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989FE ◆lJ8RAcRNfA:2011/06/08(水) 22:31:11 ID:5KXKWOXk
第15章「新たな局面」




 リワープによって一気に、ベグニオン帝国の皇居に転移した3人。
 そこには、サナキ以外に人がいた。
「む、姉上!」
 部屋に入るなり、マントを引きずりながらサナキがやってくる。
 その背後には、しばらく見ていない顔があった。

「お久しぶりです、皆さん。」
 そこに立っていたのは、
「セフェラン―――――」
 ベグニオン帝国元老院議員議長にして宰相、セフェラン。別名、「エルラン」。
 かつて、ベオクと呼ばれる人に近い人種と、ラグズと呼ばれる獣に近い人種が争いを起こし、人に絶望した人。
 絶望のあまり、この世界からベオクを、ラグズを抹消するために、女神アスタルテを起こすという大きすぎる過ちを犯した、「元」ラグズ。
 今では、セリノスの森で静かに暮らしているはずだったが。

「ところで、皆さんはなぜ、ここに?」
 穏やかな物腰でセフェランが尋ねる。
 その言葉を聞いて、ミカヤが切り出す。
「実は――――――」


 話はこうである。
 死んだはずの漆黒の騎士。それが異世界で生きている。では、これまで導きの塔で倒した相手たちはどうなのだろうか。
 彼が生きている以上、他の人間たちも生きている可能性がある。
 ならば、今生きている人間は誰なのか、そして、死んだはずの人間を「生き返らせた」のはだれか、を突き止めるためだった。

「なるほど…」
 口元に手を当てて、セフェランは考える。
「確かに、ゼルギウスが生きている以上、他の人たちが生きている可能性も否めない…」
「それに、異世界には団長たちが行ってしまった。これは、何かあると勘ぐるべきじゃないか。」
 サザがそう言って死体の調査を依頼する。
「………いいじゃろう。」
 皇帝が直々に、許可を下した。
「じゃあ、導きの塔の最下層へ行きましょう。」
 そう言って、一行は導きの塔へと歩き出す。



 女神の事件で死んだ兵士たちは、導きの塔の最下層に安置されていた。
 女神のために戦い、殉職した者たちへのせめてもの配慮なのだろう。
 その死体を一つ一つミカヤとセフェランが調べていく。
 死んだ兵士を見るたびに、ミカヤは思った。
(あまり、気持ちのいいものではないわね…)
 聖職者だろうと、なんだろうと、人の死体を見て気分がいいという人はいないだろう。
 しかも、自分たちが殺した人間ならば、なおさらだ。
「ミカヤ、恐れてはいけません。」
 ふと、セフェランから声がかかる。
「罪と向き合うのです。つらいことでも、受け入れることが大切なのですから。」
 そう言って、セフェランは作業に戻って行った。
(そう、目を逸らしちゃいけない。)
 それこそが、償い。少なくとも、ミカヤはそう思っている。
 どんな殺人も正当化はされない。なら、私は全てを受け入れる。
 受け入れること。それが、ミカヤの示した償いだった。
 それはさておき、奇妙なことにミカヤは気付き始める。
(………?)
 小さな違和感。
 それがまだ確信に変わることはなかったが、その違和感の正体は理解できた。
(この死体、外傷が無い…?)
 傷の無い死体。では、なぜこの兵士は死んだのだろうか?
 他にも外傷はあるが、どれも致命傷にはなりえない傷を負って死んでいる者もいた。
 これは、どういうことなのだろうか。



 そのことをセフェランと皆に説明した。そうしたら、セフェランから意外な言葉が返ってきた。
「光魔法か、闇魔法の影響ですね。」
「え?」
「外傷がないから、物理的攻撃ではない。と言っても、理系の魔法でもない。恐らく、光か闇の力で生命力に直接ダメージを与えられたのでしょう。」
「そんなことが…」
「あり得るのですよ。その証拠に、「リザイア」という魔道書があります。これは相手の体力を奪って自分を回復させる魔法ですから。」
 筋は通っている。すると、彼らは光か闇魔法で殺されたのだ。
 そして、次の問題。
「じゃあ、彼らは何のために殺されたんだ?」
 ペレアスが尋ねる。さらに、サナキも続けた。
「そもそも、こ奴らを殺したのは誰なのじゃ?」
 そう、この二つが問題だった。
「そう、それが問題です。誰が何のために彼らを殺したのか。それがわかれば…」
 その時だった。




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