[
板情報
|
カテゴリランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
| |
涼宮ハルヒオタク 性転換ネタを書いてみた
3
:
無花果
:2008/03/26(水) 19:20:12 HOST:softbank219053218074.bbtec.net
涼宮ハルキの憂鬱
―プロローグ―
サンタクロースをいつまで信じていたかなんてことはたわいもない世間話にもならないくら
いのどうでもいいような話だけれど、それでもあたしがいつまでサンタなどという想像上の赤
服じーさんを信じていたかというとこれは確信を持って言えるけど最初から信じてなどいなか
った。
幼稚園のクリスマスイベントに現れたサンタは偽サンタだと理解していたし、記憶をたどる
と周囲にいた園児たちもあれが本物だとは思っていないような目つきでサンタのコスプレをし
た園長先生を眺めていたように思う。
そんなこんなでお母さんがサンタにキスしているところを目撃したわけでもないのにクリス
マスにしか仕事をしないジジイの存在を疑っていた賢しいあたしなのだが、宇宙人や未来人や
幽霊や妖怪や超能力や悪の組織やそれらと戦うアニメ的特撮的マンガ的ヒーローたちがこの世
に存在しないのだということに気付いたのは相当後になってからだった。
いや、本当は気付いていたのだろう。ただ気付きたくなかっただけなのだ。あたしは心の底
から宇宙人や未来人や幽霊や妖怪や超能力や悪の組織が目の前にふらりと出てきてくれるこ
とを望んでいたのだ。
あたしが朝目覚めて夜眠るまでのこのフツーな世界に比べて、アニメ的特撮的マンガ的物語
の中に描かれる世界の、なんと魅力的なことだろう。
あたしもこんな世界に生まれたかった!
宇宙人にさらわれてでっかい透明なエンドウ豆のサヤに入れられている少女を救いだしたり、
レーザー銃片手に歴史の改変を計る未来人を知恵と勇気で撃退したり、悪霊や妖怪を呪文一発
で片づけたり、秘密組織の超能力者とサイキックバトルを繰り広げたり、つまりそんなことを
したかった!
いや待て冷静になれ、仮に宇宙人や(以下略)が襲撃してきたとしてもあたし自身には何の
特殊な能力もなく太刀打ちできるはずがない。ってことであたしは考えたね。
ある日突然謎の転校生があたしのクラスにやってきて、そいつが実は宇宙人とか未来人とか
まあそんな感じで得体のしれない力なんかを持っていたりして、でもって悪い奴らなんかと戦
っていたりして、あたしもその闘いに巻き込まれたりすることになればいいじゃん。メインで
戦うのはそいつ。あたしはフォロー役。おお素晴らしい、頭いーなあたし。
か、あるいはこうだ。やっぱりある日突然あたしは不思議な能力に目覚めるのだ。テレポー
テーションとかサイコキネシスとかそんなのよ。実はほかにも超能力を持っている人間は結構
いて、そういう連中ばかりが集められているような組織も当然あって、善玉の方の組織から仲
間が迎えにきてあたしもその一員となり世界征服を狙う悪い超能力者と戦うとかね。
しかし現実ってのは意外と厳しい。
実際のところ、あたしのいたクラスに転校生が来たことなんて皆無だし、UFOだって見た
こともないし、幽霊や妖怪を探しに地元の心霊スポットに行っても何も出ないし机の上の鉛筆
を二時間も必死こいて凝視していても一ミクロンも動かないし、前の席の同級生の頭を授業中
いっぱい睨んでいても思考を読めるはずもない。
世界の物理法則がよくできていることに感心しつつ自嘲しつつ、いつしかあたしはテレビの
UFO特番や心霊特集をそう熱心に観なくなっていた。いるワケない……でもちょっとはいて
欲しい、みたいな最大公約数的なことを考えるくらいにまであたしも成長したのさ。
中学校を卒業するころには、あたしはもうそんなガキくさい夢を見ることからも卒業して、
この世の普通さにも慣れていた。一縷の期待をかけていた一九九九年に何が起こるわけでもな
かったしね。二十一世紀になっても人類はまだ月から向こうに到達してないし、あたしが生き
てる間にアルファケンタウリまで日帰りで往復できることもこのぶんじゃなさそうだ。
そんなことを頭の片隅でぼんやり考えながらあたしはたいした感慨もなく高校生になり――、
涼宮ハルキとであった。
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板