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『劇場版プリキュア』を楽しもう!

106makiray:2017/08/01(火) 23:03:50
Quartet Branche (6/16)
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「おぉ…」
 グレルが思わず声を上げる。エンエンも、首が痛くなるのではないかと思われるほど見上げていた。
 近所の神社に立っている桜の木。一足早く花をつけている。
「あの花も頑張ってるんだね」
 口の悪いグレルも頷いた。エンエンもうれしそうだった。
「でも、あゆみ、先にお花見しちゃっていいのか? みんなで見るんだろ?」
「大丈夫だよ。ほのかさんたちも下見してるんだし」
「そうか。でもこれくらいにしておこうぜ」
「みんなと一緒がいいよね」
 あゆみは小さく笑った。グレルとエンエンがこんなに義理堅いとは。それだけ、プリキュアや妖精たちに会えるのが楽しみだということだろうか。
「じゃ、帰ろうか」
「おう。
 …?」
 一緒に歩きだしたが、グレルは時折、後ろを振り向いた。
「どうしたの、グレル」
 エンエンが言う。グレルが首をかしげているので、エンエンも後ろを振り向いた。別に変なものはない。狛犬がいるだけだ。
「なんか気配がするんだよな…」
「なぁに、グレルはお侍さんになったの?」
「なぁ、あゆみ。
 狛犬って黒いのもいるのか?」
「うーん、石の種類に寄るんじゃないかな。大体は灰色だと思うけど、黒いのもあったりするかも」
「そうか…」
「地面に置いてあったりする?」
 エンエンも狛犬が気になるらしい。
「どうだろう。普通は台の上にいると思うよ」
「ふぅん…」
「動いたりするか?」
「まさか、石の彫刻だよ」
「でもさ」
 一体、どうしたというのだ。あゆみは振り返った。
「…」
 グレルとエンエンが言ったとおりだ。
 黒光りする狛犬が地面の上にチョコンと座っている。
「なんだろう…」
〈キュアエコーだな〉
 あゆみは伸ばしかけた手を止めた。グレルが腰の剣を抜く。エンエンも身構えた。
「あなたは」
〈烏天狗様の命令で、お前をさらいにきた〉
 体を起こす あゆみ。この狛犬は一体、何を言っている? いや、これはきっと狛犬ではない。
〈烏天狗様は、白いプリキュアをコレクションしている。
 キュアホワイト、キュアイーグレットはゲットした。次はお前だ〉
「なんですって?!」
〈来てもらうぞ!〉
 黄狗が口を開ける。
〈アーッ!〉
 猛烈な風が起こった。胸元のリボンが暴れる。
「グレル! エンエン!」
「あゆみ!」
「あゆみちゃん!」
 三人を手をつないだ。
〈あゆみ!〉
「フーちゃん、お願い!」
 三角形の中心で光が破裂する。


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