来たが2m弱ほど円谷と距離がある場所に
転がっている。

700御影憂『ナハトワハト』:2022/02/19(土) 17:19:42
>>698

(………………なるほど)

大体は分かった。
あれは広範囲に作用する。
点や線の攻撃ではなく面の攻撃だ。

(セララには………………
 『リトル・スウィング』がある………………)

スタンドを動かすのは『精神力』。
本体が動けずとも、スタンドの操作に支障はないはずだ。
とはいえ、本体が動けないというのは足枷になる。

  (『観察』は終わった………………)

         スタッ

           (………………『行動開始』)

               ド ヒ ュ ッ

『浮遊』を中断し、床の上に着地する。
敵の背後に回ったまま、高速で後退。
『怪物』から十分な距離を取った位置で立ち止まる。

     ズズズズズ

   そして、『全身』を『実体化』。

                 ――――――コツンッ

片手に持った『鞘』で床を叩き、『音』を鳴らす。
セララ達に襲い掛かる前に『怪物』に反応させ、
『こちら側』を向かせる。
この位置なら『セララにも見えない』。
だから、『ナハトワハト』の『能力』を明かさなくて済む。
『怪物』にとっては、どこからともなく不意に現れた相手だ。
当然、警戒するだろう。
これら一連の動きにより、
先程の『放電攻撃』を誘う事にする。

(――――――………………)

怪物の動向を注視しながら、『タイミング』を計る。

701円谷 世良楽『リトル・スウィング』:2022/02/20(日) 01:46:44
>>698
>>699

「ぎゃーーーーっ! な、なにこれなにこれーっ!
 ウレイさーん、これ、食らったら動けなくなっちゃいまーす!!」

             「でもでも」

      シュルルル

「あたし、自分で動かなくっても、上手くいくんですよネ」

無事な輪を操作し、道具を手元に回収する。
使い方は知らないが、『無意味』ではないだろう。

――――優先的に『霧吹き』を手に取る。

「どうやって使うのか、知らないけどー、
 穴を開ける道具なんだよね!
 じゃあじゃあ逃げるだけじゃなくって、こーゆーのもアリ!?」

それを『魔物の足元』に向けて吹きかけたい。

想定、というより理想とする結果はどちらかだ。
ひとつ。『生物にも穴を開ける事が出来る』――――この可能性は低い。
もうひとつ。『次に魔物が踏み出す足場を穴にし、足を捉え、止める』事が本命だ。

「王様、王様ーっ、『これ』いりますかーっ!?」

『スキーストック』も回収できたなら、それはまだ使わず、場合によればロニカに託したい。

702『なぞなぞエクスプレス!』:2022/02/21(月) 19:18:29
>>700-701

御影は『アレブリへ』の怪物に、セララから見えない死角の位置。
つまり怪物に対しても視界に捉えられない位置なのだろう。
 そこで鞘を車両の透明な床に対し強めに叩きつつ注意を向けようと試みる。

 ――ズン  ズン   ズンッ

……だが、『歩みは止まらない』! 怪物は、君の音に気づいてないのか
もしくは、それよりするべき事があるのか巨体な足で歩幅を縮めて
円谷の居る前に到達した。


円谷は『リトル・スウィング』を扱い、その輪っかで道具を手繰り寄せる事に
成功した。近くで見て、一つは『微細霧ふき器』と言う感じのもので
もう一つは『スキーのストック』らしきもので一本だけだ。
 そして、ディオ達の会話や行動から見て。これはガラス類に吹き付ければ
『穴が開く』と予想した上で、怪物の片足が落ちようとする床目掛け吹き付ける。

 シューッッ!  ガグ  ンッッ!

アレブリへ『―PeeeDoッ!??』  ゴンッ!

的中だ! 円谷が精一杯に早く動かした霧吹きの粒子がガラスの床に撒かれると
以前の立ち止まると先の車両に入れた時の黒い異次元の時のようなのと同じ。
違いと言えば、こちらは白い半球形と言った感じだ。それが怪物の足を
落とし穴を踏んだのと同様でバランスを崩し朝の中に足を挟んで動きを止める。

>王様、王様ーっ、『これ』いりますかーっ!?

ロニカ「ちぃ……ちょっと待て。直ぐに、この忌まわしい枷を解く」

ロニカは、先程の光を受けた為か表面の部分が幾らか石像のように変化してる。
太陽の光と似た性質を有してたのかも知れない。
 
シャクロ「うぅ……ビリビリする。別のパンツ着れば直ぐ復活出来そうだけど……」

ディオ『あっ それ返して 返して!』

ディオ『ねぇ 戻し戻して 僕達に!』

双子は、少しぎこちないながらも転がるようにして円谷の前に出て
『スキーのストック』を返すように強請る。


アレブリへ「―――ッ」  カーッ プシューッッ!

ディオ『わっ! 怒ってる 怒ってるわ ディオ!』

ディオ『あぁ! 追い出す 追い出そう ディオ!』

怪物は、ギロッと『双子』を睨みつけつつ、穴から足を引き抜こうともがきつつ
体全体が更に赤く発光しながら蒸気を斑点から噴き出す。

まだ怪物の体力は健在で、双子達は口々に好き勝手に言いつつ
挑発するように怪物に舌など出したり馬鹿にするジェスチャーを見せている。

シャクロは円谷と同等か、もしくは次には復活出来そう。
ロニカは、光を受けて再起可能には少々時間が掛かる見立てだ。

さて、怪物に対してどう対応をするか……。

703御影憂『ナハトワハト』:2022/02/21(月) 20:13:59
>>701
>>702

(『鈍感』………………)

まぁ、あの頑強さなら、
背後を警戒しないのは分からないでもない。
単に『耳』が悪いだけかもしれないが。
それとも『頭』が悪いのか。

「へぇ………………」

      ボソッ

「『大変そう』………………」

他人事のように呟きながら、
『道具』を手に取るセララを見た。
『捨て置け』とは言ってなかったし、別に構わない。
『双子』に逃げられさえしなければいいのだから。
あれを使って『車外』に放り出せるなら良し。
こちらも無駄な労力を使わないで済むというものだ。

          だが、念には念を入れておく。

  スゥゥゥゥゥゥ――――――………………

再び『非実体化』して急速前進。
正面に位置する『怪物の体』を『透過』して突っ切り、
最短距離で『怪物の側面』に移動する。
続けざまに、その状態から片足を振り抜く。

        フ ッ

  「『こっちを見ろ』………………」

                  ド ヒ ュ ッ

          「………………なーんちゃって」

直後に『全身』を『実体化』。
『闇』と『同化』していない時のスピードは常人レベルだが、
『足を振った直後』に『実体化』する事で、
『高速の投擲』が可能になる。
精密なコントロールで、『怪物の触覚』に命中させてやろう。
当然だが、ダメージなど期待しない。
『双子』が食われないようにするためだ。
『挑発する双子』よりも、
『サンダルをぶつけた方』に意識が向くはずだ。
『次のセララの行動』で何もかも片付くなら、
こちらは『楽』が出来るだろう。

704円谷 世良楽『リトル・スウィング』:2022/02/22(火) 19:04:13
>>702
>>703

「あれ、ウレイさーんどこ行っちゃったんだろ!?
 ウレイさんってたまにいなくなっちゃうから困っちゃーう!」

視界から消えた御影も気になるが、
今は化け物をどうにかするのが先だ。

「えー、やだやだ!
 返したらキミ達絶対逃げちゃうでしょー!?
 全部終わったら返したげてもいいけど、
 今はまだダメでーす!」


単純な物理攻撃は恐らく『まともに効かない』。

「だからだから、早く全部終わらせちゃいましょーよ!」

スキーストックは自分の身に抱える。
刺した場所に氷の壁を作る道具……
というのは勿論セララは知らないわけだが、
仮に知っていてもその詳細は知っておきたい。

「ねえコレ、どうやって使うの? あいつに刺しちゃえばいいのかなー!?」

この『道具』こそが状況を拓くのだろうから。
セララは都合よくそう考え……スプレーをさらに噴射して穴を拡げる。

705円谷 世良楽『リトル・スウィング』:2022/02/22(火) 19:07:41
>>704(追記)
回収に用いた輪は自分の近くに浮かべておき、
双子が強硬策に出た場合の防衛手段とする。
また、元々自分の前に浮かべていた輪は、
可能なら敵の頭より高く、天井付近に飛ばしておく。

706『なぞなぞエクスプレス!』:2022/02/24(木) 09:43:31
>>703-705

御影は闇の力を活かし、怪物の触覚に対しサンダルを能力を活かした高速の
状態で振り抜く。

    ――シュゥーーッパチィッ

アレブリへ『pEッ! Pиっ!』 ニョキィ

境界の怪物は、舌打ちするように鳴き声を上げつつ軽く体を揺すったが
御影の方に意識を向けない! そのまま舌を出し……。


・   ・   ・   ・

>えー、やだやだ! 返したらキミ達絶対逃げちゃうでしょー!?
>全部終わったら返したげてもいいけど、今はまだダメでーす!

ディオ『うわー 意地悪っ 意地悪ね! ディオ!』

ディオ『ねぇー 意地悪っ 意地悪だ! ディオ!』

長髪の、女性らしい容貌の方は頬を膨らませつつ相方のショートヘアの
少年らしい方に同意の声を上げ、もう一人も威嚇するように綺麗に
整っている歯を見せつけつつ声を上げる。
 然しながら何か理由があるのか、もしくは単に気まぐれなのか分からないが
円谷に攻撃する様子は今のところない。

>ねえコレ、どうやって使うの?

ディオ『クスクス お馬鹿さんよね 【私にしか使えないもの】 そうよね ディオ』

ディオ『アハアハ うんお馬鹿さん それは【ディオがパパから貰った力】なんだよ』

そう、双子は互いに寄り添いつつ軽やかに笑って返答する。
『霧吹き』でなく『スキーのストック』らしいものは、汽車で彼らが誰かが
奪い取ったものでなく、自分達のものなのか……?

     ――ニョロォンッ  パシッ

シャクロ「セッちゃん!」

! 『境界の怪物』は、その舌を細長く伸ばすと円谷の足首に巻きつけた。
 怪物は、君を捕まえると共に巨大な口を開き、真っ暗な穴が迎える場所を
円谷の視界に見せつつ舌が引っ張られる力が強まるのを感じた。

このままだと、境界の怪物の体の中に吸い込まれるだろう!

707御影憂『ナハトワハト』:2022/02/24(木) 18:00:57
>>706

意地でも『無視』するのは、
こちらを『脅威』と見ていないからか。
それとも、露骨に待ち構えているから来ないのか。
こっちの動きが崩れるのを待っているとも考えられる。
いずれにせよ、『神出鬼没の敵』を放置するというのは、
単純に頑健さによるものだけではない。
やはり、こいつは『血の巡り』が悪かったようだ。

  「『馬鹿』は………………」

        スゥゥゥゥゥゥゥゥ――――――………………

『鞘』を手放し、『全身』を『非実体化』。
両手で『不可視のサーベル』を振り上げながら、
高速の移動で『怪物』に肉薄する。
『馬鹿には見えない剣』だ。

          フ   ッ

               「――――――『死ね』」

    ブ ォ ン ッ

『サーベル』を振り下ろし、
『当たる寸前』で『上半身』を『実体化』。
『振り下ろすだけ』であれば、『剣の技術』は不要だ。
もっとも、『ナハトワハト』の精度なら『狙い』を外す事もない。

『剣自体の重量』を活かして、『舌』を断ち切りに掛かる。
『追放するのが唯一の対抗策だ』というなら、
どうせ効かないんだろうが。
『体表以外は通じる』という可能性もゼロではないので、
一応試す価値はあるだろう。
こいつを追い出す時間稼ぎくらいにはなる。
セララなら自分でどうにかするだろうから、
これは彼女を助けるための行動ではない。
あくまでも『舌を出している隙を突く』というだけの事だ。

同時に――――
セララが着ている『パーカーのポケット』を一瞥する。

708円谷 世良楽『リトル・スウィング』:2022/02/25(金) 19:32:12
>>706
>>707

「だってキミ達、あたしの友達じゃないですもん!」

            「まあ、でも…………って、わーー!!
             何これ何これ、うそー、ヤバーい!」

抵抗の一環としてストックで魔物の『舌を突き刺す』……が。

「わーっ、こーいう時に役に立たないなら! こんなの、いらなーい!
 それに…………こっちだけあっても、遠くには逃げられないもんネ!」

       「でもでも」

         「『シャクロさん』だっけ!
          もしヒマだったらさー、
          その子たちのこと逃しちゃわないでね!」

もし何も起きないなら、それを手放してしまおう。
その上で可能な限り床に踏ん張りつつ――――

「それで、あーあ、どーしよどーしよ! 大人しく食べられる気はないけど、
 お腹空いてるんだったら何かご馳走したげたらいいのかなーっ!?」

言葉の真偽は知らないが……セララはこれの使い方を知らない。
他の面々もそうだろう。双子とてこの魔物を退治する必要は『ある』。

         「それなら――――」

        ヒュリリリリリリリリ

  ウ゛ィアンド       ソルベ
「『肉料理』の前には『冷たいもの』がご飯の作法だって、教えたげまーす!」

普通に考えて『体内』まで硬い理由はないが、
化け物は普通ではない。硬いかもしれない。
ただ、それは『やらない』理由にはならない。

浮かべていた『リトル・スウィング』を敵の喉奥に飛び込ませ、『炸裂』させる。

709『なぞなぞエクスプレス!』:2022/02/27(日) 11:54:50
>>708(円谷PCに確認)

>抵抗の一環としてストックで魔物の『舌を突き刺す』

この際に『ストックの能力を発動しようと試みている』と円谷は
思考しての行動と考えて良いか? 
または、単純に何も考えず突き刺すだけだろうか?

