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エレン「この長い髪を切る頃には」2

1進撃の名無し:2014/07/25(金) 18:53:56 ID:Yeod/N2g0
*続編です。ミカサ「この長い髪を切る頃には」→エレン「この長い髪を切る頃には」の続き。もう1回エレン視点で書いていきます。

*現パロです。現在、エレンの髪がちょっとずつのびています。(ミカサよりちょい長め。小さいしっぽ有り)

*舞台は日本ですがキャラの名前は基本、カタカナのまま進めます。漢字の時もあるけど、細かいことは気にしない。

*実在の人物とかは名前やグループ名等をもじっています。時事ネタも有り。懐かしいネタもちらほら。

*原作のキャラ設定は結構、崩壊。パラレル物苦手な方はご注意。

*原作のキャラ性格も結構、崩壊。原作と比べて「誰だてめえ」と思った方はそっと閉じ推奨。

*レスに対するお返事レスは返せない事が多いかも。体力温存の為。無視している訳じゃないんで、OK?

*感想は毎回有難い。でも自分の妄想話を書くのはNG。読んでいる人が混乱するから。本編と混ぜるな危険。

*雑談は雑談スレでお願いします。雑談嫌いな読者の方もいらっしゃるからね。

*現在、ジャン→ミカサ、ジャン(?)→サシャ、オルオ→ペトラ→リヴァイ←ニファ リヴァイ→ハンジ←モブリット ライナー→クリスタ←アルミン←アニ(?)←ベルトルト イアンリコあたりもちらほら。というか、そのつもりで書いています。

*安価時以外のアイデア・オリジナルの設定等の提案は禁止させて頂きます。(エレン「この長い髪を切る頃には」の時にトラブルが発生した為です)

*その代わり、安価出した時は出来る限り(多少無茶振りでも)採用する方針でやっていますので、宜しくお願いします。

*モブキャラも多数出演。オリキャラ苦手な方もご注意。キャラ濃い目。

*そんな訳で、現在設定しているオリキャラをざっとご紹介。


マーガレット(2年生♀)→大道具リーダー。漫画描ける。腐ってる女子。皆のお姉さん的ポジ。

スカーレット(2年生♀)→大道具。立体造形専門。ロボットもいける。たまに腹黒。

ガーネット(2年生♀)→大道具兼衣装。コスプレ好き。ちょっと大人しめのオタク。

アーロン(2年生♂)→役者。元野球部。高校から演劇始める。

エーレン(2年生♂)→役者。元サッカー部。高校から演劇を始める。

カジカジ(1年生♂)→役者。外見はエレンに似ています。明るい男子。愛称は「カジ」。

キーヤン(1年生♂)→役者。ジャンよりイケメン。歌上手い。

マリーナ(1年生♀)→役者。少年の声が出せる。ナレーションうまい。ほんわか系女子。


*原作のモブの名前が判明すれば……途中加入もあるかもです。

*外伝のキュクロとシャルルも出ています。二人は野球部投手とマネージャー。

*先生方の年齢設定が原作より(恐らく)若干高め設定になっています。

*リヴァイ先生(38歳)というおっさん設定に耐えられない方は御免なさい。

*加えてリヴァイ先生の潔癖症が病気レベル扱い(笑)になっているので、御免なさい。

*リヴァイ先生の性癖(?)も大分、斜めってる設定になっています。ご了承下さい。

*エルヴィン先生(43歳)も相当なオタク設定になっています。リヴァイより更に斜め方向に変態です。本当に御免なさい。

*ハンジ先生(36歳)が昔は美人だったよ設定です。ややモテキャラですが、リヴァイに比べれば蟻の触覚程度です。

*リヴァイ先生がモテ過ぎ設定です。気持ち悪いくらいモテキャラです。愛され過ぎて御免なさい。



*ラスト100レスは完成する迄、レス自重お願いします。レス足りないと書き手としてプレッシャー過ぎる。

*そんな訳で、現パロ(エレン視点編)を始めます。OK?

257進撃の名無し:2014/08/04(月) 17:54:40 ID:YSQTQJRw0
アルミン「そっかー高校時代は金髪だったんですね。なるほどなるほど(メモメモ)」

ハンネス「参考になったか?」

アルミン「はい! とても。いい感じに情報がまとまってきた」

ハンネス「それは良かった。再現劇、楽しみにしているぞ」

という訳でリヴァイ先生の高校時代の情報も入った。後は何が必要かな。

アルミン「んー後はハンジ先生の方の高校時代、あとは大学時代もざっと知りたいかな。教職に転向した理由って、詳しくは聞けなかったしね」

エレン「え、でも、ST……いや、ダメだ。そこに触れていいのかな?」

アルミン「んーでも、そこ端折っていいのかどうかは、知ってからじゃないと判断出来ないよ。ハンジ先生本人に聞いてみる?」

エレン「でもそれやると、バレるんじゃねえか? ハンジ先生経由でリヴァイ先生に再現劇を知られたら、止められるだろ」

アルミン「んーだとすれば、後は誰が詳しそうかな」

エレン「この学校に居て、在籍が長いのは、ピクシス先生、ダリス先生、あとキース先生、もかな。その辺にもう1回、話を聞いてみるか?」

アルミン「そうだね。キース先生からいってみようか」

という訳で、キース先生を探してみる。

258進撃の名無し:2014/08/04(月) 18:08:28 ID:YSQTQJRw0
キース先生は柔道部の顧問の先生なので柔道場のある第三体育館の隣の柔道場に居た。

キース「ん? どうした。何か用事か?」

エレン「少し、お時間頂けますか?」

キース「構わんぞ。………15分休憩を入れる! 水分補給しろ!」

柔道部員「「「はい!」」」

キース「ふむ。再現劇でまだ、聞きたいエピソードがあったか?」

アルミン「はい。今度はハンジ先生の高校時代のエピソードなどを」

キース「ふむ。ハンジの高校生時代か。だったら、ミスコンの話がいいだろう」

とキース先生は微笑みながら言った。

キース「エルヴィン先生が企画して始めた第一回目のミスコンの女王は、実はハンジ先生なんだぞ」

エレン「え……」

アルミン「えええええ? それ、本当ですか?!」

キース「疑うなら証拠を見せてやろう。職員室に一緒に来い」

と、言ってまたまた職員室に戻る事になる。卒業アルバム2回目だ。

今度は少し年代の違う卒業アルバムを見せて貰った。

そこには、今より若いハンジ先生の姿が………って、ええええええ?!

これ?! これが、ハンジ先生なのか?! 本当に?!

ミカサとはちょっとタイプが違うけど、滅茶苦茶美人だった。

なんていうか、ハリウッド系の女優さんみたいな、華やかさがある。

259進撃の名無し:2014/08/04(月) 18:22:54 ID:YSQTQJRw0
うわああ。これは、なんていうか、エルヴィン先生、若い頃のハンジ先生に手出した理由、分かった気がするぞ。

これだけ美人だったら、確かに「可愛い」って思ってうっかり手出してもおかしくない。

高校生ハンジ先生は、当時としては多分、大人っぽい雰囲気で、でも笑顔で写っていた。

キース「恐らく、エルヴィンの奴もハンジがいたから、ミスコン開催しようと言い出したのかもしれんが。当時のハンジは、結構、モテていたようだったぞ」

エレン「そうだったんですか……」

キース「ああ。ただ、告白されても『なんか違う』とか『この人も違う』とか言って、ザクザク振っている様子でもあったから、女子の嫉妬の羨望を受けていたようでな。たまに『女子が怖い』とも言っていた。それからかな。少しずつ、格好が男性的になってきてね。ボーイッシュな雰囲気も取り入れるようになっていった。大学に進学してからは、また女子力を取り戻そうとしていたようだったが、大学院の途中あたりで、だんだんおかしくなっていってな。昔の面影が無くなっていってしまったんだよ」

アルミン「その当時の事を覚えていらっしゃいますか?」

キース「ああ。まあ、ハンジは高校を卒業してからもしょっちゅう、エルヴィンに会いに来ていたからね。何か困った事があるとすぐ『エルヴィン助けてー!』が口癖だった。私もエルヴィン経由で話を聞く事もあったが、ハンジはどうも、大学の研究チームに入るか否かの段階で、担当教授にセクハラとパワハラを受けたらしくてね。そこで反発して問題を起こしてしまって、大学院に残る事は出来たけど、研究の方に携わる道は閉ざされてしまったと嘆いていたよ」

アルミン「つまり、その事件が、ハンジ先生を「変えて」しまった訳ですね」

キース「そういう事になるのかな。エルヴィンは『そんな碌でもないところ、残る必要ないよ。教員免許、嗜み程度に持ってるんでしょ? 使うなら、枠開けておくからうちの高校においで』ってハンジを誘ってね。ハンジも『もう、それでいいや!』ってとりあえず、うちに来ることになったんだよ」

エレン「なるほど………」

何かだんだん、全体図が綺麗に見えて来た。

ジグゾーパズルのピースがひとつずつ、はまっていくような感触がある。

ハンジ先生も昔はいろいろあったんだな。大変だったんだ。

260進撃の名無し:2014/08/04(月) 19:18:02 ID:YSQTQJRw0
キース「そういう訳で、ハンジは教職の道に進んでみた訳だが、その当時から既に「臭いハンジ」が出来上がっていてな。入学式では、先生達の間では「何だあの先生」とざわめいていたよ。リヴァイは逆にびしっと、男性にしては綺麗過ぎるくらい、高いスーツを着て来て、女性職員がざわめいていたが。そんな2人は一か月後に、あっさり大ゲンカした。リヴァイが耐え切れなかったんだよ。ハンジの「汚さ」に。一月持たなくてな。自分の部屋の風呂に連れ込んで、無理やり髪を洗わせて、ハンジの体を洗ったそうだ。そこからだな。あいつらが、ラブコメ街道を駆けだしたのは」

ラブコメ街道って。まあ、その表現で合っているけどな。

キース「最初はもう、ハンジも凄い抵抗だったな。学校で顔を合せる度にリヴァイから逃げていたし。リヴァイはハンジを追いかけるし。トムとジュリーかと思ったぞ。しょっちゅう追いかけっこしていたからな。ただ、それも半年も過ぎると、やっと落ち着いて、ハンジが『月一サイクルならいいか』と妥協したらしいが。リヴァイは『本当は毎日、やってやりたいが?』とけしかけていたな。その頃になると職員の間でも2人の関係性をなんとなく察するようになったな。だんだん慣れて来て『ああ、またあの馬鹿夫婦か』と思う様になってしまったよ」

と言って遠い目をするキース先生だった。

キース「ただ、当時は本当にまだお互いに付き合っていなかったようだし、リヴァイも着任当時は彼女もいたようだった。しかしだんだん仕事が忙しくなるに連れ、彼女の方の予定に合わせにくくなってしまったようで、自然消滅する事が増えたと、私に一度だけぼやいていた事もあった。教職がこんなに忙しい物だとは思っていなかったようでな。『掛け持ちで肉体労働していた時の方がよほど楽だった』とも言っていた。それでも、リヴァイは真面目だったから、苦手な書類仕事もコツコツこなして、徐々に仕事をこなしていったよ。たまにハンジがそれを手伝っていたりもしたが。ハンジは書類仕事に関しては、さすが研究者を目指していただけあって、とてつもなく早くてね。男性教員が感嘆するほどのスピードで難なくテスト問題も作り上げるし、授業の方は、多少話が長いという欠点はあるが、生徒のウケも悪くなかったから、ハンジもだんだん教職に愛着が沸いてきたようで、少しずつ、2人の距離が近くなっているな、と思っていたんだ」

と、言ってキース先生は一度お茶を注いで飲みながら言った。

オレ達は職員室のソファに向かい合って続きを聞いている。

キース「そしてリヴァイ先生が30歳になる年の12月。2人が旅行に行ってくるという話を聞いてな。ピクシス先生とエルヴィン先生は「よし!」と応援していたが、2人が帰って来てから、「あれ?」とわしは思った。近づいていたものが、少しまた距離が出来たような感じだった。特にリヴァイの方の様子が、少し妙に思えた。『ハンジ先生と実は付き合っているんでしょ?』と生徒にからかわれても以前は『さあな』とか適当に答えていたのに、その旅行を境に『こいつとはそんなんじゃない』ってはっきり否定するようになったからな。わしは旅行先で「何かあったな」とは思っていたが、今思うと、誘って拒否られでもしたんだろうな。そういう雰囲気だった気がする」

キース先生も結構、いろいろ洞察力すげえええ。

さすが教師だな。観察力、ぱねえ。少ない情報でよく分かってるぜ。

261進撃の名無し:2014/08/04(月) 19:29:24 ID:YSQTQJRw0
キース「わしが話せるのはこれくらいかな。少々が長くなってしまってすまない。エピソードは足りるかな?」

アルミン「十分です。足りない部分が完成しました。ありがとうございます」

キース「ふん……ま、せいぜいあの2人をからかって遊んでやろう。わしもいろいろ、げんなりする事が多かったからな」

と、キース先生まで悪い顔をするようになってしまった。

そんな感じで大体、大筋の情報をまとめると、オレ達は演劇部の方に顔を出した。

そしてオレは先に音楽室に来ていたミカサに言ってやった。

リヴァイ先生が言っていたことを。

エレン「ミカサ、やっぱりリヴァイ先生の事、今でも嫌いか?」

ミカサ「うん。嫌い(即答)」

エレン「でも、嫌えば嫌うほど、リヴァイ先生、ミカサに『癒される』らしいから、程ほどにしてくんね?」

ミカサ「ふわっつ?! (青ざめ)」

エレン「なんか、リヴァイ先生、変に天邪鬼なところもあるみたいでさ。ミカサといると『気が楽』なんだそうだ。だから、嫌えば嫌うだけ、リヴァイ先生が和んじまうから、気をつけてくれよ」

ミカサ(ガクブルガクブル)

あ、ミカサが混乱して震えている。はてなマーク飛びまくっているな。

262進撃の名無し:2014/08/04(月) 19:39:17 ID:YSQTQJRw0
ミカサ「い、意味が分からない。嫌えば嫌うほど、癒される? 馬鹿なの? 頭がおかしいの? きっとそうね」

エレン「あ、いや、まあ、その辺は確かに頭おかしいのかもしれんけど。その、リヴァイ先生、人に好かれ過ぎて、それがプレッシャーに感じる時があるみたいでさ。だから、嫌な部分もちゃんを見てくれる人間と一緒にいる方が、気が楽なんじゃねえかって話だよ」

ミカサ「嫌な部分……」

エレン「その気持ちは、分からなくもねえけどな。オレもたまに、ミカサの愛がプレッシャーになる時もあるし」

ミカサ「ガーン……(青ざめ)」

エレン「いや、それが悪いって話じゃねえぞ? 勘違いするなよ? プレッシャーは「あった方がいい」とオレは思ってるし」

ミカサ「そうなの? (涙目)」

エレン「プレッシャーがあるからこそ、格好悪いところ、見せられないって思うだろ。全くないのも男としては問題なんだよ。だから、いいんだ」

ミカサ「そう……(シュン)」

エレン「しょげるなよー。ミカサは逆に、そう思うことねえのか?」

ミカサ「エレンに愛されるプレッシャー? って事?」

エレン「そうそう。そういう感じ。ねえの?」

ミカサ「うーん………あると言えばあるけれど」

と、微妙な顔をするミカサだった。

ミカサ「私の場合はそれが「嬉しい」ので、頑張れる。私はエレンがいれば何でも出来ると思っているので」

エレン「そ、そうなのか」

ミカサ「うん。だから問題ない(どや顔)」

キリッとどや顔を決めるミカサが可愛かった。そうか。そういうものなのか。

やっぱりこういうのって、人それぞれ、感じ方が違うのかな。きっと。

263進撃の名無し:2014/08/04(月) 19:48:24 ID:YSQTQJRw0
ジャン「リヴァイ先生、こっちこねえよな。来ないうちに、準備をこそこそ進めるぞ」

アニ「そうだね。予定が分かればそれがいいけど、来たり来なかったりだから、怖いよね」

アルミン「暫くは大丈夫じゃないかな。なんか忙しそうだったし」

マルコ「それならいいけど。アルミン、大体、話は固まって来た?」

アルミン「うん。大体まとまってきたよ。とりあえず、必要な物から先にピックアップしていくね」

と言ってアルミンは皆に指示を出した。

アルミン「必要なのは、リヴァイ先生側の衣装。講談高校の男子生徒の制服と、金髪のカツラ。あと黒ジャージ。リヴァイ先生の着ている服に似たスーツとスカーフ。水泳用の衣装。これは上から服をはおってもいいと思う。その辺かな」

と言って、メモを頼りに黒板を使って説明した。

アルミン「ハンジ先生側は白衣と眼鏡。あとは……女子大生っぽい衣装と、講談高校の女子の制服だね。制服は新しく作る必要はないから楽だね。女子大生っぽい衣装の選択は、アニに任せてもいい?」

アニ「了解」

264進撃の名無し:2014/08/04(月) 20:04:05 ID:YSQTQJRw0
アルミン「後は……背景セットどうしようかな。何か、ヘリコプターで登場するシーンも必要になりそうだけど」

