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【個】『学生寮 清月館』

1『星見町案内板』:2016/01/24(日) 23:51:17
月面を連想させる『灰色』のレンガで出来た『洋館』。
親元を離れた子供達だけでなく、一般学生もしばしば遊びに来る。
『自立心』、『向上心』を培う為、多くの『家事』は学生自身で行っている。

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                 ミ三ミz、
        ┌──┐         ミ三ミz、                   【鵺鳴川】
        │    │          ┌─┐ ミ三ミz、                 ││
        │    │    ┌──┘┌┘    ミ三三三三三三三三三【T名高速】三三
        └┐┌┘┌─┘    ┌┘                《          ││
  ┌───┘└┐│      ┌┘                   》     ☆  ││
  └──┐    └┘  ┌─┘┌┐    十         《           ││
        │        ┌┘┌─┘│                 》       ┌┘│
      ┌┘ 【H湖】 │★│┌─┘     【H城】  .///《////    │┌┘
      └─┐      │┌┘│         △       【商店街】      |│
━━━━┓└┐    └┘┌┘               ////《///.┏━━┿┿━━┓
        ┗┓└┐┌──┘    ┏━━━━━━━【星見駅】┛    ││    ┗
          ┗━┿┿━━━━━┛           .: : : :.》.: : :.   ┌┘│
             [_  _]                   【歓楽街】    │┌┘
───────┘└─────┐            .: : : :.》.: :.:   ││
                      └───┐◇      .《.      ││
                【遠州灘】            └───┐  .》       ││      ┌
                                └────┐││┌──┘
                                          └┘└┘
★:『天文台』
☆:『星見スカイモール』
◇:『アリーナ(倉庫街)』
△:『清月館』
十:『アポロン・クリニックモール』
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465赤月『サクソン』:2021/06/04(金) 13:46:59
>>464

「気付かれてしまったか・・・・
 すまない、盗み見をするつもりはなかった」


物陰に隠れたまま、応える
その声は落ち着いた口調の割に甲高く、女の声のようだ

「手は、洗ってこよう
 しかし、少し意外だな、君のような男子でもその辺りは気になるのか」

偏見に満ちた受け答えをしながらも、
指示には従い、おとなしく手を洗うこととした

466村田 瑛壱『ディズィー・スティック』:2021/06/04(金) 16:17:15
>>465
 「メシが不味くなるのだけはごめんこうむるというだけの話だ。
 こういう血の気の少ない食材で当たると、概ねひどい目に遭うと相場が決まってる。
 ふふ…まぁ、滅多にあることじゃないが。」

あらかた剥き終えたのか小刀を置き、
ホタテを『貝柱』と『その他の部位』により分け始めた。

 「『紐と肝』は後で甘辛く煮つけて食うとして…今日の本命は『貝柱』だ。
 そうだな…半分を昆布締めで、もう半分を『ユッケ風のタレ』に絡めて『ホタテ丼』で食うとするか…」

上機嫌のまま、作業を進める。
どうやらこの後の献立も決まっているらしかった。

467赤月『サクソン』:2021/06/04(金) 18:57:12
>>466

「器用なものだな・・・・これはまとめて調理してはいけないのか?」

手洗いを終え、キッチンの中に顔を出す
中学生くらいの少女だ・・・・背はいくらか高いが、顔つきにあどけなさが残る
学年を示す校章は中学二年生のものだが、着用している中等部の制服は新品のように新しい

「わざわざバラバラにするのは面倒だし、
 腹に入ればだいたい同じなのではないか?」

そんな彼女は、食を蔑ろにするような発言しながら、村田の手元を見ている

468村田 瑛壱『ディズィー・スティック』:2021/06/04(金) 19:59:42
>>467
 「その辺は気分次第だ。『M県南三陸産の活けホタテ』。
  良いものはどう食っても美味いが…今日は『いいこと』があった祝いだからな。
 多少面倒でも、手をかけて美味いものを食いたい気分の時はある。」

取り外した紐と肝から、さらに食べない部位…『ウロ』

469村田 瑛壱『ディズィー・スティック』:2021/06/04(金) 20:02:51

>>467
 「その辺は気分次第だ。『M県南三陸産の活けホタテ』。
 良いものはどう食っても美味いが…今日は『いいこと』があった祝いだからな。
 多少面倒でも、手をかけて美味いものを食いたい気分の時はある。」

取り外した紐と肝から、さらに食べない部位…『ウロ』を取り外していく。
この部分は悪くなりやすく、当たると酷い目にあう。

 「…見ねえ顔だ。もっとも、おれもその辺の連中と親交があるわけじゃ無いが。」

470赤月『サクソン』:2021/06/04(金) 22:05:31
>>469

「そうか、この料理は祝いの品であったか
 うん、祝いの席には特別なモノを食べるものだ」

在りし日の事を思い出す
兄がいた頃はちょっとしたお祝いがとても嬉しかったものだ

「・・・気づいたか?
 ああ、私は今月から清月学園に転校してきた者だ
 名を赤月ナカレという」

6月と言う時期、転校してくるにしてはだいぶ時期が外れている

「そうか、君は高等部の生徒か
 そうなると、『先輩』という言葉を使うのが妥当なのだろうか?」

471村田 瑛壱『ディズィー・スティック』:2021/06/04(金) 23:02:05
>>470
「よしてくれ。そんな上等な人間じゃない。
 おれは『村田』だ。ま、今後何処かしらで会うこともあろうさ。」

喋りながらも手は止まらない。
小刀で取り分けた貝柱を4等分に切り付け、酒をかけて馴染ませる。

 「珍しい名前だな。ハーフとか、そんな感じだ。」

472赤月『サクソン』:2021/06/04(金) 23:20:48
>>471

「なるほど、先輩と言う言葉は適当でなければ無理に使う必要はないのか
 では、君の事は村田と呼ぶ事にしよう」

「私の名前は、兄がつけてくれたものだ
 名前の由来はわからないが、結構気に入っているよ」

正直に言えば、名前の由来はわからない、といった方が正しい
物心ついた頃には親はなく、親代わりの兄からそう呼ばれていた
だから、実際の所、これが本当の名前なのかも、自分が日本人なのかもわからない

(『後見人』からはこの名前にあった戸籍も用意してもらっているが・・・
 考えてみれば、彼も随分と謎の存在だな)

そんな事を思っていると、村田の料理が完成に近づいてきたようだ

  ぐぅ〜〜〜〜〜〜・・・

転校初日で環境に慣れるのに疲れたせいかお腹が盛大に鳴る

473村田 瑛壱『ディズィー・スティック』:2021/06/04(金) 23:44:53
>>472
 「ハラ減ってんのか・・・ま、一人分作るのも、二人分作るのも大して変わりはしない。
 『昆布締め』は後の楽しみに取っておくとするか。」

手を止めて小刀をまな板に置くと、冷蔵庫へ向かって中身を漁り・・・
カウンター式の食卓を指さす。

 「15分待て。おとなしく座ってろ。」

――――――――――― 15分後 ―――――――――

 「まぁ喰え。味は保証する。」

しばしのち、『赤月』の前に料理が差し出される。
炊きたての白米と・・・『揚げ物』だ。

◆今日の献立
 ・ホタテの貝柱のフライ定食(赤月のみ)
 ・ホタテ貝柱と紐のユッケ丼(村田のみ)

474赤月『サクソン』:2021/06/04(金) 23:57:52
>>473

「そうだな、まあこの辺はコンビニエンスストアも近いし、
 ちょっと走って行けば・・・・む?」

当初、村田が何をしようとしているのか、理解が及ばなかった
しかし、時間が経過するにつれ、美味しそうな匂いがあがりはじめると
村田の狙いが理解できた

「ゴクリ・・・・ これを食べていいのか?
 し、しかし、私の所持金はそれ程多くはない、後で金を払えと言われても払えないぞ!」

純粋な好意から食事を作ってもらった経験は、残念ながら乏しい
来たばかりの土地だという事もあり、不安が顔に上がる

475村田 瑛壱『ディズィー・スティック』:2021/06/05(土) 00:21:39
>>474
 「これだけあってもおれだけじゃ食い切らない。
 朝市から仕入れると美味くて安いのはいいが、一人ぶんの量というわけにはいかないからな。
 斑鳩や鉄、小林あたりに押し付けてもよかったが、せっかくだ。」

隣に座って、どんぶりに向かって手を合わせ、食べ始める。

 「んん。初夏のホタテは『貝柱』が特に美味い。
 歯応え、甘味、大きさ・・・冬のホタテでもかなわないだろうよ。」

476赤月『サクソン』:2021/06/05(土) 00:37:40
>>475

「・・・・ありがとう
 それでは、遠慮なくいただこう」

サクサクとした衣の中にプリプリの貝柱が身を潜める
 
   「熱っ」

揚げたてのフライだ
時折、予想外に熱い部分に舌が触れてしまうが、
口を丸く開け、外気で熱を冷ましながら、食を進めていく

      「はぐっ」

その次は白米だ
箸を使った食事にまだ慣れないため、フォークで米を掬い取る

「美味しい・・・・ こんなに美味しいものを食べたのは初めてだ
 君は実は凄い料理人なのではないか?」

477村田 瑛壱『ディズィー・スティック』:2021/06/05(土) 01:04:12
>>476
 「素材がよけりゃ、美味いものを作るのは簡単だ。
 ひとえに第一次産業を営む皆々様の努力の結果を、こうしていただいているに過ぎない。
 実際のところ、家庭料理の味なんてのは素材が8割だ。」

甘辛いコチュジャンベースのたれをかけた貝柱丼をかきこむ。
強い甘味としっかりとした歯ごたえ。活けものならではの新鮮さ。えぐみのかけらも感じない。

 「別に料理人を見下すわけじゃないが、本当に偉大なのは農家、漁師、畜産家・・・
 そういう人たちだってことだ。とても真似できることじゃねぇ。」

もう食べ終わったのか、箸をおいて手を合わせた。

478赤月『サクソン』:2021/06/05(土) 01:27:06
>>477

「そういうものなのか・・・」

過去の食生活を振り返ってみると、素材に拘った事など今までなかった
食事は常に兄が用意した加工食品であったし、
そもそも、常にキッチンがあるとも限らなかったため、料理などほとんどやってこなかった