710円谷 世良楽『リトル・スウィング』:2022/02/27(日) 12:54:07
>>709(GM)
セララは基本的に自分に都合のいい事が起きると考えているため、
『これは刺せば何か良いことが起きるのかもしれない』程度に考えています。
『刺すことがストックの発動条件で、自分も使えるに違いない』とまでは考えていません。

711『なぞなぞエクスプレス!』:2022/02/27(日) 18:18:59
>>707-708(少し巻き進行でいきます)
>>710(回答感謝)

さて 『アレブリへの怪物』は円谷の足首に舌を巻きつけ。体内の臓器も
見えないような真黒の奥底へと君を引きずり込もうとしている。

その刹那、御影は非実体化を一部解除しサーベルで怪物の長く伸ばした
舌の中間へ振り下ろし(※円谷が視認出来たかどうか等は任意で決めて構わない)
また、円谷のポケットを見た時は、多分オルゴールの膨らみらしきものが
見えた筈だろう。

円谷も、ただで呑み込まれはしないと『スキーストック』を突き刺しつつ
『リトル・スウィング』を怪物の口内へ飛来させる。

この時、円谷はストックの持ち手を握って怪物の太いピンク色のゴム生地のような
ものに突き刺した瞬間に『奇妙な感触』を覚えた。
 ウィンタースポーツを嗜む経験は色々と活発な君ならスキーのストックを
握った事は少なからず過去にある筈。だが、その時の人工的な硬質の感触を
覚えずに、まるで『人体の手首か足首』を握ったような言い知れぬ感覚を
ストックを握ると共に君は覚えた。それ以外では、特に変わった影響は
体に作用してはいない。単なる気の所為の可能性もあるだろう。

僅かにサーベルは怪物の太い舌を喰いこみ、ストックも強めに刺したからか
幾らか深く食い込む。リトル・スウィングの氷輪の炸裂弾も怪物の
口内の奥底へ飛散するのが確認出来た……。

 ――ググッ   グォ――ーーッオォ!

! 怪物は、その舌への反撃に対して微動だにする事なく
円谷をそのまま引き込む! 暗黒の入り口が自身の体を足先から
吸い込んでいくのが、ゆっくりと君(円谷)には確認出来て……。

 『パパの贈り物! ディオの宝物!』 パッッ! 『あぁ! ディオ!!』

そして、円谷の視界の横から焦燥にかられた様子で一人の童女。
 『ディオ』と名乗る片割れの長髪の女の子らしい存在がストックを
取り返そうと其の棒にしがみつき、共に奈落のような深い怪物の口の奥へと
自分と共に消えていくのを景色が暗転していく中で確認出来た。

 ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・

シャクロ「あぁ、そんな……セッちゃんが、呑み込まれちゃった!」

ロニカ「……ちぃっ……っ!!」

アレブリへ『――πИииДッッ!』  プシューッ!!   ノシ  ノシ

怪物は、円谷と一人の『ディオ』を一緒に呑み込んでしまった!

シャクロは何も出来なかった事に崩れ落ち、ようやく体の表面の石化が
崩れて動けるようになったらしい闇の一族のロニカも自身の不甲斐なさに
憤っているのか、今まで見たよりも遥かな殺気を放散させ蒸気を発して
眼中にないと言った感じで瞳を動かしている怪物を睨む。

――御影は、『ナハトワハト』の力もあってか闇と同化の力もあって
怪物に引き摺り込まれる事は防げた。代わりに、円谷を助ける事は
窮地を脱する為にも叶わなかったが……。

悲観的な空気が感じられる中、一人だけ短髪の男子らしい容姿の『ディオ』は
落ち着いた様子で呟いた。

『ディオは生きてるよ。……わかるんだ ディオの事は
吞み込まれちゃったけど、ディオの魂は消えちゃいないよ』

そう神妙な雰囲気で少年? は呟く。確信を抱いてるらしい声は嘘や
出鱈目を発してるようには思えない。

ロニカ「何? ……何故わかる、とはあえて聞かないでいてやる。
……となれば、ひとまずだ。あの馬鹿をこの怪物の胃袋から
吐き出してから、この事態を起こした元凶の貴様ともう一人の処遇は
決める事にするか」

シャクロ「私も、セッちゃんは友達だって言ってくれたからねっ。
聖骸布の導師としても、こんなノーパンの獣なんぞに負けてられないよ……!」

怪物は、どう言う意図か理由は不明ながら円谷と『ディオ』の片方を呑み込み
ながらも他の臨戦態勢の面子を立て続けに攻撃する様子はなく、円谷が
形成した次元の穴から足を完全に這い出すと再度口からゴム生地のような
舌を出し、それはゆっくりと……。
円谷が先程まで使用して、引っ張られた時に手放したのか
地面に転がった『霧吹き』の方に伸ばされた。

712『なぞなぞエクスプレス!』:2022/02/27(日) 18:41:56
>>711続き


『もぅ! 開いて、開いて! ディオをディオの所に戻しなさいよ!
このヘンテコ壁にヘンテコ床!』 ドスンッ ドスンッ

円谷は、怪物の舌によって深い深い怪物の胃袋の中に納まった……と思えた筈だった。

だが、その割には体は怪物の胃液や腸などで濡れてる様子もなく
体に傷もない。一瞬遠のいた意識が目覚めると、周囲はよくよく観察すると
トト□に出て来るネコバス染みた柔らかい床と壁に何かの毛で作成された吊り革。

どうやら、『アレブリへの怪物』の口の中は、これまた奇妙な『電車の内装』
のような空間だった。ただし、外が見えるらしい車窓の様子は普通の外の
景色は映しておらず、既視感を覚えさせる今まで君が通って来た車両の内部
らしい景色もあれば、ついさっき呑み込まれた宇宙の間の風景も中に存在して
怪物と対峙してるらしいシャクロやロニカ、そして『ディオ』の様子も見えた。

?『いやー、大変ですが。喰われて溶けるようでもないですし
お茶でも飲んでのんびりしませんか?」

『きらきら髪の ちかちかお目め! そんな呑気な事は言わないで!
ディオはディオでもっとディオと一緒に色んな場所に遊び回るんだから!
 こんな所で閉じ込められるなんて嫌!』

車内全体を見てると、『ディオ』が見覚え有る女性と口論してた。
 先頭を歩きつつ、確か色々と騒ぎのある内に姿が見えなかったと思っていた
あの変な燕尾服の旅行客だ。どうやら彼女? も、怪物に先に遭遇して
呑み込まれてしまったのか……。

?「まぁ、出たかったら何かしら調べて『謎を解いて見るんですね』
私は非力ですし、頭も悪いから、こんな怪物の体の中を脱出するなんて
とても、とても……」

自称旅行客は、お手上げと言うジェスチャーで携行してるらしい茶器で
湯気の立つ飲料水を飲んでる。
 そう言えば、ついさっき(>>702)怪物が怒った時の蒸気も
こんな感じの湯気であったと円谷には思えた……。

713御影憂『ナハトワハト』:2022/02/27(日) 19:42:33
>>711-712

セララが飲み込まれても、御影は顔色一つ変えなかった。

「………………『メンドくさ』」

ただ、その一言であった。
『スタンド使いとの戦い』なら経験はあるが、
こんな『訳の分からないもの』と戦わされた経験など、
そうそうない。
『スタンド使い』である自分が言うのもなんだが、
『埒外』も大概にして欲しいものだ。
『理不尽な奴ら』は大嫌い。
みんな無様に死んでしまえばいいと思う。

(――――――………………)

シャクロに呆れた視線を向ける。
意気込んでどうにかなるならとっくにやっている。
もっとも、こんな奴には最初から期待していないが。

        パ ァ ン ッ

サーベルを『ゴルフクラブ』のように振って、
『霧吹き』を弾き飛ばす。
シャクロの方に飛ばし、彼女に拾ってもらおう。
無力な者でも『武器』があれば多少は使い物になる。
ロニカは『素手』で十分。
ダメージはなくとも、力尽くで押さえ込んで、
少しの間でも動きを封じるくらいはできよう。

       スゥゥゥゥ――――…………

当然、自分は『非実体化』して『怪物』から離脱。
『鞘』の近くまで行って『実体化』し、
それを拾い上げてサーベルを鞘に収める。
『やる事』は大体決まった。

「『あいつ』を………………
 動かないようにしてもらえます………………?」

ロニカに頼んで、『怪物の動き』を封じてもらおう。

「シャクロは………………
 足元に『穴』開けて………………」

シャクロには、『さっきセララがやった事』をやらせる。
ロニカが押さえている間に、だ。
自分は『実体化』したまま『怪物』から距離を取り、
サーベルに『毛布』を掛けて『カーテン』のように吊るす。

714円谷 世良楽『リトル・スウィング』:2022/02/28(月) 19:23:46
>>711-712
>>713

この怪物には『アドリブ』では勝てないのだろう。
つまり、『謎々』であって『物語』ではない。
謎を拓くのは剣でも魔法でもなく『答え』だけだ。

「――――――――――・・・『ある』」

「ってことは、あたし死んでないみたい!」

死は無だ。
何も無い。

「アレアレーっ、さっきの人! あはーっ、奇遇ーっ」

けれど、『ここ』にいる自分はそうではないようだ。

「うーん、ウレイさんなら何とかしてくれそうだし、
 王様も頼りになるし、シャクロさんも、
 変な人だけど頑張ってくれるみたいだし?
 ゆっくりお茶してるのもいーかもネ!」
 
「でもでも、じっとして待ってるのはヒマだしー、
 何もしてなかったってウレイさんにバレたら、
 あたしカッコ悪いって思われちゃうからなーっ!」

           「セララちゃんも良いとこ見せたげなきゃ!」

『ディオの片割れ』はひとまず置いておく。
また、『燕尾服の女』もイレギュラーであって、
この『謎』を解くキーではないだろう。

セララも直感的に謎解きの必要性を感じた。

「とりあえず調べちゃおっかなー。
 あたしってこういう時頭いい気がするし、非力でもないもんネ!
 ねえねえ、キミも暇だったらあちこち見て回ってみてくださーい」

ディオの片割れに指示というほどでもない指示を出しつつ、
とりあえず、セララは辺りを改めて見回してみることに決めた。

具体的には――『湯気』以外の既視感はこの車両にないだろうか?
電灯の光が触角の光と近いとか、だ。それ以外でも気になる物があれば近寄る。

715『なぞなぞエクスプレス!』:2022/03/02(水) 00:55:12
>>713

御影は能力を扱い、サーベルへの毛布。ロニカの指示やシャクロへと
不思議な道具の投げ渡し、それ等を滞りなく行える。

ロニカ「誰にモノを言っている? 言われずとも、そのつもりだ
二度とオレの前で息1つ出来ないようにするに決まってるだろ」

闇の一族である彼は血管か神経か不明ながら太い管を顔や露出してる腕から
浮かばせて言い切る。や(殺)る気は十分だ。

シャクロ「うぉっとと! 了解だよ〜ミッちゃん。
セッちゃんをパパっと、あの珍獣の腹から出して見せるから安心してよ」

――タタタッッンッ!  プシュゥゥッッ!!  ガグンッ゛ 『Πидッ』

シャクロは俊足に、まるでグレーハウンドを思わせる四足走行に近い姿勢で
霧吹きを口で咥えつつ怪物の舌を華麗に割け、その後ろ脚の部分に滑り込み。
 円谷が起こしたのと同様の何処かしらに繋がってそうな円形の穴を出現させて
アレブリへの怪物の動きを一時的に止める。

 ロニカ「――去ねッ」   ドゴォォ゛ッッ――zノォオッッ!!