マーガレット「ヘリコプター……宙づりのワイヤーアクション入れるしかないかもね」

アルミン「あと、3階の窓の外から入ってくるとか。結構、アクション満載になりそうだけど。ミカサ、大丈夫かな」

ミカサ「問題ない(キリッ)」

スカーレット「その辺は、それっぽい演出とカメラワークを使えばいいから。ほら、ドリフのコントみたいにすればいいよ」

アーロン「実際には3階じゃないけど、って奴だな。分かる分かる」

エーレン「あーそういうコント、昔、再放送で観た気がするよ」

アルミン「あと、リヴァイ先生の元ヤン時代を表現するから、殺陣も必要になるね。またエキストラ役で、やられ役の練習する人、必要になるけど」

ジャン「それはもう、前回の侍恋歌で慣れたから問題ねえだろ」

アニ「そうだね。ミカサも格闘シーンは慣れているしね」

ミカサ「うん。大丈夫」

アルミン「ミカサの方は概ね問題ないかな。あるとすれば、エレンがやるハンジ先生の方だね」

エレン「ん?」

アルミン「セクハラシーン、大丈夫?」

エレン「うぐっ……」

そうだった。それがあるんだった。

ミカサ「え? セクハラシーン? 何それ(ゴゴゴ)」

アルミン「後で詳しく話すよ。エレン、今回の劇は、かなーりエレン側がエロいことされるけど、いい? 覚悟決めてくれる?」

エレン「んー」

まあ、もう、頑張るしかねえよな。

エレン「正直、男としては複雑だが、まあ、やってやるさ。しょうがねえよ」

ミカサ「ううう。エレンがセクハラされるの? 私以外の人に? (涙目)」

エレン「しょうがねえだろ。でもその分、ミカサとの人工呼吸のシーンあるから、我慢しろ」

ジャン「じ、人工呼吸だとおおおおおお?!」

アニ「ジャン、うるさい」

ジャン「いや、だってなんだそのエピソード!? そんなの聞いてねえぞ?!」

アルミン「しょうがないじゃん。リヴァイ先生、昔、ハンジ先生を人工呼吸で助けた事あるって他の先生から聞いてきたんだし」

ジャン「マジかよ……OH……(頭抱える)」

アルミン「他にもいろいろ、ツッコミどころ満載のラブコメになりそうだけど。まあ、出来るだけ面白おかしく、台本書き上げるから。頑張ろうか、みんな」

一同「「「「おー!」」」」

という訳で、オレ達はまた、新しい舞台に向けてのスタートを切った。

ジャンはまだ落ち込んでいたけど、恨むならリヴァイ先生を恨んでくれ。

オレとミカサは再現するだけだ。2人の愛の物語をな。

265進撃の名無し:2014/08/04(月) 20:07:37 ID:YSQTQJRw0
ミカサ「ううう……」

エレン「ミカサ、アルミンの台本が出来るまで、涙は無しだ」

ミカサ「そうね。泣いてはいけない。頑張る(キリッ)」

エレン「よしよし」

と、宥めながらオレ達は準備を開始した。

文化祭の時よりは焦らなくていいのがいいな。じっくり取り組める。

エロシーンは少しだけ不安もあったけど、まあ、なんとかするしかねえな。

そんな風に思いながら、オレはクリスマスまでの日を楽しみにしていたのだった。

266進撃の名無し:2014/08/04(月) 20:09:00 ID:YSQTQJRw0
今日はここまでです。長くなりそうです。すみません。ではまたノシ

267進撃の名無し:2014/08/05(火) 13:17:18 ID:o50/jKL60








11月7日。金曜日。最近、忙しかった親父がやっと、その日の夜、少し時間を作ってくれたので早速、オレとミカサはリビングで家族会議を行う事にした。

この会議の主導権はミカサに任せた。ミカサから切り出さないと恐らく親父を説得できないと思ったからだ。

グリシャ「うん。誓約書について、確認したい事があるって?」

ミカサ「はい…」

グリシャ「具体的には? どの部分が気になるのかな?」

ミカサ「誓約書の内容そのものが、変だと思って……」

グリシャ「ふむ」

ミカサ「接触する側、つまり『エレン』からの接触は禁止しているのに『私』の方からの接触を禁止しているのは、何故ですか?」

グリシャ「ああ、記載ミスしていたようだね。御免御免。じゃあ、付け加えて禁止事項を増やそうか」

ミカサ「嫌です。私は、その誓約には同意出来ない……ので」

グリシャ「ふむ?」

ミカサ「この誓約書は『未成年のうちに子供を作らないように予防する為』にかわしたものだと思っています。でも、その場合『あるルール』を守りさえすれば、その事態は防ぐことが出来ると思います」

グリシャ「うん。何か案があるのかな?」

ミカサ「はい。一つは私の生理の周期をきちんと把握する事。もう一つは、その上で妊娠しやすい時期にはセックスを行わない事。勿論、行う際は避妊具も使う事。これを守りさえすれば、私はエレンと、そういう関係になっても構わないと思っています」

グリシャ「…………ミカサの方にも覚悟があるというんだね」

ミカサ「はい。決して私は、エレンに流されて付き合っている訳ではない……ので」

グリシャ「………そうか」

親父は少しだけ笑っていた。安心してくれたようだ。

グリシャ「ミカサがそう思っているのなら、安心だ。でも、決して軽はずみな行動はしちゃダメだよ?」

ミカサ「はい」

グリシャ「では、誓約書に新しい項目を付け加えてもいいかな?」

と、いう訳でオレ達は新しい文面を付け加える事になった。



ミカサ側が許可した場合は、性交渉をしても良いがその際は必ず、避妊具を使用し、妊娠を避ける事。

加えて、危険日と思われる日は必ず避ける事。ミカサは生理周期を必ず把握する事。



グリシャ「これでいいかな? 約束を守れるか?」

ミカサ「はい。約束します」

グリシャ「なら良かった。ほっとしたよ。謎かけを、解いてくれて」

ミカサの母「うふふふ……本当はもっと早く教えてあげたかったんだけどね。自分達で気づくまではダメだって、口止めされていたのよ。ごめんね。ミカサ」

ミカサ「ううん。いいの。大丈夫」

エレン「親父、ありがとう」

グリシャ「うん。君達2人の様子を見ていれば、今のところ順調にきているのは分かっていたからね。そろそろかな、とは思っていたけれど」

エレン「そっか……」

268進撃の名無し:2014/08/05(火) 13:21:49 ID:o50/jKL60
>>267
訂正
ミカサ「接触する側、つまり『エレン』からの接触は禁止しているのに『私』の方からの接触を禁止していないのは、何故ですか?」

文章間違えた。禁止していない、です。

269進撃の名無し:2014/08/05(火) 13:39:57 ID:o50/jKL60
グリシャ「何故、こういう形で誓約書を書かせたか、その理由をもう少し詳しく説明してあげよう」

と、言って親父が話を続けた。

グリシャ「10代の頃は男側の性欲が強すぎて、女側がそれに合わせて応えて、望まない妊娠をさせられたり、擦過傷を負ったり、精神的に傷ついて病んでしまうケースもある。こういう行為は、やはり「女」側のリスクの方が大きい。ミカサは優しい子だから、エレンの我儘にうっかり付き合ってしまっている可能性も捨てきれなかった。だから、ミカサの方から望まない場合は、そういう行為をさせちゃいけないと思ったんだよ」

ミカサ「大丈夫です。むしろ、私の方が、その……あの……(赤面)」

ミカサの母「あらあら。やる気満々ねえ、ミカサ(ニヤニヤ)」

エレン(赤面)

確かにミカサはこっちがびっくりするくらい積極的な時、あるよな。

グリシャ「うん。ミカサもちゃんと、エレンを好きでいてくれているようだ。安心したよ。でも、あんまり事を急いじゃダメだよ? ミカサが誘惑し過ぎたら、エレンの理性なんてあっという間に吹っ飛んじゃうからね」

ミカサ「エレンが誘惑してくる時は、どうすれば?」

グリシャ「え?」

エレン「ゆ、誘惑なんてしてねえよ! 馬鹿!」

ミカサ「熱っぽい視線で見つめられると、つい……」

グリシャ「エレン、視姦も禁止事項に入れようか?」

エレン「無茶苦茶言うなよ!! 親父!」

グリシャ「まあ、それは冗談だが。うん。2人の関係が良好であるなら安心だ。このまま順調に交際を続けていきなさい」

エレン「お、おう……」

なんか恥ずかしい。応援してくれるようになったから、こっちも有難いけど。

270進撃の名無し:2014/08/05(火) 13:57:25 ID:o50/jKL60
グリシャ「避妊具なら、父さんが持ってるから必要な分は先に後で渡しておくよ。もし万が一、アレルギー反応が出たらいいなさい。たまに肌に合わなくて肌荒れや痒みを起こす子もいるからね」

エレン「え? そういう事もあんの?」

グリシャ「安物のコンドームだと、たまにあるよ。肌に合わなくて湿疹が出たり。そういうのは、別にコンドームに限った事じゃないけどね」

へえええええ。マジか。そういう物なのか。

………っていうか、自分で買わなくていいのかな? こういうのって。

エレン「あの、親父…」

グリシャ「ん?」

エレン「そういうのって、自分で買わなくていいのかな」

グリシャ「ああ……まあ、自分で買ってきてもいいよ。別に。買いにいける勇気があるならね(ニヤリ)」

エレン「うぐっ…!」

そっか。レジで恥ずかしい思いをする事になるのか。だったら親父に甘えた方がいいのかな。

グリシャ「ああ、もしかして、サイズの問題も気にしているのか? その辺はよほどのサイズ差がない限りは大丈夫だと思うけど?」

エレン「親父!!! それ以上、言わないでくれ!! ミカサ、真っ赤になってるだろうが!!」

親父も親父でエロ親父だな本当にもう!!

グリシャ「御免御免。これ以上は、男だけの時に話そうか。エレン。じゃ、今日の会議はこの辺でお終いにしよう」

という訳で、2人の関係は一歩、前進した訳だから、とりあえず、ほっとした。

けどまあ、むしろここからが本当のスタートだよな。

まだ、ミカサの生理周期を把握した訳じゃないし、いつ、どこで最初にそれをするべきかも、後で考えないと。

ミカサ「…………(まだ顔赤い)」

エレン「ミカサ、その、なんだ」

ミカサ「ん?」

エレン「その、準備が出来たら、その、あの……」

ミカサ「うん。もう少し待って欲しい」

エレン「ああ、待つけどさ。その………最初は、どこでやりたい?」

ミカサ「何処で? エレンの部屋じゃないの?」

エレン「オレの部屋でいいのか?」

ミカサ「もしくは、私の部屋。別にラブホテルでやる必要性はない」

エレン「うううーーーーーん……そっかあ」

でも、リヴァイ先生達はスイートルームにわざわざ泊まってやったんだよなあ。

さすがにスイートは無理だけど。最初くらいはこう、何か、記念になるような場所じゃなくていいのかな。

学生だから、無理は出来ないけど。でも、その。

思い浮かんでいるのは、あの夏に泊まった旅館の事。

出来るんだったら、もう1度あの旅館に泊まって、あの日の続きをしてみたい。

そう、思う自分もいるんだが……。

271進撃の名無し:2014/08/05(火) 14:11:32 ID:o50/jKL60
ミカサ「?」

まあいいや。ミカサがそれでいいって言ってるから、ミカサに合わせよう。

こういうのって、女の希望を優先した方がいいよな。きっと。

デート先だってそう、リヴァイ先生が言っていた訳だし。

セックスで女に負担をかける以上、それくらいの事は譲歩してやんねえとな。

ミカサ「何か問題があるの?」

エレン「いや、問題はねえよ。うん。ミカサの希望を優先するか」

ミカサ「え? エレンは別の場所がいいの? ラブホテルの方がいいの?」

エレン「いや、そういうんじゃねえよ。うん。大丈夫」

ミカサ「エレンが他に希望する場所があるなら、そっちを優先して欲しい」

エレン「えええええ……」

ミカサ「そ、外とかでも、別に全然、平気なので……(ポポポ)」

うおおおおおい! そんな事言うなよ!! その、元気になっちまうだろうが!!

エレン「馬鹿!! そんなんじゃねえから! もう、寝るぞ! オレは先に寝る!」

ああもう恥ずかしい。階段を先に上がって自分の部屋に逃げた。

ミカサ「エレンーおやすみのキスは……(シュン)」

ふすまの外から抗議の声が聞こえたので、慌ててふすまを開ける。

エレン「そうだった。悪い。じゃあ、おやすみ………」


チュッ……


ミカサ「………今日は舌を入れないの?」

エレン「ミカサ、積極的なのは有難いが、もうちょっと自重しろ。親父も言っただろ? 軽はずみな事はするなって」

ミカサ「ぷー」

エレン「膨れるなよ。最近、もう、発情し過ぎだぞ! オレ達!」

ミカサ「思春期なので仕方がない(キリッ)」

エレン「まあそうだけどさー。とにかく、今日はここまでだ。おやすみ」

ミカサ「おやすみなさい……(シュン)」

ふーやれやれ。ミカサが可愛いのはいいんだけど。

ミカサの誘惑テクニックがどんどん、スキルアップしているからこっちも困る。

272進撃の名無し:2014/08/05(火) 14:30:40 ID:o50/jKL60
寝る前には抜いて、処理を済ませてから寝る。

今は夢の中でしかミカサとエッチな事が出来ないけど。

いつか来る、近いうちにやってくるその、えへへな日を夢見て、オレは無理やり両目を閉じて寝るのだった。






11月8日。土曜日。

その日の放課後、リヴァイ先生が演劇部の部活動の方に顔を出してきたので、皆慌てて、練習風景を隠した。

そして「ダミー」の演劇をする。偽の台本を利用して騙す作戦だ。ちなみにエルヴィン先生の指示である。

しかしその日のリヴァイ先生は、練習を止めて皆を集めてから言った。

リヴァイ「すまん。今度の第四日曜日、暇な奴、いるか?」

エレン「第四日曜日って言ったら、体操部のお休みの日ですよね」

リヴァイ「そうだ。11月23日だな。その日にその……引っ越し先の掃除をしに行くから、手空いている奴がいれば手伝って欲しい。勿論、後でバイト代は出すから」

ジャン「いや、バイト代なんて要らないですよ。リヴァイ先生には世話になってるし、普通に手伝いに行きますよ」

エレン「だよな。そのくらい、別にいいですよ」

リヴァイ「そ、そうか? じゃあ、昼飯くらいはこっちで用意するか」

エレン「新居は決まったんですか?」

リヴァイ「ああ。ハンジがどうしても『ここがいい!!! ここにしよう!!!』と興奮して決めた物件があってな。もうそこにする事にした」

エレン「へー場所はどの辺ですか?」

273進撃の名無し:2014/08/05(火) 14:46:17 ID:o50/jKL60
リヴァイ「職員用のマンションから歩いて5分もない場所に、古い貸家があってな。昭和チックな平屋の家ではあったんだが、間取りがその……栄螺(サザエ)さんの家と似ているから、そこにする事にした」

エレン「ええええ?! 似たような家が実際にあったんですか?」

リヴァイ「ああ。俺も驚いたけどな。確認したら、かなり酷似していた。違うのは、栄螺さんと鱒男(ますお)さんの部屋がないだけで、そこは駐車場のスペースになっているくらいか。それ以外は本当に同じだった。ただ、建築したのが相当前のようでな。一応、リフォームはしてあったようだが、それでも掃除を一通りしてからでないと引っ越しは出来ない感じだったから、休みの日に一気にやってしまおうと思ってな」

エレン「へええええ」

そうなのか。そういう偶然ってあるんだなあ。

リヴァイ「6帖の畳の部屋が1つ、8帖の畳の部屋が3つ。台所も6帖くらいだったかな。広縁は長くて、走れるくらいある。便所が和式なのが難点くらいか。日当たりもいいし、庭も少しあったから、物件としては上等だと思う。平屋だからペットも飼えるし、猫でも飼おうかと思っている」

ジャン「猫、好きなんですか?」

リヴァイ「犬も好きだな。まあ、ハンジは爬虫類系の方が好きなんだが。あいつ、蛇でも平気で触るし、多少猛獣でも平気で触ろうとするからな」

ジャン「す、凄いですね。猛獣って、虎とかですか?」

リヴァイ「ああ。そうだな。動物園に行くとテンション上がり過ぎてやばくなる。ただ、さすがに虎を飼うのは難しいからな。猫で妥協させよう」

と、リヴァイ先生が「ふん」と笑っていた。

274進撃の名無し:2014/08/05(火) 14:53:20 ID:o50/jKL60
リヴァイ「その日は休みだから、来れる奴だけ来てもらえると助かる。無理はいわない。ただ、来てくれるのであれば、寿司でも頼んで振る舞ってやろう」

アニ「……寿司奢ってくれるんですか? (ガタッ)」

リヴァイ「ああ。出前取ればいい。来れるか?」

アニ「行きましょう(キリッ)」

あ、アニが寿司で食いついた。いいんだそれで。

アルミン「うん。寿司食べられるなら行こうかな。僕も」

ジャン「報酬としては上等ですよ」

マルコ「うん。お寿司は食べたいね」

マーガレット「本当にいいんですか? かえって掃除業者に頼んだ方が安上がりなんじゃ」

リヴァイ「業者に頼んでもいいが、やはり自分の住む家くらいは自分で掃除したいんだよ。お前らには庭掃除の方を頼みたい。草むしりとかな。部屋の中は自分でやるから大丈夫だ」

ミカサ「………お寿司か」

あ、ミカサが迷っているな。これは。

275進撃の名無し:2014/08/05(火) 15:01:59 ID:o50/jKL60
エレン「ミカサ、行かないのか?」

ミカサ「エレンは行くの?」

エレン「ああ、行くぜ。草むしりして寿司食えるなら、お釣りがくるぜ?」

ミカサ「うううう……」

迷っているな。リヴァイ先生の手助けなんかしたくないけど、寿司は食べたいんだろうな。

エレン「無理には言わないけどな。でも、アニも来るんだよな?」

アニ「絶対行く(キリッ)」

エレン「アニも来るんだから、ミカサも来いよ」

ミカサ「……分かった。アニも行くなら行く」

アニ「腹いっぱい、ご馳走になろうよ。ミカサ。金を吐き出させよう」

ミカサ「そうね。そうしよう(キラーン☆)」

アニ「……サシャも誘ってみる?」

ミカサ「! それはいいかもしれない(ニヤニヤ)」

おーい! 部外者連れて来ていいんか?

