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【場】『 湖畔 ―自然公園― 』
1
:
『星見町案内板』
:2016/01/25(月) 00:04:30
『星見駅』からバスで一時間、『H湖』の周囲に広がるレジャーゾーン。
海浜公園やサイクリングロード、ゴルフ場からバーベキューまで様々。
豊富な湿地帯や森林区域など、人の手の届かぬ自然を満喫出来る。
---------------------------------------------------------------------------
ミ三ミz、
┌──┐ ミ三ミz、 【鵺鳴川】
│ │ ┌─┐ ミ三ミz、 ││
│ │ ┌──┘┌┘ ミ三三三三三三三三三【T名高速】三三
└┐┌┘┌─┘ ┌┘ 《 ││
┌───┘└┐│ ┌┘ 》 ☆ ││
└──┐ └┘ ┌─┘┌┐ 十 《 ││
│ ┌┘┌─┘│ 》 ┌┘│
┌┘ 【H湖】 │★│┌─┘ 【H城】 .///《//// │┌┘
└─┐ │┌┘│ △ 【商店街】 |│
━━━━┓└┐ └┘┌┘ ////《///.┏━━┿┿━━┓
┗┓└┐┌──┘ ┏━━━━━━━【星見駅】┛ ││ ┗
┗━┿┿━━━━━┛ .: : : :.》.: : :. ┌┘│
[_ _] 【歓楽街】 │┌┘
───────┘└─────┐ .: : : :.》.: :.: ││
└───┐◇ .《. ││
【遠州灘】 └───┐ .》 ││ ┌
└────┐││┌──┘
└┘└┘
★:『天文台』
☆:『星見スカイモール』
◇:『アリーナ(倉庫街)』
△:『清月館』
十:『アポロン・クリニックモール』
---------------------------------------------------------------------------
2
:
流星 越『バングルス』
:2016/01/26(火) 23:12:41
夜である。
夜の、自然公園である。
備え付けのベンチに、少女が一人座っている。
尾のような栗毛のお下げ、赤ブチ眼鏡にダッフルコート。ショートパンツに黒タイツ。
白い息を吐きながら、足をブラブラ振りながら、空を見上げていた。
「……エッちゃんはね」
「エーツってゆーんだほんとはね」
……無表情で歌とか歌いながら、空を見上げていた。
見上げる空は晴れていて、月も星も綺麗に輝いていた。
3
:
タタラ『インスタント・カルマ』
:2016/01/27(水) 00:52:32
>>2
ガコッ
カラン
籠を手に空き缶を拾う女――いや、メイド。
クラシックな、露出の少ないメイド衣装の女。
黒い髪に、渦巻くような、水色の瞳・・・・
「……」
ガッ カラン
『流星の歌』に、足を止めて、そちらに視線を。
(酔っぱらいかしら?
……見た感じ、若そうだけど。)
(未成年飲酒? まさかね。)
トコ
「そこの貴女――」
「何かありまして?
こんなところで、こんな時間に、歌だなんて。」
・・・・この女の姿こそ、何かあったのか?
