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大河×竜児ラブラブ妄想スレ 避難所2

17虎注1/7 ◆wVNPBvxl56:2009/11/05(木) 08:08:34 ID:???
おはようございます。


*


 それほど気にしていないように思えても、根底のどこかでは自分のことを、不幸だ、と
感じていたのかもしれない。それを含めて、二三日自分のことばかり考えていたようだった。
自分の頭の蠅を追えとも言うものの、それを差し置いてもそのことに気づかなかった事実に、
竜児はショックを隠せなかった。
 しかも少なからず、目下竜児の頭にたかる蠅、もとい虎――ひどく例えは悪いが――の
動向とも関わりのある人物のことである。
 元気がないな、とは思っていた。だからといって。

「ねえ竜児……」

 ほぼ真下から聞こえた声から感じる意図は、ひとまず休戦、といった様子。
私たちのことはしまっておきましょうと似合わない心得顔の大河だった。原因の一端に
自分が噂されていることに負い目でも感じているのか、言葉にはしなかったもののともかく
竜児にとってもありがたい申し出、的な意図ではあった。

「北村」

 後ろから声をかけたのは放課後のこと、大河は何か遠慮めいた躊躇いを理由に先に帰っていた。
 できたら竜児としては大河も一緒に来てほしかった。一つには北村をして、「全部やめる」なんて
投げやりな言葉を叫ばせる理由を聞くのが、一人では少し怖かったからだ。
 もう一つの理由は竜児には上手く説明できるほど考えを整理する時間がなかったのだが、
たぶん余りにも常に一緒に居すぎて、例えば帰り道傍らにその姿がないと落ち着かず、
空に太陽が見えないとか、部屋に窓がないとか、教室に黒板がないとか、当たり前にあると
思っているはずのものが不在のときに感じる違和と同種のそれが、その理由のそのまた一因になっているのだろう。
 竜児にとって大河は余りにも当たり前な存在となっていた。その上、昨晩から竜児の脳内は大河一色である。
 そういう意味では、やはり今は大河に居てもらっては困るのかもしれないが。

「ああ……なんだ高須か。逢坂はどうした? 一緒じゃないのか?」

 振り向いた北村の表情は見ようによっては竜児の凶悪に鋭い目つきより正視に耐えがたいものだった。
北村を知るものにとっては特に。やつれているとか、疲れているとか、そういう形容ともまた違った生気のなさ。
暑苦しいほどの気力に満ちた普段からは全く想像できない風の腑抜けぶりで、言うなれば北村駄作といった体。
何か一つのことに気を取られているためにほかのことを構っていられないようだったし、
何一つ考えられない呆然の境地であるようにも見えた。
 とはいえそんな状態の者にすら四六時中二個イチでいないことを疑問に思われるほど、
傍目にも自分たちがセットで考えられていることも、竜児には少なからず感慨のようなものがあったが。

「お前な……なんだじゃねえよ。大河なら用事があるっつって先帰ったけど、まあこの際あいつのことはどうでもいい」

 並んで歩き出しながら、竜児は小さな物体を脇へどかす仕草をした。

「そんなことはないだろう。逢坂は重要だぞ。高須と逢坂が一緒にいないなんて問題に比べたらほかのことは
 全て瑣末事だ。恋ヶ窪先生が独身でおられないとか、素直でいい子な亜美とか、変じゃない櫛枝のように
 不可解かつ驚愕の事実だ」


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