アニ「リヴァイ先生、友達も連れて来ていいですか?」

リヴァイ「ん? 暇な奴がいるのか?」

アニ「寿司が食べられるなら、絶対来てくれる子が一人います」

リヴァイ「そうか。別に構わんぞ。連れてきても」

あっちゃー! OK出したな。しらねーぞー。

ジャン「サシャ、連れてきたらやばくないか?」

アニ「しっ! ジャン、黙って」

ミカサ「黙って」

ジャン「………(オレもしらねー)」

あージャンもオレと同じ事思ったようだな。

276進撃の名無し:2014/08/05(火) 15:21:58 ID:o50/jKL60
そんな訳で、サシャにその事をメールですぐ伝えたら、1分もしないうちに返事がきたらしい。

『何時からですか? 軍手は持参ですか? 丸1日予定空けますので、絶対行きます!!!』

という気合の入った返事が来たそうで、サシャも参加が決定した。

エレン「実際に引っ越しするのはいつ頃にされるんですか?」

リヴァイ「んー……12月に入ったら次は期末テストの準備に追われるから、11月中には何とか終わらせたいとは思っている。ただ引っ越しって言っても、場所がすぐ近くだからそんなに苦労はしないだろう。ハンジの荷物をまとめるのが少し大変なくらいか。俺自身の私物はそう多くはないし、家電は自分のをそのまま使うが、本とか服とかは、これを機会にある程度、処分するつもりでいる」

エレン「え? 服を捨てちゃうんですか」

リヴァイ「ハンジの私服はもう、大分摩耗しているからな。古着としても売れないし、雑巾に回せるような物はとっておくが、それ以外は処分するつもりでいる。ハンジは服が破れてもそのまま着続ける程、節約家だったからな。さすがにそろそろ新しい服を用意してやらんといかん」

エレン「へー。自分の好みで服を一新しちゃうんですね(ニヤニヤ)」

リヴァイ「あ、ああ……まあそうなるな。何だ? 何か変か?」

エレン「いえいえ。別にいいんじゃないんですか? ハンジ先生、嫌がってないですし」

アニ「ただ、普通ではないですよね。私はそういうのは、苦手かな」

アルミン「まあね。自分の服くらいは自分で決めたいよね」

マーガレット「そうですね。普通ではない、ですね」

スカーレット「普通だったら『キモイ』って思われますよね」

リヴァイ「え……? (顔面蒼白)」

おや? 自覚なかったんか。すげえ顔しているぞ。リヴァイ先生。

277進撃の名無し:2014/08/05(火) 15:30:19 ID:o50/jKL60
リヴァイ「き、キモイのか……?」

アニ「あー髪型もメイクも私服のコーディーネートも全部、やってるんですよね? それって、ハンジ先生だから受け入れているんであって、他の女だったらきっと、途中でキレると思いますよ」

スカーレット「言えてる。私は絶対、無理だ。そこまで独占欲強いのは引く」

アニ「服装までなら、まだ妥協出来ても、他のも全部って言うのは、ね。さすがに息苦しいと感じますよ」

マーガレット「確かに……ハンジ先生が究極の面倒臭がり屋だったから良かったものの、普通、それが分かったら、女は逃げるかもしれないですね」

リヴァイ「え……そ、そういうもんか(ガーン)」

うわあ。女性陣がフルボッコしているぞ。可哀想に。

ミカサ「…………私は、まあ、エレンなら別にいいけど。クソちびに決められたら、殴り返すかも」

エレン「おいおい」

ミカサは大丈夫なのか。へー。

まあ、オレもそこまで強いこだわりはねえから、オレが決めるって事はしなくてもいいけどな。

ミカサが迷っている時くらいかな。そういう時は、自分の趣味を出すけど。

278進撃の名無し:2014/08/05(火) 15:41:55 ID:o50/jKL60
リヴァイ「…………(*凹んでいる)」

エレン「でもまあ、良かったじゃないですか。ハンジ先生は喜んでいましたよ。授業中、惚気るくらいだし」

リヴァイ「え?」

エレン「すっごく、嬉しそうでした。『全自動リヴァイ』とか何とか言ってたし。気に入っているようでしたから、問題はないですよ」

リヴァイ「ハンジが、喜んでいたのか?」

エレン「ええ、そうですよ? え? 知らなかったんですか?」

リヴァイ「ああ。あいつ、別に喜んでいる風じゃなかった。『んもーしょうがないなー』って感じで、いつも渋々だったからな。まあ、俺はそれでもハンジに好き勝手やっていた訳だが」

その直後、リヴァイ先生、顔を真っ赤に染めたんだ。

リヴァイ「そうか。あいつ、実は喜んでいたのか。そうか……そうか」

あーもう! 新婚さんはこれだから!!!

ジャンが物凄い冷めた目で見ている。気持ちは分からんでもない。

リヴァイ「だったら、遠慮しなくてもいいか。次はあいつの………」

いかん。だからと言ってエスカレートしていいってもんでもない。

エレン「あーリヴァイ先生、その辺でストップかけましょう。何でもやり過ぎるとダメですよ」

リヴァイ「うっ……それもそうだな。すまん。俺もつい、調子に乗った」

と、言って自重するリヴァイ先生だった。

そんな訳で、その日はリヴァイ先生の惚気も聞きながら、部活が終わった。

部活動をしながら、勉強も頑張る。以前より真剣に聞いて、予習復習も欠かさずやるようにしたら、だんだん勉強が楽しくなって気がする。

今度の期末テストで順位を上げたいから。部活だけじゃなく、勉強にも力を入れる事にした。

そのせいで、ゲームする時間があんまり取れないのが残念だけど仕方がない。

この間買った、SAGA3もちょっとしか進めてない。ま、RPGだから1年くらいかけてのんびりやってもいいけどな。

279進撃の名無し:2014/08/05(火) 16:03:45 ID:o50/jKL60
ミカサ「エレン、今日も勉強している……」

エレン「あ? 何だ? 何か用事か?」

夜、勉強していたら、ミカサが部屋に入って来た。

ミカサ「いえ、最近、あまりゲームをしていないようだったので、つい気になって」

エレン「進路、真剣に考えるなら、あんまり遊びほうける訳にもいかねえよ。全くやってない訳じゃないけど。自分の成績、せめてマルコと同じくらいまで引き上げないと、入れる医学部がないと思うんだ」

ミカサ「そう……」

エレン「オレの場合、やっぱり数学がネックなんだよな。医学系は理系だけど。理系の苦手意識を克服しねえとどうにもならん。こいつをどうにかしない事には、先に進む事も出来ねえよ」

ミカサ「そう……」

エレン「ん? 何だ? 何か、元気ねえな。ミカサ」

ミカサ「いえ、その……あの」

エレン「ん?」

ミカサ「頑張るのはいいけれど、あまり根を詰めないで欲しい。エレンの体が一番大事なので」

エレン「ああ、その点は大丈夫だ。ちゃんと無理しない程度にやってる」

ミカサ「そう……」

エレン「ん? どうしたんだよ。さっきから。何か変だぞ」

ミカサ「いえ、その……」

そしてミカサは、言ったんだ。

ミカサ「さ、寂しいって、つい……」

エレン「え?」

ミカサ「目標に向けて頑張る姿を見て、『頑張れ』と思う反面、『寂しい』って気持ちも出てしまって……」

あ、やっべえええええ!!!

そう言えば占いにも「彼女にかまってやらないと」みたいな事、言ってたな。

放置し過ぎたらダメって事だな。よし。だったら。

エレン「なら、数学教えてくれ。ミカサも一緒に勉強するぞ」

ミカサ「いいの?」

エレン「やっぱり一人で勉強するのは限界あるからな。頼むよ」

ミカサ「うん!」

あ、元気になった。よしよし。

オレも気をつけねえとな。ミカサの為に頑張るけど、そのせいでミカサを悲しませちゃいけねえし。

そんな訳で11月は部活と勉強をうまく両立した月になり、いい感じに勉強も進んだ。

期末テストでどれくらい順位上がるか分かんねえけど。少なくとも下がる事は無さそうな気がする。

そして迎えた11月23日。あっという間に当日が訪れた。

280進撃の名無し:2014/08/05(火) 16:06:11 ID:o50/jKL60
お掃除リヴァイは次回に回します。今日はここまでです。ではまたノシ

281進撃の名無し:2014/08/05(火) 16:40:41 ID:wuoVDYSk0
発情期の犬みたいでミカサ可愛い本当かわいい…結婚…結婚してくれ….

282進撃の名無し:2014/08/05(火) 17:39:05 ID:cdEUdb3oO

ミカサが小悪魔ならリヴァイが魔王だな

283進撃の名無し:2014/08/05(火) 19:34:12 ID:0SNHlKZQ0
リア充に対するジャンの反応がいちいち楽しい

284進撃の名無し:2014/08/06(水) 00:21:01 ID:nX1JzykI0
朝の7時にリヴァイ先生のいる職員マンションの前に全員集合して、ゾロゾロ歩いて新居に移動する事になった。

メンバーは、オレとアルミン、ジャン、マルコ、ミカサ、アニ、マーガレット、スカーレット、アーロン、エーレン先輩達、加えて3年の四人全員だった。

ガーネット先輩は衣装の方でまだ仕事が残っているので今回はお休みだ。カジ達もちょっと用事があるらしくて来られないという事だった。

ニファ先輩も来ていた。体操部のメンバーも数人、来られる人だけ来ているようだ。

ハンジ「皆、ありがとうね! 人手があると助かるよ!!」

エルヴィン先生もピクシス先生も来ていた。凄い人数だな。団体様って感じだ。

皆でわいわい移動して、新居を訪ねる。

玄関がすげえ広かった! 横に開くタイプの玄関を開けると、何だか懐かしい匂いがした。

畳の匂いかな。田舎の匂いって感じだ。

サシャ「ん? ちょっとカビ臭いですね(くんくん)」

リヴァイ「ああ。古い建物だからな。多少はカビもあるだろう」

サシャ「私達は、草むしりをすればいいんでしたよね?」

リヴァイ「ああ。庭の方に案内するよ。こっちだ」

玄関を一旦出て、庭の方に移動すると、そこには……

おおおおおお。これは確かに人数がいるな。草ボーボーだ。

荒れた庭を目の前にしてサシャは「ううーん。手ごわそうですね」と呟いた。

リヴァイ「だろ? 放置していた物件だったからな。草がかなり生えている。人海戦術でどんどん草を毟ってくれ。根から掘らないとまたすぐ生えてくるから、スコップはこっちで用意している。皆、これを使ってある程度、土を掘っていいから草を撤去してくれ」

という指示だったので、大中小のスコップをそれぞれ借りて早速、皆で草むしりをする事になった。

285進撃の名無し:2014/08/06(水) 00:33:40 ID:nX1JzykI0
なんかやる事は学校の清掃活動みたいなもんだな。

小学校、中学校時代、校内の草毟りはよくやらされたもんだぜ。

リヴァイ先生は口と頭を布巾でおさえて、早速中の掃除に入るようだ。

ハンジ先生は庭でダンゴムシを見つけてちょっと興奮している。いいのか? 手伝わなくて。

リヴァイ「ハンジ! 遊んでいるんじゃない! お前も中の掃除を手伝え!」

ハンジ「あ、はいはい! めんご!」

と、我に返って中に入るハンジ先生を複雑そうな顔で見つめるペトラ先輩だった。

やっぱり目の前で見ると辛いんだろうな。でも、それでもお手伝いに来るんだから、すげえよな。

ペトラ先輩はニファ先輩と一緒に草毟りを始めた。オルオ先輩とは少し距離を置いているようだ。

目が合う度に、気まずそうに逸らしている。お互いに。まだ仲直りしてねえのかな。

サシャ「うおおおおお?! 土を掘っていたら、じゃがいも出てきましたよ?! 堀り忘れでしょうか?!」

ジャン「馬鹿! いつのじゃがいもか分からんのに! 捨てろ!」

サシャ「食えるかもしれないじゃないですか!」

ジャン「腹に当たったらどーすんだ?! 馬鹿! 芋女!!」

と、向こうは向こうで仲良さそうだ。ナンダカンダでジャン、サシャの世話する事多いよな。

アニ「ふん! ふん! (むしりむしり)」

アルミン「アニ、超ペース早いね。飛ばすと後で疲れるよ?」

アニ「大丈夫。こういうのは結構、得意だから」

寿司パワーでやる気に満ちているアニが可愛らしい。あいつ、現金なところあるんだな。

286進撃の名無し:2014/08/06(水) 00:41:20 ID:nX1JzykI0
マルコ「あ、蚊に食われたかも……腕が痒い……」

ミカサ「虫よけスプレー、あるけど使う?」

マルコ「いいの? じゃあお願いしようかな」

あ、そう言えばオレもスプレーかけるの忘れていたな。

エレン「ミカサ、オレも頼む」

ミカサ「了解(プシュー)」

こういうところ、ミカサらしいよな。やっぱり園芸が趣味なだけある。

腰の高さくらいまである雑草などを撤去していったから、結構大変だったけど、皆でやれば割とサクサク進んだので、思っていたよりは時間をかけずに大体の作業を終えられた。

草が無くなると、庭の広さが一層良く分かった。いい物件だな。

午前中で庭の作業を終えて、12時になると出前がやってきた。本当に寿司の出前、頼んでくれたんだな。

ハンジ「休憩しようかー皆、1回作業やめて、うちにおいでー」

というハンジ先生の合図で皆、「やったー」と言ってうちの中にお邪魔した。

まだ飯台とかはないけど。畳の上に直接、寿司を広げて皆で頂く事にした。

うめええええ。肉体労働した後の飯は、本当にうめええええ!

サシャが掃除機みたいな勢いで寿司食ってる。まずい。あいつに取られる前に食わないと!

287進撃の名無し:2014/08/06(水) 00:55:28 ID:nX1JzykI0
リヴァイ「思っていたより足りないようだな。追加でピザも頼むか」

サシャ「ピザあああああ?! (涎)」

リヴァイ「5枚くらいでイイか?」

サシャ「何枚でもOKです!」

という訳で寿司だけじゃなくて、ピザまで追加注文してくれた。本当、サービスいいよな。

エレン「金、大丈夫ですか? サシャ、大食いですよ?」

リヴァイ「ああ。心配するな。足りない時はエルヴィンに借りる」

エルヴィン「おっと、あてにされたようだ」

クスクス笑っているけど嬉しそうなエルヴィン先生だった。

リヴァイ「さて。部屋の中の掃除も大体済んだし、後は何をするか」

ハンジ「午後から荷物、ぼちぼち入れちゃう?」

リヴァイ「あーそうだな。やれる事は、今日のうちにやってしまうか。ハンジの本とか私服は先にこっちに移動させてもいいよな」

ハンジ「うん。いいよー。あ、でも、本棚の位置まだ決めてないや。そっち先に決めていい?」

リヴァイ「ああ、分かった。家具類の配置、先に決めるか」

と、言いながら図面を元に計画を立てる2人だった。

ハンジ「リヴァイは自分の部屋を何処にする?」

リヴァイ「別に何処でもいい。ハンジはどこを使うんだ?」

ハンジ「私の場合、書斎と夫婦部屋は分けて使いたいんだよね。鰹(かつお)君の部屋に本と机をまとめてしまってもいい?」

リヴァイ「日当たりは1番悪い部屋だが、いいのか?」

ハンジ「うん。本が焼けない方がいいかな。それに北側の光が入るから大丈夫だよ」

288進撃の名無し:2014/08/06(水) 01:12:33 ID:nX1JzykI0
リヴァイ「分かった。ではそこをハンジの書斎部屋にするか。オレの部屋は…その隣の部屋でいいか」

ハンジ「居間を使うの? でもそこは押入れがないよ」

リヴァイ「あ、それもそうか。ではその南側でいいか」

ハンジ「じゃあその隣がリヴァイの書斎だね」

リヴァイ「いや、俺の場合は書斎部屋は必要ない。夫婦部屋で事足りるだろ」

ハンジ「あ、そうなの? んじゃ書斎は私の分だけでいいんだ」

リヴァイ「むしろ俺の場合は台所の方が自分の部屋みたいになるだろうな」

ハンジ「だったら、床の間のある方を夫婦部屋にした方がいいんじゃない? 台所からの動線考えるとそっちが近いよ?」

リヴァイ「しかしそうなると、ハンジが仕事中の時、遠く離れ過ぎているような…」

ハンジ「同じ家の中だから、歩けばすぐ会えるでしょ!」

リヴァイ「そうか。すまん……」

リヴァイ先生、寂しがり屋なのかよ!

