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【場】『汎用場所スレッド ―ゴールド―』

1オレはいったい誰なんだッ!?:2016/01/22(金) 22:09:37

ショバ代ならすでに払いました カネはないです

2オレはいったい誰なんだッ!?:2016/01/22(金) 22:10:41
・曖昧な町の曖昧な『場所スレ』。
 ここでは最初に動いた方が、町にありそうな好きな場所を明示する事が出来ます。
・場所スレですが『野バトル』や『野イベント』も継続してここでやって頂いて構いません。
・専用場所スレが立った場所に関してはその専用場所スレで動くようお願いします。
・スレッド名後部の『―ゴールド―』は他の汎用場所スレと
  区別をつける為の『識別名』であり、内容には一切関係ありません。
・このスレッドは、次スレ以降、【場】『汎用場所スレッド ―ゴールド― その○』
  のような形で続いていく予定です。

3星道有香『ペット・ネームズ』:2016/01/23(土) 23:45:17


 『ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ』

・リンゴの果樹園。
 場所は郊外のどこか。平野を塗り替えるように突然出現する。
 林を散策していると、いつの間にか迷い込んでいることも。
 とても広い。同じような景色がどこまでも続くように見える。
 迷子になる人が後を絶えない。
 遭難者曰く、「同じ道をぐるぐると回っているようだった」とか。
 リンゴの木はどれも手入れが行き届いている。
 果樹園の経営者は『曖昧』。

・小屋
 リンゴの果樹園に点在する木造一軒家。
 数は不明。ほとんどが無人のまま放置されている。
 人が住んでいる家もある。
 住民たちに『果樹園』『小屋』の事を訪ねても、
 「いつから住んでいたのか覚えていない」
 「果樹園におかしなところなどない」
 「果樹園のオーナーは当然知っているが、今は思い出せない」
 などなど曖昧な答えが返ってくる。

・隠れ家カフェ「3匹の子ぶた」
 リンゴの果樹園にある小屋のうちの一つ。
 オープンカフェやってる。
 詳細は『曖昧』。

4道星有香『ペット・ネームズ』:2016/01/23(土) 23:48:37
時刻は午後。学校は終わっている。
隠れ家カフェ「3匹の子ぶた」。
オープンカフェのテラスのイスに座っている若い女。
メイドさんのようにカワイイなウェイトレス服を着ている。

「今日はまだ誰も来ませんね」

テーブルに頬杖をついて呟いた。『果樹園』のほうを見る。

5道星有香『ペット・ネームズ』:2016/01/24(日) 01:19:11
くるりと店内を振り返り、カウンターにいる店長に声をかける。

「…さん。少し外の様子を見て来ます」

席を立ち、ウェイトレス服のまま『果樹園』の中に入っていった。

6朝海白帆『ヴァイキング・マサークル』:2016/01/25(月) 21:26:49
「よく考えなくても『貰いすぎた』わ、こりゃあ」
 
「リサイクルショップがどこにあるかも『よくわからねー』し、
 どこで手に入れたのかとか根掘り葉掘り聞かれるとメンドーだしな」

赤いバンダナを頭に巻き、ヴィンテージ物のオーバーオールとカーキ色の小奇麗なシャツを着た………少年?少女?
胸とか尻の体つきではイマイチわからない年頃の子供が、『駅前広場』で勝手に『露店』を開いている。
並んでいるのは、『財布』、『革ジャン』、『スニーカー』、そして『トランクス』………などの衣服だ。

7朝海白帆『ヴァイキング・マサークル』:2016/01/25(月) 22:55:33
「ポンと買える値段なのに誰も寄ってこねーぞ!」

一人で文句を言いながら荷物を纏めてホテルに戻った。

8『悪い思想を持つ男』:2016/01/26(火) 23:22:46
鼠色のコートを着た怪しい中年が徘徊している。
場所は公園だろうか?

「ぜぇぜぇ、ハァハァ‥‥‥」
「ようやく『この街』に辿り着いたが‥‥‥」
「ここは『公園』か?芝生があるが」

誰も居ないが、ここは公園でしょうか?第三者の意見が求められる。
(なお、メール欄を読めば危険はないとわかるはずだ)

9ココはいったい何処なんだッ!?:2016/01/26(火) 23:59:25
>>8
公園だろうか?
その答えは、すぐに出た。
少し歩くと、あなたの視界に大きな岩のオブジェが飛び込む。
一部をツルツルに削られた岩には、そこに文字が彫り込まれていた。

『岩子蔵郷土博物館』

岩のある先を見ると、林があり・・・・・・その奥に人工物の影が見えた。

10『悪い思想を持つ男』:2016/01/27(水) 00:17:19
>>9
「博物館‥‥‥」
「博物館は『違う』な・・・・私の求める場所じゃない」

郷土料理と言えば最近G県のものを食したが、
もちろん今はまるで関係がない。ローマ字頭にすると嫌な響きの県名だ。

怪しい中年はUターンして別の場所に向かう。
だが運動能力はないので(24時間)ある程度は付近を迂路つくだろう。

11壬生『オール・オブ・ミー』:2016/01/27(水) 20:39:31
>>10
「何言ってるんだ、お前」

『公園』で一休みしようと思ったが、ぶつぶつ呟いている妙な輩がいるようだ。
地域の防犯対策には声をかけるのが有効らしい。

12『悪い思想を持つ男』:2016/01/27(水) 21:02:44
>>11
やはりここは公園だったらしい。
そのとき無職そうな怪しい人物に突然声をかけられる。

『ビクゥ』
「な、なんだね?君は?」
「私は何の変哲もない一般的なただの地形調査員だ」
「なにも問題は起こしてない」 (今は)

13壬生『オール・オブ・ミー』:2016/01/27(水) 21:11:33
>>12
「誰も問題起こしそうだとは言ってないんだがな。
 俺?
 俺は一般的なただの通りすがりだ」

ジトッとした目で中年を睨めつける。
露骨に怪しんでいるようだ。

「で……地形調査員がこんなところで何を?」

14『悪い思想を持つ男』:2016/01/27(水) 21:32:20
>>13
「うっ」

中年男性の脳内に選択肢が出現する
 1.正直に答える
 2.公園にある重要文化財のノーマル水道管について探求欲がムンムン沸いたと回答する
 3.小銭を落としまして・・・・・

「・・・・・・・・」
「小銭を落としまして・・・・・・・ね、地形的に。」
「・・・・・・・・・・・・・」
「なにも問題は起こしてないぞ?」

15壬生『オール・オブ・ミー』:2016/01/27(水) 21:40:13
>>14
「ほう、小銭を。
 大変だな……『この公園に自販機は無い』が、小銭を取り出して落としてしまったのか」

じろり。
じーっ。

「交番で落とし物として届け出たらどうだ?
 なんなら案内してやろうか?」

16『悪い思想を持つ男』:2016/01/27(水) 21:49:48
>>15
「うっ」

自動販売機がないだと・・・・?(A田県か?)
目の前の男は案外頭が回るようだった。

「いや、大丈夫だ。」
「小銭は投げて大地に返したんだった。落としたわけじゃあない。」
「交番は遠慮する。」

中年男は遠くの空を眺めながら答えた。

「ところで君はなんだね?こんな時間に公園とは・・・・」
「ひょっとして『無職』かね?」

17壬生『オール・オブ・ミー』:2016/01/27(水) 21:57:01
>>16
「ああ」

迷うこと無く即答する。

「この身体(隻腕)ではなかなか職が見つからなくてな……。
 地形調査員、とやらは片手でもできる仕事かな?」

18『悪い思想を持つ男』:2016/01/27(水) 22:09:00
>>17
「ほほぉ・・・君のような頭の回る人材がね。」
「社会が悪いと言える。」

中年男性はくるりと君に向きなおった。

「うーむ、君は持っている・・・・・・偶然にも隻腕でも出来る仕事ならある。」
「誰でも出来る簡単な仕事だ。」
「偶然にも近々『人員募集計画』も考えていてね。」
「とある簡単な『とある地形のとある調査』なんだが。」

「もしかして『興味ある』かな?」

 ※これは『面接』や『採用』ではありません。(優遇されやすくはなる)

19壬生『オール・オブ・ミー』:2016/01/27(水) 22:15:23
>>18
「人員募集ね……あんたみたいなのが、他にもいるわけか?
 そしてみんなで小銭を大地に還元を?」

胡散臭そーにしている(さっきからそうだが、より一層)。

「だが……まあ、そうだな。
 『興味がある』……と言っておこうか」

20『悪い思想を持つ男』:2016/01/27(水) 22:33:18
>>19
「・・・・・・小銭はともかくとしよう。」 (もう小銭はいいじゃないか)
「『大銭』なら稼げる。」
「ここの通貨だと・・・・・・・・・『x,xxx,xxx』程度の給与だ。」

 (※)現在板内のミッション報酬基準が完成しきっていないため宇宙で観測し辛い。
   現状の君からすれば『大金』、ミッション報酬としても割と高いと認識しよう。


「『歩合制に近い』が・・・・・・『福利厚生などのサポート』も付く。」
「ところで君は・・・・・・何か『資格』などは持ってるかね?」
「あやとりでギャラクシィが編めるなどの『特技』でもいいが。」

21壬生『オール・オブ・ミー』:2016/01/27(水) 22:43:28
>>20
「ずいぶんと太っ腹だな。
 特技……特技ね。
 片腕ではあるが、そこそこ『喧嘩』は強いつもりだが」

なるほど、『シュレディンガーの報酬』というわけか。

22『悪い思想を持つ男』:2016/01/27(水) 22:56:38
>>21
「『喧嘩』が強い!(それは素晴らしい!)」
「ごほん」
「・・・・・・自分に『自信』があるのは良いことだ」
「ここは紛争地帯ではないので、もちろん暴力は法律がある限りNGだ」
「しかし『喧嘩』が強いのは良いことだ。」

察するかどうかは君の自由だが、
『喧嘩が強い』とこの中年に都合がイイが『紛争地帯でない場所での暴力』は男の中ではNGらしい。

「『採用予定数』は『3人』だが、
 君のような自信家以外に『一般的平均的な人物』も採ろうと考えている。」
「ただ私も準備中でね・・・・・・『すぐに』ではない。」
「近々・・・・来月以降になるが、タウンページ的などこかで採用を謀ろうと考えている。」