アレブリへ『―――ッッッ゛ッ゛дД!』

 瞬時にロニカは、その如何なる生命をも容易く粉砕する事が可能な剛拳を
怪物の真ん中の二つの突起部分の真ん中目掛け叩きこんだ。
 隕石が地上に落ちたような音と共に、流石の怪物も蹈鞴を踏んだようで
僅かに顔を床に打ち付け、唸り声を上げる。だが、まだ余力はありそうだ……!

ロニカ「チィ……! 薄々分かってるが、力押しじゃ倒せんな……っ」

ディオ『けど アレもイライラしてる 
 思い通りにならずにイライラしてる』

双子の片割れの少年の告げる通り、アレブリへの怪物の眼球部分は警戒色で点滅し
顔面にある独特の斑点が輝き始めた……何か仕掛けてきそうだぞ!

716『なぞなぞエクスプレス!』:2022/03/02(水) 01:44:59
>>714

円谷は調査を始めた。片割れの『ディオ』も怪物の中の奇妙な車両からの
脱出に対して異論はない。呉越同舟、この場は追う者 追われる者も等しく
可笑しな話だが協力しつつ、動き始める。

まず、『ディオ』は見つけた。

『あっ!! よく見たら吊り革の中央に薄っすら切れ目がある。
手で触れると何だか生暖かいわっ』

『双子』の片割れの少女は、そう車両の中央に亀裂らしきものを発見した。
怪物と対峙した時の蒸気、これが奇妙な星空を翳す旅行客の飲料水の湯気が
通したのかも知れない。だが、これが『脱出』に通じるかは微妙だ。
 御影が居れば、もしかすれば違った案で怪物の体から脱した可能性もあるが……。

次に、円谷は『車窓』の違和感に気づく。
まず左右に3つずつ、計6つの窓が取り付けられ。そして
前方にも二つ、怪物の視点らしい形でロニカやシャクロが見えてるが。
違和感があるのは他の八つの窓からの風景だ。

1:>>424を通った時の『水面の車両』らしい感じの、その水面の底らしい
光が射さない水と気泡らしいものだけが映っている。

2:これは今まで通ってきた車両には見覚えがない。『冷凍庫』のような
氷漬けの風景だ……よく目を凝らすと端に鏡らしいものが見える。

3:>>456での『神の車両』の童女が映っていた。暇をしてるのか
彼女が自分で産み出したらしい『ナイチンゲール』の鳥が囀っており
それを神の少女は目を閉じ聞き入ってるようだ。

4:>>505のグル・ド・ベットのある車両。
あの時計頭の彼が、どうも大量の『豆』らしいものの上で気絶するように
大の字で倒れてる……。

5:>>689の『華の車両』らしい風景がある。一つの『チューリップ』が
ズームアップして車窓に映し出されている。

6:その風景は過去の映像らしかった。あの『犬人族』の
ピンシャーやサーロン男爵、それに死んでる筈のキャバリア侯爵夫人も居る。
スパニエル公爵が異世界大使として贈呈する品々を説明してるのか
金貨、銀貨、銅貨の箱を他の貴族達に抱えさせつつ何やら話してる様子だった。


そして、前方で御影達の様子を映し出す窓の下には、こう札が提げられてる。

  『私の名を呼んでくれ! 私の名を呼んでくれ!』

奇妙な点は、こんな感じであった……脱出の手掛かりとなるかどうか。

717御影憂『ナハトワハト』:2022/03/05(土) 18:56:05
>>715

奴の頭上に浮遊して、『目隠し』してやろうと考えていた。
身動きがとれず、視界も塞がれてしまえば、
『全体攻撃』に訴えるしかないからだ。
だが、『もういい』。

「あっそ………………」

イライラしているのは『こっちも』だ。
『闇』を味方につけた『ナハトワハト』は『完全無敵』。
発動に『条件』を必要とするからこそ、
その能力は『圧倒的』と呼べる。

『光以外』のあらゆる攻撃を悉く無効化する『回避力』。
高速で駆け、跳び、空中すらも移動する『移動力』。
存在を悟られる事なく密かに忍び寄り、
確実にターゲットを排除可能な『攻撃力』。
闇の中で『ナハトワハト』に勝てる者は、
『まずいない』と自負している。
だが、『殺せる見込みのない敵』は話が違う。

『ナハトワハト』の基本スタイルは『暗殺』。
敵の意識外から接近し、
相手が何かする前に致命傷を与えるのが身上だ。
一撃で殺せずとも、じわじわと体力を削れば、
どんな敵でもいずれは力尽きる。
しかし、『異常に硬い敵』というのは極めて相性が悪い。
『闇の衣』を纏った『御影憂』は『最強の暗殺者』だが、
『最強の戦士』ではないからだ。

「私の『秘密』………………教えちゃう………………」

「実は………………私も『闇の一族』………………」

                  ボソッ

          「なーんちゃって………………」

    シ ャ キ ィ ィ ィ ッ

「………………『何が起きるか』見といて………………」

片手で『サーベル』を抜いて腕を伸ばし、
『自由の女神』のように剣を掲げる。

「ちょっと………………『内見』してくるから………………」

              ド シ ュ ゥ ゥ ゥ ッ

次の瞬間、『両手』を離して『全身』を『非実体化』。
『闇と同化した体』を『霧状』に変化させ、
『鞘の中に潜入する(>>700)』。
もし部屋全体に『光』を浴びせたとしても、
『壁』があればそこで遮られる。
『鞘の中』に入ってしまえば、
それは『別の部屋』にいるのと同じだ。
事前に『怪物』からは距離を取っているので、
『鞘』が物理的に破壊される事もない。

(セララ………………早めに戻ってきて………………)

そして、『刀身』は『鏡』の役割を果たす。
高い位置から手放すのだから、当然『落ちる』だろう。
『何かをしようとする怪物』と『鏡』が対峙した時、
何か起きるのか、それとも何も起きないのか。
『双子』の言葉を鵜呑みにするのもどうかと思うが、
それを確かめるくらいしかする事がない。
『鞘の中』に入ってしまうので自分には見えないが、
ロニカやシャクロが確認するだろう。

(………………『メンドい』から………………)

718円谷 世良楽『リトル・スウィング』:2022/03/05(土) 21:11:14
>>716

「うそうそ、何それ!
 裂け目みたいなー、これ、外と繋がってるかも!?
 でもでも、あたしもキミも、ダイエットしないと通れないネ」

謎めいた存在の『ディオ』だが、
あの『神』のような不条理な存在ではない。
これが脱出口にならないのは同じだろう。

「うーん、あたしこういうのニガテ!
 キミ、この冷凍庫みたいな部屋知ってる?」

         「これは多分あの水の部屋だしー、
          こっちにいるのはハモン?
          っていうやつを貸してくれた人」

    「食堂車にー、さっきの花のとこ、
     で、こっちはピンシャーさん達!
     なんかちょっと変な気はするけど」

「ぜーんぶ知ってまーす。 
 でもでも、あたしここだけ知らなーい。
 多分だけどさー、キミが通ってきた部屋なんじゃない?」

この電車の車両にどれだけ数があるかは知らないが、
まだ全部の車両を通ったわけではない筈だ。

「この窓バーンって割ったら向こうに出れたりしないかなー!」

つまり――――これは『セララの通った車両たち』だろう。
『そうではない車両』があるなら、『ディオ』がその理由のはず。

「あとあとー、あ! これかなーっ!? 怪しいの。
 『私』って誰だろ。ウレイさーん! 王様ーっ。
 あ、名前だからロニカさーん? えーっと、シャクロさーん!」

一通り、知っている名前を呼んでみるが、そう単純ではない気はする。
少なくとも、今あるだけのピースから答えを導くのはセララには出来なかった。

719 『なぞなぞエクスプレス!』:2022/03/08(火) 10:30:50
>>717-718

御影は『ナハトワハト』による力。【すり抜け】
 闇であればネズミすら入り込む事が厳しい隙間に入る力を扱い
サーベルを勝利の女神の如く突き上げた後に入っていく。

 シュ   ゥ    ウ・・・

さて……天は他の者に微笑むのか。


―  ―  ―   ―  ―

>キミ、この冷凍庫みたいな部屋知ってる?

「うん……? あぁ! これ『パパから贈り物を貰った場所』にそっくり!
 ディオがパパに貰った、ほら! さっきの『ジョットのストック』を
パパから貰った場所なのっ。
……今は貴方たちの所為で怪物の腹の何処かに入っちゃってるけれどっ」

円谷が『ディオ』に尋ねる。少女は、その質問に素直に答えて
そして頬を膨らませ機嫌を少し悪いとアピールした。

 ガンガンッ!

『うーんっ! 固いわ固いわ! パパの物か、ディオが持ってる霧吹きが
あればパリンって割るか、ズルンッて入るのに!』

円谷は名前を唱え、ディオは車窓の幾つかを拳で叩くものの反応は芳しくない。

その間にも時は進む。星の女が軽やかに笑いつつ告げる。

星の女「あはは どうやら、怪物も少々本気を出すようですよ」

        ♪  ♩   ♫ !!
  ――♪ ♬  ♩ ♫   ♬  !
            ♩   ♫  !!


円谷は、この怪物の車両の中で音楽を耳にした。
 どうやら、神の童女が聞いてるらしいナイチンゲーのようだのようだ。
だが前方部分。怪物の視覚を映し出す窓の光景からシャクロやロニカが
眩暈を起こしてるようにふらついてるのを目にする。どうやら、この車両より
遥かな大音量と、生物を混乱させるような音波を放ってるらしい。

また、その怪物の視点の中央から突如、御影が持ってたらしい
サーベルと鞘が宙から落下するのが見えた。

 ――パシッ!

