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『プリキュアシリーズ』ファンの集い!2

511猫塚 ◆GKWyxD2gYE:2022/01/01(土) 08:37:59

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 深夜、ハート展望台のバルコニーの一角で、青く透き通った立方体の群れがフワッとバラけ、小さな虚空の出口を生じさせた。中から出てきたのはツナグ。
 昼間の歓迎会を思い出して微笑む。

(楽しかったなぁ、うふふ)

 背中からリュックを下ろし、星明りを頼りに中身を取り出して、バルコニーの隅に丁寧に並べていく。
 形の綺麗な葉っぱや色々な種類の貝殻、そして今日、日が暮れる前に海岸で拾ってきたツヤツヤした石。どれもツナグが宝物にしたくなるようなものばかり。
 素敵な歓迎会を開いてくれたのどかたちへのお礼のつもりだった。

(気付いてくれるかな……。よろこんでくれるといいな)

 再びここを訪れたのどかたちが、これらの品を手にして笑顔になってくれているのを想像すると、ツナグの表情にもまた、幸せそうな笑みが広がっていった。

 のどか。ちゆ。ひなた。アスミ。ラビリン。ペギタン。ニャトラン。ラテ。そしてミナ。

 みんなとの一つ一つの思い出を噛み締めながら、誰もいないバルコニーを見渡した。
 自然と両目から涙があふれてきて、視界がぼやける。

「本当に ―― うッ」

 一瞬、声を詰まらせてから、感謝の言葉を喉からしぼりだした。

「本当に…ありがとう」

 涙をぬぐって立ち去ろうとしたツナグが、一歩だけ踏み出して足をとめた。もっとここにいたいという感情に、どうしても心が引っ張られてしまう。
 あともう少しだけ。
 念のため、この街を早めに去ることにしたが、時間的な余裕はまだ十分にあるはずだ。

(そうだ、せっかくだから掃除していこう)

 リュックから古布(ふるぎれ)を出して、バルコニーの壁をごしごしこする。
 ちょっとでもキレイにして、みんなによろこんでもらいたかった。


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