「何か質問はあるかね?」

23壬生『オール・オブ・ミー』:2016/01/27(水) 23:11:01
>>22
「公園でブツブツ呟いているやつを『アブナイやつか?』と疑う程度には、平和を愛してるつもりだ。
 質問は……特に無い、な。
 何をする気か知らんが、それなりに楽しみにさせてもらおう」

24『悪い思想を持つ男』:2016/01/27(水) 23:26:28
>>23
「私も平和主義者だ、気が合うじゃないか。」
「話が長くなったが・・・・・・一応『社名』は伝えておこう。」

中年は懐から名刺を取り出した。色は黒い。
名刺には『黄笠デジタルフレームワーク』という知識にない社名がある。
男の名前も書いてあるが黒くて読めない。携帯でない番号の記載は読める。

「当然だが、社名も報酬も嘘偽りはない。」
「君はBBSを嗜むかね?そこに今日の話を書いても構わない」
「事前に話が広がるのは非常にありがたい話だ。」

中年男性から名刺を受け取ってもいいし、イタズラ電話に使うのもいいだろう。
男の話はとりあえず以上のようだ。

25壬生『オール・オブ・ミー』:2016/01/27(水) 23:43:57
>>24
「『黄笠デジタルフレームワーク』……地形調査とは縁のなさそうな社名だな。
 BBS?
 ああ……そうだな、考えておこう」

名刺を受け取る。

「……一つ、アドバイスしておくぞ。
 お前は『不審者』にしか見えん。
 何を企んでいるのか知らんがな……」

それだけ言い残し、公園を去る。

26『悪い思想を持つ男』:2016/01/27(水) 23:55:34
>>25
「そう見えるのか?」
「この恰好は割と気にいっているのだが・・・・・・」

服装のせいと考える自由が彼にはある。
そして中年は再び一人になった。


「やはりこの『場所』では自由が効かない。」
「私に『ふさわしい場所』では、服装もそれ専用のものにするべきだな。」
「・・・・・・・・・参加者の服装も選ぶべあげるべきか・・・・・質疑事項・・・・いや・・・・」

中年は独り言を重ねながら別のどこかへ向かった。
次にここに訪れた者はまず孤独なのでそれを屈強な精神で受け止めて欲しい。

27亘理 美津也『ラブフール』:2016/02/01(月) 23:47:47
『図書館』。
未明町のそれは、とりたてて大規模、というわけでもない、
普通の『図書館』だ。
少し『変わった』ところがあるとすれば、何度数えても、
『書架』が、『登記上』の数に比べて『一つ』足りないことくらいだろう。

ともあれ、休日の『亘理』はここで本を読む。
『学習用』のデスクを一つ占拠し、うず高く積まれた本を読みふける。

『美津也サマ……崩レタラ危ナイデスヨ、美津也サマッタラ』

『メイド服』を着たスタンド、『ラブフール』は、
その本のタワーをせっせと綺麗に積み直している。

28西上しづみ『シーサイド・ラヴァーズ』:2016/02/02(火) 00:17:58
「――あぁっと?」
「『無い』ぞ。ごっそり持っていかれてる」

ゴスパンク風な服装の(やや図書館という場所には馴染まない雰囲気の)少女が、書架の空欄を指でなぞる。

「ここ全部、人気書籍ってわけじゃないだろ」

図書館の、本の貸し出し数には制限がある。
シリーズ、関連書籍、纏めて持っていっているヤツがいるなら……いた、学習コーナーだ。

「マナーの悪いヤツがいやがる、な」

本タワーの陰、ちょうど『ラブフール』の死角になる方向から、大股でズンズン歩み寄り、
ズンズン近づいてゆくと、タワーの中ほどから目当ての書籍を引っこ抜く!

「……フンッ」   シュッ

器用にダルマ落としするつもりは無い。
本タワーはバランスを崩して美津也に傾くだろう。

29亘理 美津也『ラブフール』:2016/02/02(火) 00:36:30
>>28
『ジェンガ』でやったら絶対一発で負けそーな抜き方で、
本を引っ張り出す『西上』。

グラァ〜z_ッ

案の定、崩れ始める『タワー』。
『亘理』めがけて倒れ行く、その矛先が――

「おいおい……駄目じゃあないか。『ラブフール』。
本は綺麗に積まなきゃあな」
『イ、イエ、私デハ……トニカクスミマセンッ』

はしっ、と、『ラブフール』に受け止められる。
もっとも、『亘理』に当たりそうなものだけを止めるだけで、
残りは無残にも崩れ去ってしまっているのだが、
とりあえず『主』の安全が最優先なのであろう。

「しかし、いきなり崩れるものだな……ん?」

本のタワーが崩れたなら、その向こうにいた『西上』も
視界に入るだろう。そちらに目をやる。

「……その本は、済まないが……そこに置いてあったものじゃあないか?
いや、違うんなら良いんだがな」

30西上しづみ『シーサイド・ラヴァーズ』:2016/02/02(火) 00:55:01
>>29
「……『違うなら良い』? なんで疑問系だよ。
 オマエがそこに積んでた本だよッ。オマエが!」

「わからないで取ってるのか? 取ったかも、覚えていない?
そんなどうでもいい記憶に残ってない、こんな山盛り占有してんじゃねェッ」

絡んできた少女には眉が無かった。
どうみても文学少女って風には見えない。

「マナー悪いぞッ、テメーッ!あと後ろのお前なんか透けてんなッ」

本を受け止めてる『ラブフール』も視界端にしか入ってないのか、
視線はまっすぐは美津也に向いている。
やや過剰な怒り方だ。鼻息が荒い。

31亘理 美津也『ラブフール』:2016/02/02(火) 01:10:59
>>30
「……一応、『穏当』に場を収める道を提示してみたんだがな」

ガタッ

席を蹴って、立ち上がる。
そこそこ長身だが、細身の青年だ。別段、威圧感はない。

「もちろん、覚えているに決まっているだろう。
それに、確かに僕は少々多めに本を持ってきたかもしれないが、
そいつは『マナー』であって『ルール』じゃあない」
「勿論『守って欲しいこと』ではあるだろうが、『絶対』じゃあない。
『司書』や『職員』でもない君に、とやかく言われるいわれはないね」

そう言いながら、散らばった本を拾い始める。

『ア、アノ、透ケテテスミマセン』

『ラブフール』は『西上』にそう言うと、頭を下げた。
そのまま、『亘理』に倣って本を拾い始める。

「……ともあれ、君がそいつを探していたのなら、そいつは悪かった。謝るよ。
ここで『騒ぎ』を起こすつもりはない……君の『大声』も、『マナー』的には
褒められたものじゃあないしな……『穏当』に行こう」
「ここは『矛』を収めてくれないか?」

低姿勢で出る『亘理』。
空いた手で、髪をやたらと弄り回している。

32西上しづみ『シーサイド・ラヴァーズ』:2016/02/02(火) 01:29:30
>>31
「なにぃ……」 プルプル

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
―――西上しづみは高校2年生だ。
いつも絡んでる学校のゴス不良グループ6人(しづみも入れて7人)のリーダーに恋している。

リーダーは同じ学校の3年生で、
身長180cmと薄らでかくてギターが弾けて……あと服が黒い。ヤバイ。
あと、海外作家のホラー小説とか読むらしい。

学校が終わったらグループ7人の中で誰よりも早く、たまり場の『廃ボーリング場』に駆けつけ、
集会時間の4時間前から一人待機し、大好きなグループリーダーを待つ。
リーダーが一番に『廃ボーリング場』にやってきて2人きりになるタイミングを窺っているのだ。
(そんな機会は20回に1回もやってこないのだが)

待ち時間を潰すなら『本』だ。
だが学生の身分、毎回時間潰し用の本を買ってはいられない。
SNSやサイトを覗いて時間を潰そうにもしづみの携帯はバッテリーが古く、
放課後までバッテリーがもたない。故に図書館の本なのだ。

しづみには楽器が弾けぬ。ギター弾きのリーダーとは接点は極めて少ない。
以前、本を読んでたら「ナニ読んでんの……?」と、リーダーが話しかけてくるキッカケにもなった。

……この本は、蜘蛛の糸の如くか細い接点だ。
それを断ち切らんとする無法者、どうして許せよう。

━━━━━━━━━━━━━━━━(思考時間・現実世界で1秒)━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

「ブツブツブツブツ……チッ(騒いで来にくくなっても困るか)」
「謝るっていうならしかたねぇ。ここは大人しく―――」    フー


大きく息を吐き、今の出周りの注目を集めていないか見回し、

「……」

そして、散らばった本を拾う『ラブ・フール』の姿をしっかりと視界に捉えた。

「………」 スッ

床に落ちた本を一冊広い、『ラブ・フール』へと差し出す。

33亘理 美津也『ラブフール』:2016/02/02(火) 18:28:29
>>32
電気信号が『西上』のニューロネットワークを駆け巡っていたがそれはともかく、
拾った本を『ラブフール』に差し出す。

『アッ、ワザワザアリガトウゴザイマス』

ペコォ〜

頭を下げる『ラブフール』。

「…………本当に『大人しく』しててくれよ。
僕だって、こんなところで目立ちたくはない――」

溜め息混じりにそう言いながら、『亘理 』は
『ラブフール』と『西上』のコンタクトを目撃した。

「…………」

一拍置いて、

「おい、『そいつ』が見えてるのか……!?」

明らかに『動揺』しつつ、問いかける。

34西上しづみ『シーサイド・ラヴァーズ』:2016/02/02(火) 20:57:03

「………」
「やっぱり、『透けてる』なぁー……」  ヒュッ  サッ

『ラブフール』が本を受け取ろうと手を伸ばしてきたところを、
素早く引っ込めたり、手の届かない高さに持ち上げたり。
これは明らかに、彼女(『ラブフール』)の姿が見えての行動だ。