『あっ! ディオ、ディオ! そうよっ
 こんな怪物なんてディオがスバッと斬って バズンって私を引っ張るの!』

星の女「あはは それはどうですかねぇ」

『なによ! ちかちか ぴかぴか! あなたもちょっとは手伝いなさいよっ』

星の女「いやいや あはは……まぁ、ちょっと窓を見て落ち着きなさいな」

そう、星の女は幾つかの車窓を指す。

――先程の暗い水と気泡を映し出す窓の風景が変化した。
 今度は『薄汚れた、あひる隊長』が水面に浮かんでる光景だった。

――神の車両の間の童女は、今度は別のナイチンゲールらしい鳥。
……いや、どうやら今度は『機械仕掛けのねじ巻き鳥』だ。
幾つもの宝石らしい美しい装飾の付いた鳥が旋律を奏でるのを
腕を組んで童女は聞いている。

――えんどう豆の上で気絶してた時計頭はもう居ない。
その代わりに、円谷と一緒にいる『ディオ』が映っている。少女の方だけだ
彼女は車窓の中で、愉快そうに『サンドイッチを踏んでいる』


『えーっ 何これ? わたし、パイはディオと一緒に投げたけど
サンドイッチなんて踏んでないわよっ!』

星の女「あはは、そうかも知れませんし、そうじゃないかも知れません。
ま……『共通点』があるのかも知れないですね。全部の窓には」

 そう、意味深な あははと笑って吸い込まれそうな星空を映す瞳と
髪の毛が軽く揺れつつ彼女は口を閉じた。

怪物の視界からは、彼らが怪物の放った音色で危機があるのを知る。
どうにかして『謎』を解き明かし、怪物を止めるべきかも。

720御影憂『ナハトワハト』:2022/03/08(火) 19:46:03
>>719

『闇』さえあれば『ナハトワハト』に『敵』はない。
相手にどんな力があろうが、
掠り傷一つ負わせる事ができないのだ。
まさしく『無敵』。
だが、その絶対的な力を以ってしても、
『規格外の耐久性を持つ生物』を、
即死に至らしめる事は難しい。
これが『通常任務』なら、さっさと逃げているところだが。

(とりあえず『出る』しかないか………………)

ミストフォーム
『霧形態』は、あくまでも『回避専用』の姿。
この状態で出来る事は『ほぼない』。
『最強の回避能力』だが、『万能ではない』という事だ。

         ズズズズズ…………

現状を把握するために、『鞘の中』から『頭だけ』を出す。
『霧形態』は、『体の一部だけを入り込ませる事』が可能。
逆に言えば、『一部だけを外に出す事もできる』。

なお、『闇との同化』は解除しない。
『ナハトワハト』は『すり抜け』を行う際、
『闇と同化した状態』から『霧形態』に移行する。
つまり、『霧形態』でなくなっても、
『闇と同化した状態』に戻るだけだ。

721円谷 世良楽『リトル・スウィング』:2022/03/10(木) 23:21:45
>>719

「えーっ、共通点って言われてもなーっ。
 でもでも、あたしが分かんないと王様達困っちゃいますよねー!?」

       「ウレイさんはいないっぽいけど!」

    「どーしよっかなーっ」

窓の光景に共通点など見当たらない。
あるとしたら、答えが分かった上で、
そこからのみ逆算出来る答えなのだろう。

とはいえ――この列車の謎はどれも『答えはあった』。

「とりあえずー、さっきの湯気も、
 今の変な音も、『ここ』から出てるんだよネ。
 でも、窓の向こうにこっちから何かは出来ないし」

   「窓を塞いじゃったりとか出来ないかなー?」

まず、即物的な対策としてはそれが思いつく。
パーカーを広げれば覆えたりしないだろうか?
押さえておくためには『輪』を使えばいい。

「うーんうーん、『あった』ことだけの窓じゃないんだったら、
 どういう理由でこういうのが映ってるのかなー。テキトー?」

各窓に一度ずつは触れてみる。
答えなしでのアクションに意味はないかもしれないが……

「生き物がいたりいなかったりも窓によって違うし。
 あの神さまの人が『生き物』かどうかは知りませんけどネ」

現状で窓に映ったピースから考えるのなら、
純然たる『生物』が写った窓は常に一つという点か?
特に、『ディオの映った窓』をよく眺めてみる。

神や、その創造する存在が生物なのかどうかは分からないが……

722『なぞなぞエクスプレス!』:2022/03/12(土) 15:24:40
>>720-721

君(御影)は頭だけを出す。霧の状態ながら、周囲が闇に近いプラネタリウム空間である
事も相まって、突然に光に襲われて強制解除される事も今はない。

鞘から出て、最初に見えたのは作り物のような均整がとれている少年『ディオ』の
横顔だった。少々獰猛にも見える微笑を携え、彼は貴方が貰ったサーベルと
貴方自身が入る鞘を怪物の額に飛び乗りつつ触角らしい二本に対して振り回している。
 その速度は子供の体格では思えない武人のように凄まじい軌道(ス精:BB)のようだ。
また、ふと違和感を鞘に感じて見てみると。握っているディオの鞘自体にも
薄っすらと氷の鋭い膜のようなものが出来ており。それを扱って触角を攻撃している。

鋭い鉄を弾くような音が聞こえそうになりつつも、怪物は謡う調子で体を揺すり
ロニカやシャクロが眩暈を起こしてるようにふらつくのが回復する様子は見えない。
(※【闇との同化】の際、相互不干渉によって攻撃が通る事はないので、
この状態での御影に音波攻撃が効く事はないと判定する。読唇で、他の者の
会話を理解する事は限定して可能にもする)

『うーんっっ ディオの力じゃ外側からどうやっても無理だなー。
いっその事、ディオの居る場所に飛び込もうか?』

そう、君ごと鞘を振り回す『ディオ』が悩むような表情で呟くのを
視認出来るだろう……膠着状態の戦況。彼? の行動が吉と出るか凶と出るか……。

――――――――――――――

円谷は思考しつつ、生物のいる窓……『ディオ』が映る車窓を見つめる。

サンドイッチを踏む『ディオ』……大量のえんどう豆や時計頭は無くなり、
単純にサンドイッチを踏んでる『少女』こと『ディオ』が居るだけだ。
 ぐちゃぐちゃのサンドイッチ。具材のトマトか何かで彼女のステップを踏む
靴は赤く汚れている……。

星の女「彼女がそんなに興味深いのなら、こっちにも映ってますよ」

そう、奇妙な星空を髪と瞳に宿す謎の旅行客は声をかける。視点を映すと
冷凍庫のような氷で覆われた部屋に『ディオ』が居た。だが、今度は双子の一組で
氷漬けの空間の壁にもたれ掛かるような二人の内、男子らしきディオの
『目と胸元に鏡の破片らしきものが刺され』てる様子で倒れていた。
 もう一人の女子のほうのディオは『片手に何かを握り、その手は妙に煤けている』
何か、燃やすものでも握り込んでいたのだろうか……?

ディオ『また変なディオの風景! こんなのどうでもいいから
この怪物の腹から出す方法を ぴかぴか! きらきら! ちかちか!
さっさと教えなさいよ! でないと引っ搔いてやるわよ!』

星の女「あはは 怖い 怖い。
――まぁ これは貴方の『物語』なのですよ。それに対して、私のような異物が
力を貸しては本末転倒なのですから。
 私は光る場所から遠ざかり『暗喩を好む』女なのです。
導きの担い手になるには役不足と言うものなのですよ、えぇ えぇ……」

星の女は嘯き、微笑を翳す口元を紅茶の器で隠した。

これが『最後通牒』なのだろう……円谷、君が答えを解いても解かなくても
事態は動くだろう、次の時に成れば。

723御影憂『ナハトワハト』:2022/03/12(土) 18:29:39
>>722

(私が馬鹿だった………………)

(………………こいつの言葉を当てにした)

溜め息でもつきたいところだが、分かった事が一つある。
このまま外側から何をやろうが、
おそらくは『時間の浪費』にしかならない。
ただただ『無意味な時』を過ごすだけ。
セララはどうなっているか知らないが、
中では何か起きているのだろうか?
そうだとすれば、自分だけ『蚊帳の外』で終わる事になる。

           ズズズズズ

『鞘』から出て飛び降り、片手を『実体化』して『毛布』を拾う。
それから『霧吹き』も回収。
床に落ちているなら拾い上げる。
シャクロが持っているなら引っさらう。
二つを回収後、再び全身を『非実体化』させる。

(こういう時………………何て言うんだっけ………………)

(あぁ………………)

(………………『やれやれ』………………)

『双子の片割れ』の動向を見張る。
飛び込む瞬間、全身を『実体化』。
面倒な事この上ないが、『飛び込んでみる』しかないようだ。
それでどうにかなる保証などない。
だが、ここまで長々と関わってきておいて、
最後の最後で『解答権』を与えられず、
『オブザーバー』扱いされるのも癪だ。

724御影憂『ナハトワハト』:2022/03/12(土) 19:15:51
>>723

725円谷 世良楽『リトル・スウィング』:2022/03/14(月) 03:20:55
>>722

「この子にキョーミもなくはないですけど、
 今はそっちよりこっちなんですよネ。
 なんだろ、トマトはなんか聞いた気がするけど」

意味深な光景と意味深な女の意味深な言葉に、 
しばらく黙りこくって考え込んでいたが――

         「うーーん」

      「うーーーん、んー、ん」

「…………わーっ、ダメダメ!
 あたしこれ全然わかんないや。お手上げでーす」

結局、セララには答えを導くすべがなかった。

チューリップの窓や犬人達の窓については、
これまで一度も変化がなかったようだが、
それが『なぜ』なのかはまるで思いつかない。
『名を呼ぶ』以上、何かの名詞が浮かぶのだろうが……

「あーあ、あーあ、あたし達このままどうなるんだろ。
 溶けて死んじゃうんだったらやだなー!
 やりたい事いくらでもあるし、死んだら全部無くなっちゃうのに」

いずれにせよ、解けない謎の前で、
永遠に立ち尽くしていても勝手に解けることはない。

「窓の向こうも死んでるのとか、生きてないのとか、死んじゃった人ばっかりだし。
 まあ、このチューリップのところだけ平和ですけどねーっ」

セララには珍しい気落ちした顔で、部屋中の窓を再度見渡すだけだ。

726『なぞなぞエクスプレス!』:2022/03/14(月) 10:20:50
>>723-725(『解答』を。因みに円谷PCも思い当たったのなら
このレスより解答をチャレンジして構わない)

円谷は、お手上げだとジェスチャーを取りつつ窓を見渡す。
 風景に変化はない。『ここまで』が君に与えられる解答への情報だったのだろう。

『うーん、私もお手上げ! ディオなら、わかるかしら……』

そう少女は、もう一人の片割れを想って憂い気に呟く。
 その瞬間に、この怪物の腹の車両の端の席に光が灯った……。

――――――――――――――――――

『御影』は『ナハトワハト』の力を駆使し、シャクロが眩暈を起こして
取りこぼしてる霧吹きなり他の道具を回収すると共に、アレブリへの怪物の腹へ!

男子の『ディオ』は触角を斬りつけるのを止め、丁度怪物の口の方に
飛び込む寸前なのが確認出来た。少しだけ目を見開き滑稽な感じもするような
間抜けな表情に見送られて御影は意識を少々暗転……そして、次には
大型の動物の毛で編まれたかのような座席に座っていた。

 周囲を見れば、円谷が居て あの女子の『ディオ』も居る。

円谷から、君はこの怪物の車内の奇妙な風景や其の変化
そして合言葉らしいものが描かれた札について詳細を聞けるはずだ。

 そして、少し遅れて男子の『ディオ』も光と共に座席に出現した。

『おっと……此処は』

『あぁっ ディオ! もう遅いわよ!』

『わっ ディオ! やっぱり無事だったんだね。どう言う状況なの?』

双子らしい男女はワンテンポ遅れて、この怪物の車両の謎を聞いている。
 だが、情報のアドバンテージは既に『御影』が有利だ……。

さて……君たちは何を唱えるだろう?