「それならば、君はそういった人達の代弁者だな
 素材の声を聴いて、私にこうして伝えてくれたのだから」

「だから、私も素直に言おう、ご馳走様、美味しかったよ」

これはこの国に来てから使うようになった言葉の一つだ
食事に対する感謝の言葉・・・・食事を誰かと一緒にするのも久しぶりだ

「『目的』を果たすために来た地なのだが、
 思ってた以上に『好き』になれそうだ・・・・それではな」

そういうと、少女はキッチンを離れて部屋へと帰っていく
真新しい家具を置いたばかりの自室へ・・・

479村田 瑛壱『ディズィー・スティック』:2021/06/05(土) 04:55:24
>>478
 「そういうもんだ。お粗末様。」

赤月が去って行ったあと、食器を流しに出して、手早く後片付けをする。


 「・・・さすがに誰かいたんじゃ、呑むわけにいかないからな。」

後片付けが終わった後、下処理に使った日本酒をグラスに注いで、
残ったホタテをひとつ剝いてしまう。
 
   トライコーン 
 「『三人組』の門出に。」

グラスを掲げ、ホタテを口に放り込み酒で流し込む。

彼らに対してできることは、もはやない。
あの三人の道行が幸福なものであることを願って、盃を干した。

480<削除>:<削除>
<削除>

481りん『フューネラル・リース』:2021/06/06(日) 06:49:38
客間
「知らないという罪と…
 知り過ぎる罠…」

10歳程の『頭 に 鈴 蘭 を 咲 か せ た』少女が
ソファに腰を掛け、元気無く歌っている
頭の鈴蘭も項垂れている…様に見える

当然ながらこの花はこの寮の住民ではない

482大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/06/06(日) 09:48:37
>>481(りんちゃんさん)

「おや、こんにちは、素敵なおチビさん ボクらよく似ている。」 (↓ハスキーボイス↓)
黄リボン付シルクハットを被った緑髪・右青目・左赤目・改造済清月学園黒制服の男装少年(16歳 女子)が現れて挨拶をした。

「はじめまして、だよね?
 初めて見るけど、初等部の子かな?
 それとも、ここの寮の関係者さんかな?
 お兄さんかお姉さんがいるのかい?」   (↓ハスキーボイス↓)
話しかけてきた。

「ああ、家政夫の常原クンの妹かもしれないな。」   (↓ハスキーボイス↓)

「その『花』、素敵だね。 ボクのこのシルクハットにも負けないぐらい、素敵だ。」 (↓ハスキーボイス↓)
シルクハットをいじりながら、花を褒めてきた。
どうも『りん』の頭の『花』を、帽子か、カチューシャか、花飾りと勘違いしているようだ。

483りん『フューネラル・リース』:2021/06/06(日) 10:15:26
>>482
「…あぁ、こんにちは、人間のお兄さん…」

大神に話しかけられても、ぼーっとした感じだ
死んだ魚の様なハイライトの無い目で大神を見やる

「どれも違うよ…
 ここで人間達に会えば元気になるかなと思って来たけど…
 全然元気になれないや…」

>その『花』、素敵だね。

「!!」

『花』について触れた時、突然頭を押さえて震え出した
よく見れば、花の周りの所に怪我をしたような痕跡がある

484大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/06/06(日) 10:48:43
>>483(りんちゃんさん)
「おや、どれも違うのかい。」 (↓ハスキーボイス↓)

「ちょっと、待ってくれたまえ! その頭……怪我をしているじゃないか!」 (↓ハスキーボイス↓)

大神さんブレインが高速思考を始めた!

 ①頭に怪我
 ②怪我をした上で治療がされていない
 ③死んだ表情をしている
 ④言動にネガティブさが見られる
 ⑤暴力や怪我に対する極度の恐怖心が見られる
  →被虐待児の可能性

 ⑥寮関係者ではない
 ⑦関係者ではないに関わらず、この寮に入らざるを得ない状況
 ⑧親族・縁者が頼りにならない状況
  →適切な保護を受けられずに、この寮に駆け込んだ可能性

「……分かった。」 (↓ハスキーボイス↓)

「じゃあ、こうしよう。今からキミは、『ボクのお客さん』だ。」 (↓ハスキーボイス↓)

「これなら、キミは寮の関係者。寮に入っても大丈夫だ。」 (↓ハスキーボイス↓)

「まずは、その頭の怪我の治療をしよう。ちょっと楽にしていてくれたまえ。ソファで横になったっていい。今、寮に備え付けの応急治療キットを出すから。」 (↓ハスキーボイス↓)

大神さんは寮の戸棚を漁って、備え付けの応急治療キットを出すことにした。

485りん『フューネラル・リース』:2021/06/06(日) 11:04:59
>>484
(すいません、怪我は残っていますが一応治療は施してあります。
 描写不足で申し訳ありません)

「…?」

お兄さんが何か言ってるけど、よく分からない…
頭がぼーっとして、あまり考えが纏まらない…
考えがそっちに向かない…

「…あのね…
 ずーっと考えてたんだ、うちって何だろうって
 たくさん考えたけど、分かんないんだ…」

ソファの横になり、虚空に向けて語り出す
語り掛けている相手は、大神か?自分か?

この場にいない、誰かか?

486大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/06/06(日) 11:22:28
>>485(りんちゃんさん)
(承知しました)

机の上に、戸棚から出した、お客様用のお菓子(クッキー)と、お茶(麦茶)を出す。

「飲みたければ飲んで。 食べたければ食べて。 休みたければ休んで。」 (↓ハスキーボイス↓)

「ゆっくりしていって。」 (↓ハスキーボイス↓)

ソファでリラックスして横になった、りんを見て、少し安心する。
まずは、ゆっくりしてもらって、話を聞いてみよう。

「考えても分からないなら、考えるのをちょっと一休みしちゃっても、いいんじゃないかな。」 (↓ハスキーボイス↓)

「ボクもボクがよく分かってないもの」 (↓ハスキーボイス↓)

人の温度が伝わるように、そっと『りんの隣』に座る。

            ・ ・ ・ ・ ・
「ああ、こういう時は『こっちの声』の方が、キミは安心するのかな? こんな格好だけど、ボクはお兄さんじゃないんだ。 」 (16歳少女 相応の声)

487りん『フューネラル・リース』:2021/06/06(日) 11:51:48
>>486
「……おねえさん?」

隣に座り、本来の声で語り掛ける大神を
少し意外な顔で見る

「うん…何か落ち着く…
 ありがとね、うちに合わせてくれて」

自分の事を気遣ってくれる大神の思いやりが、りんには嬉しかった
少し、ほんの少しだけ笑顔になった

      (こういう優しい人もいるから、人間って大好き)

「おねえさんも、自分が分かんないんだね…
 うちは、うちがわたしなのか、うちなのか
 ずっと考え続けて疲れちゃった…
 おねえさんの言う通り、ちょっと休んじゃおうかな…?」

「けど、休む前におねえさんの意見も聞いてみようかな…?
 ねぇ、おねえさんから見てうちってどう見える?


            うちは人間?花?       」

488大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/06/06(日) 12:12:14
>>487(りんちゃんさん)
「ああ、休んでていいよ。」 (16歳少女の声)

大神さんは、ソファで横になったりんに『自分の上着』をかける。

「『ボクにキミがどう見えるか』だって?」 (16歳少女の声)

「どう見えるかで言えば、『人間』かな。ボクにはキミが『人間』のように見えるよ。」 (16歳少女の声)

「ただ、それって、そんなに大事なことかい?
 ボクなんて見ての通り、ボクだったり、オレだったり、ワタシだったり、アタシだったりするぜ?」 (16歳少女の声)

「そうだよね? ポッポくん、はーちゃん」 (16歳少女の声)

りんにかけた、大神さんの上着から 『ポッポくん』(ハト。手品の相棒) と 『はーちゃん』(ハムスター。手品の相棒) が出てきた。

  ポッポくん 「ポッポー」

     はーちゃん 「ハムハムハムハム」

489りん『フューネラル・リース』:2021/06/06(日) 12:42:04
>>488
「…おねえさんも、自分の中にいっぱいの自分がいるんだね
 …うちはうちがわたしであってもうちであっても、うちだよね」

>「そうだよね? ポッポくん、はーちゃん」
「わっ」

かけられた上着から突然出てきた1匹と1羽の、手品の相棒達

「ハトさん!ハムちゃん!かわいい!
 おねえさんの友達?」

『ポッポくん』と『はーちゃん』の可愛さに身を起こし
興味津々な目で見ている

490大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/06/06(日) 13:04:17
>>489(りんちゃんさん)
「まぁね。 人それぞれ、十人十色の花模様ってやつじゃないかな。」 (16歳少女の声)

「そう、ポッポくんとはーちゃんは、ボクの大事な友達、手品の相棒をしてくれてる。」 (16歳少女の声)

  ポッポくん 「ポッポー」

     はーちゃん 「ハムハムハムハム」

  手品の相棒と言うだけあってか、ハトもハムスターもなかなか『人馴れ』しているようだ。

  二匹とも『りん』を恐れる様子もなく、じっと見ている。

  ……と思ったら、机の上のクッキーを食べ始めた。 食い意地である。

  ポッポくん 「ポッポー」 サクサクサクサク

     はーちゃん 「ハムハムハムハム」 サクサクサクサク

「ハトのほうがポッポくん、ハムスターのほうがはーちゃんさ。」 (16歳少女の声)

「そう言えば、名乗ってなかったね。

 ボクは 大神 或真 (おおがみ あるま) 。 この寮の住人さ。」 (16歳少女の声)

491りん『フューネラル・リース』:2021/06/06(日) 13:27:17
>>490
机の上のクッキーを食べるポッポくんとはーちゃん

「可愛いなぁ〜、動物って」

グゥ〜
クッキーを貪る動物達を見て、りんも食欲を刺激された

「うちもお腹減った
 待ってポッポくん、はーちゃん、うちも食べるよ〜!」

パクッ、サクサクサクサク

2匹に負けじと夢中でクッキーを食べる
口の中いっぱい頬張り、はーちゃんと同じハムスターのようになっている
麦茶で一旦口の中の物を胃袋に洗い流して

「美味しい!美味しいよ!
 美味しい物を味わえるって、生きてるからだよね!」

美味しい物を食べられるのは、人間だから、生きているから
未だに答えを見出せていないりんだが、とりあえず一旦は
そう結論付け納得する事にした

「大神 或真…えぇと、えぇと…
 あるちゃんって呼んでいい…?
 うちはね、りんって言うんだ!覚えてくれると嬉しいな」

492大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/06/06(日) 13:59:46
>>491(りんちゃんさん)

