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『劇場版プリキュア』を楽しもう!
147
:
makiray
:2018/12/20(木) 22:19:06
origin (2/7)
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「ほのか、話して」
野乃はなたちがピクニックをしていた原っぱに戻る。あゆみはレジャーシートの上に体を横たえていたがまだ目覚めなかった。
「ほのか」
美墨なぎさに問い詰められる形で雪城ほのかは口を開いた。
「たぶん、ミデンに最初に捕まったのがあゆみさんなんだと思う」
「あゆみちゃんが?」
「わたしたちがミデンに襲われたの、横浜だったでしょう」
「あ」
「でも、あゆみちゃんはミデンの中から出てきたように見えたよ」
日向咲が言う。
「行動を起こすには実体が必要だった、ということじゃないかしら。だから最初だけは、記憶を奪うだけじゃなくて、体ごと乗っ取ったんだと思う」
彼女たちが、あゆみ、またはキュアエコーが中にいなかった、と断言できないのはそのせいだった。ミデンがプリキュアの力を使うとき、その体はそれぞれの色に染まったが、その時、彼女たちはあゆみと「一心同体」になっていたのである。その感触のせいで、「いなかった」と言い切れないでいたのだ。
「ミデンが白かったのは…」
頷くほのか。あれは、キュアエコーの白だったのだ。
「あゆみちゃん!」
リコが叫んだ。あゆみが目を開いた。
「え、リコちゃん…どうして、ここに」
「大丈夫? 怪我はない?」
「え…!」
あゆみは突然、ジャージの襟に手をやった。
「え…え?」
何かを探している。リコがキュアデコルを差し出す。
「探しているのはこれ?」
「フーちゃん!」
あゆみはそれを両手で受け取った。
「フーちゃん…」
〈あゆみ…フーちゃんは大丈夫〉
「よかった」
あゆみの目じりがにじむ。
〈あゆみ…ごめん〉
「フーちゃんは悪くない」
〈ごめんなさい。
フーちゃんは、ちょっと疲れた。休んでもいいか?〉
「うん…」
あゆみはキュアデコルを胸に抱くと、聞こえるか聞こえないか、という声で「ごめんね」と言った。
みなは顔を見合わせていたが、剣城あきらが膝をついた。
「あゆみちゃん…何があったのか教えてくれるかな」
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