「『大人しく』ってのは、ナシ」

本を本タワーに戻す。

「アンタの? アンタも『見えてるヤツ』?」
「……それじゃあ、事情は変わった」

西上しづみの顔から、表情が引いてゆく。
まるで津波が来る前の海のように。

「ちょっと裏までツラ貸しなよ。『穏便に』行きたけりゃさ……」

図書館裏の駐輪場に誘う。
来ないなら来ないでココでおっぱじめちまうようなオーラを発している。

35亘理 美津也『ラブフール』:2016/02/02(火) 21:51:22
>>34
「……………………」

全く『穏便』に済ます気の無さそうな『西上』の様子に、
勘弁してくれ、というような顔でこめかみを押さえた。

「今の僕の心境を一言で表すなら、そうだな――
『ツイてないな』だ」

『アッ、アノッ』

わたわたする『ラブフール』をしり目に、『亘理』は喋る。

「ここはお前が『片付け』ておいてくれ」
『ハッ、ハイッ』

『ラブフール』に指示を出し、本を一冊手にして『西上』に言う。

「『ツラを貸す』のは一向に構わんが、その前にこいつを『借り』させてくれ。
図書館にいるんだ……そのくらいは構わないだろう?」

36西上しづみ『シーサイド・ラヴァーズ』:2016/02/02(火) 22:33:30
>>35
「……アタシも『借り』ていくからな。本」

美津也が逃げる様子を見せないなら、図書館裏の駐輪場へと場所を移す。
もし、逃げる様子を見せたなら、……追いかけていった上で(下記と)同じような事を質問するだろう。

***
**


                      『 ピチャン 』

図書館裏の、駐輪場。
錆びた放置自転車でびっしり埋め尽くされた、出入りする人間のいない空間だ。
建物の陰にあり、駐輪スペースのトタン屋根が日を遮る『陰の場所』。
一昨日振った雨の水溜りが、乾くことなく残っている。

「……さて、と」
                   『 ヴ ンッ 』

しづみの『シルエット』がぶれる様にして発現する『人型』
彼女のスタンド……『シーサイド・ラヴァーズ』だ。

「見えるか?見えるよね、コレ?……あぁ〜っと」

37亘理 美津也『ラブフール』:2016/02/02(火) 23:11:58
>>36
「やれやれ……絡まれたのが運のツキだな」

『駐輪場』に到着するなり、げんなりしたような表情を見せる。
付いて来た『ラブフール』は、さっきから落ち着きがない。

「『見える』さ。
…………しかし、『ケンカ』売られといて何だが、
本当にやるのかい」

一応、最後の『確認』を行う。
手元には、財布とカバン、それにさっき借りた『文庫本』だけ。

(……はっきり言って、僕も『ラブフール』も
『ケンカ』なんぞしたこともない。
……上手くやり過ごすことを考えるとするか)

38西上しづみ『シーサイド・ラヴァーズ』:2016/02/02(火) 23:32:37
>>37
「あぁ〜っと……悪く思わないで?
 この町には『ルール』ができたんだ。
 一ヶ月前か、半年前か……とにかく最近だ」


「……ねぇ、昨日も『図書館』ってここにあったっけ?」
「産業道路を挟んだ向こう側……駅の近くだったと思う……覚えてない?」


「大抵のヤツは『見えていない』し『覚えていない』
 でも、たまーに、アンタみたいな『見えてる』ヤツがいる」

                  『 チャプ… 』

                     『 ザザァー――z__ ン…… 』

『シーサイド・ラヴァーズ』が足元の水たまりに手を浸す。
あたりに潮の臭いが立ち込め始め、水たまりが波打ち際のように美津也の方へ、広がり始める。

「『見ることができるヤツが全部を決める』、これが新しい『ルール』。
 ここに『図書館』があるのは賛成だけど……ライバルは早めに潰しておかないと、ねぇ?」

39亘理 美津也『ラブフール』:2016/02/03(水) 01:28:49
>>38
「…………こいつは……この『潮の香り』は……」

足元を見、広がりゆく『水たまり』を認める。

「『海』か……?
今更ながら、『非常識』なもんだな……この『スタンド』ってのは」

『海』と化した水たまりから逃れるように移動しつつ、
『ラブフール』に指示を出す。

「おい……そこの『水たまり』、『掃除』してくれ。
『モップ』か何かで……出来るだろう?」
『エッ、ア、ハイ。カシコマリマシタ』

ウィイン....ガチャンッ

『ラブフール』の右腕が、『モップ』に変化する……

フキフキ フキフキ

そいつで『水たまり』を『拭き取ろう』とし始める。
『掃除』――『家事』については人後に落ちぬ『ラブフール』。
『超人的』な『スピード』で、水たまりを拭き取っていくはずだ。

40西上しづみ『シーサイド・ラヴァーズ』:2016/02/03(水) 21:16:30
>>39
                『 ザザァ――z___ン…  』

「相談しながら戦う……そーゆーのもいるのか?       ・ ・ ・
 アタシのは無口で、近くから離れたがらない……そーゆールール」

打ち寄せる『海水』は、美津也の足元に辿りつく前に、
端からモップに座れて掃除されてゆくだろう。

「『スタンド使い』の戦いは絡め手だ」

                        『 ジョボジョボジョボジョボ… 』

打ち寄せる水は美津也の足元に殺到したものだけじゃない。
近くの地面の金網から排水溝へ、あるいは溝へ流れ込むものもあるぞ!

「『水たまりがひと繋がり』になってる。                             ・ ・ ・
 なら、その排水口の中の水も『海』になった……『シーサイド・ラヴァーズ』のルール」

                   『 ザ ッ パーン! 』

台風ニュースの防波堤みたいに、溝や排水口の水が弾ける!
さっきとは比較にならない量の海水が、美津也の足元に流れてこようとする!

41西上しづみ『シーサイド・ラヴァーズ』:2016/02/03(水) 21:20:01
>ちょっと>>39の上のセリフ一行が切れちゃった
「……!」
「なかなか素早い動きするじゃん。『掃除が得意』が特徴……へぇ」

42亘理 美津也『ラブフール』:2016/02/03(水) 22:29:09
>>40-41
>『 ザ ッ パーン! 』

「なッ!?」

『亘理』と『ラブフール』は、離れている。
この『水しぶき』を防ぐ方法はない。
休日ゆえ、『スーツ』を着てないのは幸いだったが……

「なるほどな……『海』はどこまで行っても『海』か……
だが『排水溝』があるとはいえ、その『水たまり』……
そこまで『水量』があるわけでも無いだろう」

海になって『潮流』があるとはいえ、本来の『水量』からすれば、
こちらが対応出来ないような『勢い』にはならないのではないかと判断し、
ずぶ濡れになったまま、『ラブフール』の元へと戻る。

(『海』になった『水』は、『深さ』があるのか?
まあ……『沈みそう』になったら、引き返すが)

『美津也サマ、風邪ヲ召サレマスヨ』
「帰ったら風呂だな。だが今は……」

『ラブフール』の手の『モップ』は、十分に
『水を吸って』いるはずだ。

「『吸い上げた水』は『海』なのか? 試す必要がある。
ちょっとそれを『絞って』みろ」
『カシコマリマシタ』

ギュゥウウッ

『ラブフール』が右手の『モップ』を左手で絞る。
雑巾よろしく大量の『水』が落ちる。
もしこれが『真水』なら……『海』と『混じる』だろう。
その場合、どうなるか。まさに『ものは試し』だ。

43西上しづみ『シーサイド・ラヴァーズ』:2016/02/03(水) 22:46:31
>>42
溝の中にいくらか残ってた雨水の残りだ。
被った量は微量だろう(荷物の中の文庫本までは被害は及んでないはずだ)

              『 ギュウウウゥゥ…… ビチャビチャビチャビチャ 』

落ち葉などが混ざっているが、潮の臭いがする『海水』……僅かに温いのは南の海の水だからか?
顕微鏡で観察すれば、無数のプランクトンやバクテリア・甲殻類の幼生が蠢いているのだろう。
スタンドではない、確かに存在する『本物の海水』だ。

「おいっ。なんだ……、のんびりスタンド観察なんて気の抜けるヤツらだな」

                      スッ   ヒヤァ〜

『シーサイド・ラヴァーズ』が自ら手を離すと、潮の臭いが失せ消える。
海水は刺す様な冷たさを持った、未明町の水に戻る。

「ともかくッ、何発かカマさせてもらおうか!
 今後、『自分の好きな場所を作る』なんて、欲望を持たないようになッ!」

              バシャ バシャ バシャ バシャ!

『シーサイド・ラヴァーズ』と共に、水たまりを踏み散らし、
放置自転車の脇を抜けながら、美津也へと殴りかかりにゆく!

44亘理 美津也『ラブフール』:2016/02/03(水) 23:06:52
>>43
「…………なるほどな。『海』から切り離された水もまた……ん?」

不意に消えた『潮の香り』に首を傾げ、目線を上げる。

「こちらに来るのか……しかし、なぜ『海』が『消えた』?
『離れると』、維持できないとでも……いや」
「考えごとは後だな」

迫る『西上』を前に、『亘理』は向き直る。

「ところでだ」
『ハイ』
「ずいぶん『強く』拭き掃除をしていたようだな。
ここの地面は『砂利』も混じっているし……
乱暴にやると水滴も『飛び散る』。気をつけるんだな……」

『ラブフール』の『能力』――それは『失敗』させられること。
『駐輪場』の地面は、屋外だ。砂や小石が混じっていても
おかしくはない……そもそも、ロクに利用者もいない
寂れた『駐輪場』なら、地面がまともに『舗装』されていない可能性もある。

ビシャァアッ!

先ほどの『モップ清掃』によって掃かれた『地面』から、
『後出し』で、『水滴』と『砂や小石』を『西上』の来る方向に飛び散らせる。

「ああ――気をつけろってのは、君に言ってるんだ。
水に混じって色々飛んでくるから、『目』に入ったら危ないってね」

45西上しづみ『シーサイド・ラヴァーズ』:2016/02/03(水) 23:20:43
>>44
「ナニッ!?」
                 『――バシャァッ!』  ビシビシッ

これが邸宅を訪問したお客様への仕打ちなら、大変な失態だ!
だが、相手は理不尽な野良スタンド使い!
無法者相手へのしっぺ返し、とがめられるところあるだろうか?

「うっ…!」 グラッ

拳を叩き込まんと、間合いに近づいたところでの予想外の起動からの反撃。
『シーサイド・ラヴァーズ』が素早い手つきで小石を払うが、
目を水で打たれてひるみ、その場でたたらを踏んだ!