  ポッポくん 「ポッポー」 サクサクサクサクサクサクサクサク

     はーちゃん 「ハムハムハムハム」 サクサクサクサクサクサクサクサク

  りんちゃんに負けるまいと二匹は食べるペースを上げる。 ……などということはなく、単なる畜生ゆえの食い意地である。

「その呼び方でいいさ、『りんちゃん』。」 (16歳少女の声)

「気が向いたら、また寮に来るといい。ボクの名前を出せば邪険にはされないだろうさ。」 (16歳少女の声)

「お腹が空いてて、美味しいモノを食べたいのならアレだね。
 今度、常原サンを紹介するよ。料理が得意な『かせいふ』サンだ。ボクの方から、声をかけておくよ。」 (16歳少女の声)

 (↑あえて常原さんの性別を曖昧にしておく姑息なテクニック↑)

「少々、ビックリするような外見かも知れないが、内面がいい人なのは、ボクが保証しよう。」 (16歳少女の声)

493りん『フューネラル・リース』:2021/06/06(日) 14:27:06
>>492
「『かせいふ』さん?会ってみたいなぁ〜その人」

常原さんに会った時、りんはどんな反応をするか…
しかしりんは無類の人間好きだ
例え女装したゴッツイおっさんだったとしても
それはその人間の個性として気に入るかもしれない

そのりんが嫌うような人間は…

そうこうしているうちに、クッキーもお茶も完食してしまった

「ごちそうさま〜、美味しかったよ!
 うち、元気出てきたよ
 美味しい物を食べるのってやっぱり大事だよね
 うち、やらなきゃいけない事を思い出したよ」

スクッと立ち上がり、憑き物が落ちたような晴れやかな顔で言う

「音のおねえさんやあやちゃん達に食べてもらえるような
 美味しい鈴蘭料理を作らなきゃ!」

りんは手を振り、学生寮を後にする

「ありがとうね、あるちゃん
 今度は鈴蘭料理と鈴蘭茶を持ってくるから
 ここの人間達みんなで食べようね〜!」

                 毒 殺 宣 言

494大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/06/06(日) 14:44:55
>>493(りんちゃんさん)

「ああ、またおいで、りんちゃん。」 (16歳少女の声)
手を振り、りんを見送る。

「はて、鈴蘭料理……?
 聞いたことがないな。
 確か、この前の『彼女』(七篠さん)は植物に詳しそうだったから、どんな料理か聞いてみることにするか。」 (16歳少女の声)

495赤月『サクソン』:2021/06/09(水) 23:15:37

「おかしいな」

ここは学生寮の共同キッチンだ
中学生くらいの女の子が、鍋をコンロにかけて何かを煮ている

「どうしてこんな事になったのだろう」

鍋の中身は『カレー』だ・・・・・恐らくは
それというのも、カレーの香りはするものの、中身はかなり水っぽく
茶色っぽい煮汁といった方が正しいくらいの代物になっているからだ

496飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/06/09(水) 23:26:14
共同キッチンにはもう一人、茶髪をツインテにまとめた少女――飯田が缶詰を見つめていた。

>>495

「缶詰にはちょっと飽きたかも…」

正直私は料理ができない。
お母さんが料理下手だったから、ぶっちゃけた話、私も下手。
なにか他に食べるものないかなぁと周囲を見回すと最近クラスに転入してきた女の子が鍋と向かい合ってるのが見えた。

……カレーの匂いがする…?

「カレーですか?赤月さん」

そういえばクラスで赤月さんと話したことあったっけ、どうだろう。

497赤月『サクソン』:2021/06/09(水) 23:35:31
>>496

「君は確か・・・」

目の前の少女の顔を見て、記憶を思い出す
確か、学校で同じクラスの・・・・

「そう、『飯田咲良』・・・だったかな?」

鍋から目を話し、話しかけて来た彼女に応答する
『転校初日に行ったおかしな自己紹介に怯む事無く話しかけてきてくれた子』・・・だったような気がする
・・・・・もしかしたら完全に勘違いかもしれないけど

「うん、カレーを作ろうとしていたのだけれど・・・」

鍋の中身を飯田に見せる
鍋の中には茶色いお湯、バラバラの生煮え野菜、赤みが残る豚肉、ルーの溶け残り
そんな感じだ

「何がいけないのか、こんな感じになってしまってね
 咲良には何がいけないのかわかるかな?」

498飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/06/09(水) 23:51:09
>>497

そうだ、確か…初日に挨拶でこんなこと言ってて…。

>「この街に潜む『影の組織』について知っている者は私のもとに来てくれ
>私が言いたい事はそれだけだ」

変な組織なら『アリーナ』っていうのを『フラジール』さんに教えてもらったからそれで気になって話しかけたんだった。
『血気盛んな人に』って言われたし、盛んかわかんないからまだ話してないけど…。


そんなことを思い出しながら鍋の中を見てみる。
うーん、なにがいけないんだろ…。

「こういうときは、まず火が通ってるかみるって聞いた気がするから…」

鍋から『にんじん』を一つ取り出して箸をぶっさしてみる。固い…。

「もっと煮込めばいいのかも!」

味付けはわからないけど、そもそも固かったら食べれないし…。
とりあえず煮込んでみるのを提案する。

499赤月『サクソン』:2021/06/10(木) 00:04:48
>>498

「なるほど! 煮込み方が足らなかったのだな!」

うんうん、と笑みを浮かべながら頷く
鍋に蓋をして、火を強火に調整・・・・!

   ゴォォォォオオオオ・・・・

「やはり頼りになるのは心強い友だという事か
 うん、正しい料理の仕方を教えてくれてありがとう」

「ところで、先程から缶詰を見つめていたようだけど、
 開けなくていいのかな?」

ふと、飯田の眺めていた缶詰に目を移す

500飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/06/10(木) 00:10:58
>>499

ゴオオオオと音を立てるコンロに、グツグツと勢いよく鳴る鍋。これぞ料理!って気がする。
あれ?そういえば…お母さんもこんな感じだったような…?

「お役に立てたならよかったー」

「缶詰、缶詰ね…。
 実は私、料理そんなできなくて、缶詰とレトルトで繋いできてたんだけど飽きちゃって…。
 もしよかったらなんだけど、一緒にカレー食べたらダメかな…?」
「この缶詰あげるから、おねがいっ!」

今日の缶詰は『鯖の煮付け』だ。
暖めてご飯の上に乗せるつりだったけど…流石に飽きた!

501赤月『サクソン』:2021/06/10(木) 00:21:06
>>500

    ゴオオオォォォォ・・・・

「なるほど、君の缶詰と私のカレーとの物々交換と言うわけだな
 私は一向にかまわない! むしろ・・・・」

同年代の子と食べ物を交換する・・・
その発想に思い至った時、赤月の心が知らず知らずのうちに昂った
今までに感じた事がなかったその感情に戸惑いながら、答える

「むしろ・・・・うん、なんだろうか、とても喜ばしく感じる
 是非とも交換をして欲しい・・・・・む?」

     ゴオオオォォォォ・・・・

そんな事を言っている間にも火は燃え続けており・・・・
あれ? 何か鍋から白い煙が上がっているような?

502飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/06/10(木) 00:31:04
>>501

「やった!今日の御飯はカレーだ!
 赤月さんありがとうー!」

小さく万歳をして、缶詰から逃げれた喜びを表現…したところで目がコンロに釘付けになった。

「け、けけけけむりー!!」

えっと、えっと、どうしたらいいんだろう。
とりあえず火を消さないと!
慌てながらコンロに近付いて火を消そうとする。

き、きえた…?

503赤月『サクソン』:2021/06/10(木) 00:48:45
>>502

「ふふふ・・・・」

飯田程ではないが、目を細め、小さく笑みを浮かべる
友達と食べ物を交換するという行いを面白く感じているのだ

  ゴォォォオオオオ・・・・・

>「け、けけけけむりー!!」

「しまった!」

        ガバッ!

飯田がコンロの火を消したのに気づかずに、思わず鍋の蓋を開けてしまう!
その瞬間! ぼんっという小さな破裂音とともに、熱々の内容物が周囲に飛び散る!

504飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/06/10(木) 01:03:06
>>503

「ぴゃっ!!?」

鍋からすごい音がしてびっくりして音の元を見たら…飛んでくるアツアツ野菜!
もちろん、飛んでくる過程で多少冷めてる、はず。でも熱そう!!

『シスター・ゴールデンヘアー』を出して赤月さんの持ってる鍋のふたを奪取!
飛んでくる野菜を蓋で叩き落とす…!

子供の私よりも『シスター』の方が力があるし、早いから多少は対応…できるはず…!
赤月さんからしたら…鍋の蓋が宙に浮いたように見えるのかな…?

「こ、こわかったね…」

505赤月『サクソン』:2021/06/10(木) 01:13:08
>>504

   パァンッ!

「・・・・・! 『サクソン』!」

熱々の野菜が弾ける瞬間に、赤月は己を守るために行動を起こす
自身のスタンドの内、『トレンチコート』のみを発現し、
その布地で火傷から身を守ろうとしたのだが・・・・

「あ・・・」

その瞬間に『シスター・ゴールデンヘアー』が鍋の蓋を奪い、
飛んでくる野菜を叩き落とした!

「咲良・・・・君のそれは・・・・」

『トレンチコート』のヴィジョンを着こむ赤月と
『人型のスタンド』を発現した飯田・・・・両者が鍋の前で向かい合う

506飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/06/10(木) 01:28:58
>>505

……?
赤月さん、早着替えした…?

「もしかして…見えてたり…?」

赤月さん、『シスター』のこと『それ』って言ってるし…見えてるよね…?
転校生が『お仲間』ってなんだか小説とかマンガみたい!
赤月さん、主人公なのかな?それともヒロイン?

