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『劇場版プリキュア』を楽しもう!

159makiray:2019/07/30(火) 21:31:05
はだしのプリキュア (02/12)
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 あゆみが気づいたのは広い寝室だった。客用だろうか。
「そうだ、わたし」
 プリキュアたちが集まった会議室で、急に目の前が真っ暗になり、意識を失ったのだ。
「グレル! エンエン!」
 枕の横に小さな布団があり、グレルとエンエンもそこで眠っていた。エンエンが目を覚ます。
「あ、あゆみちゃん、大丈夫?」
「うん。エンエンは?」
「ちょっと眠い…」
 グレルは大の字になって、いびきが響いてこないのが不思議、という様子で寝ていた。
(ふたりも疲れてるの?)
 あゆみは、襟のキュアデコルに手をやった。
「フーちゃん?」
〈あゆみ…大丈夫か?〉
「うん。心配かけてごめんね?」
〈フーちゃんは大丈夫〉
「お目覚めでしたのね」
 短いノックの後、ありすが顔をのぞかせた。
「あの、わたし、どれくらい」
「15 分も経っていませんわ」
「会議は…」
「わからないことが多すぎて決めるもなにもありませんでした。
 まずは調査です」
 そうだ。なぜ自分が倒れたか思い出した。急に立ち上がったからだった。
「さっき、リコちゃんがいたような気がするんだけど」
 ありすは、いつもの笑みをキープしたまま頷いた。
「さきほど、ワームホールが発生した、と申しましたが、つまり、時空そのものが歪んでいるのです。
 本来なら行き来できるはずのない世界にいるリコさんと期せずして再会、ということになったのはそのためだと思います」
 そういうことだったのか。
「さっき、名前のわからないプリキュアがいる、というお話をしましたわね。
 実は、彼女たちが観星町に住んでいる、ということはわかっているのです」
「観星町」
「これからそこに向かいます」
「わたしも行きます」
 あゆみは、ありすの言葉を遮るように言った。
「でも、お体が」
「もう大丈夫です。
 それに、あんなところで倒れてしまって、みんなに迷惑をかけたから、少しでも役に立ちたいと思って」
 ありすはしばらくあゆみを見ていたが、やがて頷いた。
「わかりましたわ。セバスチャンを向かわせることになっていますので、ご同行をお願いします。
 あとは…そうですね、れいかさんにもお願いしましょう」
 それはおそらく、体調が万全でないあゆみのためだろう、と思ったが、あゆみは何も言わなかった。あの仲間たちの力になれるのならなんでもよかった。


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