46亘理 美津也『ラブフール』:2016/02/03(水) 23:42:19
>>45
『アアッ! モ、申シ訳ゴザイマセン……!』
「僕は『注意』はしたからな……これは彼女の『不注意』だ。
お前が気にすることじゃあない」

『足止め』までは期待通り……だが、ここで『ラブフール』に『遠慮』でもされたら
今後の予定に支障を来たす。
『不本意』ながら、ここは『フォロー』するべきだ――そう『亘理』は考える。

「そして彼女は、露骨に『敵意』を持っているようだが……
この場合、お前はどうする?」
『エ、エエト――』
「正解は、こうだ」

クルッ

そう言って、『西上』に背を向ける。

ダッ!

そして走る。走り出す。そこら中にある『放置自転車』の隙間を縫うようにして、
『西上』から離れるように移動したい。
また、この際、ついでに『ラブフール』の両手を『タオル』にしておく。

「逃げるッ! そもそも僕はケンカなんて興味は無いからな……!」
『アッ、オ待チクダサイッ、美津也サマッ』

47西上しづみ『シーサイド・ラヴァーズ』:2016/02/03(水) 23:57:39
>>46
「………」
                 ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

『シーサイド・ラヴァーズ』の足が、水たまりに浸かっている。

                      『 ――ギャ  ンッ 』

     ┌──────────────────────────────────┐
     │ 2010年4月20日。メキシコ湾沖合80km、水深1,522mの海上で               │
     │海底油田掘削作業中だった、石油会社の掘削施設が技術的不手際から    .  .│
     │天然ガスの逆流を招き引火爆発――パイプを破損し大量の原油を、        │
     │海に流出させる事故が発生している。                               │
     │                                                  │
     │ 流出した原油は、約80万キロリットル(500万バレル以上)。             │
     │メキシコ湾周辺は史上最悪規模の汚染に晒され、現場付近の海底では、       │
     │自然分解困難なコールタールとなって海底に沈殿。                        │
     │ 長期的な影響が心配されている……                              │
     └──────────────────────────────────┘

                     『 ブクブクブクブク……ネトォー 』

再び、周囲に満ちる潮の匂い……、そして同時に『強烈な石油臭』が鼻を突く。
振り返りみれば、周囲の水たまりが『真っ黒なタール上の液体』と化しているではないか。
ガムの様な粘性の泥土、そこに浮かぶ魚の屍骸……。

>ダッ

離れるのが『一歩』遅れていれば、美津也の足はアレに絡め取られていたかもしれない。
顔をぬぐいながら、逃走する美津也を恨みがましげな目で睨んでいる西上しづみの姿。
すぐに追いかけてくる様子は……なさそうだ。

「あぁっと………。                ・ ・ ・
 残念、『射程外』だ……アタシのはそういうルール」 ゴシゴシ

「待てッ―――――いやっ。
 本が濡れるから今日の所はこの辺りにしておく……別に悔しくないし」

48亘理 美津也『ラブフール』:2016/02/04(木) 00:07:58
>>47
「ん、追ってこないな……いや、あれは――!」

遠目にも『異常』と分かる『原油まみれの海』に、目を見開く。

「驚いたぞ……どんな『海面』でも『再現』できるのか……
だとすると、僕が想像していたより、だいぶ『危険』な『能力』だ。
ああ、『ラブフール』。追ってこないようだから、『サドル』は拭かなくていい」
『アッ、ハイ』

(追ってくるつもりなら、『サドル』を『ラブフール』に拭かせておいて、
ちょっとばかり『バランス』を崩させて『将棋倒し』を起こすつもりだったが)
(ここは引き下がってくれるようだな……)

>「待てッ―――――いやっ。
> 本が濡れるから今日の所はこの辺りにしておく……別に悔しくないし」

「そうしてくれると、僕も助かる――が、一つ良いかい?
君が言っていた『町の曖昧さ』は、僕もうすうす感じていたことだが……
あー、他の『場所』を潰してまで、君が作ろうとする『場所』ってのは、
いったい何なんだ?」

ようやくいくらか『余裕』が出来たところで、質問を投げかける。
万が一『怒ったら』、すぐに『逃げよう』という、セコい考えでもあるが。

49西上しづみ『シーサイド・ラヴァーズ』:2016/02/04(木) 00:26:18
>>48
「………」
「『ディドリーム・ビリーヴァー』側じゃあなさそうか。
 それなら教えてあげる、アタシの縄張りってことを知ってもらうためにサ」


「『廃ボーリング場』……、知ってる?
 産業道路沿い、医療センターのずっと向こう方にある……。
 いや、昨日は高校の方に移っていたんだったっけか」

「潰れたのは5年前、いまでも一部電源が生きてて、
 ウチの学校のダチのたまり場に使ってる」

「駐車場が、今は貸しコンテナ置き場になってて、業者が在庫をおくのに使ってる
 ディスカウントショップとか、スポーツショップとか、電気屋とか……。
 アタシらは、コンテナの鍵のタイプは開け方知ってるから、時々中のお菓子の在庫拝借してんの」


大きな土地だ。
自由に使えるのなら『アミューズメントパーク』や『部品工場』とか、
もっと町を豊かにする施設をたくさん納めることができるだろう。

「最近、『曖昧具合』が激しい。誰しも自分に有用な『場所』にしたがってる」
「だから邪魔なスタンド使いは蹴落とす……最近は、珍しくないと思うよ?」

50亘理 美津也『ラブフール』:2016/02/04(木) 00:50:06
>>49
「『デイドリーム・ビリーヴァー』? 何だ、それは」

「『仲間』との『たまり場』か……まあ、それが君にとって
『重要』なことなら、とやかくは言わないが、
それは無きゃあ無いで、違う『たまり場』を見つけるものじゃあないのか?」
「そういうモンじゃないのかも知れないがな……僕には分からん世界だ」

『亘理』には、集団に属するという経験が薄い。
子どもの頃は『人を使う』人間の下で育ち、今は『人に使われて』いる。
個と個の結びつきの中で生きている人間には、『集まる場所』の特別性は、よく分からないようだった。

「『有用』な場所を作るために、他の『候補』を切り捨てる、か……
確かに、僕にも失われては困る場所――『会社』はあるが」

考え込みながら、歩き出す。

「まあ、何だ。新しいことを知れた、という意味じゃあ、
『図書館』に来た甲斐はあったな。一応、礼を言っておこう」
「じゃあな、『ヤンキー』」
『アッ、失礼イタシマス。
ソノ……コノ季節ハ冷エマス。風邪ヲ引カレナイヨウ、オ気ヲツケテクダサイ』

尊大に言い放つと、そのまま帰っていく。
この時期にずぶ濡れでの帰宅だ。風邪を引きそうだが、それはまた別の話だろう。

51西上しづみ『シーサイド・ラヴァーズ』:2016/02/04(木) 01:21:42
>>50
「集るキッカケってのはビミョーなモノなの」
「ダチはみんな同じクラスとか、趣味の楽器とか、集れる場所が他にある。
アタシは楽器もできないし、教室のある階も違う……これ結構大きい事だ」

「会社だって、カンタンに移れるモンじゃねーって……でしょ?」
「『アタシの場所』は他にはない」

社会に出た事のない、しづみにも美津也の考えは理解しがたいものだ。
長くてたった3年ほどの付き合い、学校というコミニティが全て。
ここを失えば、後がないと思っている。

「……」

こう、言葉を交わしている間も攻撃を仕掛けようと間合いを窺っていたが、
『ラブフール』に別れの挨拶をされて、機会を失ってしまった。

「……最後まで調子狂うなぁ」

「なぁ、たかが『図書館』で本借りるのもさぁ……。
 楽じゃあ、なかったでしょ? あぁ〜っと……」
「これからはもっとしんどくなるよ……『未明町のスタンド使い』は…」


「バイバイ、『オジサン』」

彼の背を見送ると、その場を去る。
彼女の興味は、
「たまり場のどのポジションで待機してればリーダーに声をかけてもらえるか?」の、

52西上しづみ『シーサイド・ラヴァーズ』:2016/02/04(木) 01:28:03
>>続き
彼の背を見送ると、その場を去る。
5分もすれば彼女の興味は、「明日は、たまり場のどのポジションで待機してればリーダーに声をかけてもらえるか?」、
「本の背表紙はカバーで隠しておいたほうがいいか?」という、脳内シミュレーションへと移行している事だろう。

図書館裏、駐輪場から潮の匂いは消えうせる。
スタンド使いたちの戦いの痕跡なんて残らない。
そのうち『図書館』すらも、『曖昧』の中に消えてゆくのだ。

53亘理 美津也『ラブフール』:2016/02/06(土) 23:34:33
「ゲホッ……ゴホッ、クソ……『ケンカ』なんて買うもんじゃあないな」

『病院』の待合室で咳き込んでいる。
ちょっとした『トラブル』の結果ひいた『風邪』を、
少々こじらせ気味なのだ。

『美津也サマ……』

傍らには『メイド服』の『スタンド』。
見るからに『心配そう』な雰囲気を醸し出している。

54ソバ太郎『オーメン』:2016/02/07(日) 00:17:24
>>53
「なあ、お兄さん。
 ……そうそう、そこのお兄さんだよ」

ポンポン、と馴れ馴れしく『美津也』の肩を叩く。
身体から『湿布』の匂いを漂わせた、Tシャツ姿の少年だ。

     「向こうでラーメン屋やってるんだけど、食べてかない?
      ニンニクやショウガ、ネギの薬味が効いた『家系ラーメン』、
      コイツが『風邪』に効くってのは、今や定説なんだぜェ」

待合室の向こう側に『屋台』が停車され、それをドヤ顔で指し示す。

55亘理 美津也『ラブフール』:2016/02/07(日) 00:27:44
>>54
「…………何だい?悪いが少し『具合』が悪いんだ、
『客引き』ならよそでやってくれ……」

そう、肩を叩いてきた少年に無愛想に返し――

「……い、いや、待て。ここは『病院』だよな……?
何だ、あれはッ」
『美津也サマ、アレハ『屋台』デハナイデショウカ。
『大衆料理』ヲ振ル舞ウトコロダトカ』
「そのくらいは僕でも分かる……ゴホッ、
言いたいのは、何故こんなところにあるかってことだ」

『ラブフール』に小声でそう言うと、『ソバ太郎』に向き直る。

「ああ、そうだな……君がそこんところを掻い摘まんで説明してくれるなら、
試しに食べてみるのもやぶさかじゃあないぞ」

56ソバ太郎『オーメン』:2016/02/07(日) 00:37:29
>>55
>「ああ、そうだな……君がそこんところを掻い摘まんで説明してくれるなら、
>試しに食べてみるのもやぶさかじゃあないぞ」

     「ガッテンでい!」

グッとガッツポーズを取って、やおら腕捲りをする。
ラーメン屋の屋台は『病院』の敷地の外、『薬局』の隣に立っている。
『カエル』の置物にぶつかる、ってくらいのギリギリな位置だ。

     「オイラの名前は『品野傍太郎』! 19歳!
      最強のラーメン屋を目指して、この町で修行中なんでい!