そう思われそうだが、タタラはマジだ。
4
:
流星 越『バングルス』
:2016/01/27(水) 01:08:53
>>3
「だけどおっちゃめだーから自分のこーとエッちゃんって……」
「…………はて」
歌を止め、足の動きを止め、タタラの方を向く。
張りつけたかのような鉄面皮。
眉をピクリとも動かさず、ニコリともしない。
顔は少し赤いが、これは寒さによるものだろう。あるいは、それこそ酒でも飲んでいるのか。
ともあれ、ただただ何の感情も浮かべぬ無表情で、声の方を向いた。
「……声をかけられてしまいました。
これが異性でしたらすわナンパかと舞い上がってしまうところですが、これは残念お姉さんです。
いえお姉さんではなく『お姉さま』的なアレである可能性もあるわけですが、ともあれこんばんはメイドさん。素敵な夜ですね」
……そして、無表情のまま長セリフをまくしたてる。
やはり、表情はピクリとも動かない。
「タイはお互い曲がっていませんが、閑話休題」
「何かあったかと聞かれますと中々に返答に困るのですが。
バイト帰りに空を見上げたら素敵な夜空だったので、ちょっと星でも見てから帰ろうかしら、とでも言いますか。
するとなんとなく幸せな気持ちになってきまして。
幸せなら手を叩こうと昔の人……っていうと世代の人に怒られてしまうので、少し前の人は言いましたが、ともあれそんなわけで歌を歌っていたのです」
「つまり簡潔に言うのであれば、素敵な夜ですね?」
こてん、と首を傾げる。
無論、表情は無表情。
5
:
タタラ『インスタント・カルマ』
:2016/01/27(水) 01:18:46
>>4
「ええ、素敵な夜――」
クィ
空を見て。
顔を下ろして。
「――ですワね。
星も、月も、よく出ていて。」
フ
微笑する。
(月は人を狂わせる、と言うし――
歌っていたのは、そういうことかしらん。)
やや赤らんだ頬に、目を細める。
未成年飲酒は、罪だ――裁くほどではなくとも。
・・・・そうではなさそうだが。
「生憎、ナンパではございませんワ。」
「ただ、歌声が気になっただけ。
失礼しましたワ、どうぞ続けてくれても。」
ガ
足元の小さなゴミを、火ばさみで掴んで、籠へと入れる。
籠の中には、雑多なゴミがたまりつつあった。
(それにしても……表情の変わらない女ね。)
6
:
流星 越『バングルス』
:2016/01/27(水) 01:33:19
>>5
「ええ、本当に。
今日は星を見るにはいい日です」
「まぁ星座はあまり詳しくないのですが。
空に浮かぶ星が全部オリオン座だったら星座全部知ってるぜフフーンと言えるんですけどね」
空に浮かぶ星が全部オリオン座だったらちょっと不気味だ。
ジョークのつもり、なのだろうか。
笑いかけられても、やはり表情はピクリとも動かない。
「そうですか。それは残念ですわお姉さま。
とはいえ私の超常的歌唱力を前にすれば思わず声をかけてしまうのも当然と言えるでしょう。
スカウトでしたらいつでもお待ちしております」
胸に手を当て、微妙に流し目。
……表情は無いが、もしも表情が豊かであれば『ドヤ顔』していたのであろうことは想像に難くない。
「とまぁ、そんな今日び中学生でも恥ずかしくて言い出さないような話はさておくとして」
「……メイドさんは、なにをしていらっしゃるので?
というかそもそも、メイドさんはメイドさんなので?
現代日本でメイドさんなんて、メイド喫茶か何らかのイベント以外でお目にかかれるとは夢にも思いませんでしたが」
そんな不思議な少女でも、『夜の湖畔公園でゴミ拾いをするメイド』という光景は気になるらしい。
再びこてんと首を傾げ、無表情のまま問いかける。
7
:
タタラ『インスタント・カルマ』
:2016/01/27(水) 01:44:10
>>6
「私も星にはあまり詳しくありませんワ。
星の話が出来たら、少しはロマンチックだったかしら。」
カチャ
火ばさみを下ろして、地面を見る。
星が綺麗でも、地面は汚れている。
そして、眼の前の少女。
(変な奴ね……関わって失敗かしら?)
酒気も、罪の色も、今のところ感じない。
奇人変人の類か、と、大きな瞳を少し絞る。
「スカウトマンには見えないでしょう?
見ての通り、『ゴミ拾い』ですワ。
星の町なのに、こんなにゴミがたくさん――」
「さしずめ『スペース・デブリ』かしらん。」
カチャ
火ばさみを、目の高さまで掲げて。
「そしてこの格好も、伊達や酔狂ではございません。
現代日本でも――『メイド』は絶滅していませんワ。」
「尤も、中世のソレそのままじゃあないですけれど。」
・・・・どうも本当に、メイドらしかった。
8
:
流星 越『バングルス』
:2016/01/27(水) 02:00:52
>>7
「まぁ」
ぽん、と顔の横で手を叩いた。
本物のメイドと聞いて、感嘆した……のか。
「驚きました。メイドさん、まだいるんですね。
やはりお屋敷とかに勤めてらっしゃるのでしょうか。
思えば雇われの家政婦なんかは普通にいるのですから、メイドぐらいいてもおかしくなさそうなものですね」
驚いたと口では言っているが、鉄面皮が揺るぐことは無く。
「しかしなおさら疑問なのですが、なぜメイドさんがゴミ拾いを?
