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『劇場版プリキュア』を楽しもう!
161
:
makiray
:2019/08/01(木) 21:15:26
はだしのプリキュア (04/12)
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セバスチャンは、顔を上げると、メンバーに何事かの指示を出した。
「重要な手がかりが得られたようです」
「どういうことですか」
「わたしにはいつもの天の川しか見えません。ほかのメンバーも同じです」
「え」
「ここにいる中では、それを見ることができるのは、坂上様と青木様だけのようでございます」
「わたしと、れいかちゃんだけ…。
!」
声にならない声を上げる。ふたりは顔を見合わせた。
あの星はプリキュアにしか見えないのか。
「実は、この望遠鏡が向いている方向が、昨日、ワームホールで皆さんが向かった方向なのです。
必要なデータは取得したしました。急ぎ戻り、詳細な分析を加えたく思います」
れいかが、急ぎましょう、という。あゆみも遅れて頷いた。
四葉家の会議室。50 人のプリキュアが待っているところに、セバスチャンともう一人、科学捜査チームの技官がやってきた。ひとまず報告できることは二つだけだという。ありすは、よくない方を先に、と言った。
「例の『連星』ですが、みなさんが『ワームホール』状の環境で連れ出された方向と一致することは確認できました。
ただ、距離が一致しません」
「距離…」
「お嬢様含めプリキュアの皆さんは、『ワームホール』状の環境から脱出する直前までいらしたわけですが、特異な状況とはいえ、おおよその位置はわかっています。それと、あの『連星』が存在する場所とが一致しません」
「偶然ということですか?」
あゆみの表情が曇る。
「それが…。
実はあの『連星』の正確な位置がまだ把握できていないのです」
「それは、みなさんに見えないからですか?」
「いえ」
調べようにもあの星は科学捜査チームには見えない。雪城ほのかと菱川六花がラボに出向き、方向などを指示している。チームは言われた方向から来ている光を解析しているに過ぎない。確かに既知の星とは異なる何かがあることは確認できたが、それは、目隠しをしてやる「スイカ割り」を科学的に再現しているようなものだった。
「計算のたびに異なる数値になっていまして」
「…。
妨害されている、とか」
「いえ。妨害電磁波の類は確認されていません」
「どういうことでしょう」
ありすが首をひねる。セバスチャンが技官を促した。
「?」
「こちらが二つ目の報告です。
あの『連星』のスペクトル パターンを確認したところ」
誰かが――というには多かったが――「スペクトル パターンってなに?」と言う。光の性質でございます、とセバスチャンが答えた。
「既存の星のどれとも一致しません。類似する星も発見できませんでした。
ただ、よく似た光のデータが見つかっています」
「何の光ですか」
「ミラクルライトです」
講堂内にざわめきが広がる。「ミラクルライト?」と何人もがつぶやいた。
れいかが挙手した。
「あゆみさんの顔色が戻ったのはそれが理由ではありませんか?」
あ、とあゆみ自身もつぶやいた。
プリキュアに力を与えてきたミラクルライトの光。
体調を崩していたあゆみにその光が力を与えたのかもしれない。
「つまり、通常の光ではない、ということですね」
「あの連星の位置が確定できないのはそれが理由かもしれません」
技官がありすの言葉を補足した。プリキュアの光、ミラクルライトの光は通常の物理法則の埒外にある。通常の物理法則を前提とする現在の地球の計測機器と処理技術で正確な値が出ないのはそれが理由かもしれない、ということだ。
「…」
ありすは正面のモニタに映し出されている五つの星を見上げた。何人か、ミラクルライトと聞いて喜んでいるものはいたが、それは果たして本当に吉報なのだろうか。
「あゆみさん」
ありすがあゆみを見る。
「ご気分はいかがですか? 星の光が見えていると思いますけど」
あゆみは、同じようにモニタを見た。芳しくないようだった。
「モニタごしでは違うのかもしれませんね」
ありすは、あゆみをはじめ、全員を休ませることにした。
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