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月刊 加藤茂伸

193shigezo:2003/12/09(火) 01:52
2003年12月8日 月曜日

 


 今日は夢を自分で変えた。
 
 僕は一時期、毎晩同じ夢を見ていた。
 正確に言うと、設定は変わるのだけれど
 ほぼ同じ展開の夢であった。

 見つけなければならないものが見つからない
 なぜかいる追っ手から逃げ回る夢。
 毎晩見た。
 そのころの僕は、眠ることすら恐ろしくて
 夢を見ないように、とにかく酒を飲んだ。
 泥酔すると僕は夢を見ない。

 しばらくすると夢は見なくなった。
 けれど、今日久々に見た。
 
 人類はついに3000階のビルを建設。
 僕はその屋上から地上めがけて飛び降りる。
 2568階を通過する時、
 窓際で兄を食べる艶っぽい土偶に
 形見の品として裏返しのテニスボールを二つ呉れてやった。

 当然僕は空を飛ぶことが出来るので、
 空に浮かぶ都市公団が建てた集合団地に向かって旋回した。

 団地の屋上はプールがあるので
 屋上のプールからプールへと飛び石のように跳ねながら
 速度を落とした。

 屋上には老人と孫がおり、
 オートロックのドアが閉まってしまって
 中には入れなくて途方に暮れている。

 僕はここで一度目が覚めた。
 そう、いつもなら、ここで誰かが僕を追いかけ始める。
 今日はたぶんこの老人と孫だろう。
 僕は激しい動悸を覚えて目が覚めた。
 蛍光灯がまぶしい。部屋を見渡す。
 激しい動悸は収まらないが、
 部屋を見て一息つくと、辺りがまた屋上へと変化していく。
 僕は、これは夢だと言い聞かせながら何度も深呼吸して
 心臓の暴れを止める。
 夢の世界に引きずり込まれそうになるのをこらえた。

 目を覚ますと、夜明け前の真っ暗な部屋だった。
 一度確かに脳が起きた。
 きっと目が開かなくて、脳が僕の部屋のイメージを見せたのだろう。


 電車で隣に女子高生が座っている。
 ルーズリーフに古典の単語と意味を書き込んだものを見ている。
 イヤホンからはハイアットの音が漏れている。
 短い丈のスカートから足がニョキっと伸び、
 ルーズソックスは相変わらず彼女の足を丸呑みしている。
 長めの髪は、柴犬の目のように光沢のある深い茶色だ。

 彼女は肩で息をしていた。
 女の子特有の呼吸の仕方だ。
 
 僕は彼女に色気を覚えた。
 それは、彼女個人に対して向けられたものではなく
 記号としての彼女に向けられた。
 そして、それは、決して淫猥なものではなく、
 官能的な侘しさを僕に思い起こさせたのである。


 
追記
 飛び切り面白いことを思いついた。
 これは、なかなかいけるのではないか。


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