私はこの間、憂さんに言われた『世の中には悪い人もいる』『そういう人がスタンドを持ったら』って言葉を忘れて、ちょっと浮かれちゃった。
だって主人公みたいだし…。

「えと、この子は私のスタンドで…『シスター・ゴールデンヘアー』っていって、
 危ないと思ったからつい出しちゃった、ごめんね…?」

どうしよう、消した方がいいかな?
悩みながら『シスター』に手を挙げさせて敵意はないよーとアピールしてみる。

507赤月『サクソン』:2021/06/10(木) 18:23:21
>>506

「・・・・謝る必要はない」

赤月は自分を守ってくれた『シスター』の正面に立ち、
値踏みするかのような目つきで見つめていた
数秒間程度、その姿勢を続けた後、苦笑するように表情を和らげる

「むしろ、私はお礼を言わなければならないな
 私が危ないと思って助けてくれたのだろう? ・・・・ありがとう」

飯田に向き直り、ぺこりと頭を下げる
だが、顔を上げた時、その目つきは厳しさの色を帯びていた

「しかし・・・・ 君がスタンド使いだというのであれば、聞かなければならない事がある
 君は『アリーナ』という言葉を聞いたことはないか?
 この町に住まうスタンド使いが作り上げた・・・・『影の組織』の名前なのだが」

508飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/06/10(木) 18:44:40
>>507

謝る必要はない、その言葉にちょっとほっとした。
マーブル模様の『シスター』を眺める赤月さんの表情は少し柔らかい。よかった。

「びっくりしたよね、怪我もなくてよかった…!」

続く赤月さんの言葉にちょっと首を傾げる。
『アリーナ』。知ってはいるけど詳しくはないそれを赤月さんに教えていいのかちょっとわからないし…。

「……答える前に二つだけ聞いてもいい?」
「ひとつ、赤月さんはどうして『アリーナ』について知りたいの?
 ふたつ、赤月さんは『血気盛ん』な人?」

憂さんは『アリーナ』のことを『乱暴』って言ってたし、『フラジール』さんも『血気盛んな若人なら喜ぶ』って話してた。
きっと、危なくて大変な場所なんだと思う。
そんな場所をクラスメイトに紹介していいのか、私にはわからないから。

509赤月『サクソン』:2021/06/10(木) 21:03:44
>>508

(どうしよう・・・・)

先日、歓楽街で出会った男性と同じように、質問を返される
正直に答える事は一向に構わないと思っているが、それで飯田が巻き込まれてしまう事は・・・・

(咲良は良い人だ この町に来て何もわからなかった私に、こんなにも親切にしてくれた
 彼女が私の味方になってくれると嬉しいけど・・・ 危険な事に巻き込むわけにもいかない)

「兄に・・・・ 私の兄を酷い目に合わせたスタンド使いが『アリーナ』にいる」

『殺意』は覆い隠す
だが、飯田と秘密を共有したいという衝動を抑える事が出来なかった
詳しい事情は離さないように、少しだけ自分の事を伝える

「だから、そいつを探し出して『文句』を言ってやりたいんだ
 それが、私が『アリーナ』を探す理由で・・・まあ、今の言葉でそれなりに私が血気盛んだって事がわかるだろう?」

正直に真実を話さない事、卑怯にも自分にとって都合の良い部分だけ話す事
それらが赤月に罪悪感を抱かせ、お腹の奥が重くなるような痛みを感じさせる

510飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/06/10(木) 21:32:27
>>509

私は赤月さんの言葉を聞いて、自分に置き換えて考えてみる。

……お姉ちゃんが、『乱暴』な『アリーナ』の人に酷い目に遭わされたら。

お姉ちゃんは私が知る限り、スタンドを持っていなかった。
少なくとも、見たことはない。
そんなお姉ちゃんがなにかされたら、本当に『酷い』ことになると思う。

そしたら、私はお姉ちゃんを越えることはできなくなる。
この町に来た理由がなくなる。それは…許せない。

「…私にもお姉ちゃんがいるから、怒る気持ちも『文句』言いたい気持ちもわかる…かも。
 ……『文句』だけ、だよね?
 それなら…教えてもいい…かな…?」

「えっと、まず私は『アリーナ』って言葉は知ってる。
 これは『フラジール』さんって『スタンド使い』に教えられたこと」
「次に、私は『フラジール』さんからもらった『アリーナへの紹介状』を持ってる。
 赤月さんが『文句』を言いに行くのに使えるかはわからないけど……」
「……必要…だよね…?」

『アリーナへの紹介状』は部屋の机の中。
もし必要なら渡そうと、そう考えた。

511赤月『サクソン』:2021/06/10(木) 21:55:43
>>510

「『アリーナへの紹介状』・・・・! 『フラジール』・・・・!」

予想以上に重要な情報の存在に目を丸くして驚く
このまま『紹介状』を飯田から受け取れば、『目的』に向けて大きく前進できるはずだ

「ああ、必よ・・・・・」

だが・・・・『必要』という一言を言う寸前に躊躇する
自分は今、目の前の少女を言いくるめる様にして情報を手にしようとしている
親切で・・・・友達になれるかもしれない相手に対して、だ

(もしも・・・・このまま『紹介状』を受け取ってしまったら、
 私は咲良に対して今後、どんな顔で接すればいいのだろう
 私はこの子と友達になりたい・・・・ でも!)

(こんな騙すような事をしてしまって・・・・本当に友達になれるのか・・・・?)

「か・・・ぁ・・・・    ・・・・・すまない」

声を絞り出すようにして、謝罪の言葉を口にする
覆い隠そうと思っていた本音が、アスファルトを捲る様に顔を出す

「私は君に・・・・ 本当の事を伝えてなかった・・・・
『文句』だけではない、本当はそいつを・・・・そいつを・・・・」

「殺したい・・・・と、思っているんだ
 兄の・・・・仇なんだ、そいつは・・・・・」

512飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/06/10(木) 22:17:00
>>511

「お兄さんの…『仇』…」

私は思わず赤月さんの言葉を繰り返した。
『酷い』以上の、つらいことだった。

転校してきた日に赤月さんが言っていた『訳あって越してきた』という言葉が頭をよぎった。
お兄さんを殺した相手を殺すために、この町にやってきたんだろうって、理解しちゃった。

軽く深呼吸をして目を伏せる。

「もし…もしも、私が赤月さんみたいにお姉ちゃんを殺されたら、
 私は私の目標を失っちゃう」
「私はお姉ちゃんを探しに、お姉ちゃんを越えるためにこの町に来たから、
 そんなことをされたら…許せないと思う…」

一呼吸置いて、赤月さんの目を見る。

「だから、赤月さんがそう考えて行動するのを止められない。
 人を傷つけるのはよくないことだと思うけど、だけど『仇討ち』は止められない」
「本当のことを教えてくれてありがとう。
 改めて、こう言うね。もし、必要なら『アリーナへの紹介状』を渡すよ」

513赤月『サクソン』:2021/06/10(木) 22:33:22
>>512

「・・・・・・・・。」

言ってしまった・・・・
罪を告白した解放感とともに、友を巻き込んでしまう事への恐れが心中に巻き起こる
自身の『殺意』を曝け出した事が、今後の活動の妨げになるかもしれない
あるいは・・・・・

(咲良が裏切って・・・・ 『アリーナ』に告げ口をする事も・・・・?)

ぞっとするような恐怖心が湧いてくる
もしも、目の前の少女に裏切られてしまったら、と思うと今更ながら自身の行いが怖くなる

「あ・・・・」

>「もし…もしも、私が赤月さんみたいにお姉ちゃんを殺されたら、
> 私は私の目標を失っちゃう」
>「私はお姉ちゃんを探しに、お姉ちゃんを越えるためにこの町に来たから、
> そんなことをされたら…許せないと思う…」


>「だから、赤月さんがそう考えて行動するのを止められない。
> 人を傷つけるのはよくないことだと思うけど、だけど『仇討ち』は止められない」
>「本当のことを教えてくれてありがとう。
> 改めて、こう言うね。もし、必要なら『アリーナへの紹介状』を渡すよ」

「・・・・・・・。」

飯田の言葉からは赤月に対して真摯に向かい合う気持ちが感じられた
ありがたい、という感情と同時に、そんな相手を一瞬でも疑ってしまった事を恥じ、
羞恥心から無言で目を伏せてしまう

「そうか、君にも『姉』がいるのか
 ふふ・・・きっと君に似て優しい人なのだろうな」

「・・・・『必要』なんだ、君の持つ『紹介状』が」

514飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/06/10(木) 22:43:42
>>513

赤月さんの言葉に軽く笑って返した。

「私が優しいかはわかんないかな。
 だって、私、赤月さんが『仇討ち』するのを止めないんだよ?」

「ちょっとここで待っててもらってもいい?
 『紹介状』、私の部屋の机にしまってあるから」

そう言って振り返ったところで、周囲の惨状が目に入る。
そういえば、ご飯を作ろうとしてたんだった。

「……そうだ、なんなら部屋まで一緒に来てついでにご飯食べちゃわない?
 カレーは爆発しちゃって食べれないかもだけど、
 私が飽きちゃった缶詰でも二人ならきっと美味しいよ」

ここを軽く片付けてからだけど。
そんな風に小声で口に出して様子を伺ってみる。

515赤月『サクソン』:2021/06/10(木) 23:12:19
>>514

「それでもだ
 私の『目的』を知っても離れていこうとしなかっただろう?
 それは咲良が優しいからだ、と思う」

周囲の惨状、飛び散ったカレーや焦げた鍋を見る
なかなか酷い有様だ・・・・片付けにはそれなりに苦労するだろう

「うん、わかった
 ただ、この惨状を起したのは私の責任だ だから私に任せてくれ」

そういうと、赤月は鍋やキッチン周りの掃除に取り掛かる
ゴシゴシと力を込めて洗うが、なかなかの重労働のため額に汗がにじむ

516飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/06/10(木) 23:36:24
>>515

「ありがとう。
 だって、私にも赤月さんの気持ちわかっちゃったから…」

「片付け、やるなら一緒にやろう?」

先に片付けを始めた赤月さんを手伝いながら、重いものの片付けやこびりつきには『シスター』を動かす。
『シスター』は大人の人くらいの力があるんだから私よりもこういうときは便利だ。

