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車上生活

365今日のところは名無しで:2023/05/07(日) 10:45:58
子供の頃、俺・雪恵は山で遭難したことがあった。

俺の地元は結構な田舎で小学校は人数が少なく、同学年は2、3人しかいない。
1〜6年生全て合わせても20人ちょっとという有様で、それなりの校舎はあるものの全生徒が1つの教室で授業を受け、
他の教室は無用の長物という扱いだった。教室は1つで先生も1人。
まあ見事に過疎った町だったわけだが、当時の俺にはそれが普通でその町が世界の全てだった。

その日、俺は友達の だお と 貴士 を連れて山に入ってみることにした。
普段から山には入るな、山に入るとモノノケに食われるぞ〜と大人達から言い聞かせられており、俺達はそれを面白
がってちょくちょく山に入っては木の枝を拾って来たり食べられないキノコを採ったりして遊んでいた。
だおと貴士は学年的には1つ下だったが、毎日同じ教室で授業を受けている親友だった。

俺の同学年はネカマしかいなかったので、俺の遊び友達は必然的にだおと貴士だったわけだ。
だおは俺よりも態度がでかい奴で、どちらかといえば俺よりもだおの方が大家だった。
そんなだおが山に行こうと言い出した。
俺も貴士も山は大人にバレたらまずい遊び場としか考えていなかったので賛成した。
それで俺達は放課後に一旦家に帰り、自転車に乗って再び集合した。
言い出しっぺはだおだが、一応年長者の体裁を保つため「行くで」と言って自転車を漕ぎ始めると2人はついてきた。
立ち漕ぎで自転車を漕いで30分ほどで山に到着する。
今にして思えばよく30分も自転車を飛ばし続けられたものだ。

山へは県道から外れたポイントに自転車を停めて野獣道を入って行く。
山に入るというだけで俺達にとっては充分な冒険だったので深入りしたことはなかった。
せいぜい県道から数分の距離まで入り込みしばらく遊ぶ。
大きな枝を集めて秘密基地を作り、その中に入って拾ってきた裏本を見たり、道端に落ちていたたシケモクを
ふかしたりするのがいつもの遊びだった。その場にいることが楽しいわけで、本格的な山の探索などしたことはなかった。
人の手が入っていない原生林は木の立ち方もバラバラで地面には太い根がうねっている。
俺もだおも子供心にここで無茶をするとヤバイとわかっていたのだ。
その日もそれで終わるはずだった。


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