727御影憂『ナハトワハト』:2022/03/15(火) 01:03:57
>>726

「………………ふぅ………………」

とりあえず一呼吸する。
こうして『体内』に侵入して分かった。
やはり解決の道は『入る』しかなかったようだ。

「………………なるほど………………」

セララから事情を聞いて、大体の状況は分かった。

  「ウレイさんに解けない『謎』は………………」

           ボソッ

そして、その『答え』も既に『理解した』。

       「………………『あんまりない』」

          ス ゥ ッ

右手の人差し指を立て、
その先端で『水面の車両』の窓を指し示す。

「『泡』になった『人魚姫』………………」

続いて、『冷凍庫の車両』を指差す。

「『白雪姫』の『魔法の鏡』………………」

それから、『神の車両』。

「『アンデルセン』の『ナイチンゲール』………………」

『食堂車』。

「『ジャックと豆の木』………………」

『華の車両』。

「『親指姫』は『チューリップ』から生まれた………………」

『犬人の車両』。

「『アンデルセン』の『火打ち箱』には………………
 『犬』と『金銀銅貨の箱』が出てくる………………」

『薄汚れたあひる』。

「『みにくいアヒルの子』………………」

『機械仕掛けのねじ巻き鳥』。

「『ナイチンゲール』に出てくる鳥は………………
 『宝石』で飾られた『オルゴール』………………」

『サンドイッチを踏む少女』。

「『パンを踏んだ娘』………………」

『赤く汚れた靴』。

「踊り続ける『赤い靴』………………」

『目と胸元に刺さった鏡の破片』。

「『アンデルセン』の『雪の女王』………………」

『煤けた手』。

「『灰かぶり姫』………………『シンデレラ』………………」

つまり――――――。

「『共通点』は………………『童話』の『暗喩』………………」

           ボソリ

「『答え』は………………『おとぎ話』………………」

要するに、『そういう事』だ。
(ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453529937/48)

728円谷 世良楽『リトル・スウィング』:2022/03/15(火) 21:18:31
>>726
>>727

「わーっウレイさんも来ちゃった!
 ウレイさーん! 分かるの!? やばーい、流石ーっ」

       「……って、お伽噺ー!?
        うそーっ、言われてみたら、
        それっぽいのもありますけど……」

「『パンを踏んだ娘』って何!?
 そんなのあるんですかー!?  
 パンを踏んだ女の子が怒られるお話とか?
 そうだったらあんまり面白くなさそーっ」

          「ウレイさん頭よすぎーっ!」

セララには解けない問題だ。知識が足りない。
もっとも……仮に童話を全て知っていて、
なおかつ光景がもっと露骨な物でも、
セララには解けなかった可能性は高いが……

「ウレイさんってやっぱりすごーい! ですネ!
 ほんと頭良いんだもんなー。流石大学生!
 ねえねえ、キミたちもそう思うでしょ?
 あたしよりずーっと頭良いんですよウレイさんは!」

セララより良いというのがどの程度名誉かは不明だが、
セララからすればかなりの名誉を与えているつもりだ。
ディオらにも友達のことを自慢しておく。

「いやー、ウレイさんのおかげで助かった助かった。
 それで……ここからどうなるの? キミ、そこんところ知ってます?」

そして、『星の女』に顔を向ける。

解けた謎は御影の手柄。セララはそれ以上気にしない。
問題は、これが正解だとして――ここから起きるのはどんな事象なのかだ。

729『なぞなぞエクスプレス!』:2022/03/15(火) 23:10:33
>>727-728

御影は、答えを紡いだ。『おどき話』 ソレが君が出した回答だ。

だが……『その前に』変化が起きた。

> ――『アンデルセン』の……

 ポワァ   ギギギギギッッ

その言葉と、共に。札が光り、文字の続きが浮かび上がると共に
縦に亀裂が壁に走る。

 『私の名を呼んでくれ! 私の名を呼んでくれ!

  私が眠りの中で皆に死んだと思われないよう!

    ハンス・クリスチャン・アンデルセン』

星の女「あはは なるほど なるほど。
冷凍庫のような氷漬けの風景は、恐らく『雪の女王』の物語の
大まかな舞台の暗示。
 時計の方が倒れてたのは『えんどう豆』ですので
『えんどう豆の上に寝たお姫様』
冷凍庫で倒れてる彼女が、何か燃えカスになるものを握り込んでるなら
燃えるものと考えると大体考えられるとすれば『マッチ』
 つまり『マッチ売りの少女』の暗喩だったのでしょうね」

自分が綺麗だと驕り高ぶった少女が、泥道を足で汚したくない為に
パンを踏んづけたまま地獄に落ちて改心する物語ですよ、と円谷への
説明を交えつつ回答の捕捉が行われた。


ディオ『おどき話には間違いないけどねー。
あーあー ディオも気づいたんだけどな』

男子のディオは残念そうな口振りで呟く。タッチの差だが
間違いなく御影は『解答』出来たのだ。

 円谷と御影、君たちは共に開かれた入り口へ進むと
その中は家屋の一室程度の球形に造られた空間だった。
 部屋の中には人間サイズの心臓のようなものが中心でドックンドックンと
脈動している。それには一つボタンが付いていた……。

730御影憂『ナハトワハト』:2022/03/16(水) 01:02:15
>>728

「最近読んだから………………」

「………………『本当は恐い童話全集』」

御影が関心を抱き、研究しているのは『恐怖心』。
その一環として、『おとぎ話』にも手を出していた。
今回は、それが役に立ったという事だ。

  「わぁー………………」

            スッ

          「………………ーい」

顔を俯かせながら小さく両手を挙げて、
不気味な万歳で答えた。

>>729

「『これ』壊したら………………」

     シ ャ キ ィ ィ ィ ン ッ

「………………『永眠』してくれる?」

蠢く『心臓』を見やり、
『双子の片割れ』から『サーベル』を没収する。
剣先を心臓に向けた後、元通り鞘に収めた。
この化け物を本当に死なせてもいいが、
それで脱出不可能になっては困る。

「………………『帰る』………………」

       グルッ

          ファンタジー
「………………『おとぎ話』はお腹いっぱいだから………………」

                 ダンッ!!

流れるようなアクションで『後ろ回し蹴り』を放ち、
サンダルの靴底を『ボタン』に叩きつける。

「実は………………。
 まだ気になってる事があるんだけど………………」

旅行客の女を一瞥する。

「『あいつ』が言ってた事………………」

「まぁ………………いいや………………」

731円谷 世良楽『リトル・スウィング』:2022/03/17(木) 12:01:49
>>729

「なにそれ! 綺麗なら別に自慢してもいーのにね。
 まーでも、自慢ばっかりの子って嫌われちゃうし、
 パン踏んだりしたら良くないから、普通の話なのかも!」

そんな軽いものではないと思うが……

「えーっうそーっ、キミも気づいたのー!?
 やばーい、こういうのみんな知ってるんだ。
 あたしもyoutubeとかで勉強したほうがいいのかなー!」

      「まあでも、そっちのキミは知らないみたいだし、
       別にいっか! こんなこと2回ないと思いますしネ」
 
セララが自分から読む本と言えば、
クラスメイトに勧められたマンガや、
親に勧められた画集くらいのものだ。

「あ! ウレイさんオススメの童話とかあったら、教えて下さーい」

そして……

「わーっ! 心臓だ! グローい! あたし初めて見ましたよ。
 って、ウレイさんってばアクロバティックーっ。
 なんか外国のアクション映画の人みたーい。かっこいー!」
 
「ねえねえ、これで出られるのかな? どうなるんでしょーか!」

御影がボタンを蹴り押すのを横で騒ぎながら見ている。

予想が正しいなら、これで化け物は機能停止し、
あとは――『星の女』はともかく、『双子』だけが問題になるか。

732『なぞなぞエクスプレス!』:2022/03/20(日) 00:33:01
>>730-731

――ダンッ!!

 人サイズの心臓は、ボタンを足で叩きつけると大きく一度振動して
その後、その鼓動の音は段々と萎んでいく。
 『サーベル』に関しては、ちぇっとディオの男の子は拗ねた表情を
見せるものの、別段とても欲しい訳では無いらしく大人しく御影に返却した。

そして、御影と円谷。いや、双子を含めた全員が室内全体が回転するのを
感じ取った。縦横上下と部屋全体が回るのと共に、引っ張られた感覚を受けた
勢いのままに四人は突如出来た空間の穴へと吸い込まれる。

次に四人は『すべり台』の上を滑っていた。
 ただの滑り台では無い、延々と続くとも思える先ほどの怪物の大きな舌で
出来たような滑り台の上を通過する。

その過程で君達は、滑り台の空間を点滅する中に様々な光景を見た。

一面が水面で満たされた世界。星全体が様々な本で構成された図書館惑星

華を目などに生やして生活する異種族達。君達が見た犬人達が暮らす世界。

ゾンビと人間が生存競争を行う社会、また逆に明るいムード漂う
古今東西のお化けが蔓延るハロウィン騒ぎの街並み。

貴方達の住まう星見町の光景もあり……そして、すべり台の勢いが
一番となった刹那に、二つの情景が襲った。

一つは、星見町ではあるが……『不気味な笑顔を人々が浮かべて生活する』世界。
 
もう一つは、天を曇天が覆いつくし。霧のロンドンを連想させる深刻な
大気汚染が世界全体をほぼ覆いつくす中、過酷な労働をする人々を
嘲笑う鋭い牙を口から覗かせる妖艶な者達と、それ等を無表情で見下ろす
アレは……ロニカと同じ存在であろう。


そして、幾つかの世界の一旦を垣間見て貴方達はプラネタリウムの車両へと
帰還する。御影と円谷は、怪物の口の舌より滑り降りた。続いて、ディオ達も
楽し気な悲鳴と共に、アンデルセンの五粒のエンドウ豆よろしく勢い付けて
放り出ると共に見事な着地を決めた。
アレブリへスの怪物は、目を閉じて口を開きっぱなしの状態で動かない。
 微かに……いや、結構な音量で寝息のような唸りがあるので死んでは
いないのだろう。先ほどのボタンが怪物の眠りを誘う起動装置だったのだろう。

シャクロ「あっ! 良かった二人とも無事だったんだね!
 この怪物、ひっどい歌をいきなり止めたと思ったら目を閉じてダランと
舌を出して動きを止めて。だからきっとミッちーとセっちーが
怪物を止めるのを成し遂げたんだって、私 信じてたよっ」

ロニカ「……ふん、お前たち二人とも存外しぶといな」

シャクロとロニカは、態度は真逆ながら二人の生還を祝う。
 その傍ら、ディオ達は楽しかったねと先ほどの滑り台に嵌ったようだが
直ぐに、女子のディオが何かに気づいたようだ。

ディオ『あーっ! ディオ! あの【霧吹き】は?
あれが無いと、この汽車をもっと色々冒険出来ないわっ』

ディオ『うーん! さっき、そっちのお化け見たいな人に
取り上げられたんだよね。ねぇ、返してくれる?』

御影が霧吹きを持ってるだろうと二人のディオが見やる。当然、君には
返す義理もないし、これ以上この汽車の騒動には懲り懲りだ。
 それに……『既に霧吹き』を君は所持してない。

ディオ『えーっ!? あっ さっき怪物の腹が回った時に
落としたのねっ それじゃあ、ディオ! また戻って取りに行きましょう!』

ロニカ「――お前等、いい加減にしろよ?
 それ以上面倒をかけてみろ。このオレが吸収してやるからな……っ゛」

『『……うぇ゛ーっ』』

2人のディオは我が儘に更に動き回ろうとしたがロニカの底知れぬ
激怒を押し隠した声と二人の襟首を掴んで猫のように持ち上げた事で
嫌そうにディオ達は唸ったものの、観念したように抵抗する事は無かった。

シャクロ「あはははっ! まぁ万事解決って事で……良いんだよね?
それじゃあ、元の車両のほうに戻る事にしよう」


 ― ― ― ― ― ― ― ― ―

そして、貴方達は再び目覚めた車両の方に戻る事になる。

憮然とした表情の双子達はロニカに監視される下で座っている。
 たまに二人で顔を寄せ合って耳打ちしてるのが見て取れる。

シャクロ「……あれ、隙があればまた逃げ出そうって相談だよ
まぁ、あの王様がいるんなら問題ないだろうけど……。
でも機嫌悪そうだし、素直に切符とか差し出してくれなさそうだね」

どうやって元の世界に戻る為に切符を取り返す?
 そう切り出される。これが最後の『問題』だろう。
いたずらっ子の『双子』 この二人から不思議な汽車の切符を
取り返す為に、何をすべきか……。

733御影憂『ナハトワハト』:2022/03/21(月) 05:16:50
>>732

あれらの光景は、異なる次元の『別世界』なのだろう。
そして、この列車は、
それらを結ぶ『線』になっているという訳だ。
この『双子』も含めて、
前に『遊園地』で見た不可解な現象や存在の数々は、
どう考えても『スタンド』と無関係に思えた。
はっきりとは言えないが『スタンド使いのカン』だ。
見た目といい中身といい、全く『スタンド』らしくない。

そういった得体の知れない魑魅魍魎は、
このルートから『不法侵入』した可能性も出てきた。
つまり、この列車が存在している限り、
いつでも『不法入国者』が来れる状態にあるとも言える。
迷惑極まりない話だ。

『アリーナ』は把握しているのか?
もし『アリーナ』が知らなければ、
こっちだけが『情報』を握っている事になる。
まぁ、それを考えるのは自分の仕事じゃない。

――――――――――――――――――――――――

御影憂は優れた『忍耐力』の持ち主だ。
何日間も標的を待つ狙撃手のように、ある瞬間のために、
ひたすら待機し続ける事も平然とこなす。
それは『能力』からも分かる事だろう。
特定の場所あるいは人間に『幽霊』の如く取り付いて、
目的を達成するまで決して離れない。
『闇』がある限り、
『ナハトワハト』は『無敵の監視者』として存在する。