リヴァイ「………やっぱり、居間にベッドを置かないか? その方がハンジの書斎に近いし、台所からも近いだろ」

ハンジ「えええ。折角の畳なのにベッド置くのー? 絨毯敷いて、その上に置くの?」

リヴァイ「別に出来なくはないだろ」

ハンジ「…………やけにベッドを推すね? 何か企んでない?」

リヴァイ「んんー……別に何も企んじゃいないが」

ハンジ「何か怪しいなあ。こっち見て言ってよー」

怪しい。確かに怪しい。

289進撃の名無し:2014/08/06(水) 01:25:01 ID:nX1JzykI0
エルヴィン「ベッドの方がいろいろ都合がいいだけだよ。男の都合って奴だよ」

と、その時、エルヴィン先生が余計な事を言ったから、リヴァイ先生が睨んだ。

リヴァイ「エルヴィン! しっ!」

ハンジ「えええ? そうなの? んもうーしょうがないなあ。でもご飯食べる時、居間を使わないの? 台所で食べるの?」

リヴァイ「これだけのスペースがあれば、わざわざ居間で食べる必要はない。台所にテーブル置いてそこで食べても大丈夫だろ」

ハンジ「そうかなー? 狭くない? ギリギリな気がするけど」

リヴァイ「気になるなら、床の間のある方を居間の代わりにすればいい。動線的には問題ない」

ハンジ「んーじゃ、ちょっと変則的になるけどそうしよっか。客間は誰かが泊まりに来た時の為に空けておこうか」

エルヴィン「一番日当たりのいい場所なのに。そっちを空けちゃうんだ」

リヴァイ「エルヴィンが泊まりに来た時にそこで寝ればいいだろ」

エルヴィン「リヴァイ……(じーん)」

リヴァイ「喜ぶんじゃない。同居の件は承諾出来ないが、まあ、たまに泊まりに来るくらいなら、別に構わん」

エルヴィン「うん。ありがとう。嬉しいよ」

ピクシス「大体、方針は固まったようじゃの」

ハンジ「はい。後はぼちぼち私物を先に入れていく感じですねー」

と、ハンジ先生がスケジュール帖に何やらメモをしていた。

290進撃の名無し:2014/08/06(水) 01:42:01 ID:nX1JzykI0
ハンジ「……よく考えたらベッド、リヴァイのと私のシングルを隣同士くっつけたら問題ないんじゃない? 新しく買う必要なくない?」

リヴァイ「いや、真ん中が凹むだろ。それは気持ち悪いから嫌だ」

ハンジ「そう? じゃあくっつけて改造しちゃえば? 私、大工仕事するよ?」

リヴァイ「お前はどうしてそう、ケチケチするんだ。買いなおす必要があるなら金を出すとあれ程……」

ハンジ「だって、その……リヴァイにばっかり、お金出させるのも、ねえ?」

リヴァイ「むしろ出させて欲しいんだが?」

ハンジ「やだよー。私も一応、働いているから金はあるけど。貯金は2000万くらいしかないんだよね」

リヴァイ「充分だろ。それだけあれば。2人合わせたら1億いくじゃないか」

ハンジ「そうだけどさ。私、出来ればそういう事に金を使いたくないんだよね。節約できるところは節約したい派なのよ」

リヴァイ「はー……(ため息)」

ピクシス「良い嫁じゃないか。浪費家の嫁よりいいと思うがの」

リヴァイ「いや、しかし……」

ピクシス「まあ、遠慮する女だからこそ、してやりたい気持ちは男としては分かるがの。引くべきところは引くのが夫婦生活のコツじゃよ?」

と、したり顔をするピクシス先生だった。

リヴァイ「………ベッドの高さが合わない場合はどう改造するんだ?」

ハンジ「んーDIYのお店の人に相談すれば何とかなるんじゃない? 心配しなくても大丈夫だよきっと」

291進撃の名無し:2014/08/06(水) 01:52:27 ID:nX1JzykI0
リヴァイ「仕方がないな。分かった。ただ、店の人が『改造は無理だ』と判断した場合は、ベッドを買いなおすからな。それでいいな?」

ハンジ「了解しました! (ビシッ)」

リヴァイ「後は、和室の上に敷く絨毯を新調する必要性が出てきたな。買いに行くか」

ハンジ「待って。誰か要らない絨毯、持ってないかな? 貰えるなら貰っちゃおうよ」

リヴァイ「おいおい、そこまで人に甘えるのは……」

ニファ「ああ、ありますよ。使っていない絨毯なら」

と、其の時、ニファ先輩が口を出した。

ニファ「もし良ければ差し上げます。使っていいですよ」

リヴァイ「いいのか?」

ニファ「はい。絨毯って、捨てるのは重いし、使わなくなると、ついつい収納の肥やしになるんですよね」

その気持ち分かる。オレも捨てるの面倒臭くて押入れに仕舞っていたからな。

買い替えた時とか、前使っていた絨毯、捨てるのは面倒だしな。

ニファ「私の場合、模様替えで色変えたくて買いなおしただけなので、物は悪くない筈ですよ」

リヴァイ「そうか。すまないな」

ニファ「いえいえ。利用出来る場所がある方がいいですよ」

という訳で、またもや新調する機会を失うリヴァイ先生だった。

嬉しいけど複雑そうな顔だな。

292進撃の名無し:2014/08/06(水) 02:12:32 ID:nX1JzykI0
リヴァイ「後はぼちぼちハンジの私服から入れていくか。あ、でも収納場所がクローゼットはないから、タンスが必要になるな」

ハンジ「あ、そっかー。教員用の方はクローゼット備え付けだったから楽だったけど。和風の家ってタンスが必要なんだよね」

リヴァイ「クローゼットの方がいいならそれごと買ってもいいけどな。どっちでもいい。新調するか」

ハンジ「待って! タンスも誰か持ってない? 貰える物は貰おうよ!」

リヴァイ「いや、さすがにタンスくらいは新調していいだろ。それを持っている奴なんて……」

アルミン「…………祖父が使っていたタンスなら一応、ありますけど」

リヴァイ「?!」

アルミン「祖父が夏に亡くなったので。祖父の荷物はある程度、整理したので今はタンスを使っていません。遺品が無理なら差し上げられませんが、再利用して頂けるなら差し上げても構いませんよ」

ハンジ「いいの? 御爺ちゃんの遺品なのに、貰っていいの?」

アルミン「んー……実は僕自身も、近いうちに引っ越すかもしれないんですよね。今は独り身になってしまったので、近いうちにもう少し安い物件に引っ越そうと考えていていたんで、荷物を減らそうかなって思っていたから丁度いいですよ」

ハンジ「ありがとう! 大事に使わせて貰うね!!」

と、タンスも話がついてしまって、ちょっぴり残念な顔をするリヴァイ先生だった。

293進撃の名無し:2014/08/06(水) 02:19:34 ID:nX1JzykI0
リヴァイ「………飯台くらいは新しく買ってもいいよな?」

ハンジ「ええ? そんなの、DIYコーナーで木を買ってくれば安く作れるじゃないの。作るよ? 私が」

リヴァイ「いや、仕事忙しい癖に無理するんじゃない。ベッドも改造する癖に、これ以上自分の首を絞めてどうする」

ハンジ「んじゃ、飯台も誰かに貰おうよ。誰か持ってない?」

リヴァイ「おいおい、さすがに飯台は……」

マルコ「ああ、そのくらいならこっちで作りますよ」

リヴァイ「?!」

マーガレット「大道具組に任せて下さい。その程度の物だったら1日あれば作れます」

スカーレット「うん。材料さえあれば、いけるよね」

ハンジ「というか、演劇部に材料探せばあるんじゃないの?」

マーガレット「ありそうだよね。ちょっと探してみようか」

という訳で、飯台も新調出来ずに落ち込むリヴァイ先生だった。

皆、察してやれよ。リヴァイ先生、新調したくて堪らないのに。

むしろ分かっててわざと意地悪しているのかな。皆、ひでえな。

294進撃の名無し:2014/08/06(水) 03:20:01 ID:nX1JzykI0
リヴァイ「あー……本棚、増やしても構わんぞ? もうひとつくらいなら置けるだろ」

ハンジ「ええ? それは有難いけど、それだったら、私が今使っている食器棚っぽいアレを本棚に変更するよ。リヴァイの食器棚にお皿を統合させちゃえば、本棚2つ目作れるから要らないよー」

リヴァイ「………エアコン、新しいのを買ってもいいよな?」

ハンジ「エアコンもそれぞれ1個ずつ持っているでしょうが。夫婦部屋と書斎だけで良くない? とりあえずは」

リヴァイ「居間にも必要だろうが。客間にだって、エアコンつけた方が……」

ハンジ「エアコン4台も設置するの?! 電気代とんでもない事になるよ?!」

エルヴィン「客間はさすがにエアコン要らないんじゃない? 今からの時期なら電気ストーブでもあれば十分だよ」

ハンジ「電気ストーブなら、うちにも1台あるよ。居間だって、それで十分だよ」

リヴァイ「…………カーテンは」

ハンジ「それも既に持ってる。長さだって足りているよ。サイズ同じだから大丈夫だったし」

リヴァイ「………ブルーレイとかは要らないのか?」

ハンジ「まだレコーダーの方が生きているから移行しなくてもいいよ。パソコンだってあるし、今はネットでも観れる時代だよ?」

リヴァイ「………新しいテレビとか」

ハンジ「テレビならあるよ。別に買い替えなくていいよ」

リヴァイ「………照明器具は? 和風の照明器具、必要じゃないか?」

ハンジ「あー照明かあ」

やっと、必要な物を見つけて嬉しそうにするリヴァイ先生だったけど、

ハンジ「ん〜じゃあ、それは買いに行こうか。さすがに照明器具を予備に持ってる子はいないだろうし」

やっとリヴァイ先生がガッツポーズした。

余程、買い物に行きたかったらしいな。ちょっと可愛い。

………と、思ったのもつかの間、

ピクシス「照明器具ならわしがお祝いに買ってやっても良いぞ?」

リヴァイ「?!」

ピクシス「新婚祝いじゃ。それくらいならわしが出してやろうじゃないか」

ハンジ「いいのー? やったー!」

リヴァイ「ええええ……(げんなり)」

ピクシス「その代わり、早く子供の顔を見せるんじゃぞ? (ニヤニヤ)」

ハンジ「うっ……頑張ってるけど、あんまり期待はしないでね」

おや? 「まだ早い」とかじゃないんだ。へー。子作りもう始めているのかな。

295進撃の名無し:2014/08/06(水) 03:37:41 ID:nX1JzykI0
リヴァイ「くっ………出番がない」

ハンジ「いいじゃないの。甘えようよ。有難い事じゃないの」

リヴァイ「それはそうだが……」

ハンジ「リヴァイは自分の事にお金使いなよ。あんた、趣味が少なすぎて本当、自分に関しては掃除と料理に関する事くらいしか使わないじゃないの。これを機会に、調理器具とか増やしたら?」

リヴァイ「………俺自身の為に買っていいのか?」

ハンジ「いいんじゃない? 包丁とか、新調したら?」

リヴァイ「ふむ……」

と、やっと金の使い道を考え始めたリヴァイ先生は納得した様だ。

リヴァイ「そうだな。ハンジの事に気を取られ過ぎて自分の事を忘れていた。調理器具を増やしていいのであれば、いくつか買いたいと思っていた物もある」

ハンジ「じゃあそれを買おう。それでいいじゃない。リヴァイの新作料理楽しみだなー」

リヴァイ「分かった。ではそれを今度、買いに行くぞ」

エルヴィン「ふむ……では私からの贈り物も、そういった調理器具関連がいいだろうか?」

リヴァイ「え?」

エルヴィン「ピクシス先生ばかりずるいよ。私にも何か贈り物をさせてくれ」

リヴァイ「いや、しかし……」

ハンジ「あはは! 本当、お金出す機会がないね! でもいいじゃない。甘えようよ」

リヴァイ「………欲しいと思っていたのは、寸胴鍋だ。専門店にいかないとなかなか見つからない特大サイズだが。いいのか?」

エルヴィン「構わないよ。それを買ってあげよう」

リヴァイ「はー……」

何だかもう、皆、わくわくし過ぎだろ。リヴァイ先生、嬉しそうだけど困惑しているぞ。

296進撃の名無し:2014/08/06(水) 03:56:22 ID:nX1JzykI0
リヴァイ「こういう時の為に金をためていた筈なのに。意外と何とかなるもんだな」

ハンジ「でも子供増えたら一気に使いそうじゃない? 子供にはお金かかるでしょ?」

リヴァイ「いや、それも何だかいろいろ貰って何とかなりそうな気がしてきたぞ。ピクシス先生、くれそうだし」

ピクシス「わしの孫の使っていた物なら譲る事が出来るぞ? (ニヤニヤ)」

リヴァイ「ああ、やっぱりそうですか……」

ピクシス「まあ、そうやって人は人に伝えていくもんじゃ。気にするな。譲る方も助かるんじゃよ」

リヴァイ「なら、いいんですが」

ピクシス「それよりも、1番大事な物はもう見に行ったのか?」

リヴァイ「ん? 大事な物……」

ピクシス「結婚式に使う『指輪』じゃよ」

リヴァイ「!」

ハンジ「あ! すっかり忘れていたね! どうしよっか」

リヴァイ「そうか。そこに1番金をかけるべきだという事を俺もすっかり忘れていた。ハンジ、この後、買いに行くぞ」

ハンジ「ええええ……荷物、運び入れるんじゃなかったの?」

リヴァイ「指輪が優先だろうが! 9月の誕生石は何だったか」

ハンジ「さあ? 私、そう言うの詳しくないから分かんない」

リヴァイ「スマホで調べろ。知ってる奴は教えてくれ」

と、其の時、すぐさまミカサが発言した。

ミカサ「……確か、サファイアだったと思いますが」

リヴァイ「助かる。サファイアの指輪をオーダーメイドしに行くぞ!」

ハンジ「えええええ?! ちょちょちょ、オーダーメイドって! 普通のでいいよー。ほら、銀色の無地の。地味な奴。結婚指輪ってそういうのじゃないの?」

ピクシス「その辺は特に決まりはないが、2人で決める事じゃな。わしは小さなダイヤモンドを装飾した指輪を贈ったぞ。ただ、普段つける指輪はあまり華美でない物が普通ではあるが」

リヴァイ「つまり、2種類用意しても構わないって事か」

ピクシス「その通りじゃな。普通は『婚約指輪』を贈ってその後に『結婚指輪』を贈るのが通例じゃけど、今は結婚指輪だけの者も多いぞ」

リヴァイ「じゃあ、婚約指輪が先だな。そっちを派手にして、結婚指輪は地味目の物を選べばいいよな」

ハンジ「ええええちょっと待ってよ。リヴァイ。浮かれ過ぎ! 2個も買う必要ないよ! 結婚指輪だけでいいって!」

リヴァイ「しかし、今のこの時期は『婚約期間』に入るんじゃないのか?」

ハンジ「そうだけどさー。ええええ……本当に買っちゃうのー?」

297進撃の名無し:2014/08/06(水) 04:16:44 ID:nX1JzykI0
今度はハンジ先生が困惑し始めた。

何でだろ。さすがにそこは貰っておいた方がいいと思うのに。

リヴァイ「何か不都合があるのか?」

ハンジ「いや、そうじゃないけど。そうじゃないけど………(ぷー)」

リヴァイ「不満があるなら、言え」

ハンジ「不満じゃないけどー」

リヴァイ「だったらなんだ」

ハンジ「いや、そのね? その……こそばゆくて」

リヴァイ「は?」

ハンジ「だーから、その、むずむずするんだよ! こういうのは! ふわふわ通り越して、舞い上がっちゃう自分が恥ずかしいんだよおお」

リヴァイ「ははっ……」

リヴァイ先生が安心したように笑った。

リヴァイ「なんだ。そんな事か。だったら問題ないな」

ハンジ「問題はないけどさーその、やっぱり、結婚指輪だけでいいって。サファイアなんて、必要ないよ」

リヴァイ「分かった。だったら結婚指輪の方に金をかけよう。それでいいな?」

ハンジ「うん………(照れる)」

皆、ニヤニヤして話を聞いているけど、一人だけ、複雑そうにしている人がいた。

ペトラ先輩だな。やっぱりこういう会話を聞くのはきついんだろうな。

でも今日、お手伝いに来たって事は覚悟の上で来ている筈だ。

耳を塞ぐわけにもいかないし、ペトラ先輩もいつまでも引きずる訳にはいかないだろう。

298進撃の名無し:2014/08/06(水) 04:29:05 ID:nX1JzykI0
ジャン「いくらくらいの物を買うんですかね? こういう時は」

と、其の時、さり気に耳ダンボしていたジャンが質問した。

ピクシス「ピンキリじゃよ。それは2人の愛が決める事じゃ。ただ、相場は10万くらいから100万くらいまでじゃろうな。金持ちであればもっと高い物でも普通に贈ったりするぞ」