      今日はうっかり腰をやっちまって、湿布を貰いに来ただけど、
      折角だから、今日は病院の近くで出店したってわけさっ!」

ポンポン、と腰を軽く叩いては満足気な顔をして見せる。
この店が『営業許可』をもらっているかどうか、
そーいう辺りは全然『説明』をしていなかった。

57亘理 美津也『ラブフール』:2016/02/07(日) 00:51:43
>>56
「な……」
「何が『折角だから』なのかさっぱり分からんぞ」

『もしかしたらこいつは『バカ』なのか……?』
という表情で後ろ髪を弄くる。心なしか顔色が悪化した。

「よ……よし、君が『ラーメン屋』で、『修行中』なのは理解した。
そうだな、あー……」

しばし考える。
この手のタイプへの対処法は――

「あー……そうだな、僕にその『修行の成果』を見せてもらおうか。
ああ、ちょうど『ラーメン』とやらを食べたい気分になってきたよ」
『……美津也サマ……?』

さっさと『乗って』さっさと『済ます』。これに限るッ!

58ソバ太郎『オーメン』:2016/02/07(日) 00:59:57
>>57
「まーまー、堅いことは言いなさるなって、
 オイラも『お口』よりも、『こっち』で語る方が得意だからさ」

       ポンポン

グッと力を込めた乏しい『力こぶ』を見せつけ、己の自信を示す。
『修行』の成果を見せてやろうと、自信満々のようだ。

>「あー……そうだな、僕にその『修行の成果』を見せてもらおうか。
>ああ、ちょうど『ラーメン』とやらを食べたい気分になってきたよ」

       「よっしゃあ、ガッテン承知!
        オイラ、腕によりを掛けて見せるぜ!」

      ガバァ!

やおら立ち上がると病院のガラス扉を開け、『美津也』を手招きする。
『屋台』までの『横断歩道』で車両を制する等、『おもてなし』の心を見せている。

       「『チキンラーメン』だって、最初は全然売れなかったんだぜ!
        だけど、『安藤百福』さんが一生懸命、試食会を開いて、
        食べてもらえるようにガンバったから、今の日清があるんでい!」

椅子を二つ並べるのが精一杯の『店外』。
ボロボロの屋台には『のれん』と書かれた暖簾が掛かっている。

59亘理 美津也『ラブフール』:2016/02/07(日) 01:12:20
>>58
「あ、ああ……ハハ……君の『熱意』はよーく分かったよ。
だからそれはやめてくれ、ひどく『目立つ』」

『ソバ太郎』の『ハリキリ』加減に、引きつった笑顔で言うと、
重い身体を引きずってゆっくりついて行く。

「『チキンラーメン』……そういうものもあるのか」

生憎、そーいうものには縁がなかった。
ともあれ、『屋台』の椅子に腰掛ける。

「……ふむ……もう少し『外装』に気を配っても
良いような気もするが、まあ良いか……失礼するよ」

60ソバ太郎『オーメン』:2016/02/07(日) 01:23:24
>>59
「ええー、『チキンラーメン』知らないの!?
 そっかぁー、『トリック』のCMもやってたし、
 お兄さん、テレビとか見ないタイプなんだなぁー」

      「戦後から安定した味でありながら、
       『たまごポケット』を新開発し、
       『停滞』を許さないスタイルなのになぁ」

プロパンコンロのスイッチを入れ、『大鍋』の水を沸かす。
隣の『小鍋』には『とんこつスープ』が並々と注がれている。

      「そっちの『スタンド』さんはどーする?
       ラーメン食えなくても、匂いだけも味わってよ!」

近くの電柱には『張り紙』が張られている。
『本気で一本気、空元気でも元気。』と書かれている。

61亘理 美津也『ラブフール』:2016/02/07(日) 01:44:10
>>60
「そ、そうなのか……?
いや、これも一つの知見というやつか。そもそも『ラーメン』自体、
正直言って『疎い』からな……」

『前向き』に受け取ると、調理を始めた『ソバ太郎』を眺める。

『アッ、オ気遣イアリガトウゴザイマスッ』
「『やはりな』……というのも何だが、君みたいな突飛なヤツが、
どうも『スタンド使い』には多いらしいというのは分かってきた。
だからあまり驚かんが……」
「しかし、『スタンド使い』の『屋台』でモノを食べるというのは
初めての経験だな。貴重といえば貴重かもしれん」

62ソバ太郎『オーメン』:2016/02/07(日) 02:01:02
>>61
「それじゃあこれから、
 最高の『ラーメン』を教えてやるぜッ!」

沸騰した『大鍋』に手打ち麺を入れたザルを投入し、
『小鍋』の火を弱めつつ、丼や具材を用意する。

    「オイラは『スタンド使い』って、良く知らねぇんでい!
     まるで『石焼タンメン』喰った後みてぇーな、
     脂汗ダラダラの『蒙古タンメン』状態になった後、

     スッゲーすっきりした気分になって、一緒に出てきたんだぜ!
     まるで『とんこつラーメン』の後の『黒烏龍茶』みてぇに、
     身体にストンと馴染んでるんでい! 名前は『オーメン』!」

スタンドは特に発現しておらず、今のところは普通の『屋台』だ。
チャーシューやほうれん草、刻みネギをまな板の上に並べている。

    「『女中服』のスタンドさんは、ラーメンは作らないのかい?」

63亘理 美津也『ラブフール』:2016/02/07(日) 02:09:23
>>62
「大した『自信』だな……楽しみにしとくよ」

そう言って、『出来上がり』を待つ。

「『ラーメン』で喩えられてもピンと来ないが……
もし『発熱』した後で『目覚めた』なら、僕と『同じ』だ。
その『ラーメン』、いや『オーメン』か……どんな能力なんだ?」

少し、『ソバ太郎』の『発現経緯』に興味を持ったようだ。
その能力についても、問いかけてみる。

>「『女中服』のスタンドさんは、ラーメンは作らないのかい?」
『アッ・・・ハッ、ハイ』

声をかけられて、じっと『調理風景』を見て……いや『観て』いた
『ラブフール』がびくりと反応した。

『私モ詳シクハナイモノデシテ……
ヨロシケレバ、コノママ『作リ方』ヲ見セテイタダケレバ、ト。
モチロン、ゴ迷惑デシタラ、ヤメテオキマスガ』

64ソバ太郎『オーメン』:2016/02/07(日) 02:18:18
>>63
「オイラの能力は『ラーメン』を作るんでい!
 ……ああっと、こーいうのって喋っちゃあマズかったか?

 まあいいや、ラーメンは美味いんだから勘弁な!」

            バシャッ
                     バシュッ!

ザルを振り下ろし、茹で上がった麺の湯切りをする。
それを丼に盛り、具材を盛り合わせていく。

      「『中村屋』からパクった『天空落とし』だぜッ

       ――――おおっと、バンバン見てくれよな!
       『安藤百福』さんだって、インスタントラーメンの特許を公表して、
       色々な人に製法を教えて、更なる『技術』の向上に務めたんだぜ! 
       だからこそ、今の『ラーメン文化』ってのがあるのさッ」

邪魔して悪かったな、と『ラブフール』に軽く謝った。
そして、丼に出来上がった『とんこつラーメン』を『三津也』に差し出す。

      「さあ、召し上がってくれよ! 『とんこつソバ太郎らーめん』だぜッ」

割り箸と水の入ったコップを差し出し、後は食するだけだ。

65亘理 美津也『ラブフール』:2016/02/07(日) 02:32:30
>>64
「……いや、『隠す』必要はない。特に『君』の場合は。
そうだな……君には完璧にフィットした能力、そう思うよ」

あまりにも『ド直球』、『ド真ん中ストレート150km/h』な能力は、
確かに、どこまでも『一本気』な目の前の男に相応しいように思えた。

『ア、アリガトウゴザイマス……!』

ジー

一応の礼を述べた後 、『観察』を再開する『ラブフール』。
凄まじい集中力だ。それだけ『ソバ太郎』の調理技術に着目しているのだろう。

「『豚骨』……噂に聞いたことはあるが、これがその『豚骨』ラーメンか。どれ……」

パキィ!

割り箸を勢いよく割るッ!

グ ォ ァ ッ

そして麺を一気にすくい上げ、

ズォォォォォォォッ!

少々ぎこちない動きで『啜る』……ッ!

「こ、こいつは……!
細身の麺と『豚骨』のコクのバランスが良いな……
それとこの『ほうれん草』、凄くマジメな味だ。気に入ったぞ……」

……どうやら『お気に召した』ようだ。

66ソバ太郎『オーメン』:2016/02/07(日) 02:39:47
>>65
>「『豚骨』……噂に聞いたことはあるが、これがその『豚骨』ラーメンか。どれ……」

   「ゼラチンの『深味』、たっぷりと味わってくれよな!」

豚脂に滑る『細麺』をたっぷりと啜る『美津也』、
その様子を頑なに見守る。

>「こ、こいつは……!
>細身の麺と『豚骨』のコクのバランスが良いな……
>それとこの『ほうれん草』、凄くマジメな味だ。気に入ったぞ……」

   「よっしゃあ、まいどあり!
    なっ? なっ? ラーメンっていいもんだろ?