ご主人の意向とか、そういうアレなのでしょうか?」
まぁ、これももっともな疑問だろう。
メイドが、一人で、公園で、ゴミ拾い。
どう考えても、よくわからない状況だ。
「あ、それとも私はこの町そのものに仕えているのだとかそういう展開?」
9
:
タタラ『インスタント・カルマ』
:2016/01/27(水) 02:09:00
>>8
「お屋敷ですワ。
それ以上のことは、企業秘密。」
ピ
指を立てて、秘密めかした笑み。
タタラの笑みは、どうにも、つくりものが多い。
・・・・そして。
「さっきも言ってしまったけれど……
私が仕えているのは、あるお屋敷。そしてゴミ拾いは――」
「『一日一善』」
毅然とした態度で、そう言い張る。
一日、一善。それこそがタタラをタタラたらしめる。
「善行を重ねれば――
きっといつかは良い事がある。」
「ゆえに、今日はゴミ拾いですワ。」
そういうことだった。
……ちなみに、昨日は赤い羽募金に500円入れた。
「貴女もいかがかしら? ゴミ拾い。あるいは別の一善。」
・・・・勧誘までする始末。
10
:
流星 越『バングルス』
:2016/01/27(水) 02:26:33
>>9
「企業秘密ですか。
……テンション上がってくる響きですね」
映画の中から飛び出してきたみたいな、非現実的な人。
だけどそんな人が目の前にいるわけで、気分が高揚した。らしい。
らしいというのは、当然表情が変わらないからだが。
ともあれ。
「善行」
オウム返しに呟く。
『一日一善』。子供のころ、習字の授業で書かされたような四字熟語。
その理屈は、むしろ『情けは人の為ならず』のようなものだったが……
「……なるほど。
では、お邪魔でないのでしたらお手伝いします」
ぴょんとベンチから飛び降り、両手をヤジロベエのように立てて着地。
ぱんぱんと服の埃を払ってから、肩を回す。
「一人は星を見た」
「もう一人は泥を見た」
「……なんて詩もありますが、なにも二人で別のことをしなきゃいけないわけでもありませんし。
星は存分に見ましたから、今度は二人で泥でも見ましょうか」
無表情のままそう言って、ゴミを拾い始める。
道具は無いから手で拾い、てててとタタラに近づいて籠に入れて行く。
「デブリの駆除なんて、SFチックですしね。
あんまりロマンチックではありませんけれど。このデススターにかかれば全て粉みじんよー」
カコッ
11
:
タタラ『インスタント・カルマ』
:2016/01/27(水) 02:41:28
>>10
「上がったからって、
歌うのはおよしなさいな。」
(私まで歌の仲間と思われたらいやだもの。)
根底は、エゴ。
やんわりした口調で、くぎを刺して。
カチャ
「ええ、善行。」
「邪魔だなんて、とんでもない。
空き缶拾いで財を為してる方には、
ひょっとすると邪魔かもしれませんけれど。」
カコン
火ばさみでゴミを拾いながら、ゆっくり歩く。
手で拾うのはごめんだ。得体が知れないゴミもある。
「星を見たがる人はいくらでもいますワ。
けれど……泥を見たがる人はあまり、いない。」
「だからコレは、善行になる。」
だから――
いずれタタラは、救われる。
そう、信じている。
・・・
・・・
ピタ
しばらくして、タタラが立ち止まった。
12
:
流星 越『バングルス』
:2016/01/27(水) 02:51:05
>>11
「ご安心下さい。
私は恥ずかしがり屋さんなので、改まってエッちゃんリサイタルするほどの情熱は持ち合わせておりません。
顔から火が出てしまいます。……顔から火が出るって完全になにかのモンスターですね」
……これで恥ずかしがりやなど、どの口が言うのか、と言う感じではあるが。
少なくとも、とりあえず、再び歌いだす気は無いらしい。
「〜♪」
……鼻歌はちょっと歌っていたが。
ともあれ。
拾う、捨てる。 カコッ
拾う、捨てる。 カコッ
拾う、捨てる。 カコッ
その繰り返し。何度も、何度も、繰り返し。
これってどうやったら終わりなのかな、と流星が考え始めたころ。
タタラの動きがピタリと止まり、つられて流星もピタリと止まる。
「…………メイドさん、どうしました?」
「もしや私が時を止める超能力に覚醒してしまいましたか? ヒュー」
ピタリと止まった姿勢のまま、小首を傾げた。
13
:
タタラ『インスタント・カルマ』
:2016/01/27(水) 03:03:10
>>12
「そう、それは――安心ですワ。
いえね、歌が嫌いなわけじゃあないのだけれど――」
・・・ カコッ
カコッ
・・・ カコッ
――そして。
立ち止まったタタラは振り返る。
水鏡のような目を瞬かせ。
「超能力だなんて。
まさかね、そうじゃあありませんワ。」
「――そろそろ、帰る時間というだけ。
何分、メイドですので。家事もありますし。」
それは全然、大した理由ではなかった。
もっともメイドとしては、最大級に大した理由かもしれない。
・・・・そして。
ス
「貴女はどうします?
