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大河×竜児ラブラブ妄想スレ 新避難所

109◇eaLbsriOas ◆dvuHYisf.g:2009/06/19(金) 21:12:55 ID:???
「……どうした、大河?」
「撫でて」
「お、おう!」
 竜児は慌てて、だけど優しく、淡色の髪に包まれた大河の頭を撫でてやる。
「もっと。いいこいいこして」
「おう、よーしよし。いいこだ、いいこだなー、大河は」
 竜児は犬か猫にするように両手で撫でてやる。大河も髪が乱れるのも気にせず竜児の両手にぐりぐりと頭を押しつけてくる。ほどなくふたりは、
「よーしよしよしよしよし、かーわいいですねー、可愛い虎ですねー……」
「うー……ぐるぐるぐる……」
 ムツゴロウと、あやされてのどを鳴らす虎になり果てていた。
 やがてようやく満足したのか、顔を上げた大河は満面の笑み。それを迎えた竜児も、絶対にスキは見せない、俺はおまえの上位の獣なのだ、従え! と、無法な地下サーカスの若手ナンバーワン調教師の鋭い眼で見つめ返す。微笑んでいるのだ。
 もう頼むことも頼まれることも要らない。
 竜児はくしゃくしゃになった大河の淡色の髪に何度も指を入れて、丁寧に梳きおろしてやる。大河はその間、瞳を閉じて髪を竜児にゆだねる。充分に梳いて、竜児は大河の頭にぽんと手を下ろして仕上がりを伝える。
「よし、いいぞ」
 長い睫毛に縁取られた目蓋を開けて、星振る瞳で竜児を見つけた大河は微笑む。
 瞳が語って言葉は要らない。どちらともなくお互いに顔を寄せて、口づけを交わす。二度、三度、唇をついばみあうけれど、それ以上、深いキスはしない。それでよかった。
 唇を離して、見つめあう。閉じそうになる目蓋を必死で支える。頬に薄紅が差す。高鳴る心臓。きっと。
 あんたも。
 おまえも。
 そしてもう、言葉は、
「して、竜児」
「しよう、大河」
 それだけで、いい。

(12章おわり、13章につづく)


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