ジャン「最低10万ですか……」

ピクシス「まあ、1万からでもいいとは思うが、安いよりは高い方が喜ばれるじゃろ。ここは男を見せるところじゃて」

ジャン「分かりました。今から貯めます」

ピクシス「いい心がけじゃな」

と、ピクシス先生がニヤニヤしている。オレも貯金しよ。

そんな訳で皆、おしゃべりしながら昼飯を食って、そこで解散となった。

午後からは本当に指輪を見に行くらしい。結婚式までに間に合わせるそうだ。

そして別れ際、ペトラ先輩が残って、ハンジ先生に話しかけていた。

他の生徒は先に玄関を出て、そのタイミングを見計らって、頭を下げたのだ。

ペトラ「ハンジ先生、すみません」

ハンジ「ん? 何?」

ペトラ「あの時は、本当にすみませんでした……」

ハンジ「?! え?! 何で謝るの?! むしろ悪いのは私の方だよ?!」

ペトラ「でも、皆が見ている前で、あんな事したのは……」

ハンジ「?! ああ、いや、むしろペトラの方がきつかったでしょ? 私は大丈夫だよ? だから頭を下げないで。ね?」

ペトラ「でも………」

ハンジ「私、ぶたれて当然の事をしたんだよ? だからいいんだって! むしろ感謝しているくらいなんだから、謝っちゃダメだよ!」

その瞬間、ペトラ先輩はやっぱり涙ぐんでしまった。

ペトラ「本当に、すみませんでしたあ……」

ハンジ「うわああん! 泣かないでよー! 私も泣いちゃうよー!」

と、一緒にポロポロ泣いてしまう2人だった。

299進撃の名無し:2014/08/06(水) 04:47:47 ID:nX1JzykI0
ペトラ「でも、でも……あんな事、して、ハンジ先生、辱めたようなもんだし……」

ハンジ「え? ええ? そんな事ないよ? むしろ辱める事で言ったら、私、何度リヴァイにぶん殴られたか! 生徒の前で!」

リヴァイ「それはハンジが悪いんだろうが」

ペトラ「でも、やっぱり、生徒が先生、に暴力、なんて……」

リヴァイ「俺も過去に教師を殴った事あるけどな。何度も」

ペトラ「え、えええええ?! (びっくり)」

リヴァイ「まあ、勿論、やり過ぎて停学くらったり、最後は退学勧告くらって中退させられたけどな。そういう話じゃないんだから、気にするな。ペトラ」

ペトラ「え、でも………」

リヴァイ「人間なんだ。そういう事もある。冷たさの中にある「愛」は、ちゃんと伝わっている。だからいいんだ」

ペトラ「リヴァイ先生………(うるっ)」

いい言葉だな。リヴァイ先生の言う「冷たさの中にある愛」っていう言葉。

そうだよな。甘やかすだけが「愛」じゃねえもんな。

一見、酷いように見えても、そこにちゃんと「理由」があって、人は動く事もある。

俺の親父だってそうだな。ミカサの為に、あの誓約書、考えて書かせた訳だしな。

300進撃の名無し:2014/08/06(水) 04:59:55 ID:nX1JzykI0
ペトラ「でも、なんていうか、私、その、偉そうに、言ってしまったし、その……」

ハンジ「ペトラ。それでいいんだよ」

ペトラ「え?」

ハンジ「あのね。聞いて欲しい。教師という仕事はね、教師が生徒に教える事だけが仕事じゃないの」

と、其の時、ハンジ先生が真剣な表情になって言った。

ハンジ「教師もまた、生徒に教わるの。いろんな経験を通して、成長していくんだよ。そういう「姿勢」を持てないような教師は教師になんてなれないよ。だから、教えてくれてありがとう。ペトラのおかげで、私はひとつ「学ぶ」事が出来たんだよ?」

ペトラ「ハンジ先生……」

ハンジ「ペトラも教職希望しているんでしょ? リヴァイから聞いているよ。いつか一緒に、お仕事しようね? 待ってるからね」

ペトラ「はい……!」

何だか感動の場面だった。ペトラ先輩がやっと落ち着いたみたいで、オルオ先輩が話しかけていた。

オルオ「終わったか?」

ペトラ「うん。ハンジ先生、あんたの言う通り、気にしてなかったよ」

オルオ「だろ? ハンジ先生の事だから、そうだと思っていたよ。体面を気にするような教師なら、元々、リヴァイ先生が選んでいる筈がねえ」

ペトラ「本当だよね。完敗過ぎるよ。いっそ、そういうの、気にする先生だったなら、良かったのに」

オルオ「普通じゃねえんだよ。リヴァイ先生も、ハンジ先生も、な。でも、だからと言って、それを真似する必要はねえぞ」

ペトラ「うん。私達は私達の道を頑張らないとね」

と、お互いに言い合っている。こっちの2人も一件落着したのかな。

301進撃の名無し:2014/08/06(水) 05:29:02 ID:nX1JzykI0
最後に残ったオレとミカサは、リヴァイ先生達と少し話す事にした。

リヴァイ「ん? 何か忘れ物か?」

エレン「いえ……その、ちょっと気になった事があって」

ミカサ「下世話な話を聞いてもいいですか?」

ハンジ「え? エッチな話?」

ミカサ「いえ、そちらではなく、ここのお家賃とか……」

エレン「すんません。気になっちゃって」

お互いにバツ悪そうに聞いてしまう。だって気になるんだもん。

オレ達もいつか、家出るかもしれないし。相場は聞いた方がいいだろ?

リヴァイ「ああ、家賃か。確か6万5000円くらいだったかな」

エレン「それって安い方なんですかね」

リヴァイ「この地区だったらかなり安い方だぞ。ただ、安い理由は、建物が古いだけじゃないんだよな」

ハンジ「うふふふふ……出るかも? みたいな噂話、聞いちゃったんだよね」

エレン「え?」

出る? 何が?

ハンジ「だーから、もしかしたら、『幽霊』っぽいものが出るかもー? みたいな?」

リヴァイ「そのせいで、借り手がなかなかつかなくて余っていた物件だったらしいんだが、俺は別にそういうの気にしないし、ハンジに至っては「むしろ見てみたい」と言い出してな。だったらいいかと思ってここに決めた」

エレン「えええええ……呪われたらどうするんですか」

リヴァイ「その時は霊媒師でも呼んでお祓いしてもらうさ。まあ、死者に会えるというならば、俺はかえって会ってみたい気持ちの方が強いんだが」

エレン「こ、怖くないんですか?」

リヴァイ「全然。むしろ生きている人間の方が何倍も怖いだろ。もし会えるなら、会ってみたい奴もいるしな」

ミカサ「それって、誰か知人とか亡くされているんですか?」

リヴァイ「高校時代のダチとかな。若い頃に無茶やって、死んじまった馬鹿もいる。他にも、卒業生の中にも運悪く早く亡くなった奴もいる。生きていれば、いろいろあるんだよ」

と、少しだけ切なそうに目を細めるリヴァイ先生だった。

302進撃の名無し:2014/08/06(水) 05:39:27 ID:nX1JzykI0
ミカサ「その気持ち、分からなくはないです」

リヴァイ「ん? お前も誰か知人を亡くしているのか」

ミカサ「父親を、幼い頃に」

エレン「俺も母親を、亡くしているので、気持ちは分かります」

リヴァイ「そうか」

ハンジ「霊感があれば、見れたりするのかな。リヴァイ、霊感ない?」

リヴァイ「さあな。少なくともそういう経験はまだ1度もないが。そういうのは見ようと思って見れるものじゃねえだろうからな」

ハンジ「そうだよねー。しょうがないよねー運に任せるしかないかー」

と、しみじみ言い合って、オレ達は新居を出て行った。

まさか幽霊屋敷の噂のある場所に新居を構えていたとは思ってもみなかったけど。

エレン「ミカサは幽霊の存在、信じるか?」

ミカサ「うん。いるとは思う。見えなくても、きっとどこかに」

エレン「そうか……」

ミカサ「父の姿を見る事が出来るなら、会ってみたい気持ちもある。でも、それは許されない事のような気がするので我慢する」

エレン「そうだな。オレもそんな気がするよ」

と、そんな風に話しながら、オレとミカサは最後に玄関を出て行ったのだった。

303進撃の名無し:2014/08/06(水) 05:41:58 ID:nX1JzykI0
ここまでにします。
まさかの幽霊屋敷の新居ですが、
リヴァイの事だから幽霊見ても動じないで普通にしゃべっていそうです。

では続きはまたノシ

304進撃の名無し:2014/08/06(水) 08:56:22 ID:ZBcdMIv20
まさかの栄螺さん幽霊屋敷(笑)
このリヴァイはウエディングドレスにも金かけて嫁がドン引きしそうだが、
リヴァイプロデュースの久々美人ハンジさんに期待してる

305進撃の名無し:2014/08/06(水) 09:42:14 ID:nyoCyqAo0
エレミカ誓約書の件が落ち着いてよかった
エレミカのやらしい行為したいしてる

306進撃の名無し:2014/08/07(木) 03:28:46 ID:cDm/jWQ20
再現劇にアテられてエレミカ盛り上がっちゃいそうだなワクテカ

307進撃の名無し:2014/08/07(木) 04:48:54 ID:QQRxSOu.0
皆、期待していてワロタw
でも再現劇よりもっと厄介な問題がまだ残ってますよん。ふふ。

308進撃の名無し:2014/08/07(木) 04:49:43 ID:QQRxSOu.0





11月24日。月曜日。その日は勤労感謝の日の振り替え休日だった。

その日は学校も休みで、部活も午後からの予定だったので、午前中は暇だった。

アルミンは午前中に早速、リヴァイ先生にタンスを運び入れる事にしたらしい。

リヴァイ先生が軽トラをレンタルして、アルミンの家に行って自分達で運び入れる予定だそうだ。

しかしその日の午前中は、ミカサの様子が変だった。やけに顔が赤い。

熱でもあるんかな? そう思って近づいたら何故か「近づかないで」と拒否られてショックだった。

エレン「なっ……熱、測ろうとしただけだろ!」

ミカサ「違うの。そういう事ではないので」

エレン「え? 何が違うんだよ」

ミカサ「エレン、私は今、危ない状態なので」

エレン「え? え?」

ミカサ「排卵日が、恐らく終わったので、ムラムラするので、近づかないで欲しい」

エレン「!」

ミカサ「エレンと付き合うようになってから、生理の不順が治ったおかげで、予測がしやすくなった。計測上、明日までは危ない日になるので、その………(ハアハア)」

エレン「分かった! 分かった!」

オレは慌ててミカサと距離をとった。そっか。もうそういうのが分かったのか。

というか、そういうモードに入ったミカサの雰囲気って、いつもにも増して艶っぽくなるんだな。

309進撃の名無し:2014/08/07(木) 04:50:59 ID:QQRxSOu.0
>>308
訂正
アルミンは午前中に早速、リヴァイ先生の家にタンスを運び入れる事にしたらしい。

「の家」が抜けていました。

310進撃の名無し:2014/08/07(木) 04:57:30 ID:QQRxSOu.0
ミカサ「エレン、ごめんなさい。以前、コミケに行った時も、計測上、どうやら危険日の期間だったみたい」

エレン「え? そうだったのか?」

ミカサ「うん。クラスの出し物を決めた時も、その期間だったみたい。通りであの時、自分でも妙にテンションが高いと思った……」

エレン「そうなのか」

やる気満々だったな。そう言えば。アルミンに便乗して。

ミカサ「その……私の生理は28日周期でドンピシャで来るようになったから、生理開始から13〜17日の間が特に危険な時期になるそうなので、その5日間だけは、エレンも気をつけておいて欲しい。私自身も、気をつけるけど、その……自分でも熱っぽさを堪えるのがとても難しい」

エレン「分かった。気をつける………」

うーん。なんか目がうるうるしているな。いつもにも増して。

いかん。あんまり見ると、こっちも釣られてしまう。

人間のサイクルってよく出来ているんだな。そういう「発情モード」になると、いつもより綺麗に見えるように出来ているのか。

生殺し、バージョンアップだよなあ。これって…。

311進撃の名無し:2014/08/07(木) 05:07:05 ID:QQRxSOu.0
ミカサ「今日はこの状態で部活に出る訳にもいかないので、ちょっと運動して熱を発散してくる……」

エレン「え? 走ってくるのか?」

ミカサ「うん。ランニングでもして発散してくる。というか、もう、ムズムズして自分でも困る」

エレン「………………」

其の時のオレは、発情したミカサに、自分も少し当てられて。

理性の声は「いかん」と止めていたのに、本能の方が勝手に、口を動かした。

エレン「そんな事するより、自慰したらいいじゃねえか」

ミカサ「え?」

エレン「!」

しまった。オレ、何言ってるんだ。

エレン「いや、何でもない。すまん」

ミカサ「自慰? 何の事?」

エレン「………所謂、オナニー行為だよ。女でも、ムラムラ鎮めたいなら、抜いた方がいいんじゃねえの?」

って、オレ、馬鹿か。何、変な事、勧めているんだよ。

でも、ミカサはその提案に驚いたようで、

ミカサ「その発想はなかった」

エレン「え?」

ミカサ「体がムズムズする時は身体を動かしていた。女の子も、そういう事、していいとは思わなかった」

エレン「え? 別にしちゃいけないって事はないだろ」

ミカサ「………なんとなく、してはイケナイ行為のような気がしていたので」

おおお。なんという純粋無垢。いや、そんなミカサにそれを勧めるオレがゲスいんだろうけど。

312進撃の名無し:2014/08/07(木) 05:16:59 ID:QQRxSOu.0
ミカサ「体を動かしても、それでも足りなくて、体が濡れてどうしようもない時もあった。なので、以前、エレンに「どうしたらいいの?」と聞いてしまった」

エレン「ああ、アレってそういう意味だったのか」

ミカサ「(こくり)誰か、相手がいればもっと発散出来たと思うけど。一人だとやはり身体を動かすのに限界がある。エレンが相手だと、本末転倒になりそうな気がしていたし……」

そりゃそうだな。オレもそう思うわ。

エレン「そっか……もっと早く、オレも勧めたら良かったな」

ミカサ「では、その、オナニーとやらを自分でやってみる」

エレン「……………」

ミカサ「でも、具体的にはどうしたらいいのだろうか? マニュアルはある?」

エレン「いや、そんなのは、独自に編み出すもんだけど……」

其の時、オレの頭の中で悪魔の囁きが聞こえた。

本能の、声が、オレを勝手に動かしてしまったんだ。

エレン「…………電話越しに指示してやろうか?」

ミカサ「え?」

エレン「オレ、自分の部屋にいるからさ。携帯で、電話越しに指示してやるからさ。その通りにやってみれば?」

ミカサ「いいの?」

エレン「初めてだから不安なんだろ? 手助け出来るならしてやるよ」

ミカサ「では、お願いしたい。私は自分の部屋でやってみるので」

エレン「おう」

これは違反ではない。決して違反行為ではない。

天使の方のオレもOK出しやがった。こんな機転を咄嗟に出す自分が怖いけど。

オレの口元はにやけていた。所謂、テレフォンエッチって奴を、初めてやってみる事にしたんだ。

313進撃の名無し:2014/08/07(木) 05:27:17 ID:QQRxSOu.0
休みの日の午前中から何やヤッてんだよ。というツッコミは却下だ。

これはあくまでミカサの熱を発散する為に必要な事で、悪い事ではない。

そう、自分に言い聞かせて準備を整える。ミカサと携帯で声だけで繋がった。

ミカサ『エレン、まず何からしたらいい?』

エレン「んーと、まずはティッシュの箱をすぐ傍に用意しろ」

ミカサ『OK。用意した』

エレン「その後は、そうだな……布団、もう片付けたか?」

ミカサ『うん』

エレン「出来れば布団の上でリラックスした状態で、仰向けになった方がいいな」

ミカサ『分かった。では、1回、布団を出す(よいしょ)』

エレン「…………準備出来たか?」

ミカサ『出来た。仰向けに寝ればいいのね? (ごろん)』

エレン「そうだ。んで、まずは服の上から、自分の右手で左胸を触ってみろ」

ミカサ『うん………』

エレン「オレに触られた時の事、思い出せ。あの時の感覚を思い出してみろ」

ミカサ『うん……っ……ああっ』

一気に声が艶っぽくなった。おおお。やべえ。これはクル。

こっちも片手でスタンバイ中だ。いつでも出せるようにしている。

314進撃の名無し:2014/08/07(木) 05:33:07 ID:QQRxSOu.0
エレン「ブラジャーは出来れば外してくれ。全部脱ぐ必要はないけど。右手で直接、左胸を触れる状態にしろ」

ミカサ『うん……出来た』

エレン「準備出来たか? 次は乳首を右手で摘まんで、人差し指で軽く引っかけ」

ミカサ『うん……うん………』

エレン「感じるか? オレに触られているっていう、妄想も重ねるんだ。コリコリしてくるだろ?」

ミカサ『ああっ……ちょっと、固くなってきたみたい。ああん』

エレン「よし。固くなってきたら、もう少し強く挟んでちょっと右に回したり、左に回したり、乳首を回転させるんだ」

ミカサ『ああああ……エレン、これ、気持ちいい……!』

エレン「だろ? 気持ちいいなら、どんどん弄っていい。遠慮するな。好きなだけ弄れ」

ミカサ『ああああ……はああ……ん……んー……』

やべええええええ。これ、楽し過ぎる!!!

