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大河×竜児ラブラブ妄想スレ 新避難所

633◇eaLbsriOas ◆dvuHYisf.g:2009/08/26(水) 22:00:13 ID:???
「痴漢って、おまえ……まさか、あったことあるのか?」
「あるよ。お尻触られた」
「許せねえ……!」

 呟くや、まったく瞬間、たちどころに竜児は怒っていた。
 ふだんは大河の罵倒にも、暴力にさえもびくともしない温厚さで鳴らす竜児である。怒って、こんなあっという間に血をのぼせた試しなどない竜児は、むしろそのことに驚いたくらいだった。

 そりゃあいくら俺でも怒るのは当然だ、大事な……とつい考えて、大事ななんだ?と竜児は首をひねる。大事な、なんだというのか……大河は。そう、大河は……大事な飼い主だ。だから飼い犬の俺が激怒するのは当然なのだと、なんとかたどりついたわりには屈辱的なその答えに竜児は妙に安心、珍しく鼻など鳴らして納得する。

 そういえばこの路線、急行は特に痴漢が多いとか聞いたことがあった。今までは――竜児に出会うまでは、大河はきっと、ひとりでこの電車に乗って、服を買いに行っていたのだ。そして……

 そして。

 竜児はふたたび沸き立つ怒りもそのままに、誰をというわけでもなく、つい車両の中をぐるりと見渡してしまう。
 ばさばさ、あわわと、途端に車内は謎の喧騒に波打つ。本を持っていた客は本を取り落とし、携帯を持っていた客は携帯をお手玉し、本も携帯も持っていない客はいっせいに目を伏せた。え? なんだこれ、俺のせいか……?

「あー、あー、だめだめ。あんたは睨んじゃだめ。そっちシルバーシートだし。ペースメーカー止まるよ?」
「お、おう。そうか……って、俺の目は電波は出しちゃいねえぞ……たぶん」

 たしかに竜児は遺憾ながら、心穏やかに眺めても無駄に殺意をふりまくほどの凶眼持ちだけれど。さすがに電波はねえだろうと、でも竜児はなんだか心細くなって大河を見る。すると。
 大河はどうしたことか、愉快そうに瞳も細めて、小首を揺らして微笑んでいるようだった。よっぽど今の騒ぎが楽しかったとみえる。


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