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大河×竜児ラブラブ妄想スレ 避難所2

22虎注6/7 ◆wVNPBvxl56:2009/11/05(木) 08:10:34 ID:???
「いや、俺もさ、嬉しかったよ。あれだけ頑なに他人を拒絶していた逢坂が、他ならぬ俺の親友と親しくなって、
 俺のことを好き、とも言ってくれた。あのときは他に言いたいことがあったみたいだけどな」

 北村は一度言葉を切った。余計な口出しではないかと躊躇したのだ。
 でも竜児の方はそこで、すとんと、落ち着いてしまった。大河の言いたかったその先、大河に、
明日からはただのクラスメイトに戻ろうと言われたときに感じた喪失感の理由、大河のいる風景の安心感。
 大河が、一日に百回も竜児の名を呼ぶ理由。

「……分かるよ。今になってようやくって感じだけど。考えねえようにしてたけど、
 普通に考えりゃそうなんだって、今は」
「それは、櫛枝が好きだったから今までは分からなかった……ってことか?」
「ああ。たぶん。大河もお前のことが好きだったしな」

 北村は竜児の言葉には合わせず過去形を使ったが、竜児ははっきりと自分の中で納得した答えにまだ確信を
抱くには至らなかったために、使う時制は単に過去形に似た表現でしかなかった。それだけならまだ、
現在を含めた過去にも聞こえる言い方だった。どちらにしても、明瞭に一方が正しいと談じることはできなかったのだ。
 それでも竜児は、自分の気持ちに関しては、それが過去だと肯定してしまった。

「つうか、なんだ、全然順を追ってねえな」
「いいさ、俺も何だか、薄っすらとだが分かってきたような気がする」
「マジかよ。本人が半年かけて分かりかけてるようなことだぞ」
「マジだ。言われてみればって感じだが、確かに、高須が櫛枝と親しくなったとは思っていたが、
単に逢坂経由だと思っていたからな。言われてみれば、色々なことに説明がつきそうな気がする」

 そうかそうか、なるほど。北村は楽しげに呟いて、何度も頷いた。

「亜美の奴が膨れる理由がよく分かった」
「は? 川嶋が?」
「口には出さなかったけど、分かるんだよ。幼馴染だからな。
 あいつのことだから、何かお前たちにお節介なことでも言ったんじゃないか?」

 察しのいい北村というのも調子が狂うものだった。停止していた思考能力が運転を再開した上、
余事は置いて一つのことに集中しているせいかもしれない。鈍感さにかけては竜児に勝るとも劣らない北村が、
亜美のごとき察知力を発揮している。
 もっとも竜児の調子だったら、昨日の夜から狂いっぱなしではあったが。調子が狂ったせいで、
普段考えないようなことを思い至ったのだ。

「そういう理由だったら、高須のことを水臭いとは攻められんな」
「…………」

 つまり、親友に秘密を持っていたということを。

「それで、何かあったわけだ? その均衡状態みたいなものが、昨日崩れてしまうようなことが起きたんだな。
 あの様子だと櫛枝と逢坂の間でも何かあったみたいだけど」
「それに関しては、さっぱりだ。俺もびっくりしてる。全然分かんねえよ」
「まあ、理由はさておき、あれはどう見ても高須を取り合っていたよなあ」

 竜児は眉をひそめた。最凶の誉れも高い三白眼をすうっと細め、戯けたことを抜かす男だ! 切り刻んでやろうか?
と考えているのではなく、半透膜を通過する液体のように、北村の言葉が脳に認識されるまで時間がかかっているのだ。


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