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大河×竜児ラブラブ妄想スレ 新避難所

634◇eaLbsriOas ◆dvuHYisf.g:2009/08/26(水) 22:01:19 ID:???
 ともあれ、普段はこれまた凶暴で鳴らす大河の機嫌がいいのは、竜児にしてもいいことなのだ……被害が減るからだ、もちろん。
 そして大河の微笑みに、腹に岩のように湧き上がった怒りもゆるりと解けて。解けてとけて、ちょっと待てよと怒りの最後のひとしずく。

「……で、そうだ。その痴漢はどうした」
「小手を掌握してひねりつぶしてやったわ。わかる? 掌握」

 そう訊いて、シャツを離した右手で、大河はやおら竜児の右手を握ってくるのだ。「手を握る」といえば聞こえは甘いが、

「ああ、いいよ! わかんねえけど、遠慮しとく」

 小指の付け根側を、小さな指を揃えて掴む大河のその力にはそんな甘やかさなど微塵も無い。それどころか瞬時に「あ、やばい、決まる」という確かな恐怖を竜児は感じて、焦って手を振りほどく。格闘技だか護身術だかの講釈をご遠慮されて、大河はたいそう不満げだが致し方あるまい。というか、やめろマジで。

 大河は不服そうに唇を尖らせたまま、振りほどかれた右の手を、汗で湿ってばっちいはずの竜児のシャツに戻して、掴みなおす。そしてふたたび、綺麗な眉根に縦じわを刻んでの360度やぶ睨みを開始。

「でもよ、もう睨まなくてもいいんじゃねえか、今日は。俺もいるし」
「あんたがいるから、なんなのよ」

 すかさず、なんなのよ、と来た。言われりゃたしかに、なんなのだろうか。俺が守る、とでも? とてもそんな柄じゃないが……とまで考えたところで、竜児は思いつく。

「そうだ。かわりに俺が睨んでやるよ」
「あんたがかわりに? だめよ、さっきの騒ぎを見たでしょ? あんたの目にはフォースがあるの」

 自分で言って面白かったのか、大河は意地悪そうにぷくくと笑う。

「俺はジェダイか」
「違うよ。物理力。まあ、暗黒の力ではあるわね……ぷっ」

 などと憎まれ口、大河はコロコロと本当に楽しそうに笑うものだから。申し出をすげなくされた上に小馬鹿にされたというのに、どうにも竜児は怒れない。かわりにつられて苦笑してしまう。
 やがて大河は、はぁ、とため息。私くらいの眼力でちょうどいいのよ、なんて言って。結局。

 またも右を左をガン睨みするのだ、大河は。大きな瞳を眇めて星ぼしの輝きを縮め、眉根も寄せて白い額には深い縦じわを刻んで。やっぱりどうにも、竜児にはそれが気に入らない。まったくそこが問題だ。それさえなければ大河は本当に――


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