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涼宮ハルヒオタク 性転換ネタを書いてみた
5
:
無花果
:2008/03/26(水) 19:21:47 HOST:softbank219053218074.bbtec.net
―第一章②―
このように一瞬にしてクラス全員のハートをいろんな意味でキャッチした涼宮ハルキだが、
翌日以降しばらくは割とおとなしく一見無害な男子高生を演じていた。
嵐の前の静けさ、という言葉の意味が今のあたしにはよく解る。
いや、この高校に来るのは、もともと市内の四つの中学校出身の生徒たち(成績が普通レベ
ルの人達)ばかりだし、東中もその中に入っていたから、涼宮ハルキと同じ中学から進学した
人達もいるわけで、そんな彼らにしてみればこいつの雌伏状態が何かの前兆であることに気付
いていたんだろうけど、あいにくあたしは東中に知り合いがいなかったしクラスの誰も教えて
くれなかったから、スットンキョーな自己紹介から数日後、忘れもしない、朝のホームルーム
が始まる前だ。涼宮ハルキに話しかけるという愚の骨頂なことをあたしはしでかしてしまった。
ケチのつき始めのドミノ倒し、その一枚目をあたしは自分で倒してしまったというわけだ。
だってさ、涼宮ハルキは黙ってじっと座っている限りではイケメン高校生にしか見えないの
よ。たまたま席が真ん前だったという地の利を生かしてお近づきになっとくのもいいかもと一
瞬血迷ったあたしをだれが責められよう。
もちろん話題はあのことしかあるまい。
「ねえ」
と、あたしはさりげなく振り返りながらさりげない笑みを浮かべて言った。
「しょっぱなの自己紹介のアレ、どのへんまで本気だったの?」
腕組みをして口をへの字に結んでいた涼宮ハルキはそのままの姿勢でまともにあたしのめを
凝視した。
「自己紹介のアレって何」
「だから、宇宙人がどうとか」
「おまえ、宇宙人なの?」
大真面目な顔で聞いてくる。
「……違うけどさあ」
「違うけど、何なんだ」
「……いや、何でもない」
「だったら話しかけんな。時間の無駄だから」
思わず「すみません」と謝ってしまいそうになるくらい冷徹な口調と視線だったね。涼宮ハ
ルキは、まるで芽キャベツを見るようにしてあたしに向けていた目をフンとばかりに逸らすと、
黒板のあたりをにらみつけ始めた。
何かを言い返そうとして結局何も思いつけないでいたあたしは担任の岡部がはいってきたお
かげで救われた。
負け犬の心でしおしおと前を向くと、クラスの何人かがこっちの方を興味深げに眺めていた。
目が合うと実に意味深な半笑いで「やっぱりな」とでも言いたげな、そして同情するかのごと
きうなずきをあたしによこす。
なんか、シャクに障る。後でわかったことだけどそいつらは全員東中だった。
とまあ、おそらくファースト・コンタクトとしては最悪の部類に入る会話のおかげで、さす
がにあたしも涼宮ハルキには関わらないほうがいいのではないかと思い始めてその思いが覆ら
ないまま一週間が経過した。
だが理解していない観察眼のない人もまだまだいないわけではなく、いつも不機嫌そうに眉
間にしわを寄せ唇をへの字にしている涼宮ハルキに何やかんやと話しかけるクラスメイトも中
にはいた。
だいたいそれはおちゃらけた男子であり、新学期早々クラスから孤立しつつある男子生徒を
気遣って調和の中に入れようとする、本人にとっては好意から出た行動なのだろうが、いかん
せん相手が相手だった。
「おい、昨日のドラマ見たか?九時からのやつ」
「みてねえ」
「え?なんで?」
「知らねえ」
「いっぺん見てみろよ、あ、でも途中からじゃ解んねーか。早々、だったら教えてやるか、今
までのあらすじ」
「うるせえ」
こんな感じ。
無表情に応答するならまだしも、あからさまにイライラした顔と発音で応えるものだから話
しかけた人間のほうが何か悪いことをしているような気分になり、結局「ああ……まあ、その
……」と肩を落としてすごすご引き下がることになる。「俺、なんか変なこと言ったか?」
安心しなさい、言っていない。おかしいのは、涼宮ハルキの頭の方よ。
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