    スープもグイってやってくれよな!
    ――――おおっと、こーやって食い方にチューモンするのは、
    ちょっと良くねぇよな!  なんかこー、好きに喰ってくれよな!」

屈託のない笑顔を向けながら、お湯のアク取りを行っている。

67亘理 美津也『ラブフール』:2016/02/07(日) 13:16:18
>>66
「うむ……こうか」

グ ィ イーッ

「これは……!」
「スープの適度な『塩気』が更なる食欲を喚起するじゃあないか……!
そこへ来て、あえてスープとあまり『絡まない』細麺を持ってきたことも
意味を持ってくる……交互に食べるこのバランスが実にイイッッッ」

大騒ぎしながら、ラーメンを猛然と食べきった。
食べる前は『風邪』で死にそーな顔をしていたが、
今や非常にイキイキとした表情になっている。

「いや……正直店の『外観』からして『不安』だったんだが、ウマかった。
初めて食べたが……こういうものも悪くないな」

『亘理』の反応を見て、『ラブフール』は何度も頷いている。
『心のメモ帳』に調理法を書き込んでいる最中なのだ。

68ソバ太郎『オーメン』:2016/02/07(日) 21:48:50
>>67
    「ありがてェぜ、こんなに美味そうに喰ってくれるなんて、
     オイラ、『ラーメン屋』をやって、本当に良かったぜッ」

             グスッ
  
                     グススッ

     「オイラ、嬉しくて……泣けてくらぁ!」

額に巻いたタオルを解いて、チーンと鼻を噛んでいる。
そのタオルを屋台の下に放り、新たなタオルを巻き直す。

     「喰ってるとこ、悪いけど……グスッ

      『金』の話、してなかったな……。
      お会計は、グスッ、『600円』だぜ」

69亘理 美津也『ラブフール』:2016/02/07(日) 22:01:49
>>68
「……そんな調子じゃあ、ラーメンを振る舞うたびに
『泣く』羽目になるんじゃあないか?」

『ソバ太郎』を見て、呟いた。
懐から財布を取り出し、『600円』きっかり、カウンターに置く。

チャリン

「これで『600円』というのは、こちらが申し訳なくなるな。
まあ、『言い値』以上に出す趣味はないが……」

ふう、と額の汗をハンカチで拭い、立ち上がる。

「『品野』といったな。僕は『亘理』、『亘理 美津也』だ。
君の『腕』と『熱意』……実に気に入った。
また『屋台』を見かけたら、是非立ち寄らせてもらうよ」

70ソバ太郎『オーメン』:2016/02/07(日) 22:28:44
>>69
「本当は、きっかり『500円』ってのがキリがいいけど、
 まあ、色々とあってな! 予算とか、その辺りでね」

カウンターに置かれた『600円』を掌に乗せ、
『コインケース』の中に並べていく。

    「何にせよ、毎度あり!
     女中服の『スタンド』さんも、
     どーぞ、また来てくれよな!」

快活な声で『三津也』を見送る。

71亘理 美津也『ラブフール』:2016/02/07(日) 22:34:48
>>70
「ああ、また来るよ」

『ソバ太郎』に手を振って、店を出る。

『……………………』
「……さっきからどうした?」
『アッ、イエ、『調理法』ヲシッカリ記憶シテオコウト思イマシテ』
「そうか……僕も何か忘れている気がするが……
まあ、いい。そのうち思い出すだろう」

病院で『診察』を受けるのを忘れていたことに気付いたのは、家に着いてからだったという。

72ソバ太郎『オーメン』:2016/02/07(日) 23:17:27
>>71
「フッ、『美津也』さんか」

屋台を畳み、別の場所へと移って行った。

73西上しづみ『シーサイド・ラヴァーズ』:2016/02/10(水) 00:12:49
時刻は夕刻、ここは『駅前』。
帰宅する学生のグループでごったがえす。

制服セーターの上からダウンジャケットを羽織った眉無し女子高生が、
スマホ片手に1人道をゆく。

「なんだァー……『BBS』に業者の広告だ」
「(削除依頼出すほどでもないな)NGワードに入れとこ……『お・め・ん・め・ん』」 

スマホに入れた専用ブラウザで、書き込みを非表示化する。

「もう『17:00』かぁ……小腹すいたなぁ」

今日はコンビニに寄ったものか、ファーストフード店に寄ったものか考え中だ。

74西上しづみ『シーサイド・ラヴァーズ』:2016/02/11(木) 00:07:35
「今日はリーダー、遊びに来ないから集会はパスだな……」 モグモグ

コンビニでソイジョイを買って帰った。

75ピンザブロウ『ザ・ビッグ・ピンク』:2016/02/12(金) 23:00:43
『アーケード街』の一角。
商店街は寂れ、昼間だというのに多くの店がシャッターを閉めている。
そんなシャッター街で、怪しげな装束に身を包んだ男が一人。

両腕両足の先までを隙間なく包み、頭も頭巾を被り、口元までも覆っているその服装は、忍者を思わせた。
もっとも……その姿はリアルな忍者というよりは、コミックか特撮のヒーローに見えるだろう。
その装束の色が、忍ぶにはそぐわない、鮮やかなピンク色だったからだ。

「……味気ない」

そう呟くと、男はシャッターに歩み寄り、手を添える。
その手は黒かった。男は黒人のようだった。
そして手をシャッターに沿って滑らせると、錆びつき薄汚れ
退廃的な雰囲気を漂わせていたシャッターが、ピンク色に染まっていく。

手の平で広く塗りつぶすだけでなく、時に指先を使ってチョンチョンと触れ、時に爪先で引っ掻き、何かを描いていく。

76鳳来山 凰華『クラウド・ナイン』:2016/02/13(土) 00:53:49
>>75
「フーフフーンフーン♪」
楽しげな鼻歌を歌いながら、誰かが『アーケード街』を歩いている。
昼間ではあるのだが、この日は学校が昼間までだったんだろう。
彼女は学生のようだ。

「今日はどんな『スリル』が待ってるかしらー♪」
胸の下までシャツのボタンを開けた、大胆に肌を露出させた格好。
彼女はスタンドを手に入れてからというもの、溜め込んでいた感情をずっと吐き出し続けるようになっている…ようだ。

「…ん?何でこんなに…」
と、首を傾げながら、アーケード街のシャッターを確認する。

「こんなに鮮やかな場所だったかしらねーここ」
ピンク色のシャッターを不思議そうな顔で見回している。
(…誰か居る?)
そう思った凰華は、ジーっとその様子を見始める。

77ピンザブロウ『ザ・ビッグ・ピンク』:2016/02/13(土) 01:19:03
>>76
ピンク色に彩られたシャッター群。
よく見るとそれは、単なる無作為なペインティングではなく、ひとつの絵になっている。

それは……『桜吹雪』だった。

上から差し込む満開の枝。風に舞う小さな花びら。
シャッターにできた大きなへこみさえ、いくつもの桜が立ち並ぶ湖に変わっていた。
まだ春の訪れには程遠い、冬の寒さが続く街の中で……そこだけは一足早く、春が訪れていた。

そして、その絵の主は少し先のシャッターの前で、まだ作業を続けていた。
ピンク色の装束に身を包んだ、忍者のような格好の……
性別は不明だが、まず女とは考えられない2メートルはある長身の人物だ。

78鳳来山 凰華『クラウド・ナイン』:2016/02/13(土) 01:24:53
>>77
「まあ、これは…」
と、少しその桜吹雪の風景を見て、思わず見とれてしまう。

「……ここだけ一足先に春がきたような、
 なんだか暖かさを感じる場所ね…」
桜の風景、寂れたシャッター通りがまるで
春満開の桜スポットのようであった。

しばらくその光景を見回していたところ・・
「…あの人が…描いてるみたいね。」
と、彼?の方へと駆け寄って行く。
全身ピンクの格好は、ここではかえって迷彩になるように思える。

「そこの人ぉ〜!この絵を描いたのはあなたなのー?」
と、手を振りながら声をかけてみる。
無駄に元気な声である。

79ピンザブロウ『ザ・ビッグ・ピンク』:2016/02/13(土) 01:47:09
>>78
話しかけられて手を止める。

「ン?誰だ」

近づいたことであなたは気付くかもしれない。
彼は素手だった。
筆やブラシといった画材はもちろん、確かに塗布されている絵の具なりペンキなりの
塗料さえ持ち合わせていない。
しかし呼び止められて手を止めた、その手を止めたところで絵が終わっているので
絵とは無関係の通りすがりの人物である可能性は低い。

「ああ、俺が描いた。あーんまり殺風景で、楽しくなかったから、な!
君は警察か?ヤクショの人か?俺を注意しに来たのか?」

少し警戒している。
落書き行為は一応、軽犯罪だからだ。

80鳳来山 凰華『クラウド・ナイン』:2016/02/13(土) 02:04:18
>>79
(……あれ、この人素手で…)
彼の手をじっと見ると、
何も絵を描く物を持っていないのだ。
だが、絵を書いてるのは間違いない、なぜならちょうど、手のあったところで止めているから…



「ふーん、まぁ確かに。
 この辺りの商店街は、華やかさが足りない、ように思うわねー。」
と、ちょっと抜けた言い方をしながら歩いてくる。
目の前の少女は結構大胆なカッコである。

(……どんな手品?
 いや…もしかしたら)
と、心の中でいろいろ考える。

そして、ヤクショの人?と聞かれて彼女は…
「その通り!!――」
と堂々と…

「―じゃあない!
 ヤクショの人とは関係ないわ。」
自分が違うということを答える。
腰に手を当てて胸を張って、やけにテンションの高いしゃべり方である。

「私はただ単に、綺麗だなーと思ってここの絵に夢中になっていたのよ!
 なかなか素晴らしい絵だわ。」
そう言って彼の手を覗きこむ。
今度は相手側にも、描いてた手を見ていることがわかるかもしれない。

81ピンザブロウ『ザ・ビッグ・ピンク』:2016/02/13(土) 02:19:21
>>80
「それは良かった。君がヤクショの人だったら、秘技ピン遁の術を披露しなければならないところだった!」

口元まで隠した頭巾を取ると、黒い顔が出てきた。
笑顔の白い葉が眩しい黒人の男だった。
その黒い肌は、ピンクの衣装とも鮮やかなコントラストを作り出している。

「そうか!日本人のアンタにも素晴らしく見えるか!
俺は暑い国から来た。日本の冬、とても寒い。
だが年中暑い俺の国と違って、この国には四季がある。
冬は必ず終わる。そして冬が終われば春が来る。
俺は日本の春が好きだ。もうすぐ冬は終わる。
人の心まで凍える乾いた季節が終わって、春がやってくる。
それを絵にしたが、伝わるか自信なかった。ありがとう、嬉しいよ」