          クソガキ
だが、これ以上『双子』のお守りをする気はない。

「――――――………………」

こいつらが『ただの子供』なら力ずくで奪い取ればいいが、
どうせ無理な事は分かっている。
それに、すぐ暴力に訴えるのは、
知性の足りない『落ちこぼれ』のやる事だ。
相手が言葉すら理解できないレベルの馬鹿なら別だが。
御影は、常に『知的な手段』を重視する。
そして、こういうシチュエーションは『得意分野』だ。

「………………『トレード』するのは………………?」

         ボソボソボソ…………

「………………『アレ』と………………」

『双子』から離れて、セララに耳打ちする。
『アレ』というのは『ストック』の事だ。
それが『大事な物』なら、
『トレード』という形で『切符』を差し出させる。
特に大切でなくとも、
『ロニカから逃げるため』には使えるだろう。
目の前にチラつかせてやれば、
『取引』に応じる可能性がある。
当初の予定では、
『霧吹き』を『取引材料』にするつもりだったので、
手元からなくなったのは正直痛いが、
持っていないものは仕方がない。
今から『戻れる』なら『取ってくる』事も計算に入れるが、
『滑り降りた』事を考えると、
引き返しが可能かどうかはかなり怪しいだろう。

「もしくは………………」

          スゥッ

「………………『ソレ』を鳴らしてみるとか………………」

セララのポケットを指差す。
『オルゴール』――まだ一度も使われていないアイテムだ。
もし『欲しがる』なら、これも利用できる。
奪った物を返す場合は別として、
『相手の需要を満たす品』を見せるのは『取引』の基本。
それ以前の段階として、
まず『何を欲しがっているか』を知る事だ。

734<削除>:<削除>
<削除>

735円谷 世良楽『リトル・スウィング』:2022/03/22(火) 00:43:35
>>732
>>733

「うわーっ、すごいすごい! テーマパークのアトラクションみたーい」

それ以上の語彙はセララにはない。
己の脚で歩いた幻想列車と違う。

重力に惹かれて滑るだけの『光景』は――――
セララの心にイルミネーション以上の感慨を齎さない。

それに……フィクションだと分かるからだ。
星見町は、あんなおかしな町じゃない。

「あたしのことはセララちゃんって呼んでいーですよ!
 別にセっちーでもいいけどネ。
 あとあと、成し遂げたのはウレイさんでーす。褒めたげて!」

シャクロにはそう答えて。

「あたし、いつでも元気でーす。王様も元気みたいでよかったよかった!」

ロニカには、そう答えた。
大きな身振りで二人に視線を回しながら、セララは実際、まだ元気だ。

「アレ? あーっ、アレですね。
 ……ってあれあれ。
 あはーっ、ウレイさーん。
 あたしアレ無くしちゃったみたい」

「途中まで持ってたような気がするんですけどねー。
 飲まれたときに、もうなかったっけ。
 ヘンな持ち手だったからうわーってなって離しちゃったかも!
 それともー、霧吹きと一緒で、お腹の中に置いてきちゃったんでしょーか」

御影の提案する『アレ』が何かは察せるが、
あいにく(おそらく)セララはもう持っていない。

「でもでも、『コレ』はちゃーんと大事に持ってますけどネ」

                       スーッ

ひとまず―――――『オルゴール』を取り出し、奪われない程度に見せびらかしてみる。

736『なぞなぞエクスプレス!』:2022/03/23(水) 19:46:25
>>733-735(巻き進行と共に、次で〆に向かわせて頂きます
長らく稚拙な自ミッションに付き合って頂いた事に謝罪と感謝を)

忍耐力や洞察力、それにかけて御影はこの汽車において右に出るものは居ないだろう。
 円谷も発想や犬人族の真犯人に最後の止めたる証拠を突き付けたセンスは
他の者にはないものを秘めている。

君たちの中には『双子』を攻略する鍵は既に自称神を唱えていた
あの童女がヒントを出していた『毛布』に『オルゴール』を既に備えてる。

オルゴールを鳴らす。すると囁きあうように、どうやって隙を作り
君たちの目を盗んで他の車両に行くか相談していた双子達は
欠伸をして、うつらうつらと船を漕ぎ出し始めようとしてる。

『なんだか眠くなったわね どうしてかしら ディオ』

『そうだね ディオ さっきの怪物が何かしたのかも』

オルゴールの所為だと思ってないようだ。そして、ゆっくりと二人は
互いに凭れ掛かるようにして寝息を立て始めた。
毛布も掛ければ、これ以上この双子達の騒動は起きないだろう。

シャクロ「ふぅ、どうにかおとなしくなったね。
あとは切符か、この子達 どこの中に隠し持ったのかな?
 何となく匂いで下半身のどっかしらかなぁて言うのはわかるけど」

ロニカ「…………どけ」

あとは切符が何処にあるか? と言う話だが。それは、この中で
生物の頂点とも言える超感覚を有する闇の一族の彼が買って出た。
 機嫌は良くなさそうに、片手の指を二本軽く筋肉か骨かを操作して
伸ばし。空気を切って双子達の足先を掠めるようにして四枚の紙片を
抜き取る事に成功した。そして、彼はどうでも良さげに鼻でソレを嗅ぐ
仕草と共に自分のを一枚。そして残る三枚を投げるようにして
シャクロ、そして君たちに投げ渡した。

基本世界の名を関した6桁程度の数字が記された切符。御影と円谷も
同じ数字なので間違いなく、これが君たちの『帰還』の切符だろう。

シャクロ「あー良かった。ローちゃん有難う!
御影ちゃんにセララちゃんもねー。
 ……もう少ししたら、お別れかー」

哀愁を僅かに感じてる素振りを彼女は見せたが、それ以上何も言わなかった。
 ロニカは、馴れ馴れしい渾名に僅かに舌打ちをしてから、彼女の呟きに
少しだけ君たちに視線を向けつつも無言で留めた。

 少しだけ天使が君たちの間を通り抜けた後に、車両の扉が開く音が聞こえた。

   ――あはは どうも皆さん

……あの、車窓から見える闇夜と幾つもの点々とした光のような髪の毛と
瞳を宿した燕尾服のような恰好の謎の女だ。『ストック』を一本
 あの双子の所持品らしいものを掲げて入ってきた。

星の女「あの霧吹きは、この汽車の乗客の私物ですからね。
あの『警備(怪物)』を通じて元の場所に戻りましたが、コレは
いま眠ってるそちらの二人の私物ですので持ってきた次第ですよ あはは

……然しながら、『御影 憂』さん 『円谷 世良楽』さん。
貴方たちには『選択』が出来ますね。まぁ、簡単な二択です。
この子達に、これを『返す』か『返さない』か。
 その行動の成否で貴方達に明確に危険は降りかからないでしょうが……
後々に、それが蝶の羽ばたきが別の場所で嵐になるかもと戯言を一つ
述べておきましょうかね、あはは」

星の女「私 今日は皆さんと一緒に色々と付き合えて楽しかったですよ。
 また、別の時間 別の場所で巡り合えたらと願ってますよ、あはははは」

……妙な存在は、そんな謎かけか予言なのか不明な事だけを告げると共に
別の場所へと扉を開いて去って行った。同行してるシャクロやロニカは
怪訝そうに見送りつつも、今の出来事を追求するつもりは無いようだ。

……恐らく、もう少し経てば汽車は君たちの望む場所に『停車』するだろう。

ただ、最後にこの奇妙な連中だった者達に別れの言葉なりを告げる事は出来る筈だ。

737御影憂『ナハトワハト』:2022/03/26(土) 02:27:09
>>735
>>736

「………………『オッケー』………………」

          バ サ ァ ッ

『双子』に『毛布』を被せる。
こいつらのお陰で散々な目に遭わされた。
『仕返し』してやりたいが、今は『帰還』が最優先だ。

「まぁ………………返してもいいんじゃない………………?」

「持ってても役に立ちそうにないし………………
 こいつらに『恩』を売っといた方が『お得』………………」

「………………『任せる』」

正直どちらでもいい。
だが、これで『二度目』だ。
『三度目』を考えると、
ここで『交渉の余地』を作っておいた方が好都合ではある。

「『気になってる事』がある………………」

「私達は………………『乗った記憶』がない………………」

「『意識がない間に乗せられた』か………………
 それとも『乗った記憶を消された』か………………」

「とにかく………………
 『誰か』が陰で『小細工』してる………………」

「『あいつ』は………………
 『賭けをしてる』と言った………………」

『あいつ』というのは、自称『神』の事だ。

「『ここに集めた犯人との賭け(>>459)』だって………………」

「それから………………こうも言ってた………………」

「『あ奴は賭けをした後は、大体どっか近くで、
 それでいて遠くで鑑賞してるだけじゃ(>>462)』」

「『あ奴ふうに言えば戯言 戯言とのぉ(>>462)』」

「関係ないのに『ついて来て』………………
 しかも『戯言』が好きなやつが一人いる………………」

『旅行者の女』が立ち去った方向を一瞥する。

「『あいつ』に言っといて………………」

「………………『あんたの負けだ』って………………」

      「それから――――――」

   「私は『戯言』も『戯言を口にするやつ』も大嫌い」

       ハァ――――――………………

                 「………………『帰ろ』」

738御影憂『ナハトワハト』:2022/03/26(土) 02:28:36
>>737

長いため息をついて、窓の外を見つめる。
それから思い出したように、ロニカとシャクロを見た。
彼らも元の世界に戻るのだろう。
シャクロは『星見町』だと言っているが……。
こんな変態が同じ町に住んでるなんて、
控えめに言ってイヤ過ぎる。

「『闇の一族の力』………………
 大いに『興味深い』ものでした………………」

「『闇の使徒』として………………
 私の『血肉』にさせて頂きます………………」

別れ際、ロニカに告げる。
もう会う事もないだろう。
最初に殺されかけた事も忘れていないが。

「………………『さよなら』………………」

それだけ言って、シャクロに向き直る。

「町で見かけても………………話し掛けないで………………」

「『同じ』だと思われたくないから………………」

容赦なく切り捨て、最後に『セララ』の方を振り返った。
この状況を一人でも切り抜けられた自信はある。
だが、絶対ではないし、もっと時間が掛かっていただろう。

「暇な時………………『連絡』して………………」

御影憂には『秘密』がある。
昼間は『心理学』を学ぶ『大学生』。
夜になると『闇』に紛れ、人々を『恐怖』に陥れている。
裏の顔は、『スタンド使いの攻撃』から『一般人』を庇護する、
『小規模組織』の一員だ。
御影は『三つの顔』を使い分けている。

「今度………………
 『プラネタリウム』連れてってあげる………………」

『秘密』を守るために、御影は『嘘』をつく。
『スタンド使いになったのは最近だ』とか、
『まだ能力が目覚めていない』とか、
『アリーナやエクリプスの事を知らない』とか。
立場上、『本心で向き合う機会』は滅多に作れない。

「………………『おつかれ』………………」

だが、今セララを労う気持ちは『本物』だ。

739円谷 世良楽『リトル・スウィング』:2022/03/26(土) 23:01:48
>>736
>>737-738

「えーっ、あたし自分のストック持ってるし、
 別にいらないからなー。返したげましょーよ」

     「人から盗んだ物ならともかくー、
      元からその子たちのものなんだしさ」

『善良』な側の存在ではないのだろうが、
だから奪っていいというわけでもない。  

「悪いことしたらいつかバチが当たるっていうけど、
 あれですね! この子たちのバチは別にあたしがあげなくていいでーす」

酷い目に遭いはしたが格別の恨みもない。
というか、セララからすれば、そんなのはどうでもいい。

「キミもさー、なんか怪しい感じだけど、悪い事はしないほうがいいですよ!」

『星の女』にそのように言って、それから振り返った。
つまり、そうした友達でもなんでもない人達ではなく、
この列車の中で知り合った――――あるいは。

「シャクロさーん、町に帰ってもお互い元気でいましょーネ」

             「あたしはいつも元気ですけど―。
               もう記憶とか失わないようにしてくださーい」

       クルッ

「王様王様ーっ、いろいろありがとーございました!
 あたし達、全然ちがう世界の全然違う人たちだし、
 最初イヤな人かなーって思ってましたけど、王様と一緒に遊んで楽しかったでーす!」

