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『劇場版プリキュア』を楽しもう!

180makiray:2020/12/26(土) 21:54:14
Messenger of Light (6/12)
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 だが。
「もう9時半…」
 昨日も一昨日も、8時過ぎに起きて休日出勤をしている母親の代わりに家事をした。今日はなぜ一時間半も遅れているのだ。
「時間の流れに逆らったからかな…」
 エンエンが言った。
 フーちゃんは、リフレインが繰り返した不自然な時間の流れのせいで力を失いかけた。妖精ではなく、人間に過ぎないあゆみは、たった数日で疲弊してしまうのかもしれなかった。
「急がないと」
 どうしても今日中に解決しなければ。
「誰か返事をしてください!」
 あゆみは、スマートホンを叩くようにメッセージを入力した。
《ちょっと待ってね。整理してるから》
 最初に反応したのは水無月かれんだった。
《誰か異常に気づいた人はいますか?》
 これは雪城ほのか。
《ちょっとレスポンスが悪いわね。朝早いし》
 と蒼乃美希。
「でも」
 つい声に出してしまうあゆみ。
《起こしますわね》
 四葉ありすが言ったかと思うと、あゆみの手の中のスマートホンが震え、大きな音が鳴った。こういうときのために、機器の設定を無視して大きな音を出す機能を用意しておいたのだという。
「びっくりしちゃったよ」
「無茶すんなー、あいつ」
《おはよ…》
《ちょっと、どういうこと?!》
《あゆみちゃん!!》
  星空みゆきに続いて、美墨なぎさ、日向咲と次々に入ってくる。挨拶もそこそこに驚きのレスポンスが続いた。
「ごめんなさい、すぐには信じられないと思うんですけど」
《あゆみがそんな嘘で私たちを叩き起こすとは思わない》
《フーちゃんなんでしょ。納得だよ》
《気になるのは、あゆみが見たっていう光ね》
《方角は?》
「西の方…です」
《もうちょっと絞れない? 建物とか目印にして》
「屋上に上がればわかるかも」
《あまり意味はないと思います。ほんの少しの差でも、遠ければ遠いほどずれが大きくなりますから。四葉のチームが伺って精密に測定できればまだしも》
《今からでも迎えない? まだ2時間以上あるわ》
《四葉を出すことには躊躇せざるを得ません》
《なんで?》
《正午になると時間が巻き戻されるのですよね。そのとき、精密機器や大型機械の動作も正常に巻き戻されるのでしょうか》
《だって、今まで何度も起こってるんでしょ》
《例えばのお話ですが。
 ミサイルが着弾する瞬間に時間が戻されたら、そのミサイルは間違いなく爆発せずに発射した基地に戻るのでしょうか》
 またレスポンスが途切れる。
《その電車の故障というのが気になります。ひょっとしたら、完全に戻るわけではないのでは》
《点検なしにずっと走らせ続けた、ってことかもしれないんだね》
《じゃ、急がないと!!》
《一般的な精度の機器を持って陸路で移動、なら可能かと思いますが、装備と車両の再点検をしてからだと》
《明日に持ち越しになる可能性があるわね》
「それはだめです!」
 あゆみはボタンを連打してしまった。“!”がいくつも並ぶ。
《あゆみちゃん?》
 もう、フーちゃんに、忘れられるかも、という思いをさせたくない。それは絶対にだめだった。今日中に解決しなければ。あと2時間で。


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