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『劇場版プリキュア』を楽しもう!
135
:
makiray
:2018/09/27(木) 22:45:10
Soliste Echo(06/12)
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「私は残ります」
「どうして?
みんなを助けるの手伝ってほしいんだ」
キュアエコーは首を振った。
グレルとエンエンも、どうした、と不思議そうに見上げている。
「残ります。
この世界にプリキュアはいないから」
「!」
そうだった。
プリキュアアラモードの五人も、HUG っとプリキュアのふたりも、そして先輩たちも皆、ウソバーッカの中に捕らわれている。みらいたちはまだ無事かもしれないが、それはマホウ界のこと。この世界、ナシマホウ界にいるプリキュアはたった一人、キュアエコーだけ。
昨夜の心配は現実になったのである。
「エコー…」
「心配するな。俺たちにドンと任せておけ!」
「大丈夫だよ」
グレルが胸をたたき、エンエンが微笑む。ポシェットから漏れた光は、フーちゃんも同じ気持ちだということだ。
「あんた…」
顔を上げる。扉の向こうに、きれいな青のキツネがいた。
「あなたは…」
「わたしの名前はシズク。サクラの友達。
あんたに、カードを一枚、預けましょ」
キュアエコーの前にカードが浮かび上がった。さっき、いちかが持っていたのと同じもの。ただし、中央のマークは「扉」だった。
「あんたにはなんや、うちらと近いものを感じる。きっと、このカードが役に立つ思う」
それがどういう意味かはわからない。だが、これからの一人きりの戦いの役に立つのであれば、それが何であっても欲しい、というのが偽らざるところだった。キュアエコーはカードを手に取った。
「すぐに戻ってくる」
いちかが表情を引き締めて言った。
「うん」
「ありがとう、キュアエコー」
走り出すいちかたち。その背中を隠すように扉が閉まる。切れ目はすぐに消え、あたりはなんの変哲もない神社に戻った。
「さて、俺たちの力の見せ所だぞ」
無言でうなづくキュアエコー。
いちかたちの言うとおりであれば、ウソバーッカはマホウ界だ。だが、いつ戻ってくるかわからない。それは、マホウ界で苦しめられてこちらに戻ってくるのかもしれないし、それはそれとしてこのナシマホウ界で悪事を働くのかもしれない。あるいは、狙い通りにみらいたちをも捕らえ、最後のプリキュアを始末しにやってくるのかもしれない。
〈あゆみ…〉
フーちゃんが小さな声を上げた。キュアエコーは手を必要以上に固く握っていた。
不安? ある。あるに決まっている。
だが、この世界にプリキュアは一人しかいないのだ。であれば、道も一つしかなかった。
マホウ界では、リコとことはがウソバーッカの中に飛び込んだ。魔法で中からみなを脱出させることができるだろう、と考えたからだったが、そうはならず苦戦していた。
はな、いちか、みらいの三人は辛うじて脱出に成功した。そこで、あのウソバーッカが、かつて はなが不思議な空間で出会ったクローバーという少年に「闇の鬼火」がとりついたものであることがわかる。はなは、クローバーを傷つけたことを謝り、闇の鬼火につけいらせないようにするため、六角塔の「時の扉」を目指す。
六角塔は見つかり、闇の鬼火にクローバーを利用させないようにすることはできた。だが、闇の鬼火は、中にプリキュアたちを抱え込んだまま巨大化してしまう。
はな、いちか、みらいは走った。まだアスパワワもキラキラルも魔法の力も戻ってこない。ハグたんを抱え、クローバーと一緒に走るしかなかった。
だが、巨大化した闇の鬼火は今にも追いつきそうだ。
もう足も心臓も限界だ。だが、止まるわけにはいかない。足をもつれさせただけでも捕まってしまうかもしれない。そう、頭に思い浮かべてしまったのがよくなかったのか、はながつまづいた。
「はなちゃん!」
みらいが戻ろうとする。
「立って!」
いちかが悲鳴を上げた。
ウソバーッカの大きな手が上から覆いかぶさってくる。はなは、はぐたんを腕の中に抱え込んだ。
「!
…」
ショックが来ない。はなは恐る恐る顔を上げた。
はぐたんを抱えたはなの体をかばっているのは。
「エコー。
エコー!」
ハートフル・エコーの光に怯えたウソバーッカは、熱いものにふれてしまった子供のように手を引っ込めていた。
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