          「王様も、元気でネ!」

『友達』…………友達と遊んで、もっと仲良くなる。報酬はそれだけで十分だった。
ロニカの元気は人間にとっては厄災なのかもしれないが……セララの知る所でもない。

                       ――――――そして。

「うそーっ、ウレイさんからお誘い―!?
 あははーっ! あたしうれしいーっ。プラネタってあたし結構眠くなっちゃいますけど、
 ウレイさんが連れてってくれるなら最後までちゃんと見れそうでーす」

           「ウレイさんもお疲れ様! 帰ったらなんか甘い物食べましょーよ。
             あたしもウレイさんの事、お気にのカフェとか連れてったげますよ!」

セララが今この場で最も友達だと思っている者に対しては、言うまでもないだろう。

――――最後に。

「まー、ともかく! いろいろあったけど、あたし楽しかったでーす。みんなありがとありがと!」

誰か一人に言うのではなく、全員に、あるいはこの幻想列車に、そのような言葉を残していこう。

740『なぞなぞエクスプレス!』:2022/03/29(火) 00:12:09
>>738-739

君達は『ストック』を双子の側へ置く……それが、今後の物語の中で
どう影響を及ぼすかは不明だ。だが、その想いは無駄にはならないだろう。

>町で見かけても………………話し掛けないで
>町に帰ってもお互い元気でいましょーネ

シャクロ「……うん……うんっ゛
 二人も、元気でね……っ」

そう、最後に彼女は目に涙を浮かべて頷く。

>『闇の使徒』として………………私の『血肉』にさせて頂きます
>王様も、元気でネ!

ロニカ「……オレは 人と言うのは只の虫けら同然だと思ってた。
それは今も変わらんが」

ロニカ「……虫けらの中にも、幾らか強さを認める奴もいるのかもな」

それは彼なりの賞賛の言葉だったのであろうか? 君達に異世界の
特殊な頂点の一族の思惑を知る事は出来ないものの、彼は特に冷たいとは
言えない態度でそう告げた。



    ――ガタン ゴトン ガタン ゴトン ガタン ゴトン

ガタン ゴトン ガタン ゴトン


               キィィ……!

汽車の汽笛 真鍮小鳥が停止と共に切符の番号を読み上げる鳴き声。

車窓から眩い光が零れると共に、二人は一瞬目を反射で閉じて
明けると共に、そこは見慣れた自室のベットの上だった。

今のは夢だったのか? いや……ふと隣を見ると其処には
貴方たちが汽車で犬人族の者達から貰ったプレゼントなど置いてある。

手元には、一枚の切符が握られている。それは、目の前で徐々に
様々な彩りで輝きつつ、消えていった。

 御影と円谷は、また普段通りの日常の中で交錯し合い
今日の出来事を話し合う事もあるだろう。

気になる『謎』は残されてる。あの双子達の正体 
暗躍していたであろう星の輝きを宿す女 
 ロニカやシャクロ、同席していた者達は結局なぜあの女が引き合わせたのか?

大小なりと気掛かりな事は残されてる。その謎も置き土産として。

今はただ……君達のレール(人生)を走らせる事にしよう……。



御影憂『ナハトワハト』⇒40万get!
(※金銭は置かれてた荷袋に紛れるようにして入っていた)
『サーベル』get! 『アーカンソーの万年筆』get!
『カレロ子爵一張羅』get!『スパニエル公爵の授与バッチ』get!

そして、共に一枚のメモと共に『金製の骨の形の延べ棒(五万相当)』
『高級茶葉』が紛れ込んでた。メモにはケリー侯爵と使用人ダズィからの
感謝が綴られていた。

円谷 世良楽『リトル・スウィング』⇒40万get!
『警護騎士防刃シャツ』get!
以下、御影と同上の報酬の為、省略。

741『なぞなぞエクスプレス!』:2022/03/29(火) 00:30:00

重たい瞼を開ける。錆臭さと、冷たい空気が鼻先を通り抜ける。

『起きたかのぉ 大丈夫か?』

覗き込むパグ犬……いや、老師の声。他に警戒する顔つきで武器を構える
人たちに、腹に力を込めて元気よく立ち上がり親指を立てる。

私の能力では、変化してるかしてないかの真偽を証明するのが
少々難しい為に警戒を解くのに時間が掛かったけど、下着交換をしての
実演交えて、ようやくまだ大丈夫であると理解して貰って周囲の者に
安堵の空気が産まれた。

『安心したわい しかし、二手に分かれて追手を撒いてた時と
服装が違ってたのはともかく、傍にあった荷物やら……一体何があったのかのう?』

不思議そうな声に、少しだけ微笑して。こう告げる。

 ――懐かしい、まだ平和な残影(過去)の人たちに会えたんです。

先程の事を、どう説明しようか。けど、私がこの世界(戦場)を
目に背けたいが為に産んだ妄想でないのは、手から徐々に形を消す切符が
物語っている。もう会えないだろう、街の彼女たちへ心の中で呟く。

(ウレイちゃん セララちゃん 私は頑張るよ この君達が居ない世界で)

(あの汽車で 神様のような人も居た。それなら、何時か本当に神様を
この世界に招いて 全部を元に戻して貰う事だって きっと出来るよね?)


 拠点にある町の監視カメラをジャックした映像を見る。

忌々しい、淡い暖かさが残ってた気持ちすら拭い去る変わらない奴等の声が
聞こえてきそうな光景。




 ――アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ
ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ
ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ
ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ
ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ


(――ねぇ ウレイちゃん セララちゃん 私達は頑張るよ。

この地獄の中で、きっと 何時かきっと 取り戻して見せる。
君達が謳歌しているであろう、あの平和があった世界を)


映像の画面から顔を背け、涙を一筋流して口の中で舐めて
力強い、奴等と異なる笑顔で言い切る。数は少ないけど、まだ諦めない
戦士たちと共に。

 ――さぁ 今日も世界の為に頑張ろう!!


 シャクロ『???』⇒再起可能

『停車駅 スマイリー・スマイル ワールド』to be continued…

742『なぞなぞエクスプレス!』:2022/03/29(火) 00:50:13


瞼を開く。ともに視覚 触角 聴覚 全てを研ぎ澄ませる
 人であれば超能力に等しい五感が闇たる種族へと、そこが自身の自室
である事を答えさせ、今の今までの出来事が夢でない事は隣にあった
犬人族が渡した荷物からも見て取れた。

立ち上がり カーテンらしい布を取り払う。

空は黒いスモックに覆われ 地上では吸血鬼と屍食鬼達が目障りに
動き回っている。人間と言う隷従種族が首輪を繋げられ這いつくばって
歩いてるのも何人か見えた。主人たちの気紛れが幸いすれば数年は
生きるが、それでも深刻な大気汚染によって脆弱な彼等の生命では
ろくに生きれないであろう。

 ――なんだ、部屋に居たのか。

厳かで、怒りはないが自然と威圧に聞こえる声が背後より轟く。


 ――上へ来い 稽古の時間なのでな

その者は、己にとって超えるべきものであり いずれ倒せば
自身が闇の一族において誰しもが認めざる戦士となる目標だ。

あの汽車で、自身が身に着ける流法の知識は織った。
 それでもまだ、その背中は遠い。

ふと、歩きつつ脳裏にあの脆弱な二人の姿を思い起こした。

永き年月の中、この記憶は片隅にいずれ追いやられる。
それでも、妙な気持ちがロニカの中には燻る。

 ――どうした? 

「いえ……何でもありません
              我が父……」
         

             ――ワムウ



 ……その後、柱の男達の中でも未だ産まれてから短い存在が
隷従たる下等種族の労働及び生活環境に疑問を唱え上方修正を提言する。

何を馬鹿なと同族達は嘲笑するものの、その者の独断によって救われた
人族達は、彼に崇拝の気持ちと共に支配層への反旗の狼煙が産まれようと
するのは……また別の物語。

ロニカ

『アナザー カルムマン ワールド』 to be continued…

743御影:2022/03/29(火) 01:12:50
>GM

ミッション中に取得した『サーベル』について、
いくつか質問させていただきます。

・NPCの説明から、
 『スタンドを斬る事が出来る』と認識していますが、
 刃以外の部分(鞘や柄など)に、
 『スタンドに干渉する機能』はありますか?

・サーベルの長さはどれくらいでしょうか?

・サーベルの具体的な形状について、
 何か参考になるような画像がありましたら、
 お手数ですが紹介していただけると幸いです。

・サーベルの改造(仕込み杖にするなど)は可能ですか?

744『なぞなぞエクスプレス!』:2022/03/29(火) 01:16:14

 ガタン コトン ガタン コトン ガタン コトン

   ガタン コトン ガタン コトン ガタン コトン


                     ギィ……。

「あはは お土産もってきましたよ。
基本世界99432のバナナサイダー」

星の女、その者が放り投げた空き缶を童女らしい者は指一本で
宙に静止させて受け止めつつ、プルタブを念力で開いて逆さまにして
顔を上げて落下する黄色い液体を嚥下すると、軽いゲップをしつつ
半眼で告げた。

「お主の遊びは、御影も言うてたが少々悪趣味じゃのー?
双子たちに、自身の目的たる情報の知識を軽く吸わせ
他の者達にも希望なり幾らか、その世界に波紋を浮かばせるよう仕向けた」

「あはは 人生とはいとおかし。波紋を生じさせるとして
それをそのままにするか、遠方の国に被害及ぼす津波にするかは
その方たちの実力でしょう?」

星の女の可笑しそうな声に、童女は溜息で返して話題を変更した。

「して『賭け』じゃが……あー、画面で見てる者達にもわかりやすいよう
話すがな。妾は双子を捕まえられぬほうに、お主は捕まえられるほうにじゃ。
して、これは広義的で? それとも、この汽車でか?
広義的ならば、妾はまだ勝ちの目があり。この汽車での中ならば
お主の勝ちじゃがな」

双子が捕まえられたか、捕まえられてないか。

このエクスプレスの中の話ならば、御影と円谷の功績もあり
双子は捕えられたとの言葉で正しいのだろう。
 だが、未だこの星見町と言う物語が続く中では双子達も、町の命運も
定まらぬままでは双子達は追跡の手を逃れている。


星の女は嘯く。

「はてさて、その賭けの答えはモニターの皆さま達に任せましょう。
所詮 全ての者は何かしらの奴隷。貴方も、私も 結局は何かのレールが
なければ進めないのですからねぇ」

神たる童女は皮肉気に笑いつつ呟く。

「はん ならば、妾は賭けようか。
あの者達の紡ぐものは、いずれ世界を揺るがすがどうかをな
 して、その賭けは―――」


                  

                 『なぞなぞエクスプレス』 完

745御影:2022/03/29(火) 01:17:12
>GM

・スタンドに干渉できるという点から、
 サーベルは『実体化スタンド』と同等だと考えていますが、
 この認識は正しいでしょうか?

746『なぞなぞエクスプレス!』:2022/03/29(火) 01:26:50
・NPCの説明から、
 『スタンドを斬る事が出来る』と認識していますが、
 刃以外の部分(鞘や柄など)に、
 『スタンドに干渉する機能』はありますか?

回答:鞘や柄にも干渉する機能はある

・サーベルの長さはどれくらいでしょうか?
・サーベルの具体的な形状について

回答:長約98cm(鞘込み)刃の長さ約76.5cm
参考画像:ttps://aucfree.com/items/v689476346

・サーベルの改造(仕込み杖にするなど)は可能ですか?

回答:柄の部分の握り部分の金具など破損させる必要はあると思うが
可能と思われる。

747『なぞなぞエクスプレス!』:2022/03/29(火) 01:28:06
・スタンドに干渉できるという点から、
 サーベルは『実体化スタンド』と同等だと考えていますが、
 この認識は正しいでしょうか?

