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アルト×シェリルに萌えるスレ130
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燃え上がる炎の灯りが暗闇に包まれた周囲を照らし出している。
見回すまでも無く、周囲の皆が笑顔で…楽しい時間を過ごしていて…
ランカのマネージャーの少女を目に見えて意識していたルカは
甲斐甲斐しく動き回る彼女の手伝いを嬉しそうにしている。
普段は軽い口調や態度でクラン大尉をいなしているミシェルも
この時だけは素直に、優しい視線を隣の少女へと向けていた。
ごくり、と込み上げてきた唾液を一つ、躊躇いと共に飲み込むと
きゅっと二つの拳を軽く握り締める。…ほんの僅かな、小さな勇気を出す為に。
「―――俺が見立てたんだぞ」
「え?」
「その浴衣も、髪飾りも…お前の髪型も。似合ってないなんて、そんな訳ないだろ?」
「………うん」
少しだけ乱暴な口調になってしまった気はしたけれど、それでも
ようよう紡ぎ出された俺の言葉に、シェリルは笑顔で頷いてくれた。
そのまま、細い指先で胸元を押さえる様にして微笑むシェリルが、あんまりに幸せそうで。
どこか懐かしさを感じさせる幼い少女の様に、無垢に頬を染めている横顔が、本当に嬉しそうで。
自然に自分の顔にも笑顔が浮かぶのを感じながら、俺はもう一度目の前の炎を見上げた。
その時、背後からナナセとルカが皆に呼びかける声が聞こえた。
さっきから準備をしていた花火の用意が出来たらしい。
「花火?ここで打ち上げるの?」
「いや、そうじゃない。手持ちの花火だ」
「手持ちなんてあるの!?」
「…なんだ、知らないのか?」
「だ、だって仕方ないじゃない…ギャラクシーにはそんなの無かったんだもの…」
「ハイハイ」
既にお約束になっているシェリルの言葉を軽く流す。普段ならここでまた
一度膨れる所だが…この時ばかりは、準備された手持ち花火が気になったんだろう。
浴衣のおぼつかない足取りでルカ達に駆け寄ろうとしていたシェリルが、軽くよろける。
「きゃ…」
「バカ!だから最初に気をつけろって云ったろ?」
「ご、ごめんなさい…」
その腰を慌てて支ると、密着した部分からは和服の生地越しの温もりが伝わり、
鼻先からはふわりと柔らかい、花の様な甘いシェリルの匂いがした。
瞬間ばくんと跳ね上がった心臓が、彼女への心配と相俟って荒い口調を紡がせる。
僅かに上がった怒声に驚いたらしい面子に大丈夫だと軽く手を振って返すと、
びくりと肩を竦ませたシェリルに視線を向けた。
叱られた子供みたいなその態度に…また…胸が詰まる……
そんな顔をさせたい訳じゃない。楽しいと云ってくれたその気持ちを、
こんな楽しい時間は初めてだと感じてくれたその心を…守ってやりたいだけなんだ…
「ほら―――…もう転ぶなよ。マネージャーに叱られるのは俺達なんだから」
「あら、グレイスはそこまで過保護じゃないわよ?」
「それでも、だ。ちゃんと気を付けて歩けって最初に言っただろ…シェリル」
だから、もう一度だけ勇気を出して…小さな左の掌を、自分の右手で包み込んだ。
「あ………アルト……」
「また転びかけたお前のフォローをするのは勘弁だから…な。
ほら、手持ち花火。興味があるんだろ?行ってみようぜ」
「うん。…あ、でも…」
「ん?」
「せっかくの浴衣。汚れちゃわないかしら?」
「大丈夫だ。俺が教えてやる」
そう云って、また少しだけ不安げな表情を浮かべるシェリルの手を引いて歩き出す。
ゆっくりとゆっくりと…穏やかな歩調で、シェリルが転ばない様に。
ルカ達のいる場所へ辿りつくまでの時間を、少しでも長く過ごせる様に。
普段はやかましい位に賑やかなシェリルが、何かを口にする気配はない。
だから俺も何も言わず…繋いだ手に力を込めたまま、短い距離を歩いて行った。
『和服は女性の持つ稜線や美しさを最大限に引き出す様にデザインされているんですよ。
そうして、どんな女性でもしっとりと穏やかな行動を自然と心がける様に…
どんな女性でもその人の持つ美しさを引き出して見せる事の出来る様に…と。
この一枚の生地の中には、そんな計算され尽くした美しさが存在しているんです』
脳裏に蘇るのは、またあの時と同じ、遠い昔に聞いた兄さんの言葉。
そう…だから、きっと、そう云う事なんだ。今の自分が、ガラじゃないこんな事を
してしまっているのも。信じられない位に心臓がばくばくと早鐘を打っているのも…
多分、そのせいなんだ―――と、そう思った。
そんな感じで、あの1Pの無言のシーンを微妙に脳内補完しつつ。
改めて、こちらのスレでもお世話になります。管理人様、住人の皆様、宜しくお願い致します。
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