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涼宮ハルヒオタク 性転換ネタを書いてみた

7無花果:2008/03/26(水) 19:23:23 HOST:softbank219053218074.bbtec.net
―第一章④―

 ところで今教室に涼宮ハルキはいない。いたらこんな話も出来ないだろうけど、たとえいた
としても全く気にしていないような気もする。その涼宮ハルキだけど、四時間目が終わるとす
ぐ教室を出て行って五時間目が始まる直前にならないと戻ってこないのが常だ。だけど昼食に
一時間もかけないだろうし、そういや授業の合間の休み時間にも必ずと言っていいほど教室に
はいない人で、いったいどこをうろついているんだか。
「でもねぇ、あいつモテるのよね」
 谷口はまだ話している。
「なんせカッコいいしさ。おまけにスポーツ万能で成績もどちらかと言えば優秀なんだ。ちょ
っとばっか変人でも、黙って立ってたら、そんなこと解らないし」
「それにも何かエピソードがあるの?」
 問う国木田さんは谷口の半分も箸が進んでいない。
「一時期は取っ替え引っ替えってやつだっわね。あたしの知る限り、一番長く続いて一週間、
最短では告白されてオーケーした五分後に破局してたなんてのもあったらしいわ。例外なく涼
宮君が振って終わりになるんだけど、その際に言い放つ言葉がいつも同じ、『普通の人間の相
手してるヒマはないの』。だったらオーケーしなければいいのに」
 …こいつもそう言われたかもしれない。そんなあたしの視線に気付いたのか、谷口はあわて
た風に、
「聞いた話だって、本当に。なんでか知らないけど、コクられて断るってことをしないのよ、
あいつは。三年になった頃にはみんな解ってるもんだから涼宮君と付き合おうなんて考える奴
はいなかったけどね。でも高校でまた同じことを繰り返す気がするわ。だからね、あなたが変
な気を起こす前に言ってあげる。やめときなさい。こいつは同じクラスになったよしみで言う
あたしの忠告よ。」
 やめとくも何も、そんな気はないのにね。
 食べ終わった弁当箱を鞄にしまい込んで谷口はニヤリと笑った。
「あたしだったらそうだな。このクラスでの一押しはあいつね。朝倉涼。」
 谷口が顎をしゃくって示した先に男どもの一部が机をひってけて談笑していた。その中心で
笑顔を振り向くのが朝倉涼だった。
「あたしの見立てでは一年の男の中でもベスト3には確実に入るね」
 一年の男子全員をチェックでもしたのか。
「ええ。AからDまでランク付けしてそのうちAランクの男子はフルネームで覚えたわ。一度
しかない高校生活、どうせなら楽しく過ごしたいしね。」
「朝倉君がそのAなわけ?」と国木田さんが言う。
「AAランクプラス、ね。あたしくらいになると顔見るだけで解るわ。アレはきっと性格まで
いいに違いないわ」
 勝手に決め付ける谷口の言葉はまあ話半分で聞くとしても、実のところ朝倉涼もまた涼宮ハ
ルキとは別の意味で目立つ男だった。
 まず第一にイケメンだ。いつも微笑んでいるような雰囲気がイイ感じだ。第二に性格がいい
という谷口の見立てはおそらく正しい。この頃になると涼宮ハルキに話しかけようなどという
酔狂な人間は皆無に等しかったけど、いくらぞんざいにあしらわれてもそれでもめげずに話し
かける唯一の人間が朝倉君だ。どことなく委員長っぽい気質がある。第三に授業での受け答え
を見ていると頭もなかなかいいらしい。当てられた問題を確実に正当している。教師にとって
もありがたい生徒だろう。第四に同姓にも人気がある。まだ新学期が始まって一週間そこそこ
だけど、あっという間にクラスの男子の中心的人物になりおおせてしまった。人を惹きつける
カリスマみたいなものが確かにある。
 いつも眉間にシワ寄せている頭の内部がミステリアスな涼宮ハルキと比べると、そりゃ彼氏
にするんならこっちかな、あたしだって。それより、どちらにしろ谷口には手の届かない存在
だと思うけど。


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