続けるなら、貸しておきますワ。」
「手で拾うなんて、きたないでしょう?」
火ばさみを差し出すようなポーズを取る。
それはどこにでも売ってそうな火ばさみで、だから貸すのだろう。
14
:
流星 越『バングルス』
:2016/01/27(水) 03:18:17
>>13
「ああ、なるほど」
「超能力でなかったのは残念ですが、納得しました。
確かにお忙しそうですものね、メイドさん。超能力でなかったのは残念ですが」
「超能力でなかったのは残念ですが」
三回言った。
まぁ――――実のところ、時を止めるなんて代物ではないにせよ、『持っている』のだが。
だからこれは本当にジョークもいいところなのだが、それはともかく。
スッと姿勢を正し、曲げた人差し指の第一関節で眼鏡を押し上げる。
「私ですか」
「私は、というか私も、そろそろおうちに帰りましょうかね。
エッちゃん寂しがり屋さんなので、一人でやってたら不安で爆死とかしそうです」
そういうことらしい。
パンパンと手に着いた汚れを軽く払い、ぺこりとタタラにお辞儀。
「今日はありがとうございました」
「……おや?
よく考えてみるとお礼を言うのも妙な気がしますね。
しかしなんと言えばよいのやら。上官殿と共に戦えて光栄でした、みたいな?」
「…………まぁそんな感じで。お仕事頑張ってくださいね、メイドさん」
首を傾げながらも手を振り、タタラを見送る構え。
タタラが去って行けば……すぐに、流星も帰るだろう。空は、相変わらず星々が美しく輝いていた。
15
:
タタラ『インスタント・カルマ』
:2016/01/27(水) 04:28:00
>>14
(超能力が欲しいのかしら?)
「メイドですもの。忙しいのが普通ですワ。
それでも、労働環境はきちんと近代的だけれど。」
コク
頷きながら、火ばさみを引くタタラ。
そして籠を肩に掛けなおして。
「爆死は困りますワ、
拾うものが増えてしまうもの……ふふ。」
冗談、らしい。
「ええ、礼を言われることもないですワ。
こちらこそ、人と一緒に善行を積むのは新鮮でした。」
フ
微笑を浮かべて、振り返る。
急ぐ必要はないが、帰らなくてはいけない。
「では、夜道にはお気をつけて。」
「この町は平和だけれど――何があるかは、分かりませんもの。」
カチャ
カチャ
空の星もまた、変わらず光り輝いている。
空き缶とごみの擦れる音を残し、歩き去る。
・・・・積んだ善行を確かめるように。
16
:
稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』
:2016/02/05(金) 01:03:27
――海浜公園内、木陰に位置するベンチ。
piko
piko
せっかくの晴天。
アウトドア日和。
外でゲームをするのは……正解なのか?
