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涼宮ハルヒオタク 性転換ネタを書いてみた
6
:
無花果
:2008/03/26(水) 19:22:46 HOST:softbank219053218074.bbtec.net
―第一章③―
別段一人でご飯を食べるのは苦にならないものの、やはり皆がわやわや言いながらテーブル
をくっつけているところにポツンと取り残されるように弁当をつついているというのも何なの
で、というわけでもないのだけれど、昼休みになるとあたしは中学が同じで比較的仲のよかっ
た国木田さんと、たまたま席が近かった東中出身の谷口という人と机を同じくすることにして
いた。
涼宮ハルキの話題が出たのはその時である。
「あなた、この前涼宮君に話しかけてたね」
何気にそんなことを言いだす谷口。まあ、うなずいておいた。
「わけの解らないこと言われて追い返されたでしょ」
全くその通りだ。
谷口はゆで卵の輪切りを口に放り込み、もぐもぐしながら、
「もしあいつに気があるんなら、悪いことは言わない、やめておきな。涼宮君が変人だっての
は充分解ったでしょ」
中学で涼宮君と三年間同じクラスだったからよく知ってるんだけどね、と前置きし、
「あいつの奇人ぶりは常識を逸している。高校生にもなったら少しは落ち着くかなと思ったん
だけど全然変わってないわ。聞いたでしょ、あの自己紹介」
「あの、宇宙人がどうとか言うやつ?」
焼き魚の切り身から小骨を細心の注意で取り除いていた国木田さんが口を挟んだ。
「そ。中学時代にもわけの解らないことを言いながらわけの解らないことをさんざんやり倒し
ていたわ。有名なのが校庭落書き事件」
「なにそれ?」
「石灰で白線引く道具があるでしょ。あれなんて言うんだっけ?まあいいや、とにかくそれで
校庭にデカデカとけったいな絵文字を書いたことがあるの。しかも夜中の学校に忍び込んで」
そんときのことを思い出したのか谷口はにやにや笑いを浮かべた。
「驚くよね。朝学校来たらグラウンドに巨大な丸とか三角とかが一面に書きなぐってあるのよ。
近くで見ても何が書いてあるのか解らなかったから試しに校舎の四階から見てみたんだけど、
やっぱり何が書いてあるのか解らなかったわ」
「あ、それ見た覚えあるな。確か新聞の地方蘭に乗ってなかった?航空写真でさ。出来そこな
いのナスカの地上絵みたいなの」
と国木田さんが言う。あたしには覚えがない。
「載ってた載ってた。中学校の校庭に描かれた謎のイタズラ書き、ってね。で、こんなアホな
ことをした犯人は誰だってことになったんだけど……」
「その犯人があいつだったってわけね」
「本人がそう言ったんだから間違いないわ。当然、何でそんなことしたんだってなるわね。校
長室まで呼ばれてたわ。教師総がかりで問いつめられたらしい」
「何でそんなことしたの?」
「知らない」
あっさり答えて谷口は白飯をもしゃもしゃと頬張った。
「とうとう白状しなかったみたい。だんまりを決め込んだ涼宮君のキッツい目で睨まれてみな、
もうどうしようもないわよ。一説によるとUFOを呼ぶための地上絵だとか、あるいは悪魔召
喚の魔方陣だとか、または異世界への扉を開こうとしていたとか、噂はいろいろあったんだけ
ど、とにかく本人が理由を言わないのだから仕方がない。今もって謎のままよ」
あたしの脳裏には、真っ暗の校庭に真剣な表情で白線を引いている涼宮ハルキの姿が浮かん
でいた。ガラゴロ引きずっているラインカーと山積みにしている石灰の袋はあらかじめ体育館
倉庫からガメていたのだろう。懐中電灯くらいは持っていたかもしれない。頼りない明かりに
照らされた涼宮ハルキの顔はどこか思いつめた悲壮感に溢れていた。あたしの想像だけどね。
たぶん涼宮ハルキは本気でUFOあるいは悪魔または異世界への扉を出そうとしていたのだ
ろう。ひょっとしたら一晩中、中学の運動場で頑張っていたのかもしれない。そしてとうとう
なにも現れなかったことにたいそう落胆したに違いない、と根拠もなく思った。
「他にもいっぱいやってたわ」
谷口は弁当の中身を次々と片づけつつ、
「朝教室に行ったら机が全部廊下に出されてたこともあったわ。校舎の屋上に星マークをペン
キで描いたり、学校中に変なお札、キョンシーが顔にはっつけているようなやつね、あれがベ
タベタ貼りまくられたこともあったわ。意味わかんないわよ」
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