回答:その認識で間違いない

748『禁果白黒コンビ乱闘!』:2022/07/25(月) 20:41:14


――The humblest star twinkles most in the darkest night.
  (最も謙虚な星は、最も暗い夜に一番輝く。)

スイス 思想家 ヨハン・カスパー・ラヴァーター

749『禁果白黒コンビ乱闘!』:2022/07/25(月) 21:00:27

時刻は昼下がり。夏の時節が秋に近づくにつれ、過ごしやすい風が
街を優しく横切る時節……。



「『アルカラ』 お前と、こうして顔を合わせるのも何度目かな。
少し顔を見せない、その間で瞬く間にお前は貫禄が付いてきてるな」

血の色より深みのある紅色の髪の毛を払いつつ、アリーナ
『フーヴィアン派』の現役の闘士であり、アルカラこと『夢見ヶ崎』と
一度激闘を果たし、それ以降は親交浅くない間からの彼女は
君達二人と総合体育館近くに建てられているドーナツチェーン店にて
向かい合っていた。女性は、君『グリム』に対しても顔を向け挨拶を交わす。

ベリル「すまないな、挨拶を遅らせてしまって。
『ベリル・ストック』。それが私の名だ」

ベリル「アルカラは、そちらとは顔見知りか?
 初対面なら、これからの試合を始める前に情報交換と行こう。
なに、まだ始まるまで一時間弱は猶予がある。軽く此処で腹ごなしでもして
試合までに英気を養ってくれれば」

こちらとしても本望だ。そう、微笑んで彼女は告げた。


……因みに、この場に『金一』は居ない。
アルカラ専属のスポンサーが居ないのは何故なのか……? そう君が
疑問を生じる前に、ベリルは若干、疎ましそうに告げた。

ベリル「因みに、奴(金一)は謹慎中だぞ。
ほら、お前も知っての通り。『あの少年』に人質取られて逃がしたからな」


―――――――
『外見』『持ち物』『能力詳細』『簡素なプロフ』を、お願いします

750夢見ヶ崎明日美『ドクター・アリス』:2022/07/25(月) 21:33:38
>>749

「――――――よう」

     ストンッ

『金一』と同じく顔なじみの『ベリル』に挨拶しつつ、
適当な席に座る。

「ひさしぶりじゃん。
 おたがいにキンキョーホーコクとかしようぜ??
 『アルカラ』はイロイロあってさぁ…………」

「いや!!コレは『あとのオタノシミ』にしとくか!!」

いまはドーナツをくおう。
『ダブルチョコレート』がいいな!!
いや、ベーシックな『オールドファッション』もすてがたい……。

「『グリム』は『トモダチ』だよ。
 こないだ『ブランコ』のってるときにしりあった。
 『イソギンチャクをカラダでヒョウゲンするほうほう』について、
 イッショにかたりあったナカだぞ」

     ムッシャ ムッシャ ムッシャ

ドーナツを食べながら、ベリルに答える。
結局、『サワークリーム』にした。
飲み物は『アイスエスプレッソ』だ。

「なんだよ、『アイツ』いないのかぁ〜〜。
 せっかくボコボコにしてやろうとおもってたのになぁ〜〜」

         ズズズ

『食べ合わせ』は至って良好だ!!

■外見
―――――――――――――――――――――――――――――
・年齢16歳
・身長160cm
・金髪のセミロング
・ブルーのサングラス
・アリス風ファッション
・頭にリボン風のスカーフを巻いている
・両手の爪にトランプ柄のネイルアート

■所持品
―――――――――――――――――――――――――――――
・スマホ
・財布
・ハンカチ

■能力詳細
―――――――――――――――――――――――――――――
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/219

爪で切った相手に五感を『移植』したり、
爪で切った相手の五感を己に『接続』し、
リアルタイムで共有したりする事が出来る。
このスタンドの感覚は非常に鋭敏で精密だが、
視覚だけは平凡、かつ光に非常に弱いため、
視覚移植を受けた相手は視界を光に焼かれる。

『ドクター・アリス』
破壊力:D スピード:B 射程距離:D(5m)
持続力:D 精密動作性:B 成長性:E

■プロフィール
―――――――――――――――――――――――――――――
『先天的視覚障害者』だったが、
角膜移植によって『視力』を獲得。
『初めて見る世界』に計り知れない感動と衝撃を受け、
『世界の全てを見たい』という『夢』を持つに至った。
『光の世界』に踏み込んだ『自分自身』を、
『不思議の国』に飛び込んだ『アリス』と重ねている。

751グリム『グリム・ランタン』:2022/07/25(月) 22:23:04
>>749-750
「『アリス』は・・・私に名前をくれた『友人』だ。
 まさかこんな場所で会うとは思わなかったが」

足を組みながら適当な座席に腰掛けている。
既に注文済みの『オレンジジュース』を、何度か口に運んで喉を潤す。
『ドーナツ』は頼まない。腹が膨れると、どうにも動きが鈍る気がするからだ。

「よろしくお願いするよ、『ベリル』。
 俺は『グリム』。ただの『グリム』だ」

「・・・・・・『アリス』はこなれているようだが、俺は何分『初めて』だ。恐らくは。
 出来れば、仔細が聞きたいが」



『外見』
・20代の成人男性
・身長180cm前後
・黒いコート
・黒髪のウルフカット

『持ち物』
・スマートフォン
・ラムネ瓶

『能力詳細』
棒を持つ人型のスタンド。
触れたものに灯芯を生やす。
対象が死ぬ(破壊される)時、灯芯に青白い炎が灯り、
この炎が消えるまで、対象の死の訪れは引き延ばされる。

『グリム・ランタン』
破壊力:B スピード:B 射程距離:D(3m)
持続力:C 精密動作性:B 成長性:C

ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/223

『簡素なプロフ』
『記憶喪失』。
自らの『スタンド』を自覚するより前の、自身に関する記憶を失っている。
その際、自分の『スタンド』について教導してくれたとある『女性』を『神』とし、精神的支柱としている。
今は彼女が居るため、自らの過去に関してはあまり興味がない。

752『禁果白黒コンビ乱闘!』:2022/07/26(火) 11:28:01
>>750-751

夢見ヶ崎こと、アルカラの独特な口振りに対してベリルは
「相変わらずだな」
と、気さくな笑い声で対応してから、『金一』の近況を軽く告げる。

「当然だろ? 通話中で、しかも安全か確認もせず
ずかずか一人で拘束もしてないスタンド使いの居る個室で入るなんて
一番やってはいけない入り方のセオリーを一揃いやってる。
 正直、アルカラや、お前の仲間達が再度、彼を確保してくれて
助かったよ。これで一般市民が殺傷沙汰なんてなったら
アリーナの信用がた落ちだ。只でさえ、最近色々キナ臭い事が裏で
起きてるようだし……とっ、愚痴はここで終えて本題に入るか」

君『グリム』の言葉に、頷いて抑揚をつけてベリルは説明する。

「スタンド使いにしか視認出来ない張り紙なり何なりで募集
かけただろうから、これから『試合』するってのは承知の上で説明させて貰う。

まず、今回は『タッグ』。アルカラとグリム、あんた達二人で戦ってもらう。
日用品の持ち込みも、ポケットに入る程度で携行は可能だ。
でかい鞄もって、鈍器代わりになる工具入れるとかは止めてくれよ?
 あくまで衣服のポケットに入る程度の日用品でお願いする。

で、武器も一人ずつ携行可能だ。投げナイフとかなら三本セットで
支給出来ると思うぞ。自分のスタンド能力に適した武器を今から吟味して欲しい」

では、次にステージについてだな。と次の説明に彼女は移る。

「金網で囲まれた円形のステージ。広さは、この程度→>>351
遮蔽物は無く、地面は普通の柔らかめの土だ……これは私の独り言になるが」

――『あっちの選手』が、『地面』に対しては強い要望したらしい。
代わりに、武器を携行するのは一人だけって条件付きでな。

「……他に聞きたい事は?」

ベリルは、中立に近い立場だが。アルカラとも親交ある手前
これは彼女なりの助言なのだろう。

選手のスタンド能力を教えて。などと言うあからさまなズルは
許しはしないものの、それ以外で何か情報を得られるなら今のうちに
得るべきだろう……。

753夢見ヶ崎明日美『ドクター・アリス』:2022/07/26(火) 16:51:58
>>751-752

「まぁね〜〜『アルカラ』は『3かいめ』だからさぁ。
 わかんないコトがあったら、エンリョなくきいていいぞ。
 ちなみに『1かいめ』のあいてが、
 ソコにすわってる『ベリル・ストック』。
 わたしがかった!!」

『フーヴィアン派』での試合は、既に『二度』経験している。
しかし、『タッグ戦』は初めてだ。
『まだ見ぬ世界』に胸の高鳴りを覚えていた。

「あ!!『アルカラ』っていうのは『ペンネーム』みたいなもん。
 ほかにも『いろんなナマエ』でよばれてるけど」

        ムッシャ ムッシャ ムッシャ

「グリムは『アリス』でいいよ。アリスも『グリム』ってよぶから」

           ズズズズズ

飲み食いしながら、一通りグリムに喋った。

     「とりあえず『よろしく』ってコトで!!」

そこまで言ってから、ベリルに視線を移す。

「『あのアホ』がシャバにでてきたら、
 わたしにもイッパツなぐらせてくれよな!!
 『イッパツっていうナマエの100ぱつ』かもしれんけど」

『ぜんしんをズタズタにする』ほうがイイか??
そのシュミのワルいスーツを、
いっしゅんでボロゾーキンにしてやる!!
ついでにアタマもハゲにしてやろう。
フハハッ!!『エイキュウだつもう』だ!!
もうコレでシャンプーしなくてもいいな!!

「――――『ぶき』ィ??ベツにいらない」

ベリルの説明を聞いて、即答した。

「『ブキ』なら、もう『もってる』し??
 テングになってるワケじゃないけど、
 よけいなモノあってもジャマになるから」

むしろ、ここで考えるべきなのは、『相手側の事情』だろう。

「ねえねえ、グリム。
 こういうルールってさぁ、
 『テキ』のほうがモンダイだとおもわない??
 『コッチがつかう』ってコトは、
 『アッチもつかってくる』ってコトだから。
 しかも、『スキなモノ』よういしてもらえるんだよ。
 ココはチョットつっこんどくヒツヨウがあるとおもうんだよね〜〜」

自分の考えをグリムに伝えてから、改めてベリルに向き直る。

「『ブキ』ってさぁ、どれくらいまでジュンビできんの??
 こないだ『モナカのトコ』にかりた『ピストル』とかは、
 フツーにかんがえて『ゼッタイない』にしても…………」

「『ハモノ』だったら、どこらヘンがゲンカイ??」

           ピッ

話しながら、人差し指を一本立てる。
『試合』は開始前だが、既に『戦い』は始まっている。
今の内に、やれる事はやっておきたい。

「それと、わたしが『ブキをもつケンリをホウキする』かわりに、
 『ほかのナニカをヨウキュウする』ってコトできない??
 むこうだって、おんなじようなコトしてるんでしょ」

754グリム『グリム・ランタン』:2022/07/26(火) 20:02:45
>>753-754
「ああ。俺にとっては『アリス』は『アリス』だ。
 そう言ってもらえて、嬉しい」

ジュルジュル

  ズズッ

チップアイスの隙間に残ったジュースまで吸いきって、コップをテーブルに置く。

「直接の『武器』は――俺も不要だ。
 というのも・・・この『試合』、興行の側面が強いのだろう?
 それならば、俺の『能力』に見合った獲物は考えてきている・・・許可さえ貰えれば、だが」

ピッ! と、ドーナツ屋の天井を指差す。
集合場所がここで良かった。現物があると、話がしやすい。

「『蛍光灯』」

「ポケットには入らないが『日用品』だ。
 『どうやって戦うのか?』 インパクトはあるだろう?」

勿論、それをここで伝える必要はない。
自分の想定では、『鈍器』や『刃物』よりは『使いやすい』し、『使われにくい』アイテムだ。

「そして、重ねて・・・・・・これは『アリス』と同じく・・・・・・。
 こちらが同じく『武器』を用いないのなら、何らかの要求を通したいのは確かだ。
 『フィールド』に関して・・・・・・『空調』、『音響』、『音響』。
 ・・・・・・闘技者のニーズには応えられるのだろう?」


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