朴訥とした言葉遣いだが、しかし情熱を込めた語り口で礼を言う。
そして、手を差し出した。握手を求めた。

82鳳来山 凰華『クラウド・ナイン』:2016/02/13(土) 02:25:17
>>81
「秘技…その秘技というのは
 この絵と何か関係が…」
と、少し首を傾げたが

「えーえー!そりゃーもう!
 私はどの季節も好きだけど
 やっぱり暖かい春が一番心がウキウキする季節だと思うのよ!
 なんて言えばいいのかなー、こうね。
 これから暖かくなって楽しいことがどんどんとやってきそうな!
 そんな季節なのよ!」

ベクトルは違うが、一応彼女も春大好きということのようだ。
随分とアツく、真剣な眼差しで彼の言葉へと返す。

「あなたは他の国から来た人なのね。
 ようこそジャパーンへ♪」
そう言って彼女は握手に応じ、
固く握手しあうことになった。

83ピンザブロウ『ザ・ビッグ・ピンク』:2016/02/13(土) 02:39:05
>>82
「ああ、自己紹介がまだだったな!俺はピンザブロウ!ジャマイカから来た!
わけあって本名じゃないが、日本風のいい名前だろう?」

名乗る。本名ではないが。

「それと……これははっきりさせておかないと困ったことになるかもしれないので言っておきたいのだが……
俺はニンジャではない」

名乗りに続いて、小声で、すごく大事そうに言った。
見た目は色が不自然な以外には誰の目にも忍者そのものなのだが……?

「よろしく!」

そして握手を……


                   ヌチャア


男の手を握ると、ひどい手汗のような、油にまみれたような、ヌルヌルとした液体の感触があった。

84鳳来山 凰華『クラウド・ナイン』:2016/02/13(土) 02:50:33
>>83
「はぁー、ピンザブロウさんですかぁ―
 日本風ではあるけど、少なくとも日本人にもその名前の人はいないんじゃあ…」
と、少し妙な顔をして答える。日本『風』ではある。確かに、と思った。

「えーと、私は鳳来山 鳳華!この街の人よ。
 いろいろ変なところだけど、気に入ってもらえると嬉しいわぁ!」
そう言ってから…彼の小さな声を効く

「……うん…基本的に私が思うに、
 ニンジャ破損などピンクじゃないわ。」
知ってるというようにツッコミを入れる。
まぁ、この空間限定では見事な隠れ蓑だが

さて、ようやく握手が始まるわけだが
「こちらこそよろ

ヌチャァ

しぐぅぅっ!?」
びっくりした様子で、握った手をちょっと手放す。

「え、えーっと…ん?
 今…妙な感触が」
手のひらを確認してみる。
何かくっついてるかもしれない。

85ピンザブロウ『ザ・ビッグ・ピンク』:2016/02/13(土) 03:10:01
>>84
「なんだって!?ピンクにサブロウでピンザブロウ、ダメか!?
ピンコさんという有名人もいるし、問題ないと思ったんだが……ウムム……」

難しい顔をした。
ピンクが日本語ではない、ということに気がついていないのだ……

「ホーライザン、オーカ!かっこいい名前だな!
ホーライ斬ってどういう剣術なんだ?」

街の変な所の前に、あなたの名前に食いついてしまったようだ。

「ああ、この色は……必要なんだ。全身を覆う服である必要もだ。
だがニンジャと間違えられて本物からニンジャ勝負を仕掛けられたら大変だからな」

どうやら、本物の忍者が日本にいると思っているらしい。

>しぐぅぅっ!?」

「ああ、すまない。『ザ・ビッグ・ピンク』を解除していなかった」

びっくりして手を離すと、君の手にはピンク色の液体……先ほどまでシャッター街を彩っていた塗料だろう、が付着していた。
だがそれは、水と油が弾きあうように君の皮膚にはまったく留まらず、あっという間にすべて流れ落ちてしまった。
男の手の平にも、それと同じ液体がべっとりと付着している……というより、染み出し続けているように見えた……が。

スウゥゥゥ

音もなく、それはまるで一瞬で蒸発するように消えてしまった。

86鳳来山 凰華『クラウド・ナイン』:2016/02/13(土) 17:54:36
>>85
「…あーその…
 そもそもピンクって…英語じゃないかなぁ?」
ちょっと苦笑いする表情で彼の様子を見る。

「え?…いやその…
 鳳来山ってのは苗字だから…
 どういう意味なのかはわからないけど…」
彼女は少し困った様子で答えている。
…流石に会社のグループの名前は知られていないようだ。

「さぁーねー。
 とはいえ、本物の忍者だったら…
 逆に狙われちゃうかもね―、そういうカッコは。」
と、若干からかうように答える。

「うわぁ…な、なにこれ…
 …ん?」
自分の手のひらにべっとりとついていた液体はあっという間に流れ落ちる。

「……なるほど」
そう言って、彼の手のひらについた液体が消えたりしたのを見て。

「私とおんなじ『力』の持ち主なのかしら?」
と、若干得意気に答えた。

87ピンザブロウ『ザ・ビッグ・ピンク』:2016/02/13(土) 23:16:42
>>86
「Oh……その発想はなかった。
確かにそうだ。ピンクは英語……だが、まあいいさ。
要は『日本人気分』でいたいだけなんだ。
モモザブロウだと、モモタロウさんの二つ下の弟になっちまうしな」

頭を抱えたかと思えば、コロッと切り替えて笑う。
おかしな偽名だが、この国に早く馴染みたいがために形から入っただけなのだ。

「そうか、剣術とは関係ないんだな。なんにせよ響きがかっこいいぞ」

『ザン』を『斬』とみて剣士の家系か何かかと思ったのだった。
『サン』=『山』の音が『ザン』と濁るのは、日本人なら自然にわかるが
外国人のピンザブロウにはまだ少し難しかったのだ。

「なんだって!?それは困る!
やはり本物のニンジャとやり合っても渡り合えるように、もっと戦術を磨かないとダメか……」

慌てふためいてその後に考え込んだ。すっかり真に受けている。
この街なら、スタンド使いとしての忍者ならいてもおかしくはないが……
そういう意味では、むしろピンザブロウも偽者とは言い切れないのかもしれなかったが。

「……ほう。アンタにも何らかの力が……あると。そう言ったのか?今。
俺の『ザ・ビッグ・ピンク』みたいに」

目の色が変わった。
今までのおどけた雰囲気は消え、好奇心と、若干の警戒心が混じる。

88鳳来山 凰華『クラウド・ナイン』:2016/02/13(土) 23:25:55
>>87
「まぁー、日本人気分は、
 日本にずーっと暮らしてたら嫌でも陥るかも、しれないわ。
 それに…桃太郎の親戚なんて、ちょっとかっこいいと思うわよ!」
少し得意気に答える。
とはいえ、彼の日本に馴染みたいという思いはなんとなく伝わってくるのであった。

「かっこいい…まぁ、結構血筋は、悪く無いからねー。
 かっこ良くなきゃぁ、ッて感じよ。」
ちょっと自慢気に答える。
かっこいいと言われるのは結構好きなようだ。
実際…この辺りでは有名なお金持ちの家なのである。そのうち知る…かも知れない。

「NA○UTOとかを見ればわかるように…
 ニンジャはあんなに強いわけだから…修行をして頑張らなきゃね!」
と、嬉しそうに答える。
…しかし、この街にはそれくらいの相手は存在しそうである。

「…それがあなたの『力』の名前ってことね…
 そう、何を隠そう私もそうなのよ。」
凰華の方は、ちょっと軽口を叩きつつも、眼差しは真剣になる。

「……一応ビビらないでね。
 私の力を見ても…」

そう言って、彼女は静かに唱える。

『クラウド・ナイン』

ドォン!
と、彼女の身体の中から這い出すように『ヴィジョン』が出現する。
大きな猿の姿をした、剣闘士の衣装をまとうスタンドだ。

「…噂では、これは『スタンド』というものらしいわ。
 目覚めたのはつい最近……誘拐された時に現れたのよ。
 …さながら『美女と野獣』…みたいな?」
かるくおどけて見せながら説明した。
この力はスタンドというものであり、突然得てしまったものだということを…

89ピンザブロウ『ザ・ビッグ・ピンク』:2016/02/14(日) 00:05:56
>>88
「おお!すごいな!やはりこういうのが出る方が普通なんだな。
……モンキー・ファイターか。インドの伝承にある神様みたいだな。立派だ。
ハヌマーンというインドの猿の神様は風神の息子だそうだ。
なんで知ってるかって?俺は元々は出稼ぎで来たんだ、いろんな国の奴がいたからな。インド人もいた」

『ハヌマーン神』を想起し、スタンド『クラウド・ナイン』を評する。
実を言うとスタンドについて何も知らないわけではない(※当方もプロローグの構想あり、詳細はその時に)が、
興味深く鳳来山の説明を聞いている。

「こういう、スタンドヴィジョンというのか?
俺にはないんだ。このピンクの塗料も、能力の『像』ではなくて『産物』のようだ。
少し切ないが、スタンドというのは一人一人違うんだろう?
俺には俺の役割がある」

スッ……

シャッターに、両手で大きく塗料を塗りつける。
それを握り拳でドン、とノックした。
すると不要な塗料は消え、『THE BIG PINK』という文字だけが残り、浮かび上がる。


「アンタはどうだ?やはり風神のごとく、風を使うスタンドなのか?」

90鳳来山 凰華『クラウド・ナイン』:2016/02/14(日) 00:27:17
>>89
「ハヌマーン…一応知ってるわ。
 ウルトラ○ンと共演していたあれよね?
 しかし、インドの神様みたい、ねぇー。
 なかなかかっこよく思えてくるじゃぁ―ないのぉ」
彼のほめ具合を聞いて、なんだかまんざらじゃなさそうな顔をしている。
チョロそうだ。
それはともかく…自分のスタンドをほめられるのは嬉しい事なのだろう。

「スタンドというのはひとによって違うらしいわね。
 私みたいに姿を持つものもいれば、あなたのようにない人もいる…
 日本の言葉で【十人十色】っていうやつね。」

そして、不要な塗料が消え去り、『ビッグピンク』の名前のみが残ったのを見ると。

「…この塗料は普通の人にも見えるのかしらねー?
 スタンドを持つと、こういうのわからなくなって大変なのよね。」
かるく頭を抱えて答える。

「…私のスタンドができることは…
 そうね…中々スリルな能力よ。」
そう言って、そのへんに転がっていた木の枝を2つ拾う。
そして、スタンドが両掌の内で縒り合わせるようにこね始める。
やがて、その2つの枝は、ひとつの木の棒へと変わる。

「…同じふたつのものを、『縒り合わせる』事ができる能力…
 威力も上がるし…能力を解除すれば。」
そう言った途端に

バシィン!!
木の枝は勢い良く逆回転し、弾け飛んだ。
飛んだのは周囲の家の壁だったが、結構な音がなった気がする。

「こんな風に弾けて危険…ってやつよ。
 中々スリルあるでしょう?」
ちょっと得意気に彼の顔を見た。
スタンドを使っている最中は、どこか普段よりも奔放な雰囲気を出している。

91ピンザブロウ『ザ・ビッグ・ピンク』:2016/02/14(日) 00:54:24
>>90
「ウル○ラマンと?それは知らないが……合ってると思う」

タイ人の仲間もいたが、タイの特撮キャラクターはさすがに知るはずもなかった。
仮面ライダーとも非公認で競演したらしいが、まったく知らなかった。

「おお!二つの木の枝が一つの棒になった。
散らかった部屋をまとめるのに便利そうだな。
しかし、スリルがあるようには思えないが……」


バシィン!