変態だと蔑まれてもいい。今、この瞬間、至福のひと時だ。

315進撃の名無し:2014/08/07(木) 05:40:48 ID:QQRxSOu.0
ミカサ『やあ……あの時の事、思い出しちゃう……! あああん!』

エレン「思い出せ。オレも思い出すから。あの時、その後はどうして欲しかった?」

ミカサ『ズボン、脱がせて欲しかった……濡れたあそこにも、エレンの手で触れて欲しかった』

エレン「そうか。んじゃ、次はそっちに手を伸ばすぞ。ズボンのチャック、緩めろ。まずはパンツの上から、優しく撫でてみるんだ」

ミカサ『布の上から擦るの?』

エレン「そうだ。こっちは中指の腹で、優しく撫でる感じだな」

ミカサ『あああ………こ、こんな感じ?』

エレン「ああ。気持ちいいだろ? 湿って来たか? パンツ、濡れて来たか?」

ミカサ『うん、だんだん……濡れて来た』

エレン「よし。次は、ガラケーを耳で挟んで、下と乳首を当時に弄るんだ。出来るか?」

ミカサ『ちょっと待って……ん……何とか、出来た』

エレン「準備は出来たな? 左胸は左手で。右手はあそこを弄るんだ。同時にだ。いけるな?」

ミカサ『うん……うん……こう、かしら? ああっ……』

エレン「気持ちいいか? ミカサ……」

ミカサ『うん、気持ちいい。エレン、気持ちいい……あああっ……はああ……!』

吐息がすげえ。携帯電話越しなのに。すげえ耳に響いてくる。

これが発情期バージョンのミカサの威力か。目の前にしたらコンドームつけ忘れそうで怖いな。

316進撃の名無し:2014/08/07(木) 05:47:01 ID:QQRxSOu.0
エレン「パンツ、ぐちょぐちょになってきたか?」

ミカサ『なってきた……』

エレン「よし、なら直接触ってみるぞ。中指で、自分の気持ちいい場所を探してゆっくり弄ってみろ」

ミカサ『うん……はああああ……あああっ……んー……ん……』

自慰行為に耽っているミカサの声、すげえ色っぽい。

出来るだけ声は殺しているけど。それがかえって、そそる。

家の中だからな。あんまり大声で嬌声をあげる訳にもいかない。

親父は仕事に出ているし、おばさんもパートで今、いないけど。

隣近所に聞かれたらまずいから、これ以上はまずいって分かってる。

だからこその、携帯越しの声だ。

ミカサ『ああ……ああ……また、ふわふわしてきた……』

エレン「そろそろじゃねえの? 体が浮くような感覚、きたか?」

ミカサ『た、多分……あの時のような、前兆が来ている』

エレン「だったら、一旦、休憩しろ。一気にイクと勿体ない」

ミカサ『えええ………』

エレン「我慢しろ。イク手前で一旦、休憩した方が、もっと気持ち良くなれるぞ」

ミカサ『分かった……休憩する……』

ハアハア言ってるミカサがすげえ、可愛い。

あーダメだ。オレの方もだんだん限界が近づいてきたぞ。

317進撃の名無し:2014/08/07(木) 05:47:37 ID:QQRxSOu.0
途中ですが、すんません。お預けで。
ちょっと休憩します。

318進撃の名無し:2014/08/07(木) 06:34:21 ID:RPwGYQ1o0
ミカサまじぶちおか
布団になりたい

319進撃の名無し:2014/08/08(金) 00:36:16 ID:VFgBdTe2O
エレンの言葉に柔順でくそかわ
風呂とかリビングとか家中でオナらせたい

320進撃の名無し:2014/08/08(金) 04:26:58 ID:uq1R4p0s0
正直キモイ

321進撃の名無し:2014/08/08(金) 09:13:24 ID:Va1zPT3s0
>>320
正直、そう思いながら書いている。
毎回思う。エレンファン、サーセンと。

322進撃の名無し:2014/08/08(金) 13:11:20 ID:9rJqlNgQ0
1は穏やかですごいな
エレミカ続き本当期待してます

323進撃の名無し:2014/08/08(金) 16:49:34 ID:Va1zPT3s0
ミカサ『はあ……はあ……はあ……はあん……』

最後の吐息がすげえ色っぽかった。なんだ今の『はあん』って。

ああもう、だんだんこっちも辛くなってきた。

ミカサが自分の部屋で自慰行為していると思うと、すげえクル。

どっちが先にイクかな。いや、オレが先にイク訳にはいかねえか。

指示しないといけねえしな。ミカサを先にイカせてやらねえと。

エレン「そろそろ、いいか?」

ミカサ『うん………』

エレン「自分の指、中に入れられるか? 中の方、緩んできたか?」

ミカサ『大分、緩い……あ、入った』


ドックン……!


不意に言われた『入った』の台詞にオレも興奮が一際高まった。

ミカサ『エレン?』

エレン「いや、何でもない。入ったなら、入れたり出したり、気持ちいいところを擦りながら出し入れしてみてくれよ。………オレのだと、妄想して」

酷い指示だと我ながら思うが、そう言った直後、

ミカサ『あああ……エレンのはこんなに細くないのでは?』

エレン「ぶふっ……」

ミカサ『体位のモデルをした時の、布越しに当たったエレンの、アレ……結構、太かった……』

エレン「や、やめろ。何か査定されているみたいで恥ずかしいだろ!」

ミカサ『エレンだって、私を査定する癖に』

エレン「いやまあ、そうだけど。とにかく妄想すればいいんだよ。妄想を重ねて気持ち良くなるのがオナニーなんだから!」

ミカサ『ああん!』

いかんいかんいかん。どんどんミカサがエッチになっていく。

いや、オレのせいなんだけど。オレもどんどん、変態になっていく。

自分でもキモいと思っている。でも楽しい。滅茶苦茶、楽しいんだ。これ。

ミカサ『指じゃ、足りないっ……もっと、奥まで、何かで、貫かれてみたいっ……!』


ドックン……!


ミカサ『エレン……やっぱりこれでは、かえって酷くなるような……ああっ……性欲が、止まらない……!』


ドックン……!


ミカサ『辛い……身体が、火照って、ぬるぬるして、ダメ……自分が自分じゃないみたい……』


ドクドクドクドク………!


ミカサ『エレンと、エッチ、したい……のに………』


ブッチン…………


携帯でのテレフォンエッチで止めるつもりだったのに。

その音が聞こえた瞬間、オレは自然と立ち上がって、ミカサの部屋に足を運んでいた。

ミカサの涙声のせいでもう、完全にオレはブチ切れていた。

ふすまを開けると、そこは桃源郷だった。

ミカサが乱れて仰向けになっていて待っていた。その光景を目に焼き付けると、それに覆い被さる様に、オレは………

324進撃の名無し:2014/08/08(金) 17:03:33 ID:Va1zPT3s0
ミカサの唇にキスした。午前中から何やってるんだという理性の声は遠すぎて聞こえていない。

乱れたミカサにキスの嵐を。手はもう、暴走してミカサの濡れたあそこに指を突っ込んだ。

服は完全に剥ぎ取った。破れないように気を遣う余裕はなく、もしかしたら、ビリッといったかもしれない。

とにかく、一気に全裸にしてやった。ミカサの中に指を入れてみる。

1本、OK。2本、OK。3本目は、少し痛がったけど。多分、大丈夫かな。

オレ自身の息子は準備万端だ。ゴムは親父に持たされた新品がいつもポケットに1個忍ばせている。

一気に封を開けようと、そう決意したその時………


ピンポーン…………


玄関のチャイムが鳴って、オレとミカサは同時に顔面蒼白になった。

エレン「え、まさか……親父か?」

忘れ物かな。でも鍵は持って出ている筈だから、チャイムなんて押さない筈だが。

ミカサ「はあ……はあ……エレン」

エレン「ああ、分かってる」

現実に一気に引き戻されてオレは気を鎮めた。

急いでズボンを着なおして、自分の服を整えると、玄関に向かった。

来客はただの宅配便だった。何だよ。親父宛の通販かよ…。

ハンコ押して物を受け取ると、オレはそれを親父の部屋に置いて、一気に脱力した。

あー。時間もそろそろ、昼飯食って部活いかないといけない時間だな。

とほほ…。しょうがねえ。今日はここまでしか出来ないか。

オレはミカサの部屋に戻って「タイムリミットだ」と言った。

エレン「悪い。なんかかえって暴走させたみたいだな」

ミカサ「ううん……」

エレン「明日までそんな感じなんだよな。多分」

ミカサ「うん……まだ、ムズムズするけど。後は自分でする……」

エレン「今日は部活休んでもいいと思うぞ。というか、そんな状態のミカサを他の奴らにあんまり見せたくねえかも……」

ミカサ「お休みしても、いいの?」

エレン「そんな状態のミカサと劇の練習したら、その、オレもヤバい気がする」

オレも自分で抜いてから学校に行こう。その方がいいな。

325進撃の名無し:2014/08/08(金) 17:16:05 ID:Va1zPT3s0
ミカサ「分かった。今日はそうさせて貰う。皆には、調子が悪いと言っておいて欲しい」

エレン「分かった。じゃあ、オレも準備するから」

という訳で便所に逃げ込んでいつもの処理を済ませてから、オレは自分の身支度を整えた。

でも危なかった。宅配便が来なかったら、あのまま部活の事を忘れて、きっとミカサとエッチしていただろうな。オレは。

エレン「……………」

怖い、と思った。ミカサの事もだけど。自分自身が。

オレってこんなにルーズな奴だったっけな。自分で自分にびっくりしちまう。

いや、ミカサが可愛いのが悪い。あいつが色気強いのが悪い。

と、責任転嫁しながら、オレはその日、午後から部活に出かけた。

家に残ったミカサは、恐らく残りは自分で自分の処理をするだろう。

それを聞けないのは残念だけど。それはもう、妄想の中で想像するだけに留めておいた。

そして部活に顔を出すと、アニに「珍しいね」と言われてしまった。

アニ「ミカサ、調子悪いんだ。何かあったの?」

エレン「いや……大丈夫だ。大して悪い訳じゃないけど、用心の為に休ませて来たんだよ。オレが」

アニ「ああ、あんたの過保護のせいか。分かった。それなら仕方がないね」

良かった。オレが過保護だという事になった。これなら疑われずに済むだろう。

アニ「………やり過ぎて足腰立たなくさせたとか、じゃないよね?」

エレン「ぶふううううううう?!」

何でその発想になる?! いや、当たらずとも遠からずだけどな!!!

326進撃の名無し:2014/08/08(金) 17:24:58 ID:Va1zPT3s0
ジャンがこっち見てる。まずい。すげえ険悪な表情だ。

ジャン「てめええええええ」

エレン「やってないから!!! そういうんじゃねえから!!!」

アニ「そう。ならいいけど。ミカサとやらしー事するのはいいけど、ある程度は自重してよ。あんたたち、今回の劇のダブル主役なんだから」

エレン「え? あ、そっか。今回は、2人が主役になるのか」

マルコ「そうだね。脚本はリヴァイ先生寄りの台本になりそうだけど、ハンジ先生のパートも結構あるからね。ダブル主演と言っても過言じゃない劇になりそうだよ」

エレン「そういえばアルミン、まだこっちに来てないのか? 遅くないか?」

と、思ったその時、アルミンが音楽室にやってきた。

そしてその後ろには、何故か機嫌の悪いリヴァイ先生と、顔の赤いハンジ先生が……。

アレ? これって、まさか。

アルミン「皆、ごめん………やっちゃった」

マーガレット「え? やっちゃったって、まさか!」

リヴァイ「おい。今度の冬公演の演劇、今までダミーの練習をしていたそうだな?」

ギクリ。あちゃー。バレたのか! まずいぞこれは!

リヴァイ「俺とハンジの物語を勝手に公演しようとしていたらしいな? 仮台本、読ませて貰ったぞ」

ひえええええええ。怒ってる。超怒ってる! どうすんだコレ!

327進撃の名無し:2014/08/08(金) 17:41:08 ID:Va1zPT3s0
リヴァイ「どうせアレだろ。発案はエルヴィンなんだろ」

アルミン「おっしゃる通りで……」

リヴァイ「全く。あいつの場合はサプライズというより毎回ドッキリだからな。未然に防げて幸いだった」

ジャン「あの、でも……もう、練習は始めていますし、その、途中で劇の内容を変えるというのも……」

リヴァイ「ああ。それは分かっている。ただいくら何でも本人達の許可なく、プライベートな部分を劇で皆の前で発表するのはどうかと思うから、一応、内容はチェックさせてくれ。特に俺の事より、ハンジの過去はナイーブな部分もある。俺も今日、台本を読んで初めて知ったんだが」

ハンジ「あははは……ごめんねー。今まで黙っていて」

リヴァイ「それは別に構わないが、とにかく、アルミンの台本を一部、修正を加えさせてくれ。アルミンの台本には想像で補完した部分もあったから、そこは事実を混ぜて修正を加えていい。それと、ハンジの大学時代の話は、1部カットして貰いたい」

エレン「あーやっぱりその方がいいですか。セクハラシーンとか、まずいですもんね」

リヴァイ「いや、そこは本人的には『もう昔の事だからいいよー』って事らしいが、伏せて欲しいのは研究内容の方だ。守秘義務があるから、それに関わっていた事は公には出来ないんだそうだ」

ハンジ「ごめんね。例の某細胞に関する事はデリケートな問題だから。いろいろ突っ込まれたらまずいから。そこはあんまり詳しく描写しないで欲しいのよ」

エレン「ああ、そっちですか」

何だ。ハンジ先生にとってはセクハラとパワハラは過去の事なのか。

リヴァイ「しかし、ハンジ……」

ハンジ「ん?」

リヴァイ「どうしてお前は、先にその事を言わなかったんだ。その……わざと汚い女を演じていたなんて、これじゃ俺がまるでただの馬鹿な変態にしか思えないじゃないか」

実際、そうだと思う。と言ったらげんこつ食らうので言わないけどな。

328進撃の名無し:2014/08/08(金) 18:00:02 ID:Va1zPT3s0
ハンジ「んー厳密に言えばわざとではないんだけどね。割と本気で汚女だったよ。私は。ただ、それがだんだんエスカレートしていっただけって話だから。実際、リヴァイがちょっと綺麗にしてくれると、その後は変なナンパに絡まれたりした事もあったから。リヴァイと一緒に風呂入る日は、出来るだけあんたと一緒に部屋に籠っていたでしょ?」

リヴァイ「…………だから俺が『折角綺麗にしてやったのに、出かけないのか?』って勧めても部屋から出たがらなかったのか」

ハンジ「まあね。今はさすがにそういうのも減ったけど。20代の頃はまだ、ね。私も一応、女子力あった時代ですから」

リヴァイ「はー……(*凹んでいる)」

ハンジ「いいじゃない。もう過去の事だし。リヴァイのおかげでその必要性、なくなったし。最強の虫よけスプレー、つけてくれてありがとうね」

と、言ってハンジ先生が左手の薬指を見せてくれた。

あー! 金色の指輪だ! もう結婚指輪はめているのか!

リヴァイ先生の方も左手の薬指に銀色の指輪がはまっている。

そうか。籍は先だけど、指輪は先にはめる事にしたのか。

ハンジ「さすがにリヴァイという最強の男を乗り越えてまで手出すような馬鹿はいないでしょ?」

リヴァイ「そうだといいがな」

ハンジ「落ち込まないでよー。私、この指輪、気に入っているんだよ? 太陽をイメージしたデザインだって言われて、あんたが『ハンジみたいだな』って言ったの、嬉しかったし」

うはあ。砂吐きそうな甘さだな。

あ、ジャンが吐血したような顔でぐったりしている。

リヴァイ「その後、ハンジは『だったらリヴァイはお月様だね』って言ったから、俺がこっちの指輪になったが。普通は男女、逆にはめるらしいぞ」

ハンジ「いいじゃーん。実質、リヴァイが私の嫁みたいなものでしょ?」

リヴァイ「昼間は、そうだな。夜は逆転させて貰うが」

ぶふうううう!!!??? さり気に何言ってるんだ?! リヴァイ先生!!!

329進撃の名無し:2014/08/08(金) 18:10:36 ID:Va1zPT3s0
ハンジ「え? あーうん。まあ、その辺は、ね? 確かにその通りですけどね」

リヴァイ「何だ? 何か不満があるのか?」

ハンジ「いやいや、不満なんて何もないよ?」

リヴァイ「だったら何で、距離を置く? ん?」

ハンジ「やだなーふふふ……その、昼間はダメだよ? 逆転しないからね?」

リヴァイ「ちっ……」

何で舌打ちしているんだよ。リヴァイ先生。

この先生、以前より自分のエロ親父度、ガンガン前に出す様になったな。

いや、元々エロ親父だったんだろうけどな。ファンの女子達はきっとこんなリヴァイ先生は知らないんだろうな。

リヴァイ「話が脱線したな。とにかくそういう訳だから、これからは出来るだけ、こっちの練習にも顔を出す。俺の役はミカサがやると聞いたが、今日はミカサの気配がないが?」

エレン「あ、今日はちょっと休ませています。調子悪いんで」

リヴァイ「ふむ……一応、声をかけてやろうとかと思ったが、まあいいか。俺の役をする以上、アクション満載になりそうな感じだったから、今回も怪我だけには十分気を付けろとエレンが代わりに言ってやってくれ」

エレン「はい。分かりました」

やっぱりこういうさり気ない気遣いはリヴァイ先生らしいな。

330進撃の名無し:2014/08/08(金) 18:14:58 ID:Va1zPT3s0
途中までですが今日はここまでです。
宅配便のせいで邪魔入ってすみません。グリシャさんの買い物のせいです。

331進撃の名無し:2014/08/08(金) 18:56:17 ID:1dta4eDo0
ミカサが可愛すぎて生きるのが辛い…こんなこと言われたらまじやばいって…

332進撃の名無し:2014/08/09(土) 02:43:21 ID:XaWdQkhk0
最後の良心グリシャお父さんは通販まで神憑り的タイミングなのかw

333進撃の名無し:2014/08/09(土) 15:35:00 ID:ZmngTvqs0
グリシャさんの鉄壁のディフェンスww

334進撃の名無し:2014/08/09(土) 21:25:15 ID:MK6RAXDc0
最近のおまいの小説は冴えてるね。読める。

俺の有料小説買ってね
https://fujiwaraaki.booth.pm/
新企画いっぱいだよ
待望の女体化ベルトルト!
他にもエヴァンズの日々とかタイバニの日々とかですノートとか幅広く取り揃えているよ。
前作では実現しなかったあの企画、この企画全部見せます!
太っ腹な一冊500円だよ〜ん☆

335進撃の名無し:2014/08/10(日) 00:43:34 ID:lJz.ncwQ0
リヴァイ「ああそれと、ガーネット。今、時間あるか?」

ガーネット「なんでしょう?」

リヴァイ「結婚式の時にちょっとしたサプライズを頼みたいんだが、俺の体のサイズを測って貰えないか?」

ガーネット「ん? オーダーしますか?」

リヴァイ「ああ。とある服を、頼みたいんだが……」

ごにょごにょ。急に内緒話を始めたリヴァイ先生にガーネット先輩が爆笑していた。

ガーネット「本気ですか?! いいんですか?!」

リヴァイ「ああ。普段、エルヴィンにはいつもドッキリを仕掛けられるから今回くらいはこっちも仕掛ける。あいつを絶対、驚かせてやりたいんだが」

ガーネット「それ、エルヴィン先生だけじゃなく、生徒も教師も全員、びっくりしますよ? いいんですね? 後悔しませんね?」

リヴァイ「頼む。ハンジの分も頼めるか?」

ガーネット「お任せ下さい。気合入れて作ります(キリッ)」

エレン「結婚式の衣装ですか?」

リヴァイ「ああ。折角だからガーネットの家に頼もうかと思ってな」

ハンジ「ごめんねー。生徒を利用しちゃって」

ガーネット「いえいえ。うちもいい宣伝になるので一石二鳥です」

と、ガーネット先輩の眼鏡が光った。何だ? どんな衣装にするつもりなんだろ?