「……えひっ。」
携帯型ゲームを巧みに操る人形の様な少女。
帽子を被り、黒髪に青い眼鏡、レンズの向こうの瞳は桜色。
カチャ カチャ
・・・・イヤホンを着けており、周囲はあまり、見えていない。
17
:
人吉 佐和子『クラウド・ボーイ』
:2016/02/07(日) 22:13:02
>>16
せっかくの晴天。
アウトドア日和。
『昼寝』をするのも、いかがなものか。
「……………………むにゃ……」
木陰に横たわり、『枕のような羊』の『スタンド』を
枕代わりにして、女がぐっすりと眠りこけている。
……よくよく見れば、以前『駅前』で会ったことを思い出すかも知れない。
18
:
稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』
:2016/02/07(日) 22:34:23
>>17
「…………」
カチャ
「あ」
ピタ
手が止まり、少し眉間にしわを作る。
何かの失敗があったか――
ハァ ァ
息を吐いて、何となしに視線を上げると――
「……うおっ……」
(こんなところで寝落ち……
寝落ち? ……あれ? あいつ……)
見覚えのある女だ。
前には、駅前でいきなり眠りこけていた。
(……まあ……ここでスヤァすんのは自由か。
オフトン代わりの……芝生もあるしな……捗りそう。えひ。)
トコ トコ
・・・・なんとなく近づく。
ゲームを休みたいのも、ある。
19
:
人吉 佐和子『クラウド・ボーイ』
:2016/02/07(日) 22:56:08
>>18
「…………すぅ……」
近づいてみると、『人吉』は穏やかな寝息を漏らした。
何と言うべきか……実に『平穏』な風景だ。
「……えへへ」
何の『夢』を見ているのか、時折ニヤけたり、
「…………あら、あらっ……」
焦ったような顔を浮かべたりしていたが、
「うぅ〜……ん……」
パチッ
木陰に揺れる草の音か、はたまた『恋姫』の足音か、
何かに反応したらしく、うっすらと目を開ける。
「……おはようございます……?」
20
:
稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』
:2016/02/07(日) 23:05:02
>>19
ジ
しゃがみこんで、寝顔を眺める。
「…………」
(えひ……眠り名人かよ……
気持ちよさそうにしやがって……)
「ふあ……」
パチ
パチ
恋姫もつられて小さくあくびし、瞬きを二度ほど。
不眠ではないが――
・・・と。
「あ……えひ、おはよう……」
「あー……ごめん、
起こしちゃったか……?」
寝言というわけでもなさそうだし――返事する。
21
:
人吉 佐和子『クラウド・ボーイ』
:2016/02/08(月) 00:04:28
>>20
「あっ…………違いますよぉ、先生……
眠ってたわけじゃなくて………………あら?」
どうも『寝ぼけ』ていたようで、
しばらくよく分からないことをのたまったあと、
『恋姫』に目の焦点を合わせて不思議そうに声をあげた。
「……うっかり、眠っちゃってたのかしら。
そんな、ごめんなんて……良いのよぉ、別に……あら」
「あなた…………どこかで、会ったことがあるような……」
22
:
稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』
:2016/02/08(月) 00:14:29
>>21
「……廊下に立ってる? えひ。」
冗談で返して。
イヤホンを外す。
フィ
やや視線をずらし、ゆっくり立ち上がる。
「まあ……今日はあったかいし……
この辺でなら……薄い本も、厚くはならないだろ……」
人影はまばらだが――
町中よりは、リラックスが許される場所。
「ほら……駅前で会ったじゃん……
あのキャンドル……えひ、まだ使ってないよ。」
「もったいないお化け……出ちゃいそうで……」
・・・・以前もらった蝋の欠片。
未だに机の上に置いてある。
23
:
人吉 佐和子『クラウド・ボーイ』
:2016/02/08(月) 00:22:17
>>22
「あら…………わたし、そんなこと言ってたのかしら?」
クスクスと笑う。
「昔の夢を……見てたわ。厳しい先生がいてね…………
まあ、『居眠り』は、どんな先生だって怒るものかしら」
それに『課長』もね、と付け加えた。
いまだに、怒られてばかりだ。
「あらぁ……良いのよぉ、使いたいときに使うのが『一番』だわ。
まだ使っていないなら、『そのとき』じゃないってこと…………ふわぁ」
心地よい日差しに当てられたのか、あくびが飛び出した。