「うおおお!弾け飛んだ!これは近くにいたら破片が刺さってしまうかもしれないな。
確かにスリリングだが……楽しんでばかりもいられないんじゃないか?
自分が巻き込まれないように、破片の飛び散り方の制御もできるのか?
しかしこれは、旋風が巻き起こるかのようにも見えるな。やはり風神に連なるものだ」

弾け飛んだ二本の木の枝に驚き、一瞬身構えるが、事もなく終わると楽しくなった。
自分が弾け飛んだ破片に巻き込まれる危険もあるなら、そうならないようにする工夫が必要そうだな、と思い、質問攻めになった。

「うん、アンタは楽しそうにスタンドを使うな。
なにかの束縛から解放されたみたいに。いい顔だ」

しかし何よりも鳳来山の楽しそうな表情が印象に残ったので、そう付け加える。

92鳳来山 凰華『クラウド・ナイン』:2016/02/14(日) 01:04:07
>>91
「仏様を大事にしない奴は…ってね。」
ハヌマーンの過激さを何気なく解いてみる。

さて、ある程度スタンド能力を見せたところで。
「フフン、こういうなんだかわからないのを楽しむのもスリルってやつよ!」
と、嬉しそうに答える!
「…まぁ、2つ程度ならある程度の制御はできるけどね。」
と付け加えて大丈夫だということをアピールした。
「風神のよう…って?…なんだかちょっとかっこいいわね、それも。
 風を巻き起こすスタンドって感じでいいわね。」
ほめられるのが大好きそうだ。嬉しそうに答える。

「フフフ、そう見えるかしら?
 実際そうなのよねー!」
そう言って彼の言葉に嬉しそうに答えた。

「私は、今までずーっと退屈な生き方をしてきたわ。
 小学校から中学校までね!退屈っていうのは死に至る病だわ。
 私に必要なのはスリリングな生き方だったのよ!
 何が起こるのかわからない、ドキドキする!そーんな生き方!」
そう言って胸を張ってポーズを取ってみせる。

「…スタンドを手に入れたおかげで、スリルある人生がスタートしたのよ!
 もう毎日を退屈と思うことはないわ!」

93ピンザブロウ『ザ・ビッグ・ピンク』:2016/02/14(日) 01:37:21
>>92
「そうか、なるほど、なるほど……能力を解除する時にも使いようがある。面白い。
考え方は『ザ・ビッグ・ピンク』にも通じるな、対忍者戦で参考にしよう」

まだ忍者と事を構えた時のことが気になるらしい。

「かっこいいぞ。見た目だけではなく」

別におだてる気はない。
褒めるということへの照れというものを持ち合わせていないので、
良いと思えば素直に褒める、それだけなのだ。

「そうか、それはいいことだ。人生もスパイスが効いていた方が面白い。
まあ、そうだな。ひとつだけ言わせてもらうなら……」

「貧しさと飢えに苦しんで、家もなく、明日死ぬかもしれない。
そんな境遇にも、いずれ人は慣れるもんだ。
運悪く地雷で足を吹っ飛ばしたり、敵のマシンガンで蜂の巣にされるのは、
昨日はあいつだったが、今日は自分かもしれない。
それが誰も彼も当たり前の毎日なら、ドキドキなんてしない。
スリルを楽しめるのは、危ない橋を渡るのがドキドキするのは、そいつが非日常だからだ。
非日常ってのは、帰る日常があるから非日常なんだ。
だから、帰るところを無くさないようにした方がいい」


「……うーん。
なんか、説教臭くなっちまったな?
あんま気にしなくていいぜ」

神妙な顔で頭をかく。そして、笑ってみせた。

94鳳来山 凰華『クラウド・ナイン』:2016/02/14(日) 01:48:46
>>93
「ニンジャ相手に不意をつくのに使えるかもね。
 こういう応用は。
 ・・・見た目だけじゃないかぁ…能力も?」
そう嬉しそうに応える。

さて、先程まで得意気に答えていたのだが…
彼の言葉に耳を傾ける…

「まぁ、あなたの言うことも…確かね。
 私の生き方は抑圧されてきたけど…
 だからこそこのスリルを楽しめるのかもね。
 私がほしいのはそんなスリルじゃないわ。
 もっとこう、日常の中のスパイス的なねぇー。」
彼の言葉に思うところはあったらしい。
戦場に行きたいというわけでもなく、彼女が求めるものとはまた違うのだろう。

「まぁ、気持ちの中にとどめておくわ。
 少なくとも、私が望んでいるのは戦場とかではないし…
 他の人を巻き添えにしたいとも思わないし。」
そう言ってため息を付いた。

「楽しい生き方こそが私には必要なものよ。
 それは、ちょっと楽しくないものだからね。」
と、彼の語った非日常について述べる。

「…それとも…」
彼自身が経験した世界なのか?と言おうとして、
「うーん、なんでもないわ。」
流石に失礼かなーと思い、言いとどまった。

95ピンザブロウ『ザ・ビッグ・ピンク』:2016/02/14(日) 02:26:10
>>94
「まったくだ。
俺もこうやって……絵でも書いてみんなを楽しくしてる方が楽しいぜ。
ま、その様子ならアンタは心配なさそうだな?」

そう言って、再びシャッターの絵を描く作業に取り掛かる。
……小さな可愛らしいおサルの絵をシャッターに描き添えた。

「できた。
この絵はスタンド能力だから、俺たちが立ち去ったら消えちまうけど……
絵も、人生も、残すためじゃなくて楽しむためにあるんだ。そうだろ?」

すでにほとんど出来上がっていたが、絵は完成したようだ。
書き足したサルの元へ、風に乗って集まってくる花びらが描かれている。
『クラウド・ナイン』は……その花びらを縒り合わせて、何を作るのだろう?
それはきっと、まだ決まっていない。

「ん?どうした?」

何か言いかけた様子が気にかかったが、

「そうか、ならいい」

それ以上の追求はなかった。

「さて、絵も描き上がったし、俺はそろそろ帰る。
『ザ・ビッグ・ピンク』は射程と持続力はそこそこあるから、
そうしたいならもう少し眺めて行っても大丈夫だ」

96鳳来山 凰華『クラウド・ナイン』:2016/02/14(日) 02:37:27
>>95
「ま、そのつもりよ。
 私は、楽しい生き方を追求してるのだからね。」
そう言って軽く首を回す。

「そうね。
 ちょうど、さくらの花びらみたいに
 消えてしまうものでも、心に刻むものはある…ってね。」
そして…風にのってスタンドの元へ集まってきた花びら。

「…おっと」
スタンドはその花びらを手のひらの中で『縒り合わせる』
そしてしばらく動かしたての中には…

「私の縒り合わせる力もおんなじね。」
花びらが合わさって、一輪の桜の花が咲いていた。
一足先に春がきたかのように綺麗な形をしている。

そして。
「すぐに消えてしまうけど」
ヒュオッ
「たしかにそこに意思が残る。」
弾け飛んだ花びらは、花吹雪になって空へ舞い上がっていった。

彼の過去については特に言及せず…
「…そうね。
 私はまぁ…たまにはこういうのもいいかなってことで
 もう少し見ておくわ。
 ピンザブロウだったかな?」
そう言ってぐっと拳を握る。

「またどっかで会いましょ!」
嬉しそうな顔で彼に答えた。
一期一会の出会いも、またスリルのあるもの、かも知れない。

97ピンザブロウ『ザ・ビッグ・ピンク』:2016/02/14(日) 03:05:40
>>96
「意思が残る、か。
その意思が縒り合わさって、春を呼ぶ風になるのかもしれない」

描いた絵の続きのように、舞い上がっていった花びらを見ながら呟く。

「じゃあな。
俺はこれからも、この町のどこかで絵を描いている。
きっとまた会える」

そう言ってその場を去った。

98鳳来山 凰華『クラウド・ナイン』:2016/02/14(日) 11:48:09
>>97
「そうね。なんだかロマンティックなこと言っちゃうけどねー。
 ま、人の心ってやつよね。この風も」
そう言って舞い上がった花びらを見つめる。

「じゃーねー。
 ま、頑張んなさいよ!」
と言って手を振り見送っていった


ビュオオオオオオオオオオ!!

直後に突風が発生し

「どわああああ!!」
その場に凰華は転んでしまったのであった

99道星有香『ペット・ネームズ』:2016/02/19(金) 22:42:29
『山』。普段着の16歳女。リックサックは通学兼用のもの。
ここは、登山道の開けた場所。ちょうど木とかがない空間だ。
ドガッと椅子らしき木の根に腰を下ろしてため息をつく。

「疲れましたぁ…」

天候は「もや」。視界は悪い。

100道星有香『ペット・ネームズ』:2016/02/20(土) 22:17:06
「さて…、行きますか」

立ち上がり、山道を下っていった。


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