そうしてしばらくして、片付けが終わった。
キッチンは惨劇が起きる前の状態に戻ったし、ついでに缶詰とごはんは準備ができて『シスター』に持たせてる。

「赤月さん、私の部屋こっちだから」

そう言って部屋まで手を引いていく。

私の部屋にはベッドが一つに、勉強机、食卓として使う折りたたみ式のちゃぶ台、飲み物用の小さな冷蔵庫。
勉強机には教科書や勉強用の本、アルバム。 ベッドにはくまのぬいぐるみが置いてあるくらいの普通の部屋だ。

517赤月『サクソン』:2021/06/10(木) 23:52:34
>>516

「すまない、それではそちらの掃除を頼む」

一人では相当の時間がかかるであろう掃除も二人でやれば比較的短時間で終わった
今までの人生でほとんどなかった、二人での作業に内心少し楽しい気分を味わいながら、
作業は瞬く間に終了し、夕ご飯の準備も済ませてしまった

「ここが咲良の部屋か・・・ 私の部屋とは大違いだ」

飯田の部屋も比較的物は少ない方かもしれないが、
赤月は越したばかりのせいもあってそれに輪をかけて物が少ない
そのため、部屋に入って早々にそんな感想を口にする

「・・・・・・・。」

  チョイチョイ
        チョイチョイ

ついつい、くまのぬいぐるみが気になって、指でつついている

518飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/06/11(金) 00:07:11
>>517

ちゃぶ台を出して、ごはんと缶詰と箸を並べながらくまのぬいぐるみをつつく赤月さんを見る。

「えー、そうなの?
 今度赤月さんの部屋にも行ってもいい?楽しそう!」

「その子、家から連れてきたの。
 小さい頃からずっと一緒で、お母さんが買ってくれたんだ」

お母さんの買ってくれた大事な私の友達。
たぶんお金の出所はクソ親父だろうけど、このくまさんの可愛さに罪はない。

ご飯の準備ができたので、机から『アリーナへの紹介状』を取り出す。

「はい、これ。
 『フラジール』さんからもらった、『アリーナへの紹介状』」

519赤月『サクソン』:2021/06/11(金) 00:24:41
>>518

「私の部屋は何もないぞ
 正直に言って、咲良のお気に召すものなんて何も・・・・
 うん、私も咲良のようにこういう『可愛いぬいぐるみ』を買った方がいいのかな」

赤月の部屋には生活に必要な物以外はほとんど置いてない
冷蔵庫ですら、普段コンビニで食べ物を買っているために置いてないくらいだ
『くまのぬいぐるみ』をじっと見つめ、今度咲良が遊びに来るまでに何かを買おう、と決意する

「では、ありがたく拝領しよう」

両手を恭しく掲げて、ありがたく書を授かる
この『紹介状』が果たして仇につながるかはわからない
そもそも『アリーナ』という組織の全体像やその目的も知らないくらいだ
だが、これこそが自身の『目的』を果たすための出発点なのだと、赤月はそう感じた

机の上に並べられた食事を前にして、手を合わせる
と、食事を始める前にふと思い出した事があった

「そうだ、今更という気もするけど、咲良に言いたい事があったんだ
 ・・・・・面と向かって言おうとすると少し恥ずかしいけれども」

「私と・・・・友達になってくれないか」

言おうとはしていたが、学校では言えなかった言葉だ
そして、これはこの町に来て初めて言った言葉でもあった

520飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/06/11(金) 00:37:13
>>519

「それなら、今度一緒に買い物行く?
 『ぬいぐるみ』とか、お揃いで買ったら楽しそうだよ」

きっとこの町には知らないだけでいろんなお店があるだろうし、友達と行けたら楽しそうだから。

「ハイリョウ…拝領?
 赤月さんってすごく大人っぽい言葉使うよね。
 これが、赤月さんのお役に立ちますように」

赤月さんの手を合わせる動作に合わせて、私も手を合わせる。
いつもと同じ缶詰とごはん。だけど誰かと一緒で、特別なごはん。

「いただきます」

そう言ったところで赤月さんが止まったことに気付く。
話をふむふむと聞いて、大きく頷いてみる。

「私、赤月さんとはもう友達なつもりだったみたい。
 改めて、よろしくね。赤月さん!」

二人での食事は和やかに過ぎていく。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『フラジール』さんからの『アリーナへの紹介状』をもらったやりとりはこちら。
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1591247432/641-657

521赤月『サクソン』:2021/06/11(金) 00:56:03
>>520

「お揃いの『ぬいぐるみ』か、ふふ、それはとても素敵な話だ」

口元を綻ばせながら、楽し気に買い物の話をする
これもまた、今までにない初めての経験であった

「・・・・ありがとう、改めてよろしく頼む・・・・咲良」

友達と一緒に食べるご飯
それは赤月にとって、とても楽しい最初の経験であった
この先に待ち受けているかもしれない『闘い』は一旦心の隅に仕舞い込み
今はただ楽しい時間を過ごしていった・・・

赤月ナカレ『サクソン』⇒『アリーナへの紹介状』を獲得
            『友達』が出来た

522甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2021/06/12(土) 08:05:45
厨房
「いつになったらなくした未来を私ここでまた見る事出来るの?」

白い布地に返り血を浴びたようなエプロン(そういう絵柄)を着用し料理をしている

こいつはここの住人ではないが、風邪を引いた>>523のお見舞いに来てお粥を作っているのだ

523大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/06/12(土) 11:51:12
>>522(甘城さん)

「ゴホゴホ……いつもすまないねえ……」(↓風邪引き&余裕がないので演技してないぞ↓)

緑髪・右黒目(いつものカラコン入れる余裕がない)・左黒目(いつものカラコン入れる余裕がない)の男装少年(16歳 女子)がベッドで寝込んでいる。

  ポッポくん(ハト) 「ポッポー」

     はーちゃん(ハムスター) 「ハムハムハムハム」

ハトとハムスターは傍らのケージの中でおとなしくしている。

524甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2021/06/12(土) 12:31:47
>>523
「風邪引きは大変ね…」

完成したお粥を大神の前に置く

「食べられそう…?」

このお粥、普通のお粥ではない
何か『肉』が入っている…

あま公からは『血』のにおいがする…
元々返り血模様のエプロンだが、本物の『血』が付着しているようだ…

525大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/06/12(土) 13:47:49
>>524
「やや、すまないねぇ……『甘城さん』」

「『甘城さん』で良かったよね?
この前のお墓にそう書いてあったような……?
ちなみにボクは『大神さん』なわけだけども」

エプロンの血を見つつ……
ありがたくいただこう。

  ズズズッ……モシャモシャ……

「この味……この肉はアレかい? ウミガメの肉かい?」

526甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2021/06/12(土) 14:09:28
>>525
「正解、『甘城さん』さんで合ってるわよ、『大神さん』」

大神が食べたお粥は、普通に美味かった
塩味を効かせていて若干濃い目の味付けだ

そして、大神が口にした件の『肉』

>ズズズッ……モシャモシャ……

『鶏肉』よりもジューシーで、『魚肉』に似た感じもする
『鶏と魚の中間』のような味わいだ

>「この味……この肉はアレかい? ウミガメの肉かい?」

「不正解、『ウミガメ』の肉なんて簡単には手に入らないわ
 一回『料理』してみたいけどね…」

「けど、それに近い『肉』よ
 何だと思う…?」

お粥には『肉』の他に数個の黄色い『卵』が入っている

「そういえば、これは食前に飲む物だったわね…
 今更だけど…飲む?」

そういうとあま公は、コップに並々と注がれた『真っ赤な液体』を大神に差し出した

527大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/06/12(土) 14:32:59
>>526
「やや、これは美味しいね……。
 『甘城さん』さんさわやか三組さんは料理がジョーズなんだね。
 ボクだったらこうはいかない。」

「はてさて……この不思議な肉は……
 ふむ、キミからのナゾナゾか」

「クジラ……ではないな」 ほえーる!

「ラッコ……ではないな」 ムワァ!パツンパツン!

「となると、スッポンではあるまいか?」 すっぽーん!

「真っ赤だね。トマトジュースかい?アセロラジュースかい?ありがとう」 ごくごくごく

特に疑いなく飲んでみよう。

528甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2021/06/12(土) 15:02:25
>>527
「正解
 それは…さっき池で捕まえて来たスッポンよ」

そのスッポンは、先程あま公が池に行って捕まえて来たスッポンだ
その手には、スッポンに噛みつかれた痕があり、大分苦戦したようだった

「今度は、最近この辺に出没するようになった『ワニガメ』を捕まえて来ようと思うのだけど…
 どう思う?」

>ごくごくごく

疑いなく飲んだその赤い液体は、『鉄とワイン』の味がした
これは『生き血』だ
『スッポンの生き血』は酒と割って飲むものだ

529大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/06/12(土) 16:06:04
>>528
「あっあっあっ……ちょっとちょっとちょっと……これは……」

ムラッ!

ズキューーン!!

希望とやる気がムンムンわいてくるじゃあねーかッ!!!

「その手の傷はまさか……ボクのためにか!?
 ああ、キミはなんということを!?」

風邪とスッポンとアルコールの融合カード!
ただでさえ演劇じみた大神さんの態度に磨きがかかったぞ!

「おお、キミの料理と看病ばかりか、その傷の十字架までボクは背負わねばならないのか!」

「よかろう!その悪しき『ワニガメ』とやらの捕獲にボクも協力しようではないか!」

乗り気だ!

530甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2021/06/12(土) 16:32:31
>>529
「…大袈裟」

芝居がかった大仰な大神に
顔色一つ変えず冷静に対応する

大神のスッポン粥を手に取って

「病人は大人しく看病されてろ、ほら」

匙を大神の前に突き出す
「あーん」の形だ

「『ワニガメ』の危険度はスッポンの比じゃない…
 ハントするには相応の準備が必要…
 リスクは高い…けど、味は期待出来る」

531大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/06/12(土) 16:58:40
>>530
「あむあむあむ……」
あーん、して食べる。

「……『10秒』だ。」
あむあむしながら、何事かを呟く。

「1日、1回、1個だけ、そして『10秒』。」

「その間だけ、ボクの手品は『魔法』になる。」

「……簡単に言うとボクは1日に10秒だけ『常軌を逸したレベルのヤバいモノ』を作成できる。

例えば『世界一鋭い銛』とか『アフリカゾウが瞬時に倒れる毒』とか。
それらは『固体』に限られるけども、想像できる範囲での『最強』を作れる。
最強の即効性の毒を使ったとしても、10秒で無くなるから、死だけを残して、後は無毒、食べても安心。」

「キミはその『ワニガメ』をどうしたい?
捕獲?殺傷?その他?」
問う。

532甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2021/06/12(土) 18:03:54
>>531
「それは、この前貴方が漏らした奴の能力?」

>捕獲?殺傷?その他?