「それにしても…………いい天気ねぇ」
24
:
稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』
:2016/02/08(月) 00:31:15
>>23
「えひ、言ってたよ…………
お前も……なんかいろいろ大変なのな……」
(社会人、か……
僕もいずれなるのかな……)
『先生』には、それ以上触れない。
こんなにいい天気だから。
「たまに……匂い、嗅ぐんだ。」
「そしたら……
えひ、安心する……」
ニマ -
やや緩んだ笑みを浮かべる。
それから。
「…………ちょっとだけ、寒いけどな。
でもまあ……いい天気だ……えひ。」
「……日向ぼっこでもしてたの?」
ポカポカ
(こいつといると……いらいらしない……)
25
:
人吉 佐和子『クラウド・ボーイ』
:2016/02/08(月) 00:55:48
>>24
「生きるって、きっとそれだけで『大変』よぉ……
でも、だからこそ…………生きてるって、思えるのかしら」
「うふふ。役に立ってるようで、嬉しいわ〜……
わたしはもう、使い切っちゃったから……また、お店、探さなくちゃ」
釣られるように、笑った。
「そうなのよぉ……ほんとは、『散歩』しに来たんだけどねぇ」
「うふふ……お正月から、『お餅』食べ過ぎちゃって」
26
:
稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』
:2016/02/08(月) 01:09:30
>>25
「えひ……なんか、深いこと言うじゃん……」
生きる。
恋姫は今、生きている・・・・
運命が少し違えば。
あの時。
(……死にたくは、ない。
えひ……そう思えるだけ、幸せなんだよな。)
あの時、死んでもいいと、思っていた。
そこに戻りたくはない。
ポカ
ポカ
・・・・今日はいい天気だ。
「……すげー捗るよ、あれ。」
キャンドルの一かけら。
それだけで、あの効力。
「あ……品切れちゃったか……
えひ、ざんねん。余計大事に使わなきゃだ……」
「けど、僕も……あれ売ってる店なら、
……探したいな……散歩ついでにでも……」
ダイエットは必要ないが・・・・
目的があるなら、恋姫も歩く。
あのキャンドル。
恋姫は……ファンだ。
27
:
人吉 佐和子『クラウド・ボーイ』
:2016/02/08(月) 01:18:47
>>26
「深い……かしら? わたしには、よく分からないけど…………
確かなのは、今、わたしはここで生きてるってこと。
『眠れる』…………それに、『目覚められる』って、そういうことよね」
「うふふ…………それじゃあ、探しに行かない?
お散歩ついでに…………あなたとなら、楽しそうだもの」
すくっと立ち上がり、そう提案する。
強烈な効き目の『キャンドル』……『Flourished Rose』。
一体なぜ、あんな『効能』があるかは判然としないが、
『人吉』と『恋姫』にとっては、それを好むという点において『共通項』だ。
28
:
稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』
:2016/02/08(月) 01:27:33
>>27
「えひ……僕もよくわかんないよ。
なんとなく……そう思っただけで……」
「……」
誘いを受け、少しだけ、止まって。
「……えひ……お誘い、されちゃった……リア充みたいに……」
「あー……まあ……
せっかくの日和だし……な」
ゴソ
ゲーム機を腰につけたポーチにしまって。
立ち上がった人吉を見上げる。
「……たまには散策でもしてみるか。」
「すれ違い通信も捗るし……」
などと言いつつ。
歩き出すなら、着いて行くだろう。
・・・・そうだ。
キャンドルを探しに、だ。
29
:
人吉 佐和子『クラウド・ボーイ』
:2016/02/08(月) 01:45:15
>>28
「そうねぇ。うふふ、行きましょうか…………」
ゆっくり、一歩ずつ踏みしめるように歩き出す。
心地よい人と過ごす時は、静かに、のんびり味わうものだと、
『人吉』は思っている。
「まず『大通り』から当たってみようかしら……」
話しながら、湖畔を後にした。
30
:
荊木レイ『スティル・ライフ』
:2016/02/09(火) 23:46:09
スオォォ…
「あるぇ?
あれれ?」
ベンチに腰掛けた眼鏡を掛けた女子高生が
誰に話しかける訳でもなくしきりに首を傾げてる。
「なぁんか、
変わってねーっすか?
フォルムがシャープになったてゆーか?
