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大河×竜児ラブラブ妄想スレ 避難所2
19
:
虎注3/7
◆wVNPBvxl56
:2009/11/05(木) 08:09:21 ID:???
北村は物悲しげな目で竜児を見て、
「俺のことは……正直今は、少し、話したくないんだ……高須の話が聞きたいな。高須と、逢坂の話を」
誤魔化すのはやめて、拒絶した。竜児はそこで二の足を踏んだら、また後悔する羽目になるんじゃないかと思った。
けれど踏み込んだらそれはそれで、失敗するかもしれない。やらないで後悔するよりは、断然いいのだけど。
北村のことは心配だが、本人が話したくないと言った以上、おそらく気が変わるなんてことはしばらくないだろう。
「今は」という期限に期待して、少しばかり待ってみるべきなのかもしれない。
「分かったよ……分かった。っつっても何から話ししたらいい? 大河の失敗談でも聞きたいのか?
あいつの私生活なんて恥じるところしかねえぞ」
「はは……それは、ちょっと見てみたいもんだ」
力ない笑いだったが、それでもないよりは、虚ろな顔をされているよりはマシというものだ。
大河の笑えないドジくらいで親友がちょっとでも元気になるのなら、大河のプライバシーなど一顧だに価しない。
あらゆる恥を開陳してしまえばいいと思う。
「いや、何というか、話は戻るが、お前たちがケンカしてるわけでもないのに登校も下校も別々だなんて、
本当に珍しいと思ってな」
「……確かにな。すげえ違和感だよ」
懐が寂しいというか足元が落ち着かないというか。いつだって目線の下にあるつむじが見当たらないのは
それだけで徹底的に何かしらの欠落を表しているかのようで、喪失感に近い感覚をさえ竜児に抱かせるに充分だった。
竜児は、できたらあのちっこいバカには、自分の頭上から両肩に触れて地面まで延びる
円錐形の範囲内で暮らしていてもらいたいものだ、と妙に感慨深く思った。
見える範囲ではなく、手の届く範囲に居てほしいのだ。
要するに――
「しばらくお前と一緒に帰ることもなかったからな、実は色々と聞いてみたいところもあったんだ」
「そういや、そうだな。帰りはなんかいつもバタバタ慌しくて……主に大河と特売のせいだけど。
ああ、でもお前が生徒会に入って以来か」
話したくない、とは言いつつも北村の目は雄弁だった。生徒会と聞いて微かに細められたその目。
決して不快の色でも、それ自体を厭っているわけでもない、ただそれについてもう考えたくないとでもいうような、
何かしらのジレンマがそこにあった。
竜児にさえ、文化祭以来北村の元気のなさは生徒会に起因することなのだと推測できた。
それが単に生徒会長になりたくないからなのか、あるいはもっと他に理由があるのか。
それ以上の判断をすることはできなかったが。
とにかく、竜児の言葉に対して口を歪めることでのみで回答としたのは事実だった。
端的に言えばスルーした。
「……高須と逢坂はいつの間に親しくなったんだ? 余計な詮索と思って聞かなかったが、
実は前から結構気になってたんだぞ」
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