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大河×竜児ラブラブ妄想スレ 避難所2

286高須家の名無しさん:2010/08/24(火) 18:59:50 ID:???
竜児がバッグから取り出したクッキーに群がるゼミ生たち。
ところが、この教室にそれを快く思わなかった人間が1人いた。
(な、な、何やってんのよ竜児・・・!
そういうのはわたしにいちばんに食べさせるもんでしょ・・・!)
伊形サキ―つまり大河である。

正直言って嫉妬であった。竜児の料理は、高校のころから自分専用だったから。
竜児が新しいレシピを憶えたときも、
大河にせがまれて初挑戦のお菓子を作ったときも、
いつも一番にそれを食べるのは大河だったし、
竜児もそれを嬉しそうに見てたのに。

実際に言ったことはなかったが、
竜児が自分好みの甘い卵焼きを初めて作ってくれたときも、
辛さ控えめに調整したカレーを初めて作ってくれたときも、
そもそも初めてチャーハンを作ってくれたときだって、
密かに大河は絶賛していた。
竜児から料理を教わり、簡単なものなら作れるようになってきた最近では、
竜児が作ってくれたご飯やお菓子から
技術や味付けを盗もうと頑張っていたのに。

それをこの男は・・・!

だが、続いてその怒りは危機感に変わった。
今回のクッキーの感想を、皆が竜児に告げている。
皆。女子もだ。
1人の女子が竜児に近づく。警戒リストに載るあの2年女子だ。
まずい、と大河は思った。
この高須竜児という男、普段料理の感想を言ってくれる人が傍に居ないため、
(大河は基本「あー、お腹一杯」が感想だし、
泰子は「さすが竜ちゃん、おいし〜い☆」しか言わない)
真剣に褒められると真剣に照れるという傾向がある。
そして例のリスト入り2年女子は、結構竜児を気に入っている節があった。
ここで自由にさせては、竜児の中で彼女の好感度が上がってしまう・・・!

大河は素早く行動した。
ゼミ生たちの後ろを風のように移動し、竜児の隣のポジションを確保。
すかさずクッキーを一枚食べ、例の女より先に竜児に感想を言う―
という計画であったが、クッキーを食べたところでフリーズした。

美味しい。
人間、あまりに美味しいものを口にすると、一瞬行動が停止するということを、
大河は身を以って知ることとなった。
しかも、竜児は新作と言うこのクッキー。これは自分の好きな味だ。
もしかして、わたしに食べさせるために練習を・・・?

大河は元来思い込みの激しいタイプであったが、
今回はその思い込みが珍しく現実とマッチしていた。
クッキーの美味しさと「わたしのために」という思い込みの一文が、
彼女から怒りも危機感も拭い去っていく。

「おう、伊形さん。どうだった?」

竜児が尋ねる。
未だ思い込みの中に居た大河は、喜びと感謝を混めて返事した。

「おいしいです・・・すごく。なんだかしあわせになっちゃいます・・・」

日向のように微笑むサキに、ゼミ生たちは皆心を射抜かれた。
男子も女子も漏れなくズギューン!という音を聞いていた。

数分後、幸せそうにもぐもぐするサキを囲んで
異常なほど穏やかな時間が流れる教室に、
教授が大変に申し訳なさそうな顔をして入ってきた。


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