……あ、あれぇ?」
31
:
稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』
:2016/02/11(木) 00:16:50
>>30
「…………??」
そんな様子を眺める少女。
年は……小学校高学年か、中学生か。
同じく眼鏡を掛け、また帽子を被り、髪は黒く、瞳は桜色。
カチャ
カチャ
(なんだあいつ……
フォルム?シャープ……?)
(ベンチマニアか……?
えひ、何それこわい……)
小さな手で『携帯ゲーム』を弄ぶ。
視線を外している辺り、アクションではあるまい。
・・・・しかしフォルムとはなんだろう?
32
:
荊木レイ『スティル・ライフ』
:2016/02/11(木) 00:31:57
>>31
こちらはまだ恋姫さんに気付いておらず、
ベンチに腰かけ首をかしげています。
「う ズ
| ォ
ん」 ォ
ラップを剥がす様に、
身体から筋骨隆々のスタンドの『腕』を発現。
ズレた眼鏡を直し、
発現した『腕』を観察します。
「あれェ〜ッ。
やっぱりぃ…?」
「なんて言うんすかねェ?
根本的にはそこまで変わってないんだけどォ、
長期連載で『絵柄』が変わったっていうか、
アニメで作画が、
なんかおかしくない?て言うか?」
「うーん、
ウーン」
33
:
稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』
:2016/02/11(木) 00:51:14
>>32
ズ
ォ
ォ
「うぉっ…………」
突然のスタンド!
(常識みたいに出しやがって……
……フォルム……? あのスタンドのか?)
(シャープどころか……
筋肉モリモリじゃねえか……)
まあスタンド自体は見慣れたものだが、どういう状況だろう。
(作画崩壊っておま……
キャベツじゃないんだし……)
(常識的に…………)
「えひっ……」
・・・思わず小さな笑いが漏れた。
視線は思いっきり、スタンドだ。
34
:
荊木レイ『スティル・ライフ』
:2016/02/11(木) 01:01:52
>>33
「どぉしたんだろ…。
もしかして私が
ダイエットしたせいで…」
「あ」
目が合います。
「しまった」って表情をして、
咄嗟にスタンドを解除します。
「こ、こんにちはぁ〜ッ!
良い天気っすね!
…あッ!ゲーム!ゲームやってるんすか!
そうだゲームッ!!」
アセアセ
「いいですよね!
私も好きですよ!」 露骨に話題をそらそうとします。
35
:
稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』
:2016/02/11(木) 01:28:22
>>34
(ダイエットでスタンド痩せるとか……
つーか、もともとどんだけデカかったんだ……?)
「……」
「…………!」
――と、ここでバレたと気づく恋姫。
フイ
(ヤバいか……?)
視線を逸らす。
まあバレていいこともない。
(ヤバくは……なさそうか……?)
・・・目を少し細める。
「あー……うん。いい天気だわな。
ゲーム……まあ、やってるけど……」
カチャ
携帯ゲーム機の画面には……
某有名RPGの新作がプレイされている。
「えひ……ゲーマーなの、お前も……?」
ニヤ
(そういや……さっきの……えひ、例えが、
漫画と……アニメだったしな。同類か?)
「あー……どんなゲームするの……?
あれか? モンスター狩るやつか……?」
話題逸らしなのは明白だが、恋姫の好きな話題だ。
ゲームの話は……したい。まずはジャブとして『狩りゲー』で行く。
36
:
荊木レイ『スティル・ライフ』
:2016/02/11(木) 23:54:07
>>35
「は、はひッ!
ゲーマーっす!
ゲーム大好きです!
三度の飯よりゲーム好き!」
ビ
ク
ッ
話題を反らす為に
咄嗟に口から出てきた言葉に
思わぬ食いつきをされてビクッとなります。
「あれ好きっすよ!
『ロクヨン』の『スマブラ』ッ!
ピーケーサンダーッ!ってやつで自分のお尻に、
雷当てるやつできますッ!」
「それにッ」
「RPGのレベル上げとかも得意ですよッ!
ちっちゃい頃、
お姉ちゃんにお小遣い貰う代わりに、
延々とレベル上げをしたりしてッ!
