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アルト×シェリルに萌えるスレ138
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ー彼女は花嫁になる日など、来ないと思っていたのだろう。
だから、命を返すまでの刻限を悟ったあのとき、エリクシアの衣装で偽物のウェディングドレスを着て、それで満足したつもりだったのだろう。
誰も抱きしめる者のない空虚の輪郭を道連れに、死ぬつもりでいたのだ。
それはあまりにも気高く哀しい、銀河の妖精の覚悟だった。
だけど、俺にとってのシェリルは妖精でなくていい。
一人の女性としてのシェリルとともに、この大きな星を漕いでゆきたい…
アルトの脳裏に、もうだいぶ昔に耳にした、あの歌の一節が蘇る。
ずっと時間が経ってから、自分のことを歌っていると知ったあの歌が…
ーあなたに出会って愛されるため ずっと独りでいたんだ
過去と未来 結ぶ銀河の夕暮れを あなたと見たいから…
「ーっ…!」
こらえきれずにくしゃりと顔を歪ませ、シェリルはアルトの首に両手を回して抱きついた。
アルトはシェリルの背中にそっと腕を回し、子どもをなだめるようにストロベリーブロンドを撫でる。
アルトは幸せそうに微笑むと、シェリルの耳元に唇を寄せ、もう一度ささやいた。
「ー結婚しよう、シェリル。おまえのことを、一生大事にする」
「…はい…」
嬉しくて悔しくて、言葉がうまく出てこない。
ただ自分をしっかりと抱きしめてくれるアルトの体温が、これが夢ではないことをシェリルに教えていた。
「アルトのバカ、いつもいつも、遅いんだから…こんなサービス、もう二度と…アルトにしか、しないんだからっ…!」
「わかってるよ。これが最初で最後だ」
胸を満たす甘い幸福に酔いしれるように、アルトはシェリルのこめかみにそっと唇を落とす。
そして、いつかも告げた言葉を繰り返した。
「少し、遅いかもしれないけど…」
ー人は一人じゃ飛べない。飛んじゃいけない。
幼い日の出会いから、たくさんの捨てられない重い荷物を抱え、そのすべてを共に抱えて生きてゆくと誓ったふたりが、いまようやく結ばれた。
「俺はおまえのことを、愛してる」
二つを重ねて一羽になるバタフライ・ノットに、祝福を。
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