「殺すわ」

一片の迷いも無く『殺す』と答えた、甘城天音

「奴らに罪は無い、けど
 放っておけば生態系を荒らす危険な外来種だから

 建前はともかく、単純に食べてみたいから
 外来種を駆除するっていう大義名分で狩る」

そろそろ食べ終えただろうか?
『ビター・スウィート・シンフォニー』の能力で
器に『桃のコンポート』を盛る

「それ食べて、早く寝なさい」

533大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/06/12(土) 18:28:07
>>532
「漏ら……漏らしてないよ!漏らしてないもん!漏らしてないから!」

あーやだやだ、漏らしたヤツって大抵そう言うんですよ。

「む、この桃のお菓子おいしい……スイーツ……」 ぱくぱく

「まぁ、ボクの手が必要なら呼んでほしい」

「今日の看病のお礼くらいはさせてくれたまえ」

「あ、コレ、ボクのLINE_IDね。呼び出したい時の連絡先。」
連絡先を渡しといた。そして、寝た。

534御影憂『ナハトワハト』:2021/06/15(火) 00:49:11

        ――――ドサッ

寮内の一室に荷物を運んでいた。
出入りをスムーズにするため、
ドアストッパーを設置して開けっ放しにしてある。
近くを通れば、その部屋の中に、
『ジャパニーズホラー』じみた女がいるのが見えるだろう。

535飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/06/15(火) 08:55:15
>>534

あれ?なんだか見たことあるような…憂さん?
憂さんって寮に住んでるとかは言ってなかった気がするけど…どうしたんだろう?

「こんにちわ、憂さん。
 その…この間(>>421)はくっついちゃってごめんなさい!」
「荷物、どうかしたんですか?手伝いますか?」

536御影憂『ナハトワハト』:2021/06/15(火) 12:41:29
>>535

「あ………………『咲良』………………」

            ボソッ

呼び掛けられて、声のする方を向く。
ダンボールを床に下ろした所だった。
部屋の中には、布を被ったケージも置いてある。

「別に………………いい………………」

「気にしてないから………………」

本音を言うと、あそこまで怖がるとは思わなかった。
だが、ホラーというのは怖がってこそのもの。
あれだけ怖がってもらえれば、作品も本望だろう。

「………………『引っ越してきた』」

円谷世良楽・飯田咲良・空井イエリ・氷山あきは・ツネハラ……。
これまでの調査で、学校や寮内にも、
『スタンド使い』は少なくない事が分かった。
それらを『見張る』には、自分も寮に入居している方が、
何かと都合がいい。
同じ『清月生』としての立場を利用すれば、
近い場所から自然に動向を窺える。
そのため、今まで住んでいた『ワンルームマンション』から、
『清月館』に越してきたのだ。

「『荷物』………………あと『二つ』あるから………………」

「片方………………運んでくれる………………?」

『自室』を出て、寮の入口に視線を移す。

537飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/06/15(火) 13:01:35
>>536

「よかったぁ…」

気にしてないという言葉にほっとして、息を吐く。

「『引っ越し』…!
 それなら今度から一緒にごはんとかテレビとか楽しめますね…!」
「にしても、この時期の引っ越しはちょっと珍しいですね。
 あ、でもこの間も一人来たし、意外とあるのかな…?」

この間引っ越して来た赤月さんの部屋はまだ殺風景らしいけど、憂さんの部屋はどうなるんだろう?
荷物がいろいろあるみたいだから殺風景にはならないかな?

「『荷物』ですね、わかりました!
 取りに行ってきます!」

そう言ってから私は寮の入り口まで行って、荷物を持って憂さんのところに戻った。

「持ってきました。
 荷解きとか手伝うことがあれば私と『シスター』がお手伝いしますよ」

『シスター・ゴールデンヘアー』は人並みの力はあるし、力仕事があるなら私より役に立つと思う。どうかな?

538御影憂『ナハトワハト』:2021/06/15(火) 13:33:53
>>537

「――――――………………」

「………………うん」

          コク…………

やや間を置いてから、小さく頷く。
ここに来た『目的』を忘れてはならない。
スタンド使いに近付くのは、あくまでも『手段』だ。
改めて、そう自分に言い聞かせる。
情に流されてしまうようでは、『使命』は果たせない。

      スタ スタ スタ

「他にもいるんだ………………最近来た人………………」

「………………転校生?」

並んで荷物を運びながら、相槌を打つ。
今の時期というのは確かに珍しい。
自分には理由があるが、普通は転入してきたとかだろう。
珍しいといえば珍しいが、別に有り得ない事じゃない。
それが『昨日の相手』だとは思いもしなかった。

「………………ありがとう」

「じゃあ………………『それ』………………」

           スッ

そう言いながら、ダンボールの一つを指差す。

「中に『参考書』とか入ってるから………………」

「………………あっちの『本棚』に並べといて」

ダンボールは開かれており、
中には『心理学』の本がギッシリ詰まっている。
また、『恐怖』に関する書籍も多い。
『恐怖の原因と反応に関する総合的考察』
『最新科学で読み解くホラー』
『古今奇談怪談全集』
『実録心霊スポット行脚』
……そういったタイトルが目立つ。
部屋には机があり、その横に本棚が置かれていた。

539飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/06/15(火) 14:00:05
>>538

「そうなんです、私のクラスに『転校生』が来て…!
 その子とこの間いっしょにご飯食べたりしたんですよ。
 今度紹介しますね!」

そういえば…赤月さんも早着替えしてたし、たぶんスタンド使い…なんだよね?
詳しくはわかんないけど、憂さんと同じようにお洋服のスタンドだったなぁ…。
そんなことを考えながら私はお手伝いをした。

「『本棚』ですね、わかりました。
 大学生ってたくさん本を持t…」

「ぴゃう…」

箱の中にある本は先日見た『ホラー映画』を連想させる感じで、私は思わず『シスター』を出してくっついた。
ここ最近は『シスター』に添い寝してもらったり、トイレの前に『シスター』を立たせたりと甘えてばかりだ。だって怖いし。

『シスター』を隣に待機させて、本の表紙を見ないようにしながら、本棚に片づけていく。

「う、憂さんって、『大学二年生』でしたよね。
 どんな勉強されてるんですか?」

この本が求められる勉強ってどんなだろう。
『趣味』じゃなくて『参考書』…だもんね?

540御影憂『ナハトワハト』:2021/06/15(火) 14:21:59
>>539

その転校生がどんな生徒かは知らない。
話を聞く限りでは、咲良と同じ寮生のように思える。
まぁ、何かの足しにはなるだろうか?

「『専攻』は………………『心理学』………………」

恐怖関係の本も多いが、
それと同じくらい心理学関係のものもある。
恐怖関連の書籍については、『個人的な参考書』だった。
夜の街で道行く人間に『恐怖』を与える時、
どうやればより効果的かを研究するための。

「人に特定の『刺激』を与えた時………………
 どういう事が起きるか………………」

「………………そんな感じの研究」

        ――――ハラリ

本を片付けていると、一枚の写真が床に落ちた。
ダンボールの底に埋まっていたようだ。
7〜8歳ほどの少女が、12歳くらいの少年と手を繋いでいる。
背景は何処かの行楽地らしい。
写真に写る少女は、曇り一つない明るい笑顔を見せていた。

541飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/06/15(火) 14:39:45
>>540

「『心理学』、勉強されてたんですね。
 ……それで怖い映画とか本とかいろいろあるんですね、納得です!」
「『刺激』…びっくりしたら思わず声が出ちゃうとかそんな感じ…です?」

そうして話しながら片付けをしていたら、写真が落ちたのに気付いた。

…これ、女の子と男の子…?
もしかして、憂さんの昔の写真かな?初恋の相手とかだったりして…!
ちょっと写真のこと、憂さんに聞いてみようっと。
そんなことを考えて、私は手に持った本を本棚に片付けてから憂さんの方に写真を持って近付いた。

「憂さん、片付けてたら写真が…。
 これ、憂さんです?可愛いですね…!」

542御影憂『ナハトワハト』:2021/06/15(火) 18:25:08
>>541

「………………そーいうこと」

        ゴソッ

会話を続けながら、荷解きを行う。
そちらには食器類が入っていた。
皿やカップを出して、食器棚に収めていたが――――。

      ピク…………

「あ………………」

「………………『うん』」

御影憂の素顔を見た人間は多くない。
おそらく、咲良も見た事はなかったはずだ。
しかし、何となく『面影』が残っているようには感じられた。

「これ………………どこだっけ………………」

「………………『星見プレイランド』?」

確か、そんな名前の場所だったような気がする。
この頃は、まだこんな風に笑えた。
懐かしい思い出だ。
そう――――『思い出』。
それは、既に『過去』となっている。

543飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/06/15(火) 18:52:13
>>542

「憂さん、やっぱりべっぴんさんなんですねー…!」

引っ越しの荷物に入ってるってことは憂さんだと思って聞いたら当たりだったみたい。
写真をわかりやすいところに置いておく。うん、やっぱり笑顔でかわいい。

「『星見プレイランド』!
 初めて聞きました、楽しそうな場所ですね」
「『星見』ってことはこのあたりの場所なんですか?
 実は私、まだまだ詳しくなくて…」

本棚の前に戻って片付けをしながら話を続ける。
本当は男の子のことも聞きたいけど、それ以上にこの場所が気になった。

544御影憂『ナハトワハト』:2021/06/15(火) 19:14:33
>>543

「見られちゃった………………」

「………………えへ」

照れたように笑う。
芝居――ではなかった。
実際、恥ずかしいものがあるのは確かだ。

「レジャー施設っていうか………………
 体を動かす場所っていうか………………」

「大きな『エアー遊具』があって………………
 飛び跳ねたりして遊んで………………」

古い記憶を辿りながら語る。
だいぶ行ってないが、まだ営業しているのだろうか?
チェックしてないから分からないが、
何となく『そうだといいな』と思った。

「その時は………………
 『従兄弟』と行って………………」

「途中で迷子になって………………
 『呼び出し』してもらったっけ………………」

話している内に記憶が鮮明さを取り戻し、
ぽつりぽつりと言葉が口をついて出た。

545飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/06/15(火) 19:50:52
>>544

