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マターリと語る世界経済 本部 18

701群馬の土人:2015/04/10(金) 00:57:06 ID:???
面白かった

米国などの場合は、ピケティも指摘しているように、
スーパー経営者の高額報酬のウェイトがかなり大きいと言わなければなりません。
なぜ、そのようなことが生じるのかは、岩井克人氏が指摘(岩井前掲論文参照)しているように、
企業のガバナンスの問題として、検討されるべきでしょう。

他方、日本で問題とすべきは、一部の富裕層による富の独占にフォーカスをあてるのではなく
(もちろんそれはそれで問題ではあるのですが)、
喫緊の課題としては下層に広がる貧困層の拡大を問題にしなければなりません。
そして、その貧困を生みだしているのは、非正規雇用などのこの国に特有の労働の在り方です。
したがって、日本の場合、資本の蓄積やその遍在という問題に一般化できません。
The World Bottom Incomes Databaseが必要です。
日本の場合、Occupy Wall Streetでの「1%対99%」というようなスローガンをそのまま持ち込んでも説得力はないでしょう。

格差がどこに存在し、なにがそれを生みだすのか、という認識の問題は、
同時にそれに対し、どのような政策をとるべきか、という問題につながります。

日本の現実についてみるならば、より現実的な政策がいくつか考えられます。
消費税のような逆進性の強い税をやめて、累進所得税と累進相続税を以前の水準にもどすことが、
それほど困難なことだとは思えません。累進所得税は勤労意欲をそぐ、という批判は現実をみるならば説得力はありません。

高額所得者ほど、給与所得以外の金融資産などの運用益、キャピタル・ゲインなどの比重が増えますが、
そのような所得は累進的ではありません。分離課税が選択でき、その税率はおよそ20%ですが、一時期は10%に軽減されていました。
その結果、高額所得者ほど負担率が下がる、と言う逆転現象が生じるのです。
労働からの所得に対し、資本からの所得は税制のうえで優遇されています。これらの税率は引き上げるべきです。

ピケティが提出した歴史統計のデータは、いかにその量が膨大であっても、それ自体、ピケティによるひとつの解釈にすぎないのです。
しかしながら、メディアでは、あたかもそれが歴史的事実であったかのごとき受け止められ方をしています。
それがどのような「解釈」であったのかは、これから多くの研究者が検証してゆくでしょう。

http://www.senshu-u.ac.jp/~off1009/PDF/smr621.pdf より




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