ニハハ…」
37
:
稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』
:2016/02/12(金) 00:08:43
>>36
「えひ……僕もいっしょだよ。
面白いよな、『スマブラ』…………」
「最近はネット対戦できるし……
まあ、えひ……民度はお察しだが……」
ゲームの話なら饒舌になる。
しかし『64』とは・・・・
(原理主義者か……?
ライトゲーマーなのかな……)
「…………えひ。
レベル上げかあ……」
そしてレベル上げとは・・・・
(こいつ……言うほどゲーム好きじゃないな……)
(僕に合わせてんのか……
えひ、コミュ力ってやつか……)
少し目を細める。
まあ別に舐められてるとかじゃないのは分かる。
「……あー……」
ガリ
頭を少し掻いて。
「今なら……あれかな……
リセマラとか……代わりにやらされたり……」
「……すんのかな。
現代的に考えて……」
38
:
荊木レイ『スティル・ライフ』
:2016/02/12(金) 00:20:12
>>37
「ニハハ…」
目を細める恋姫さんに
若干たじろぐ素振りを見せますが、
笑ってごまかします。
「へッ?
リセマラ…ってなんすか?
マラって事はマラソンっすか?」
「なぁーんか」
「ハードそうっすねェ」 カパカパッ
手持ち無沙汰なので、
ポケットから塗装が剥がれる程使い古した
ピンクの折り畳みのガラケーを取り出し、
カパカパします。
39
:
稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』
:2016/02/12(金) 00:41:47
>>38
「リセットマラソン……
まあ、ハードだし、作業ゲーの極致……」
「……」
(ガラケーとか……こいつ……
まじでゲームしないやつだな……)
カパカパされるガラケー。
これはマジだ。
「……まじでベリーハード。」
・・・
・・・
その後沈黙する恋姫・・・どうすればいい?
(普通に放置プレイ……
そもそも……スル―推奨だよな……)
(帰ってスマブラでもするか……)
どうもしなくていいのでは……
そもそも向こうは『ごまかしたい』訳だし……
(自然な感じで……立ち上がるか……)
40
:
荊木レイ『スティル・ライフ』
:2016/02/12(金) 00:51:15
>>39
「うッ」
「あッ!でも、
『マリモ』育てるのは得意っすよ!」
シドロモドロに、
一昔前に流行ったゲームの話をします。
「あのーッ」 ソロォ――
「すいません。
実はですねェ〜…
スタンド見られて、
「しまった!」と思いましてぇ…
それでそのぉ〜ッつい」
41
:
稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』
:2016/02/12(金) 01:08:33
>>40
「…………まりも?
えひ……北海道旅行でも行ったの……?」
唐突なまりも。
恋姫は『学生のはやり』には弱い……
「あ……
ゲームのか……」
(……タイミング逃した感。)
何となく立ち上がる隙を潰された感じだ……そして。
「……あー」
「あー……いや……
僕もなんか…………ごめん、だよな……」
(そもそも僕が笑い耐えてたらこの時間なかったしな……)
歴史的和解の瞬間だ。
「なんつーか……あれだ。
ゲーム話だから、乗っちゃったわ……」
「…………えひ。
お互いハードだったな……」
42
:
荊木レイ『スティル・ライフ』
:2016/02/12(金) 01:27:05
>>41
「ニハハ…」
「そォーっすねェ」
ズギュンッ
『スティル・ライフ』の全身を発現し、
その姿を恋姫さんに見せてから解除します。
「変なトラブルを避けるために
変に気を遣ったら
逆にこんがらがっちゃったてゆーか」
「ニハハ」
「どうにも難しいっすね。
よいしょっと」 ベンチから立ち上がります。
43
:
稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』
:2016/02/12(金) 01:38:23
>>42
「えひ…………コミュ力って難しいな……」
オォォオオ ・ ・ ・
ボ ボボ
『ブルー・サンシャイン』を発現して――
シュゥ ゥ
すぐに解除。
そして、椅子に腰かけ直して。
「……おあいこ、ってやつだ。情報アド的に。
えひ……コミュ的に合ってるかは分からんが。」
「んじゃ……
またな……」
特に呼び留めたりはせず、ゲームに視線を戻す。
カチャ カチャ
(……なんか……
変な奴だったな……)
・・・少なくとも、イライラはしなかった。
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