照れ笑いしてるような気がする憂さんにつられて笑い返しちゃった。

「そうなんですね。
 憂さんってなんだかインドア派なイメージがあったんでちょっと意外かもです!」

私はあんまりそういうレジャー施設みたいなところ行かなかったけど、行ったら楽しかったのかな。
手を動かしながら話を続ける。

「『従兄』のお兄さんからはぐれちゃったんですか…。
 『呼び出し』で合流できたならよかった…」
「『従兄』さんってどんな人なんですか?」

なんとなくだけど、憂さんは凛としてるというか…一人っ子っぽいイメージがあったから聞いてみたくなった。
憂さんと一緒にいたお兄さんはどんな人だったんだろう。

546御影憂『ナハトワハト』:2021/06/15(火) 20:20:40
>>545

昔は明るい太陽の下で動き回るのが好きだった。
今は『光』が嫌いになった。
夜の闇の中が何よりも落ち着く居心地の良い場所だ。

「………………『責任感』が強い人」

「それから………………『優しい』………………」

「『弱いものいじめ』が許せない人だから………………」

自分と同じように、『従兄』も昔と比べると変わった。
ただ、心の根底にあるものは、今でも変わっていないと思う。
『一般人』が『スタンド使い』に傷付けられる事を防ぎたい一心で、
血の滲むような努力で『準備』を整えてきた。

リハビリ中にコンピュータの専門知識と技術を学んで『特許』を取得し、
自力で動けるようになった後は各地を放浪し、
『スタンド』を手に入れるために、『スタンドを与える者』を探し続けた。
だけど、やっと見つけた相手からは、『才能がない』の一言で切り捨てられた。
そして、彼と再会した時、私は『スタンド使い』になっていた。

(――――すまない)

最初に、彼はそう言った。
自分がスタンド使いになって矢面に立つつもりだったから。
最初の予定とは立場が逆になってしまったが、後悔はしていない。

「今日………………一緒に『ご飯』食べる?」

「何か………………作るから………………」

無意識の内に過去に入り込んでいた意識を現実に引き戻し、そう言った。

547飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/06/15(火) 20:40:22
>>546

「『責任感が強く』て『優しい』、『弱いものいじめ』が許せない…。
 ……『従兄』さんと憂さんって似てるんですね」

寮に変な人が出た。私のただそれだけの言葉で警察を連れてきてくれた。
お姉ちゃんを探してる。そんなことを言ったらLINEで見つかった?って気にかけてくれた。
私が悪いスタンド使いもいるって知ったとき。私が襲われたら協力してくれるって言ってくれた。

憂さんは本当に『従兄』さんと似てると、そう思った。


話していたら、気付けば本棚に本を詰め終わってた。

「え、いいんですか!」
「私も、その…お手伝いしてもいいですか?
 実は料理、へたっぴで…すこしでも練習したいんです!」

そういえば憂さんって激辛料理が好きって言ってたっけ?
作るのも辛いのが多いのかな?

548御影憂『ナハトワハト』:2021/06/15(火) 21:08:43
>>547

「そう………………かな………………?」

自分では分からない。
自分がそんな人間だと、自信を持って言える気がしない。
今だって、自分を慕ってくれる咲良を騙している。
いっそ全部打ち明けてしまえば。
そうすれば、少しは気持ちが楽になるのかもしれない。

(『情』に流されちゃいけない………………)

感情は歯車に詰まった小石だ。
思考を鈍らせ、判断を狂わせる。
だから、『使命』に不要な感情は捨てなければいけない。
こんな事を思うのは、それが徹底出来ていないからだ。
『昨夜のスタンド使い』を『真っ直ぐすぎる』と称した自分も、
結局の所まだまだ甘い。

「これから………………『買い物』行くけど………………」

          スッ

「………………来る?」

ちょうど食器類の片付けも終わった。
スマホと財布やエコバッグの入った鞄を持って立ち上がる。
残りの整理は帰ってきてからでもいい。

        ザッ

先に立って部屋を出る。
表には、『御影』の表札が出ている。
それを見返してから、正面に向き直った。

「『豆腐』と………………
 『ひき肉』と………………
 『長ネギ』と………………」

その日の夕食は――――『麻婆豆腐』だった。
咲良に配慮して、辛さは『程々』だった。
ただし、自分の皿には『唐辛子』を大量に追加して、
『真っ赤』になっていたが――――。

549飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/06/15(火) 21:38:20
>>548

「そうです!
 私にとって憂さんは『従兄』さんみたいに素敵な人です」

『ジャパニーズホラー』な外見は今でもちょっと怖いけど。それでもいい人だと思う。
少なくとも、私にとっては優しくて素敵な人だ。

「あ、はい!
 買い物行きます!」



その後は二人で買い物をして、一緒に『麻婆豆腐』を食べた。
辛かったけど、お母さんのご飯より美味しくて大人のお姉さんなんだって改めて憂さんを尊敬しちゃった。

……テレビとかで見そうなくらい、『真っ赤』な『麻婆豆腐』を食べてる姿はちょっとびっくりしちゃったけど。

今日もそんな、素敵な一日だった。

550御影憂『ナハトワハト』:2021/06/18(金) 18:54:22

    ガチャ…………

夜明け近く、『狩り』を終えて自室に戻ってきた。
その姿を誰かが見ていたかもしれない。
あるいは見なかったかもしれない。

       グラッ
           ――――ドサァッ

いずれにせよ、御影は糸が切れたようにベッドに倒れ込み、
そのまま昼頃まで眠り続けていたという。

551御影憂『ナハトワハト』:2021/06/22(火) 23:56:43

  ガチャ…………

『深夜0時』を回った頃、自室の扉を開けて廊下に出る。
第一は『夜の狩り』を行うためだ。
そして、今日は『別の仕事』もある。

     スタ スタ スタ…………

             行き先は――――『歓楽街』方面。

552赤月『サクソン』:2021/06/24(木) 23:45:06
先日から立て続けにあった『襲撃者』への対応で疲れが溜まっていたせいか
それとも、日毎に蒸し暑くなっていく日本の気候にまだ慣れていないせいか
その日の赤月はいつも以上に寝苦しい夜を過ごしていた・・・・
学生寮の自室のベッドの上で呻き声を上げながら、彼女は一つの夢を見た


夢の中で赤月が目を開くと、そこはかつて過ごしていた『家』の中であった
ふと立ち上がってみると、視線が随分と低く、昔の情景を夢で見ているのだと気づいた
鉄格子が嵌められた窓からは太陽の光が降り注ぎ、今が昼間だと知らせてくれる

ぐぅ、と唐突にお腹が鳴った
夢の中だというのにお腹が空くのか、とそのおかしさに笑いながら、
赤月は今よりもずっと小さな手を伸ばして戸棚を開けた
中には乾いて硬くなったパンがあったので、少しずつ噛んでお腹を誤魔化す事とした

兄が『仕事』に出かけてからもう2週間になる
今までも、『仕事』で長期間家に帰らない事はままある事ではあったが、
ここまで長く帰らないと流石に心配になってくる・・・・

とはいえ、『家』の扉には鍵がかかっているから勝手に出ていく事は出来ない
赤月は『本の部屋』に向かい、暇を潰す事にした

『本の部屋』には兄が仕事に使っているのであろうか、『戦闘』や『兵法』の本がたくさん置かれている
正直、あまり興味が湧く内容ではなかったが、娯楽の乏しいこの『家』で他にやる事もないため、
暇な時はずっとそれらの本を読んでいた

夕方になり、ガチャガチャと扉を開ける音が鳴り始めた
兄が帰ってきた合図だ! 一つ二つと外の鍵が解かれる音が続いたため、嬉しくなって玄関へ駆け出した
やがて、十の鍵全てが解かれ、蝶番を軋ませながら扉がゆっくりと開かれる―――
赤月はその様子を喜びに満ちた顔で見つめ・・・・・そして


兄の存在は『赤月の世界』の『全て』であった
がらんどうの部屋の中に、兄がいる時だけは生きる実感を感じさせられた
だからこそ・・・・『世界』を奪った人間は決して許さない


浅い眠りから目覚めると時刻は午前5時半であった
学校へ向かうには随分と早い時間であったが、寝直す気分でもなかったため起き上がって支度を整える
『アリーナ』の刺客が自分を狙っているという事実は、赤月の精神を確かに疲弊させていた
目の下に隈を作りながら、今日もまた学校へと向かう

553御影憂『ナハトワハト』:2021/06/27(日) 07:57:27

     スゥー………………

談話室のソファーに横になっている。
昨日は『心理学』の講義に出て、
『ホラーモチーフの飲み屋』でバイトして、『ビラ配り』をした。
それが終われば、あとは自由時間。
『ナハトワハト』で不良やチンピラを数人ビビらせて、
寮に帰ってきた。
疲れてソファーに座り込み、そのまま寝入ってしまったのだ。

    「アレ乗りたい…………」

         ボソッ

    「………………来て」

      クルンッ

『寝言』を口走りながら、寝返りを打つ。
一見ソファーから落ちそうに見えるが、
器用にバランスを取っている。
『夢』を見ていた。
楽しかった思い出。
まだ『恐怖』を知らなかった頃の記憶だ。

554赤月『サクソン』:2021/06/27(日) 16:13:20
>>553

「・・・・・・・・。」

学校から帰ってくると談話室で眠り込む女性の姿を認めた
いつもなら、このまま真っ直ぐに自室に帰る所であったが、
連日、気を張り詰めていた事による疲れのせいか、御影の横の椅子に座ると
そのまますぐに意識を手放してうとうととした眠りに落ちてしまう


   「ZZZ・・・・」
            ガタッ

      「ZZZ・・・・」
               ガタッ!!

