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『プリキュアシリーズ』ファンの集い!2

506猫塚 ◆GKWyxD2gYE:2022/01/01(土) 08:34:23

 ペギタン、顔を真っ青にしてあせる。
 増子ミナの体から立ち昇る真紅のオーラ。 ―― が、彼の目には見えているのだ。
 しかし、気圧されて後ろへ下がろうとするペギタンに、ちゆから声援が飛ぶ。

「ペギタン、がんばって!」

 今度はミナの目に、ペギタンの体から噴き上がる蒼い闘気が映った。

「ペエエエエエエエエエッッ!!!」
「むっ! その構えは、古代マケドニア八極拳!」

 生命の危機を感じて体が勝手に後ずさろうとする。だが、ミナは意志のチカラを総動員して耐えた。

 ニャトランが二人のほうを指差して、横にいるラビリンにたずねる。

「なあ、西ドイツとかマケドニアとか、……こいつら一体何やってんだ?」

 腕組みしたラビリンが二人から目を離さず、瞳をギラリと光らせて答えた。

「西ドイツ式ブラジリアン柔術は、邪馬台国を発祥の地とする日本最古の格闘術ラビ。
 遠・近・中距離、全てにおいてバランスよく対応できるのが特徴で、大正時代、鬼の王を倒すための戦いで『柱』と呼ばれる者たちの切り札となったことでも有名ラビ。
 対して、古代マケドニア八極拳は、アレクサンダー大王が編み出したヘレニズム格闘技の一種で、近接戦最強を誇るラビ。
 これを極めた者の拳は鉄をも砕くと言われ、さらに、あるスキルを取得することで、1ターンにつき最大5回までの連続攻撃が可能になるラビ。
 ……フフッ、数々の名勝負を目にしてきたラビリンにも、この闘いの結果がどうなるかは分からないラビ」

「いや、俺はまずおまえが何言ってんのかが分かんねーよ」

 メンドくさくなって理解をあきらめたニャトランは、テキトーなノリで目の前の勝負を楽しむことにした。

「じゃあ、俺はミナを応援するぜ。そっちのほうが、なんか面白そうだしな」

 関係なさそうにスマートフォンを眺めていたひなたが、「あっ!」と声を上げた。

「ミナさん、いつのまにかあたしのアカウントをフォローしてくれてる! あたしもミナさん応援しよっ!」

 あっさりとミナの側についたひなたを、ジロッと睨んだちゆが、のどかを振り返って、何も言わずに微笑みかける。 

「う…、うんっ、もちろん、わたしはペギタンを応援するよ」

 たじっ…と軽く身を引きながら答えるのどか。
 腕組みしたまま仁王立ちしているラビリンは、中立。どうやら、この勝負の審判を務める気らしい。

 ラテがアスミを見上げて「わんっ」と可愛らしく吠える。ラテと視線を重ねあったままアスミがうなずく。今度はちゃんと伝わった。

「ツナグ、これを」

 差し出されたヒーリングガーデンの聴診器を受け取ったツナグが、身振りを交えたアスミの簡単な説明に従って自分の耳に装着し、おそるおそるチェストピースをラテの体に当てる。
 チェストピースが淡い光に包まれ、ラテの心の声がツナグの耳に流れ込んできた。

『ラテといっしょに、ペギタンを応援してほしいラテ』
「え、あ…、うん、わかった」


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