336進撃の名無し:2014/08/10(日) 00:52:45 ID:lJz.ncwQ0
リヴァイ「後は、そうだな。披露宴の時に何を振る舞うか、迷っている。何か食いたい物あるか? 俺が全部作って振る舞おうと思っているんだが」

エレン「え? 新郎が料理までやっちゃうんですか?」

リヴァイ「よそに頼んでもいいんだが、折角だから自分でやろうと思っている。ケーキはさすがに外注しようと思うが、振る舞う料理は俺がやる」

エレン「じゃあ、御刺身とかも自分でやるんですか?」

リヴァイ「魚捌くのは得意だからな。いいぞ。刺身も出してやる」

すげえええ。ある意味贅沢な結婚式になりそうだな!

アニ「チラシ寿司とか……巻き寿司とかもいいですね」

リヴァイ「了解。お前、寿司関係好きだな」

アニ「はい。まあ、そうですね。後は伊勢海老とかも」

リヴァイ「海老か。めでたい席には定番だな」

アニ「鯛も是非(キリッ)」

リヴァイ「分かった。その辺りの和風の料理をメインに考えておこう」

道場三四郎みたいだな! 料理の鉄人みたいだぜ!

エレン「お品書き、やって下さい! リヴァイ先生!」

リヴァイ「ああ? まあ、料理の鉄人を真似てもいいが」

と、ニヤニヤしているリヴァイ先生だった。

337進撃の名無し:2014/08/10(日) 01:05:34 ID:lJz.ncwQ0
リヴァイ「後はそうだな……結婚式自体は、結婚式場で午前中に軽く済ませて、そのまま午後は披露宴の形を取ろうと思っている。劇部の中で式場の方に来たい生徒はいるか?」

エレン「え? 結婚式と披露宴、別にやるんですか?」

リヴァイ「結婚式の方は招待制だな。会場のキャパの関係で、さすがに全員の生徒は式の方には連れて来られない。披露宴の方には主にOBOGを集めるつもりでいるから、現役のお前たちは来たいなら来てもいいぞ」

おおおおおどうする? 甘えてもいいのかな。

エレン「それは是非、行きたいですけど……いいんですかね」

リヴァイ「構わんぞ。特に、エレン。ミカサ。お前たち2人には特に来て貰いたい。俺達は、お前らのおかげで結婚まで漕ぎついたようなもんだからな」

エレン「え? そうでしたっけ? オレ、何かやりましたっけ?」

リヴァイ「………覚えていないのか?」

エレン「はあ……まあ。なんかいろいろ遭遇しちゃったのは覚えていますけど。でも、特別何か「した」覚えはないですが」

リヴァイ「そうか。なら、思い出させてやる」

と、言ってリヴァイ先生は懐かしむように笑った。

リヴァイ「俺とハンジがいつものようにシャワー室で会話した時の事、覚えているか?」

エレン「え? ああ! アレですか。覚えてますよ。リヴァイ先生、裸だったのに、普通にハンジ先生とシャワー室で会話してましたよね。お互いに裸見ても平気で会話していたから、オレが「つきあっているんですか?」ってうっかりツッコミ入れたアレですよね?」

リヴァイ「そうだ。今思うと、アレが全ての始まりだった」

エレン「え……」

リヴァイ「あの時の、エレンの素朴なツッコミがなければ、俺達は今も、ぐるぐる同じところを走り回ってずっと平行線を辿っていただろう。俺達の関係を変化させてくれたのは、エレン。お前のおかげだ。本当に、ありがとう」

エレン「ええええ?! アレがきっかけだったんですか?! いや、でもアレは、オレじゃなくても、多分、ジャンが見ていたとしてもツッコミ入れていましたよ?!」

ジャン「あ? それはどういう意味だ。エレン」

エレン「後で詳しく話す。いや、だから、オレだからって話じゃなくて、きっと皆、ツッコミたくて堪らなかったと思うんですが……」

338進撃の名無し:2014/08/10(日) 01:24:29 ID:lJz.ncwQ0
オレがそういうと、今度はハンジ先生が笑った。

ハンジ「ああ、だろうねー。でも、実際その言葉が『届いた』のはエレンが初めてだったんじゃないかな? それまでは、どんなに周りから冷やかされても、リヴァイはそれを認めようとはしなかったからね」

エレン「そうだったんですか?」

ハンジ「うん。私が以前、『友人でいよう』なんて言っちゃったせいで、リヴァイの気持ちを封印させてしまっていたからね。今思うと、本当に酷い事したと思ってるけど……」

リヴァイ「まあそのツケは今、払って貰っているからいいとして、だ。つまり、エレンの言葉が俺の中で『響いた』のが全ての切欠だったんだ」

エレン「そうだったんですか」

リヴァイ「ああ。今思うと、『付き合っているんですかー?』とか『夫婦みたいですねww』とかそういう類の冷やかしは受けても、エレンのように具体的に『恋人同士くらいに親密じゃないとやらない』という指摘をしてきた奴は初めてだったんだ。それを冷静に考えてみた時に初めて俺の中で『あれ?』っていう違和感が出てきてな。そこからだ。エルヴィンですら、思っていたけど指摘まではしてこなかったのだから、よほどおかしな関係だったんだと、我ながら笑いたくなったよ」

と、リヴァイ先生が苦笑を浮かべていた。

リヴァイ「それ以外にも、エレンにもミカサにも沢山、世話になった。いつかお前たちが何か困った事が起きた時は、力になってやりたいと思っている。だから、式に2人とも出てくれないか?」

エレン「分かりました。ミカサは渋るかもしれませんが、説得します」

リヴァイ「頼んだぞ。何なら、ミカサが欲しがるような物を用意して釣ってやるから」

エレン「はい。お願いします」

という訳で、皆もそわそわしているけど、式に出ようかどうか迷っているようだ。

アルミン「うーん。でも、いいんですかね? 僕らが式に出席したら、リヴァイ先生のファンの子達から嫉妬されませんかね?」

アニ「あーあるかも。怖いよね。何か嫌がらせされそう」

リヴァイ「何なら式の方は、オフレコにしてもいいけどな。判断は任せるが」

ジャン「いや、それはもう、いいんじゃねえか? いちいちファンの子達のご機嫌伺うのも変な話だろ」

マーガレット「そうですね。私達はリヴァイ先生との繋がりも強いし。体操部の子達も来られる子は来るんですよね」

ハンジ「そうなるね。勿論、希望制にはなるけど」

339進撃の名無し:2014/08/10(日) 01:31:55 ID:lJz.ncwQ0
マルコ「だったらいいんじゃないかな。折角招待してくれるなら甘えようよ。皆で」

カジカジ「いいと思います!」

マリーナ「うん! 皆でお祝いしよう!」

キーヤン「賛成だな」

ジャン「3年の先輩達も勿論、いいんですよね」

リヴァイ「勿論だ。あいつらには絶対、来て欲しいと思っている。あ………」

と、其の時、リヴァイ先生が少し困った顔をした。

リヴァイ「いや、…………ペトラはどうしたらいいんだろうな」

ハンジ「……………」

リヴァイ「呼んでもいいんだろうか。あいつは……」

ハンジ「そこはリヴァイに任せるよ。私が口出せる問題じゃないからね。でも、ニファは来るって言ってたよ」

リヴァイ「そうか」

リヴァイ先生が複雑そうな顔をしていた。

そうか。ペトラ先輩はどうするんだろうな。

披露宴は我慢出来ても、実際、式の方を見たら泣いてしまうかもしれない。

340進撃の名無し:2014/08/10(日) 01:37:24 ID:lJz.ncwQ0
リヴァイ「分かった。少し時間を置いて考える。さて、今日はこの後の練習風景を見学させて貰うからな」

ハンジ「私は体操部の方に戻るね。んじゃ、皆頑張ってね〜」

と、言って先にハンジ先生が帰って行った。

そんな訳で結局はリヴァイ先生へ見せる舞台がバレてしまった訳だが、まあ、もうしょうがねえか。

本人監修の元で行う劇になったからかえって良かったかもしれないな。

そして練習の途中、小休止していた時、アニがオレに話しかけて来た。

アニ「エレン、ちょっといいかい?」

エレン「ん? どうした?」

アニ「いや……あんた、いつまでジャンに遠慮してるの?」

エレン「へ?」

何の話だ? いきなり。

アニ「いや、さっきの会話も気になったんだけど。あんた、もう少し強気でいても別に問題ないんだよ? ジャンに変に遠慮しなくても。何で気遣っているのかなって思って……」

エレン「え? え? だから何の話だよ」

アニ「………私が『やり過ぎて足腰立たなくさせたとか、じゃないよね?』ってからかった時、ジャン、怒ったじゃない? それに対して『やってねえから!!!』って言ってたでしょ?」

エレン「あーそれの事か」

やっと思い当たって、オレも頭を掻いた。

341進撃の名無し:2014/08/10(日) 01:44:33 ID:lJz.ncwQ0
エレン「まーアレだ。アレは条件反射で答えただけだ。深い意味はねえよ」

アニ「じゃあ、本当にやってないんだ」

エレン「まだ最後まではやってない。その……オレもいろいろ問題抱えているせいで、頭悩ませている最中なんだよ」

と、アニにどこまで話していいものか悩んでしまう。

エレン「そもそも、最初にくっつく段階で、オレ、ジャンを裏切ったようなものだからな」

アニ「ああ、先に告白したってやつ?」

エレン「そうだ。オレ、ジャンの気持ちを事前に知っていたからな。オレも後からミカサを好きになって、告白するんだったら、せめてジャンに一言『オレもミカサ好きになったから先に告白するわ!』って軽く宣言してから告白すれば良かったな、って今でもちょっと後悔している」

アニ「ええ? 別にそれは、関係なくない?」

エレン「まあ、そうかもしれんが。でも、やっぱり卑怯な事しちまったかなっていう思いは拭いきれてはいねえんだよ」

アニ「うーん。私はジャンみたいにいつまでもイジイジしているのは嫌いだけどね。しかもあいつ、最近、サシャの事も気になっている様子じゃない? 乗り換えるなら、さっさと乗り換えろよカスが! ってつい……」

エレン「アニ、それは本人の前では言うんじゃねえぞ?」

アニもオレと同じくらい口悪いな。まあいいけどさ。

342進撃の名無し:2014/08/10(日) 01:54:50 ID:lJz.ncwQ0
アニ「あ、うん。ごめんごめん。カスは言い過ぎた。『優柔不断が!』だね」

エレン「あんまり変わらん気もするが、ジャンが恋愛事で優柔不断なのは今に始まった事じゃねえだろ。あいつ、ヘタレだしな」

アニ「たまに見ているとイライラするけどね」

エレン「そうかもしれんが、そこはまあ、ジャンの個性の一部だろ」

アニ「あんた、本当に大人よねえ。意外とジャンの事を認めているんだ?」

エレン「え? ああ……まあ、腹立つ事も多いけど、根は悪い奴じゃねえからな。ジャンは」

ジャンは今も部長職をこなして頑張っている。根は真面目な奴だしな。

エレン「ただ、その辺の事ってどこまで独占していいのか分からねえっていうのもあるんだよ」

アニ「どういう意味?」

エレン「今は、オレとミカサは付き合っているけどさ。分かんねえだろ? 未来がどうなるかなんて」

一寸先は闇ってよく言うだろ?

エレン「このまま順調に交際が進めば、そりゃ結婚も視野に入れる。家庭だって子供だって欲しい。でも、人生ってどこでどう変化するかなんて、分からんだろうが」

人の死も含めて。人生は、何が起こるか分からない。

343進撃の名無し:2014/08/10(日) 02:05:32 ID:lJz.ncwQ0
エレン「だから、その……『ミカサはオレのだから』って言いたい気持ちもある反面、それを言っていいのか迷う時もあるんだよ。いや、オレも十分ヘタレではあるんだが、その……ジャンに対しては、オレも複雑な気持ちなんだよな」

アニ「まるでそれじゃ、もしもミカサがジャンに対して揺れたら、追いかけないって言ってるようにも聞こえるけど?」

エレン「そこまでは言ってねえよ。その時は『行くな』って引き留める。絶対に。でも、なんていうかな。初めのやり方を間違えたせいで、オレもその、なんだろうな? もやもやするんだよ。それでもジャンには『もうミカサの事は諦めてくれ』ってオレから言っていいのか? この場合」

アニ「むしろ早く言って。もういい加減、ジャンがウザい(黒笑顔)」

エレン「ええええ………」

アニがアルミンと匹敵する黒笑顔になった。

アニ「いや、女の立場からすれば、の話なんだけどね。ごめん。私は女だから。つい、ミカサの贔屓をしてしまうんだよ」

エレン「そ、そういうもんか」

アニ「ミカサも喜ぶと思うよ。その方がいいって」

エレン「でもなあ、ミカサは、ジャンとの「友人」としての関係は切りたくねえんじゃねえかな」

アニ「下心ある時点で、その関係は破綻しているじゃないの。ミカサももう、いい加減、薄々気づいているんだし」

エレン「…………見ないようにしているだけって話か?」

アニ「そうだと思う。たまにため息ついているしね」

エレン「そっかあ……」

344進撃の名無し:2014/08/10(日) 02:14:08 ID:lJz.ncwQ0
アルミン「1番いいのは、ジャンが別の子とくっつく事だよねー」

と、しれっとオレの横にきて会話に加わるアルミンだった。

エレン「アルミン、聞いていたのかよ」

アルミン「こそこそ2人が話しているから気になってこっちに来ちゃった。ごめんね☆」

アニ「いや、いいよ。アルミンともその件に関しては前から話していたんだよね」

アルミン「うん。さっきのジャンの発言、『お前がそれ言うか?』ってちょっと思ったもんね」

アニ「そうそう。『いや、それはもう、いいんじゃねえか? いちいちファンの子達のご機嫌伺うのも変な話だろ』って、言った時、ちょっとイラッとしたね」

エレン「え? 何で?」

アニ「だって、さっきのエレンとジャンの会話がまさにそうじゃない」

エレン「あー」

そう言われればそうなるのかな。

オレがジャンの機嫌を伺っているのが変な話って意味だよな。ここでは。

アニ「自分の事は完全に棚上げ状態だからね。もういい加減、どうにかして欲しい」

アルミン「サシャとジャン、どうにかしてくっつけられないかなーと、アニとも話していたんだよね」

エレン「つっても、サシャは演劇部員じゃねえし、接点は同じクラスって事くらいだろ?」

アニ「それと、漫画家のアシスタントの関係かな。今もたまに収集かかって、アシさんやってるらしいよ。2人とも」

エレン「あ、そうなのか。それはすげえな」

なんかもう、そっちの道に進んでもいいんじゃねえか? 2人とも。

345進撃の名無し:2014/08/10(日) 02:22:13 ID:8NI.32VI0
アルミン「うん。だからねー何とか2人もカップルに仕立て上げたいんだよね。リヴァイ先生とハンジ先生をくっつけたエレンの手腕を借りたいんだけど」