器用にバランスを取る御影と違い、こちらは大分危ない姿勢だ
首が船を漕ぐ度に座っていた椅子が大きく動き、足元で大きな音が鳴る

   やがて・・・・・

 「ZZZ・・・・」
      グォ・・・
             ガッシャァァンッ!!

バランスが本格的に崩壊し、
遂には背中から崩れる様に大きく倒れ込んでしまった!

555御影憂『ナハトワハト』:2021/06/27(日) 18:02:52
>>554

眠っていても、大きな物音は耳を通して頭に響く。
近くで寝ている人間を叩き起こすには十分な音量だった。
結果、御影の意識は、
夢の世界から現実世界に引っ張り出される。

    パチ…………

            ノソッ…………

ゆっくりと目を開け、まずは体を起こした。

            ササッ

       ササッ

変な場所で寝ていたせいで髪が乱れている。
両手で前髪を直し、髪の隙間から倒れている相手を見た。
『見た顔』だ。

「………………何してるの?」

        ボソッ

内心の考えを表には出さず、その少女に声を掛けた。

556赤月『サクソン』:2021/06/27(日) 18:20:58
>>555

御影が髪の隙間から覗き込むように倒れた少女を見つめると、
先日の歓楽街で『見た顔』である事がわかる

「いたたたた・・・・・
 すまない・・・・起こすつもりはなかったんだ」

床にぶつけた背中に手を当てながら、倒れた椅子を支えにして起き上がる
中学生にしては身長が高いが、全体的に疲れたような表情を浮かべており、
目の下には隈が出来ていた

「少し、休むだけのつもりが寝入ってしまった・・・・」

そう呟くと同時に、忙しなく周囲に視線を向ける
まるで、何かを警戒しているようにも見える・・・・

557御影憂『ナハトワハト』:2021/06/27(日) 18:40:23
>>556

何かを警戒している雰囲気。
理由は何となく分かる――というより、自分が理由だろう。
『尾行』は途中で中断したが、
追われる側からしたら精神を削られる事は間違いない。
それも『ナハトワハト』の強さだ。
どんな人間でも、張り詰めた状態が続けば隙が出来る。

「いいよ………………別に………………」

そして、隙を狙えば力で上回る相手も倒せる。
『ビラ』を撒いたのも同じ理由だ。
直接対峙すれば、『一般人』は『スタンド使い』に適わない。
しかし、『間接的な手段』なら、戦う方法は幾らでもある。
そのために『情報』を利用するというのが『一生』の考えだった。

「良かったら………………『うち』来ない………………?」

         スッ

「『お茶』………………淹れるから………………」

ソファーから立ち上がり、片手を上げて自室の方向を指差す。

558赤月『サクソン』:2021/06/27(日) 19:01:39
>>557

「いいのか・・・・?」

普段であれば、こんな怪しい誘いに乗る事はありえない
普通の家の子でも、まともな危機管理能力があれば
知らない大人について行くなんて事はないだろう・・・・しかし

「では、お言葉に甘えよう」

連日の緊張のせいで危機管理能力がバグったせいか
はたまた、寝起きのせいで状況判断能力が欠けているせいだろうか
御影の誘いに簡単に乗ってしまう

夢遊病の様なふらついた足取りで、赤月は御影の部屋へと向かう

途轍もなく大きな『隙』だ・・・・
恐らく、一般人でも簡単に勝ててしまえるような・・・・

559御影憂『ナハトワハト』:2021/06/27(日) 22:58:15
>>558

「同じ『寮生』だし………………」

(相当参ってるっぽい………………)

「………………『いいかな』って」

相手の反応から、
かなりコンディションは良くない事を理解した。
ともあれ、頷きを返して部屋に向かう。
表の表札から『御影』という名前が分かるだろう。

     ガチャ…………

「………………ここ」

基本的な間取りは赤月の部屋と同じだ。
そこそこ物はあるが、散らかってはいない。
中央に小テーブルが置いてある。

「適当に座ってて………………」

        スッ

「………………『お茶』淹れるね」

そう言って奥に引っ込む。
部屋の隅にはケージが置いてある。
白い布が被せてあった。

560赤月『サクソン』:2021/06/27(日) 23:27:46
>>559

「ああ・・・・・」

どことなく精彩に欠ける返事をして勧められた通りに適当な床に座った
今一つ焦点の合わない目で部屋の中を見回す
ほとんど物が置かれていない自室と比べると生活感のある部屋だ

「・・・・・いけない
 少し、他人と関わり過ぎている・・・今も『奴ら』に狙われているかもしれないのに」

少しずつ、意識がはっきりとしてきた
先日の『高見盛』とのやり取りで今すぐに『攻撃』を仕掛けられる事はないと判断したが、
『歓楽街の監視者』が今も自分を見ている可能性は捨てきれない
他人を巻き込まないように、人との関わりは避けていたのだが・・・・

「私の詰めの甘さのせいだ
 御影、と言ったかな? あの人に累が及ぶ前に早くこの場を離れないと」

そう言いながら、立ち上がろうとしたところで・・・

    ふらっ・・・

「あっ」

      ガシャッ!

体調が悪い時に急に立ち上がろうとしたせいか立ち眩みを起してしまう
ふらついた足が布が被さるケージに躓く

561御影憂『ナハトワハト』:2021/06/28(月) 00:33:16
>>560

『御影』――それが『監視者』の名前である事を、
赤月は知らない。

      ハラリ…………

躓いた衝撃でケージを覆っていた布が落ちる。
そこから出てきたのは『白い蛇』だった。
『サウザンパインスネーク』と呼ばれる種類だ。
急に大きな音を出されて驚いたらしく、
頭を上げて赤月を見つめている。
そうこうしていると、『飼い主』が帰ってきた。

「あ………………」

     コトッ

カップをテーブルに起き、ケージに歩み寄る。

「いい子いい子………………」

ケージに顔を寄せ、蛇を落ち着かせる。
そうしてから、赤月に手を差し伸べた。
拒否されなければ、ベッドに座らせよう。

「………………無理してない?」

「『頑張りすぎ』………………良くない………………」

具合が悪いのは誰が見ても分かる。
こんな状態では、この間のように襲われた時、
とても対処は出来ないだろう。
だから連れてきた。
御影が属する『一派』としては、利用価値がある人間だ。
簡単に倒れては困る。

「何があったか知らないけど………………」

そして、御影個人としても、何となく放っておけなかった。
危なっかしいし、
どことなく自分と似た部分もあるように感じたからだ。
『追い詰めた責任』も――ないではない。

562赤月『サクソン』:2021/06/28(月) 00:57:48
>>561

部屋に上げ、休息を提供しているこの部屋の主人こそ
自身をここまで追い詰めている『監視者』本人である事を赤月はまだ知らない

「す、すまない・・・・あっ」

視線を下げる赤月に顔を合わせる様に『白蛇』が頭を上げた
爬虫類に対して苦手意識を持つ者は多い
しかし、赤月にとっては全てのものが目新しく・・・・

「綺麗だ・・・・」

「・・・・・はっ、申し訳ない、私の不注意で布を開けてしまった」

思ったまま、率直に感想を述べた
驚いた『白蛇』に何かをしてやろうかとも考えたが、宥め方がわからず
御影が差しだした手に従ってベッドの上に座った

「ありがとう・・・・ でも、このままじゃあ駄目なんだ」

御影の言葉を聞き、数秒ほどの間をあけてぽつりと呟く
視線はなんとなく『白蛇』の方をふらふらとさせていた

「すまない・・・ 何を言っているのかわからないと思うけど
 私は・・・・ 私は何者かに『監視』・・・『観察』されている」

被害妄想ともストーカー被害とも言えるような言葉ではあるが
御影にはわかるだろう・・・・目の前の少女が何に恐怖しているのかを

563御影憂『ナハトワハト』:2021/06/28(月) 09:34:45
>>562

「私は………………『御影憂』………………」

御影憂は『恐怖』を与える事を望み、
獲物を求めて夜の街を徘徊している。
それは自分にとって『食事』と同等の行為であり、
ゆえに止める事が出来ない。
しかし、決して無差別ではなく、
自らに定めた『ルール』が存在する。

「………………『大学部二年生』」

決して危害は加えない事。
人に迷惑を掛けずに生きている者は狙わない事。
その二つの『原則』を以って、
自身が憎む『邪悪なスタンド使い』になる事を、
ギリギリの所で踏み止まっている。

(ダメだ………………)

この少女は『獲物』になるべき人間ではない。
『ルール違反』だ。
このままでは、自分が憎む者達と同じになってしまう。

「これ………………」

       ソッ

持ってきたカップを差し出す。
中身は砂糖とハチミツ入りのホットミルクティーだ。
暑い時期なので、温度はぬるめにしてある。
こういう時は、
いきなり言葉で説得しようとしても上手くいかない。
まずは『感覚』に訴える事だ。

       ガシャッ

ケージを開けて、白蛇を外に出す。
蛇というと危険なイメージが付き纏うが、
それはあくまでも一握り。
全てが有毒であったり攻撃的である訳ではない。

        シュルルルル…………

白蛇は、飼い主の腕の中で緩やかに蠢いている。

564赤月『サクソン』:2021/06/28(月) 20:13:01
>>563

「あ、ああ・・・・『赤月ナカレ』だ・・・
 中等部の・・・2年生という事になるか」

赤月がここまで追い詰められてしまっている事は御影にとっては予想外だったかもしれない
心の中にやましい気持ちがあるからこそ、まったく無関係の出来事を繋げて考えてしまっている・・・
それが赤月の心の中に、存在しない『敵』を作り出してしまっているのだ

だが、双方ともにそんな不運な偶然が重なっているとは思いもしないだろう

「だから、すぐにでもこの部屋を離れ・・・・」

>「これ………………」

>       ソッ

「うっ ありがとう・・・・」

ベッドを離れ、すぐに自室に戻ろうとしたところで、カップが差し出される
お茶を用意してもらったのに、飲みもしないのは礼儀に反すると思ったのだろうか
腰が浮いたところで、また腰を落とし、カップの中の液体に口をつける

心地いい温度の甘ぁいお茶だ
ピリピリとした心が休まり、穏やかな気分にさせられる
そのせいか、すぐに部屋を離れる気分が失せていく

「・・・・随分と人に馴れた蛇なんだな
 何か、特別な訓練でもしているのか?」


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