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本スレに書き込めない職人のための代理投稿依頼スレ

972R-TYPE Λ ◆xDpYJl.2AA:2011/05/29(日) 15:02:35 ID:.jmCVDEE
双方より同時に発せられる問い。
その内容に、ヴィータは独り納得すると同時、驚愕を覚える。
やはり、気の所為などではなかった。
砲撃の主はヴィータの意識を読み、ヴィータもまた相手の意識を読み取っていたのだ。

『何だ、こいつは。念話の術式が暴走でもしたか?』
『そんなの聞いた事も無い。やっぱり、この青い魔力素が原因か』

念話を交わしつつ、ヴィータは周囲へと視線を奔らせる。
自身の周囲へと纏わり付く、青白い光を放つ魔力素の粒子。
何時からか身体へと帯び始め、次第に密度を増しゆくそれに対し、しかし何故か警戒感を抱く気にはなれなかった。
それどころか、密度が高まるにつれリンカーコアの魔力出力は更に増大し、更には全身の傷までもが癒え始めたのだ。

『本当に何なんだ、コレ・・・リンカーコアの出力増大も、ひょっとしてコイツが原因なのか』
『知るか、そんな事。大体、悪影響どころかこっちが有利に・・・敵機、接近!』

瞬間、またしても混濁した意識中に映り込む、白い機体の影。
「R-11S TROPICAL ANGEL」
ランツクネヒトの機体、ヴィータの背後から突進してくる。

「くそッ!」

悪態をひとつ、反射的に飛翔魔法を発動、瞬時に20m程を移動し衝突を回避するヴィータ。
巨大な風切り音と共に、宙空を突き抜けてゆくR戦闘機。
ヴィータは衝撃に吹き飛ばされながらも、咄嗟に鉄球を構築しグラーフアイゼンを叩き付ける。
シュワルベフリーゲン。
常ならば4個までである鉄球の同時構築数は、瞬間的な生成にも拘らず30を優に超えていた。
それらの鉄球はハンマーヘッドが打ち付けられるや否や、ライフル弾の如き速度で射出されR戦闘機を追う。

R戦闘機群の機動は、妙に鈍い。
真相は定かではないが、何らかの制約が掛かっているかの様に、以前の常軌を逸した機動性が鳴りを潜めている。
しかし、如何にR戦闘機群の機動性が異様なまでに落ち込んでいるとはいえ、鉄球の速度はR-11Sへと追い縋るまでには到らない。
瞬間的に亜光速へと達するような異常極まる機動こそ行わないものの、閉所ですら音速の数倍で飛行可能という信じ難い速度性は未だに健在なのだ。
鉄球が苦も無く引き離され、瞬く間に振り切られた事を確認するや否や、再度ヴィータは悪態を吐いた。

「くそったれ!」
『諦めろ。あれを撃ち墜とすには最低でも極超音速クラスのミサイルを用意するか、さもなきゃクラナガンみたいに砲撃魔法の乱れ撃ちでもするしかないぜ』
「じゃあやれよ! お前も砲撃魔導師だろうが!」
『たった1人で乱射なんぞできるか。こっちは機械じゃないんだ、タイミングを合わせるのだって一苦労なんだぞ』
「だからって・・・ああ、クソ!」

またもや、闇の彼方に白い影。
防音結界をも無効果する程の轟音が周囲を埋め尽くし、至る箇所で波動粒子と魔力素の青い光が爆発、明滅を繰り返している。
どうやらR戦闘機群は有機構造体の奥より押し寄せる無数のバイド生命体群を殲滅しつつ、折を見てベストラへと攻撃を加えているらしい。
詰まる所、此方との交戦は片手間で事足りると判断されているのだ。
その事実が、ヴィータには面白くない。

「畜生どもめ・・・」

忌々しげに呟き、自身の頭部を上回る大きさの鉄球を構築する。
コメートフリーゲン。
炸裂型の大型鉄球を打ち出し、制圧攻撃を行う中距離射撃魔法。
だが、嘗てはあらゆる敵に対し暴威を振るったこの魔法も、R戦闘機が相手では分が悪い。
幾らリンカーコアが強化されていようとも炸裂範囲の拡大には限界が在り、それこそ超高速性と高機動性の双方を有するR戦闘機群に対しては、半ば運任せで起爆する以外には運用の手立てなど無いだろう。

「もっと派手に吹っ飛ばせりゃあ・・・」

知らず、零れる呟き。
更なる爆発力、効果範囲が欲しい。
巨大な、それこそ空間を埋め尽くすほどの爆発を起こせるのならば、撃墜には到らずとも1機か2機の敵機に損害は与えられるだろうに。




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