エレン「オレ、殆ど何もしてねえぞ?! 無茶言うなよ!」

アニ「いやいや。10年近くくっつかなかったカップルをくっつけた功績は大きいよ?」

アルミン「僕もそう思う。エレンなら、きっと出来ると思うよ」

エレン「えええええ」

なんか無茶ぶりされているような気がするが。

オレにどうしろと言うんだよ…。

エレン「そんな事、オレなんかより、もっと適任の人がいるだろ」

アルミン「え? 誰?」

エレン「エルヴィン先生とかかな? 進路指導の傍ら、生徒の「愛の」進路指導もしてくれるぜ? 頼めば」

アニ「え? 何それ。初耳なんだけど」

エレン「知らなかったのか? エルヴィン先生、すっげえゲスい性格しているからな。生徒の恋愛事でも平気で首突っ込んでくれるぞ」

アルミン「それはいい事聞いたね。アニ、いっちょやっちゃう?」

アニ「やろう。ジャン×サシャ大作戦、決行しよう」

マルコ「何か楽しそうな事、話している?」

と、其の時、マルコまでこっちに来た。

アルミン「詳しい事は後でメールするよ。ジャンがこっちを怪しみだした」

マルコ「了解。じゃあまた後で」

おいおい。リヴァイ先生とハンジ先生の次はジャンとサシャかよ。

皆、ゲスいなー。まあ、その方が助かると言えば俺は助かるんだが。

ジャン「おい! 休憩そろそろ終わるぞ!」

エレン「了解」

やれやれ。ジャン。お前にもときめきの導火線、仕掛けられるフラグが立ったぞ。

どーなっても、オレは知らね。

と、無責任に考えながら練習を再開するのであった。

346進撃の名無し:2014/08/10(日) 02:25:59 ID:lJz.ncwQ0
リヴァイ×ハンジの次はジャン×サシャフラグ立ちました。
こっちもときめきの導火線仕掛ける気満々です。皆、ゲスい。

という訳で今回はここまで。続きはまた次回ノシ

347進撃の名無し:2014/08/10(日) 07:05:01 ID:LDkNbgOU0
ガーネット先輩に頼んだ衣装…
エルヴィンへのサプライズならリヴァイのウエディングドレスwだろうが、本人絶対やらないだろうからな
ここは新居にちなんで着流しと割烹着で波平&フネさんと予想してみる(笑)

348進撃の名無し:2014/08/10(日) 10:27:44 ID:lJz.ncwQ0
>>347
ふふふふ………まあ当日までのお楽しみです。

349進撃の名無し:2014/08/10(日) 10:28:25 ID:lJz.ncwQ0










火曜日の1限目は世界史だ。アルミンはまたエルヴィン先生に授業後、相談していた。

エルヴィン「あらら……バレちゃったか。それは勿体ない事をしたね」

アルミン「すみません。リヴァイ先生にうちに来て貰った時に、タンス運ぶ前に、僕の机の上を見られちゃって。僕も隠しておけば良かったんですけど。メモ書きを見られてしまって……」

エルヴィン「まあそういう事もあるよ。むしろそれはそれで好都合だよ」

アルミン「え? どういう意味ですか?」

エルヴィン「舞台は囮って事さ。本命のサプライズは別にある(ニヤリ)」

アルミン「え? 舞台だけじゃないんですか?」

エルヴィン「結婚式にはね、普通『スピーチ』っていう演目をやるんだよ。私はむしろ、そっちでリヴァイを泣かせようと思っている」

アルミン「ああ、なるほど。リヴァイ先生への『お祝い』のスピーチですね」

エルヴィン「そうそう。舞台の事に気を取られているなら好都合だ。不意打ちの感動スピーチで泣かせてやろうと思っている」

エルヴィン先生の方もサプライズを用意しているらしい。

こりゃサプライズ合戦になりそうな気配満々だな。

エルヴィン「で、舞台の件が本人にバレたのはいいとして、今日はそれだけかな?」

アルミン「いえ、実は……」

と、其の時、急に声を落としてアルミンが言った。

アルミン「エレンから聞きました。『愛の』進路相談、やっているんですよね?」

エルヴィン「うん。むしろそっちの方が本業にしたいくらいだけど」

それはダメだろ。

エルヴィン「誰か悩める生徒がいるのかな?」

アルミン「詳しい事は放課後、いいですか?」

エルヴィン「いいよ。ピクシス先生も呼ぶけど、いいかな?」

アルミン「人手が多い方が助かります。では、また放課後……」

エルヴィン「うん。先に進路指導室で待っててね。鍵は職員室に来れば借りれるから」

アルミン「分かりました」

という訳で、本当にアルミンはジャン×サシャ大作戦を決行する気でいるらしい。

そしてその日の放課後、オレとミカサとアルミンとアニとマルコは進路指導室に先に足を運ぶ事にした。

ジャンには「?」という顔をされたが、アルミンが「全員、進路の件でちょっと話があるから」という事で誤魔化した。

350進撃の名無し:2014/08/10(日) 10:43:58 ID:lJz.ncwQ0
そして待つこと数分。エルヴィン先生とピクシス先生が進路相談室にやってきた。

エルヴィン「おや。意外と人数が多い。誰から相談するのかな?」

アルミン「いえ、今日は僕達ではなく、別の2人の事について話したいんですが」

という事でアルミンが代表して事情を説明する事にした。

そして一通り話を聞き終えると、ピクシス先生が悪い顔をし始めた。

ピクシス「それはなかなか……面白い事になっておるのう」

エルヴィン「んーつまり、今、ジャンはどっちつかずな状態でフラフラしている訳だね?」

アニ「そうです。見ていてイラッとします(キリッ)」

マルコ「僕も親友として見ていて、たまに頭を張り倒したくなる時もありますね」

温和なマルコが言うくらいだ。相当だな。

エルヴィン「ふむ。ミカサはどの辺でジャンの気持ちに気づいていたのかな?」

ミカサ「ええっと……怪しいなと思う時は何度もあったのですが」

と、前置きしてからミカサは言った。

ミカサ「1番変だと思ったのは、夏合宿をした時ですね。野球の練習に混ぜて貰った時、あの時のジャンの熱っぽい視線にはさすがに違和感を覚えて……後日、周りの人に確認したら『今頃気づいたの?!』と言われました」

ああ、野球の話をした時のアレだな。ミカサがいるから演劇部にいると宣言したようなもんだしな。

さすがにアレは気づくよな。オレも途中で止めて正解だった。

ミカサ「それ以降、私もどうしたらいいのか分からなくて。曖昧なまま今の関係を続けているので、どうしたら良いのかと」

エルヴィン「うん。その件に関しては放置でいいと思うよ。別にジャンの方から襲い掛かってくるとかいう話ではないんだよね?」

ミカサ「はい。表面上はあくまで「友人」として接してくれます」

エルヴィン「だったら見て見ぬふりをするのも、女の腕の見せ所だよ。放置でいい」

アニ「でも、ウザくないですか?」

エルヴィン「ウザいと思うなら、距離を置いてもいい。だけどミカサの性格を考えればそれは出来ないんだろ?」

ミカサ「……はい」

エルヴィン「曖昧なままでいいんだよ。何も全てに白黒をつける必要はない。灰色の関係だってあっていい。ミカサの方から何かしたら、ミカサが悪者になっちゃうでしょ?」

アニ「ああ、そうか。そういう考え方もあるんですね」

エルヴィン「うん。女の子なんだから、多少ずるくても構わないよ。弄ぶくらいで丁度いいから。ミカサの特権だと思えばいい」

ドS発言きたな。ジャンはドМだからいいのかもしれんが。

351進撃の名無し:2014/08/10(日) 10:56:26 ID:lJz.ncwQ0
エルヴィン「こういう時は、確かにもう一人の女の子、サシャとジャンが付き合う方が都合がいいのは確かだが、それはあくまで、ミカサからみた場合だよね」

ミカサ「そう、ですね」

エルヴィン「いいのかな? キープ君、手放しても本当にいいんだね?」

キープ君って! なんだその言い方! ひでえな。

ミカサ「キープ君?」

エルヴィン「そういう、2番目の男の事を『キープ君』と呼んだりするよ。いい女は、常にそういう男を隠して持っているものだよ」

ミカサ「ええええ………(げんなり)」

ミカサが露骨にげんなりした。なんか可哀想だな。

ミカサ「それって、私が周りから「そう思われていた」って事ですか?」

エルヴィン「まあ、そうみる人はそう見るだろうね。でも別にいいと思うよ。ミスコンの女王に選ばれるくらいの女の子なんだから、男が1人や2人や3人いたって」

ミカサ「1人で十分です(キリッ)」

エルヴィン「ミカサはそういう性格だろうけどね。でも、実際いるからね。そういう女の子も。だから一応、確認しただけだよ。気に障ったならごめんね」

ミカサ「いえ……それならいいんですが」

エルヴィン先生、本当、いろいろぶっ飛んだ先生だよなあ。

エルヴィン「ミカサの方にその気がないなら大丈夫かな。後で惜しくなっても後悔しないね?」

ミカサ「それはあり得ないと思います。むしろ祝福したいと思っているので」

エルヴィン「分からないよ? 実際、そうなってみたら、勿体なかったかなって後悔する場合もあるからね。後で寂しくなっても知らないよ?」

やけに念押しするな。エルヴィン先生。

まさか、ミカサの方にそういう「気配」があると読んでいるのかな。

352進撃の名無し:2014/08/10(日) 11:06:12 ID:lJz.ncwQ0
ミカサ「大丈夫です。私はジャンを祝福したいので」

エルヴィン「分かった。そこまで言うなら、私も協力しよう。ジャンとサシャの2人にも「ときめきの導火線」を仕掛けようじゃないか」

アルミン「ときめきの導火線……なんか聞いたことある」

アニ「私もある。そういう「歌」なかったけ?」

エルヴィン「今の子達は知らないかー世代が違うとしょうがないよね」

と言って、エルヴィン先生がスマホで音楽を流してくれた。

女性? 男性? 中性的な声が流れた。昔のアニメのEDソングらしい。

エルヴィン「いい曲でしょ? 私が恋の罠を仕掛ける時に使うコードネームに使わせて貰っているんだ。「ときめきの導火線」ってね。着火準備が整うまでに少し時間はかかると思うけど、私とピクシス先生で大まかな作戦を考えるよ」

アルミン「よろしくお願いします。もういい加減、僕もイライラしてきたんで」

アニ「本当、お願いします(ぺこり)」

周りにそこまでイライラさせていたのか。何か、かえって気遣わせてしまったな。

申し訳ないような気持ちでいっぱいだ。頭を掻いていると、エルヴィン先生が言った。

エルヴィン「にしても、ちょっと気になったけど。エレン、いいかな?」

エレン「あ、はい」

エルヴィン「君はジャンを出し抜いた件について、まだ罪悪感を残しているんだね」

エレン「まーそうですね。勢いっていうか、オレ、考え無しに告白しちまったようなもんだから」

エルヴィン「うん。でも私は、もうそれは気に病む必要のない事だと思うよ」

エレン「………そうですかね」

エルヴィン先生は紅茶を飲みながら頷いた。

353進撃の名無し:2014/08/10(日) 11:16:13 ID:lJz.ncwQ0
エルヴィン「そもそも、ジャンの方が君の気持ちに早い段階で気づいていた筈だからね」

エレン「え?」

エルヴィン「無意識に抑え込んでいるエレンの気持ちに、恐らく……そのGWに一緒に遊んだ時点で確信した筈だ。男なら、その時点ですぐにミカサに対してのアプローチを仕掛けるべきだよ。いつ、エレンが覚醒するか分かったもんじゃないんだから。私なら、絶対その隙に逆に出し抜いたと思うけどね」

エレン「そうですか……」

エルヴィン「うん。ジャンの方にも何回か、仕掛ける機会はあった筈だし、それをスルーして怖気づいた結果がコレなんだろ? だとしたら、ジャンが文句を言う筋合いはないね。必要以上に、ジャンに対して気を遣う必要はないよ」

エレン「うーん……」

アニと似たような事、言われちまったな。

エレン「つまり『オレのだから』って宣言してもいいって事ですかね」

エルヴィン「君達の事はもうとっくの昔に有名になっているよ。校内でも。知らないの? リヴァイのファンの子達の嫌がらせとかの防護壁になっていた件とか」

エレン「え? 何ですかそれ」

初耳だ。なんか嫌な予感がする。

エルヴィン「ミカサ、リヴァイと一緒にずっと殺陣の練習していたりしたでしょ? もしアレがリヴァイとミカサの2人で行われていたら、今頃ミカサも嫌がらせの対象になっていた筈だ。エレンが傍に常についていたから、皆が「ああ、あの子は違うんだ」と認識して、ミカサは嫉妬の対象から外されていたんだよ。だからエレン、君はミカサを知らない間に守っていたと言えるんだよ」

エレン「えええええ」

マジか。そうだったんだ。全く気付かなかったぜ。

354進撃の名無し:2014/08/10(日) 11:24:44 ID:lJz.ncwQ0
エルヴィン「体操部の子達から聞いたよ。朝から結構、イチャイチャしていたんだってね? リヴァイが赤面するくらいに」

エレン「うわああああ! まさか、見られていたんですかね?!」

エルヴィン「朝の7時きっかりにくる子ばかりじゃないよ? 少し早めに来た子達は、中に入りづらくてちょっと居た堪れない気持ちだったって言ってたなあ」

エレン「すんませんでしたああああああ!」

あの時の事が蘇って思わず頭を下げるオレだった。

エルヴィン「まあ、若いんだから当然だよね。運動したてのミカサにクンクンしたくなるのは男として当然だ。健全な男子だよ」

ミカサ(真っ赤)

ミカサまで赤くなった。ああもう、本当にいろいろ御免なさい。

エルヴィン「そう言う訳だから、あんまりジャンがしつこいようなら、エレンの方から話をつけてもいいと思うよ。まあ、私の個人的な意見になるから、どうするかはエレンに任せるけど」

エレン「そうですね。オレも機会を出来れば設けて、1度あいつと話してみます」

今のままじゃいけないような気もするしな。ちゃんと腹割って話し合いたい。

オレはジャンの事は、嫌いな部分もあるし、好きな部分もある。

親友とは呼べないけど、少なくとも、友人の一人にしてやってもいいくらいは思っている。

………あいつにそれ言ったら「ざけんな」と言われそうだが。

355進撃の名無し:2014/08/10(日) 11:37:28 ID:lJz.ncwQ0
ピクシス「ふむ………わしはエレンの気持ちも分からんでもないがの」

エレン「え?」

ピクシス「出来る事なら正々堂々と宣言してから告白するべきだった。そう思う事は間違ってはおらんと思うぞ? むしろ男気があって良いでないか」

エレン「そ、そうですか?」

ピクシス「ただ人間じゃからの。予定通りに事が運ばない事も多々ある。元々は、エレン自身もミカサにそんなに早く気持ちを伝えるつもりはなかったんじゃろ?」

エレン「そうですね。そもそも、家族としてやっていくべきだと最初は思っていた訳なんで」

ピクシス「だとすれば、それはもう自然の「流れ」のようなものじゃ。美しいと思った瞬間に、言葉が溢れ出た。人間じゃからそういう事もあって当然じゃ。わしなんか、美女に出会った瞬間に口説き落とそうとして怒られた事も多々あるぞ」

手が早い。ピクシス先生ならやりそうだな。

ピクシス「じゃから、むしろ何故、ジャンの方が先に行動を起こさなかったのかがわしからみたら『疑問』に思うの。そこをちゃんと確認した上で腹を割って話せば、案外何とかなるのではないか?」

エルヴィン「私もそう思います。まあ、私の読みが当たっていれば、ジャンは「ミカサ」の方の気持ちも早い段階で気づいていたんじゃないかと思いますが」

ミカサ「え…?」

意外な意見だった。どういう意味だ?

356進撃の名無し:2014/08/10(日) 11:50:35 ID:lJz.ncwQ0
エルヴィン「男っていう生き物は、自分の方に気持ちの向いていない女に、なかなか自分から告白する勇気の持てない臆病な生き物だっていう事だよ」

エレン「え? そ、そういうもんですかね? オレの場合は、そうじゃなかったですけど」

ピクシス「いや、そうとも限らん。エレン、お主は潜在意識の中の何処かで「イケる」と判断したから、告白出来たのかもしれんぞ」

エレン「んー……」

そうなんだろうか? あの時のオレはそこまで考えていたんだろうか?

いや、深い事は何も考えていなかった気がする。

ただミカサが「綺麗」で、腹の奥から、自然と言葉が出て来た感じだった。

後の事、あんまり考えずに先走った感じだったんだけどな。

ピクシス「まあその辺は、ミカサとも答え合わせをしないと分からん。告白された時点では、ミカサはエレンの事をどう思っておったんじゃ?」

ミカサが真っ赤になっている。あれ? どうしたんだ?

ミカサ「今思うと、私がエレンを好きになったのは、恐らく、6月の時点です」

エレン「え………」

6月?! オレより早くねえか?

ミカサ「梅雨の時期、私がついつい、ゲームにはまって家事仕事をサボってしまったのに、エレンは笑って許してくれて。むしろ、家の中で寛いで欲しいと言ってくれた。あの時、ふわっとする感情が出て来て。エレンの前なら、多少の失敗はしてもいいんだって思ったら、すごく、その、安心して。エレンに包まれているような感覚を覚えて。温かいって感じてしまって、その……多分、そこからです」

ええええ? あの逆転のゲームがオレ達を結んだって事かそれって?!

いや、確かにあの時のミカサ、可愛かったけどな! 異様に!

そうか。そんなに早い段階からミカサ、オレの事、好いてくれていたのか。

ミカサ「ただ、それに気づいたのは、夏の海の件があってからで、加えて、サシャの美少女っぷりに嫉妬している自分とか、いろいろ重なって……なので、今思うと、告白された時点では、私の中では「OK」以外の選択肢はなかったです」

そうだったんだ。いや、それを聞けて嬉しいな。


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